JP4442138B2 - 難燃性エポキシ樹脂組成物、半導体封止材料および半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は難燃性エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体封止材料並びに半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSI等の半導体素子を封止して半導体装置を得る方法としては、エポキシ樹脂組成物を用いて、トランスファー成形により、半導体素子を封止する方法が、低コスト、大量生産に適しているという点で広く用いられている。また、エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂や、硬化剤であるフェノール樹脂の改良により、半導体装置の特性および品質信頼性の向上が図られている。
【0003】
一方で、JIS規格、自動車製品用規格、電気製品用規格およびUL規格等の規格においても、その規定が設けられており、エポキシ樹脂を始めとする高分子材料の難燃化は重要な課題となり、半導体封止用樹脂に対しても難燃性が求められている。
【0004】
これまで難燃性を付与するために用いられてきた臭素化エポキシ樹脂は、高温での熱安定性に劣り、高温で臭素ラジカルが遊離しやすいことから、吸湿時の加水分解やハンダフロー時の熱分解によって、臭化水素等の臭素化合物を発生し易く、このような臭素化エポキシ樹脂を配合したエポキシ樹脂組成物が用いられる高集積化された半導体装置においては、耐湿信頼性を損う場合があった。
【0005】
これまで臭素化エポキシ樹脂を含め難燃剤として用いられてきたハロゲン化合物に代わる難燃剤として、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を用いて、その脱水作用により難燃化する技術(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)や炭素−炭素三重結合を有するフェノール化合物を用いて難燃化する技術(例えば、特許文献3参照。)が検討されている。しかしながら、半導体装置に用いた場合、難燃性は発現できるものの、金属水酸化物は特に硬化性、流動性が低下し、また、金属水酸化物および炭素−炭素三重結合を有するフェノール化合物ともに耐半田クラック性に乏しい欠点があった。また、炭素−炭素三重結合を有する化合物も、最近の各種多様なパッケージ成形がされてきているため高流動性が求められてきているが、その要求に対しては十分といえない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−363251号公報(第3頁〜第10頁)
【特許文献2】
特開平11−269349号公報(第2頁〜第6頁)
【特許文献3】
特開2002−363261号公報(第5頁〜第6頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハロゲン化合物を用いることなく、優れた難燃性を発現すると共に、良好な流動性を有する難燃性エポキシ樹脂組成物、および、これを含む半導体封止材料、ならびに、耐湿信頼性および耐半田クラック性にも優れる半導体装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物を用いることによって、優れた難燃性と、良好な流動性とを両立するエポキシ樹脂組成物を見出し、更には、これを含む半導体封止材料を用いた半導体装置は、耐湿信頼性および耐半田クラック性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
このような目的は、下記第(1)項〜第(11)項の本発明により達成される。
【0010】
(1)1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)および少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物(C)を必須成分とする難燃性エポキシ樹脂組成物であって、前記少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物(C)は、一般式(1)で表される化合物である記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【化8】
[式中、R1 、R 3 は、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の1価の芳香族基、または、置換もしくは無置換の1価のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。またR 2 は置換もしくは無置換の2価の芳香族基。kは、0〜10である。]
【0011】
(2) 前記一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物である第(1)項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【化9】
[式中、R4、R5およびR6は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、水酸基、アミノ基、フタル酸、無水フタル酸およびフェニル基の中から選択される1種を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。lは、0〜10である。]
【0012】
(3)1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)および少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物(C)を必須成分とする難燃性エポキシ樹脂組成物であって、前記少なくとも1個のジアセチレン基を有する化合物(C)は、一般式(3)で表される化合物である難燃性エポキシ樹脂組成物。
【化10】
[式中、R7は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、水酸基、アミノ基、フタル酸、無水フタル酸およびフェニル基を示し、ジアセチレン基を有する1価の置換基を有するベンゼン環上の水素は、その他の置換基で置換されていてもよい。mは、3〜6である。]
【0013】
(4) 前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)は、下記一般式(4)で表されるエポキシ樹脂および下記一般式(5)で表されるエポキシ樹脂の少なくとも一方を主成分とする第(1)項ないし第(3)項のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【化11】
[式中、R8〜12は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
【化12】
[式中、R13〜R20は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基の中から選択される1種を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、aは、1以上の整数である。]
【0014】
(5) 前記aは、1〜10である第(4)項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【0015】
(6) 前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)は、下記一般式(6)で表されるフェノール樹脂および下記一般式(7)で表されるフェノール樹脂の少なくとも一方を主成分とする第(1)項ないし第(5)項のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【化13】
[式中、R21〜R24は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基から選択される1種を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、bは、1以上の整数である。]
【化14】
[式中、R25〜R32は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基から選択される1種を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、cは、1以上の整数である。]
【0016】
(7) 前記bは、1〜10である第(6)項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【0017】
(8) 前記cは、1〜10である第(6)項または第(7)項に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【0018】
(9) 前記少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物(C)の含有量は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)との合計100重量部に対して、1〜30重量部である第(1)項ないし第(8)項のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
【0019】
(10) 第(1)項ないし第(9)項のいずれかに記載された難燃性エポキシ樹脂組成物と、充填剤とを含むことを特徴とする半導体封止材料。
【0020】
(11) 第(10)項に記載の半導体封止材料の硬化物によって、半導体素子が封止されてなる半導体装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いた半導体封止材料は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)に、少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物を添加することによって、ハロゲン化エポキシ樹脂などのハロゲン系化合物を使用することなく、優れた難燃性と、良好な流動性を両立し、前記半導体封止材料を用いて得られる半導体装置は、耐湿信頼性および耐半田クラック性に優れることを見出した。前記ジアセチレン基は、炭素−炭素三重結合と炭素−炭素三重結合が炭素−炭素結合を介して結合した構造を示すものである。
【0022】
以下、各成分について、順次説明する。
【0023】
[化合物(A)]
本発明に用いる1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するものであれば、何ら制限はないが、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂や臭素化ノボラック型エポキシ樹脂などの、ハロゲン化エポキシ樹脂は除外する。
【0024】
前記化合物(A)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキ型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂など、フェノール類やフェノール樹脂やナフトール類などのフェノール化合物の水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ化合物、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化した脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂ならびにグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
これらの中でも、前記化合物(A)は、特に、前記一般式(4)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂および前記一般式(5)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂のいずれか一方または双方を主成分とするものを用いるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の成形時(例えば半導体装置の製造時等)の流動性が向上するとともに、得られた半導体装置の耐半田クラック性がより向上する。
【0026】
ここで、「耐半田クラック性の向上」とは、得られた半導体装置が、例えば、半田浸漬や半田リフロー工程等において、高温に曝された場合であっても、硬化物のクラックや剥離等の欠陥の発生が生じ難くなることを言う。
【0027】
前記一般式(4)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂における置換基R8〜R12としては、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基が挙げられ、これらの中でも、特に、メチル基であるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低下し、例えば、半導体装置の製造時等に、その取り扱いが容易となる。また、その硬化物は、吸水性が低減するので、得られた半導体装置は、その内部の部材の経時劣化(例えば断線の発生等)が好適に防止され、その耐湿信頼性がより向上する。
【0028】
前記一般式(5)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂における置換基R13〜R20としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびフェニル基が挙げられ、これらの中でも、特に、水素原子またはメチル基であるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低下し、例えば、半導体装置の製造時等に、その取り扱いが容易となるとともに、半導体装置の耐湿信頼性がより向上する。
【0029】
また、前記一般式(5)におけるaは、エポキシ樹脂単位の平均の繰り返し数を表している。すなわち、aは、1以上の整数であれば、特に限定されず、1〜10程度であるのが好ましく、1〜5程度であるのがより好ましい。aを前記範囲とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性がより向上する。
【0030】
[化合物(B)]
本発明に用いる1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)は、前記化合物(A)の硬化剤として作用(機能)するものであり、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するものであれば制限はないが、ハロゲン化化合物は除外する。
【0031】
前記化合物(B)としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリスフェノール樹脂、キシリレン変性ノボラック樹脂、テルペン変性ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
これらの中でも、前記化合物(B)は、特に、前記一般式(6)で表されるフェノールアラルキル樹脂および前記一般式(7)で表されるビフェニルアラルキル樹脂のいずれか一方または双方を主成分とするものを用いるのが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の成形時(例えば半導体装置の製造時等)の流動性が向上するとともに、得られた半導体装置の耐半田クラック性や耐湿信頼性がより向上する。
【0033】
前記一般式(6)で表されるフェノールアラルキル樹脂における置換基R21〜R24、および、前記一般式(7)で表されるビフェニルアラルキル樹脂における置換基R25〜R32としては、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびフェニル基が挙げられ、これらの中でも、特に、水素原子またはメチル基であるのが好ましい。かかるフェノール樹脂は、それ自体の溶融粘度が低いため、エポキシ樹脂組成物中に含有しても、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度を低く保持することができ、その結果、例えば、半導体装置の製造時等に、その取り扱いが容易となる。また、エポキシ樹脂組成物の硬化物(得られる半導体装置)の吸水性(吸湿性)が低減して耐湿信頼性がより向上するとともに、耐半田クラック性もより向上する。
【0034】
また、前記一般式(6)におけるb、および、前記一般式(7)におけるcは、それぞれ、フェノール樹脂単位の平均の繰り返し数を表している。すなわち、bおよびcは、それぞれ、1以上の整数であれば、特に限定されず、1〜10程度であるのが好ましく、1〜5程度であるのがより好ましい。bおよびcを、それぞれ、前記範囲とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性の低下が好適に防止または抑制される。
【0035】
[化合物(C)]
本発明に用いる少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物(C)としては、ジアセチレン基を有する化合物であれば限定されないが、前記一般式(1)で表される化合物が好ましく、前記一般式(2)または前記一般式(3)で表される化合物がより好ましい。
【0036】
前記一般式(1)におけるR1、R2およびR3としては、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換の1価の芳香族基、または、置換もしくは無置換の1価のアルキル基であるが、例えば、フェニル基、メチルフェニル基の各種異性体、メトキシフェニル基、アミノフェニル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基、フタル酸基、無水フタル酸基の各種異性体等が挙げられるが、フェニル基、メチルフェニル基の各種異性体、メトキシフェニル基、アミノフェニル基、フタル酸基、無水フタル酸基の各種異性体等であるのがより好ましい。
【0037】
前記一般式(2)におけるR4、R5およびR6としては、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、水酸基、アミノ基、フタル酸基、無水フタル酸基およびフェニル基の中から選択されるが、これらの中でも、水素原子、アミノ基、無水フタル酸基などが好ましい。
【0038】
前記一般式(3)におけるR7としては、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、水酸基、アミノ基、フタル酸基、無水フタル酸基およびフェニル基の中から選択されるが、これらの中でも、水素原子、アミノ基、無水フタル酸基などが好ましい。また、ジアセチレン基を有する1価の置換基を有するベンゼン環上の水素は、その他の置換基で置換されていてもよい。
【0039】
前記一般式(1)および前記一般式(3)で表される化合物の具体例としては、下記の式(8)〜式(13)で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、これらの構造異性体、類似体および誘導体も含まれる。
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
[式(10)〜(13)中、R33〜R43は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、水酸基、アミノ基、フタル酸基、無水フタル酸基およびフェニル基の中から選択される1種を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
【0047】
前記構造異性体とは、例えば、式(10)で表される化合物においてR33およびR34が水素で、d=2の場合、式(14)と式(15)のような関係にある化合物のことを意味する。
【0048】
【化21】
【0049】
前記類似体とは、例えば、式(11)で表される化合物においてR35〜R37が、水素で、e=1の場合、下記式(16)と式(17)のような関係にある化合物のことを意味する。
【0050】
【化22】
【0051】
前記誘導体とは、例えば、式(13)で表される化合物において、R40〜R43がアミノ基で、g=1の場合、下記式(18)と式(19)のような関係にある化合物のことを意味する。
【0052】
【化23】
【0053】
本発明における少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物(C)の配合量としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)との合計100重量部に対して、1〜30重量部が好ましい。前記下限値未満では難燃性の効果が小さくなる恐れがあり、一方、前記上限値を超えると、硬化性、流動性が低下する恐れがある。
【0054】
本発明に用いる充填剤としては、例えば、溶融シリカおよび結晶シリカ等のシリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレーならびにマイカなどが挙げられる。これらの内、溶融シリカが好ましく、さらに、粒子形状が球状であることが好ましく、平均粒径は、1〜100μmであることがより好ましい。
【0055】
本発明における充填剤の配合量としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)との合計量100重量部あたり、200〜2400重量部であることが好ましい。
【0056】
また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物および半導体封止材料中には、前記成分の他に、必要に応じて、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩類、パラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0057】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、例えば、前記成分(A)、成分(B)および成分(C)を、必要に応じて、その他の各種添加剤を、ミキサーを用いて、常温混合し、半導体封止材料は、これに充填剤を加えて、前記同様に混合した後、これらの混合物を、熱ロールおよび加熱ニーダー等の混練機を用いて、加熱混練後、冷却、粉砕することにより得られる。このようにして得られた樹脂組成物は、優れた難燃性を示し、流動性も良好である。
【0058】
本発明の半導体装置は、上記で得られた半導体封止材料を、モールド樹脂として用いて、トランスファーモールド、コンプレッションモールドおよびインジェクションモールド等の成形方法で、硬化成形することにより、半導体封止材料の硬化物で、半導体素子を封止することにより、得られる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、耐湿信頼性はもちろん耐半田クラック性が特に優れるものである。
【0059】
以上、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物、半導体封止材料および半導体装置の好適実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0061】
[化合物(C)の合成例]
化合物(C)の合成は、熱硬化性樹脂(1990,Vol.11 No.4),Macromolecure Report,A31(SUPPLS.3&4)(1994 pp421-427),Macromolecules(2002,Vol.35,pp1180-1189)Polymer(1995, Vol36 No.1 pp187-192),Chem.Rev(1999,Vol.9,pp1747-1785)に順じ合成した。以下に合成例を示すが、必ずしも文献の方法、反応温度、反応時間に限定されるものではない。
【0062】
(ジフェニルジアセチレン(C1)の合成)
酸素導入管、温度計および撹拌装置付きの2Lのセパラブルフラスコに、フェニルアセチレン25.53g(250mmol)塩化銅(I)2.48g(25mmol)およびピリジン250mlを、約2時間、酸素(300ml/min)を吹き込みながら、激しく攪拌した。その後、1Lの水を加えると薄い黄色の析出物が析出し、ろ過することにより、下記式(20)で表されるジフェニルジアセチレン(C1)を24g得た。
【0063】
【化24】
【0064】
(3,3’−ジヒドロキシジフェニルジアセチレン(C2)の合成)
酸素導入管、温度計および撹拌装置付きの2Lのセパラブルフラスコに、m−ヒドロキシフェニルアセチレン29.53g(250mmol)塩化銅(I)2.48g(25mmol)およびピリジン250mlを入れ、約2時間、酸素(300ml/min)を吹き込みながら激しく攪拌した。その後、1Lの水を加え、更に、6mol/L塩酸を滴下し、反応液のpHを7に調整すると析出物が析出し、ろ過することにより、下記式(21)で表される3,3’−ジヒドロキシジフェニルジアセチレン(C2)を23g得た。
【0065】
【化25】
【0066】
(3,3’−ジアミノジフェニルジアセチレン(C3)の合成)
酸素導入管、温度計および撹拌装置付きの2Lのセパラブルフラスコに、m−アミノフェニルアセチレン23.25g(250mmol)塩化銅(I)2.48g(25mmol)およびピリジン250mlを入れ、約2時間、酸素(300ml/min)を吹き込みながら激しく攪拌した。その後、1Lの水を加え、更に、6mol/L塩酸を滴下し、反応液のpHを7に調整すると析出物が析出し、ろ過することにより、下記式(22)で表される3,3’−ジアミノジフェニルジアセチレン(C3)を22g得た。
【0067】
【化26】
【0068】
(ジフタリックアンハイドライドジフェニルジアセチレン(C4)の合成)
酸素導入管、温度計および撹拌装置付きの2Lのセパラブルフラスコに、4−エチニル無水フタル酸37g(250mmol)塩化銅(I)2.48g(25mmol)およびピリジン250mlを入れ、約2時間、酸素(300ml/min)を吹き込みながら激しく攪拌した。その後、1Lの水を加え、更に、6mol/L塩酸を滴下し、反応液のpHを7に調整すると析出物が析出し、ろ過することにより、下記式(23)で表されるジフタリックアンハイドライドジフェニルジアセチレン(C4)を28g得た。
【0069】
【化27】
【0070】
(1,2,4,5−(フェニルジヘキシニル)ベンゼン(C5)の合成)
窒素置換及び真空の調整が可能で、冷却管および撹拌装置付きの1Lのセパラブルフラスコに、1,2,4,5−テトラブロモベンゼン20.87g(53mmol)、2−メチル−3−ブチニル−2‐オール18.51g(220mmol)、トリエチルアミン221ml(1.58mol)およびピリジン146ml(1.81mol)を入れ、窒素を流し攪拌した。その後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)1.11g(1.59mmol)、ヨウ化1.01g(5.28mmol)およびトリフェニルホスフィン2.22g(8.46mmol)を素早入れ、攪拌した。その後、セパラブルフラスコを、オイルバスに入れ、85℃に加温し12時間放置した。その後、ピリジン、トリエチルアミンを減圧蒸留し、イソプロパノールで抽出した。メタノールで再結晶し、1,2,4,5−テトラ(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)ベンゼンを16g得た。
真空の調整が可能で、冷却管および撹拌装置付きの1Lのセパラブルフラスコに、上記で得た1,2,4,5−テトラ(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)ベンゼン15g、1,4−ジオキサン300mlおよび水酸化カルウム(粒状)6.3gを入れ、130℃のオイルバスで10時間加熱した。その後、冷却し、6mol/L塩酸300mlを滴下し、イソプロパノールで抽出し、1,2,4,5−テトラエチニルベンゼンを9g得た。
酸素導入管、温度計および撹拌装置付きの2Lのセパラブルフラスコに、1,2,4,5−テトラエチニルベンゼン8.7g(50mmol)、フェニルアセチレン26.35g(250mmol)塩化銅(I)4.96g(50mmol)およびピリジン500mlを入れ、約2時間、酸素(300ml/min)を吹き込みながら、激しく攪拌した。その後、1Lの水を加え、更に、6mol/L塩酸を滴下し、反応液のpHを7に調整すると析出物が析出し、ろ過することにより、下記式(24)で表される1,2,4,5−(フェニルジヘキシニル)ベンゼン(C5)を23g得た。
【0071】
【化28】
【0072】
(C6の合成)
窒素置換及び真空の調整が可能で、冷却管および撹拌装置付きの1Lのセパラブルフラスコに、1,4−ジブロモベンゼン12.5g(53mmol)、2−メチル−3−ブチニル−2−オール9.25g(110mmol)、トリエチルアミン221ml(1.1mol)およびピリジン146ml(1.81mol)を入れ、窒素を流し攪拌した。その後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)1.11g(1.59mmol)、ヨウ化銅1.01g(5.28mmol)、トリフェニルホスフィン2.22g(8.46mmol)を素早入れ、攪拌した。その後、セパラブルフラスコを、オイルバスに入れ、85℃に加温し12時間放置した。その後、ピリジン、トリエチルアミンを減圧蒸留し、イソプロパノールで抽出した。メタノールで再結晶し、1,2−ビス(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)ベンゼンを16g得た。
真空の調整が可能で冷却管および撹拌装置付きの1Lのセパラブルフラスコに、1,2−ビス(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)ベンゼン15g、1,4−ジオキサン300ml、水酸化カルウム(粒状)6.3gを入れ、130℃のオイルバスで10時間加熱した。その後、冷却し、6mol/L塩酸200mlを敵下し、イソプロパノールで抽出し、1,4−ジエチニルベンゼンを9g得た。
酸素導入管、温度計および撹拌装置付きの2Lのセパラブルフラスコに、上記で得た1,4−ジエチニルベンゼン6.3g(50mmol)、m−アミノフェニルエチニル14.4g(150mmol)塩化銅(I)4.96g(50mmol)およびピリジン500mlを、約2時間、酸素(300ml/min)を吹き込みながら、激しく攪拌した。その後、1Lの水を加え、更に、6mol/L塩酸を滴下し、反応液のpHを7に調整すると析出物が析出し、ろ過することにより、下記式(25)で表される化合物(C6)を10g得た。
【0073】
【化29】
【0074】
次に、特開2002−363261号公報に基づき、三重結合を有するフェノール化合物(C7)および(C8)を合成した。合成法を次に示す。
【0075】
(化合物(C7)の合成例)
p−ブロモフェノール35.6g(318.5mmol)、フェニルアセチレン35.7g(350.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II) 0.67g(1.0mmol)、ヨウ化銅0.61g(3.2mmol)およびトリフェニルホスフィン2.6g(10.0mmol)を、乾燥窒素置換したガラス容器中で、トリエチルアミン20mlを溶媒として、還流下、約1時間反応させた。冷却後、トリエチルアミンを留去して水洗し、下記式(26)で表される化合物(C7)を55g得た。
【0076】
【化30】
【0077】
(化合物(C8)の合成例)
上記で得た化合物(C7)を50.0g(0.263mol)、37%ホルマリン17.1g(0.210mol)およびシュウ酸ニ水和物0.5g(0.004mol)を、メチルイソブチルケトン50mlを溶媒として、還流化、約3時間反応させた。冷却後、メチルイソブチルケトンを留去し、下記構造式(27)で表される化合物(C8)を53g得た。
【0078】
【化31】
【0079】
次いで、上記で得た化合物(C1)〜(C8)のそれぞれを用いて、半導体封止材料を作製し、各種特性を評価した。各特性の測定方法および試験方法は、下記の通りとした。
【0080】
[評価方法]
(1)スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定した。スパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい方が、流動性が良好である。
【0081】
(2)硬化トルク
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIVPS型)を用い、175℃、45秒後のトルクを測定した。この値の大きい方が硬化性は良好である。
【0082】
(3)耐半田クラック性
実施例で得られた100ピンTQFP半導体パッケージを、85℃、相対湿度85%の環境下で、168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡で外部クラックを観察し、クラック発生率[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。また、チップと樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面積)×100]として、8個のパッケージの平均値を求め、%で表示した。クラック数、剥離率が少ないほど、耐半田クラック性は良好である。
【0083】
(4)耐湿信頼性
125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を、16ピンDIPに印加し、断線不良を調べた。15個のパッケージのうち、8個以上に不良が出るまでの時間を、不良時間とした。単位は時間。なお、測定時間は、最長で500時間とし、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったものは、不良時間を500時間以上と示した。不良時間が長いほど、耐湿信頼性に優れる。
【0084】
(5)UL94難燃性
試験片(127mm×12.7mm×厚み1.6mm)を、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒で成形し、175℃、8時間で後硬化し、UL−94垂直法に準じて測定し、難燃性を判定した。
【0085】
[半導体封止材料の調製および半導体装置の製造]
以下のようにして、前記化合物C1〜C8を含む半導体封止材料を調製し、半導体装置を製造した。
【0086】
(実施例1)
まず、化合物(A)として下記式(28)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX4000H)、化合物(B)として下記式(29)で表されるフェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製XL−225、ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。)、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)、化合物(C)として化合物(C1)、充填材として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、カルナバワックス、シランカップリング剤(A−186)を、それぞれ用意した。
【0087】
<式(28)のビフェニル型エポキシ樹脂の物性>
融点 :105℃
エポキシ当量 :193
150℃のICI溶融粘度:0.15poise
【0088】
【化32】
【0089】
<式(29)のフェノールアラルキル樹脂の物性>
軟化点 :77℃
水酸基当量 :172
150℃のICI溶融粘度:3.6poise
【0090】
【化33】
【0091】
次に、ビフェニル型エポキシ樹脂:48重量部、フェノールアラルキル樹脂:42重量部、化合物(C1):10重量部、溶融球状シリカ:730重量部、カーボンブラック:2重量部、カルナバワックス:2重量部、トリフェニルホスフィン1.5重量部を、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて95℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、半導体封止材料を得た。
上記で得た半導体封止材料を用いて、トランスファー成形機により、金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分間の条件で、100ピンTQFP(Thin Quad Flat Package)(パッケージサイズは14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップサイズは8.0×8.0mm、リードフレームは42アロイ製)を成形した後、175℃、8時間で、後硬化させて、8個の半導体パッケージ(100ピンTQFP)を得た。
さらに、上記で得た半導体封止材料を用いて、トランスファー成形機により、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分間の条件で、16ピンDIP(Dual Inline Package)(パッケージのサイズは6.4×19.8mm、厚み3.5mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、3.5×3.5mm、リードフレームは42アロイ製)を成形した後、175℃で8時間、後硬化させて、15個の半導体パッケージ(16ピンDIP)を得た。
【0092】
(実施例2)
まず、化合物(A)として下記式(30)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000P、ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。)、化合物(B)として下記式(31)で表されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851ss、ただし、繰り返し単位数:3は、平均値を示す。)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、化合物(C)として上記で得た化合物(C2)、充填材として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、カルナバワックス、シランカップリング剤(A−186)を、それぞれ用意した。
【0093】
<式(30)のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の物性>
軟化点 :60℃
エポキシ当量 :272
150℃のICI溶融粘度:1.3poise
【0094】
【化34】
【0095】
<式(31)のビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の物性>
軟化点 :68℃
水酸基当量 :199
150℃のICI溶融粘度:0.9poise
【0096】
【化35】
【0097】
次に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:51重量部、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂:34重量部、化合物(C2):15重量部、溶融球状シリカ:650重量部、カーボンブラック:2重量部、カルナバワックス:2重量部、トリフェニルホスフィン1.5重量部を、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて105℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、半導体封止材料を得た。
【0098】
次に、この半導体封止材料を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
【0099】
(実施例3〜6、比較例1〜4)
各成分を、表1に従って、配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体封止材料を調製し、各特性の評価をした。評価結果は表1に示した通りであった。
【0100】
【表1】
【0101】
表1に示した結果から分かるように、実施例1〜6では、いずれも難燃性はUL94 V-0を示し、従来のものに比べて、難燃性だけでなく、良好な流動性、硬化性、耐湿信頼性、耐半田性を示した。
これに対して、比較例1は、耐湿信頼性、耐半田性は問題ないものの難燃性が不十分であった。比較例2は、水酸化マグネシウムの添加により耐湿信頼性、耐半田性が低下した。また水酸化マグネシウムの添加量が少ないため難燃性も不十分であった。比較例3は硬化性、耐湿信頼性、難燃性は問題ないものの、耐半田性に劣る結果となった。比較例4は化合物6の添加量が少ないため難燃性が不十分であり、耐半田性も不十分であった。また比較例4,5とも流動性も十分満足できる流動性とはいえない。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、ハロゲン系化合物や金属水酸化物を添加することなく高度な難燃性、良好な流動性を有する難燃性エポキシ樹脂組成物が得られ、これを含む半導体封止材料により、耐湿信頼性はもちろん、耐半田性にも優れる半導体装置を提供することができる。
Claims (11)
- 1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)および少なくとも1個のジアセチレン基を有する化合物(C)を必須成分とする難燃性エポキシ樹脂組成物であって、前記少なくとも1個のジアセチレン基を有する化合物(C)は、一般式(1)で表される化合物である難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)および少なくとも1個のジアセチレン基を有する化合物(C)を必須成分とする難燃性エポキシ樹脂組成物であって、前記少なくとも1個のジアセチレン基を有する化合物(C)は、一般式(3)で表される化合物である難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 前記1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)は、下記一般式(4)で表されるエポキシ樹脂および下記一般式(5)で表されるエポキシ樹脂の少なくとも一方を主成分とする請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 前記aは、1〜10である請求項4に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 前記1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)は、下記一般式(6)で表されるフェノール樹脂および下記一般式(7)で表されるフェノール樹脂の少なくとも一方を主成分とする請求項1ないし5のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 前記bは、1〜10である請求項6に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 前記cは、1〜10である請求項6または7に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 前記少なくとも1個以上のジアセチレン基を有する化合物(C)の含有量は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物(A)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(B)との合計100重量部に対して、1〜30重量部である請求項1ないし8のいずれかに記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載された難燃性エポキシ樹脂組成物と、充填剤とを含むことを特徴とする半導体封止材料。
- 請求項10に記載の半導体封止材料の硬化物によって、半導体素子が封止されてなる半導体装置。
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