JP4440417B2 - ウレタン樹脂組成物、塗料、シーリング材及び硬化物の製法 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物、塗料、シーリング材及び硬化物の製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタン樹脂組成物、これを用いた硬化性ウレタン樹脂組成物、これを用いた塗料、シーリング材及び硬化物の製法に関し、特に、比較的高温下で水を硬化剤として用いることができるウレタン樹脂組成物、該組成物を用いた塗料及びシーリング材、及びウレタン樹脂硬化物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来のウレタン樹脂組成物には、二液反応硬化型と一液湿気硬化型とがあり、イソシアネート化合物としてイソシアネート基を分子中に2個以上有するもの等が用いられている。前者ではイソシアネート基(NCO)を有する化合物と水酸基又はアミン基を有する化合物を反応させることによりポリウレタンの硬化物が得られる。
二液反応硬化型の場合、イソシアネート基は水酸基、アミノ基と下記の式(1)、(2)で反応して重合が進行し、上記樹脂組成物は流動性を失って固化(硬化)する。
−NCO+−OH → −NHCOO− ・・・(1)
−NCO + −NH2 → −NHCONH− ・・・(2)
【0003】
しかし、コンクリート面等の湿潤性の被塗装体に塗装すると、イソシアネート化合物中の末端イソシアネート基と、被塗装体から供給される水とが反応して発生する炭酸ガスにより塗膜と塗工面の層間にふくれが生じたり、塗膜内部に発泡が生じたりといった不具合が起こり、塗膜が本来の機能を満たさないという問題点も抱えていた。特に、比較的高温状態では、硬化速度が非常に速いため、作業性が悪く、ふくれ等を防止することが困難であった。
【0004】
一液湿気硬化型の場合、水とイソシアネート基は下記式(3)で炭酸ガスが生じ、下記式(3)で生じたアミンは、下記式(4)に示す通りイソシアネート基と更に反応する。
−NCO + H2O → −NH2+CO2 ・・・(3)
−NCO + −NH2 → −NHCONH− ・・・(4)
【0005】
しかし比較的高温状態においても、イソシアネート基と空気中の水との反応が遅いため、内部まで硬化するのに時間がかかるという問題があった。また、硬化物を均一なエラストマーとするためには上記式(3)の反応によって発生する炭酸ガスを最小限に抑えなければならず、分子量を大きくしてイソシアネート基含有率を下げる方法をとっていた。このため比較的高温状態においても、高粘度で作業性が悪く、溶剤を添加して粘度を下げることがほとんどであった。
【0006】
したがって、本発明は、比較的高温の条件下、水を硬化剤として使用しても、適度な作業性と硬化速度が得られ、発泡のない均一なエラストマーとして硬化し、しかも物性に優れた硬化物になるウレタン樹脂組成物、該組成物を用いた硬化性ウレタン樹脂組成物、これを用いた塗料、シーリング材及び該硬化物の製法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の混合比率を有するトリレンジイソシアネート異性体混合物とアルコール性水酸基を分子中に2個以上有するポリオール化合物とを反応させたものであって、イソシアネート基を分子中に2個以上有するイソシアネート化合物、及び粒径が細かく活性の高い酸化マグネシウムを混合してなるウレタン樹脂組成物が、比較的高温の条件下、水を硬化剤として使用しても、適度な作業性と硬化速度が得られ、発泡のない均一なエラストマーとして硬化し、しかも物性に優れた硬化物になることを見い出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、少なくとも以下の(A)成分及び(B)成分を混合してなるウレタン樹脂組成物を用いた塗料:(A)2,4−トリレンジイソシアネート(以下、「2,4−TDI」という)と2,6−トリレンジイソシアネート(以下、「2,6−TDI」という)との混合比率が90.1:9.9〜100:0(重量比、以下同じ)であるTDI異性体混合物と、アルコール性水酸基を分子中に2個以上有するポリオール化合物と、を反応させたものであって、イソシアネート基を分子中に2個以上有するイソシアネート化合物、(B)30m/g以上のBET法による比表面積を有する酸化マグネシウムを提供するものである。本発明はまた、(B)成分と、(A)成分とを含むウレタン樹脂組成物を用いた塗料であって、前記イソシアネート基1モルに対して5モルの割合の水を前記ウレタン樹脂組成物に混合した液状混合物を50℃で厚さ10mmにし、これを硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物の23℃における体積(V)と、前記硬化物と同重量の前記液状混合物の23℃における体積(V)との体積比(V/V)が1.0未満であるウレタン樹脂組成物を用いた塗料を提供するものである。本発明はまた、(A)成分と、(B)成分と、過剰量の水との少なくとも3成分を混合してなる硬化性ウレタン樹脂組成物を用いた塗料を提供するものである。本発明はまた、かかるウレタン樹脂組成物を用いた塗料を硬化させる硬化物の製法であって、ウレタン樹脂組成物を用いた塗料中に含まれるイソシアネート基を、活性水素を分子中に2個以上有する化合物からなる硬化剤と反応させて、前記ウレタン樹脂組成物を用いた塗料を硬化させ、前記硬化剤が、水、低分子ポリオール、低分子アミノアルコール、および低分子ジアミン化合物からなる群から選ばれる1種であり、前記硬化剤の分子量が18〜3000であることを特徴とする硬化物の製法を提供するものである。
また、本発明は、少なくとも以下の(A)成分及び(B)成分を混合してなるウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材:(A)2,4−トリレンジイソシアネート(以下、「2,4−TDI」という)と2,6−トリレンジイソシアネート(以下、「2,6−TDI」という)との混合比率が90.1:9.9〜100:0(重量比、以下同じ)であるTDI異性体混合物と、アルコール性水酸基を分子中に2個以上有するポリオール化合物と、を反応させたものであって、イソシアネート基を分子中に2個以上有するイソシアネート化合物、(B)30m/g以上のBET法による比表面積を有する酸化マグネシウムを提供するものである。本発明はまた、(B)成分と、(A)成分とを含むウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材であって、前記イソシアネート基1モルに対して5モルの割合の水を前記ウレタン樹脂組成物に混合した液状混合物を50℃で厚さ10mmにし、これを硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物の23℃における体積(V)と、前記硬化物と同重量の前記液状混合物の23℃における体積(V)との体積比(V/V)が1.0未満であるウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材を提供するものである。本発明はまた、(A)成分と、(B)成分と、過剰量の水との少なくとも3成分を混合してなる硬化性ウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材を提供するものである。本発明はまた、かかるウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材を硬化させる硬化物の製法であって、ウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材中に含まれるイソシアネート基を、活性水素を分子中に2個以上有する化合物からなる硬化剤と反応させて、前記ウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材を硬化させ、前記硬化剤が、水、低分子ポリオール、低分子アミノアルコール、および低分子ジアミン化合物からなる群から選ばれる1種であり、前記硬化剤の分子量が18〜3000であることを特徴とする硬化物の製法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる(B)成分の酸化マグネシウムは、比表面積(BET法による測定、以下同じ)が30m2/g以上の酸化マグネシウム(以下、活性酸化マグネシウムということがある。)である。このような比表面積を持つ酸化マグネシウムは、水とイソシアネート基との反応による発泡等を防止するという活性を有する。活性酸化マグネシウムとして好ましくは、60m2/g以上の比表面積を持つものが好ましい。特に好ましい活性酸化マグネシウムは、取扱い易さ、反応性、作業性、貯蔵安定性等の点から、比表面積が、60〜150m2/gの酸化マグネシウムである。
尚、BET法は粉体の比表面積を吸着法で測定する方法である。BET法による酸化マグネシウムの比表面積は、酸化マグネシウム1g当たりに吸着する窒素ガスの量から求めることができる。
【0010】
また、活性酸化マグネシウムは、BET法による比表面積が30m2/g以上であると共に、30ヨードmg/g以上、特に60〜150ヨードmg/g以上のヨウ素吸着量を有することが好ましい。また、活性酸化マグネシウムは、その95重量%、好ましくは99重量%が目開き149μmの篩い目を通過することが好ましい。
【0011】
上記性質を有する活性酸化マグネシウムは、マグネサイト(MgCO3)又は水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]を1200℃以下で焼成し、微粉砕することで得られる。このような焼成温度で焼成された酸化マグネシウムは高活性なので、本発明において活性酸化マグネシウムとして用いるに好ましい。一方、1200℃、特に1500℃を越える温度で焼成して得られたマグネシウムは、1200℃以下で焼成して得られたマグネシウムに比較して活性がやや劣る。
【0012】
活性酸化マグネシウムを用いることにより、水では発泡し難いポリウレタン樹脂の硬化物(以下、単に硬化物ということがある。)が得られる理由は明確ではないが、活性酸化マグネシウムの適度の炭酸ガス吸収性、適度の吸水性、適度の触媒作用等によって、発泡を防止するという活性を示すことが推定される。
尚、酸化マグネシウムは、下記式(5)で表される反応によってその結晶中に炭酸ガスを取り込み、また吸収するといわれている。この場合、下記式(5)に示す通り、ヒドロキシ炭酸マグネシウムが生成物として生じる。
【0013】
【化1】
Figure 0004440417
【0014】
活性酸化マグネシウムの混合量は、後記するイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の濃度に左右されるが、活性酸化マグネシウムの好ましい添加量は、該イソシアネート化合物に含有されるイソシアネート基1モルに対して0.5モル以上であることが好ましい。活性酸化マグネシウムとイソシアネート基とのモル比(MgO/NCO)が0.5未満では、水の影響を受け難い硬化性ウレタン樹脂組成物が得られ難い。
比較的高温の条件下での硬化性、作業性、発泡性等の硬化物表面の仕上がり、硬化物の物性等の点から、活性酸化マグネシウムの好ましい添加量は、該イソシアネート化合物に含有されるイソシアネート基1モルに対して約0.5〜3モルの割合、特に約0.7〜2モルであることが好ましい。活性酸化マグネシウムとイソシアネート基とのモル比(MgO/NCO)が3を越えると、組成物の粘度が大きくなり塗工性が悪くなり易い。
活性酸化マグネシウムの重量含有量は、イソシアネート基の濃度に左右されるが、イソシアネート化合物100重量部に対して、好ましくは約0.5〜15重量部、特に好ましくは約1〜7重量部であり、少量でよい。
【0015】
本発明に用いる(A)成分のイソシアネート化合物は、アルコール性水酸基を1分子中に2個以上有するポリオール化合物と、2,4−TDI及び2,6−TDIとを90.1:9.9〜100:0、好ましくは92:8〜100:0で混合したTDI異性体混合物を反応させたものであり、イソシアネート基を分子中に2個以上有するものである。かかるイソシアネート化合物を用いると、比較的高温の条件下での作業性、硬化性、発泡性等の硬化物表面の仕上がり、硬化物の物性、取扱が容易で塗工性、安全性に優れたウレタン樹脂組成物が容易に得られる。TDIの2,4−TDI含有量が90重量%未満では、比較的高温の条件下では、硬化速度が速くなりすぎて作業性等が悪くなるため好ましくない。
【0016】
アルコール性水酸基を1分子中に2個以上有するポリオール化合物としては、一般にウレタン化合物の製造に用いられる種々のポリオールを用いることができ、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびその他のポリオール等が挙げられ、これらのポリオールは単独或いは2種以上混合して、イソシアネート化合物の原料として用いることができる。好ましくはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールであり、より好ましくはポリプロピレングリコール等のポリエーテルグリコール、ポリエチレンアジペートグリコール等のポリエステルグリコールである。
【0017】
ポリエーテルポリオールとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、テトラメチレングリコールの単独重合体またはこれらの共重合体;活性水素を二個以上有する低分子量活性水素化合物の一種または二種以上の存在下でプロピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドを開環重合させて得られるランダム共重合体またはブロック共重合体;テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリオキシテトラメチレングリコール等が特に好ましい。
【0018】
上記の低分子量活性水素化合物としては、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類等が用いられ得る。
【0019】
ポリエステルポリオールとしては、例えば多塩基酸と多価アルコールを脱水縮合させて得られる重合体;ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールの縮合体;ラクトンの開環重合体等が特に好ましい。
【0020】
上記多塩基酸としては、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、二量化リノレイン酸、マレイン酸、およびそれらのジ低級アルキルエステル等が挙げられ、これらの一種以上が用いられる。
【0021】
上記多価アルコールとしては、例えばビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール類;グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のトリオール類が用いられ得る。
【0022】
その他のポリオールとしては、例えばアクリルポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、ヒマシ油の誘導体、トール油の誘導体、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール等の他、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオール等も好適に用いられる。
【0023】
上記ポリオール化合物の数平均分子量は100〜10,000、好ましくは300〜5000で用途ごとの所望の特性に応じて単独、または二種以上混合して用いられ得る。数平均分子量5,000以上の高分子ポリオールを用いる場合はエチレンオキサイド骨格を含み比較的親水性の高いものをポリオール化合物として用いると、これを用いたウレタン樹脂組成物は水と混合し易い。
【0024】
本発明に用いる(A)成分のイソシアネート化合物は、約500以上、特に700以上の分子量を有するものが好ましい。
また、該イソシアネート化合物は、イソシアネート基を約1〜15重量%、特に1〜7重量%含むことが好ましい。
更に、イソシアネート化合物の含有量が、本発明のウレタン樹脂組成物中、40重量%以上、特に50重量%以上であると、物性がさらに優れた硬化物が得られ易い。
【0025】
(A)成分のイソシアネート化合物は、アルコール性水酸基を1分子中に2個以上有するポリオール化合物と、過剰量のTDI異性体混合物とを反応させることによって得ることができる。具体的には、イソシアネート化合物は、ポリオール化合物中に含まれるヒドロキシル基1モルに対して、TDI異性体混合物に含まれるイソシアネート基が1モルを越える割合で、即ち、化学当量比(NCO/OH)が1を越える配合として、ポリオール化合物と反応させることで得られる。このようなイソシアネート化合物は、通常、その分子両末端にイソシアネート基を有する。イソシアネート化合物として、ポリオール化合物中に含まれるヒドロキシル基(OH)1モルに対して、ポリイソシアネート化合物中に含まれるイソシアネート基(NCO)を1.6〜3.0モルの割合として、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させたものが、作業性、人体への影響、硬化物の物性等といった点からより好ましい。反応温度、反応時間に特に制限はないが、反応温度は50〜120℃、特に60〜100℃が好ましく、反応時間は1〜12時間、特に3〜8時間が好ましい。反応生成物は、常法に従って単離精製することができる。
【0026】
本発明のウレタン樹脂組成物は、活性酸化マグネシウムと、イソシアネート化合物との2成分を必須成分とし、必要に応じて各種添加剤を添加し、活性酸化マグネシウムをイソシアネート化合物中に均一に分散させることで製造できる。このウレタン樹脂組成物自体は硬化性を有さないので長期間保存が可能であり、水等の硬化剤を添加されると重合して硬化するので有用である。
イソシアネート化合物として、23℃で流動性を有する液状のものを用いると、無溶剤の塗料、シーリング剤等を製造し易い。ウレタン樹脂組成物の粘度が、35℃で約5〜200ポイズであれば、硬化剤を混合し易く、硬化剤の添加により得られた硬化性ウレタン樹脂組成物は、手練り塗工、機械塗工が可能であり、特に比較的高温の条件下で適した可使時間を持たせることができる。
尚、活性酸化マグネシウムのみならず、粒径や活性価の異なる各種酸化マグネシウムをイソシアネート化合物に更に添加してもよい。
【0027】
活性酸化マグネシウムは、分散効率や取り扱い易さの点から、次に述べる液状成分、或いは、次に述べる可塑剤と予め混練し分散することで得られたペーストの状態でイソシアネート化合物と混合すると、活性酸化マグネシウムがイソシアネート化合物の中に分散され易く好ましい。
【0028】
液状成分は、イソシアネート化合物の中に活性酸化マグネシウムを均一に且つ効率よく分散させるために用いるものであって、一般にウレタン樹脂中に配合され得る各種可塑剤、ポリオール化合物等の液状反応成分、およびその他各種液状成分が挙げられ、好ましくは予め脱水処理が施されたものを用いる。
【0029】
本発明のウレタン樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤、溶剤、界面活性剤、顔料、染料、充填材、硬化促進触媒、老化防止剤、およびその他の各種添加剤が物性を損なわない範囲で、更に添加され得る。これらの各種添加剤は、硬化剤の添加後に添加してもよいが、硬化剤が添加されていないウレタン樹脂組成物に添加することが好ましい。
【0030】
上記の可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、トリメリット酸エステル等のカルボン酸エステルの他、リン酸エステル、ノルマルパラフィン、塩素化パラフィン、アルキルベンゼン、およびその他各種液状成分が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して用いられ得る。中でも価格、イソシアネート化合物との相溶性、可塑効果、粘度低減効果、硬化物の物性等の点からアジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)等のカルボン酸エステルを用いるのが好ましい。これらの可塑剤の使用量は、イソシアネート化合物の100重量部に対して約5〜40重量部の割合であることが好ましい。
【0031】
溶剤はイソシアネート化合物を希釈するためのものであって、溶剤としてはトルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類およびこれらの塩素化物;四塩化炭素、1,1,1,−トリクロルエタン、1,2−ジクロルエチレン等の塩化脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ミネラルスピリット等の炭化水素混合物;その他の液状有機化合物が挙げられる。好ましい実施態様では、人体や環境への影響という点から可能な限り配合しないほうが良い。
【0032】
界面活性剤としては、消泡剤、顔料や充填剤の湿潤分散剤、乳化剤、粘性改良剤などの特性に応じて各種界面活性剤が単独もしくは二種以上混合して添加され得る。酸化マグネシウムを均一に分散したイソシアネート化合物に水を混合して硬化させるという本発明の趣旨に於いては、親水性の高い湿潤分散剤(例えば、リン酸エステル系湿潤分散剤)の添加によって水との混合作業性、塗工作業性、貯蔵安定性等が向上するのでより好ましい。
【0033】
硬化物を着色するために、顔料としては各種アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料等の有機顔料や、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化クロム、べんがら等各種無機顔料が用いられ、染料としてはアントラキノン系、塩基性染料の脂肪酸塩、金属錯塩型等が挙げられる。
【0034】
充填剤は重合収縮の減少、増量、硬度向上等を目的として添加されるものであって、充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ケイ藻土、およびこれらを脂肪酸や脂肪酸エステルにて表面処理したもの等の微粉末の無機充填剤が挙げられ、中でもコストと性能の点から炭酸カルシウムが好適に用いられる。これら充填剤の添加量は、イソシアネート化合物の100重量部に対して約5〜100重量部の割合であってもよい。また、前記充填剤の1種又は2種以上をイソシアネート化合物と混合できる。
【0035】
イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基と、硬化剤との反応を促進するための硬化促進触媒としては、N−アルキルベンジルアミン、N−アルキル脂肪族ポリアミン、トリエチレンジアミン、N−アルキルピペラジン、N−アルキルモルホリン、ジモルホリノジエチルエーテル、オクテン酸錫やジブチル錫ジラウレートのような有機金属化合物等が挙げられ、これらは単独もしくは二種以上混合して用いられ得る。これらの硬化促進触媒の使用量は、イソシアネート化合物の100重量部に対して約0.05〜5重量部の割合であることが好ましい。
【0036】
老化防止剤は硬化物を光、酸素、熱等から保護するために用いられ、老化防止剤として一般的に用いられるものには光安定剤や酸化防止剤等があり、光安定剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、ヒンダードアミン系、ニッケル系等が挙げられる。また、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、アミン系、硫黄系、リン系等が挙げられる。
【0037】
活性酸化マグネシウムと、イソシアネート化合物とを混合し、必要に応じて上記の各種添加剤を混合することで製造されたウレタン樹脂組成物は、次いで、硬化剤を添加することで硬化性ウレタン樹脂組成物とすることができる。硬化剤として、イソシアネート基と反応する活性水素を1分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。硬化剤として、分子量が約18〜3000、好ましくは約18〜300である低分子化合物が好ましい。
【0038】
本発明のウレタン樹脂組成物を硬化させるための硬化剤として、水、低分子ポリオール、低分子アミノアルコール、低分子ジアミン化合物が挙げられる。低分子ポリオールの例はエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のグリコール、トリメチロールプロパン等のトリオールであり、低分子アミノアルコールの例はエタノールアミンであり、低分子ジアミン化合物の例はヒドラジン、3,3′−ジクロロ−4、4′−ジアミノ−ジフェニルメタンである。これらの硬化剤のうち、水は入手が容易である上に、環境、人体への影響が全くないので、用いるに特に好ましい。
硬化剤が水でない場合は、ウレタン樹脂組成物に含まれるイソシアネート基1モルに対して、低分子化合物中の活性水素が、約0.8モル以上の割合、好ましくは約0.8〜1.2モルとなるように低分子化合物が添加される。
硬化性ウレタン樹脂組成物は、35℃で可使時間約20分以上で36時間以内にタックフリーになることが好ましい。これは、イソシアネート化合物の分子量、硬化剤や硬化促進触媒の種類、添加量等を選択することでは達成することが困難である。硬化性ウレタン樹脂組成物を塗料、シーリング剤として用いる場合も好ましい可使時間は、約20分以上である。
【0039】
硬化のために用いる水の種類については、硬化物の物性や性能を低下させるような不純物を含まない限り特に制限はないが、好ましくは純水、蒸留水、水道水など比較的純度の高いものを用いる。
【0040】
本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物は、本発明のウレタン樹脂組成物に対して過剰量の水が混合されることが好ましい。過剰量の水とは、イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基1モルに対して、水が0.5モル以上の割合であることを意味する。水が0.5モル未満の割合であると硬化速度が遅く、硬化物に泡、タックを生じ易い。水の添加量が、ウレタン樹脂組成物に含有されるイソシアネート基1モルに対して2モル以上の割合、即ち、水とイソシアネート基とのモル比(H2O/NCO)が2 以上であることがより好ましく、特に好ましくは分散作業性や硬化塗膜表面の仕上がり等を考慮に入れて前記モル比(H2O/NCO)を3〜15の範囲内にする。
【0041】
硬化剤としての水は、低活性の前記の無機充填剤と予め混合してスラリーとしたものを、本発明のウレタン樹脂樹脂組成物と混合することもできる。特にベースとなるイソシアネート化合物が高粘度である場合や、イソシアネート基当量の12倍以上の水を添加する場合等は、混合作業性という点からも前記のようなスラリーの状態で水を添加することが好ましい。また、前記の低分子グリコール(例えば、1,4−ブタンジオール)と水とを予め混合して得た混合液を、水の代わりに用いることもできる。
尚、ウレタン樹脂組成物に水を添加する代わりに、アクリルエマルジョン、SBRエマルジョン等のエマルジョンを添加してエマルジョン中に含まれる水によりウレタン樹脂組成物を硬化させることもできる。
【0042】
硬化剤の混合により得られた硬化性ウレタン樹脂組成物は、比較的高温の条件下でも適度な硬化速度を有し、作業性等にすぐれたものである。しかも、硬化性ウレタン樹脂組成物は、被接着体との接着力に優れている上に、大気、被塗装体、被接着体等から供給される好ましくない水によって生じる泡、膨れ等を与えない。また、肉厚の硬化物を与える。また、硬化物を半透明とすることが可能であるので、着色が容易である。従って、本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物は、吸湿性の材料の塗料、接着剤、シーリング剤として特に好適である。吸湿性の材料とは、木材、石材、コンクリート等である。
【0043】
従って、本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物は水を硬化剤として用いて、木材、石材、コンクリート等同士、或いは、これらと他のもの(例えば、木材とコンクリート、コンクリートと金属板等)を接着できる。木材やコンクリート等が多少の水分を含んでいても、接着層に泡を生じないし、生じても僅かである。従って、硬化性ウレタン樹脂組成物を用いた接着品は接着強度に優れる。
【0044】
また、硬化性ウレタン樹脂組成物は、前記構築物に生じた隙間を埋めて雨水の侵入を防止するためのシーリング剤として有用である。従って、建物の屋根、壁、床等の目地を充填するためのシーリング剤として用いることができる。
【0045】
また、硬化性ウレタン樹脂組成物は、雨水の影響を受け易い石材、木材、コンクリート、アスファルト等の面に塗装を施すための塗料として有用である。特に、木材、コンクリート製の構築物用塗料(特に壁、屋根用の防水塗料)として適する。構築物の例は、建物、橋、道路、運動競技場、プール等である。尚、硬化性ウレタン樹脂組成物をコンクリート製構築物の塗料、シーリング剤として用いる場合、コンクリートから滲み出るアルカリによる硬化物の劣化を防ぐために、イソシアネート化合物はポリエーテルポリオールを用いて得られたものが好ましい。
【0046】
次に、ウレタン樹脂組成物を用いて、比較的高温下のコンクリート屋根の上に防水施工を施す方法の例を図1に基づき説明する。
活性酸化マグネシウムと、イソシアネート化合物と、微粉末の無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム)がイソシアネート化合物100重量部に対して約5〜100重量部の割合で添加され、活性酸化マグネシウムと前記無機充填剤が均一にイソシアネート化合物中に分散されてなるウレタン樹脂組成物に、硬化剤を添加して硬化性ウレタン樹脂組成物となす。そして、該硬化性ウレタン樹脂組成物を、必要に応じて下地処理及びプライマー処理を施されたコンクリート1aの上に、所定厚みに塗布した後、比較的高温放置により塗布された硬化性ウレタン樹脂組成物を硬化させることでアンダーコート層3を形成し、所定時間放置した後、前記アンダーコート層3の上に、耐候性の塗料(例えばアクリルウレタン系塗料等のアクリル系塗料)を塗布してトップコート層4を形成することで、屋根の上に防水塗装が可能である。
【0047】
ウレタン樹脂組成物に硬化剤を添加する直前に、砂、砂利、ゴム粉末等の充填剤をウレタン樹脂組成物に添加してもよい。砂、砂利、ゴム粉末等が多少の水を含んでいても、本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物は、発泡のない硬化物を与えることができる。ゴム粉末を添加された硬化性ウレタン樹脂組成物は弾性に富む硬化物を与えるので、人の通る通路の被覆用塗料として有用である。
【0048】
次に、硬化性ウレタン組成物を用いて、人が通る通路(弾性舗装)の比較的高温下の舗装法の例を図2に基づき説明する。
活性酸化マグネシウムと、イソシアネート化合物とを含み、好ましくは微粉末の無機充填剤と、ゴム粉末等の添加剤が更に添加されたウレタン樹脂組成物と、硬化剤(好ましくは、水)とを混合して硬化性ウレタン樹脂組成物とし、該硬化性ウレタン樹脂組成物を地面10の上に舗装されたコンクリート1bの上に所定厚みに塗布した後、比較的高温放置によりポリウレタンを硬化させることでポリウレタン舗装層11を有する通路を得ることができる。
【0049】
図2に示す通路は、ポリウレタン舗装層11中にゴム粉末13を含んでいるので、弾性に富む。弾性に富む通路舗装用の硬化性ウレタン樹脂組成物の例として、活性酸化マグネシウムと、イソシアネート化合物と、微粉末の無機充填剤と、ゴム粉末と、硬化剤とを含有し、イソシアネート化合物100重量部に対して、前記無機充填剤が約5〜50重量部で、ゴム粉末が約5〜50重量部で、活性酸化マグネシウムと水が前記の割合であるものが挙げられる。
本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物を舗装用の塗料として用いれば、高温多湿の梅雨時でも通路舗装が可能であって、施工の翌日には人の通行が可能である。
【0050】
ところで、本発明のウレタン樹脂組成物は比較的高温の条件下において水を硬化剤として硬化させても発泡しないか、又は、極めて発泡し難い。即ち、本発明の好ましいウレタン樹脂組成物の例は、(A)成分と(B)成分との少なくとも2成分を含むウレタン樹脂組成物であって、該ウレタン樹脂組成物の総量中、前記イソシアネート化合物を好ましくは約40重量%以上含み、前記(B)成分の含有量がイソシアネート基1モルに対して好ましくは0.5モル以上の割合であって、イソシアネート基1モルに対して好ましくは5モルの割合の水を前記ウレタン樹脂組成物と混合した液状混合物を50℃で厚さ10mmにし、これを硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物の体積(V)と、前記硬化物と同重量の液状混合物の体積(V0)との体積比(V/V0)が1.0未満である性質を有する組成物であるといえる。尚、前記体積比(V/V0)は、イソシアネート化合物の種類、充填剤量等によって変わるが、本発明によれば、前記体積比(V/V0)を0.80〜0.98、特に0.85〜0.98の範囲内とすることも可能である。但し、V、V0は23℃における体積である。
【0051】
また、本発明の好ましいウレタン樹脂組成物の例は、前記ウレタン樹脂組成物であって、前記イソシアネート基1モルに対して5モルの割合の水を前記ウレタン樹脂組成物と混合した液状混合物を23℃で厚み10mmで硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物の体積(V)と、前記硬化物と同重量の液状混合物の体積(V0)との体積比(V/V0)が1.0未満である性質を有する組成物であるともいえる。本発明によれば、前記体積比(V/V0)を0.80〜0.99、特に0.85〜0.99の範囲内とすることも可能である。但し、V、V0は23℃における体積である。
【0052】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下の実施例、比較例において、部、%は全て重量部、重量%を意味する。
【0053】
実施例1、2及び比較例1
イソシアネート化合物液の製造
2,4−TDIと2,6−TDIとを98:2(実施例1)、92:8(実施例2)、80:20(比較例1)で混合して、各TDI異性体混合物を調製した。
数平均分子量が3000の変成ポリプロピレングリコール[(三井化学社製のMN−3050(品番)、一分子中に3個の水酸基を有するポリエーテルポリオール]と、上記各TDI異性体混合物とをモル当量比(NCO/OH)が2.0となるよう混合して混合液とした。これらの混合液100部に対して、14部の割合の可塑剤としてのフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)と、0.1部割合の消泡剤を添加した。この添加により得られた液状混合物を低湿度下にて攪拌しながら加熱し、90℃にて3時間反応させて、23℃で流動性のあるイソシアネート化合物液を得た。該イソシアネート化合物液は、変成ポリプロピレングリコールにTDIが付加したイソシアネート化合物を約87.6%含むと共に、該イソシアネート化合物はイソシアネート基を約3.58%含んでいた。
【0054】
高活性酸化マグシウムペーストの製造
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル100部に対して1部の割合で湿潤分散剤(リン酸エステル系)を含む湿潤分散剤含有混合液を作製した。この湿潤分散剤含有混合液の67部と、微粉末の高活性酸化マグシウム33部とを混合して混合物とし、該混合物を1000rpmにて3分間高速攪拌して、高活性酸化マグシウムを湿潤分散剤含有混合液中に均一に分散させて活性酸化マグシウムペーストを得た。
尚、前記の高活性酸化マグシウムとは、BET比表面積が75m2/gである酸化マグネシウムを意味する。
【0055】
ウレタン樹脂組成物の製造
上記イソシアネート化合物液に、ジブチル錫ジラウレート(硬化促進触媒)を均一に分散して、ジブチル錫ジラウレート濃度が0.1%の硬化促進触媒含有イソシアネート化合物液を得た。この硬化促進触媒含有イソシアネート化合物液100部に、上記の高活性酸化マグシウムペーストを添加し撹拌することによりウレタン樹脂組成物を製造した。但し、高活性酸化マグシウムは、高活性酸化マグネシウムとイソシアネート基のモル比(MgO/NCO)が1.0となるように添加した。従って、このウレタン樹脂組成物は、その総量中、イソシアネート化合物を約80.2%含み、該イソシアネート化合物100部に対するイソシアネート基の含有量は約3.58部であり、イソシアネート化合物100部に対して、3.43部の高活性酸化マグネシウムを含むものであった。
【0056】
硬化性ウレタン樹脂組成物、硬化物の製造
上記にて調製したウレタン樹脂組成物100部に対して、硬化剤としての蒸留水を8.5部の割合で添加し、400rpmにて約1分間混合することで、硬化性ウレタン樹脂組成物を製造した。従って、この硬化性ウレタン樹脂組成物において、水の添加割合は、ウレタン樹脂組成物中に含まれるイソシアネート基1モルに対して7モルの割合、即ち水のモル数とイソシアネート基のモル数との比(H2O/NCO)は7.0である。水の分散性は良好である。
この硬化性ウレタン樹脂組成物を厚み10mmにポリエチレン板上に流延し、温度23℃、30℃、40℃下に放置した。水の添加後、流延物が流動性を失うまでの時間(可使時間)、タックフリーとなり、指触乾燥になるまでの時間、そして、72時間放置後、表面及び厚さ方向に切断した内部の硬化具合を目視にて確認することにより、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004440417
【0058】
硬化性については、実施例1、2、比較例1ともに十分満足できる。タックフリーについては、遅くとも48時間以内であれば差し支えない。しかし、可使時間は、作業性を向上させて実用的にするためには、20分以上、特に25分以上あることが好ましい。この点、比較例1は不十分であった。
【0059】
実施例3
シーリング施工及び防水塗装
実施例1と同じウレタン樹脂組成物を準備し、このウレタン樹脂組成物100部に、微粉末の炭酸カルシウムを20部添加して炭酸カルシウム含有液状ウレタン樹脂組成物を得た。
次いで、このウレタン樹脂組成物に水を加え、実験用スプーンにて40秒間、手で撹拌混合して、実施例1と全く同じ組成の液状硬化性ウレタン樹脂組成物(モル比;H2O/NCO=5)を得た。この液状硬化性ウレタン樹脂組成物を1分間、真空ポンプを用いて真空脱泡した後、その一部の所定重量を50℃で容器内に厚さ(即ち、深さ)約10mmとなるように流し込んだ。そして、室温30℃、湿度65%の雰囲気中に静置して液状硬化性ウレタン樹脂組成物(液状混合物)を硬化させ(可使時間は約35分)、48時間放置した後、シート状硬化物(直径が約45mmで、厚み約10mmの円板)を得た。そして、該シート状硬化物の23℃における体積(V)を測定した。
一方、真空脱泡直後(水の添加後、約4分後)の、上記所定重量と同重量の液状硬化性ウレタン樹脂組成物の体積(V0)を23℃で測定した。硬化物の23℃における体積(V)と、液状硬化性ウレタン樹脂組成物の23℃における体積(V0)との体積比(V/V0)は、0.98であった。また、上記シート状硬化物の内部、表面ともに発泡はなく、また表面にタックが全くなかった。
【0060】
次いで、夏期の屋根部のシーリング施工と、防水施工とを想定して次の試験を行った。この試験を図1に基づき説明する。
シーリング施工
上記の炭酸カルシウム含有液状ウレタン樹脂組成物に、イソシアネート基1モルに対して、水を8モルの割合(モル比;H2O/NCO=8)で添加して均一に混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
次いで、該硬化性ウレタン組成物を、温度30℃、湿度65%の雰囲気に置かれたコンクリート1aの継目(その隙間は約7mm)に注入した。注入した硬化性ウレタン組成物は30℃で約30分で流動性がなくなり、シーリング層2を形成した。48時間放置後、シーリング層2に泡、ふくれを認めなかった。
【0061】
防水塗装
次いで、上記と同じ硬化性ウレタン組成物(モル比;H2O/NCO=8)を、シーリング層2が形成されたコンクリート1aの上に厚さ5mmに流延した。流延した硬化性ウレタン組成物は30℃で約30分で流動性がなくなり、アンダーコート層3を形成した。48時間養生後、アンダーコート層3を観察したが、泡、ふくれはこれら層中に認められなかった。また、アンダーコート層3の表面はタック(べたつき)を有さず、その表面は人の歩行が可能な程度に硬化していた。そこで、前記アンダーコート層3の上に耐候性のアクリルウレタン系塗料を塗装して、トップコート層4を設けた。得られたコンクリート塗装品を温度30℃、湿度65%の雰囲気中に、約1月放置したが、トップコート層4にふくれを生じなかった。以上より本例の硬化性ウレタン組成物を用いれば、比較的高温の条件下でも屋根防水施行が可能であり、アンダーコート層3を設けた翌々日にはトップコート層4の塗装が可能であることが判った。
【0062】
【発明の効果】
本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物は、比較的高温の条件下で硬化させた場合でも、適度な作業性と硬化速度を有し、泡、ふくれ、表面タック等のない高物性の硬化物を与える。従って、従来の一液湿気硬化型や二液反応硬化型のウレタン樹脂では施工が困難であった環境下においても、塗装、接着、シーリング施工等が可能となる。また、硬化剤として水を用いることができ、硬化剤としてアミン化合物を使用する必要は必ずしもない。従って、本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物は、塗料、弾性舗装材、シーリング材、接着剤等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物を用いてシーリング施工及び防水塗装されたコンクリート屋根を示す断面図である。
【図2】 本発明の硬化性ウレタン樹脂組成物を用いて舗装されたコンクリート通路を示す断面図である。
【符号の説明】
1a・・屋根部コンクリート、1b・・舗装コンクリート、2・・シーリング部、3・・アンダーコート層、4・・トップコート層、10・・地面、11・・舗装層、13・・ゴム粉末

Claims (14)

  1. 少なくとも以下の(A)成分及び(B)成分を混合してなるウレタン樹脂組成物を用いた塗料
    (A)2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合比率が90.1:9.9〜100:0(重量比)であるトリレンジイソシアネート異性体混合物と、アルコール性水酸基を分子中に2個以上有するポリオール化合物と、を反応させたものであって、イソシアネート基を分子中に2個以上有するイソシアネート化合物、(B)30m/g以上のBET法による比表面積を有する酸化マグネシウム。
  2. 請求項1記載の(B)成分と、請求項1記載の(A)成分とを含むウレタン樹脂組成物を用いた塗料であって、前記イソシアネート基1モルに対して5モルの割合の水を前記ウレタン樹脂組成物に混合した液状混合物を50℃で厚さ10mmにし、これを硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物の23℃における体積(V)と、前記硬化物と同重量の前記液状混合物の23℃における体積(V)との体積比(V/V)が1.0未満であるウレタン樹脂組成物を用いた塗料
  3. 請求項1記載の(B)成分の含有量が、イソシアネート基1モルに対して0.5モル以上の割合である請求項1又は2記載のウレタン樹脂組成物を用いた塗料
  4. 請求項1記載の(B)成分が、30ヨードmg/g以上のヨウ素吸着量を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物を用いた塗料
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の(A)成分と、請求項1〜4のいずれか1項記載の(B)成分と、過剰量の水との少なくとも3成分を混合してなる硬化性ウレタン樹脂組成物を用いた塗料
  6. 水の混合量が、イソシアネート基1モルに対して2モル以上の割合である請求項5記載の硬化性ウレタン樹脂組成物を用いた塗料
  7. 少なくとも以下の(A)成分及び(B)成分を混合してなるウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材。
    (A)2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合比率が90.1:9.9〜100:0(重量比)であるトリレンジイソシアネート異性体混合物と、アルコール性水酸基を分子中に2個以上有するポリオール化合物と、を反応させたものであって、イソシアネート基を分子中に2個以上有するイソシアネート化合物、(B)30m /g以上のBET法による比表面積を有する酸化マグネシウム。
  8. 請求項7記載の(B)成分と、請求項7記載の(A)成分とを含むウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材であって、前記イソシアネート基1モルに対して5モルの割合の水を前記ウレタン樹脂組成物に混合した液状混合物を50℃で厚さ10mmにし、これを硬化させて硬化物としたとき、前記硬化物の23℃における体積(V)と、前記硬化物と同重量の前記液状混合物の23℃における体積(V )との体積比(V/V )が1.0未満であるウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材。
  9. 請求項7記載の(B)成分の含有量が、イソシアネート基1モルに対して0.5モル以上の割合である請求項7又は8記載のウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材。
  10. 請求項7記載の(B)成分が、30ヨードmg/g以上のヨウ素吸着量を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項記載の(A)成分と、請求項7〜10のいずれか1項記載の(B)成分と、過剰量の水との少なくとも3成分を混合してなる硬化性ウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材。
  12. 水の混合量が、イソシアネート基1モルに対して2モル以上の割合である請求項11記載の硬化性ウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材。
  13. 請求項1又は2記載のウレタン樹脂組成物を用いた塗料を硬化させる硬化物の製法であって、ウレタン樹脂組成物を用いた塗料中に含まれるイソシアネート基を、活性水素を分子中に2個以上有する化合物からなる硬化剤と反応させて、前記ウレタン樹脂組成物を用いた塗料を硬化させ、
    前記硬化剤が、水、低分子ポリオール、低分子アミノアルコール、および低分子ジアミン化合物からなる群から選ばれる1種であり、前記硬化剤の分子量が18〜3000であることを特徴とする硬化物の製法。
  14. 請求項7又は8記載のウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材を硬化させる硬化物の製法であって、ウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材中に含まれるイソシアネート基を、活性水素を分子中に2個以上有する化合物からなる硬化剤と反応させて、前記ウレタン樹脂組成物を用いたシーリング材を硬化させ、
    前記硬化剤が、水、低分子ポリオール、低分子アミノアルコール、および低分子ジアミン化合物からなる群から選ばれる1種であり、前記硬化剤の分子量が18〜3000であることを特徴とする硬化物の製法。
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