JP4437601B2 - 中空状成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車ボディに取付けられるサイドウインカーやヘッドランプ、さらにはテールランプやサイドミラー等の中空状成形体およびその製造方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、この種中空状成形体の例として、例えば車両の折曲方向がボディ側面からも視認できるよう設けられるランプとしてサイドウインカーがある。そしてこの様なサイドウインカーは、透光材からなるレンズ部と、電球が組み込まれるハウジングとをそれぞれ一次製品として型成形し、次いでこれら一次製品同志を突き合わせた状態で固定して形成することになるが、このようなものの製造方法として、例えばダイスライドインジェクション法が知られている。この方法は、例えば、特公平2−38377号公報に記載されるように、可動型と固定型を対向配設した状態で各一次製品をそれぞれ型成形(一次成形)した後、可動型をスライド移動して両一次製品同志を突合せ、この突合せ面部に二次射出材を二次射出して製品を型成形(二次成形)するようにしている。
ところでこの場合、前記突き合された一次製品同志の突合わせ面部に確保される充填室(射出室)に射出材を二次射出して一体化することになるが、従来のものでは、射出ノズル先端から二次射出される射出材を充填室に案内するための案内路、つまりスプルーおよびランナーを型に形成し、該スプルーを経由して二次射出するように構成する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、射出材を二次射出して一次製品同志を一体化して中空状成形体の製造をすることになるが、前記従来のものでは、型側に形成されたスプルーに二次射出材が充填されたままスプルーランナーとなって中空状成形体から突出するものとなり、そのため、製品としては、このスプルーランナーを切り取る必要があるうえ、該切り取られたスプルーランナーは無駄部材となって廃棄され、場合によってはリサイクルされることになるが、何れにしろその分、樹脂材の歩留まりが悪くなってしまうという問題がある。
そこで例えば、特開平7−68601号公報に示される如く、ランナーレス金型を用いて中空状成形体を成形するようにしてスプルーランナーレス化を達成すること等が提唱されるが、この様なスプルーランナーレス化をするためには、特殊な金型や射出ノズルが必要になってコスト高になるうえ、汎用性にかけるという問題があり、ここに本発明が解決せんとする課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、固定型と可動型とで半割り状の一次製品をそれぞれ一次射出して成形した後、前記可動型を移動して該可動型側の一次製品を固定型側の一次製品に突合せ、しかる後、該突合せ部に設けられる充填室に射出材を二次射出して中空状成形体を製造するようにした中空状成形体の製造方法において、一方の一次製品は、充填室に連通する貫通孔が形成されたものとし、射出材を二次射出するための射出ノズル先端を、前記突合わされた状態の一次製品の貫通孔に突き当て、該貫通孔をスプルーとして樹脂材を二次射出するようにするにあたり、前記スプルーとなる貫通孔は、二次射出用の射出ノズルに設けられるバルブゲートピンで形成したことを特徴とする中空状成形体の製造方法である。
そしてこのようにすることによって、一次製品に形成の貫通孔が、二次射出材を充填室に案内するスプルーとしての機能を果たすことになって、従来のように特殊な金型や射出ノズルを用いないでのスプルーランナーレス化が達成できることになる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図面において、1は中空成形体の一例であるサイドウインカーであって、該サイドウインカー1は、レンズ部2と、電球3が組み込まれるハウジング4とで構成されるが、レンズ部2、ハウジング4は半割り製品である一次製品として固定型、可動型でそれぞれ一次射出して成形された後、可動型をスライド移動させてから両一次製品同士を突合せ、しかる後、後述するように該突合せ面部に形成される充填室Sに樹脂等の適宜の射出材5を二次射出して一体化される従来から知られたダイスライドインジェクション方式により製造されるものであるが、該従来から知られたダイスライドインジェクション方式を、本発明ではそのまま採用できるので、その詳細については省略する。
【0006】
前記一次射出成形で形成されるレンズ部2は略椀形状になっており、その周縁部2aが、ハウジング4の外周縁に形成される鍔状部4aと突き合わせ接当するようになっている。そして本実施の形態では、レンズ部周縁部2aのハウジング4側面とハウジング鍔状部4aの外端面とを段差面とするスペースが、二次射出される樹脂材5の充填室Sとなっている。そして前記レンズ部周縁部2aには、この充填室Sに連通する貫通孔2bが開設されている。この貫通孔2bは、例えば次ぎのようにして一次射出の工程で形成される。
【0007】
前記貫通孔2aの形成(開設)にはいくつかの手法が考えられるが、まず第一の実施の形態として、二次射出をするための射出ノズル6に設けられるバルブゲートピン7を利用する手法である。つまりこのものは、図2(A)に示すように、一次射出によるレンズ部2の型成形の段階で、二次射出用の射出ノズル6の先端部を一方の金型(固定金型)8に組み込んだ状態にし、その場合に、該射出ノズル6のノズル開閉をするバルブケートピン7をノズル先端から突出させて他方の金型(移動金型)9に突き当てておき、この状態で一次射出をして(該一次射出は、上記二次射出用の射出ノズル6とは異なる図示しない一次射出用の射出ノズルを用いて行う)レンズ部2を形成する。因みに、この一次射出の過程でハウジング4も図示しない金型により同時成形される。次いで、該成形されたレンズ部2とハウジング4とを互いに突き合わせた状態で二次射出をすることになるが、それには、図3(A)に示すように、前記突出していたバルブゲートピン7を没入させて二次射出用の射出ノズル6を開状態にし、この開状態で二次射出材5の射出をし、そして該射出後、図3(B)に示すように、バルブゲートピン7を、先端が前記貫通孔2bの孔長範囲Xに位置するよう突出せしめ、この状態で二次射出材5を硬化(キュア)せしめることになる。
因みに、貫通孔2bを形成するに際し、バルブゲートピン7を他方の金型9に突き当てるのではなく、図2(B)に示したように、他方の金型9に形成したガイド孔9aに嵌入するようにしても形成することができる。
【0008】
このように、本発明が実施された第一の実施の形態においては、二次射出をしてレンズ部2とハウジング4とを一体化してサイドウインカー1を成形するに際し、一次射出をする際にレンズ部2に形成した貫通孔2bが、二次射出をする際の射出剤5を案内して流す、つまりガイドするスプルー(湯道)としての機能を果たすことになり、この結果、従来のようにスプルーランナレス化をするため、特殊な金型等を用いたりする必要がない。しかもこの貫通孔2bの形成は、二次射出するための射出ノズル6を開閉するためのバルブゲートピン7を用いて行う構成としたため、該バルブゲートピン7を、ノズルを通常に閉鎖するよりは長く突出する構成にする、つまりバルブゲートピン7の移動ストロークを長くするだけでよいことになって、殊更構造が複雑になることもない。
そしてこのものにおいては、レンズ部2側を固定側とし、ハウジング4を可動側にすることが、二次射出用の射出ノズル6を移動させる必要がないことから好適である。
【0009】
一方、本発明は、図4に示す第二の実施の形態のようにしても実施することができる。つまりこのものは、レンズ部2を一次射出する場合、二次射出用の射出ノズル6がセットされる側とは反対側の金型9側に貫通孔2b形成用のコアピン10を設けておき、該コアピン10によって形成された貫通孔2bをスプルーとして二次射出材5を射出するもので、このようにしても実施することができる。この場合に、図4に示すように、二次射出用射出ノズル6のバルブゲートピン7に前記コアピン10の先端を突き当てるようにしておくことができ、この様にすることで、前述した第一の実施の形態のものと同様、予めセットされた射出ノズル6を、バルブゲートピン7を没入させて開状態にして二次射出ができ、成形の迅速化が果たせることになる。
【0010】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものでなく、貫通孔を開設する側としては、図5に示す第三の実施の形態のようにハウジング4側にしてもよく、このように貫通孔4bをハウジング4側に形成した場合には、製品として車輌に取り付けたとき、貫通孔4aが隠れて外からは見えないものとなって外観性に優れ、都合が良い。そしてこのものは、二次射出ノズルの先端の突き当たる面がフラット状になっているため、前記実施の形態の傾斜面に突き当たる場合のように二次射出後にバルブゲートピンを貫通孔の孔部に位置させたキュア状態において、バルブゲートピンの先端面とハウジング面とが平行状態になって違和感のないものにでき都合が良い。
【0011】
このようなフラット面に突き当たる構成をレンズ部側において実施しようとする場合には、図6(A)、(B)に示す第四、第五の実施の形態のようにすることで実施できる。つまりこれらのものは、レンズ部2の周縁部2aをフラット状にし、ここに貫通孔2aを穿設してフラットなゲートを形成したものであるが、特に図6(B)のものは、ゲート部をさらに底面フラットな凹溝2cとし、ここに貫通孔2Bを形成したもので、このようにすることによって、二次射出するときにおいて、二次射出材5がレンズ部2の表面に流れ込むことを防止できることになる。
【0012】
またさらに、図7に示す各実施の形態のものは、充填室Sを外部に露出しないように設定したもので、この場合においても貫通孔2b、4bをレンズ部2側、ハウジング4側に形成したものにできる。そしてこれらのものでは、充填室Sが内部に隠れた状態になって露出しないため、レンズ部2とハウジング4との突き合わせだけのものとなって、外観性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はサイドウインカーの側面断面図、(B)は要部拡大断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれレンズ部を一次射出するときの型状態を示す要部拡大図である。
【図3】(A)は二次射出する状態を示す要部拡大図、(B)は二次射出した後の状態を示す要部拡大図である。
【図4】第二の実施の形態を示すレンズ部を一次射出したときの状態を示す要部拡大図である。
【図5】第三の実施の形態を示すハウジングを一次射出する状態を示す要部拡大図である。
【図6】(A)、(B)は第四、第五の実施の形態を示す際動因がーの要部拡大図である。
【図7】(A)〜(C)は、さらに第七〜第九の実施の形態を示すサイドウインカーの要部拡大図である。
【符号の説明】
1 サイドウインカー
2 レンズ部
2b 貫通孔
4 ハウジング
4b 貫通孔
5 二次射出材
6 二次射出ノズル
7 バルブゲートピン
Claims (1)
- 固定型と可動型とで半割り状の一次製品をそれぞれ一次射出して成形した後、前記可動型を移動して該可動型側の一次製品を固定型側の一次製品に突合せ、しかる後、該突合せ部に設けられる充填室に射出材を二次射出して中空状成形体を製造するようにした中空状成形体の製造方法において、一方の一次製品は、充填室に連通する貫通孔が形成されたものとし、射出材を二次射出するための射出ノズル先端を、前記突合わされた状態の一次製品の貫通孔に突き当て、該貫通孔をスプルーとして樹脂材を二次射出するようにするにあたり、前記スプルーとなる貫通孔は、二次射出用の射出ノズルに設けられるバルブゲートピンで形成したことを特徴とする中空状成形体の製造方法。
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JP2000243264A JP4437601B2 (ja) | 2000-08-10 | 2000-08-10 | 中空状成形体の製造方法 |
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