JP4431361B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、たとえばフロン系冷媒を使用するカーエアコンのコンデンサやエバポレータ、CO冷媒を使用するカーエアコンのガスクーラやエバポレータ、自動車用オイルクーラ、自動車用ラジエータなどとして使用される熱交換器の製造方法に関する。
この明細書および請求の範囲において、「電位」とは、pH3の5wt%NaCl水溶液中において、飽和カロメル電極を使用して測定した電位を意味するものとする。また、当然のことながら、元素記号で表現された金属には、その合金は含まれない。
たとえば、フロン系冷媒を使用したカーエアコン用コンデンサとして、互いに間隔をおいて平行に配置された1対のヘッダと、両端がそれぞれ両ヘッダに接続された並列状の偏平状熱交換管と、隣り合う熱交換管の間の通風間隙に配置されるとともに、両熱交換管にろう付されたコルゲートフィンとを備えたものは知られている。このようなコンデンサは、アルミニウムまたはアルミニウム合金(以下、両者を含んでアルミニウムと称する)からなるヘッダ材と、アルミニウムからなる管材と、アルミニウム製芯材の両面にアルミニウムろう製皮材がクラッドされたブレージングシートからなるフィン材とを用意し、ヘッダと管材および管材とフィン材とを同時にろう付することにより製造されている。
ところで、上述したコンデンサにおいて、熱交換管からの冷媒の洩れを防止するために、熱交換管における孔食の発生を防止する必要がある。
従来、熱交換管における孔食の発生を防止するために、製造されたコンデンサにおけるフィンや、熱交換管とフィンとのろう付部に形成されているフィレットを電位的に卑とし、フィレット、フィンおよび熱交換管を、この順序で徐々に電位的に貴とした熱交換器が提案されている(特許文献1参照)。
この熱交換器によれば、フィレットの犠牲腐食効果により熱交換管への孔食の発生が防止されているとともに、フィンの腐食が防止されている。
しかしながら、特許文献1に記載された熱交換器においては、フィレットが犠牲腐食されるので、フィンが熱交換管から剥がれ、その結果熱交換管とフィンとの間の伝熱性が低下し、熱交換性能が低下するという問題がある。
特開平10−81931号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、フィンが熱交換管から剥がれるのを防止しうる熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)Cu0.3〜0.6質量%、Mn0.1〜0.4質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる管材本体、および管材本体の外周面全体を覆うように形成された2〜8g/mのZn溶射層によって構成されている熱交換器用管材と、Zn2.3〜2.7質量%、Mn1.1〜1.3質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる芯材、および芯材の少なくとも片面にクラッドされかつSi7.9〜9.5質量%、Cu0.1〜0.3質量%、Mn0.1〜0.3質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金ろうからなる皮材によって構成されている熱交換器用フィン材とをフラックスを用いてろう付することを特徴とする熱交換器の製造方法。
2)熱交換器用管材の管材本体が、Cu0.3〜0.5質量%、Mn0.1〜0.3質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる上記1)記載の熱交換器の製造方法。
3)熱交換器用管材のZn溶射層の溶射量が2〜6g/mである上記1)または2)記載の熱交換器の製造方法。
4)熱交換器用フィン材の芯材の片面への皮材のクラッド率が8〜12%である上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
5)熱交換器用フィン材の芯材の片面への皮材のクラッド率が9〜11%である上記1)3)のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
上記1)の熱交換器によれば、熱交換管に孔食が発生することを防止しうることはもちろんのこと、フィンが熱交換管から剥がれることを抑制することができる。したがって、熱交換性能が長期間にわたって維持される。
上記2)〜7)の熱交換器によっても上記1)の場合と同様な効果を奏する。
上記8)〜10)の熱交換器用管材を、上記11)〜15)の熱交換器用フィン材と組み合わせることにより、上記1)〜7)の熱交換器を簡単に製造することができる。
上記16)の熱交換器の製造方法によれば、上記1)〜7)の熱交換器を簡単に製造することができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1はこの発明を適用したカーエアコン用コンデンサを示し、図2は冷媒流通管とコルゲートフィンとのろう付部を拡大して示す。また、図3はカーエアコン用コンデンサの製造方法を示す。
図1において、フロン系冷媒を使用するカーエアコンに用いられるコンデンサ(50)は、互いに間隔をおいて平行に配置された1対のアルミニウム製ヘッダ(51)(52)と、両端がそれぞれ両ヘッダ(51)(52)に接続された並列状のアルミニウム押出形材製製偏平状冷媒流通管(53)(熱交換管)と、隣り合う冷媒流通管(53)の間の通風間隙に配置されるとともに、両冷媒流通管(53)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(54)と、第1ヘッダ(51)の周壁上端部に接続された入口管(55)と、第2ヘッダ(52)の周壁下端部に接続された出口管(56)と、第1ヘッダ(51)の中程より上方位置の内部に設けられた第1仕切板(57)と、第2ヘッダ(52)の中程より下方位置の内部に設けられた第2仕切板(58)とを備えている。なお、冷媒流通管としては、電縫管からなるものが用いられてもよい。
入口管(55)と第1仕切板(57)の間の冷媒流通管(53)の本数、第1仕切板(57)と第2仕切板(58)の間の冷媒流通管(53)の本数、第2仕切板(58)と出口管(56)の間の冷媒流通管(53)の本数がそれぞれ上から順次減少されて通路群を構成しており、入口管(55)から流入した気相の冷媒が、出口管(56)より液相となって流出するまでに、コンデンサ内を各通路郡単位に蛇行状に流れるようになされている。
図2に示すように、冷媒流通管(53)外周面における最表面から深さd(=0.15)mmまでの表層部(53a)の電位をA、冷媒流通管(53)における表層部(53a)を除いた部分(53b)(以下、芯部という)の電位をB、コルゲートフィン(54)の電位をC、冷媒流通管(53)とコルゲートフィン(54)とのろう付部に形成されているフィレット(59)の電位をDとした場合、これらの電位が、電位的にA≦C≦D<Bとなっている。すなわち、冷媒流通管(53)外周面の表層部(53a)の電位A:−850〜−800mV、冷媒流通管(53)の芯部(53b)の電位B:−710〜−670mV、コルゲートフィン(54)の電位C:−850〜−800mV、フィレット(59)の電位D:−850〜−800mVとなっている。ここで、上記電位A〜Dが電位的にA≦C≦D<Bという関係を満たし、かつ電位A:−850〜−800mV、電位B:−710〜−670mV、電位C:−850〜−800mV、電位D:−850〜−800mVであれば、冷媒流通管(53)への孔食の発生が防止されるとともに、フィレット(59)の著しい腐食が防止されてコルゲートフィン(54)の冷媒流通管(53)からの剥がれが抑制される。
ここで、冷媒流通管(53)外周面の表層部(53a)は、Cu0.3〜0.6質量%、Mn0.1〜0.4質量%、Zn1.0〜7.0質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなり、冷媒流通管(53)の芯部(53b)は、Cu0.3〜0.6質量%、Mn0.1〜0.4質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる。
冷媒流通管(53)外周面の表層部(53a)のZnは表層部(53a)の電位を卑にし、芯部(53b)との電位差を大きくすることにより、表層部(53a)を犠牲腐食させて冷媒流通管(53)の耐孔食性を向上させるという効果を奏するが、その含有量が1.0質量%未満であれば上記効果が得られずに冷媒流通管(53)の耐孔食性が確保されず、7.0質量%を越えると表層部(53a)が過剰に腐食して白粉が発生したり、コルゲートフィン(54)の剥がれが発生したりする。したがって、表層部(53a)のZn含有量は1.0〜7.0質量%とすべきであるが、2.0〜3.0質量%であることが好ましい。なお、表層部(53a)のCu含有量は0.3〜0.5質量%であることが好ましく、Mn含有量は0.1〜0.3質量%であることが好ましい。
冷媒流通管(53)の芯部(53b)のCuは芯部(53b)の電位を貴にし、表層部(53a)との電位差を大きくすることにより、表層部(53a)を犠牲腐食させて冷媒流通管(53)の耐孔食性を向上させるという効果を奏するが、その含有量が0.3質量%未満であれば上記効果が得られずに冷媒流通管(53)の耐孔食性が確保されず、0.6質量%を越えるとAlに対し貴金属のCuが存在することによりAlが犠牲腐食されてしまい自己耐食性が低下する。したがって、芯部(53b)のCu含有量は0.3〜0.6質量%とすべきであるが、0.3〜0.5質量%であることが好ましい。また、芯部(53b)のMnは、Cuと同様に、芯部(53b)の電位を貴にし、表層部(53a)との電位差を大きくすることにより、表層部(53a)を犠牲腐食させて冷媒流通管(53)の耐孔食性を向上させるという効果を奏するが、その含有量が0.1質量%未満であれば上記効果が得られずに冷媒流通管(53)の耐孔食性が確保されず、0.4質量%を越えると冷媒流通管(53)を押出成形するさいの加工性が低下する。したがって、芯部(53b)のMn含有量は0.1〜0.4質量%とすべきであるが、0.1〜0.3質量%であることが好ましい。
コルゲートフィン(54)は、Zn0.9〜2.8質量%、Mn1.0〜1.5質量%、Cu0.15質量%以下を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる。
コルゲートフィン(54)のZnはコルゲートフィン(54)の電位を卑にし、冷媒流通管(53)の表層部(53a)やフィレット(59)の電位と同程度にするという効果を奏するが、その含有量が0.9質量%未満であればコルゲートフィン(54)の電位が貴となってフィレット(59)の犠牲腐食が進んでフィン(54)の剥がれが発生し、2.8質量%を越えるとコルゲートフィン(54)の電位が卑となって早期にフィン(54)が腐食し、熱交換性能が低下する。したがって、コルゲートフィン(54)のZn含有量は0.9〜2.8質量%とすべきであるが、2.0〜2.5質量%であることが好ましい。コルゲートフィン(54)のMnはフィン(54)自体の強度を確保するという効果を奏するが、その含有量が1.0質量%未満であればコルゲートフィン(54)の強度が不足してフィン(54)の変形の原因となり、1.5質量%を越えるとコルゲートフィン(54)の強度が大きくなりすぎてフィン(54)の成形性が低下する。したがって、コルゲートフィン(54)のMn含有量は1.0〜1.5質量%とすべきであるが、1.1〜1.3質量%であることが好ましい。コルゲートフィン(54)のCuは、冷媒流通管(53)のところで述べた自己耐食性の低下や、コルゲートフィン(54)の電位を過剰に貴にすることに起因するフィレット(59)の腐食の促進を招くので、Cu含有量は0.15質量%以下とすべきであるが、0.1質量%以下であることが好ましい。
冷媒流通管(53)とコルゲートフィン(54)とのろう付部に形成されているフィレット(59)は、Cu0.1〜0.4質量%、Mn0.05〜0.3質量%、Zn5質量%以下を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる。フィレット(59)のCuはフィレット(59)の電位を貴にして冷媒流通管(53)の表層部(53a)やコルゲートフィン(54)と同程度にし、フィン(54)の剥がれを防止するという効果を奏するが、その含有量が0.1質量%未満であればフィレット(59)の電位を十分に貴にすることができず、フィレット(59)の腐食によりフィン(54)の剥がれが発生し、0.4質量%を越えると上述した自己耐食性の低下が生じる。したがって、フィレット(59)のCu含有量は0.1〜0.4質量%とすべきであるが、0.2〜0.3質量%であることが好ましい。フィレット(59)のMnは、Cuと同様に、フィレット(59)の電位を貴にして冷媒流通管(53)の表層部(53a)やコルゲートフィン(54)と同程度にし、フィン(54)の剥がれを防止するという効果を奏するが、その含有量が0.05質量%未満であればフィレット(59)の上記効果が十分ではなく、0.3質量%を越えるとフィレット(59)の上述した自己耐食性が低下する。したがって、フィレット(59)のMn含有量は0.05〜0.3質量%とすべきであるが、0.1〜0.2質量%であることが好ましい。さらに、フィレット(59)のZnはフィレット(59)の電位を卑にしフィレット(59)の腐食を促進させてフィン(54)の剥がれを発生させるから、Zn含有量は5質量%以下とすべきであるが、3質量%以下であることが好ましい。なお、後述するように、冷媒流通管(53)とコルゲートフィン(54)とはSiを含むろう材を用いてろう付されているので、フィレット(59)には当然のことながらSiが含まれるが、このSiはコンデンサ(50)の耐食性には何ら影響を与えないので、ここではSi含有量については詳しく言及しない。但し、フィレット(59)中のSi含有量は、通常3.0〜13.0質量%程度である。
冷媒流通管(53)の表層部(53a)および芯部(53b)、コルゲートフィン(54)ならびにフィレット(59)が、上述した組成の合金からなることにより、表層部(53a)の電位A、芯部(53b)の電位B、コルゲートフィン(54)の電位C、フィレットの電位Dを、電位的にA≦C≦D<Bとすることができるとともに、電位A:−850〜−800mV、電位B:−710〜−670mV、電位C:−850〜−800mV、電位D:−850〜−800mVとすることができる。
コンデンサ(50)は次のようにして製造される。
まず、複数の冷媒流通管材(60)(熱交換器用管材)と、複数のコルゲートフィン材(61)と、冷媒流通管材(60)と同数の管材挿入穴を有する1対のアルミニウム製ヘッダ材(図示略)とを用意する。
冷媒流通管材(60)は、図3に示すように、Cu0.3〜0.6質量%、Mn0.1〜0.4質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなるアルミニウム押出形材製管状本体(60a)と、管状本体(60a)の外周面全体を覆うように形成された2〜8g/mのZn溶射層(60b)とによって構成されている。
管状本体(60a)のCuは、製造されたコンデンサ(50)の冷媒流通管(53)における芯部(53b)の電位を貴にし、表層部(53a)との電位差を大きくして表層部(53a)を犠牲腐食させ、これにより冷媒流通管(53)の耐孔食性を向上させるという効果を奏するが、その含有量が0.3質量%未満であれば上記効果が得られずに冷媒流通管材(60)から形成される冷媒流通管(53)の耐孔食性が確保されず、0.6質量%を越えると冷媒流通管材(60)から形成される冷媒流通管(53)の自己耐食性が低下する。したがって、管状本体(60a)のCu含有量は0.3〜0.6質量%とすべきであるが、0.3〜0.5質量%であることが好ましい。また、管状本体(60a)のMnは管状本体(60a)の強度を増大させるとともに、製造されたコンデンサ(50)の冷媒流通管(53)における芯部(53b)の電位を貴にし、表層部(53a)との電位差を広げて表層部(53a)を犠牲腐食させ、これにより冷媒流通管(53)の耐孔食性を向上させるという効果を奏するが、その含有量が0.1質量%未満であればこの効果が得られずに冷媒流通管材(60)から形成される冷媒流通管(53)の耐孔食性が確保されず、0.4質量%を越えると管状本体(60a)を押出成形するさいの加工性が低下する。したがって、管状本体(60a)のMn含有量は0.1〜0.4質量%とすべきであるが、0.1〜0.3質量%であることが好ましい。
Zn溶射層(60b)を形成するZnは、後述するろう付のさいに管状本体(60a)外周面に拡散し、冷媒流通管材(60)から形成される冷媒流通管(53)の表層部(53a)の電位を卑にして犠牲腐食させることにより、冷媒流通管(53)に孔食が発生するのを防止する効果を有するが、その溶射量が2g/m未満ではこの効果が得られず、8g/mを越えるとフィレット(59)中に拡散してフィレット(59)の電位を卑にし、これによりコルゲートフィン(54)の冷媒流通管(53)からの剥がれが生じやすくなる。したがって、Zn溶射量は2〜8g/mとすべきであるが、2〜6g/mであることが好ましい。
コルゲートフィン材(61)は、Zn0.9〜2.8質量%、Mn1.0〜1.5質量%、Cu0.03質量%以下を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる芯材(61a)と、芯材(61a)の両面にクラッドされかつSi7.9〜9.5質量%、Cu0.1〜0.4質量%、Mn0.1〜0.3質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金ろうからなる皮材(61b)とによって構成されている。芯材(61a)の片面への皮材(61b)のクラッド率は8〜12%である。このクラッド率が下限値未満であると、皮材(61b)から溶け出した合金ろうにより冷媒流通管材(60)にコルゲートフィン材(61)をろう付するさいにろう材が不足するおそれがあり、上限値を超えると過剰のろう材によりエロージョン(浸食)を発生させるおそれがあるからである。このクラッド率は、9〜11%であることが好ましい。
コルゲートフィン材(61)の芯材(61a)のZnは、製造されたコンデンサ(50)のコルゲートフィン(54)の電位をコントロールし、冷媒流通管(53)の表層部(53a)およびフィレット(59)の電位と同程度にするという効果を奏するが、その含有量が0.9質量%未満であればコルゲートフィン(54)の電位が貴になりすぎ、2.8質量%を越えるとコルゲートフィン(54)の耐食性が低下する。したがって、芯材(61a)のZn含有量は0.9〜2.8質量%とすべきであるが、2.3〜2.7質量%であることが好ましい。また、芯材(61a)のMnはコルゲートフィン材(61)から形成されるコルゲートフィン(54)の強度を増大させるという効果を奏するが、その含有量が1.0質量%未満であればコルゲートフィン(54)の強度が不足し、1.5質量%を越えるとコルゲートフィン材(61)の成形が困難になる。したがって、芯材(61a)のMn含有量は1.0〜1.5質量%とすべきであるが、1.1〜1.3質量%であることが好ましい。さらに、芯材(61a)のCuは、製造されたコンデンサ(50)におけるフィン材(61)から形成されたコルゲートフィン(54)の電位を貴にし、フィレット(59)の犠牲腐食を促進させるとともに、フィン(54)の自己耐食性を低下させるものであるから、Cu含有量は0.03質量%以下とすべきである。
コルゲートフィン材(61)の皮材(61b)のSiは、皮材(61b)がろう材として作用するために必要なものであり、その含有量を7.9〜9.5質量%とすべきである。皮材(61b)のCuはフィレット(59)の電位を貴にする効果を有するが、その含有量が0.1質量%未満ではこの効果は得られず、0.4質量%を越えると粒界腐食が発生して自己耐食性が低下する。したがって、皮材(61b)のCu含有量は0.1〜0.4質量%とすべきであるが、0.1〜0.3質量%であることが好ましい。皮材(61b)のMnはフィレット(59)の電位を貴にする効果を有するが、その含有量が0.1質量%未満ではこの効果は得られず、0.3質量%を越えると粒界腐食が発生して自己耐食性が低下する。したがって、皮材(61b)のMn含有量は0.1〜0.3質量%とすべきである。
ついで、1対のヘッダ材を間隔をおいて配置するとともに、複数の冷媒流通管材(60)とコルゲートフィン材(61)とを交互に配置し、冷媒流通管材(60)の両端部をヘッダ材の管材挿入穴に挿入する。その後、これらにフッ化物系フラックス(フッ化カリウムとフッ化アルミニウムとの共晶組成近傍のもの)を塗布し、窒素ガス雰囲気中において所定温度に加熱することにより、冷媒流通管材(60)とヘッダ材とをヘッダ材に設けられたろう材層を利用してろう付するとともに、冷媒流通管材(60)とコルゲートフィン材(61)とを、コルゲートフィン材(61)の皮材(61b)を利用して同時にろう付する。こうして、カーエアコン用コンデンサ(50)が製造される。
コンデンサは、圧縮機およびエバポレータとともにフロン系冷媒を使用する冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
次に、本発明の具体的実施例について比較例とともに説明する。
実施例1
表1に示す組成を有する合金を用いて管状本体(60a)を押出成形し、管状本体(60a)の外周面全体にZn溶射層(60b)を4g/m形成することにより、冷媒流通管材(60)を得た。また、芯材(61a)および芯材(61a)の両面にクラッドされた皮材(61b)が、それぞれ表2に示す組成を有するコルゲートフィン材(61)を形成した。コルゲートフィン材(61)における芯材(61a)の片面への皮材(61b)のクラッド率は10%である。また、適当なヘッダ材を用意した。
Figure 0004431361
Figure 0004431361
ついで、冷媒流通管材(60)とコルゲートフィン材(61)とヘッダ材を上述した実施形態と同様にして組み合わせ、これらにフッ化物系フラックス(フッ化カリウムとフッ化アルミニウムとの共晶組成近傍のもの)を塗布し、窒素ガス雰囲気中において所定温度に加熱することにより、冷媒流通管材(60)とヘッダ材とをヘッダ材に設けられたろう材層を利用してろう付するとともに、冷媒流通管材(60)とコルゲートフィン材(61)とを、コルゲートフィン材(61)の皮材(61b)を利用して同時にろう付し、カーエアコン用コンデンサ(50)を製造した。
コンデンサ(50)の冷媒流通管(53)外周面における表面から0.15mmまでの表層部(53a)の組成および電位、コルゲートフィン(54)の組成および電位、ならびにろう付により形成されたフィレット(59)の組成および電位は、それぞれ表3に示す通りであった。なお、コンデンサ(50)の冷媒流通管(53)の芯部(53b)の組成は表1に示すろう付前の管状本体(60a)の組成と同じであり、その電位は−690mVであった。
Figure 0004431361
比較例1
表1に示す組成を有するJIS A1100を用いて実施例1と同様な形状の管状本体を押出成形し、その外周面の全体にZn溶射層を10g/m形成することにより、冷媒流通管材を得た。また、芯材および芯材の両面にクラッドされた皮材が、それぞれ表2に示す組成を有するコルゲートフィン材を形成した。コルゲートフィンにおける芯材の片面への皮材のクラッド率は10%である。
ついで、管材とコルゲートフィン材、および適当なヘッダ材を使用し、実施例1と同様にしてカーエアコン用コンデンサを製造した。
製造されたコンデンサの冷媒流通管外周面における表面から0.15mmまでの表層部の組成および電位、ろう付後のコルゲートフィンの組成および電位、ならびにろう付により形成されたフィレットの組成および電位は、それぞれ表3に示す通りであった。なお、ろう付後の管の表層部を除いた部分の組成はJIS A1100と同じであり、その電位は−730mVであった。
比較例2
表1に示す組成を有する合金を用いて実施例1と同様な形状の管状本体を押出成形し、その外周面の全体にZn溶射層を4g/m形成することにより、冷媒流通管材を得た。また、芯材および芯材の両面にクラッドされた皮材が、それぞれ表2に示す組成を有するコルゲートフィン材を形成した。コルゲートフィン材における芯材の片面への皮材のクラッド率は10%である。
ついで、管材とコルゲートフィン材、および適当なヘッダ材を使用し、実施例1と同様にしてカーエアコン用コンデンサを製造した。
製造された冷媒流通管外周面における表面から0.15mmまでの表層部の組成および電位、ろう付後のコルゲートフィンの組成および電位、ならびにろう付により形成されたフィレットの組成および電位は、それぞれ表3に示す通りであった。なお、ろう付後の管の表層部を除いた部分の組成は表1に示すものと同じであり、その電位は−690mVであった。
評価試験
実施例1および比較例1〜2のカーエアコン用コンデンサについて、酸性環境耐食性試験(40日)および塩−乾−湿−冷−熱サイクル試験(168日)をそれぞれ実施した。その後、各カーエアコン用コンデンサから冷媒流通管を切り出し、コルゲートフィンを冷媒流通管へのろう付部から約5mm離れた個所(図2でいえば冷媒流通管(53)の上面から上方に約5mm離れた個所)で切断し、コルゲートフィンの冷媒流通管への全ろう付長さに対する、コルゲートフィンが冷媒流通管にろう付されて残っている長さの比率を測定してフィン接合残存率を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 0004431361
図4〜図7はこの発明を適用したカーエアコン用エバポレータを示す。なお、以下の説明において、図4の上下、左右をそれぞれ上下、左右といい、熱交換管群の隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図4に矢印Xで示す方向、図5の右側)を前、これと反対側を後というものとする。
図4において、フロン系冷媒を使用するカーエアコンに用いられるエバポレータ(1)は、上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製冷媒入出側タンク(2)およびアルミニウム製冷媒ターン側タンク(3)と、両タンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
冷媒入出側タンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置する冷媒入口ヘッダ部(5)と後側(通風方向上流側)に位置する冷媒出口ヘッダ部(6)とを備えている。冷媒ターン側タンク(3)は、前側に位置する冷媒流入側ヘッダ部(7)と後側に位置する冷媒流出側ヘッダ部(8)とを備えている。
熱交換コア部(4)は、左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管(9)からなる熱交換管群(11)が、前後方向に並んで複数列、ここでは2列配置されることにより構成されている。各熱交換管群(11)の隣接する熱交換管(9)どうしの間の通風間隙、および各熱交換管群(11)の左右両端の熱交換管(9)の外側にはそれぞれコルゲートフィン(12)が配置されて熱交換管(9)にろう付されている。左右両端のコルゲートフィン(12)の外側にはそれぞれアルミニウム製サイドプレート(13)が配置されてコルゲートフィン(12)にろう付されている。そして、前側熱交換管群(11)の熱交換管(9)の上下両端は冷媒入口ヘッダ部(5)および冷媒流入側ヘッダ部(7)に接続され、後側熱交換管群(11)の熱交換管(9)の上下両端部は冷媒出口ヘッダ部(6)および冷媒流出側ヘッダ部(8)に接続されている。
図5および図6に示すように、冷媒入出側タンク(2)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(9)が接続されたプレート状の第1部材(14)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(14)の上側を覆う第2部材(15)と、左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(16)(17)とよりなる。
第1部材(14)は、その前後両側部分に、それぞれ中央部が下方に突出した曲率の小さい横断面円弧状の湾曲部(18)を有している。各湾曲部(18)に、前後方向に長い複数の管挿通穴(19)が、左右方向に間隔をおいて形成されている。前後両湾曲部(18)の管挿通穴(19)は、それぞれ左右方向に関して同一位置にある。前側湾曲部(18)の前縁および後側湾曲部(18)の後縁に、それぞれ立ち上がり壁(18a)が全長にわたって一体に形成されている。また、第1部材(14)の両湾曲部(18)間の平坦部(21)に、複数の貫通穴(22)が左右方向に間隔をおいて形成されている。
第2部材(15)は下方に開口した横断面略m字状であり、左右方向に伸びる前後両壁(23)と、前後両壁(23)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに冷媒入出側タンク(2)内を前後2つの空間に仕切る仕切壁(24)と、前後両壁(23)および仕切壁(24)の上端どうしをそれぞれ一体に連結する上方に突出した2つの円弧状連結壁(25)とを備えている。第2部材(15)の両側縁部、すなわち前後両壁(23)の下縁部に、それぞれヘッダ部(5)(6)内方に突出しかつ第1部材(14)側(下側)に突出した管受け突起(26)が全長にわたって一体に形成されている。後側の管受け突起(26)の前面上部と、仕切壁(24)の下端部とは、分流用抵抗板(27)により全長にわたって一体に連結されている。分流用抵抗板(27)の後側部分における左右両端部を除いた部分には、左右方向に長い複数の冷媒通過穴(28A)(28B)が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成されている。仕切壁(24)の下端は前後両壁(23)の下端よりも下方に突出しており、その下縁に、下方に突出しかつ第1部材(14)の貫通穴(22)に嵌め入れられる複数の突起(24a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。突起(24a)は、仕切壁(24)の所定部分を切除することにより形成されている。
各キャップ(16)(17)はベア材からプレス、鍛造または切削などにより形成されたものであり、左右方向内面に第1および第2部材(14)(15)の左右両端部が嵌め入れられる凹所が形成されている。右側キャップ(17)には、冷媒入口ヘッダ部(5)内に通じる冷媒流入口(17a)と、冷媒出口ヘッダ部(6)内における分流用抵抗板(27)よりも上方の部分に通じる冷媒流出口(17b)が形成されている。また、右側キャップ(17)に、冷媒流入口(17a)に通じる冷媒入口(29a)および冷媒流出口(17b)に通じる冷媒出口(29b)を有するアルミニウム製冷媒入出部材(29)がろう付されている。
そして、両部材(14)(15)が、第2部材(15)の突起(24a)が第1部材(14)の貫通穴(22)に挿通されてかしめられることにより、第1部材(14)の前後の立ち上がり壁(18a)の上端面が第2部材(15)の前後両壁(23)の下端面に当接するとともに、両立ち上がり壁(18a)の前後方向内面が管受け突起(26)の前後方向外面に接触した状態で、第1部材(14)のろう材層を利用して相互にろう付され、さらに両キャップ(16)(17)がシート状ろう材を用いて第1および第2部材(14)(15)にろう付されることにより冷媒入出側タンク(2)が形成されており、第2部材(15)の仕切壁(24)よりも前側が冷媒入口ヘッダ部(5)、同じく仕切壁(24)よりも後側が冷媒出口ヘッダ部(6)となっている。また、冷媒出口ヘッダ部(6)は分流用抵抗板(27)により上下両空間(6a)(6b)に区画されており、これらの空間(6a)(6b)は冷媒通過穴(28A)(28B)により連通させられている。右側キャップ(17)の冷媒流出口(17b)は冷媒出口ヘッダ部(6)の上部空間(6a)内に通じている。
図5および図7に示すように、冷媒ターン側タンク(3)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ熱交換管(9)が接続されたプレート状の第1部材(31)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(31)の下側を覆う第2部材(32)と、左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(33)とよりなる。
冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)は、前後方向の中央部が最高位部(34)となるとともに、最高位部(34)から前後両側に向かって徐々に低くなるように全体に横断面円弧状に形成されている。冷媒ターン側タンク(3)の前後両側部分に、頂面(3a)における最高位部(34)の前後両側から前後両側面(3b)まで伸びる溝(35)が、左右方向に間隔をおいて複数形成されている。
第1部材(31)は、前後方向の中央部が上方に突出した横断面円弧状であり、その前後両側縁に垂下壁(31a)が全長にわたって一体に形成されている。そして、第1部材(31)の上面が冷媒ターン側タンク(3)の頂面(3a)となり、垂下壁(31a)の外面が冷媒ターン側タンク(3)の前後両側面(3b)となっている。第1部材(31)の前後両側において、前後方向中央の最高位部(34)から垂下壁(31a)の下端にかけて溝(35)が形成されている。第1部材(31)の前後中央の最高位部(34)を除いた前後両側部分における隣接する溝(35)どうしの間に、それぞれ前後方向に長い管挿通穴(36)が形成されている。前後の管挿通穴(36)は左右方向に関して同一位置にある。第1部材(31)の前後方向中央の最高位部(34)に、複数の貫通穴(37)が左右方向に間隔をおいて形成されている。第1部材(31)は、アルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことによって、垂下壁(31a)、溝(35)、管挿通穴(36)および貫通穴(37)を同時に形成することによりつくられる。
第2部材(32)は上方に開口した横断面略w字状であり、前後方向外側に向かって上方に湾曲した左右方向に伸びる前後両壁(38)と、前後両壁(38)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに冷媒ターン側タンク(3)内を前後2つの空間に仕切る垂直状の仕切壁(39)と、前後両壁(38)および仕切壁(39)の下端どうしをそれぞれ一体に連結する2つの連結壁(41)とを備えている。第2部材(32)の前後両側縁部、すなわち前後両壁(38)の上縁部に、それぞれヘッダ部(7)(8)内方に突出しかつ第1部材(31)側(上側)に突出した管受け突起(42)が全長にわたって一体に形成されている。仕切壁(39)の上端は管受け突起(42)上端よりも上方に突出しており、その上縁に、上方に突出しかつ第1部材(31)の貫通穴(37)に嵌め入れられる複数の突起(39a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。また、仕切壁(39)における隣り合う突起(39a)間には、それぞれその上縁から冷媒通過用切り欠き(39b)が形成されている。突起(39a)および切り欠き(39b)は、仕切壁(39)の所定部分を切除することにより形成されている。
第2部材(32)は、前後両壁(38)、仕切壁(39)、連結壁(41)および管受け突起(42)を一体に押出成形した後、仕切壁(39)を切除して突起(39a)および切り欠き(39b)を形成することにより製造される。
各キャップ(33)はベア材からプレス、鍛造または切削などにより形成されたものであり、左右方向内面に第1および第2部材(31)(32)の左右両端部が嵌め入れられる凹所を有している。
そして、両部材(31)(32)が、第2部材(32)の突起(39a)が貫通穴(37)に挿通されてかしめられることにより、第1部材(31)の前後の垂下壁(31a)の下端面が第2部材(32)の前後両壁(38)の上端面に当接するとともに、両垂下壁(31a)の前後方向内面が管受け突起(42)の前後方向外面に接触した状態で、第1部材(31)のろう材層を利用して相互にろう付され、さらに両キャップ(33)がシート状ろう材を用いて第1および第2部材(31)(32)にろう付されることにより冷媒ターン側タンク(3)が形成されており、第2部材(32)の仕切壁(39)よりも前側が冷媒流入側ヘッダ部(7)、同じく仕切壁(39)よりも後側が冷媒流出側ヘッダ部(8)となっている。第2部材(32)の仕切壁(39)の切り欠き(39b)の上端開口は第1部材(31)によって閉じられ、これにより冷媒通過穴(43)が形成されている。
前後の熱交換管群(11)を構成する熱交換管(9)はアルミニウム押出形材からなり、前後方向に幅広の偏平状で、その内部に長さ方向に伸びる複数の冷媒通路が並列状に形成されている。熱交換管(9)の上端部は冷媒入出側タンク(2)の第1部材(14)の管挿通穴(19)に挿通されるとともにその上端面が管受け突起(26)に当接した状態で、第1部材(14)のろう材層を利用して第1部材(14)にろう付され、同じく下端部は冷媒ターン側タンク(3)の第1部材(31)の管挿通穴(36)に挿通されるとともにその下端面が管受け突起(42)に当接した状態で、第1部材(31)のろう材層を利用して第1部材(31)にろう付されている。
なお、熱交換管(9)としては、アルミニウム押出形材製のものに代えて、アルミニウム製電縫管の内部にインナーフィンを挿入することにより複数の冷媒通路を形成したものを用いてもよい。また、片面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートのろう材層側に圧延加工を施すことにより形成され、かつ連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部と、各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁より***状に一体成形された側壁形成部と、平坦壁形成部の幅方向に所定間隔をおいて両平坦壁形成部よりそれぞれ***状に一体成形された複数の仕切壁形成部とを備えた板を、連結部においてヘアピン状に曲げて側壁形成部どうしを突き合わせて相互にろう付し、仕切壁形成部により仕切壁を形成したものを用いてもよい。
コルゲートフィン(12)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものであり、その波頭部と波底部を連結する連結部に、前後方向に並列状に複数のルーバが形成されている。コルゲートフィン(12)は前後両熱交換管群(11)に共有されており、その前後方向の幅は前側熱交換管群(11)の熱交換管(9)の前側縁と後側熱交換管群(11)の熱交換管(9)の後側縁との間隔をほぼ等しくなっている。
このエバポレータ(1)において、熱交換管(9)外周面における最表面から深さd(=0.15)mmまでの表層部の電位をA、熱交換管(9)における表層部を除いた芯部の電位をB、コルゲートフィン(12)の電位をC、熱交換管(9)とコルゲートフィン(12)とのろう付部に形成されているフィレットの電位をDとした場合、これらの関係は、上述したコンデンサ(50)の場合と同様に、A≦C≦D<Bとなっており、電位A:−850〜−800mV、電位B:−710〜−670mV、電位C:−850〜−800mV、電位D:−850〜−800mVとなっている。また、熱交換管(9)の表層部および芯部の合金組成、ならびにコルゲートフィン(12)の合金組成は、上述したコンデンサ(50)の冷媒流通管(53)およびコルゲートフィン(54)と同様である。さらに、熱交換管(9)とコルゲートフィン(12)とのろう付部に形成されているフィレットの合金組成も、上述したコンデンサ(50)の冷媒流通管(53)とコルゲートフィン(54)とのろう付部に形成されているフィレット(59)と同様である。
エバポレータ(1)は、各構成部材を組み合わせて仮止めし、すべての構成部材を一括してろう付することにより製造される。このとき、熱交換管材は、上述したコンデンサ(50)を形成する冷媒流通管材(60)の場合と同様に、管状本体と、管状本体の外周面全体を覆うように形成されたZn溶射層とよりなる。管状本体の合金組成およびZn溶射層の量は、上述したコンデンサ(50)の冷媒流通管材(60)と同じである。また、コルゲートフィン材は、上述したコンデンサ(50)を形成するコルゲートフィン材(61)の場合と同様に、芯材と芯材の両面にクラッドされた皮材とよりなる。芯材および皮材の合金組成、ならびに皮材のクラッド率は、上述したコンデンサ(50)のコルゲートフィン材(61)と同じである。
エバポレータ(1)は、圧縮機およびコンデンサとともにフロン系冷媒を使用する冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述した2つの実施形態においては、この発明による熱交換器が、圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを有しかつフロン系冷媒を使用するカーエアコンを備えた車両、たとえば自動車において、カーエアコンのコンデンサやエバポレータとして用いられているが、オイルクーラやラジエータとして自動車に搭載されることもある。
また、この発明による熱交換器は、圧縮機、ガスクーラ、中間熱交換器、膨張弁およびエバポレータを有しかつCO冷媒を使用するカーエアコンを備えた車両、たとえば自動車において、カーエアコンのガスクーラやエバポレータとして用いられることがある。
この発明を適用したカーエアコン用コンデンサを示す斜視図である。 図1のコンデンサにおいて、冷媒流通管とコルゲートフィンとのろう付部を拡大して示す断面図である。 カーエアコン用コンデンサの製造工程において、ろう付前の管材とフィン材とを拡大して示す断面図である。 この発明を適用したカーエアコン用エバポレータの全体構成を示す一部切り欠き斜視図である。 同じくカーエアコン用エバポレータの一部を省略した垂直断面図である。 カーエアコン用エバポレータの冷媒入出側タンクの分解斜視図である。 カーエアコン用エバポレータの冷媒ターン側タンクの分解斜視図である。
(1):カーエアコン用エバポレータ(熱交換器)
(9):熱交換管
(12):コルゲートフィン
(50):カーエアコン用コンデンサ(熱交換器)
(53):冷媒流通管(熱交換管)
(53a):表層部
(53b):芯部
(54):コルゲートフィン
(59):フィレット
(60):冷媒流通管材(熱交換器用管材)
(60a):管状本体
(60b):Zn溶射層
(61):コルゲートフィン材(熱交換器用フィン材)
(61a):芯材
(61b):皮材

Claims (5)

  1. Cu0.3〜0.6質量%、Mn0.1〜0.4質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる管材本体、および管材本体の外周面全体を覆うように形成された2〜8g/mのZn溶射層によって構成されている熱交換器用管材と、Zn2.3〜2.7質量%、Mn1.1〜1.3質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる芯材、および芯材の少なくとも片面にクラッドされかつSi7.9〜9.5質量%、Cu0.1〜0.3質量%、Mn0.1〜0.3質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金ろうからなる皮材によって構成されている熱交換器用フィン材とをフラックスを用いてろう付することを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 熱交換器用管材の管材本体が、Cu0.3〜0.5質量%、Mn0.1〜0.3質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物よりなるAl合金からなる請求項1記載の熱交換器の製造方法。
  3. 熱交換器用管材のZn溶射層の溶射量が2〜6g/mである請求項1または2記載の熱交換器の製造方法。
  4. 熱交換器用フィン材の芯材の片面への皮材のクラッド率が8〜12%である請求項1〜3のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
  5. 熱交換器用フィン材の芯材の片面への皮材のクラッド率が9〜11%である請求項1〜のうちのいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
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