JP4436090B2 - 人工芝及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人口芝の製造方法に関し、特に粗目の布等からなる基布の表面にフィラメントを植毛した、踏み込み感に優れ、その外観が天然芝に類似する人口芝の製造方法に関する。
人工芝は、天然芝と比べてメンテナンスが容易である。このため、屋内外での野球場、テニスコート、サッカー場、フットサルコートなどに広く使用されている。しかし、人工芝は、靴で踏み込んだ際に、靴底に踏まれて上から力が加わった複数のフィラメント(人工芝の芝葉を形成する一本一本の素材)が同じ方向に倒伏し、それと共に靴もフィラメントの倒伏方向に滑り易いという問題がある。また、同じ箇所が何度も踏み込まれたりするとフィラメントが倒伏して戻らなくなることがある。そこで、このような現象が発生しにくいように、丈の短いフィラメントが一般的に用いられているが、このような丈の短いフィラメントは天然芝のような踏み込み感を有するものではない。
また、靴底の踏み込みでパイルが倒伏した際に、倒伏後の靴底の滑りを抑えるために、扁平状フィラメントと糸状フィラメントを組み合わせて複数本束ねてなるパイルを基布に係着する人工芝も考えられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1に記載の人工芝は、フィラメントの倒伏自体が防止されるものではなく、フィラメント倒伏後の表面に凹凸を形成して滑りにくくするものであり、倒伏と伴に靴が滑る現象を解消するものではない。
所定の色のハイカットパイルと、その所定の色とは異なる色の、ハイカットパイルよりも丈の短いローループパイルとを、交互に植設した人工芝もある(例えば特許文献2参照)。これは、人工芝を踏み込んだ際に、その部位の表面色をローループパイルの色に変化させようとするものであるが、ハイカットパイルの立直性がループ状のパイルによって補強されるものでもある。しかし、特許文献2に記載の人工芝は、ローループの補強によってハイカットパイルの直立性がある程度まで維持されるものの、所定の値を超えればハイカットパイルとローループパイルは伴に同一方向に倒伏するため、依然として滑りが防止されるものではなく、両パイルの長さも短いため、天然芝のような踏み込み感を有するものではない。
以上のような従来の問題に対しては、倒伏を防止し、且つ天然芝に近い踏み込み感を得るために、比較的長いフィラメントを用いつつ、長い芝状フィラメントの間に短い補助フィラメントを植毛した人工芝が考えられている(例えば特許文献3参照)。
実開平3−79310号公報 実開平6−42988号公報 特開平7−109661号公報
しかし、特許文献3に記載されたような、丈の長い芝状フィラメントと丈の短い補助フィラメントとからなる人工芝を製造する場合、以下のような問題がある。
一般に人工芝は、基布の進行方向に対して直交して並んだ、上下動する複数の縫針と、その縫針に同期して揺動駆動され、基布に差し込まれた縫針から延びる糸を補足するルーパと、当該ルーパに組み付けられた糸を切断するカッター部を含むタフティング機によって製造されるものである。そしてカットされるフィラメントの長さは、縫針の下降量、ルーパ及びカッター部の位置によって定まる。従って、縫針の下降量、ルーパ及びカッター部の位置を、芝状フィラメントと補助フィラメントの丈の長さに合わせて、フィラメントごとに変更することが必要である。このため、既存のタフティング機をそのまま使用することができず、新たな設備が必要である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、人工芝の同一方向への倒伏を防止し、天然芝に近い踏み込み感を有する人工芝を、既存のタフティング機でも提供できるようにすることである。
本発明の人工芝製造方法により得ようとする人工芝は、基布と、前記基布に立設された、それぞれに撚りがかかった複数本の第1のフィラメントからなる第1のパイルと、前記基布に前記第1のパイルとは位置をずらせて立設された、前記第1のフィラメントよりも撚りが強い複数本の第2のフィラメントからなる第2のパイルと、を備え、前記基布に立設された前記第2のフィラメントの該基布からの高さは、該基布に立設された前記第1のフィラメントの該基布からの高さより低く、前記基布に立設された前記第1のフィラメント及び前記基布に立設された前記第2のフィラメントは、伸長させた状態における前記基布からの長さが実質的に同−であることを特徴とする。
このような人工芝によると、撚りの強さの異なるフィラメントが用いられているためフィラメントが様々な方向を向いており、フィラメントを靴で踏み込んだ場合、靴の下になったフィラメントが全て同じ方向に倒伏することがない。また、天然芝に近いばらつきがある。更に、撚りの異なる2種類のフィラメントの伸張状態における長さが実質的に同一であるため、タフティング機によってフィラメントを基布に縫い込む場合、縫針の下降量、ルーパ及びカッター部の位置をフィラメントの種類によって変更する必要がない。
第1のフィラメントは次のように形成されてなるものであることが好ましい。それは、複数本の第1のモノフィラメント体を撚り合わせて第1の撚り糸を形成し、その第1の撚り糸を更に複数本もろ撚りして第1のもろ撚り糸を形成する工程と、第1もろ撚り糸を、単位長さ当たり所定の編込み数で編み込んで第1の原反を形成する工程と、第1の原反を加熱する工程と、加熱された第1の原反を解編する工程と、を経て形成されてなるフィラメントである。また、第2のフィラメントは、次のように形成されてなるものであることが好ましい。それは、複数本の第2のモノフィラメント体を撚り合わせて第2の撚り糸を形成し、その第2の撚り糸を更に複数本もろ撚りして第2のもろ撚り糸を形成する工程と、第2のもろ撚り糸を、単位長さ当たり所定の編込み数よりも多い編込み数で編み込み、第2の原反を形成する工程と、第2の原反を加熱する工程と、加熱された第2の原反を解編する工程と、を経て形成されるまたは形成されてなるフィラメントである。
なお、モノフィラメント体とは、糸成型ダイから溶融状態で吐出されたモノフィラメントを冷却して、その1本又は複数本を並び合わせて一束とされたフィラメントをいう。
このように製造することで、第1のフィラメント及び第2のフィラメントに撚りをかけることができ、更に、加熱することによって第1のフィラメント及び第2のフィラメントの結晶化度を大きくして、寸法安定性を与えることができる。また、第2の原反を形成する工程において、第2のフィラメントの単位長さ当たりの編込み数を第1のフィラメントの単位長さ当たりの編込み数より多くすることによって、第2のフィラメントの撚りを第1のフィラメントより強いものとすることができる。
第1のフィラメントは、第1の原反を加熱する工程の後であって、第1の原反を解編する工程の前に、第1の原反を再加熱する工程を行って形成してもよい。
上述したように加熱によって第1の原反及び第2の原反に所定の寸法安定性を与えることができる。第1の原反のみ再加熱することによって、第1のフィラメントの結晶化度を小さい方向に調整して、寸法安定性を第2のフィラメントより弱くすることができる。その結果、第1のフィラメントの撚りを第2のフィラメントの撚りよりも弱くすることができる。
第1のパイル及び第2のパイルの単位長さ当たりの重量が実質的に同一であることが好適である。これによると、タフティング機の1本の縫針に通すフィラメントの量を同じにすることができ、均一な縫込みができる。
第1のパイルと第2のパイルとを、それぞれ同じ方向に列をなして並列させ、第1のパイルの列と第2のパイルの列とを互いに離間して配置してもよい。このような人工芝は、タフティング機によって製造する場合、複数の縫針の各々に列に対応した第1のフィラメント又は第2のフィラメントのいずれかを通すことによって製造することができる。
第1のパイルの列と第2のパイルの列を交互に並設してもよい。
また、第1のフィラメント及び第2のフィラメントは合成樹脂からなることが好適である。合成樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体、ポリアミド、ポリエステルを好適に用いることができる。
第1のパイル又は第2のパイルが立設される側の反対側の基布面にバッキング材の膜または層を設けることが好適である。バッキング材によって第1のパイル又は第2のパイルを基布に固定することができる。
バッキング材を介して、基布にアンダーパッドを設けることも好適である。アンダーパッドによって人工芝を踏み込んだ際に足にかかる衝撃を吸収することができる。なお、バッキング材とは、接着性樹脂、溶媒に溶かした接着性樹脂、ラテックスである。このバッキング材の膜または層は、塗布、押出しラミネート法または熱圧着ラミネート法で製造される。接着性樹脂としては、アクリル酸系樹脂、メタアクリル酸系樹脂、アクリレート系樹脂、メタアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂を好適に用いることができる。なお、アンダーパッドの好適な形態は、樹脂を発泡させたアンダーパッド、多数の突起や凹みを設けるアンダーパッド、またはこれらを組み合わせたアンダーパッドである。
本発明の人工芝の製造方法において、第1のフィラメントは次のように形成されることが好ましい。それは、複数本の第1のモノフィラメント体を撚り合わせて第1の撚り糸を形成し、該第1の撚り糸を更に複数太もろ撚りして第1のもろ撚り糸を形成する工程と、第1もろ撚り糸を、単位長さ当たり所定の編込み数で編み込んで第1の原反を形成する工程と、第1の原反を加熱する工程と、加熱された第1の原反を解編して撚りのかかった第1フィラメントを得る工程と、を含む第1のフィラメントを形成する第1プロセスを経て形成される。また、第2のフィラメントは、次ように形成されることが好ましい。それは、複数本の第2のモノフィラメント体を撚り合わせて第2の撚り糸を形成し、その第2の撚り糸を更に複数本もろ撚りして第2のもろ撚り糸を形成する工程と、第2のもろ撚り糸を、単位長さ当たり所定の編込み数よりも多い編込み数で編み込み、第2の原反を形成する工程と、第2の原反を加熱する工程と、加熱された第2の原反を解編して前記第1フィラメントより撚りが強くかかった第2フィラメントを得る工程と、を含む第2のフィラメントを形成する第2プロセスを経て形成される。そして人工芝は、タフティング機により、基布に複数本の第1のフィラメントと複数本の第2のフィラメントとを互いに位置をずらせて縫い付けて第1のパイルと第2のパイルとを立設形成する第3プロセスを経て形成される。
このような製造方法によると、第1のフィラメント及び第2のフィラメントに撚りをかけることができ、更に、加熱することによって第1のフィラメント及び第2のフィラメントの結晶化度を大きくして、所定の寸法安定性を与えることができる。また、第2の原反を形成する工程において、第2のフィラメントの単位長さ当たりの編込み数を第1のフィラメントの単位長さ当たりの編込み数より多くすることによって、第2のフィラメントの撚りを第1のフィラメントより強いものとすることができる。
また、第1のプロセスが、第1の原反を加熱する工程の後であって、第1の原反を解編する工程の前に、第1の原反を再加熱する工程を更に含むことができる。
上述したように加熱によって第1の原反及び第2の原反に所定の寸法安定性が得られるが、第1の原反のみ再加熱することによって、第1のフィラメントの結晶化度を小さい方向に調整して、寸法安定性を第2のフィラメントより弱くすることができる。その結果、第1のフィラメントの撚りを第2のフィラメントの撚りよりも弱くすることができる。
第1のパイル及び第2のパイルの単位長さ当たりの重量は、実質的に同一であることが好適である。これによると、タフティング機の1本の縫針に通すフィラメントの量を同じにすることができ、均一な縫込みができる。
第1の原反を形成する工程及び第2の原反を形成する工程における編込みは、丸編みでなされることができる。丸編みは、折り返しの部分が存在しないため、第1のもろ撚り糸及び第2のもろ撚り糸を均一に編み込むことができ、加熱する工程によって、均一な撚りを形成することができる。
第1のパイルと第2のパイルとを、それぞれ同じ方向に列をなして並列させ、第1のパイルの列と第2のパイルの列とを互いに離間して配置させることができる。このようにすることによって、タフティング機によって製造する場合、複数の縫針の各々に列に対応した第1のフィラメント又は第2のフィラメントのいずれかを通すことによって製造することができる。
また、第1のパイルの列と第2のパイルの列とは交互に並設することができる。
第1のフィラメント及び第2のフィラメントは前記合成樹脂で形成することが好適である。
以上、説明したように本発明の人工芝は、踏み込んだときに一方向への倒伏しないため、靴底の滑りを防止することができ、また天然芝に近い踏み込み感を有する。しかも、第1のフィラメント及び第2のフィラメントとの伸張状態における長さが実質的に同一であるので、全ての縫針について針下降量が同一であり、このため、既存のタフティング機をも使用することができ、設備コストの増加も防ぐことができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態にかかる人工芝10の概略部分断面図である。人工芝10は、地組織である基布12と、基布12に交互に立設された第1のフィラメント14からなる複数の第1のパイル16と、第1のフィラメント14よりも撚りが強い第2のフィラメント18からなる第2のパイル20と、基布12の裏面に貼着された、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18の固定のためのバッキング材22と、更にその下に貼着された衝撃吸収用のアンダーパッド24と、を備える。
第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は、合成樹脂製であるが、これに限定されるものではない。第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は、後述するようにタフティング機によって基布12に縫い込まれたものである。また、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は、所定の張力が加えられ、撚りが伸ばされた状態では略同じ長さとなるが、通常の状態では図1に示すように、第2のフィラメント18の撚りが強いため、第2のフィラメント18の高さは第1のフィラメント14より低くなっている。
次に、本実施形態の人工芝10の製造工程について説明する。
図2は、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18を形成する工程を示した工程図である。まず、原材料となるコンパウンドを押出成型機に入れ融解させる(S1)。
前記成形機の1個以上の吐出孔を通してコンパウンドを紡糸成形し、巻き取り成型時に一体とされる所望の太さの2種類の第1のモノフィラメント体及び第2のモノフィラメント体を形成する(S2)。
第1のモノフィラメント体及び第2のモノフィラメント体を各々複数本合わせて左方向に撚り(Z撚り)、第1の撚り糸及び第2の撚り糸とし、各々複数本の第1の撚り糸及び第2の撚り糸を撚り合わせて第1のもろ撚り糸及び第2のもろ撚り糸を形成する(S3)。なお、このときに、第1の撚り糸及び第2の撚り糸の本数は、第1のもろ撚り糸及び第2のもろ撚り糸の単位長さあたりの重量が略等しくなるように調整する。
第1のもろ撚り糸及び第2のもろ撚り糸を無負荷状態で残存トルクが小さくなるようにS方向に撚る(S4)。
第1の撚り糸及び第2の撚り糸をコーンへ所定の張力を加えながら紡錘し、第1の紡錘糸及び第2の紡錘糸を形成する(S5)。
丸編み用のミシンによって、第1の紡錘糸及び第2の紡錘糸を夫々一定の方向に丸く編み続ける丸編みを行い、第1の原反及び第2の原反を形成する(S6)。この場合、第1の紡錘糸は単位長さ当たり所定の編込み数で編み込み、第2の紡錘糸は、その、第1の紡錘糸の単位長さ当たりの編込み数よりも多い編みこみ数で編み込む。なお、丸編みは、折り返しの部分が存在しないために第1の紡錘糸及び第2の紡錘糸を一定の編み方で編み込むことができ、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18の夫々に均一な撚りを形成することができる。しかし、編み方は丸編みに限定されるものではなく横編み等他の編み方であってもよい。
第1の原反及び第2の原反をヒートセット用の釜に入れ、湿熱水蒸気を導入して第1の加熱を行う(S7)。この第1の加熱によって第1の原反及び第2の原反の材料である樹脂から可塑剤が除去され、樹脂の結晶化度が大きくなり、寸法安定性が増す。
第1の原反のみ、再加熱(第2の加熱)を行う(S8)。この再加熱により、樹脂材料の結晶の一部を再び融解して、結晶化度を小さい方向に調整して、寸法安定性を弱めることができる。
第1の加熱及び第2の加熱を経た第1の原反、及び第1の加熱を経た第2の原反を解編し、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18を形成する(S9)。第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は、第1の紡錘糸及び第2の紡錘糸を第1の原反及び第2の原反に編み込む際の編み込み数の差、及び第1の原反の結晶化度を調整することによって、第1のフィラメント14の撚りは、第2のフィラメント18の撚りよりも弱いものとなっている。これによって撚りの度合いの異なる、2種類のフィラメント(第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18)を形成することができる。これらの第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18はコーンに巻き取っておく。なお、上述したように、第1のもろ撚り糸及び第2のもろ撚り糸を形成する際に、これらの単位長さあたりの重量を略等しくしているので、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18の単位長さあたりの重量も略等しくなる。
次に、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18を基布12に縫い込むタフティング工程について説明する。本実施形態で使用するタフティング機は一般的なもので、図3は、そのようなタフティング機を使用して本実施形態の人工芝を製造する状態を示した図である。一般的なタフティング機は、基布12の送り方向と直交して水平方向に並設された、上下駆動される複数の縫針26と、上下動する縫針26に同期して揺動駆動され、各々の縫針26から延びるフィラメントを補足する複数のルーパ28と、ルーパ28によって補足された糸を切断するための、ルーパ28の各々に組み付けられた複数のカッター部30と、を備えるものである。
このようなタフティング機によって本実施形態の人工芝10を形成する場合、まず、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18が基布12の縫針26の各々に交互に通される。この場合、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18の単位長さあたりの重さは略等しいため、縫針26の針穴は同−の径でよい。
そして基布12に対して縫込みが開始される。縫込みは以下のように行われる。まず、縫針26が上部の駆動機構(図示せず)によって同時に基布12に対して上から突き刺さる。縫針26の針孔28が基布12の下側に位置する状態で、縫針26の針孔32と第1のフィラメント14又は第2のフィラメント18との間にルーパ28が導入され、第1のフィラメント14又は第2のフィラメント18がルーパ28に捕捉され、ループ34が形成される。縫針26が上方に駆動されることによってループ34が引っ張られる。この状態でカッター部30とルーパ28が協働してループ34の下端がカットされる。これによってカットされた第1のパイル16及び第2のパイル20が形成される。
第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は、上記したように、ステップ10のフィラメント製造工程の最終工程において各々異なる強さの撚りを有している。しかし第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18の絡まりの防止や均一な縫込みのため、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18には張力Tが加えられる。このため、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は、縫針26に通されて縫い込まれる際に、撚りが伸びた状態である。そして第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は互いに同じように基布12に縫い込まれ、基布12の下方の同じ位置でルーパ28に捕獲され、カッター部30で切断され、前記張力Tから解放される。前記張力Tから解放されると、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は、図1に示すような、異なる撚りを有する各々の状態となる。
その後、第1のパイル16及び第2のパイル20の抜け落ち防止のために基布12の裏面にバッキング22を施し、更に衝撃吸収のためのアンダーパッド24を貼り付ける。
本実施形態によると、異なる強さの撚りを有する2種類の第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18を、同じ大きさの針孔を有する縫針26を用い、それら縫針26の上下動の幅を同じにして、且つルーパ28及びカッター部30の位置も同じのまま形成することができる。即ち、本実施形態の人工芝10は、従来のタフティング機を用いて、これに特に改造を加えることなく製造することができる。
本実施形態にかかる人工芝10を踏み込んだ場合、最初に靴底(又は足の裏)に第1のフィラメント14が触れる。このとき、第1のフィラメント14は僅かに撚られているため、踏み込んだときに第1のフィラメント14の先端が靴底に刺さるような感触がなく、天然芝のような軟らかさが感じられる。更に踏み込んでいくと図1に示す第1のフィラメント14だけの領域36から第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18の混在する領域38へ到達する。しかし、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18は各々撚られて先端の位置が不ぞろいであるため領域36から領域38に移った感触はなく、自然に領域38へと移る。また、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18が撚られているため各々様々な向きを向いており、踏み込んでも第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18が同−の方向に倒伏することがない。更に、撚りによって芝全体が弾力性を有し、天然芝のような復元力が感じられる。また、第1のフィラメント14及び第2のフィラメント18の撚りが異なることによって、天然芝のようなばらつきが感じられる。従って全体的に天然芝に近い踏み込み感を得ることができる。
合成樹脂として、塩化ビニリデン系樹脂を用いてJIS規格L0101で規定される830デシテックスのモノフィラメント体8本からなる第1のフィラメント14と610デシテックスのモノフィラメント体12本からなる第2のフィラメント18を用いて上記の方法により人工芝を形成した。
本実施例の人工芝10を靴で踏み込んだ場合、まず、最初に靴底はパイル14に接触した。このとき、パイル14は830デシテックスと適度な堅さを有しているが撚られているため、先端が刺さるような不快感は全く感じられなかった。更に足を踏み込んでいくと、610デシテックスのパイルに達したが、第1のパイル16及び第2のパイル20は撚られているため、第1のパイル16から第1のパイル16と第2のパイル20との混在する部分に到達したような感触はなかった。また、第1のパイル16及び第2のパイル20は、各々撚られているため、天然芝に近い弾力性が感じられた。第2のパイル20によって第1のパイル16が支持されているため踏み込みによって第1のパイル16及び第2のパイル20が倒伏することがなかった。塩化ビニリデン系樹脂のパイルはポリアミドのパイルよりも天然芝に近い感触であった。
更に、本実施例の人工芝は、優れた衝撃吸収性能も有していた。以下に本実施形態の人工芝にボールを落下させた場合の、跳ね返りの割合を従来の人工芝と比較した結果を示す。
Figure 0004436090
従来の人工芝としては、フィラメントの長さが13mmで、フィラメントの種類が1種類のものを用いた。また、使用球は硬式野球ボール(MIZUNO OFICIAL VICTORY)であった。所定の高さ(100,150,200,250,300cm)から初速度を与えずに、従来人工芝と本実施形態の人工芝の上にボールを自然落下させ、ボールが跳ね返った高さを測定した結果を示したものである。ボールが跳ね返った高さから、落とした高さに対する跳ね返った高さの割合を求めた
この表によると、従来の人工芝と比較して、どの高さから落とした場合も跳ね返りの割合が低いことがわかった。以上より、本実施形態の人工芝は、従来の人工芝よりも衝撃吸収性に優れていることもわかった。
以上、本発明の好適な実施形態について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
本実施形態にかかる人工芝の概略部分断面図である。 本実施形態の人工芝を形成するフィラメントを形成する工程を示した工程図である。 本実施形態の人工芝をタフティング機を用いて製造する状態を示した図である。
符号の説明
10…人工芝
12…基布
14…第1のフィラメント
16…第1のパイル
18…第2のフィラメント
20…第2のパイル
26…縫針
28…ルーパ
30…カッター部

Claims (7)

  1. 基布と、
    前記基布に立設された、それぞれに撚りのかかった複数本の第1のフィラメントからなる第1のパイルと、
    前記基布に前記第1のパイルとは位置をずらせて立設された、前記第1のフィラメントよりも撚りが強い複数本の第2のフィラメントからなる第2のパイルと、を備え、
    前記基布に立設された前記第2のフィラメントの該基布からの高さは、該基布に立設された前記第1のフィラメントの該基布からの高さより低く、
    前記基布に立設された前記第1のフィラメント及び前記基布に立設された前記第2のフィラメントは、伸長させた状態における前記基布からの長さが実質的に同−である人工芝の製造方法であり、
    複数本の第1のモノフィラメント体を撚り合わせて第1の撚り糸を形成し、該第1の撚り糸を更に複数本もろ撚りして第1のもろ撚り糸を形成する工程と、
    前記第1のもろ撚り糸を、単位長さ当たり所定の編込み数で編み込んで第1の原反を形成する工程と、
    前記第1の原反を加熱する工程と、
    加熱された前記第1の原反を解編して撚りのかかった第1フィラメントを得る工程と、を含む第1のフィラメントを形成する第1プロセスと、
    複数本の第2のモノフィラメント体を撚り合わせて第2の撚り糸を形成し、該第2の撚り糸を更に複数本もろ撚りして第2のもろ撚り糸を形成する工程と、
    前記第2のもろ撚り糸を、単位長さ当たり前記所定の編込み数よりも多い編込み数で編み込み、第2の原反を形成する工程と、
    前記第2の原反を加熱する工程と、
    加熱された前記第2の原反を解編して前記第1フィラメントより撚りが強くかかった第2フィラメントを得る工程と、を含む第2のフィラメントを形成する第2プロセスと、
    タフティング機により、基布に複数本の前記第1のフィラメントと複数本の前記第2のフィラメントとを互いに位置をずらせて縫い付けて第1のパイルと第2のパイルとを立設形成する第3プロセスと、を備える人工芝の製造方法。
  2. 前記第1のプロセスが、前記第1の原反を加熱する工程の後であって、前記第1の原反を解編する工程の前に、前記第1の原反を再加熱する工程を更に含む請求項1に記載の人工芝の製造方法。
  3. 前記第1のパイル及び前記第2のパイルの単位長さ当たりの重量が、実質的に同−である請求項1又は2に記載の人工芝の製造方法。
  4. 前記第1の原反を形成する工程及び前記第2の原反を形成する工程における編込みが、丸編みでなされる請求項1から3のいずれか1項に記載の人工芝の製造方法。
  5. 前記第1のパイルと前記第2のパイルとを、それぞれ同じ方向に列をなして並列させ、前記第1のパイルの列と前記第2のパイルの列とを互いに離間して配置させる請求項1から4のいずれか1項に記載の人工芝の製造方法。
  6. 前記第1のパイルの列と前記第2のパイルの列を交互に並設させる請求項5に記載の人工芝の製造方法。
  7. 前記第1のフィラメント及び前記第2のフィラメントが合成樹脂で形成される請求項1から6のいずれか1項に記載の人工芝の製造方法。
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