JP4433494B2 - 解凍装置 - Google Patents

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Description

この発明は、解凍区域内の低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う,所謂真空蒸気解凍装置に関する。
この真空蒸気解凍は、大気圧より低い低圧の飽和蒸気で満たされた容器内に被解凍物を入れると被解凍物の表面に蒸気が凝縮し、その際に発生する大量の凝縮潜熱を被解凍物に与えて、被解凍物を解凍する解凍方法である。この種真空蒸気解凍方法を用いる解凍装置は、たとえば特許文献1にて提案されている。
特開平10−179019号公報
一般に、解凍装置に要求されるのは、解凍時間を短縮することと解凍品質の向上である。この明細書においては、高解凍品質とは、被解凍物からドリップ流出が少ないこと、被解凍物の変質が少ないこと、歩留まりが良いことである。
特許文献1に記載の真空蒸気解凍装置は、解凍室内の温度を解凍初期から目標設定値に制御して解凍を行う。このため短時間解凍を実現するために設定値を高く設定すると、高い解凍品質が得られず、逆に高い解凍品質を実現するために設定値を低く設定すると、解凍時間が長くなるという問題があった。
この発明は、高い解凍品質と短時間解凍とを実現できる低圧蒸気解凍方式の解凍装置を提供することを目的としている。
この発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、
被解凍物を収容する解凍区域内へその外部から蒸気を供給する給蒸手段と、前記解凍区域内を減圧する減圧手段と、前記給蒸手段および前記減圧手段を制御して低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う制御手段とを備える解凍装置において、前記制御手段は、前記減圧手段の作動による前記解凍区域内の空気排除の後に前記給蒸手段および前記減圧手段を作動させて、前記解凍区域内の温度または圧力を被解凍物の芯部の融解前の解凍初期において第一設定値(温度換算で5℃〜10℃)に制御するとともに、前記減圧手段の作動により前記解凍区域内を排気し、被解凍物の芯温が融解点近傍となるまで続ける第一解凍工程と、前記第一解凍工程に続き、前記給蒸手段および前記減圧手段を作動させて、前記第一設定値より高い第二設定値(温度換算で10℃〜20℃)に制御するとともに、前記減圧手段の作動により前記解凍区域内を排気する第二解凍工程とを行うことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記制御手段は、前記第一解凍工程から前記第二解凍工程へ移行するとき、前記解凍区域内の温度を徐々に上昇させる移行工程を設けたことをことを特徴としている。
この発明によれば、減圧手段の作動による解凍区域内の空気排除の後に給蒸手段および減圧手段を作動させて、解凍区域内の温度または圧力を被解凍物の芯部の融解前の解凍初期において第一設定値(温度換算で5℃〜10℃)に制御するとともに、減圧手段の作動により解凍区域内を排気し、被解凍物の芯温が融解点近傍となるまで続ける第一解凍工程と、第一解凍工程に続き、給蒸手段および減圧手段を作動させて、第一設定値より高い第二設定値(温度換算で10℃〜20℃)に制御するとともに、減圧手段の作動により解凍区域内を排気する第二解凍工程とを行うので、短時間解凍の実現と高品質解凍の実現という互いに相反する課題を同時に解決できる低圧蒸気解凍方式の解凍装置を提供できる。

この出願の発明者らは、研究開発の結果、解凍初期において被解凍物の高温での滞留時間が長くなると被解凍物からの流出ドリップ量が増大することを見出した。この発明は、この知見に加えて凍結した被解凍物の熱伝導率が高く、比熱が小さいことに着目してなされたものであって、解凍初期,すなわち被解凍物の芯部の融解前は前記解凍区域内の温度を低く制御することにより、短時間解凍の実現と高品質解凍の実現という互いに相反する課題を同時に解決できる新規で有用な解凍方法を提供するものである。
(実施の形態1)
つぎに、この発明の実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、解凍区域内の低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う解凍装置において実施される。この解凍装置は、業務用だけでなく家庭用の解凍装置を含む。
まず、実施の形態1の概要について説明する。この実施の形態は、被解凍物を収容する解凍区域内へ蒸気を供給する給蒸手段と、前記解凍区域内を減圧する減圧手段と、前記給蒸手段および前記減圧手段を制御して低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う制御手段とを備える解凍装置において、前記解凍区域内の温度または圧力を解凍初期において低く、その後高く制御することを特徴とする解凍装置である。
さらに具体的にいえば、この実施の形態1は、被解凍物を収容する解凍区域内を減圧する減圧手段と、前記解凍区域内へ蒸気を供給する給蒸手段と、前記減圧手段および前記給蒸手段を制御して低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う制御手段とを備える解凍装置において、前記制御手段は、解凍初期において前記解凍区域内の温度または圧力を第一設定値に制御する第一解凍工程と、解凍初期に続いて前記解凍区域内の温度または圧力を第一設定値よりも高い第二設定値に制御する第二解凍工程を行うことを特徴とする解凍装置である。
ここにおいて、低圧蒸気とは、大気圧以下の圧力の蒸気を意味するが、解凍に用いる蒸
気の圧力は、約6hPa〜40hPa程度とすることができる。また、解凍初期とは、被解凍物の芯部の融解前を意味し、被解凍物の芯部の融解前とは、被解凍物の芯温(芯部の温度)が融解点近傍となる前を意味する。ここで、被解凍物の芯部の融解点は、被解凍物の種類によって異なるが、約−3〜−0.5℃程度である。
また、前記第二解凍工程の第二設定値は、解凍温度ともいうことができる。また、前記第二設定値は、従来の解凍方法においても設定されている値であり、制御目標とする解凍後期における前記解凍区域内の設定温度である。したがって、被解凍物の温度は長時間をかければ最終的には第二設定に達するが、解凍終了時点において被解凍物全体の温度が前記第二設定値となっていることを要しないものとする。
この実施の形態1においては、解凍初期の前記第一解凍工程において、被解凍物は、第二設定値よりも低い温度の蒸気に晒されることになるので、高温での滞留時間を減少でき、被解凍物の表面温度を上げすぎることなく解凍するので、高い解凍品質を保持して解凍できる。また、解凍初期は被解凍物の芯部が融解しておらず凍結状態であり、熱伝導率が高く、比熱も小さいので、比較的短時間で被解凍物が解凍される。
この実施の形態1の低圧蒸気による被解凍物の解凍は、大気圧よりも低い圧力(以下、低圧という。)の蒸気で解凍する方法であれば良い。すなわち、前記低圧蒸気解凍(真空蒸気解凍と称することもできる。)は、前記解凍区域内を真空ポンプなどの減圧手段を作動させて減圧しながら前記解凍区域内へ蒸気を供給(給蒸)する方法と、前記解凍区域内を減圧した後前記減圧手段の作動を停止して給蒸する方法と、これら両方法を組み合わせた方法とを含む。
つぎに、この実施の形態1の構成要素について説明する。まず、被解凍物は、真空包装したものおよび真空包装していないものを含む。また前記解凍区域は、被解凍物の解凍に用いられる区域であり、被解凍物を収容し出し入れ可能な室,部屋、容器,槽を意味し、解凍領域または解凍空間と称することもできる。前記容器は、柔軟性を有するものであっても良い。
前記給蒸手段は、前記解凍区域へ蒸気を供給する手段であり、蒸気生成装置などを含む。この蒸気生成装置は好ましくは、清浄蒸気を生成するリボイラとする。
前記減圧手段は、好ましくは、エゼクタと熱交換器と真空ポンプとを組み合わせたものとする。こうすることにより、前記解凍区域内の温度を低く制御できる。前記解凍区域内の温度を低く制御することにより、この発明の解凍初期における高品質解凍を実現できる。前記エゼクタは、蒸気エゼクタとし、前記真空ポンプは、水封式の真空ポンプとすることができる。前記減圧手段は、水エゼクタとすることができる。
また、前記制御手段は、前記第一解凍工程は、前記解凍区域内における設定温度を前記第一設定値として、前記第二解凍工程の第二設定値よりも低く設定し、前記解凍区域内の温度が前記第一設定値となるように、前記解凍区域内の減圧および前記解凍区域内への飽和蒸気の供給を制御する。
ここで、前記解凍区域内の温度は、前記解凍区域内に飽和蒸気が満たされている状態において、前記解凍室内の圧力と所定の対応関係を有していて、前記解凍室内の圧力によって制御可能である。よって、この発明では、前記解凍区域内の温度は、前記解凍区域内の圧力と等価であり、前記解凍区域内の温度制御は圧力制御を含むものとする。
前記第一設定値は、圧力に換算して設定し、前記解凍区域内の圧力が第一設定値となる
ように前記解凍区域内の減圧および前記解凍区域内への飽和蒸気の供給を制御するように構成することができる。
前記第一設定値は、被解凍物の高温での滞留時間を減少させ、被解凍物からの流出ドリップ量を減少するとともに、凍結状態の被解凍物の熱伝導率が高い,すなわち、氷の熱伝導度は高く、比熱も小さいので、少量の熱量でも被解凍物が温度上昇することに着目して、低く設定することができる。具体的には、第一設定値は、前記減圧手段の減圧能力を考慮して設定され、5℃〜10℃(圧力換算で約8.7hPa〜12.3hPa)程度に設定するが、これよりも低い温度に設定することもできる。
前記第一解凍工程は、好ましくは、被解凍物の芯温(芯部の温度)が融解点近傍となるまで続けられる。この第一解凍工程の終了は、被解凍物の芯温を検出する手段があればこれを用いるが、種々の解凍実験により得られたデータに基づきタイマー制御により第一設定時間だけ行うように構成できる。
この第一解凍工程では、前記解凍区域内の温度が前記第二設定値よりも低い第一設定値に制御され、被解凍物は前記第二解凍工程と比較して低温の蒸気に晒される。被解凍物の解凍は、まずその表面から始まり熱伝導により芯部へと広がる。被解凍物の表面温度は、前記解凍区域内の蒸気温度とほぼ等しくなるが、前記解凍区域内の温度を低く制御しているので、この第一解凍工程においては被解凍物の高温滞留によるドリップ流出が抑えられる。また、第一解凍工程は、解凍初期であり被解凍物が凍結状態にあるので、熱伝導率が高く、比熱も小さいので、低温の蒸気であっても芯部の解凍を大きい時間的ロスを生ずることなく行える。
前記第二解凍工程は、前記第一解凍工程に続いて実行される。この第二解凍工程では、前記解凍区域内の制御目標設定温度を圧力換算して第二設定値として設定し、前記解凍区域内の圧力が第二設定値となるように、前記解凍区域内の減圧および前記解凍区域内への飽和蒸気の供給を制御することができる。前記第二設定値は、約12.3hPa〜23.4hPa(温度換算で約10℃〜20℃)とし、可変,すなわち設定値を変えることができるように構成することができる。
この第二解凍工程は、好ましくは、被解凍物の芯温が融解点近傍を越えてから第二設定時間だけ実行される。また、この第二解凍工程の最後、またはこの工程に続いて、この第二解凍工程より低い設定温度とする解凍工程を付加することができる。
前記第一解凍工程から前記第二解凍工程へ移行するとき、好ましくは、前記解凍区域内の温度を徐々に上昇させる,すなわち段階的または連続的に上昇させる移行工程を設ける。この移行工程は、前記第一解凍工程の一部と見なすこともできるし、前記第一解凍工程と独立した工程と見なすこともできる。この移行工程は、タイマー制御により第三設定時間だけ実行するように構成できる。
この移行工程は、前記解凍区域内の温度設定値を前記第一設定値から前記第二設定値へ急激に変更することによる課題を解消するために設ける。この課題としては、つぎが考えられる。前記移行工程は被解凍物の芯温が融解点に近づいてから実行されるが、前記移行工程を省略して早い時点で第一設定値から第二設定値へ変更すると、被解凍物の高温滞留時間が長くなり、解凍品質を低下させるおそれがあること、また遅い時点で変更すると蒸気温度と被解凍物の内部温度との温度差がとれなくなり、解凍に時間を要してしまうことである。
また、この移行工程は、前記のように被解凍物の芯温が融解点近傍に近づくと実行され
るが、前記芯温の検出が容易でないために、タイマー制御により前記第一設定時間後,すなわち前記第一解凍工程の開始から所定時間後に開始される。この第一設定時間は、種々の被解凍物について行った実験結果に基づいて、設定するものとする。また、好ましくは、前記第一設定時間,前記第二設定時間および前記第三設定時間の合計時間(第一解凍時間)を解凍装置のユーザーが設定可能に構成し、各設定時間は予め設定した割合に基づき配分されるように構成する。
以上のように、この実施の形態1によれば、高品質解凍と短時間解凍という相反する課題を解決できる。
この発明は、前記実施の形態1に限定されるものではなく、つぎの実施の形態2〜3を含む。
(実施の形態2)
この実施の形態2は、被解凍物を収容する解凍区域内へ蒸気を供給する給蒸手段と、前記解凍区域内を減圧する減圧手段と、前記給蒸手段および前記減圧手段を制御して低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う制御手段とを備える解凍装置において、前記制御手段が、前記解凍区域内の温度または圧力を被解凍物の芯温が融解点近傍となるまでは低く、その後高く制御することを特徴とする解凍装置である。
(実施の形態3)
この実施の形態3は、被解凍物を収容する解凍区域内へ蒸気を供給する給蒸手段と、前記解凍区域内を減圧する減圧手段と、前記給蒸手段および前記減圧手段を制御して低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う制御手段とを備える解凍装置において、前記制御手段が、被解凍物の芯温が融解点近傍となるまでは、前記解凍区域内の温度または圧力を第一設定値に制御する第一解凍工程と、この第一解凍工程に続いて前記解凍区域内の温度または圧力を前記第一設定値よりも高い第二設定値に制御する第二解凍工程とを行うことを特徴とする解凍装置である。
これら実施の形態2および実施の形態3によれば、被解凍物の芯部の解凍状態に対応し前記解凍区域の温度が制御されるので、高品質解凍と短時間解凍をより確実に実現できる。
以下、この発明を実施した解凍装置の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施例の概略構成図であり、図2は、同実施例の制御手順の概要を示すフローチャート図であり、図3は、同実施例の第一解凍モードによる解凍を説明するタイムチャート図であり、図4は、同実施例の第二解凍モードによる解凍を説明するタイムチャート図である。
この実施例1の解凍装置は、業務用解凍装置に適用されるものである。この解凍装置は、被解凍物1を収容する解凍区域としての解凍室2と、前記解凍室2内へ蒸気を供給する蒸気供給(給蒸)手段3と、前記解凍室2内を吸引排気し低圧に保持する減圧手段4と、減圧された前記解凍室2に外気を導入することにより復圧する復圧手段5と、被解凍物1を載置し前記解凍室2に対して出し入れ自在の台車(運搬車)6と、前記解凍室2内圧力を検出する圧力検出器7と、前記圧力検出器7の信号を入力してメモリに記憶した制御手順に基づき前記解凍室2内の低圧蒸気による被解物1の解凍を制御する制御器8とを主要部として備えている。
被解凍物1は、真空(パック)包装した肉類などであり、真空包装していないものも含
まれる。真空包装した被解凍物は、解凍前に刃物などにより包装に切り込みや孔からなる通気孔(図示省略)を形成することが望ましい。こうした通気孔の形成により、低圧蒸気解凍時に包装が膨らむことによる熱伝達の阻害を防止できるとともに、蒸気が直接食材に触れることにより、解凍時間を短縮することができる。
前記解凍室2は、被解凍物1を出し入れするための扉(図示省略)を備え、内部の床面を低く形成することにより、前記台車6の出し入れが容易となるように構成している。この実施例においては、低圧蒸気による解凍を行い、前記解凍室2内を大気圧以上とすることがないので、耐圧性の圧力容器として形成していない。しかしながら、高圧蒸気による食材の蒸気加熱の機能を持たせる場合には、耐圧性の圧力容器とすることができる。また、前記解凍室は、内壁をステンレス製として付設の温水または蒸気洗浄機により、前記内壁および前記台車6を容易に洗浄できるように構成している。
前記給蒸手段3は、一端を前記解凍室2に接続し、清浄蒸気を前記解凍室2内へ供給するための第一給蒸路9を含み、この第一給蒸路9に、軟水器10,この軟水器10から供給される軟水を用いて清浄蒸気を生成する蒸気発生源としてのリボイラ11,蒸気の供給を制御する第一給蒸弁12,前記第一給蒸路9の先端に設けられ前記解凍室2内へ蒸気を噴出するためのノズル13を備えている。前記第一給蒸弁12は、開度を調整することにより給蒸量を調節可能な比例弁などの弁を用いる。前記ノズル13は、単なる噴出用の開口とすることができる。
前記リボイラ11は、ステンレス製とされ、軟水器10を用いるとともに無薬注としている。これにより、前記解凍室2への供給蒸気は、薬品や鉄分を含まないので、安全な低圧蒸気による解凍が実現される。このリボイラ11の加熱源は通常蒸気を生成する蒸気ボイラ(図示省略)とされる。
前記減圧手段4は、前記解凍室2内を減圧する減圧路14を含む。そして、この減圧路14に蒸気エゼクタ15,熱交換器16,前記解凍室2方向への流れを阻止する逆止弁17,水封式の真空ポンプ18を備えている。前記蒸気エゼクタ15には、前記蒸気ボイラからの蒸気を供給する第二給蒸路19が接続され、この第二給蒸路19に第二給蒸弁20を備える。前記熱交換器16には、冷却水供給路21が接続され、この冷却水供給路21に給水弁22を備える。
前記復圧手段5は、一端を前記解凍室2に接続した外気導入路23を含む。そして、この外気導入路23に、外気導入の制御用の復圧弁24と,除菌用のフィルタ25とを備える。前記復圧弁24は、開度を調整することにより導入空気量を調整可能なモータバルブなどの弁を用いる。
前記解凍室2は、解凍モードなどの各種設定を行うとともに、運転状態を表示する表示器26をその前面の扉または扉以外の前面に備えるとともに、上面など解凍装置設置場所から離れた位置に、解凍の終了の予報と解凍終了の報知とを行う回転ランプなどの報知器27を備えている。
前記台車6は、被解凍物1を載置する複数段の棚28,28,…を設け、図示していないが、各棚28を傾斜させることで、解凍の際に生成される凝縮水を流れやすくするとともに、最下段に前記各棚28から落下してくる凝縮水を一箇所に集める受け皿を設けて、解凍終了後に前記台車6を移動させる際に、解凍装置を設置した部屋の床面を濡らさないようにしている。また、前記各棚28には、被解凍物1の下面中央部を支持し、かつ被解凍物1への伝熱を促進するための逆皿状(平らな底面を有する皿をその底面が上となるようにした形状)の金属製支持部材(図示省略)を備えている。
前記制御器8は、前記圧力検出器7からの信号を入力し、所定の処理手順(プログラム)に従い、前記第一給蒸弁12,前記真空ポンプ18,前記第二給蒸弁20,前記給水弁22,前記復圧弁24,前記表示器26および前記報知器27などを制御するように構成されている。前記処理手順の要部を図2に示す。
ここで、上記構成の実施例の作用を図1〜図4に基づいて説明する。まず、図1を参照して、前記台車6を前記解凍室2から引き出した状態で、被解凍物1を載置し、その後前記台車6を前記解凍室2内へ収容し、前記解凍室2を密閉する。
(解凍モード選択などの設定)
図2において、処理ステップS1(以下処理ステップSNを単にSNという。)で、解凍モードの選択を行う。この実施例においては、第一解凍モードM1と第二解凍モードM2との選択が可能である。
前記第一解凍モードM1は、図3に示すように、解凍初期において前記解凍室2内の設定圧力を第一設定圧力P1として解凍する第一解凍工程Aと、この第一解凍工程Aに続いて行われ、前記解凍室2内の設定圧力を第一設定圧力P1から段階的に高くして解凍する移行工程Bと、この移行工程Bに続いて行われ前記解凍室2内を前記第一設定圧力P1よりも高い第二設定圧力P2として解凍する第二解凍工程Cを含む解凍モードである。結局、前記第一設定圧力P1は、前記第二設定圧力P2より低く、前記移行工程Bにおいては、設定圧力をP1からP2へ段階的に高くする。
また、前記第二解凍モードM2は、図4に示すように、解凍初期およびその後の解凍において前記解凍室2内の設定圧力を第二設定圧力P2として解凍する第二解凍工程Cを含む解凍モードである。この実施例の第二解凍モードM2では、第二解凍工程Cに続いて、調整工程(締め工程)Dを行う。この調整工程Dとは、前記解凍室2内の設定圧力を前記第二設定圧力P2よりも低い第三設定圧力P3として、前記第二解凍工程Cが終了した被解凍物1の全体温度を均一化する工程である。この第三設定圧力P3は、固定値とするが、ユーザーなどにより可変とすることができる。このモード選択を確定すると、選択された解凍モードを記憶して、S2へ移行する。
S2において、解凍時間の設定を行う。ここでは、選択された各解凍モード毎に解凍時間が設定される。この解凍時間は、前記第一解凍モードM1が選択されたときには、前記第一解凍工程A,前記移行工程B、および前記第二解凍工程Cの合計時間である第一解凍時間T1であり、第二解凍モードM2が選択されたときには、第二設定圧力P2による前記第二解凍工程Cの第二解凍時間T2である。これらの解凍時間T1,T2は、ユーザーが被解凍物1の種類に基づき、設定する。この設定を確定すると、設定値を記憶して、S3へ移行する。
S3において、各解凍モードに関する解凍温度の設定を行う。解凍温度とは、前記第二設定圧力P2であり、ユーザーは、温度により設定するが、前記制御器8は、これを圧力に換算して第二設定圧力P2として記憶する。前記第一解凍工程Aの第一設定圧力P1および前記移行工程Bの段階的設定圧力は、予め設定した値とするが、設定値を変更できるように構成することができる。この解凍温度の設定を確定すると、設定値を記憶してS4へ移行する。
S4において、低圧保持の設定が行われる。この低圧保持工程Fとは、図3に示すように解凍工程終了後に前記減圧手段4を作動させて、前記解凍室2内を低圧に保持することにより、解凍済みの被解凍物の温度を低く保持する。これにより、解凍終了後において被
解凍物1の品質を保持させる。この低圧保持工程Fは、「あり」、「なし」の選択が可能である。低圧保持設定が確定されると、設定を記憶して、S5へ移行する。
S5において、徐圧設定が行われる。この徐圧とは、図3に示すように、前記第一解凍モードM1の第二解凍工程Cの後,すなわち解凍終了後に、前記復圧弁24を開いて復圧する復圧工程Gにおいて、前記復圧弁24を徐々に開く工程である。この徐圧により、前記解凍室2内の圧力が徐々に上昇し、急激な復圧によるドリップの発生を防止することができる。この徐圧は、「あり」、「なし」で設定され、設定が確定すると、S6へ移行する。
(解凍運転の実行)
S6においては、運転スイッチ(図示省略)が押されたかどうかを判定した後、S1〜S5において記憶された内容に基づいて解凍が実行される。以下に、前記第一解凍モードM1と前記第二解凍モードM2とについて説明する。
<第一解凍モードM1>
まず、図3に基づいて、前記第一解凍モードM1を説明する。今、低圧保持:「あり」、徐圧:「あり」が設定されているとすると、工程は、前記空気排除工程E→前記第一解凍工程A→前記移行工程B→前記第二解凍工程C→前記低圧保持工程F→前記復圧工程Gの順に実行される。図3の例では、前記第二設定圧力P2を約12.3hPa(10℃)に設定し、前記第一設定圧力P1を約8.7hPa(5℃)に設定している。
(空気排除工程E)
前記空気排除工程Eは、つぎのようにして行われる。まず、前記復圧弁24を閉じた状態で、前記減圧手段4を駆動する。すなわち、時点t0(以下、時点tnは、単にtnという。)にて、前記真空ポンプ18を駆動し、所定圧力まで減圧後、t1にて、前記第二給蒸弁20を開いて前記蒸気エゼクタ15を駆動する。前記給水弁22は、前記真空ポンプ18および前記蒸気エゼクタ15の駆動と連動して開くが、前記熱交換器16に冷却能力がある場合は、給水を停止して節水するように構成することもできる。
この減圧手段4の駆動により、前記解凍室2内圧力は、急激に低下する。そして、前記解凍室2内圧力が設定圧力P6に到達すると、t2にて前記第一給蒸弁9を全開して前記解凍室2内へ蒸気を供給する。こうして、最初は前記減圧手段4のみの排気を行い、その後減圧させながら給蒸することによる排気を行うことにより、前記解凍室2内の空気排除が行われる。
(第一解凍工程A)
前記空気排除工程Eに続いて行われる第一解凍工程Aでは、前記制御器8は、前記給蒸手段3を連続作動させながら、前記減圧手段4の間欠作動と連続作動とを組み合わせて行うことにより、前記圧力検出器7により検出される前記解凍室2内の圧力Pが第一設定圧力P1となるように制御する。
すなわち、前記減圧手段4は、ベースモードでは間欠的に作動される。そして、前記減圧手段4の作動と停止が繰り返して行われる。この前記減圧手段4の作動とは、前記第二給蒸弁20を開いて蒸気エゼクタ15を作動させ、前記給水弁22を開いて前記熱交換器16による冷却を作動させ、前記真空ポンプ18を作動することであり、前記減圧手段4の停止とは作動と逆の動作をさせることを意味する。この間欠作動は、前記制御器8のタイマーにより制御される。
この減圧手段4の間欠作動と連続作動とを図3に基づき説明する。前記解凍室2内の圧
力は、給蒸が進むに連れて、最下点P6を経た後、上昇に転じ、t3にて前記第一設定圧力P1に達する。すると、前記第一解凍時間T1のカウントが開始され、前記第一解凍工程Aが開始される。前記減圧手段4は、t3の後も若干の時間作動されるが、その後前記減圧手段4を間欠作動させる間欠作動へ移行する。
そして、被解凍物1からの発生ガス量の増加などにより、前記解凍室2内圧力が切替設定圧力P1+ΔPとなると、前記減圧手段4の連続作動,すなわち連続減圧が行われる。この連続作動への切替の判定は、好ましくは、前記解凍室2内圧力が切替設定圧力P1+ΔPとなってこれが所定時間継続したときとする。
この連続作動とは、タイマー制御でなく、圧力による制御である。この連続作動は、前記解凍室2内の圧力が前記第一設定圧力P1に復帰し、前記解凍室2の解凍設定圧力が変更されるt4まで継続される。この間欠作動から連続作動への切替は、前記第一設定圧力P1への復帰時点で行うように構成することができる。
この連続減圧により、前記解凍室2内の圧力は、急速に前記第一設定圧力P1に復帰する。こうして、被解凍物1からの流出ガス量の増加にかかわらず、前記解凍室2内を所期の圧力に速やかに制御でき、前記解凍室2内の圧力変動,すなわち温度変動を最小限に抑えることができる。
前記の間欠作動において、前記減圧手段4の停止時、前記解凍室2内へ蒸気が供給され、被解凍物1に凝縮することにより解凍が進行する。そして、蒸気の凝縮により圧力低下が生ずることと蒸気の連続的な供給とにより、前記減圧手段4を停止しても前記解凍室2内の圧力がほぼ前記第一設定圧力P1に保持される。
そして、この前記減圧手段4停止時においては、蒸気が解凍に寄与することなく無駄に排出されないので経済的である。また、前記蒸気エゼクタ15の停止により蒸気使用量を減少できる。また、前記熱交換器16への冷却水の供給が停止されるので、冷却水の使用量を低減できるとともに、冷却水を冷却するための電力使用量を低減できる。さらに、前記真空ポンプ18を停止するので、その作動に要するエネルギー使用量を低減できるとともに、使用する封水量を少なくできる。結果として、節電と節水とにより大幅な省エネルギーが実現されることになる。さらに、前記真空ポンプ18の停止により騒音量を低減できる。
また、間欠作動において、前記減圧手段4作動時は、前記解凍室2内が排気されるので、解凍中に被解凍物1から発生するガスなどが前記解凍室2外へ排出され、被解凍物1の周囲にガスが滞留することによる熱伝導の阻害や、前記解凍室2内の空気分圧が上昇することによる熱伝導の阻害を低減できる。その結果、解凍に要する時間を短縮できるとともに、均一な解凍を実現できる。
また、この減圧手段4の作動時も前記給蒸手段4からの給蒸が続けられ、前記解凍室2内は第一設定圧力P1に制御されるので、被解凍物1は第一設定圧力P1に相当する温度で解凍が行われることになる。そして、前記減圧手段4の停止、作動にかかわらず前記第一給蒸弁12の制御により給蒸量を調整することにより、前記第一設定圧力P1からの圧力変動を最小限とすることができる。
この減圧手段4の間欠作動と連続作動とは、前記第二解凍モードM2の第二解凍工程C,前記移行工程D,第三解凍工程Eにおいても行われるが、以下の説明ではその説明を省略している。
また、この第一解凍工程Aにおいて、前記第一設定圧力P1が前記第二解凍工程Cの第二設定圧力P2よりも低い圧力に設定されているので、被解凍物1の高温での滞留時間を減少でき、被解凍物1はその表面温度を上げすぎることなく解凍される。その結果、高い解凍品質を保持して解凍できる。また、被解凍物1は、凍結状態であり、熱伝導率が高く、比熱が小さいので、蒸気温度が低いにもかかわらず比較的短時間で解凍される。
(移行工程B)
前記第一解凍工程Aがタイマー制御により第一設定時間T11行われて終了すると、t4にて移行工程Bが開始される。この移行工程Bでは、設定圧力が図示のように段階的に上昇し、前記検出圧力Pが段階的に変化する設定圧力となるように、前記給蒸手段3および前記減圧手段4を制御する。この移行工程Dもタイマー制御により第二設定時間T12実行される。
この移行工程Bにおいては、前記解凍室2内の温度が段階的に上昇する。これに伴い被解凍物1の表面温度も徐々に上昇するので、被解凍物1の表面が高温に晒される時間が短くなり、ドリップの流出を抑えることができる。
(第二解凍工程C)
t5にて、移行工程Bが終了し、第二解凍工程Cが開始される。この第二解凍工程Cでは、前記検出圧力Pが前記第二設定圧力P2となるように、前記給蒸手段3および前記減圧手段4を制御する。この第二解凍工程もタイマー制御により第三設定時間T13実行される。
こうして、前記第一解凍工程A,前記移行工程Bおよび第二解凍工程Cは、前記第一解凍時間T1だけ実行される。この第一解凍時間T1は、前記空気排除工程Eの開始からではなく、前記空気排除工程Eの終了後にカウントが開始されるので、解凍時間の設定が容易となる。
すなわち、空気排除のための時間設定における要因は、被解凍物1の解凍のための時間設定における要因とは異なる。よって、前記空気排除工程Eに要する時間と解凍工程A〜Cに要する時間とを含めた時間を設定するのは、解凍時間のみの設定に比べて困難であり、設定したとしても所望の解凍結果を得ることは容易ではない。この実施例では、設定する前記第一解凍時間T1は、前記空気排除工程Eに要する時間を含ませないことにより、解凍時間の設定を容易にしている。前記空気排除工程Eは、時間設定を行うことなく制御器8により自動的に制御される。
(解凍工程終了前の報知)
前記第一解凍時間T1が経過して解凍が終了する所定時間前、たとえば20分前になるとS7において前記報知器27の点滅表示を開始する。これにより、ユーザーに対して、解凍の終了が近いことを予報する。
(解凍工程の終了)
そして、前記第一解凍時間T1が経過すると、S8にて前記報知器27を点滅から連続点灯へと報知の態様を異ならせて、解凍工程の終了を報知する。前記の解凍工程終了の予報と解凍工程終了の報知は、解凍が数時間に及ぶ場合もあるので、解凍装置から離れて作業を行う作業者にとって有益である。
(低圧保持工程F)
同時に、解凍が終了すると、S9にて、低圧保持:「あり」が設定されている場合は、低圧保持工程Fを実行する。
この低圧保持工程Fは、図3に示すように、まず前記解凍室2内圧力を前記第四設定圧力P4に保持するように、前記減圧手段4の間欠的な駆動,停止する。この間欠駆動は、タイマー制御でなく圧力を設定値に制御する圧力制御による。この低圧保持に伴う真空冷却効果により、被解凍物1を解凍温度よりも低い温度にて保持し、含浸工程などの次工程に備えることができる。低圧保持工程Fは、第三時間T3実行され、終了するとS10へ移行する。また、圧力保持:「なし」の場合は、低圧保持工程Fを省略して、S10へ移行する。
(復圧工程G)
S10においては、復圧工程Gが実行される。この復圧工程Gでは、徐圧:「あり」の場合は、前記の徐圧が実行される。この場合の前記解凍室2内の圧力変化は、実線Xで示される。図3において、一点鎖線Xは、圧力保持:「なし」の場合を示す。また、徐圧:「なし」の設定がなされている場合は、前記復圧弁24を全開として、復圧を行う。この場合の圧力変化は、図4の実線Yで示される。この復圧工程が終了すると、解凍装置の運転は終了となる。図4において、一点鎖線Yは、徐圧:「なし」の場合を示す。
<第二解凍モードM2>
つぎに、前記第二解凍モードM2を図4に従い説明する。この第二解凍モードM2において、前記第一解凍モードM1と異なるのは、前記第一解凍工程Aおよび前記移行工程Bがなく、解凍初期(t3)から後期までの前記第二解凍時間T2の全領域において前記第二解凍工程Cが行われる点と、この第二解凍工程Cの後に前記調整工程Dを設けている点であり、その他は第一解凍モードM1と同じである。図4の例では、前記第二設定圧力P2を約23.4hPa(20℃)に、前記第三設定圧力P3を約8.7hPa(5℃)にそれぞれ設定している。
この第二解凍モードM2の第二解凍工程Cは、別の名称で呼ぶことも可能であるが、設定圧力が前記第一設定圧力P1よりも高い点で前記第一解凍モードM1の第二解凍工程Cと同じであるので、第二解凍工程Cと称している。
(調整工程D)
この第二解凍工程Cが設定時間T2だけ行われると、つぎの調整工程Dへ移行する。この調整工程Dは、t6〜t7まで第四時間T4(たとえば10〜20分程度)だけ行われる。この第四時間T4は、固定値とするが、ユーザーにより可変設定できるように構成することができる。この調整工程Dは、タイマー制御でなく、目標設定値に制御する圧力制御である。そして、調整工程D中は前記解凍室2内への給蒸を行わないものとしている。
この調整工程Dにおいては、前記減圧手段4の減圧による真空冷却運転により、被解凍1物の表面と芯部との温度差の均一化が進行する。
この第二解凍モードM2は、第一解凍工程Aおよび移行工程Bを行わず、第二解凍工程Cのみを行うので、第一解凍モードM1と比較して、短時間で急速な解凍が行われる。一方、第二設定圧力P2の設定値如何にもよるが、第一解凍モードM1と比較して解凍初期に被解凍物1が高温に晒される時間が長くなるので、解凍品質の点でやや劣ることになる。
前記のように、ユーザーは、第一解凍モードM1と第二解凍モードM2を選択できるので、解凍品質重視の解凍を行いたい場合は、第一解凍モードM1を選択し、短時間解凍を行いたい場合は、第二解凍モードM2を選択して解凍を行うことができ、望みに応じた解凍を行うことができる。
上記の実施例によれば、解凍時間を適切に設定することにより、つぎの解凍状態A,B,Cを選択的に実行することができる。A解凍状態は、すべての肉ブロックが完全解凍している状態で、温度は全ての部分で+となっている状態を意味する。B解凍状態は、身や皮がはがれることなく各肉ブロックをバラバラにできる状態で、半解凍状態の肉ブロックと完全解凍の肉ブロックが混在しており、温度も融解点近傍から+温度域まで混在している状態を意味する。また、C解凍状態は、あまり力を入れなくても包丁が入る状態で、ほとんどの肉ブロックは半解凍状態で温度も融解点だが、表面近くや角部のブロックは完全解凍しており、+温度領域となっている状態を意味する。この解凍状態は、唐揚げ用皮付き鶏肉パックの解凍状態を代表して表現したものである。こうした解凍状態と各解凍モードにおける解凍温度と解凍時間設定との関係ををユーザーに提供することにより、所望の解凍状態を容易に実現することができる。
この発明は、前記実施例に限定されるものではなく、解凍機能に含浸機能を付加することができる。この含浸機能とは、食材に調味液などをしみ込ませる機能である。この実施例の解凍装置を用いて、つぎのようにして低圧下で含浸を行うことができる。すなわち、まず、調味液を入れた容器へ解凍した被解凍物を漬け、前記容器を前記解凍室2内に入れ、前記解凍室2を密閉する。そして、前記減圧手段4を間欠的に駆動して、減圧し、その後、復圧する。この減圧と復圧とを繰り返して効果的に含浸を行う。この復圧時、前記復圧弁24を徐々に開く徐圧制御を行うことにより、食材の煮くずれなどが起こりにくくして、品質を良くすることができる。
この発明の実施例の概略構成を示す説明図である。 同実施例の制御手順の概要を示すフローチャート図である。 同実施例の第一解凍モードによる解凍を説明するタイムチャート図である。 同実施例の第二解凍モードによる解凍を説明するタイムチャート図である。
符号の説明
1 被解凍物
2 解凍室
3 給蒸手段
4 減圧手段
5 復圧手段
7 圧力検出器

Claims (2)

  1. 被解凍物を収容する解凍区域内へその外部から蒸気を供給する給蒸手段と、前記解凍区域内を減圧する減圧手段と、前記給蒸手段および前記減圧手段を制御して低圧蒸気により被解凍物の解凍を行う制御手段とを備える解凍装置において、
    前記制御手段は、前記減圧手段の作動による前記解凍区域内の空気排除の後に前記給蒸手段および前記減圧手段を作動させて、前記解凍区域内の温度または圧力を被解凍物の芯部の融解前の解凍初期において第一設定値(温度換算で5℃〜10℃)に制御するとともに、前記減圧手段の作動により前記解凍区域内を排気し、被解凍物の芯温が融解点近傍となるまで続ける第一解凍工程と、
    前記第一解凍工程に続き、前記給蒸手段および前記減圧手段を作動させて、前記第一設定値より高い第二設定値(温度換算で10℃〜20℃)に制御するとともに、前記減圧手段の作動により前記解凍区域内を排気する第二解凍工程とを行うことを特徴とする解凍装置。
  2. 前記制御手段は、前記第一解凍工程から前記第二解凍工程へ移行するとき、前記解凍区域内の温度を徐々に上昇させる移行工程を設けたことを特徴とする請求項1に記載の解凍装置。
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