JP4441078B2 - クッション材のリサイクル法。 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合繊維を使用したクッション材であって、特にベッド用のマットレスや自動車用マットレス等に使用され、繰り返し使用していることによりクッション性能が劣化した場合でも、再度の熱処理にて初期のクッション性能を再現できるクッション材のクッション性能復元方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル繊維製のクッション材は種々開発されており、融点の異なる2種のポリエステル繊維を、或いは芯鞘型熱融着繊維を使用し、通常熱風加熱方式を用いて製造されている。この方法では、0.01g/cm2以下の比較的低密度の場合、熱風をウェブの内部まで貫通させるため、風圧によりクッション材の厚み方向に密度ムラを生じ、また高密度のクッション材を製造するには熱風の貰通に抵抗を生じ、厚さに限度があるなどの欠点があり、更に加熱の機構が主に対流及び伝導によるため、エネルギー損失が大きいという欠点もあった。
【0003】
また、特開平2−154050号では、蒸熱処理による低融点繊維の溶融によって、交絡部を融着した製品が開示されている。これは、混綿した芯鞘型繊維の鞘部の低融点繊維の溶融によって、交絡部の固定ができるため、クッション性が良好で比較的安定した製品を得ることができるものである。
【0004】
このように、不織布を構成する繊維の一部に芯鞘型の繊維を用い、それを熱風加熱や蒸熱処理して鞘部の低融点繊維を溶融させ鞘部どうしの交絡部を固定することにより製造していた。その製品は、圧縮荷重による歪みのないボリューム感ある製品であるが、かかる製品はクッション材やベッド用のマットレスや自動車用マットレス等として繰り返し荷重がかかり、経時変化でヘタリが発生し、クッション性能が劣化するものであった。またベッド用のマットレスについては、病院や一般家庭向けに貸し出す事業もあるが、貸出先から回収され嵩高性能の劣化したベッド用マットレスは再度、マットレスとして利用されることはなく、破断され焼却等されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の欠点を解消すべく、ポリエステル繊維からなるクッション材であって、ベッド用マットとしても使用できる、ボリューム感があり、しかも圧縮荷重による歪みの少ない、品質のよいクッション材であって、経時変化でクッション性能が劣化したクッション材のクッション性能復元方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかる発明は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿して不織布とした後に熱処理して形成された繊維構造体であり、かつ、該繊維構造体を形成する各繊維間が相互に前記芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着されてなる繊維構造体からなるクッション材に、湿熱処理により再度の熱処理を施すことを特徴とするクッション材のクッション性能復元方法である。
【0007】
本発明の請求項2にかかる発明は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿したカードウエブを積層した後に熱処理に熱処理して形成された繊維構造体であり、かつ、立体的に連続した繊維の交絡部が前記芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着されてなる繊維構造体からなるクッション材に、湿熱処理により再度の熱処理を施すことを特徴とするクッション材のクッション性能復元方法。
【0008】
また、本発明の請求項3にかかる発明は、再度の熱処理時間が、最初の熱処理時間よりも短いことを特徴とする請求項1または請求項2記載のクッション材のクッション性能復元方法である。
【0009】
また、本発明の請求項4にかかる発明は、再度の熱処理温度が、最初の熱処理温度よりも低いことを特徴とする請求項1または請求項2記載のクッション材のクッション性能復元方法である。
【0010】
また、本発明の請求項5にかかる発明は、再度の熱処理による形態の復元率、表面硬度、定荷重変位量、繰り返し圧縮残留歪み、剥離強力のいずれかが、初期状態の95%以上である請求項1または請求項2記載のクッション材のクッション性能復元方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明である、再度の熱処理によりクッション性能が復元されるクッション材を以下に説明する。まず、かかるクッション材を構成する繊維について説明する。
【0012】
クッション材を構成する(A)のポリエステル繊維としては、通常のポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロラクトンまたはこれらの共重合エステルやコンジュゲートスピニングによる複合繊維などがいずれも使用できる。熱収縮率の異なる2種のポリマーからなるサイドバイサイド型複合繊維は、スパイラル状捲縮を発現し、立体構造をとるので好ましく、特に、中空率5〜30%の中空糸が好ましい。また、繊度は4〜150dtexで、カット長は25〜150mmのものを使用するのが好ましい。
【0013】
次に、(B)の芯鞘型複合繊維としては、芯に通常のポリエステル繊維成分を使用し、鞘に低融点ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどを、芯成分と鞘成分の融点の差が30℃以上となるように組み合わせて製造した複合繊維がいずれも使用できる。繊度2〜20デニール、カット長25〜76mmのものを使用するのが好ましい。
【0014】
また、(B)の芯鞘型横合繊維の鞘成分としては、特に、低融点ポリエステルの使用が好ましいが、この種のポリエステルは、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、へキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシリレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステルであり、例えばテレフタル酸とエチレングリコールに、イソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステルなどが例示される。
【0015】
また、本発明のクッション材において、(A)繊維と(B)繊維とを重量比で95:5〜40:60という割合で混綿することが好ましい。
【0016】
本発明では、構成する繊維主体として、中空糸を使用するのが好ましいが、これは、ウェブの繊維方向が不規則に絡み合い、芯鞘型複合繊維の低融点成分と交絡部で融着接合されて立体的な構造となり、繰り返し圧縮荷重による歪みが非常に小さい製品となるためである。
【0017】
本発明に用いる繊維稀造体は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿した不織布を、遠赤外線または熱風ヒータで仮融着し、所定の密度および厚さに応じて繊維構造体とし、この繊維構造体を熱処理して、各繊維間が相互に芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着するという方法によって製造されるものである。
【0018】
すなわち、本発明のクッション材に用いる不織布は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型横合繊維とを混綿して得られた低目付の不織布(例えばカードウェブ)の表面を、遠赤外線または熱風ヒータで融着させて製造するか、又は遠赤外線又は熱風ヒータで仮融着し、所定の密度および厚さに応じて構成し、蒸気釜に入れ、この蒸気釜内部を減圧した後に一定時間湿熱処理し、その後冷却乾燥するという、2段階熱処理法によって製造される。
【0019】
このような構成および2段階熱処理法では、不織布の内層部まで均一に融着されて密度分布が均一になり、全体に風合いよく、外観も優れた製品を効率よく製造することができる。
【0020】
例えば、厚さ10mm以上、特に30mm以上というようなベッド用マットレスに適した厚い不織布であっても、所望の密度で、しかも密度のばらつき範囲が±5%以内の製品を容易に得ることができる。
【0021】
本発明のクッション材に用いる不織布は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿したカードウェブを積層した後に熱処理して形成された不織布構造体であって、立体的に連続した繊維の交絡部を上記芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着することにより製造する。
【0022】
そして、上記熱処理は、上記積層されたカードウェブを上下2枚のプレート間に圧縮保持させ、熱風ヒータで融着させるか、あるいは蒸気釜に入れ、蒸気を導入するという方法で実施するものである。この際、上記積層されたカードウェブを積層時と異なる方向に自重がかかるように起立または回転させた状態で熱処理することが好ましい。また、上下2枚のプレートにはその不織布が当設する面に10〜150mm間隔に深さを該不織布の厚さの10〜70%程度の刃を設けておくと好ましい。この刃により不織布表面に切り込みが設けられ、この切り込みにより屈曲性に優れたクッション材を製造することができる。
【0023】
また、刃の取りつけ根元をテーパ状に加工しておき、クッション材の表面をかまぼこのような凸状に加工することも、クッション材の溝部周辺が堅くならずに好ましい。かかる状態で加工したものを図1に示す。
【0024】
さらに詳しく本発明のクッション材の製造方法を説明する。(A)および(B)の繊維を混綿して得た低目付のカードウェブの表面を、遠赤外線または熱風ヒータで仮融着し、所定の密度および厚さに応じて積層する。次に、この積層されたカードウェブを熱伝導性のよい金属板などのプレート間に圧縮保持させ、積層されたカードウェブを密閉できる蒸気釜中に投入する。次いで、前記蒸気釜内部を減圧した後、該蒸気釜に9.8×10-2MPa以上の蒸気を導入して所定の時間湿熱処理することが好ましく、積層されたカードウェブを圧縮保持するプレートは、多孔板とすることが好ましい。
【0025】
このように熱処理することにより、ベッド用のマットレスとして用いられる比較的厚い不織布構造体であっても、内層部まで均一に融着され、全体に風合いよく、外観にも優れた製品を効率よく得ることができる。また、所望の密度で、密度のばらつき範囲が±5%以内の製品を容易に得ることができる。
【0026】
なお、本発明のクッション材に用いる不織布を製造するに際しては、その自重が一方向に偏らないように、回転させながら熱処理してもよい。
【0027】
このようにして製造された、クッション材は、芯鞘型繊維の鞘部の低融点繊維どうしの溶融により交絡部が接着して安定的な形態を保つものである。さらに、湿熱で第1次および第2次熱処理をした不織布構造体は、顕著に良好な評価を有する。これは、前述の理由に加えて、図2に製造直後のクッション材の電子顕微鏡写真で明らかなように、バインダー繊維は、バインダー繊維とバインダー繊維またはバインダー繊維と他の構成繊維との一交点と他の一交点との間に、熱処理前のバインダー繊維よりも太い部分が節となって発現する。
【0028】
この結果、1本のバインダー繊維に着目して観察すると、交点では接着点として十字型の溶融点を有し、次の交点との間には、芯部のみからなる部分と、過溶融により鞘部が流れだし芯部に鞘部が玉となった形状(以下節状横造物という)を有する。
【0029】
本発明にかかる不織布構造体は、前述のごとくその内部に節状構造物を有する場合には、バインダー繊維と交わる構成繊維は交点において接着し不織布構造体に形態安定性を付与する。バインダー繊維はマトリックス繊維の支持機能と共同して不織布構造体に適度な剛性を与える。さらに、過酷な条件下における荷重に対しては、交点の熱融着点のみではなく、芯部に鞘部が溶融した節状構造物とその前後の芯部のみからなる複合構造形態により、顕著な形態の復元性を発現する。
【0030】
すなわち、低融点ポリマーのガラス転移点以上の雰囲気下において圧縮荷重が付与された場合においても、その荷重の解放後、一様に均等な太さでなく所々に太くなった節状部分を有することにより一様な太さである構造物とは異なる剛性を有するものと考えられる。その一方で節状構造物は、剛性を付与するのみではなく、バネ構造に近い働きをするものと推察される。
【0031】
次に、本発明にかかるマトリックス繊維としてサイドバイサイドのコンジュゲート繊維H38F、14dtex、51mmを80重量%と軟化点110のバインダー繊維4080、3.3dtex、51mmを20重量%を混綿して湿熱成形処理した不織布構造体の性能評価の結果を示す。性能評価は、この不織布をクッション材として使用する場合の測定方法で、表面硬度(度)は高分子計器製硬度計アスカーF型を用いて測定する。100kg荷重変位は、JISS 1102に準拠し、面積414cm2の加圧板で100kgの荷重をかけた時のたわみ量(mm)を測定する。8万回圧縮残留歪みは、JIS K 6401に準拠し、高分子計器製の繰り返し圧縮試験機を用いて、試験片100×100×試料厚みのものを平行板にはさみ60回/分の圧縮速度で、試験片の50%の厚さまで8万回連続圧縮したのち、圧縮解除し、30分後に初期厚さとの変化(%)を測定する。剥離強力(N/cm)は、引っ張り試験機を用い、試験片W×L×t=25×150×10を掴み間隔50mm、引っ張り速度100mm/分にて50mm剥離させた時の強力を平均値で表す。この結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004441078
【0033】
表1から明らかなように、新品は表面硬度が30度、100kg荷重変位量が39mm、8万回圧縮残留歪みが12%、剥離強力が0.87N/cmであり、クッション性能の優れたものである。
【0034】
次に、このクッション材を病院や一般家庭に一定期間貸与して回収された状態と初期状態とを比較する。表1において、返品は表面硬度が20度、100kg荷重変位量が52mm、8万回圧縮残留歪みが19%、剥離強力が0.57N/cmであり、クッション性能の劣化が著しいことが明らかである。特に表面硬度が下がっていることは表面がフワフワな状態となっていることを示しており、また、残留歪みの劣化はそのヘタリ状態を顕著に表しているものである。
【0035】
このような状態で返却されたクッション材を次のようにして再度熱処理を行なう。
再度の熱処理は、回収されたクッション材を熱風ヒータで十分加熱処理をする。より好ましくは密閉できる蒸気釜中に投入する。次いで、前記蒸気釜内部を減圧した後、該蒸気釜に9.8×10-2MPa以上の蒸気を導入して所定の時間再度の熱処理することが好ましい。この際の再度の熱処理の条件は、最初の熱処理時間の25%〜100%であるものである。この熱処理時間が25%以下であると所望のクッション性を再現できないという問題点を生じる。
【0036】
本発明者等は、クッション性の劣化は、初期の熱セットにより溶融し融着していた芯鞘型繊維の交絡部が外れることにより発生するものであるとの認識を得たのである。という観点からすれば、初期の熱セット時の条件を変更し、鞘部どうしの融着強度を上げ、外れないようにすることも考えられる。そのため、例えば、芯部の高融点繊維の溶融温度が260℃で、鞘部の低融点繊維の溶融温度が110℃である場合において、高融点繊維の溶融温度直下であって鞘部の低融点繊維の溶融温度をはるかに越える温度(例えば220℃)で処理することも考えられるが、初期状態での融着強度は上昇しても、相変わらず繰り返し荷重により交絡部は外れるものでしかない。
【0037】
また、このような初期においてこのような高温処理をすると、この高温のためマトリックスの主体繊維であるポリエステル繊維や、芯鞘型バインダー繊維の芯のレギュラーポリエステルまで熱劣化を起こしやすい欠点がある。
【0038】
さらに、マトリックス繊維として、通常のポリエステル繊維を機械捲縮により嵩高性を持たせた場合においては、再度の熱処理によっても嵩高性は復元し難しく、再度の熱処理により前述の如く形態性を復元するとともに、嵩高性を復元させるためには、マトリックス繊維として溶融温度の異なる2種類以上のポリマーから構成される複合繊維、例えば、サイドバイサイドタイプのポリエステル複合繊維を用いることが好ましいとの知見を得たのである。さらには、その複合繊維は中空の複合繊維または偏芯している複合繊維であれば、嵩高性がより良いため特に好ましいものである。
【0039】
しかる状況の下、本発明者等は、特に湿熱で熱セットされた不織布製のクッション材は、再度の熱処理により顕著に形態が復元するとともに嵩高性が復元することを見いだしたものである。
【0040】
再度の熱処理がなされたクッション材の性能であるが、初期の熱処理後、病院や一般家庭で使用し回収することを5回繰り返した。回収後に再度の熱処理を行った状態をクッション材として評価したものを表1に示す。表1によると、再生1回目〜5回目のいずれもが、ぼ初期の状態、すなわち初期状態の95%以上、に復元していることが明らかである。
【0041】
また、図3には、回収直後のクッション材の側面図、図4に再度の熱処理されたクッション材の側面図を示す。回収直後のクッション材の低融点部の鞘部の交絡部の溶融が外れている、もしくはひび割れが入った様にみえている(図3)が、それが再度の熱処理により交絡部の溶融がなされ、形態が復元されている状態(図4)になる。
【0042】
以下に種の基礎評価試料による実施例を示した。表2、表3はベッドマット用の不織布例、表4、表5は自動車用マットレスの不織布例である。表2、表4のマトリックス繊維、バインダ繊維欄の数値はこれらの繊維の構成比(重量%)を示す。加工方法、再度の熱処理方法により、幾分異なるがいずれの場合も、再度の熱処理により初期成形時の物性近くまで回復している。物性評価は、厚さの回復性と方面高度の回復性評価を行なった。使用によるヘタリの代用として、8万回の繰り返し圧縮試験後の値を用いた。なお、表2〜表4において再度の熱処理を乾熱で実施した例は、本発明の参考例である。
【0043】
【表2】
Figure 0004441078
【0044】
【表3】
Figure 0004441078
【0045】
【表4】
Figure 0004441078
【0046】
【表5】
Figure 0004441078
【0047】
【発明の効果】
本願発明の請求項1にかかる発明によれば、芯鞘型複合繊維を混綿し、その鞘部の低融点繊維が溶融し各繊維間が相互に融着してなるものであるため、融着点が外れてヘタリが発生している場合であっても、再度の熱処理を施すことによりクッション性が復元し、繰り返し利用可能なクッション材を得ることができる。
【0048】
また、ポリエステル繊維からなるクッション材であるため、繰り返し利用できるとともに、汚損等によりクッション材として使用できなくなった場合における廃棄処理が容易なクッション材を得ることができる。
【0049】
また、請求項3にかかる発明によると再度の熱処理時間が初期の熱処理時間よりも短いためリサイクル品を再使用することに優位性がある。
【0050】
また、請求項4にかかる発明によると再度の熱処理温度が初期の熱処理温度よりも低いためリサイクルを繰り返しても熱変性をうけにくく、品質の良いクッション材を得ることができる。
【0051】
また、請求項5にかかる発明によると、再度の熱処理により所望の性能を有する、クッション材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクッション材の斜視図である。
【図2】本発明のクッション材の製造直後の表面電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明のクッション材の回収直後の側面図である。
【図4】本発明のクッション材の再熱処理直後の側面図である。
【符号の説明】
101 バインダー繊維
102 マトリックス繊維
103 熱融着点
104 節状部

Claims (5)

  1. (A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿して不織布とした後に熱処理して形成された繊維構造体であり、かつ、該繊維構造体を形成する各繊維間が相互に前記芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着されてなる繊維構造体からなるクッション材に、
    湿熱処理により再度の熱処理を施すことを特徴とするクッション材のクッション性能復元方法。
  2. (A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿したカードウエブを積層した後に熱処理に熱処理して形成された繊維構造体であり、かつ、立体的に連続した繊維の交絡部が前記芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着されてなる繊維構造体からなるクッション材に、
    湿熱処理により再度の熱処理を施すことを特徴とするクッション材のクッション性能復元方法。
  3. 再度の熱処理時間が、最初の熱処理時間よりも短いことを特徴とする請求項1または請求項2記載のクッション材のクッション性能復元方法。
  4. 再度の熱処理温度が、最初の熱処理時間よりも低いことを特徴とする請求項1または請求項2記載のクッション材のクッション性能復元方法。
  5. 再度の熱処理処理による形態の復元率、表面硬度、定荷変位量、繰り返し圧縮残留歪み、剥離強力のいずれかが、初期状態の95%以上である請求項1または請求項2記載のクッション材のクッション性能復元方法。
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