本発明に係るコネクタを分割コネクタに適用した一実施形態を、図1ないし図30を参照して説明する。この分割コネクタは、タブ部10を備えたバスバー11を収容する雄ハウジング(本発明に係る相手側コネクタに該当)12と、この雄ハウジング12と嵌合すると共に、雌側端子金具13を収容する複数のサブコネクタ(本発明に係るコネクタに該当)14が挿入される雌フレーム15とを備えてなる。また、雄ハウジング12は、図示しない固定体に対して、この固定体に設けられたブラケット16を介して取付けられるようになっている。なお、以下の説明においては、雄ハウジング12と雌フレーム15とが嵌合する方向をそれぞれ前方とし、上下方向については図1を基準とする。
(雄ハウジング)
雄ハウジング12は合成樹脂製であって、図1に示すように、前方に開口するフード部46と、フード部46の後方に設けられたバスバー保持部47とを備えてなる。図16に示すように、バスバー保持部47のうちフード部46内に露出する壁面(フード部46の奥壁)には、バスバー11を保持するための複数本(図示4つ)のバスバー保持溝48が幅方向(図16における左右方向)に延びると共に上下方向に並んで形成されている。
図21に示すように、バスバー11は金属板材を所定形状に打抜き加工することにより形成されており、複数のタブ部10と、このタブ部10を連結する連結部49と、連結部49のうちタブ部10と反対側に突設される固定部50とを備えてなる。タブ部10は、両側を切断されることで形成されるようになっている。
各バスバー11は、バスバー保持溝48内に連結部49が収容されると共に、バスバー保持溝48内に形成された固定孔51内に固定部50が圧入されることで、各バスバー保持溝48内に保持されている。バスバー11がバスバー保持溝48に固定された状態で、タブ部10はフード部46内に突出した状態になっている。バスバー11がバスバー保持溝48に固定された状態では、各バスバー11は、その厚み方向に並んで配されるようになっている。
図18に示すように、フード部46の天井壁の前端縁(図18における右端部)のうち左右両端部(図18における上下両端部)には、後方(図18における左方)に切り欠かれた切欠部52が形成されている。雌フレーム15がフード部46内に正規嵌合した状態では、後述する雌フレーム15の天井壁に形成されたフレーム側指掛け部17Aが収容されるようになっている。この切欠部52の後方への切り欠き寸法は、フレーム側指掛け部17Aの肉厚寸法と略等しく設定されている(図2参照)。図2に示すように、フード部46の天井壁の外側面には、この切欠部52から後方に向かって上り傾斜になるような指掛け斜面53Aが形成されており、雄ハウジング12と雌フレーム15とが正規嵌合した状態で、指掛け斜面53Aの前端縁からフレーム側指掛け部17Aの上端部が突出することで、雌フレーム15のフレーム側指掛け部17Aに作業者が指を掛けやすくなっている。
また、フード部46の底壁の前端縁のうち図16における左右方向の略中央には、後方(図18における左方)に切り欠かれた切欠部52が形成されている。この切欠部52の後方への切り欠き寸法は、後述する雌フレーム15の底壁に形成されたフレーム側指掛け部17Bの肉厚寸法と略等しく設定されている。図3に示すように、フード部46の底壁の外側面には、この切欠部52から後方に向かって下がり傾斜になるような指掛け斜面53Bが形成されており、雄ハウジング12と雌フレーム15とが正規嵌合した状態で、指掛け斜面53Bの前端縁からフレーム側指掛け部17Bの下端部が突出することで、雌フレーム15のフレーム側指掛け部17Bに作業者が指を掛けやすくなっている。
なお、図1に示すように、雌フレーム15が雄ハウジング12と正規嵌合した状態では、雌フレーム15の後端面と、雄ハウジング12の前端面とは略面一になるように設定されている。また、図4に示すように、雌フレーム15が雄ハウジング12と正規嵌合した状態では、雌フレーム15のフレーム側指掛け部17Aの上端部及びフレーム側指掛け部17Bの下端部は、雄ハウジング12の上面及び下面と、それぞれ略面一になるように設定されている。
図21及び図22に示すように、フード部46の天井壁の内側面には、複数(本実施形態では6つ)の半嵌合検知リブ54が、天井壁の後端部から、天井壁の前端縁よりもやや後方に下がった位置にまで前後方向に延びると共に下方に垂下して形成されている。この半嵌合検知リブ54の前端は、前方に向かって下がり勾配に形成されることで、尖った形状になっている。図23に示すように、サブコネクタ14が雌フレーム15に対して半嵌合状態にあると、雌フレーム15のフレーム側ランス30が復帰変形せず、フレーム側ランス30が上方に撓み変形したままの状態になる。この状態で雌フレーム15を雄ハウジング12に嵌合しようとすると、フレーム側ランス30の前端縁が、フード部46の天井壁から垂下して形成された半嵌合検知リブ54の前端縁に前方から当接することでサブコネクタ14の挿入が規制される。これによりサブコネクタ14の半嵌合を検知することができるようになっている。また、この半嵌合検知リブ54によりフード部46の天井壁が補強されるようになっている。
フード部46の側壁のうち、図16における左側壁58の前端縁は、図19に示すように、やや前方(図19における右方)に出っ張って形成されており、ブラケット16を後述するガイドレール55に案内するためのブラケット案内部56とされる。
フード部46の図16における左右両側壁57,58の内側面のうち上下方向の略中央には、前後方向に延びるこじり防止リブ23が形成されている。このこじり防止リブ23は、雌フレーム15に形成されたガイド溝22内に嵌まり込むことにより、雌フレーム15が上下方向に傾いた姿勢でフード部46内に進入して雌フレーム15の前端がタブ部10と当接することを防止するようになっており、こじり防止リブ23の前端縁はガイド溝22に嵌り込みやすいように傾斜して形成されている。このこじり防止リブ23のうち、図16における右側壁57に形成されたものは、右側壁57の前端縁、すなわち雌フレーム15との嵌合面から後方に向かって形成されており、一方、図22に示すように、左側壁58に形成されたものは、左側壁58の前端縁からやや後方(図22における右方)に引っ込んだ位置であって、右側壁57のこじり防止リブ23の前端位置と略整合した位置から後方に向かって形成されている。これにより、雌フレーム15をフード部46内に嵌め入れる際に、雌フレーム15の前端のうち左右いずれかが先行して幅方向に傾いた姿勢でフード部46内に進入し、雌フレーム15の前端がタブ部10と当接することを防止するようになっている。
図19及び図20に示すように、フード部46の左右両側壁57,58の外側面のうち上下方向の略中央には、左右両側壁57,58の後端縁から前方に向かって前後方向の略中央にまで延びる2つのスリット59が所定の間隔を空けて上下に並んで形成されている。この2つのスリット59により上下に挟まれた領域は、左右両側壁57,58の肉厚方向外方に撓み変形可能となっており、雌フレーム15のロック受け部18と係合して雌フレーム15を抜け止め状態に保持するロック部19とされる。右側壁57に形成されたロック部19は、基端部60から自由端61に向かって後方(図20における右方)に延設されている。また、左側壁58に形成されたロック部19は、基端部60から自由端61に向かって後方(図19における左方)に延設されており、後述するブラケット16のガイドレール55への挿入方向に沿って形成されている。ロック部19のうち左右両側壁57,58の肉厚方向外方の空間(図5におけるロック部19の上方の空間)は、ロック部19の撓み領域62となっている。ロック部19の内側面には、内方に突出するロック突起63が形成されている。ロック突起63の前面(図5における右方)には傾斜面20Dが形成されており、雌フレーム15のロック受け部18の上に乗り上がりやすくなっている。また、ロック突起63の後面(図5における左方)は突出端側に向かうにつれて後方に僅かに傾斜した係止面21Dとされる。
図22に示すように、ロック部19の内側面には、上述したこじり防止リブ23が延びており、ロック部19の補強も兼ねている。こじり防止リブ23は、ロック突部63の上下方向の略中央を前後方向に交差するようになっている。
フード部46の左側壁58の外側面には、図19に示すように、ロック部19の上下両側に、前後方向に延びると共に、ブラケット16が進入可能な1対のガイドレール55が、左側壁58の肉厚方向外方に突設されている。このガイドレール55は、左側壁58の前端寄りの位置から後方に向かって延びており、ロック部19の後端縁からやや前方の位置まで形成されている。図16に示すように、ガイドレール55は前方から見て断面が略L字状をなしており、左側壁58の外側面と、ガイドレール55のうち左側壁58と対向する領域との間にガイドレール55が前方から挿入されるようになっている。ガイドレール55の奥壁にブラケット16の先端が前方から当接することで、ブラケット16の前止まりが図られるようになっている(図6参照)。
図19に示すように、フード部46の左側壁58の外側面のうち、ロック部19の前方(図19における右方)であって、上下に並ぶ一対のガイドレール55部の間の領域には、後述するブラケット16の係止部44と係合することでブラケット16と雄ハウジング12とを固定する係止受け部45が、左側壁58の肉厚方向外方に突設されている(図16参照)。図5に示すように、係止受け部45の前面(図5における右方)は、ブラケット16が乗り上がりやすいように傾斜面20Eが形成されており、係止受け部45の後面は、左側壁42の外側面に対して切り立って形成されて係止面21Eとされる。この係止受け部45の係止面21Eが、ブラケット16の係止部44の孔縁と前方から当接することで、ブラケット16の抜け止めが図られるようになっている。
図16に示すように、ガイドレール55の、左側壁58の外側面からの高さ寸法は、ロック部19及び係止受け部45の、左側壁58の外側面からの高さ寸法よりも大きく設定されているから、ガイドレール55により保護されて、ロック部19及び係止受け部45が異物と衝突することを防止可能となっている。
図6に示すように、ブラケット16の前後方向の長さ寸法は、ブラケット16がガイドレール55内に進入して、ブラケット16の係止部44と雄ハウジング12の係止受け部45とが係合した状態において、ロック部19の撓み領域62内に進入するように設定されており、このブラケット16により、雌フレーム15がロック部19と共に二重係止されるようになっている。
(ブラケット)
図6に示すように、ブラケット16は金属板状をなしており、コネクタを取付けるための図示しない固定体に設けられている。ブラケット16には板面を貫通する係止部44が形成されており、後述する雄ハウジング12の係止受け部45と係合することで、雄ハウジング12とブラケット16とを抜け止め状態に保持可能となっている。
(雌フレーム)
雌フレーム15は合成樹脂製であって、略ブロック状をなしている。図10に示すように、雌フレーム15にはサブコネクタ14を後方から収容するための複数の収容室24(図示6つ)が後方に開口すると共に幅方向(図10における左右方向)に並んで形成されている。この収容室24は、後述する雌側端子金具13のランス40の撓み方向に並んで形成されている。各収容室24は上下方向(図10における上下方向)に細長い形状をなしており、隣り合う収容室24同士は隔壁25で仕切られている。図10における各収容室24の左側壁には、内方に突出すると共に雌フレーム15の後端縁から前方に延びると共に上下に並んで複数(図示3つ)のリブ26が形成されており、サブコネクタ14に形成された案内溝27と嵌合することでサブコネクタ14を収容室24内に案内するようになっている。また、図10における各収容室の右側壁には、内方に突出する補強突部70が形成されており、隔壁25の補強が図られている。補強突部70の後端縁は、後述するリテーナ39の前端縁と前方から当接することで、サブコネクタ14の前止まりが図られるようになっている。各収容室24の前壁にはタブ部10が挿入される複数の雄タブ挿通孔28A(図示4つ)が上下方向に並んで形成されており、図8に示すように雄タブ挿通孔28Aの孔縁にはタブ部10を案内するためのテーパ面29Aが形成されている。リブ26は、上下方向について、雄タブ挿通孔28Aの間の位置に配されるようになっている。
図1に示すように、各収容室24の天井壁には前方に片持ち状に延設されたハウジングロック部30が形成されている。雌フレーム15のうちハウジングロック部30の前方に位置する部分は切り欠かれており、雄ハウジング12から雌フレーム15を離間させる際に、ハウジングロック部30を解除方向に強制的に撓ませるための解除治具71が挿入可能になっている。
ハウジングロック部30は、前端側が自由端となっていて、撓み変形可能なアーム部31と、アーム部31の前端よりやや引っ込んだ位置の下面から収容室24内に突出する係止突起32とからなる。係止突起32は、サブコネクタ14が収容室24内の正規位置に挿入された状態で、後述するサブコネクタ14の係止突起受け部(本実施形態に係る受け部に該当)33と係止することでサブコネクタ14の抜け止めがなされるようになっている。係止突起32の後面はサブコネクタ14の係止突起受け部33の上に乗り上がりやすいように傾斜面20Bが形成されており、係止突起32の前面は、下方に向かうにつれて前方に僅かに傾斜する係止面21Bとされる。アーム部31の前端面には、ハウジングロック部30を強制的に撓み変形させるための解除治具71の先端が嵌り込むための解除用凹部34が設けられている(図29及び図30参照)。
雌フレーム15の上壁の後端縁のうち図8における左右両端部には、上方に突出するフレーム側指掛け部17Aが形成されている。また、雌フレーム15の下壁の後端縁のうち図8における左右方向の中央付近には、下方に垂下するフレーム側指掛け部17Bが形成されている。作業者は、このフレーム側指掛け部17A,17Bに指を掛けて雌フレーム15の離脱作業を行うことで、雄ハウジング12から雌フレーム15を離脱させる作業を容易に行えるようになっている。
図8における雌フレーム15の左右両側壁のうち上下方向の中央付近には、左右方向外方に突出するロック受け部18が形成されており、後述する雄ハウジング12のロック部19と係合可能になっている。図5に示すように、ロック受け部18の前面にはロック部19が乗り上がりやすくするための傾斜面20Aが形成されており、ロック受け部18の後面は、突出端側に向けて後方に僅かに傾く係止面21Aとされる。図7に示すように、ロック受け部18の上下方向の中央付近には前後方向に延びるガイド溝22が形成されている。このガイド溝22が後述する雄ハウジング12のこじり防止リブ23と嵌合することで、雌フレーム15が雄ハウジング12に収容される際に雌フレーム15が上下方向に傾いた姿勢で進入することを防止可能となっており、雌フレーム15の前端がタブ部10をこじることを防止できるようになっている。雌フレーム15を雄ハウジング12のフード部46内に嵌合させると、嵌合動作の途中で、雌フレーム15のロック受け部18の傾斜面20Aが、雄ハウジング12のロック受け部の傾斜面20Dと前方から摺接し、この摺接動作に伴って、ロック部19が撓み領域62内に突出して撓み変形する。更に嵌合が進んで雌フレーム15が正規挿入されると、ロック部19のロック突起63が雌フレーム15のロック受け部18を乗り越えて復帰変形し、ロック突起63の係止面21Dが、雌フレーム15のロック受け部18の係止面21Aと当接することで、雌フレーム15の抜け止めが図られている。
(サブコネクタ)
図11ないし図14に示すように、サブコネクタ14は合成樹脂製であって、幅方向(図11における左右方向)に扁平な形状をなしている。図14に示すように、サブコネクタ14には雌側端子金具13を収容するための複数(本実施形態では4つ)のキャビティ35が前後方向(図14における左右方向)に延びると共に上下方向(図14における上下方向)に並んで形成されている。キャビティ35内には電線36の端末に配設された雌側端子金具13が収容されている。雌側端子金具13は電線36にかしめ付けられるバレル部37と、バレル部37の前方に形成されると共にタブ部10が挿入されることでバスバー11との電気的接続を図る接続筒部(本発明に係る筒部に該当)38とからなる。接続筒部38の内部には、接続筒部38の底壁の前端縁から延設されると共に内方に折り返されて形成された弾性接触片86が、側方から見て略山形に形成されている。接続筒部38の底壁には後述するランス40が係止するためのランス孔41が形成されている。また、雌側端子金具13が正規挿入された状態で、接続筒部38の後端縁85(本発明に係る被係止部に該当)に後述するリテーナ39が二重係止するようになっている。図11に示すように、各キャビティ35の前壁にはタブ部10が挿入される雄タブ挿通孔28Bが形成されており、雄タブ挿通孔28Bの孔縁にはタブ部10を案内するためのテーパ面29Bが形成されている。
キャビティ35の底壁には、前方へ片持ち状に延出されると共に、雌側端子金具13と弾性的に係止可能なランス40が形成されており、このランス40が、上述した雌側端子金具13のランス孔41に弾性的に係止することで雌側端子金具13の後方への抜け止めが図られるようになっている。ランス40は上下方向に弾性的に撓むようになっており、ランス40と係止することで、雌側端子金具13は、上下方向の変位も規制されるようになっている。また、キャビティ35は、このランス40の撓み方向に並設されている。
サブコネクタ14の上壁のうち、サブコネクタ14の雌フレーム15への挿入方向前端部(図13における右端)には、上方に突出する係止突起受け部33が形成されている。係止突起32の前面はハウジングロック部30の係止部44が乗り上がりやすいように傾斜面20Cが形成されており、係止突起32の後面は、上方に向かうにつれて後方に僅かに傾斜する係止面21Cとされる。サブコネクタ14を雌ハウジングの収容室24内に後方から挿入すると、その挿入途中でサブコネクタ14の係止突起受け部33の傾斜面20Cが、ハウジングロック部30の係止突起32の傾斜面20Bと後方から摺接し、この摺接動作に伴って、ハウジングロック部30が上方に撓み変形した状態になる。その後、サブコネクタ14が正規挿入されると、ハウジングロック部30の係止突起32がサブコネクタ14の係止突起受け部33を乗り越えて復帰変形し、ハウジングロック部30の係止突起32の係止面21Bが、サブコネクタ14の係止突起受け部33の係止面21Cと後方から当接することで、サブコネクタ14の後方への抜け止めが図られている(図1参照)。
サブコネクタ14の上壁のうち、サブコネクタ14の雌フレーム15への挿入方向後端部(図13における左端)には、上方に突出するコネクタ側指掛け部72(本発明に係る指掛け部に該当)が形成されている。作業者は、このコネクタ側指掛け部72に指を掛けてサブコネクタ14の離脱作業を行うことで、雌フレーム15からサブコネクタ14を離脱させる作業を容易に行うことができるようになっている。このコネクタ側指掛け部72は、係止突起受け部33に対して、サブコネクタ14の雌フレーム15への挿入方向と交差する方向(図11における右方)にずれた位置に形成されている。
図4に示すように、サブコネクタ14が雌フレーム15の収容室24内の正規位置に収容された状態では、コネクタ側指掛け部72は、各収容室24を仕切る隔壁25に対して、サブコネクタ14の雌フレーム15への挿入方向後方に位置するようになっている。
サブコネクタ14のうち図11及び図12における右側壁には、図1に示すように、前後方向に延びると共に上下に並んで複数(図示3つ)の案内溝27が形成されており、上述した雌フレーム15のリブ26と嵌合可能になっている。この案内溝27は、上下に並ぶキャビティ35間の余肉部分を内方に切り欠くことで形成されている。これにより、雌フレーム15にリブ26を設けた場合でも、分割コネクタ全体として、幅方向に大型化することを防止できるようになっている。
さて、サブコネクタ14のうち、図11及び図12における左側壁42には、各キャビティ35に連通する深さを有する複数(図示4つ)のリテーナ収容孔73が、各キャビティ35に対応する位置に形成されている(図26参照)。また、左側壁42には、各キャビティ35に連通する深さを有する複数(図示4つ)の本係止突起収容孔74が、各キャビティ35の底壁に対応する位置に形成されている。これらリテーナ収容孔73及び本係止突起収容孔74のうち後部側の開口縁部は、上下方向に整合した位置に配されている。一方、本係止突起収容孔74のうち前部側の開口縁部は、リテーナ収容孔73のうち前部側の開口縁部よりも前方の位置に形成されている。リテーナ収容孔73及び本係止突起収容孔74のうち後部側の開口縁部には、上下方向に延びるヒンジ75を介して、リテーナ39が、サブコネクタ14と一体に形成されている。これにより、リテーナ39を別体に形成する場合に比べて部品点数を削減できる。このリテーナ39は、サブコネクタ14に対して、雌側端子金具13を挿通可能な仮係止位置と、雌側端子金具13と係合して雌側端子金具13の抜け止めをする本係止位置との間でヒンジ75を支点として、ランス40の撓み方向と交差する方向に回動可能になっている。
図24に示すように、リテーナ収容孔73及び本係止突起収容孔74のうち前部側の開口縁部は、サブコネクタ14の左側壁42に肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜する被係止面76が形成されており、後述する本係止突起77及び係止突部78と係止することで、リテーナ39を仮係止位置及び本係止位置に保持可能になっている。
リテーナ39は、略矩形状をなす板状の基板部79と、この基板部79の内面のうちリテーナ収容孔73と対応する位置から内方に突設されて雌側端子金具13と係合する複数(図示4つ)の係止突部78と、基板部79の内面のうち本係止突起収容孔74に対応する位置から内方に突設されてなり本係止突起収容孔74の孔縁部と係合する本係止突起77(図示4つ)とを備えてなる。
基板部79の前端縁は、係止突部78及び本係止突起77よりも前方に突出して形成されており、この前端縁のうち上下両端寄り(図11の上下方向)の位置には、リテーナ39が本係止位置に保持された状態で、リテーナ39の本係止を解除するための図示しない治具が挿入される凹部80が形成されている。
本係止突起77は、上方から見て略矩形状をなす板状であり、後面側には、リテーナ39がリテーナ収容孔73内に収容された状態において雌側端子金具13を挿入したときに、雌側端子金具13の前端部と摺接して押圧されることで、リテーナ39がリテーナ収容孔73の外方に押し出される押出し傾斜面81が形成されている。本係止突起77は、リテーナ39が本係止位置に保持された状態で、キャビティ35の底壁の一部を構成するようになっている。本係止突起77の前端縁には、リテーナ39が本係止位置に保持された状態で、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜する本係止面82Aが形成されている。
係止突部78は、上方から見て、ヒンジ75を中心とし、且つ、リテーナ収容孔73のうちヒンジ75が係止された側の開口縁部から、ヒンジ75と対向する側の開口縁部までの長さ寸法が略半径の寸法となっている略扇形をなしている。係止突部78の内面のうち後側には、リテーナ39がリテーナ収容孔73内に収容された状態において雌側端子金具13を挿入したときに、雌側端子金具13の前端部と摺接して押圧されることで、リテーナ39がリテーナ収容孔73の外方に押し出される押出し傾斜面81が形成されている。この押出し傾斜面81は、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方(図24における上方)に向かうにつれて、後方(図24における右方)に傾斜するようになっている。係止突部78の前端縁のうち内端部寄りの位置には、リテーナ39が仮係止位置に保持された状態で、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜する仮係止面83が形成されている。この仮係止面83の外方には、前方に突出する仮係止突起84が形成されている。この仮係止突起84は、リテーナ39が仮係止位置に保持された状態で、サブコネクタ14の左側壁42の外面に外方から当接するようになっている。係止突部78の前端縁のうち外端部寄りの位置には、リテーナ39が本係止位置に保持された状態で、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜する本係止面82Bが形成されている。
図24に示すように、リテーナ39が仮係止位置に保持された状態では、リテーナ収容孔73の被係止面76と、リテーナ39の仮係止面83とが係止する。被係止面76はサブコネクタ14の左側壁42に肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜して形成されており、一方、リテーナの仮係止面83はサブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜して形成されているから、被係止面76と仮係止面83とが係止することで、リテーナ39は、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に変位することが規制されるようになっている。また、リテーナ39の仮係止突起84が、リテーナ収容孔73の開口縁部に外方から当接することで、リテーナ39がリテーナ収容孔73内に押し込まれて、本係止位置に誤って変位することが規制されるようになっている。図27に示すように、リテーナ39が仮係止位置に保持された状態では、雌側端子金具13はキャビティ35内に後方から挿入可能になっている。
仮係止位置に保持されたリテーナ39をリテーナ収容孔73内方に押し込むと、仮係止突起84がリテーナ収容孔73の開口縁部を乗り越えることで仮係止突起84の係合が解除され、仮係止位置から本係止位置へとリテーナ39が変位可能となる。図25に示すように、リテーナ39が本係止位置に保持された状態では、リテーナ収容孔73の被係止面76と、係止突部78の本係止面82Bとが係止する。被係止面76はサブコネクタ14の左側壁42に肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜して形成されており、一方、係止突部78の本係止面82Bはサブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜して形成されているから、被係止面76と本係止面82Bとが係止することで、リテーナ39は、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に変位することが規制されるようになっている。
さらに、本係止突起77は、本係止突起収容孔74内に収容されるようになっており、リテーナ39が本係止位置に保持された状態では、本係止突起収容孔74の被係止面76と、本係止突起77の本係止面82Aとが係止する。被係止面76はサブコネクタ14の左側壁42に肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜して形成されており、一方、本係止突起77の本係止面82Aはサブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に向かうにつれて後方に傾斜して形成されているから、被係止面76と本係止面82Aとが係止することで、リテーナ39は、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に変位することが規制されるようになっている。
このように、リテーナ39が本係止位置に保持された状態では、係止突部78の本係止面82Bとリテーナ収容孔73の被係止面76とが係止し、且つ、本係止突起77の本係止面82Aと本係止突起収容孔74の被係止面76とが係止するようになっているから、リテーナ39がサブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方に変位することを確実に規制することができる。
また、リテーナ39が本係止位置に保持された状態では、リテーナ39の基板部79の前端縁は、リテーナ収容孔73及び本係止突起収容孔74の開口縁部に外方から当接することで、リテーナ39がリテーナ収容孔73の内方に変位することが規制されるようになっている。
リテーナ39が本係止位置に保持された状態では、上方から見たときに、各係止突部78は、各段のキャビティ35内において、略同じ位置に配されるようになっている。
図28に示すように、リテーナ39が本係止位置に保持された状態では、リテーナの係止突部78は雌側端子金具13の接続筒部38の後端縁85に、サブコネクタ14の左側壁42の肉厚方向外方(ランス40の撓み方向と交差する方向)から組み付けられるようになっており、これにより、サブコネクタ14は、ランス40の撓み方向と交差する方向への変位がリテーナ39により規制されるようになっている。また、リテーナ39は、雌側端子金具13の接続筒部38の後端縁85に後方から当接するようになっており、これにより、雌側端子金具13をランス40と共に二重係止するようになっている。
リテーナ39が本係止位置に保持された状態では、上方から見たときに、各係止突部78は、各段のキャビティ35内において、前後方向に略同じ位置に配されるようになっている。また、本係止突起77は、キャビティ35の底壁の一部を構成するようになっており、雌側端子金具13の上下方向の変位を規制するようになっている。
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。まず、雄ハウジング12のバスバー保持溝48内に、バスバー11を前方から圧入する。すると、バスバー11の固定部50がバスバー保持溝48の固定孔51内に圧入されることでバスバー11がバスバー保持溝48内に固定されると共に、バスバー11のタブ部10がフード部46内に突出した状態で配される。この状態で、バスバー11は、その板厚方向に並んで配されるようになっている。
次に、リテーナ39を仮係止位置に保持した状態で、サブコネクタ14の各キャビティ35内に、電線36の端末に配された雌側端子金具13を後方から挿入する(図27参照)。すると、雌側端子金具13はランス40により抜け止め保持される。このランス13は上下方向から雌側端子金具13に係合するようになっているから、雌側端子金具13は上下方向の変位も規制されるようになっている。その後、リテーナ39を本係止位置に保持すると、リテーナ35の係止突部78が雌側端子金具13の接続筒部38の後端縁85に後方から当接することにより、ランス40と共に雌側端子金具13を二重係止する。また、リテーナ35の係止突部78は、ランス40の撓み方向と交差する方向から接続筒部38の後端縁85に組み付けられるから、雌側端子金具13が、ランス40の撓み方向と交差する方向に変位することも規制できる(図14及び図28参照)。
続いて、雌フレーム15の各収容室24内に、雌側端子金具13が収容されたサブコネクタ14を後方から挿入する。すると、その挿入途中でサブコネクタ14の係止突起受け部33の傾斜面20Cが、ハウジングロック部30の係止突起32の傾斜面20Bと後方から摺接し、この摺接動作に伴って、ハウジングロック部30が上方に撓み変形する。その後、サブコネクタ14が正規挿入されると、ハウジングロック部30の係止突起32がサブコネクタ14の係止突起受け部33を乗り越えて復帰変形し、ハウジングロック部30の係止突起32の係止面21Bが、サブコネクタ14の係止突起受け部33の係止面21Cと後方から当接することで、サブコネクタ14の後方への抜け止めが図られる。雌ハウジングの収容室24内にサブコネクタ14が収容された状態では、雌ハウジングの後面からサブコネクタ14の後端部が露出し、サブコネクタ14の後面から電線36が引き出されるようになっている(図15参照)。
図4に示すように、サブコネクタ14が雌フレーム15の収容室24内に収容された状態では、サブコネクタ14のコネクタ側指掛け部72は、隔壁25の後方に位置するようになっている。
また、収容室24の隔壁25の内面に形成されたリブ26がサブコネクタ14の案内溝27に嵌り込むことにより、サブコネクタ14が上下方向に傾いた姿勢で収容室24内に挿入されることを防止できる。
続いて、雄ハウジング12のフード部46内に、サブコネクタ14が収容された雌フレーム15を嵌合させる。まず、雄ハウジング12のフード部46に形成されたこじり防止リブ23と、雌フレーム15に形成されたガイド溝22とを嵌合させ、雌フレーム15をフード部46内に挿入する。これにより、雌フレーム15が上下方向に傾いた姿勢でフード部46内に進入することを防止できる。また、こじり防止リブ23は、フード部46の左右両側壁57,58の略左右対称な位置から後方に向かって延設されているから、雌フレーム15の前端のうち左右いずれから先行して幅方向に傾いた姿勢でフード部46内に進入することを防止できる。これにより、雌フレーム15がフード部46内に傾き姿勢で挿入されることにより、フード部46内に突出するタブ部10が雌フレーム15の前端と衝突する、いわゆる「こじり」を防止できる。
フード部46内に雌フレーム15を挿入すると、嵌合動作の途中で、雌フレーム15のロック受け部18の傾斜面20Aが、雄ハウジング12のロック突起63の傾斜面20Dと前方から摺接し、この摺接動作に伴って、ロック部19が撓み領域62内に突出してたわみ変形する。更に嵌合が進んで雌フレーム15が正規挿入されると、ロック部19のロック突起63が雌フレーム15のロック受け部18を乗り越えて復帰変形し、ロック突起63の係止面21Dが、雌フレーム15のロック受け部18の係止面21Aと当接することで、雌フレーム15の抜け止めが図られる。
雄ハウジング12と雌フレーム15とが正規嵌合すると、雄ハウジング12のタブ部10が、雌フレーム15の雄タブ挿通孔28A及びサブコネクタ14の雄タブ挿通孔28Bに挿通され、雌側端子金具13の接続筒部38内に挿入されて、タブ部10の厚み方向に対向する板面と、弾性接触片86とが接触することで、バスバー11と雌側端子金具13とが電気的に接続される。これにより、所定の雌側端子金具13同士がバスバー11により短絡される。
また、図23に示すように、サブコネクタ14が雌フレーム15に対して半嵌合状態にあると、雌フレーム15のフレーム側ランス30が復帰変形せず、フレーム側ランス30が上方に撓み変形したままの状態になる。この状態で雌フレーム15を雄ハウジング12に嵌合しようとすると、フレーム側ランス30の前端縁が、半嵌合検知リブ54の前端縁に前方から当接することでサブコネクタ14の挿入が規制される。これによりサブコネクタ14の半嵌合を検知することができるようになっている。このとき、フレーム側ランス30の前端縁は下方に向かうにつれて後方に傾斜する尖った形状をなしており、一方、半嵌合検知リブ54の前端縁は、上方に向かうにつれて後方に傾斜する尖った形状をなしている。これにより、フレーム側ランス30の前端縁と、半嵌合検知リブ54の前端縁とが当接すると、互いに奥方へ嵌り合うように摺接するから、半嵌合状態を確実に検知することができる。
雄ハウジング12と雌フレーム15とが正規嵌合した状態において、雄ハウジング12のガイドレール55内にブラケット16を挿入する。まず、雄ハウジング12のブラケット案内部56の外側面をブラケット16の先端部に当接する。これにより、ブラケット16がガイドレール55部内に容易に案内されるようになる。ブラケット16をブラケット案内部56に当接させた状態で雄ハウジング12を前方(図6における右方)に押し込むと、ブラケット16の先端部が雄ハウジング12の係止受け部45の傾斜面20Eに前方から当接する。するとブラケット16が係止受け部45に乗り上げて撓み変形する。更に雄ハウジング12を押し込むと、ブラケット16が係止受け部45を乗り越えて復帰変形し、ブラケット16の係止部44内に雄ハウジング12の係止受け部45が嵌りこみ、係止受け部45の係止面21Eがブラケット16の係止部44の孔縁に前方から当接することで、ブラケット16の抜け止めが図られる。この状態で、ブラケット16の先端部は、雄ハウジング12のロック部19のうち、左側壁58の肉厚方向外方の領域(撓み領域62)内に進入するようになっており、ロック部19が撓み領域62内に撓み変形することを防止するようになっている。この結果、雄ハウジング12と雌フレーム15とが離脱する方向の力が加わった場合でも、ロック部19が撓み変形してロック部19のロック突起63と、雌フレーム15のロック受け部18との係合が外れてしまうことを防止できるから、雄ハウジング12と雌フレーム15との係止力を向上させることができる。
さらに、ロック部19は基端部60から自由端61に向かって後方(図6における左方)に延びて形成されており、この延出方向は、ブラケット16のガイドレール55内への挿入方向(図6における左方)に沿うようになっている。これにより、ブラケット16はロック部19の基端部側からガイドレール55内に進入するから、ロック部19の基端部が撓み変形するのをブラケット16により確実に防止できる。この結果、雄ハウジング12と雌フレーム15との係止力を一層向上させることができる。
上記のようにして組み付けた分割コネクタを、例えばメンテナンスのために離脱させる際には、まず、図示しない治具により、ブラケット16を外方に撓み変形させて係止受け部45と係止部44との係合を解除し、雄ハウジング12を後方に引っ張ることで、雄ハウジング12とブラケット16とを離脱させる。
ついで、図示しない治具により、ロック部19を撓み領域62内に撓み変形させてロック部19とロック受け部18との係合を解除し、雄ハウジング12と雌フレーム15を互いに後方に引っ張って、雄ハウジング12と雌フレーム15とを離脱させる。このとき、雄ハウジング12のフード部46の天井壁及び底壁の前端縁には切欠部52が形成されており、この切欠部52内に、雌フレーム15のフレーム側指掛け部17A,17Bが収容されており、また、天井壁の上面及び底壁の底面には指掛け斜面53A,53Bが形成されていることで、作業者は容易にフレーム側指掛け部17A,17Bに指を掛けることができる。作業者は、例えば天井壁側のフレーム側指掛け部17Aに人差し指と中指を掛け、底壁側のフレーム側指掛け部17Bに親指を掛けて雌フレーム15を後方に引っ張ることができるから、雌フレーム15に対して上下均等に力を加えやすくなっており、作業効率を向上させることができる。
続いて、図29に示すように、雌フレーム15のうちハウジングロック部30の前方の領域から解除治具71を収容室24内に挿入し、解除治具の先端をハウジングロック部30の解除用凹部34に前方から突き当てる。このとき、解除用凹部34が設けられていることにより、解除用治具がハウジングロック部30の前端部に確実に当接するようになっている。図30に示すように、この解除治具によりハウジングロック部30を上方に撓み変形させて、ハウジングロック部30の係止突起32と、サブコネクタ14の係止突起受け部33との係合を解除し、サブコネクタ14を後方に引き抜いて、雌フレーム15からサブコネクタ14を離脱させる。このとき作業者は、サブコネクタ14のコネクタ側指掛け部72に指を掛けてサブコネクタ14を引き抜くことができるから、サブコネクタ14に力を掛けやすくなっており、作業効率を向上させることができる。
続いて、サブコネクタ14のリテーナ39を、ヒンジ75を支点にして外方に揺動させることで本係止位置から仮係止位置に変位させる。その後、ランス40を図示しない治具により押圧することで、雌側端子金具13との係合を解除し、雌側端子金具13を後方に引き抜いてサブコネクタ14と雌側端子金具13とを離脱させる。
以上説明したように本実施形態によれば、リテーナ39はサブコネクタ14に対して、ランス40の撓み方向と交差する方向から組み付けられる。そして、各キャビティ35はランス40の撓み方向に並んで配されているから、リテーナ39がリテーナ収容孔73内に収容された状態では、リテーナ39は、ランス40の撓み方向(キャビティ35の並び方向)から見て、各段のキャビティ35内の略同じ位置に配されることになる。この結果、各段のキャビティ35に収容される雌側端子金具13毎に、リテーナ39と係止する部位の位置を揃えることができる。これにより、ランス40の撓み方向に並設されたキャビティ35を有するコネクタに対してヒンジ75付きリテーナ39を適用できる。
また、雌側端子金具13は、ランス40の撓み方向と交差する方向からリテーナ39により二重係止される。これにより、雌側端子金具13は、ランス40の撓み方向の変位についてはランス40により規制され、且つ、ランス40の撓み方向と交差する方向の変位についてはリテーナ39により規制される。このように2つの異なる方向の変位を規制することが可能となるから、雌側端子金具13の姿勢を安定させることができる。
さらに、全ての雌側端子金具13がキャビティ35に挿入される前に、誤ってリテーナ39がリテーナ収容孔73内に収容された状態において、雌側端子金具13をキャビティ35内に挿入しようとすると、雌側端子金具13がリテーナ39と当接することになる。このとき、例えばリテーナ39が雌側端子金具13に押圧されても変位しない構成となっている場合には、雌側端子金具13をキャビティ35に無理に押し込もうとすると、雌側端子金具13が損傷することが懸念される。
上記の点に鑑み、本実施形態では、リテーナ39がリテーナ挿入孔内に収容された状態で雌側端子金具13をキャビティ35内に挿入すると、雌側端子金具13が押出し傾斜面81と摺接して押圧することで、リテーナ39をキャビティ35の外方に飛び出させることができる。これにより、雌側端子金具13を挿入する際の力を逃がすことができるから、雌側端子金具13が損傷することを防止できる。
また、タブ部10は、両側が切断されて形成されており、この切断面には大きな力が加わっているので必ずしも平滑に形成されているわけではない。このため、上記の切断面と、弾性接触片86とを接触させる構成とした場合には、タブ部10と弾性接触片86との接続安定性が低下することが懸念される。
上記の点に鑑み、本実施形態では、タブ部10の厚み方向において対向する板面と、弾性接触片86とが接触する構成とした。これにより、タブ部10と弾性接触片86との電気的接続を確実にすることができる。
また、本実施形態においては、サブコネクタ14にはコネクタ側指掛け部72が設けられている。これにより、作業者は、コネクタ側指掛け部72に指を掛けた状態で雌フレーム15からサブコネクタ14を離脱させる作業を行うことができるから、サブコネクタ14の離脱作業の効率を向上させることができる。
また、コネクタ側指掛け部72は、雌フレーム15のハウジングロック部30と係合する受け部33に対して、サブコネクタ14の収容室24への挿入方向と交差する方向にずれて形成されているから、受け部33を成形する際に、サブコネクタ14の収容室24への挿入方向後方に型抜きすることができる。これにより、サブコネクタ14を成形する際にスライド式の金型を用いなくてもよいので、製造コストを削減できる。
上述のコネクタ側指掛け部72は、受け部33に対して、サブコネクタ14の収容室24への挿入方向と交差する方向にずれて形成されているから、サブコネクタ14は、サブコネクタ14の収容室24への挿入方向と交差する方向に大型化するとも思える。この点に鑑みて本実施形態では、コネクタ側指掛け部72は、サブコネクタ14が収容室24内に挿入された状態で、収容室24同士を隔てる隔壁25に対してサブコネクタ14の収容室24への挿入方向後方の位置に配される構成とした。隔壁25の、サブコネクタ14の収容室24への挿入方向後方の領域は、従来デッドスペースとなっていた。この領域内にコネクタ側指掛け部72を配する構成としたから、サブコネクタ14を雌フレーム15に収容した状態においては、雌フレーム15をも含めた分割コネクタ全体が、サブコネクタ14の収容室24への挿入方向と交差する方向に大型化することを防止できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、端子金具は接続筒部38を備えた雌側端子金具13としたが、これに限られず、筒部を備えた雄側端子金具でもよい。
(2)本実施形態においては、コネクタは、雌フレーム15に収容される分割コネクタに適用される構成としたが、これに限られず、雌フレーム15に収容されない構成としてもよく、一対のコネクタハウジングが嵌合する一般のコネクタに適用してもよい。
(3)本実施形態においては、コネクタ側指掛け部72は、受け部33に対して幅方向にずれた位置に形成する構成としたが、サブコネクタ14を成形する際にスライド式の金型を用いる場合には、コネクタ側指掛け部72を受け部33の後方に形成してもよい。
(4)本実施形態においては、ヒンジ75は、上下方向に延設される構成としたが、これに限られず、例えば前後方向に延設されてもよく、サブコネクタ14の左右方向の側面に形成されていれば、任意の方向に延設することができる。