JP4434554B2 - 表面保護用粘着フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板、ガラス板、合成樹脂板等の板状物品の表面に剥離自在に粘着され、これら板状物品の表面に傷が付いたりゴミが付着するのを防止する表面保護用粘着フィルムに関するものである。さらに詳しくは、板状物品に粘着されて比較的長時間放置されても粘着力の経時変化が少なく、常時容易に剥離できる程度の粘着力を維持することができる表面保護用粘着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面保護用粘着フィルム用粘着剤としては、アクリル系粘着剤や天然ゴム、ポリイソブチレン等のゴムを主体とするゴム系粘着剤が主として使用されてきたが、これらの粘着剤の支持体フィルムへの塗布は、これまでは粘着剤を溶剤に溶かした粘着剤溶液を、ロール、スプレー等の手段を用いて支持体フィルムに塗布する方法がとられてきた。しかしこのような溶剤の使用は、大気汚染、火災、製造時の安全衛生性、経済性等、多くの面から問題を含んでおり、溶剤を使用しないホットメルトタイプが一般的になりつつある。その有力な製造手段の一つとして、粘着剤層と支持体フィルムを共押し出しによって製造する手法が検討されており、粘着剤に関しても、ホットメルト型粘着剤が好まれる傾向にある。
【0003】
しかしながら、この共押し出しによる手法では、支持体フィルムと粘着剤層との接着力(投錨力)を高めるために有効な手段であるコロナ処理、アルカリ処理、火炎処理等を行うのが難しく、投錨性の良好な共押し出しフィルムを得ることが困難である。従って、当該フィルムを金属板等に貼り付けた場合、投錨力が小さいため、支持体フィルムと粘着剤層との間で界面剥離を生じ、糊残りが発生するという問題点がある。そこでこの問題を解決するために、例えば特開平8−73699号公報には、ビニル芳香族化合物を主体とするブロックと、共役ジエンを主体とするブロックからなり、共役ジエン部分の二重結合の一部を水添し、残りの二重結合の一部をエポキシ化したエポキシ変性水添ブロック共重合体からなる粘接着剤組成物が提案されているが、これらは優れた投錨力を有するものの、加熱や長期間保存によるゲル化や劣化が激しく、安定性に関して問題がある。
【0004】
さらに、支持体フィルムに難接着材料の代表であるオレフィン系樹脂フィルムを用いる場合は、オレフィン系樹脂フィルムとの親和性が高い、エチレンを主成分とする共重合体、例えばEVAを粘着剤層とした共押し出しフィルムが提案されている。しかし、酢酸ビニル含有量の極めて低いものについては、十分な投錨力が得られるが粘着力がほとんどなく、高粘着のものが得られないう問題がある。また、例えば特公平7−116410号公報には、A−B−A(Aはスチレン重合体ブロック、Bはエチレン/ブチレン共重合体ブロック)ブロック共重合体を用いた接着剤層をオレフィン系樹脂フィルム上に形成させてなる表面保護用接着フィルムが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、投錨性及び粘着性に優れ、長期間保存しても糊残りが生じない表面保護フィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の官能基を付与したブロック共重合体を含む組成物、さらには特定の官能基を付与したブロック共重合体に特定の官能基を有する架橋剤を組み合わせた組成物を粘着剤として用いることにより、投錨性及び粘着性に優れ、長期間保存しても糊残りが生じず、かつ共押し出しによる製造が可能な表面保護フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は下記の通りである。
【0007】
1.(1)ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体のリビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させてなる変性ブロック共重合体又はその水添物100質量部と、
(2)粘着付与剤3〜200質量部、
(3)成分(1)の官能基部分と反応性を有する架橋剤0.01〜20質量部、
を含んでなる粘着剤層を、樹脂フィルム上に形成させてなる表面保護用粘着フィルムであって、該官能基含有変性剤が、ブロック共重合体のリビング末端との付加反応により、該ブロック共重合体にアミノ基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合されている変性ブロック共重合体又はその水添物を生成する官能基を有する変性剤である表面保護用粘着フィルム。
2.(1')ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体リビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させてなる変性ブロック共重合体又はその水添物(1)に、成分(1)に結合されている官能基と反応性を有する架橋剤を、該官能基1当量あたり0.3〜10モル反応させた二次変性ブロック共重合体100質量部、
(2)粘着付与剤3〜200質量部、
を含んでなる粘着剤層を、樹脂フィルム上に形成させてなる表面保護用粘着フィルムであって、該官能基含有変性剤が、ブロック共重合体のリビング末端との付加反応により、該ブロック共重合体にアミノ基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合されている変性ブロック共重合体又はその水添物を生成する官能基を有する変性剤である表面保護用粘着フィルム。
3.変性ブロック共重合体又はその水添物(1)が、アミノ基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合している変性ブロック共重合体又はその水添物である上記1〜2のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
4.架橋剤がカルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する架橋剤である上記1〜3のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
5.変性ブロック共重合体又はその水添物(1)が、下記式(1)〜式(14)から選ばれる官能基を有する原子団が少なくとも1個結合している変性ブロック共重合体又はその水添物である上記1〜4のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
【化2】
(上式で、R1〜R4は、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜24の炭化水素基。R5は炭素数1〜48の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素鎖。なおR1〜R4の炭化水素基、及びR5の炭化水素鎖中には、水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素、窒素、ケイ素が結合していても良い。R6は水素又は炭素数1〜8のアルキル基。)
6.樹脂フィルムが非極性樹脂からなる樹脂フィルムである上記1〜5のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
7.樹脂フィルムが極性樹脂からなる樹脂フィルムである上記1〜5のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で使用するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる変性ブロック共重合体又はその水添物のビニル芳香族炭化水素含有量は、粘着力と保持力のバランスから5〜95wt%が好ましく、より好ましくは10〜90wt%、更に好ましくは15〜85wt%の範囲で使用できる。変性ブロック共重合体又はその水添物のビニル芳香族炭化水素含有量が60wt%以上、好ましくは65wt%以上の場合は樹脂的な特性を有し、60wt%未満、好ましくは55wt%以下の場合は弾性的な特性を有す。本発明において特に好ましい変性ブロック共重合体又はその水添物のビニル芳香族炭化水素含有量は、ビニル芳香族炭化水素の含有量が5wt%以上、60wt%未満、好ましくは10〜50wt%、更に好ましくは15〜45wt%である。
【0018】
ブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特公昭51−49567号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報などに記載された方法が挙げられる。これらの方法で得られるブロック共重合体のリビング末端に後述する変性剤を付加反応することにより本発明で使用する官能基含有ブロック共重合体が得られ、例えば下記一般式で表されるような構造を有する。
【0019】
(A−B)n−X、 A−(B−A)n−X、
B−(A−B)n−X、 X−(A−B)n、
X−(A−B)n−X、 X−A−(B−A)n−X、
X−B−(A−B)n−X、 [(B−A)n]m−X、
[(A−B)n]m−X、 [(B−A)n−B]m−X、
[(A−B)n−A]m−X
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数である。mは2以上の整数、好ましくは2〜11の整数である。Xは、後述する官能基を有する原子団が結合している変性剤の残基を示す。Xを後述するメタレーション反応で付加させる場合は、Aブロック及び/又はBブロックの側鎖に結合している。また、Xに結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていても良い。)
【0020】
尚、上記において、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAとはビニル芳香族炭化水素を好ましくは50wt%以上、より好ましくは70wt%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとは共役ジエンを好ましくは50wt%を超える量で、より好ましくは60wt%以上含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、又テーパー状に分布していてもよい。又、該共重合体部分には、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。本発明で使用するブロック共重合体は、上記一般式で表されるブロック共重合体の任意の混合物でもよい。
【0021】
本発明において、ブロック共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、後述する極性化合物等の使用により任意に変えることができ、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量は好ましくは5〜90%、より好ましくは10〜80%、共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合又は1,3−ブタジエンとイソプレンを併用した場合には、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量は好ましくは3〜80%、より好ましくは5〜70%である。但し、ブロック共重合体として水添物を使用する場合のミクロ構造は、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量は好ましくは10〜80%、更に好ましくは25〜75%であり、共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合、又は1,3−ブタジエンとイソプレンを併用した場合には、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量は好ましくは5〜70%であることが推奨される。なお、本発明においては、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量(但し、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量)を以後ビニル結合量と呼ぶ。
【0022】
本発明において、共役ジエンとは1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは一つのブロック共重合体の製造において一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0023】
また、ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、などがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは一つのブロック共重合体の製造において一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0024】
本発明において、ブロック共重合体の共役ジエンとしてイソプレンと1,3−ブタジエンを併用する場合、イソプレンと1,3−ブタジエンの質量比は好ましくは95/5〜5/95、より好ましくは90/10〜10/90、更に好ましくは85/15〜15/85である。特に、低温特性に優れた粘着性組成物を得る場合には、イソプレンと1,3−ブタジエンの質量比は好ましくは49/51〜5/95、より好ましくは45/55〜10/90、更に好ましくは40/60〜15/85であることが推奨される。イソプレンと1,3−ブタジエンを併用すると高温での溶融混練や共押し出しにおいても粘度安定性や外観特性の良好な組成物が得られる。
【0025】
本発明において、粘着付与剤との相容性を高めるため、ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの割合(ビニル芳香族炭化水素のブロック率という)を調整することができ、ビニル芳香族炭化水素のブロック率を好ましくは50wt%以上、より好ましくは50wt%〜98wt%、さらに好ましくは60〜97wt%に調整することができる。ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率の測定は、四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)の含有量を用いて、次の式から求めることができる。
ビニル芳香族炭化水素のブロック率(%)
=(ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの質量/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の質量)×100
【0026】
本発明において、ブロック共重合体の製造に用いられる溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或いはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素系溶媒が使用できる。これらは一種のみならず二種以上を混合して使用してもよい。
【0027】
また、ブロック共重合体の製造には、有機リチウム化合物を用いることが好ましく、用いられる有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子を結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を混合して使用してもよい。又、有機リチウム化合物は、ブロック共重合体の製造において重合途中で1回以上分割して添加してもよい。
【0028】
本発明において、ブロック共重合体の製造時重合速度の調整、重合した共役ジエン部分のミクロ構造の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との反応性比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使用することができる。極性化合物やランダム化剤としては、エーテル類、アミン類、チオエーテル類、ホスフィン及びホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸のカリウム塩又はナトリウム塩、カリウム又はナトリウムのアルコキシドなどが挙げられる。適当なエーテル類の例はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルである。アミン類としては第三級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、その他環状第三級アミンなども使用できる。ホスフィン及びホスホルアミドとしては、トリフェニルホスフィン、ヘキサメチルホスホルアミドなどがある。
【0029】
本発明において、ブロック共重合体を製造する際の重合温度は、好ましくは−10℃〜150℃、より好ましくは30℃〜120℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、好ましくは48時間以内であり、特に好適には0.5〜10時間である。又、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない。更に、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないようにすることが好ましい。
【0030】
本発明で用いる変性ブロック共重合体又はその水添物(1)は、ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体のリビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させてなり、該ブロック共重合体に水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、シラノール基、アルコキシシラン基、ハロゲン化ケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団が結合している変性ブロック共重合体又はその水添物である。
【0031】
かかる官能基を有する原子団が結合しているブロック共重合体又はその水添物を得る方法は、ブロック共重合体のリビング末端との付加反応により、該ブロック共重合体に前記の官能基から選ばれる官能基を有する原子団が結合されている変性ブロック共重合体又はその水添物を生成する官能基を有する変性剤、あるいは該官能基を公知の方法で保護した原子団が結合している変性剤を付加反応させる方法により得ることができる。他の方法としては、ブロック共重合体に有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、ブロック共重合体に有機アルカリ金属が付加した重合体に上記の変性剤を付加反応させる方法が挙げられる。後者の場合、ブロック共重合体の水添物を得た後にメタレーション反応させ、上記の変性剤を反応させてもよい。変性剤の種類により、変性剤を反応させた段階で一般に水酸基やアミノ基等は有機金属塩となっていることもあるが、その場合には水やアルコール等活性水素を有する化合物で処理することにより、水酸基やアミノ基等にすることができる。なお、本発明においては、ブロック共重合体のリビング末端に変性剤を反応させる際に、一部変性されていないブロック共重合体が成分(1)の変性ブロック共重合体に混在しても良い。成分(1)の変性ブロック共重合体に混在する未変性のブロック共重合体の割合は、好ましくは70wt%以下、より好ましくは60wt%以下、更に好ましくは50wt%以下であることが推奨される。
【0032】
本発明の表面保護用粘着フィルムにおいては、変性ブロック共重合体又はその水添物に結合している原子団は前記の官能基から選ばれる官能基を有するため、粘着付与剤との相容性が高く、粘着付与剤との化学的な結合や相互の官能基間での水素結合等の物理的な親和力により相互作用が効果的に発現され、また、本発明で規定する架橋剤との間に化学的な結合や物理的な親和力を生じて本発明が目的とする特性に優れた表面保護用粘着フィルムを得ることができる。
【0033】
本発明で用いる変性ブロック共重合体又はその水添物(1)として特に好ましいものは、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合している変性ブロック共重合体又はその水添物である。
【0034】
本発明において、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団として好ましい原子団は、下記式(1)〜式(14)のような一般式で示されるものから選ばれる原子団が挙げられる。
【0035】
【化3】
(上式で、R1〜R4は、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜24の炭化水素基。R5は炭素数1〜48の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素鎖。なおR1〜R4の炭化水素基、及びR5の炭化水素鎖中には、水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素、窒素、ケイ素が結合していても良い。R6は水素又は炭素数1〜8のアルキル基。)
【0036】
本発明において、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合している変性ブロック共重合体又はその水添物を得るために使用される変性剤としては、下記のものが挙げられる。
【0037】
例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペンオキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルフェノキシシラン、トリス(γ−グリシドキシプロピル)メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメトキシシラン、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジイソプロペンオキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0038】
上記の変性剤を反応させることにより、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合している変性剤の残基が結合している変性ブロック共重合体が得られる。ブロック共重合体のリビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させる場合、ブロック共重合体のリビング末端はビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAでも共役ジエンを主体とする重合体ブロックBのいずれでも良いが、保持力に優れた粘着剤層を得るためには重合体ブロックAの末端に結合していることが好ましい。
【0039】
本発明において、ブロック共重合体のリビング末端に付加反応させる官能基含有変性剤の使用量は、ブロック共重合体のリビング末端1当量に対して、0.5当量を超え、10当量以下、好ましくは0.7当量を超え、5当量以下、更に好ましくは0.9当量を超え、4当量以下で使用することが推奨される。なお、本発明において、ブロック共重合体のリビング末端の量は、重合に使用した有機リチウム化合物の量と該有機リチウム化合物に結合しているリチウム原子の数から算出しても良いし、得られたブロック共重合体の数平均分子量から算出しても良い。
【0040】
本発明において、成分(1)として変性ブロック共重合体の水添物を用いた場合、表面保護フィルムに使用する粘着剤層の加工におけるゲル化や長期間保存による劣化が抑制できる。変性ブロック共重合体の水添物は、上記で得られた変性ブロック共重合体を水素添加することにより得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(a)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(b)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(c)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物及び/又は還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。
【0041】
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できるが、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子をもつ化合物が挙げられる。また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
【0042】
水添反応は好ましくは0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は、好ましくは0.1〜15MPa、より好ましくは0.2〜10MPa、更に好ましくは0.3〜5MPaが推奨される。また、水添反応時間は好ましくは3分〜10時間、より好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
【0043】
本発明に使用される変性ブロック共重合体の水添物において、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合のトータル水素添加率は目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されない。ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上が水添されていても良いし、一部のみが水添されていても良い。一部のみを水添する場合には、水添率が10%以上、70%未満、あるいは15%以上、65%未満、所望によっては20%以上、60%未満にすることが好ましい。
【0044】
更に、本発明では、水添変性ブロック共重合体において、水素添加前の共役ジエンにもとづくビニル結合の水添率が、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上であることが、熱安定性に優れた粘着剤層を得る上で推奨される。ここで、ビニル結合の水添率とは、ブロック共重合体中に組み込まれている水素添加前の共役ジエンにもとづくビニル結合のうち、水素添加されたビニル結合の割合をいう。
【0045】
なお、変性ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については特に制限はないが、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下が推奨される。水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
【0046】
本発明で使用する変性ブロック共重合体又はその水添物の重量平均分子量は、粘着剤層の保持力の点から3万以上、溶融粘度、加工性、及び粘着付与剤との相容性の点から100万以下であることが好ましく、より好ましくは4万〜50万、更に好ましくは5万〜30万である。
【0047】
本発明において、変性ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に基づくビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて知ることができる。また水添率も、同装置を用いて知ることができる。変性ブロック共重合体又はその水添物の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めることができる。
【0048】
上記のようにして得られた変性ブロック共重合体又はその水添物の溶液は、必要に応じて触媒残渣を除去し、変性ブロック共重合体又はその水添物を溶液から分離することができる。溶媒の分離の方法としては、例えば重合後又は水添後の溶液にアセトン又はアルコール等の重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、変性ブロック共重合体又はその水添物の溶液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、又は直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。尚、本発明で使用する変性ブロック共重合体又はその水添物には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。
【0049】
本発明において、成分(1)の変性ブロック共重合体又はその水添物として、(1−A)有機リチウム化合物を重合触媒として得た、ビニル芳香族炭化水素を主体とする1個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体のリビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させてなる変性ブロック共重合体又はその水添物20〜90wt%、好ましくは25〜80wt%、
(1−B)有機リチウム化合物を重合触媒として得た、ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体のリビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させてなる変性ブロック共重合体又はその水添物80〜10wt%、好ましくは75〜20wt%、
から成る変性ブロック共重合体又はその水添物を使用することが、保持力、粘着性及び溶融粘度のバランスが高度に優れた粘着剤層を得る上で推奨される。
【0050】
これらの変性ブロック共重合体又はその水添物の分子量(GPCによる測定において、標準ポリスチレン換算での分子量)は、成分(1−A)が3万〜15万、好ましくは4万〜14万、更に好ましくは5万〜13万であり、成分(1−B)が10万〜30万、好ましくは12万〜28万、更に好ましくは14万〜26万であることが、保持力と粘着性のバランス及び溶融粘度の点でとりわけ好ましい。尚、成分(1−A)と成分(1−B)の平均分子量は、上記本発明で使用する変性ブロック共重合体又はその水添物の重量分子量で説明した範囲の分子量に設定する必要がある。
【0051】
次に本発明に使用される成分(2)の粘着付与剤としては、種類は特に限定はなく、ロジン系テルペン系樹脂、水添ロジン系テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂等の公知の粘着付与剤が挙げられ、これらの粘着付与剤は単独で使用してもよく、また二種類以上混合して使用してもよい。粘着付与剤の具体例としては、「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)に記載されたものが使用できる。粘着付与剤の使用量としては、成分(1)成分100質量部に対して3〜200質量部の範囲で使用され、好ましくは5〜150質量部の範囲で使用される。その使用量が200質量部を超えると、長期貼り付け後の接着力が強く、剥離の際に糊残りが生じやすいため好ましくない。一方、3質量部未満では十分な粘着力が得られず好ましくない。
【0052】
また本発明の粘着剤層組成物には、公知のナフテン系、パラフィン系のプロセスオイル及びこれらの混合オイルを、軟化剤として使用することができる。軟化剤を添加することにより、粘着剤層組成物の粘度が低下するので加工性が向上するとともに、粘着性が向上する。これらの軟化剤の配合量は、粘着剤層の色調、保持力、及び熱安定性の点から、成分(1)100質量部に対して0〜200質量部、好ましくは0〜100質量部の範囲が好ましい。
【0053】
本発明において、成分(1)の官能基部分と反応性を有する架橋剤を成分(3)として使用することができる。成分(3)の架橋剤は、変性ブロック共重合体又はその水添物(1)の官能基と反応性を有する官能基を有する架橋剤であり、好ましくはカルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する架橋剤である。架橋剤を使用する場合の配合量は、成分(1)の変性ブロック共重合体100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは0.03〜10質量部、更に好ましくは0.05〜7質量部である。架橋剤をかかる配合量で使用した場合、投錨力及び粘着力により優れ、かつ貼り付け後の糊残りが生じない表面保護用粘着フィルムを得ることができる。
【0054】
成分(3)の架橋剤として具体的なものは、カルボキシル基を有する架橋剤としては、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、カルバリル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
【0055】
酸無水物基を有する架橋剤としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、シス−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキシテトラヒドロキシフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0056】
イソシアネート基を有する架橋剤としてはトルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、多官能芳香族イソシアナート等が挙げられる。
【0057】
エポキシ基を有する架橋剤としてはテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、エチレングリコールジグリシジル、プロピレングリコールジグリシジル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が挙げられる。
【0058】
シラノール基を有する架橋剤としては成分(1)のブロック共重合体を得るために使用される変性剤として記載されているアルコキシシラン化合物の加水分解物等が挙げられる。
【0059】
アルコキシシラン基を有する架橋剤としてはビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルファン、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−ジスルファン、エトキシシロキサンオリゴマー等が挙げられる。
【0060】
本発明において特に好ましい架橋剤は、カルボキシル基を2個以上有するカルボン酸又はその酸無水物、あるいは酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基を2個以上有する架橋剤であり、例えば無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、トルイレンジイソシアナート、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等である。
【0061】
本発明においては、上記の成分(1)に成分(3)を予め反応させた二次変性ブロック共重合体(本発明では成分(1’)と規定)を成分(2)と配合して粘着剤層構成組成物とすることができる。成分(1)に成分(3)を予め反応させる場合、成分(1)に結合されている官能基1当量あたり、成分(3)が0.3〜10モル、好ましくは0.4〜5モル、更に好ましくは0.5〜4モルである。成分(1)と成分(3)を予め反応させる方法は、後述する溶融混練方法や各成分を溶媒等に溶解又は分散混合して反応させる方法などが挙げられる。このようにして得られた成分(1’)を成分(2)と配合して粘着剤層構成組成物とする場合、成分(1’)と成分(2)の合計量100質量部に対して、更に成分(3)を0.001〜20質量部配合することができる。
【0062】
本発明において成分(1)と成分(3)を予め反応させる方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が用いられる。本発明においては押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の点から好ましい。
【0063】
更に、本発明の粘着剤層組成物には、必要により、酸化防止剤、光安定剤などの安定剤等を添加することもできる。
【0064】
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)]アクリレートなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などを挙げることができる。
【0065】
また、光安定剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系光安定剤などを挙げることができる。
【0066】
上記の安定剤以外に、本発明に用いる粘着剤層組成物には、必要により、ベンガラ、二酸化チタンなどの顔料;パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、低分子量ポリエチレンワックス、などのワックス類;無定形ポリオレフィン、エチレンーエチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系又は低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂;天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン−イソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴム、及び本発明以外のスチレン−イソプレン系ブロック共重合体などの合成ゴムを添加しても良い。その他、「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)などに記載されたものが挙げられる。
【0067】
本発明において樹脂フィルムとして使用される非極性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ポリメチルスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、炭素数3〜12のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等から選ばれる単量体を重合して得られる樹脂であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体などが挙げられる。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。また、ポリオレフィン系樹脂はα−オレフィンの二種又は三種以上の共重合体ゴム、又はα−オレフィンと他のモノマ−との共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマ−を含有していてもよい。これら共重合体ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン−オクテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等が挙げられる。
【0068】
本発明で樹脂フィルムとして使用される極性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6,6、ナイロン4,6等のポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、主鎖にイミド結合を持つ重合体、例えばポリイミド、ポリアミノビスマレイミド(ポリビスマレイミド)、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、ホルムアルデヒド又はトリオキサンの重合体、ホルムアルデヒド又はトリオキサンと他のアルデヒド、環状エーテル、エポキシド、イソシアネート、ビニル化合物等との共重合体等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリエーテルスルホンやポリアリルスルホン等のポリスルホン系樹脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリ4,4’−ジフェニレンスルフィド等のポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビスフェノールAとフタル酸成分からなる重縮合系ポリマーであるポリアリレート系樹脂、ポリケトン系樹脂、ビニル芳香族化合物と他のビニルモノマー、例えば酢酸ビニル、アクリル酸及びアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等との共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(MBS)、エチレンを50wt%以上含有するエチレンと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体及びその加水分解物、エチレン−アクリル酸アイオノマー等の極性モノマーを共重合したポリエチレン系樹脂、プロピレンを50wt%以上含有するプロピレンと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、例えばプロピレン−アクリル酸エチル共重合体等の極性モノマーを共重合したポリプロピレン系樹脂、酢酸ビニルの含有量が50wt%以上である酢酸ビニルと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であるポリ酢酸ビニル系樹脂及びその加水分解物、アクリル酸及びそのエステルやアミドの重合体、メタクリル酸及びそのエステルやアミドの重合体、これらのアクリル酸又はメタクリル酸系モノマーの含有量が50wt%以上であるアクリル酸又はメタクリル酸系モノマーと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であるポリアクリレート系樹脂、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルの重合体、これらのアクリロニトリル系モノマーの含有量が50wt%以上であるアクリロニトリル系モノマーと、これと共重合可能なモノマーとの共重合体であるニトリル樹脂、パラオキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルあるいはこれらの誘導体を用い、重縮合により製造される重合体又は共重合体等のポリオキシベンゾイル系重合体等が挙げられる。本発明において好適な極性樹脂の具体的なものとしてはポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂が挙げられる。
【0069】
本発明における樹脂フィルムとしては、これらの非極性樹脂又は極性樹脂のなかでも溶融押出しして表面保護用粘着フィルムの支持体となりうる材料にて構成されていることが好ましく、かかるものの例としては、性能や価格面等から、ポリエチレン、ホモ又はブロックのポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びその加水分解物等よりなるものが好ましい。
【0070】
本発明の表面保護用粘着フィルムにおける各層の厚みは、好ましくは次の通りである。すなわち、粘着剤層は、好ましくは300μm以下、より好ましくは5〜100μmである。樹脂フィルム層は、5mm以下、好ましくは3mm以下、更に好ましくは1mm以下のものが好適に使用される。特に好ましくは300μm以下、より好ましくは10〜200μmである。なお、一般に厚さが300μmを超えるものはシートと呼ばれるが、本発明ではこれらも含めてフィルムと呼ぶ。
【0071】
本発明の表面保護用粘着フィルムの製造は、例えば次のようにして行われる。すなわち、粘着剤成分と熱可塑性樹脂成分とを、溶融共押出機にて、二つの流れにして、すなわち、接着剤層形成用流体と、支持体フィルム形成用流体とをダイス口内で合流せしめて単一流体を形成して押し出し、粘着剤層と樹脂フィルム層とを複合することによって製造される。もちろん、粘着剤層組成物を樹脂フィルムに塗布することによっても容易に製造することができる。
【0072】
本発明の方法によって得られた表面保護用粘着フィルムは、投錨力に優れるため、表面保護用粘着フィルムを金属板等に仮着して板金加工したり、長期間放置したりしても糊残りが生じない特長を有するものである。
また長期間貼り合わせて保存しても粘着剤層の劣化はほとんどなく、糊残りは全く認めず、顕著な効果を有する。
【0073】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、ブロック共重合体の性能の測定、表面保護用粘着フィルムの物性の測定、水添触媒の調製、ブロック共重合体の調製は下記の方法で行った。
【0074】
1.ブロック共重合体の性能の測定
(1)スチレン含有量
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
【0075】
(2)ビニル結合量及び水添率
核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
【0076】
(3)分子量
GPC(装置:島津製作所社製LC10、カラム:島津製作所社製Shimpac GPC805+GPC804+GPC804+GPC803)で測定した。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
【0077】
(4)未変性ブロック共重合体の割合
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成分が吸着する特性を応用し、変性ブロック共重合体と低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液について、上記(3)で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合と、シリカ系カラムGPC[装置はデュポン社製:Zorbax]で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合を比較し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定した。未変性ブロック共重合体の割合は、シリカカラムへ吸着しなかったものの割合である。
【0078】
2.表面保護用粘着フィルムの物性の測定
表面保護用粘着フィルムの物性測定は、下記の方法で得られた粘着剤組成物を溶融状態で取り出し、厚さ100μmの樹脂フィルムに厚さ15μmになるようにコーティングして粘着フィルムを作製し、投錨力、粘着力、及び貼り付け後の糊残りを下記の方法で測定した。
【0079】
(1) 投錨力(g/20mm)
フィルムを糊面どうしで圧着後、70℃で1時間保存し、20℃×65%相対湿度中で180度引き剥がし試験を行った。
(2)粘着力(g/25mm)
SUS304ステンレス板にフィルムを貼り付け、180度引き剥がし試験を行った。
(3)貼り付け後の糊残り
SUS304ステンレス板にフィルムを貼り付け、40℃中に6ヶ月放置後、20℃×65%相対湿度中で糊残りの有無を観察した。
【0080】
3.水添触媒の調製
下記のブロック共重合体の調製において、水添反応に用いた水添触媒は、下記の方法で調製した。
1)水添触媒I
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
【0081】
2)水添触媒II
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子量が約1,000の1,2−ポリブタジエン(1,2−ビニル結合量約85%)150グラムを溶解した後、n−ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加して室温で5分反応させ、直ちにn−ブタノール40ミリモルを添加攪拌して室温で保存した。
【0082】
4.ブロック共重合体の調製
1)ブロック共重合体1
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で30分間重合した後、予め精製した1,3−ブタジエン81質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて70℃で1時間重合し、さらにスチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。その後、変性剤として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以後、変性剤M1)を重合に使用したn−ブチルリチウムに対して当モル反応させた。得られたブロック共重合体は、スチレン含量が19wt%、ポリブタジエン部のビニル結合量が36%であった。
上記で得られたブロック共重合体に、上記水添触媒IをTiとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時間行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。得られたブロック共重合体(以下ブロック共重合体1)の特性を表1に示した。なお、ブロック共重合体1中に混在する未変性のブロック共重合体の割合は20wt%であった。
【0083】
2)ブロック共重合体2
変性剤を付加しない以外は、ブロック共重合体1と同様の方法でブロック共重合体2を作製した。ブロック共重合体2は、スチレン含量が19wt%、水添反応前のポリブタジエン部のビニル結合量が36%であった。得られたブロック共重合体2の特性を表1に示した。
【0084】
3)ブロック共重合体3
水素添加率を60%とした以外は、ブロック共重合体1と同様の方法でブロック共重合体3を作製した。ブロック共重合体3は、スチレン含量が19wt%、水添反応前のポリブタジエン部のビニル結合量が36%であった。得られたブロック共重合体3の特性を表1に示した。なお、ブロック共重合体3中に混在する未変性のブロック共重合体の割合は25wt%であった。
【0085】
4)ブロック共重合体4
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製した1,3−ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で15分間重合した後、予め精製したスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて70℃で30分重合した。その後、1,3−ブタジエン66質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合し、さらにスチレン14質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。その後、変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(以後、変性剤M2)を重合に使用したn−ブチルリチウムに対して0.25倍モル反応させた。得られたブロック共重合体は、スチレン含量が29wt%、ポリブタジエン部のビニル結合量が42%であった。
上記で得られたブロック共重合体に、上記水添触媒IIをTiとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時間行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。得られたブロック共重合体(以下ブロック共重合体4)の特性を表1に示した。なお、ブロック共重合体4中に混在する未変性のブロック共重合体の割合は25wt%であった。
【0086】
5)ブロック共重合体5
水添しない以外は、ブロック共重合体4と同様の方法でブロック共重合体5を作製した。ブロック共重合体5は、スチレン含量が29wt%、ポリブタジエン部のビニル結合量が42%であった。得られたブロック共重合体5の特性を表1に示した。なお、ブロック共重合体5中に混在する未変性のブロック共重合体の割合は20wt%であった。
【0087】
6)ブロック共重合体6
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン22質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製した1,3−ブタジエン60質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて70℃で1時間重合し、さらにスチレン18質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。その後、変性剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以後、変性剤M3)を重合に使用したn−ブチルリチウムに対して当モル反応させた。得られたブロック共重合体は、スチレン含量が40wt%、ポリブタジエン部のビニル結合量が28%であった。
上記で得られたブロック共重合体に、上記水添触媒IをTiとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時間行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。得られたブロック共重合体(以下ブロック共重合体6)の特性を表1に示した。なお、ブロック共重合体6中に混在する未変性のブロック共重合体の割合は25wt%であった。
【0088】
7)ブロック共重合体7
カップリング剤としてSiCl4を重合に使用したn−ブチルリチウムに対して1/4モル反応させる以外はブロック共重合体6と同様の方法で官能基を有しないブロック共重合体7を得た。ブロック共重合体7は、スチレン含量が40wt%、水添反応前のポリブタジエン部のビニル結合量が28%であった。得られたブロック共重合体7の特性を表1に示した。
【0089】
【表1】
【0090】
[実施例1]
ブロック共重合体1を100質量部に対して、粘着付与剤としてクリアロンP105(ヤスハラケミカル製;以下N1)を40質量部、架橋剤として無水マレイン酸(以下、架橋剤D1)を0.5質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した。
【0091】
[実施例2]
架橋剤を配合しない以外は実施例1と同様の方法で粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した
【0092】
[比較例1]
ブロック共重合体2を用いて実施例1と同様の方法で粘着フィルムを得た。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した。
【0093】
[実施例3]
ブロック共重合体3を100質量部に対して、粘着付与剤としてアルコンM100(荒川化学製;以下N2)を30質量部、架橋剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(以下、架橋剤D2)を0.5質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した。
【0094】
[実施例4]
ブロック共重合体4を100質量部に対して、粘着付与剤としてN1を40質量部、架橋剤としてD1を1.0質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した。
【0095】
[実施例5]
ブロック共重合体5を100質量部に対して、粘着付与剤としてN2を55質量部、架橋剤としてD2を5.0質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した。
【0096】
[実施例6]
ブロック共重合体6を100質量部に対して、粘着付与剤としてN1を80質量部、架橋剤としてD1を0.5質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した。
【0097】
[比較例2]
ブロック共重合体7を用いて実施例6と同様の方法で粘着フィルムを得た。得られた粘着フィルムの物性を表2に示した。
【0098】
【表2】
【0099】
[実施例7]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0100】
[実施例8]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例2と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0101】
[比較例3]
ブロック共重合体2を用いて実施例7と同様の方法で粘着フィルムを得た。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0102】
[実施例9]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例3と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0103】
[実施例10]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例4と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0104】
[実施例11]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例5と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0105】
[実施例12]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例6と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0106】
[比較例4]
ブロック共重合体7を用いて実施例12と同様の方法で粘着フィルムを得た。得られた粘着フィルムの物性を表3に示した。
【0107】
【表3】
【0108】
[実施例13]
ブロック共重合体1に、該ブロック共重合体に結合する官能基1当量あたり2.1モルの架橋剤D1を配合して、30mmφ二軸押出機で230℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、ブロック共重合体1の二次変性ブロック共重合体(二次変性ブロック共重合体a)を得た。二次変性ブロック共重合体aの組成を表4に示した。
【0109】
二次変性ブロック共重合体a100質量部に対して、粘着付与剤としてN1を40質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表5に示した。
【0110】
[比較例5]
ブロック共重合体2に、該ブロック共重合体に対して2.1倍モルの架橋剤D1を配合して、30mmφ二軸押出機で230℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、架橋剤含有ブロック共重合体(架橋剤含有ブロック共重合体d)を得た。架橋剤含有ブロック共重合体dの組成を表4に示した。
架橋剤含有ブロック共重合体dを用いて実施例7と同様の方法で粘着フィルムを得た。得られた粘着フィルムの物性を表5に示した。
【0111】
[実施例14]
ブロック共重合体4に、該ブロック共重合体に結合する官能基1当量あたり0.9モルの架橋剤D2を配合して、30mmφ二軸押出機で230℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、ブロック共重合体Dの二次変性ブロック共重合体(二次変性ブロック共重合体b)を得た。二次変性ブロック共重合体bの組成を表4に示した。
二次変性ブロック共重合体b100質量部に対して、粘着付与剤としてN1を40質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表5に示した。
【0112】
[実施例15]
ブロック共重合体1を50質量部、ブロック共重合体4を50質量部、及びブロック共重合体1とブロック共重合体4に結合する官能基の合計量1当量あたり3.5モルの架橋剤D2を配合して、30mmφ二軸押出機で230℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、二次変性ブロック共重合体(二次変性ブロック共重合体c)を得た。二次変性ブロック共重合体cの組成を表4に示した。
二次変性ブロック共重合体c100質量部に対して、粘着付与剤としてN1を40質量部、及び安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートを0.3質量部配合し、攪拌機付き容器で180℃×2時間溶融混練し、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物とポリエチレンフィルムを用いて粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表5に示した。
【0113】
[実施例16]
樹脂フィルムとしてポリプロピレンフィルムを用いた以外は実施例13と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表5に示した。
【0114】
【表4】
【0115】
【表5】
【0116】
[実施例17]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例13と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表6に示した。
【0117】
[比較例6]
架橋剤含有ブロック共重合体dを用いて実施例17と同様の方法で粘着フィルムを得た。得られた粘着フィルムの物性を表6に示した。
【0118】
[実施例18]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例14と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表6に示した。
【0119】
[実施例19]
支持体フィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた以外は実施例15と同様の方法で粘着フィルムを作製し、物性測定を行った。得られた粘着フィルムの物性を表6に示した。
【0120】
【表6】
【0121】
実施例1〜19及び比較例1〜6の結果から、本発明の表面保護用粘着フィルムは、投錨力及び粘着力に優れ、かつ長期間保存後でも糊残りが生じないことがわかる。
【0122】
【発明の効果】
本発明の表面保護用粘着フィルムは、投錨力及び粘着力に優れており、表面保護用粘着フィルムを金属板等に仮着して板金加工したり、長期間放置したりしても糊残りが生じない特長を有するものである。また長期間貼り合わせて保存しても表面保護用粘着フィルムとして優れた特性を有する。
Claims (7)
- (1)ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体のリビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させてなる変性ブロック共重合体又はその水添物100質量部と、
(2)粘着付与剤3〜200質量部、
(3)成分(1)の官能基部分と反応性を有する架橋剤0.01〜20質量部、
を含んでなる粘着剤層を、樹脂フィルム上に形成させてなる表面保護用粘着フィルムであって、該官能基含有変性剤が、ブロック共重合体のリビング末端との付加反応により、該ブロック共重合体にアミノ基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合されている変性ブロック共重合体又はその水添物を生成する官能基を有する変性剤である表面保護用粘着フィルム。 - (1')ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体リビング末端に官能基含有変性剤を付加反応させてなる変性ブロック共重合体又はその水添物(1)に、成分(1)に結合されている官能基と反応性を有する架橋剤を、該官能基1当量あたり0.3〜10モル反応させた二次変性ブロック共重合体100質量部、
(2)粘着付与剤3〜200質量部、
を含んでなる粘着剤層を、樹脂フィルム上に形成させてなる表面保護用粘着フィルムであって、該官能基含有変性剤が、ブロック共重合体のリビング末端との付加反応により、該ブロック共重合体にアミノ基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合されている変性ブロック共重合体又はその水添物を生成する官能基を有する変性剤である表面保護用粘着フィルム。 - 変性ブロック共重合体又はその水添物(1)が、アミノ基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する原子団が結合している変性ブロック共重合体又はその水添物である請求項1〜2のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
- 架橋剤がカルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する架橋剤である請求項1〜3のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
- 変性ブロック共重合体又はその水添物(1)が、下記式(1)〜式(14)から選ばれる官能基を有する原子団が少なくとも1個結合している変性ブロック共重合体又はその水添物である請求項1〜4のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
- 樹脂フィルムが非極性樹脂からなる樹脂フィルムである請求項1〜5いずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
- 樹脂フィルムが極性樹脂からなる樹脂フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルム。
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