JP4774295B2 - エバポレータ - Google Patents

エバポレータ Download PDF

Info

Publication number
JP4774295B2
JP4774295B2 JP2005374291A JP2005374291A JP4774295B2 JP 4774295 B2 JP4774295 B2 JP 4774295B2 JP 2005374291 A JP2005374291 A JP 2005374291A JP 2005374291 A JP2005374291 A JP 2005374291A JP 4774295 B2 JP4774295 B2 JP 4774295B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchange
header
drainage
exchange pipe
evaporator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005374291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006207994A (ja
Inventor
純孝 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2005374291A priority Critical patent/JP4774295B2/ja
Publication of JP2006207994A publication Critical patent/JP2006207994A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4774295B2 publication Critical patent/JP4774295B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

この発明は、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンに組み込まれるエバポレータに関する。
この明細書および特許請求の範囲において、通風方向下流側(図1および図10に矢印Xで示す側、図4右側)を前、これと反対側を後といい、図2の上下、左右を上下、左右というものとする。
従来、カーエアコン用エバポレータとして、1対の皿状プレートを対向させて周縁部どうしをろう付してなる複数の偏平中空体が並列状に配置され、隣接する偏平中空体間にコルゲートフィンが配置されて偏平中空体にろう付された、所謂積層型エバポレータが広く使用されていた。
ところで、近年、エバポレータのさらなる小型軽量化および高性能化が要求されるようになってきた。そして、このような要求を満たすエバポレータとして、間隔をおいて配置された複数の偏平状熱交換管からなる熱交換管群が通風方向に並んで2列配置されるとともに、左右方向に隣り合う熱交換管どうしの間にコルゲートフィンが配置されることにより構成された熱交換コア部と、熱交換管の一端側に配置され、かつ1列の熱交換管群の熱交換管が接続された第1ヘッダと、熱交換管の一端側において第1ヘッダの後側に配置され、かつ1列の熱交換管群の熱交換管が接続された第2ヘッダと、熱交換管の他端側に配置され、かつ第1ヘッダに接続されている熱交換管が接続された第3ヘッダと、熱交換管の他端側に配置され、かつ第2ヘッダに接続されている熱交換管群の熱交換管が接続された第4ヘッダとを備えており、第1ヘッダの一端に冷媒入口が形成されるとともに、第2ヘッダにおける冷媒入口と同一端に冷媒出口が形成され、第1および第2ヘッダ内がその長さ方向の中間部で仕切板により区画され、冷媒入口から第1ヘッダ内に流入した冷媒が、すべての熱交換管およびすべてのヘッダを通過して冷媒出口から流出するようになっているエバポレータが知られている(特許文献1参照)。
ところで、特許文献1記載のエバポレータにおいては、上述した積層型エバポレータに比べて小型軽量化および高性能化が図られているため、コルゲートフィンの表面に発生する凝縮水量が多くなる。しかしながら、特許文献1記載のエバポレータによれば、凝縮水が多くなった場合の排水性が十分ではない。
特開2003−214794号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、凝縮水の排水性に優れたエバポレータを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
1)前後方向に間隔をおいて配置され、かつ上下方向に伸びる複数の熱交換管を備えたエバポレータであって、
熱交換管が偏平状であるとともにその幅方向を前後方向に向けて配置され、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置され、前後の熱交換管と排水促進部材との間に排水路が形成され、排水促進部材の左右方向の厚みが、熱交換管の左右方向の厚みと等しくなっており、前後に隣り合う2つの熱交換管のうち少なくともいずれか一方と、両熱交換管間に配置された排水促進部材との間に隙間が存在し、この隙間が排水路となっており、熱交換管および排水促進部材の左右方向の厚みをh(mm)、排水路の前後方向の幅をw(mm)とした場合、0<w/h≦1/4の関係を満たすエバポレータ。
2)前後方向に間隔をおいて配置され、かつ上下方向に伸びる複数の熱交換管を備えたエバポレータであって、
熱交換管が偏平状であるとともにその幅方向を前後方向に向けて配置され、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置され、前後の熱交換管と排水促進部材との間に排水路が形成され、排水促進部材の左右方向の厚みが、熱交換管の左右方向の厚みと等しくなっており、前後に隣り合う2つの熱交換管のうち少なくともいずれか一方と、両熱交換管間に配置された排水促進部材とが接触しており、排水促進部材と、これと接触している熱交換管との間に、熱交換管の左右両側面の延長面から左右方向内方に凹みかつ上下方向に伸びる凹所が形成され、この凹所が排水路となっており、排水路断面積をS(mm )、熱交換管および排水促進部材の左右方向の厚みをh(mm)とした場合、0.05≦S/h≦1.5の関係を満たすエバポレータ
3)前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面の水平断面形状が、それぞれ円弧状となっている上記1)または2)記載のエバポレータ。
4)前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面のうちいずれか一方の水平断面形状が円弧状であり、同他方が熱交換管の左右両側面と直角をなす平坦面である上記1)または2)記載のエバポレータ。
5)前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面のうちいずれか一方の水平断面形状が円弧状であり、同他方の水平断面形状がV形である上記1)または2)記載のエバポレータ。
6)前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面の水平断面形状が、それぞれV形である上記1)または2)記載のエバポレータ。
7)前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面のうちいずれか一方の水平断面形状がV形であり、同他方が熱交換管の左右両側面と直角をなす平坦面である上記1)または2)記載のエバポレータ。
8)前後方向に間隔をおいて配置され、かつ上下方向に伸びる複数の熱交換管を備えたエバポレータであって、
熱交換管が偏平状であるとともにその幅方向を前後方向に向けて配置され、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置され、前後の熱交換管と排水促進部材との間に排水路が形成され、排水促進部材の左右方向の厚みが、熱交換管の左右方向の厚みと等しくなっており、前後に隣り合う2つの熱交換管のうち少なくともいずれか一方と、両熱交換管間に配置された排水促進部材との間に隙間が存在し、この隙間が排水路となっており、熱交換管および排水促進部材の左右方向の厚みをh(mm)、排水路の前後方向の幅をw(mm)とした場合、0<w/h≦1/4の関係を満たし、排水路に臨む熱交換管の端壁外面および排水路に臨む排水促進部材の外面が、それぞれ熱交換管の左右両側面と直角をなす平坦面であるエバポレータ。
9)排水促進部材の左右両側面のうち少なくともいずれか一方に、上下方向に伸びる排水溝が形成されている上記1)〜8)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
10)左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなる熱交換管群が、前後方向に間隔をおいて複数列配置されることにより構成された熱交換コア部と、熱交換管の一端側に配置され、かつ少なくとも1列の熱交換管群の熱交換管が接続された第1ヘッダと、熱交換管の一端側において第1ヘッダの後側に配置され、かつ残りの熱交換管群の熱交換管が接続された第2ヘッダと、熱交換管の他端側に配置され、かつ第1ヘッダに接続されている熱交換管が接続された第3ヘッダと、熱交換管の他端側に配置され、かつ第2ヘッダに接続されている熱交換管群の熱交換管が接続された第4ヘッダとを備えており、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置されている上記1)〜9)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
11)第1ヘッダと第2ヘッダとが一体化されている上記10)記載のエバポレータ。
12)第1ヘッダと第2ヘッダとが、両ヘッダの熱交換管側の部分を形成しかつ熱交換管が接続された第1部材と、両ヘッダにおける熱交換管とは反対側の部分を形成しかつ第1部材にろう付された第2部材とを備えており、これにより両ヘッダが一体化されている上記11)記載のエバポレータ。
13)第3ヘッダと第4ヘッダとが一体化されている上記10)〜12)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
14)第3ヘッダと第4ヘッダとが、両ヘッダの熱交換管側の部分を形成しかつ熱交換管が接続された第1部材と、両ヘッダにおける熱交換管とは反対側の部分を形成しかつ第1部材にろう付された第2部材とを備えており、これにより両ヘッダが一体化されている上記13)記載のエバポレータ。
15)第1ヘッダが、冷媒入口を有する冷媒入口ヘッダであり、第2ヘッダが、冷媒出口を有する冷媒出口ヘッダであり、第3ヘッダが、冷媒が冷媒入口ヘッダから熱交換管を通って流入する冷媒流入ヘッダであり、第4ヘッダが、冷媒が熱交換管を通って冷媒出口ヘッダに流出する冷媒流出ヘッダであり、第3ヘッダと第4ヘッダとが連通させられている上記10)〜14)のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
16)圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、かつフロン系冷媒を用いる冷凍サイクルであって、エバポレータが、上記1)〜15)のうちのいずれかに記載のエバポレータからなる冷凍サイクル。
17)圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器、およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる冷凍サイクルであって、エバポレータが、上記1)〜15)のうちのいずれかに記載のエバポレータからなる超臨界冷凍サイクル。
18)上記16)または17)記載の冷凍サイクルが、カーエアコンとして搭載されている車両。
上記1)〜7)のエバポレータにおいては、前後方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管が、左右方向に間隔をおいて並べられ、左右方向に隣り合う熱交換管どうしの間にフィンが配置されて熱交換管に接合される。このエバポレータによれば、フィンの表面に発生した凝縮水は、キャピラリ効果により熱交換管とフィンとの接合部側に引き寄せられ、後側の熱交換管とフィンとの接合部に引き寄せられた凝縮水は、左右方向に隣り合う熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる風により前側に流れるとともに、キャピラリ効果により排水促進部材側に引き寄せられ、熱交換管と排水促進部材との間の排水路内に入る。そして、前後に隣り合う熱交換管どうしの間隔を、特許文献1記載のエバポレータと同じにした場合、前後の熱交換管と排水促進部材との間に形成される排水路の排水路断面積は比較的小さくなるので、凝縮水はキャピラリ効果により排水路内に溜まることなく排水路を通って下方に排水される。したがって、エバポレータの排水性が向上する。しかも、凝縮水の排水性が向上するので、排水路内においての凝縮水の凍結を抑制することが可能になり、エバポレータの冷却性能の低下を防止することができる
上記1)〜7)のエバポレータによれば、熱交換管と排水促進部材との間の隙間からなる排水路内に入った凝縮水は、効率良く排水路を通って下方に排水される。したがって、凝縮水の排水性が向上する
上記8)のエバポレータによれば、熱交換管と排水促進部材との間の隙間からなる排水路内に入った凝縮水は、効率良く排水路を通って下方に排水される。したがって、凝縮水の排水性が向上する。
上記9)のエバポレータによれば、風の影響およびキャピラリ効果により排水促進部材側に流れた凝縮水は、排水促進部材の排水溝に沿っても下方に排水されることになり、排水性が向上する。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
実施形態1
この実施形態は図1〜図10に示すものである。
図1および図2はエバポレータの全体構成を示し、図3〜図9は要部の構成を示す。また、図10はエバポレータにおける冷媒の流れ方を示す。
図1および図2において、フロン系冷媒を使用するカーエアコンに用いられるエバポレータ(1)は、上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製冷媒入出用タンク(2)およびアルミニウム製冷媒ターン用タンク(3)と、両タンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
冷媒入出用タンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置する冷媒入口ヘッダ(5)(第1ヘッダ)と、後側(通風方向上流側)に位置する冷媒出口ヘッダ(6)(第2ヘッダ)とを備えており、後述する連結手段により相互に連結一体化されている。冷媒入出用タンク(2)の冷媒入口ヘッダ(5)にアルミニウム製冷媒入口管(7)が接続され、同じく冷媒出口ヘッダ(6)にアルミニウム製冷媒出口管(8)が接続されている。
冷媒ターン用タンク(3)は、前側に位置する冷媒流入ヘッダ(9)(第3ヘッダ)と、後側に位置する冷媒流出ヘッダ(11)(第4ヘッダ)とを備えており、両ヘッダ(9)(11)が連結部(10)により相互に連結一体化され、両ヘッダ(9)(11)と連結部(10)とにより排水樋(20)が形成されている(図4参照)。
熱交換コア部(4)は、左右方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管(12)からなる熱交換管群(13)が、前後方向に並んで複数列、ここでは2列配置され、各熱交換管群(13)の隣接する熱交換管(12)どうしの間の通風間隙、および各熱交換管群(13)の左右両端の熱交換管(12)の外側にそれぞれコルゲートフィン(14)が配置されて熱交換管(12)にろう付されることにより構成されている。前後に隣り合う熱交換管(12)の間には、上下方向に伸びるアルミニウム製排水促進部材(30)が配置され、コルゲートフィン(14)にろう付されている。左右両端のコルゲートフィン(14)の外側にはそれぞれアルミニウム製サイドプレート(15)が配置されてコルゲートフィン(14)にろう付されている。そして、前側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の上下両端は冷媒入口ヘッダ(5)および冷媒流入ヘッダ(9)に接続され、往き側冷媒流通部となっている。後側熱交換管群(13)の熱交換管(12)の上下両端部は冷媒出口ヘッダ(6)および冷媒流出ヘッダ(11)に接続され、戻り側冷媒流通部となっている。
図3に示すように、冷媒入出用タンク(2)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつすべての熱交換管(12)が接続されたプレート状の第1部材(16)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(16)の上側を覆う第2部材(17)と、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ両部材(16)(17)の両端に接合されて左右両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(18)(19)とよりなり、右側キャップ(19)の外面に、冷媒入口ヘッダ(5)および冷媒出口ヘッダ(6)に跨るように、前後方向に長いアルミニウム製のジョイントプレート(21)がろう付されている。ジョイントプレート(21)に、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)が接続されている。
第1部材(16)は、その前後両側部分に、それぞれ中央部が下方に突出した曲率の小さい横断面円弧状の湾曲部(22)を有している。各湾曲部(22)に、前後方向に長い複数の管挿通穴(23)が、左右方向に間隔をおいて形成されている。前後両湾曲部(22)の管挿通穴(23)は、それぞれ左右方向に関して同一位置にある。前側湾曲部(22)の前縁および後側湾曲部(22)の後縁に、それぞれ立ち上がり壁(22a)が全長にわたって一体に形成されている。また、第1部材(16)の両湾曲部(22)間に、冷媒入口ヘッダ(5)と冷媒出口ヘッダ(6)とを連結する手段を構成する平坦部(24)が形成され、平坦部(24)に、複数の貫通穴(25)が左右方向に間隔をおいて形成されている。
第2部材(17)は下方に開口した横断面略m字状であり、左右方向に伸びる前後両壁(26)と、前後両壁(26)間の中央部に設けられかつ左右方向に伸びるとともに、冷媒入出用タンク(2)内を前後2つの空間に仕切る仕切手段としての仕切壁(27)と、前後両壁(26)および仕切壁(27)の上端どうしをそれぞれ一体に連結する上方に突出した2つの略円弧状連結壁(28)とを備えている。なお、仕切壁(27)は、冷媒入口ヘッダ(5)と冷媒出口ヘッダ(6)とを連結する手段を構成している。第2部材(17)の後壁(26)の下端部と仕切壁(27)の下端部とは、冷媒出口ヘッダ(6)内を上下2つの空間(6a)(6b)に区画する区画手段としての分流用抵抗板(29)により全長にわたって一体に連結されている。分流用抵抗板(29)の後側部分における左右両端部を除いた部分には、左右方向に長い複数の冷媒通過穴(31A)(31B)が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成されている。仕切壁(27)の下端は前後両壁(26)の下端よりも下方に突出しており、その下縁に、下方に突出しかつ第1部材(16)の貫通穴(25)に嵌め入れられる複数の突起(27a)が左右方向に間隔をおいて一体に形成されている。突起(27a)は、仕切壁(27)の所定部分を切除することにより形成されている。
右側キャップ(19)の前側には、冷媒入口ヘッダ(5)内に嵌め入れられる左方突出部(32)が一体に形成され、同じく後側には、冷媒出口ヘッダ(6)の分流用抵抗板(29)よりも上側の空間(6a)内に嵌め入れられる上側左方突出部(33)と、分流用抵抗板(29)よりも下側の空間(6b)内に嵌め入れられる下側左方突出部(34)とが上下に間隔をおいて一体に形成されている。また、右側キャップ(19)の前後両側縁と上縁との間の円弧状部に、それぞれ左方に突出した係合爪(35)が一体に形成され、同じく下縁の前側部分および後側部分に、それぞれ左方に突出した係合爪(36)が一体に形成されている。右側キャップ(19)の前側の左方突出部(32)の底壁に冷媒入口(37)が形成され、同じく後側の上側左方突出部(33)の底壁に冷媒出口(38)が形成されている。左側キャップ(18)は右側キャップ(19)と左右対称形であり、冷媒入口ヘッダ(5)内に嵌め入れられる右方突出部(39)、冷媒出口ヘッダ(6)の分流用抵抗板(29)よりも上側の空間(6a)内に嵌め入れられる上側右方突出部(41)、分流用抵抗板(29)よりも下側の空間(6b)内に嵌め入れられる下側右方突出部(42)、および右方に突出した上下の係合爪(43)(44)が一体に形成されている。右方突出部(39)および上側右方突出部(41)の底壁には開口は形成されていない。両キャップ(18)(19)の上縁は、それぞれ冷媒入出用タンク(2)の第2部材(17)上面の両端と合致するように、2つの略円弧状部が前後方向の中央部において一体に連なったような形状となっている。また、両キャップ(18)(19)の下縁は、曲率の小さい2つの略円弧状部が前後方向の中央部において平坦部を介して一体に連なったような形状となっている。
そして、第1部材(16)の前側湾曲部(22)および平坦部(24)と、第2部材(17)の前壁(26)、仕切壁(27)および前側連結壁(28)と、左右のキャップ(18)(19)の前側部分とにより、冷媒入口ヘッダ(5)が形成され、第1部材(16)の後側湾曲部(22)および平坦部(24)と、第2部材(17)の後壁(26)、仕切壁(27)および後側連結壁(28)と、左右のキャップ(18)(19)の後側部分とにより、冷媒出口ヘッダ(6)が形成されている。冷媒入口ヘッダ(5)と冷媒出口ヘッダ(6)とは平坦部(24)および仕切壁(27)により連結一体化されている。
ジョイントプレート(21)は、右側キャップ(19)の冷媒入口(37)に通じる短円筒状冷媒流入口(45)と、同じく冷媒出口(38)に通じる短円筒状冷媒流出口(46)とを備えている。ジョイントプレート(21)の上下両縁部における冷媒流入口(45)と冷媒流出口(46)との間の部分には、それぞれ左方に突出した屈曲部(47)が形成されている。上側の屈曲部(47)は、右側キャップ(19)の上縁における2つの略円弧状部の間、および第2部材(17)の2つの連結壁(28)間に係合している。下側の屈曲部(47)は、右側キャップ(19)の下縁における2つの略円弧状部の間に形成された上記平坦部、および第1部材(16)の平坦部(24)に係合している。さらに、ジョイントプレート(21)の下縁の前後両端部には、それぞれ左方に突出した係合爪(48)が一体に形成されている。係合爪(48)は、右側キャップ(19)の下縁に係合している。ジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)に、冷媒入口管(7)の一端部に形成された縮径部が差し込まれてろう付され、同じく冷媒流出口(46)に、冷媒出口管(8)の一端部に形成された縮径部が差し込まれてろう付されている。図示は省略したが、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)の他端部には、両管(7)(8)に跨るように膨張弁取付部材が接合されている。
冷媒入出用タンク(2)の第1および第2部材(16)(17)と、両キャップ(18)(19)と、ジョイントプレート(21)とは次のようにしてろう付されている。すなわち、第1および第2部材(16)(17)は、第2部材(17)の突起(27a)が第1部材(16)の貫通穴(25)に挿通されてかしめられることにより、第1部材(16)の前後の立ち上がり壁(22a)の上端部が第2部材(17)の前後両壁(26)の下端部に係合させられた状態で、第1部材(16)のろう材層を利用して相互にろう付されている。両キャップ(18)(19)は、前側の突出部(39)(32)が両部材(16)(17)における仕切壁(27)よりも前側の空間内に、後側の上突出部(41)(33)が両部材(16)(17)における仕切壁(27)よりも後側でかつ分流用抵抗板(29)よりも上側の空間内に、および後側の下突出部(42)(34)が仕切壁(17)よりも後側でかつ分流用抵抗板(29)よりも下側の空間内にそれぞれ嵌め入れられ、上側の係合爪(43)(35)が第2部材(17)の連結壁(28)に係合させられ、下側の係合爪(44)(36)が第1部材(16)の湾曲部(22)に係合させられた状態で、両キャップ(18)(19)のろう材層を利用して第1および第2部材(17)(17)にろう付されている。ジョイントプレート(21)は、屈曲部(47)が右側キャップ(19)および第2部材(17)に係合させられ、係合爪(48)が右側キャップ(19)に係合させられた状態で、右側キャップ(19)のろう材層を利用して右側キャップ(19)にろう付されている。
こうして、冷媒入出用タンク(2)が形成されており、冷媒出口ヘッダ(6)は分流用抵抗板(29)により上下両空間(6a)(6b)に区画され、これらの空間(6a)(6b)は冷媒通過穴(31A)(31B)により連通させられている。右側キャップ(19)の冷媒出口(38)は冷媒出口ヘッダ(6)の上部空間(6a)内に通じている。
図4〜図6に示すように、冷媒ターン用タンク(3)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつすべての熱交換管(12)が接続されたプレート状の第1部材(50)と、アルミニウム押出形材から形成されたベア材よりなりかつ第1部材(50)の下側を覆う第2部材(51)と、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートから形成されかつ両端開口を閉鎖するアルミニウム製キャップ(52)(53)と、連結部(10)に接合された左右方向に長いアルミニウムベア材製排水補助プレート(54)と、右側キャップ(52)の外面に、冷媒流入ヘッダ(9)および冷媒流出ヘッダ(11)に跨るようにろう付された前後方向に長いアルミニウムベア材製の連通部材(55)とよりなり、連通部材(55)を介して冷媒流入ヘッダ(9)と冷媒流出ヘッダ(11)とが右端部で連通させられている。
冷媒流入ヘッダ(9)および冷媒流出ヘッダ(11)はそれぞれ頂面、前後両側面および底面を有している。両ヘッダ(9)(11)の頂面は前後方向内側部分および外側部分を除いて水平な平坦面(9a)(11a)となっており、頂面の前後方向内側部分には前後方向内側に向かって下方に直線状に傾斜した傾斜面からなる第1の低位部(9b)(11b)が形成されている。そして、第1の低位部(9b)(11b)が排水樋(20)の前後両側面となっており、排水樋(20)の前後両側面が上方に向かって前後方向外側に広がっている。第1の低位部(9b)(11b)の水平面に対する下向き傾斜角度は45度以上であることが好ましい。なお、排水樋(20)の前後両側面、すなわち両ヘッダ(9)(11)の第1の低位部(9b)(11b)は、上方に向かって前後方向外側に広がっておれば、直線状に傾斜したものに限らず、湾曲していてもよい。また、両ヘッダ(9)(11)の頂面の前後方向外側部分には、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に直線状に傾斜した傾斜面からなる第2の低位部(9c)(11c)が形成されている。第2の低位部(9c)(11c)の水平面に対する下向き傾斜角度は45度以上であることが好ましい。両ヘッダ(9)(11)の前後方向外側面は頂面の第2の低位部(9c)(11c)に連なっている。
第1部材(50)は、冷媒流入ヘッダ(9)の上部を形成する第1ヘッダ形成部(56)と、冷媒流出ヘッダ(11)の上部を形成する第2ヘッダ形成部(57)と、両ヘッダ形成部(56)(57)を連結しかつ連結部(10)を形成する連結壁(58)とよりなる。第1ヘッダ形成部(56)は、水平平坦状頂壁(56a)と、頂壁(56a)の後縁に全長にわたって一体に形成されかつ後方に向かって下方に傾斜した第1の傾斜壁(56b)と、頂壁(56a)の前縁に全長にわたって一体に形成されかつ前方に向かって下方に傾斜した第2の傾斜壁(56c)と、第2の傾斜壁(56c)の前縁に全長にわたって一体に形成された垂下壁(56d)とよりなる。第2ヘッダ形成部(57)は、水平平坦状頂壁(57a)と、頂壁(57a)の前縁に全長にわたって一体に形成されかつ前方に向かって下方に傾斜した第1の傾斜壁(57b)と、頂壁(57a)の後縁に全長にわたって一体に形成されかつ後方に向かって下方に傾斜した第2の傾斜壁(57c)と、第2の傾斜壁(57c)の後縁に全長にわたって一体に形成された垂下壁(57d)とよりなる。第1ヘッダ形成部(56)の第1の傾斜壁(56b)の下縁と第2ヘッダ形成部(57)の第1の傾斜壁(57b)の下縁とが連結壁(58)により一体に連結されている。両ヘッダ形成部(56)(57)の垂下壁(56d)(57d)の下端面は前後方向内方に向かって下方に傾斜しており、この下端面の外側部分により後述する段差部(69)が形成されるようになっている。そして、第1ヘッダ形成部(56)の頂壁(56a)上面が冷媒流入ヘッダ(9)の頂面の水平平坦面(9a)を形成し、両傾斜壁(56b)(56c)外面が両低位部(9b)(9c)を形成し、垂下壁(56c)外面が前側面の上側部分を形成している。また、第2ヘッダ形成部(57)の頂壁(57a)上面が冷媒流出ヘッダ(11)の頂面の水平平坦面(11a)を形成し、両傾斜壁(57b)(57c)外面が両低位部(11b)(11c)を形成し、垂下壁(57d)外面が後側面の上側部分を形成している。
第1部材(50)の両ヘッダ形成部(56)(57)に、それぞれ前後方向に長い複数の管挿通穴(59)が左右方向に間隔をおいて形成されている。両ヘッダ形成部(56)(57)の管挿通穴(59)は左右方向に関して同一位置にある。管挿通穴(59)の連結部(10)側端部、すなわち第1ヘッダ形成部(56)の管挿通穴(59)の後端部および第2ヘッダ形成部(57)の管挿通穴(59)の前端部はそれぞれ第1の傾斜壁(56b)(57b)に位置しており、これにより管挿通穴(59)の連結部(10)側端部が排水樋(20)の側面に位置している。また、管挿通穴(59)の前後方向外端部、すなわち第1ヘッダ形成部(56)の管挿通穴(59)の前端部および第2ヘッダ形成部(57)の管挿通穴(59)の後端部はそれぞれ第2の傾斜壁(56c)(57c)に位置しており、これにより管挿通穴(59)の前後方向外端部は両ヘッダ(9)(11)の頂面の第2の低位部(9c)(11c)に位置している。
第1部材(50)の両ヘッダ形成部(56)(57)の頂壁(56a)(57a)および両傾斜壁(56b)(56c)(57b)(57c)における管挿通穴(59)の左右両側部分は、管挿通穴(59)に向かって下方に傾斜した傾斜部(61)となっており、各管挿通穴(59)の左右両側の傾斜部(61)により凹所(62)が形成されている。第1部材(50)の両ヘッダ形成部(56)(57)の第2の傾斜壁(56c)(57c)および垂下壁(56d)(57d)の外面に、凝縮水を冷媒ターン用タンク(3)下方に排水する排水溝(63)が、管挿通穴(59)の前後方向外端部に連なって形成されている。排水溝(63)の溝底は、管挿通穴(59)から遠ざかるにつれて徐々に下方に向かっている。排水溝(63)における第2の傾斜壁(56c)(57c)、すなわち第2の低位部(9c)(11c)に存在する部分の溝底は、水平面に対し、前後方向外側に向かって下方に直線状に傾斜している。排水溝(63)における第2の低位部(9c)(11c)に存在する部分の溝底の水平面に対する下向き傾斜角度は45度以上であることが好ましい。排水溝(63)における垂下壁(56d)(57d)に存在する部分の下端は、垂下壁(56d)(57d)の下端面に開口している。
第1部材(50)の連結壁(58)に、左右方向に長い複数の排水用貫通穴(64)が左右方向に間隔をおいて形成されている。また、第1部材(50)の連結壁(58)に、複数の固定用貫通穴(65)が、排水用貫通穴(64)からずれた位置に来るように左右方向に間隔をおいて形成されている。
第2部材(51)は、冷媒流入ヘッダ(9)の下部を形成する第1ヘッダ形成部(66)と、冷媒流出ヘッダ(11)の下部を形成する第2ヘッダ形成部(67)と、両ヘッダ形成部(66)(67)を連結しかつ第1部材(50)の連結壁(58)にろう付されて連結部(10)を形成する連結壁(68)とよりなる。第1ヘッダ形成部(66)は、垂直状の前後両壁(66a)と、前後両壁(66a)の下端どうしを一体に連結する下方に突出した横断面略円弧状底壁(66b)とよりなる。第2ヘッダ形成部(67)は、垂直状の前後両壁(67a)と、前後両壁(67a)の下端どうしを一体に連結する下方に突出した横断面略円弧状底壁(67b)と、前後両壁(67a)の上端部どうしを一体に連結する水平な分流制御壁(67c)とよりなる。第1ヘッダ形成部(66)の後壁(66a)の上端部と第2ヘッダ形成部(67)の前壁(67a)の上端部とが連結壁(68)により一体に連結されている。第1ヘッダ形成部(66)の前壁(66a)外面および第2ヘッダ形成部(67)の後壁(67a)外面は、それぞれ第1部材(50)の第1ヘッダ形成部(56)の垂下壁(56d)外面および第2ヘッダ形成部(57)の垂下壁(57d)外面よりも前後方向内側に位置しており、これにより第1部材(50)の垂下壁(56d)(57d)と第2部材(51)の前後壁(66a)(67a)との接合部に段差部(69)が設けられるとともに、垂下壁(56d)(57d)外面が段差部(69)を介して前壁(66a)および後壁(67a)の外面に対して前後方向外側に位置し、排水溝(63)の下端全体が段差部(69)に開口している(図4参照)。また、第1ヘッダ形成部(66)の前壁(66a)の上縁部外面および第2ヘッダ形成部(67)の後壁(67a)の上縁部外面は、排水溝(63)における垂下壁(56d)(57d)に存在する部分の底面と面一となっている。そして、第1ヘッダ形成部(66)の前壁(66a)外面が冷媒流入ヘッダ(9)の前側面の下側部分を形成し、第2ヘッダ形成部(67)の後壁(67a)外面が冷媒流出ヘッダ(11)の後側面の下側部分を形成している。
第2部材(51)の第2ヘッダ形成部(67)の分流制御壁(67c)における前後方向の中心部よりも後側の部分には、複数の円形冷媒通過穴(71)が左右方向に間隔をおいて貫通状に形成されている。隣り合う円形冷媒通過穴(71)間の間隔は、左端部から遠ざかるにつれて徐々に大きくなっている。なお、隣り合う円形冷媒通過穴(71)間の間隔は、すべて等しくなっていてもよい。第2部材(51)の連結壁(68)における第1部材(50)の排水用貫通穴(64)と合致した位置にそれぞれ左右方向に長い排水用貫通穴(72)が形成され、同じく第1部材(50)の固定用貫通穴(65)と合致した位置にそれぞれ固定用貫通穴(73)が形成されている。
排水補助プレート(54)における第1および第2部材(50)(51)の排水用貫通穴(64)(72)と対応する部分に、その上縁から切り欠き(74)が形成されている。切り欠き(74)の開放部の左右方向の幅は排水用貫通穴(64)(72)の左右方向の長さと等しくなっている。排水補助プレート(54)の前後両面に、それぞれ切り欠き(74)の下端部に連なるように上下方向に伸びかつ下端部が排水補助プレート(54)の下端面に開口した排水補助溝(75)が形成されている。また、排水補助プレート(54)の上縁における第1および第2部材(50)(51)の固定用貫通穴(65)(73)と合致した位置に、上方に突出しかつ両固定用貫通穴(65)(73)に挿通される突起(76)が形成されている。
各キャップ(52)(53)はプレート状であり、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されたものである。右側キャップ(52)の前側には、冷媒流入ヘッダ(9)内に嵌め入れられる左方突出部(77)が一体に形成され、同じく後側には、冷媒流出ヘッダ(11)の分流制御壁(67c)よりも上側の空間(11A)内に嵌め入れられる上側左方突出部(78)と、分流制御壁(67c)よりも下側の空間(11B)内に嵌め入れられる下側左方突出部(79)とが上下に間隔をおいて一体に形成されている。また、右側キャップ(52)の前後両側縁と下縁との間の円弧状部および上縁の前後両端寄りの部分に、それぞれ左方に突出した係合爪(81)が形成され、さらに上下両縁の前後方向中央部に、それぞれ右方に突出した係合爪(82)が形成されている。右側キャップ(52)の前側の左方突出部(77)の底壁および後側の下側左方突出部(79)の底壁に、それぞれ貫通穴(83)(84)が形成されている。前側の貫通穴(83)が冷媒流入ヘッダ(9)内を外部に通じさせ、後側の貫通穴(84)が冷媒流出ヘッダ(11)の分流制御壁(67c)よりも下側の空間(11B)内を外部に通じさせる。
左側キャップ(53)の前側には、冷媒流入ヘッダ(9)内に嵌め入れられる右方突出部(85)が一体に形成され、同じく後側には、冷媒流出ヘッダ(11)の分流制御壁(67c)よりも上側の空間(11A)内に嵌め入れられる上側右方突出部(86)と、分流制御壁(67c)よりも下側の空間(11B)内に嵌め入れられる下側右方突出部(87)とが上下に間隔をおいて一体に形成されている。また、左側キャップ(53)の前後両側縁と下縁との間の円弧状部および上縁の前後両端寄りの部分に、それぞれ右方に突出した係合爪(88)が一体に形成されている。右方突出部(85)および下側右方突出部(87)の底壁には貫通穴は形成されていない。
連通部材(55)はアルミニウムベア材にプレス加工を施すことにより形成されたものであり、右方から見て右側キャップ(52)と同形同大のプレート状であって、その周縁部が右側キャップ(52)の外面にろう付されている。連通部材(55)には、右側キャップ(52)の2つの貫通穴(83)(84)を通じさせるように外方膨出部(89)が形成されている。外方膨出部(89)の内部が、右側キャップ(52)の両貫通穴(83)(84)を通じさせる連通路(91)となっている。また、連通部材(55)の上下両縁における前後方向の中央部には、右側キャップ(52)の係合爪(82)が嵌る切り欠き(92)が形成されている。
冷媒ターン用タンク(3)の第1および第2部材(50)(51)と、排水補助プレート(54)と、両キャップ(52)(53)と、連通部材(55)とは次のようにしてろう付されている。すなわち、第1部材(50)と第2部材(51)とは、連結壁(58)(68)どうしが排水用貫通穴(64)(72)および固定用貫通穴(65)(73)が合致するように合わせられるとともに、両ヘッダ形成部(56)(57)の垂下壁(56d)(57d)下端と第1ヘッダ形成部(66)の前壁(66a)および第2ヘッダ形成部(67)の後壁(67a)上端とが係合させられ、排水補助プレート(54)の突起(76)が両部材(50)(51)の固定用貫通穴(65)(73)に挿通させられてかしめられることにより両部材(56)(57)が仮止めされた状態で、第1部材(50)のろう材層を利用して相互にろう付されている。排水補助プレート(54)は、第1部材(50)のろう材層を利用して両部材(50)(51)の連結壁(58)(68)にろう付されている。両キャップ(52)(53)は、前側の突出部(77)(85)が両部材(50)(51)の第1ヘッダ形成部(56)(66)により形成される空間内に、後側の上突出部(78)(86)が両部材(50)(51)の第2ヘッダ形成部(57)(67)により形成される空間における分流制御壁(67c)よりも上側の部分内に、後側の下突出部(79)(87)が両部材(50)(51)の第2ヘッダ形成部(57)(67)により形成される空間における分流制御壁(67c)よりも下側の部分内にそれぞれ嵌め入れられ、上側の係合爪(81)(88)が第1部材(50)に係合させられ、下側の係合爪(81)(88)が第2部材(51)に係合させられた状態で、各キャップ(52)(53)のろう材層を利用して第1および第2部材(50)(51)にろう付されている。連通部材(55)は、右側キャップ(52)の係合爪(82)が切り欠き(92)内に嵌るように連通部材(55)に係合させられた状態で、右側キャップ(52)のろう材層を利用して右側キャップ(52)にろう付されている。
こうして、冷媒ターン用タンク(3)が形成されており、両部材(50)(51)の第1ヘッダ形成部(56)(66)により冷媒流入ヘッダ(9)が形成され、同じく第2ヘッダ形成部(57)(67)により冷媒流出ヘッダ(11)が形成されている。冷媒流出ヘッダ(11)は分流制御壁(67c)により上下2つの空間(11A)(11B)に区画されており、これらの空間(11A)(11B)は円形冷媒通過穴(71)により連通させられている。右側キャップ(52)の後側貫通穴(84)は冷媒流出ヘッダ(11)の下部空間(11B)に通じている。そして、冷媒流入ヘッダ(9)内と冷媒流出ヘッダ(11)の下部空間(11B)内とが、右側キャップ(52)の貫通穴(83)(84)および連通部材(55)の外方膨出部(89)内の連通路(91)を介して連通させられている。また、両部材(50)(51)の連結壁(58)(68)により連結部(10)が形成され、冷媒流入ヘッダ(9)の第1の低位部(9b)と冷媒流出ヘッダ(11)の第1の低位部(11b)と連結部(10)とにより排水樋(20)が形成されている。
熱交換管(12)はアルミニウム押出形材で形成されたベア材からなり、前後方向に幅広の偏平状で、その内部に長さ方向に伸びる複数の冷媒通路(12a)が並列状に形成されている。熱交換管(12)の前後両端壁の外面の水平断面形状は、中央部が外方に突出した円弧状となっている(図8参照)。なお、以下の説明において、「円弧状」という用語は、厳密な意味での円の一部に限定されるものではなく、たとえばだ円の一部も含むものとする。前側の熱交換管(12)と後側の熱交換管(12)とは、左右方向の同一位置に来るように配置されており、熱交換管(12)の上端部は冷媒入出用タンク(2)の第1部材(16)の管挿通穴(23)に挿通されて第1部材(16)のろう材層を利用して第1部材(16)にろう付され、同じく下端部は冷媒ターン用タンク(3)の第1部材(50)の管挿通穴(59)に挿通されて第1部材(50)のろう材層を利用して第1部材(50)にろう付されている。そして、前側の熱交換管(12)が冷媒入口ヘッダ(5)および冷媒流入ヘッダ(9)に連通し、後側の熱交換管(12)が冷媒出口ヘッダ(6)および冷媒流出ヘッダ(11)に連通している。
ここで、熱交換管(12)の左右方向の厚みである管高さ(h)は0.75〜1.5mm(図7参照)、前後方向の幅である管幅は12〜18mm、周壁の肉厚は0.175〜0.275mm、冷媒通路(12a)どうしを仕切る仕切壁の厚さは0.175〜0.275mm、仕切壁のピッチは0.5〜3.0mm、前後両端壁の外面の曲率半径は0.35〜0.75mmであることが好ましい。
なお、熱交換管(12)としては、アルミニウム押出形材製のものに代えて、アルミニウム製電縫管の内部にインナーフィンを挿入することにより複数の冷媒通路を形成したものを用いてもよい。また、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートに圧延加工を施すことにより形成され、かつ連結部を介して連なった2つの平坦壁形成部と、各平坦壁形成部における連結部とは反対側の側縁より***状に一体成形された側壁形成部と、平坦壁形成部の幅方向に所定間隔をおいて両平坦壁形成部よりそれぞれ***状に一体成形された複数の仕切壁形成部とを備えた板を、連結部においてヘアピン状に曲げて側壁形成部どうしを突き合わせて相互にろう付し、仕切壁形成部により仕切壁を形成したものを用いてもよい。
コルゲートフィン(14)は両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを用いて波状に形成されたものであり、波頂部(14a)、波底部(14b)および波頂部(14a)と波底部(14b)とを連結する平坦な水平状連結部(14c)よりなり(図7参照)、連結部(14c)に複数のルーバが前後方向に並んで形成されている。コルゲートフィン(14)は、前後両熱交換管(12)に共有されており、その前後方向の幅は前側熱交換管(12)の前側縁と後側熱交換管(12)の後側縁との間隔をほぼ等しくなっている。そして、コルゲートフィン(14)の波頂部(14a)および波底部(14b)は、前後の熱交換管(12)にろう付されている。
ここで、コルゲートフィン(14)のフィン高さ(H)は波頂部(14a)と波底部(14b)との直線距離であり、フィン高さ(H)=7.0mm〜10.0mmであることが好ましい。また、コルゲートフィン(14)のフィンピッチ(Pf)は隣り合う波頂部(14a)および波底部(14b)の上下方向の中央部間の間隔(P)の1/2、すなわち(Pf)=P/2であり、フィンピッチ(Pf)=1.3〜1.8mmであることが好ましい。また、コルゲートフィン(14)の波頂部(14a)および波底部(14b)は、熱交換管(12)に面接触状にろう付された平坦部分と、平坦部分の両側に設けられかつ連結部(14c)に連なったアール状部分とよりなるが、アール状部分の曲率半径(R)は0.7mm以下であることが好ましい(図7参照)。
図8および図9に示すように、排水促進部材(30)は中空状であって、前後方向に若干幅広の偏平状となっており、その左右方向の厚みは熱交換管(12)の管高さ(h)である左右方向の厚みと等しくなっている。排水促進部材(30)の前後両面の水平断面形状は、中央部が前後方向外方に突出した円弧状となっている。排水促進部材(30)の前後両側縁と、前後両熱交換管(12)との間には隙間(70)が存在しており、これにより排水路(60)が形成されている。ここで、熱交換管(12)および排水促進部材(30)の左右方向の厚みをh(mm)、上記隙間(70)の最も幅狭部分の前後方向の幅、すなわち左右方向の中央部間の幅をw(mm)とした場合、0<w/h≦1/4の関係を満たしていることが好ましい。w/h>1/4の場合、凝縮水をキャピラリ効果により排水路(60)に引き寄せる効果、および凝縮水をキャピラリ効果により排水路(60)を通って下方に排水する効果が十分ではない場合がある。
エバポレータ(1)は、冷媒入口管(7)および冷媒出口管(8)を除く各構成部材を組み合わせて仮止めし、すべての構成部材を一括してろう付することにより製造される。
エバポレータ(1)は、圧縮機およびコンデンサとともにフロン系冷媒を使用する冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したエバポレータ(1)において、図10に示すように、圧縮機、コンデンサおよび膨張弁を通過した気液混相の2相冷媒が、冷媒入口管(7)からジョイントプレート(21)の冷媒流入口(45)および右側キャップ(19)の冷媒入口(37)を通って冷媒入出用タンク(2)の冷媒入口ヘッダ(5)内に入り、分流して前側のすべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入する。
すべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入した冷媒は、冷媒通路(12a)内を下方に流れて冷媒ターン用タンク(3)の冷媒流入ヘッダ(9)内に入る。冷媒流入ヘッダ(9)内に入った冷媒は右方に流れ、右側キャップ(52)の前側貫通穴(83)、連通部材(55)の外方膨出部(89)内の連通路(91)および右側キャップ(52)の後側貫通穴(84)を通ることにより、流れ方向を変えるようにターンして冷媒流出ヘッダ(11)の下部空間(11B)内に入る。
そして、冷媒入口ヘッダ(5)から前側の熱交換管(12)への冷媒の分流が充分に均一化されていないことに起因して、前側の熱交換管(12)を流れる冷媒の温度(冷媒乾き度)の分布に偏りが生じていたとしても、冷媒流入ヘッダ(9)から冷媒流出ヘッダ(11)の下部空間(11B)内にターンして流入する際に冷媒が混合されることになり、その温度は全体に均一になる。
冷媒流出ヘッダ(11)の下部空間(11B)内に入った冷媒は左方に流れ、分流制御壁(67c)の円形冷媒通過穴(71)を通って上部空間(11A)内に入り、分流して後側のすべての熱交換管(12)の冷媒通路(12a)内に流入する。
熱交換管(12)の冷媒通路(12)内に流入した冷媒は、流れ方向を変えて冷媒通路(12a)内を上方に流れて冷媒出口ヘッダ(6)の下部空間(6b)内に入り、分流用抵抗板(29)の長円形冷媒通過穴(31A)(31B)を通って上部空間(6a)内に入る。ここで、分流用抵抗板(29)によって冷媒の流れに抵抗が付与されるので、冷媒流出ヘッダ(11)の上部空間(11A)から後側の熱交換管(12)への分流が均一化されるとともに、冷媒入口ヘッダ(5)から前側の熱交換管(12)への分流も一層均一化される。その結果、すべての熱交換管(12)の冷媒流通量が均一化され、熱交換コア部(4)全体の温度分布も均一化される。
ついで、冷媒出口ヘッダ(6)の上部空間(6a)内に入った冷媒は、右側キャップ(19)の冷媒出口(38)およびジョイントプレート(21)の冷媒流出口(46)を通り、冷媒出口管(8)に流出する。そして、冷媒が前側の熱交換管(12)の冷媒通路(12a)、および後側の熱交換管(12)の冷媒通路(12a)を流れる間に、通風間隙を図1および図10に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換をし、気相となって流出する。
このとき、熱交換管(12)およびコルゲートフィン(14)の表面、特にコルゲートフィン(14)の表面に多くの凝縮水が発生する。発生した凝縮水の大部分は、キャピラリ効果により熱交換管(12)とコルゲートフィン(14)の波頂部(14a)および波底部(14b)との接合部側に流れる。後側の熱交換管(12)とコルゲートフィン(14)との接合部に引き寄せられた凝縮水は、左右方向に隣り合う熱交換管(12)どうしの間の通風間隙を流れる風により前側に流れるとともに、キャピラリ効果により排水促進部材(30)側に引き寄せられ、排水路(60)内に入る。そして、キャピラリ効果により排水路(60)を通って下方に排水される。したがって、排水性が向上し、その結果凝縮水の凍結を抑制することが可能になり、エバポレータの冷却性能の低下を防止することができる。なお、前側の熱交換管(12)とコルゲートフィン(14)との接合部に引き寄せられた凝縮水は、左右方向に隣り合う熱交換管(12)どうしの間の通風間隙を流れる風により前側に流れ、前側熱交換管(12)の前端面に沿って下方に排水される。
排水路(60)を通って下方に排水された凝縮水は、冷媒ターン用タンク(3)の排水樋(20)内に入り、排水樋(20)内にある程度凝縮水が溜まると、排水用貫通穴(64)(72)を通って連結部(10)の下方に流出し、排水補助プレート(54)の切り欠き(74)の周縁部に沿って流れて排水補助溝(75)内に入り、排水補助溝(75)内を下方に流れてその下端開口から冷媒ターン用タンク(3)の下方へ落下する。前側熱交換管(12)の前端面に沿って下方に排水された凝縮水は、排水溝(63)内に入り、排水溝(63)内を流れてその下端開口、すなわち段差部(69)への開口から冷媒ターン用タンク(3)の下方へ落下する。こうして、発生した凝縮水が排水される。
以下、エバポレータの排水性を評価するために行った実験例について説明する。
実験例1
熱交換管(12)、排水促進部材(30)およびコルゲートフィン(14)が、上記実施形態の構成で、かつ冷媒入出用タンク(2)および冷媒ターン用タンク(3)が取り付けられていない試験体を用意した。熱交換管(12)および排水促進部材(30)の左右方向の厚みhは1.4mm、熱交換管(12)と排水促進部材(30)との隙間(70)の前後方向の幅wは0.25mm、排水促進部材(30)の前後方向の幅は3.5mm、コルゲートフィン(14)のフィン高さ(H)は8mm、フィンピッチ(P)は1.5mmである。そして、熱交換管(12)および排水促進部材(30)の両端開口を密閉した。ついで、この試験体を水槽内の水に浸し、熱交換管(12)どうしの間やコルゲートフィン(14)の間に残存していた空気を除去した後30分間放置した。ついで、試験体を垂直状態で吊り上げて水から出し、この状態で試験体の重量を1800秒間測定することにより、排水性を評価した。
比較実験例1
前後の熱交換管(12)どうしの間に排水促進部材が配置されていないことを除いては、実験例1と同じ構成の試験体を用意し、実験例1と同様にして、排水性を評価した。
実験例1および比較実験例1の結果を図11に示す。なお、図11において、保水重量は、エバポレータを垂直状態で吊り上げて水から出した直後を100%とした場合の比率を表す。保水重量が小さくなるということは、排水された水の量が多くなるということであり、排水性が向上していることになる。
実施形態2
この実施形態は図12に示すものである。
実施形態2の場合、前後両熱交換管(12)の前後方向内側の端壁外面と排水促進部材(30)の前後両面とが接触している。そして、前後両熱交換管(12)と排水促進部材(30)との間に、熱交換管(12)の左右両側面の延長面から左右方向内方に凹みかつ上下方向に伸びる凹所(90)が形成され、この凹所(90)が排水路(80)となっている。ここで、排水路(80)の断面積(図12にクロスハッチングを付した部分)をS(mm)、熱交換管(12)および排水促進部材(30)の左右方向の厚みをh(mm)とした場合、0.05≦S/h≦1.5の関係を満たしていることが好ましい。S/hが上記範囲外の場合、凝縮水をキャピラリ効果により排水路(80)に引き寄せる効果、および凝縮水をキャピラリ効果により排水路(80)を通って下方に排水する効果が十分ではない場合がある。
その他の構成は実施形態1と同じである。
上記2つの実施形態においては、この発明によるエバポレータが、フロン系冷媒を使用するカーエアコンのエバポレータに適用されているが、これに限定されるものではなく、圧縮機、ガスクーラ、中間熱交換器、膨張弁およびエバポレータを有しかつCO冷媒のような超臨界冷媒を使用するカーエアコンを備えた車両、たとえば自動車において、カーエアコンのエバポレータに適用されることがある。
以下、熱交換管と排水促進部材の変形例について説明する。
図13は、実施形態1の場合と同様に、熱交換管と排水促進部材との間に隙間(70)が存在し、この隙間(70)が排水路(60)となっている場合の変形例である。なお、この変形例の説明において、実施形態1と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
図13(a)に示す変形例の場合、排水促進部材(30A)の前後両面は、熱交換管(12)の左右両側面と直角をなす平坦面となっている。
図13(b)に示す変形例の場合、前側熱交換管(12A)の後端壁の外面および後側熱交換管(12A)の前端壁の外面は、それぞれ熱交換管(12A)の左右両側面と直角をなす平坦面となっている。
図13(c)に示す変形例の場合、排水促進部材(30B)の前後両面の水平断面形状が、左右方向の中央部が前後方向外方に突出したV形となっている。
図13(d)に示す変形例の場合、前側熱交換管(12B)の後端壁の外面の水平断面形状が、左右方向の中央部が後方に突出したV形となっており、後側熱交換管(12B)の前端壁の外面の水平断面形状が、左右方向の中央部が前方に突出したV形となっている。
図13(e)に示す変形例の場合、排水促進部材(30B)は図13(c)に示すものと同じであり、前後の熱交換管(12B)は図13(d)に示すものと同じである。
図13(f)に示す変形例の場合、排水促進部材(30A)は図13(a)に示すものと同じであり、前後の熱交換管(12A)は図13(b)に示すものと同じである。
図13(g)に示す変形例の場合、排水促進部材(30B)は図13(c)に示すものと同じでり、前後の熱交換管(12A)は図13(b)に示すものと同じあでる。
図13(h)に示す変形例の場合、排水促進部材(30A)は図13(a)に示すものと同じでり、前後の熱交換管(12B)は図13(d)に示すものと同じである。
図13に示す変形例において、すべての排水促進部材(30)(30A)(30B)はアルミニウム製であって中空状である。また、熱交換管(12)(12A)(12B)の左右方向の厚みと排水促進部材(30)(30A)(30B)の左右方向の厚みとは等しくなっている。さらに、実施形態1で述べた条件、すなわち熱交換管(12)(12A)(12B)および排水促進部材(30)(30A)(30B)の左右方向の厚みをh(mm)、上記隙間の最も幅狭部分の前後方向の幅をw(mm)とした場合、0<w/h≦1/4の関係を満たしていることが好ましい。
図14は、実施形態2の場合と同様に、熱交換管と排水促進部材とが接触しており、前後両熱交換管(12)と排水促進部材(30)との間に、熱交換管(12)の左右両側面の延長面から左右方向内方に凹みかつ上下方向に伸びる凹所(90)が形成され、この凹所(90)が排水路(80)となっている場合の変形例である。なお、この変形例の説明において、実施形態2と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
図14(a)に示す変形例の場合、排水促進部材(30A)の水平断面形状は図13(a)に示すものと同一である。
図14(b)に示す変形例の場合、前後の熱交換管(12A)の水平断面形状は図13(b)に示すものと同一である。
図14(c)に示す変形例の場合、排水促進部材(30B)の水平断面形状は図13(c)に示すものと同一である。
図14(d)に示す変形例の場合、前後熱交換管(12B)の水平断面形状は図13(d)に示すものと同一である。
図14(e)に示す変形例の場合、排水促進部材(30B)および前後の熱交換管(12B)の水平断面形状は図13(e)に示すものと同一である。
図14(f)に示す変形例の場合、排水促進部材(30B)および前後の熱交換管(12A)の水平断面形状は図13(g)に示すものと同一である。
図14(g)に示す変形例の場合、排水促進部材(30A)および前後の熱交換管(12B)の水平断面形状は図13(h)に示すものと同一である。
図14に示す変形例において、すべての排水促進部材(30)(30A)(30B)はアルミニウム製であって中空状である。また、熱交換管(12)(12A)(12B)の左右方向の厚みと排水促進部材(30)(30A)(30B)の左右方向の厚みとは等しくなっている。さらに、実施形態2で述べた条件、すなわち排水路断面積をS(mm)、熱交換管(12)および排水促進部材820)の左右方向の厚みをh(mm)とした場合、0.05≦S/h≦1.5の関係を満たしていることが好ましい。
実施形態1および2、ならびに図13〜図14に示す変形例において、排水促進部材は中空状となっているが、これに限定されるものではなく、中実であってもよい。
排水促進部材が中実の場合、その左右両側面のうち少なくともいずれか一面に、上下方向に伸びる排水溝が形成されていてもよい。その具体例を、図15を参照して、説明する。
図15(a)の排水促進部材(300)の左右両側面には、それぞれ角溝からなる排水溝(400)が形成されている。
図15(b)の排水促進部材(300A)の左右両側面には、それぞれV溝からなる排水溝(400A)が形成されている。
図15(c)の排水促進部材(300B)の左右両側面には、それぞれ円弧溝からなる排水溝(400B)が形成されている。
図15(d)の排水促進部材(300C)の片面には、U溝からなる排水溝(400C)が形成されている。
図15(e)の排水促進部材(300D)の片面には、角溝からなる排水溝(400D)が形成されている。
図15(f)の排水促進部材(300E)の片面には、V溝からなる排水溝(400E)が形成されている。
図15(g)の排水促進部材(300F)の片面には、一方の側面が左右両側面と直角をなしている変形V溝からなる排水溝(400F)が形成されている。
なお、図15(a)〜(g)においては、排水促進部材の前後両面の水平断面形状が、左右方向の中央部が前後方向外方に突出した円弧状となっているが、これに限定されるものではなく、図13(a)および(c)に示すような形状となっていてもよい。
この発明による実施形態1のエバポレータの全体構成を示す一部切り欠き斜視図である。 図1に示すエバポレータを後方から見た際の中間部を省略した垂直断面図である。 図1に示すエバポレータの冷媒入出用タンクの部分の分解斜視図である。 一部を省略した図2のA−A線拡大断面図である。 図1に示すエバポレータの冷媒ターン用タンクの部分の分解斜視図である。 図2のB−B線拡大断面図である。 図2の部分拡大図である。 図4の一部を省略したC−C線拡大断面図である。 図8の部分拡大図である。 図1に示すエバポレータにおける冷媒の流れ方を示す図である。 実験例1および比較実験例1の結果を示すグラフである。 この発明による実施形態2のエバポレータを示す図9相当の図である。 排水促進部材および熱交換管の変形例を示す水平断面図である。 排水促進部材および熱交換管の他の変形例を示す水平断面図である。 排水促進部材のさらに他の変形例を示す水平断面図である。
(1):エバポレータ
(4):熱交換コア部
(5):冷媒入口ヘッダ(第1ヘッダ)
(6):冷媒出口ヘッダ(第2ヘッダ)
(9):冷媒流入ヘッダ(第3ヘッダ)
(11):冷媒流出ヘッダ(第4ヘッダ)
(12)(12A)(12B):熱交換管
(13):熱交換管群
(30)(30A)(30B):排水促進部材
(60):排水路
(70):隙間
(80):排水路
(90):凹所
(300)(300A)(300B)(300C)(300D)(300E)(300F):排水促進部材
(400)(400A)(400B)(400C)(400D)(400E)(400F):排水溝

Claims (18)

  1. 前後方向に間隔をおいて配置され、かつ上下方向に伸びる複数の熱交換管を備えたエバポレータであって、
    熱交換管が偏平状であるとともにその幅方向を前後方向に向けて配置され、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置され、前後の熱交換管と排水促進部材との間に排水路が形成され、排水促進部材の左右方向の厚みが、熱交換管の左右方向の厚みと等しくなっており、前後に隣り合う2つの熱交換管のうち少なくともいずれか一方と、両熱交換管間に配置された排水促進部材との間に隙間が存在し、この隙間が排水路となっており、熱交換管および排水促進部材の左右方向の厚みをh(mm)、排水路の前後方向の幅をw(mm)とした場合、0<w/h≦1/4の関係を満たすエバポレータ。
  2. 前後方向に間隔をおいて配置され、かつ上下方向に伸びる複数の熱交換管を備えたエバポレータであって、
    熱交換管が偏平状であるとともにその幅方向を前後方向に向けて配置され、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置され、前後の熱交換管と排水促進部材との間に排水路が形成され、排水促進部材の左右方向の厚みが、熱交換管の左右方向の厚みと等しくなっており、前後に隣り合う2つの熱交換管のうち少なくともいずれか一方と、両熱交換管間に配置された排水促進部材とが接触しており、排水促進部材と、これと接触している熱交換管との間に、熱交換管の左右両側面の延長面から左右方向内方に凹みかつ上下方向に伸びる凹所が形成され、この凹所が排水路となっており、排水路断面積をS(mm )、熱交換管および排水促進部材の左右方向の厚みをh(mm)とした場合、0.05≦S/h≦1.5の関係を満たすエバポレータ。
  3. 前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面の水平断面形状が、それぞれ円弧状となっている請求項1または2記載のエバポレータ。
  4. 前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面のうちいずれか一方の水平断面形状が円弧状であり、同他方が熱交換管の左右両側面と直角をなす平坦面である請求項1または2記載のエバポレータ。
  5. 前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面のうちいずれか一方の水平断面形状が円弧状であり、同他方の水平断面形状がV形である請求項1または2記載のエバポレータ。
  6. 前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面の水平断面形状が、それぞれV形である請求項1または2記載のエバポレータ。
  7. 前後の熱交換管における排水促進部材側の端壁外面および排水促進部材の前後両面のうちいずれか一方の水平断面形状がV形であり、同他方が熱交換管の左右両側面と直角をなす平坦面である請求項1または2記載のエバポレータ。
  8. 前後方向に間隔をおいて配置され、かつ上下方向に伸びる複数の熱交換管を備えたエバポレータであって、
    熱交換管が偏平状であるとともにその幅方向を前後方向に向けて配置され、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置され、前後の熱交換管と排水促進部材との間に排水路が形成され、排水促進部材の左右方向の厚みが、熱交換管の左右方向の厚みと等しくなっており、前後に隣り合う2つの熱交換管のうち少なくともいずれか一方と、両熱交換管間に配置された排水促進部材との間に隙間が存在し、この隙間が排水路となっており、熱交換管および排水促進部材の左右方向の厚みをh(mm)、排水路の前後方向の幅をw(mm)とした場合、0<w/h≦1/4の関係を満たし、排水路に臨む熱交換管の端壁外面および排水路に臨む排水促進部材の外面が、それぞれ熱交換管の左右両側面と直角をなす平坦面であるエバポレータ。
  9. 排水促進部材の左右両側面のうち少なくともいずれか一方に、上下方向に伸びる排水溝が形成されている請求項1〜8のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  10. 左右方向に間隔をおいて配置された複数の熱交換管からなる熱交換管群が、前後方向に間隔をおいて複数列配置されることにより構成された熱交換コア部と、熱交換管の一端側に配置され、かつ少なくとも1列の熱交換管群の熱交換管が接続された第1ヘッダと、熱交換管の一端側において第1ヘッダの後側に配置され、かつ残りの熱交換管群の熱交換管が接続された第2ヘッダと、熱交換管の他端側に配置され、かつ第1ヘッダに接続されている熱交換管が接続された第3ヘッダと、熱交換管の他端側に配置され、かつ第2ヘッダに接続されている熱交換管群の熱交換管が接続された第4ヘッダとを備えており、前後に隣り合う熱交換管どうしの間に、上下方向に伸びる排水促進部材が配置されている請求項1〜9のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  11. 第1ヘッダと第2ヘッダとが一体化されている請求項10記載のエバポレータ。
  12. 第1ヘッダと第2ヘッダとが、両ヘッダの熱交換管側の部分を形成しかつ熱交換管が接続された第1部材と、両ヘッダにおける熱交換管とは反対側の部分を形成しかつ第1部材にろう付された第2部材とを備えており、これにより両ヘッダが一体化されている請求項11記載のエバポレータ。
  13. 第3ヘッダと第4ヘッダとが一体化されている請求項10〜12のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  14. 第3ヘッダと第4ヘッダとが、両ヘッダの熱交換管側の部分を形成しかつ熱交換管が接続された第1部材と、両ヘッダにおける熱交換管とは反対側の部分を形成しかつ第1部材にろう付された第2部材とを備えており、これにより両ヘッダが一体化されている請求項13記載のエバポレータ。
  15. 第1ヘッダが、冷媒入口を有する冷媒入口ヘッダであり、第2ヘッダが、冷媒出口を有する冷媒出口ヘッダであり、第3ヘッダが、冷媒が冷媒入口ヘッダから熱交換管を通って流入する冷媒流入ヘッダであり、第4ヘッダが、冷媒が熱交換管を通って冷媒出口ヘッダに流出する冷媒流出ヘッダであり、第3ヘッダと第4ヘッダとが連通させられている請求項10〜14のうちのいずれかに記載のエバポレータ。
  16. 圧縮機、コンデンサおよびエバポレータを備えており、かつフロン系冷媒を用いる冷凍サイクルであって、エバポレータが、請求項1〜15のうちのいずれかに記載のエバポレータからなる冷凍サイクル
  17. 圧縮機、ガスクーラ、エバポレータ、減圧器、およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器を備えており、かつ超臨界冷媒を用いる冷凍サイクルであって、エバポレータが、請求項1〜15のうちのいずれかに記載のエバポレータからなる超臨界冷凍サイクル
  18. 請求項16または17記載の冷凍サイクルが、カーエアコンとして搭載されている車両
JP2005374291A 2004-12-28 2005-12-27 エバポレータ Expired - Fee Related JP4774295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005374291A JP4774295B2 (ja) 2004-12-28 2005-12-27 エバポレータ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004378542 2004-12-28
JP2004378542 2004-12-28
JP2005374291A JP4774295B2 (ja) 2004-12-28 2005-12-27 エバポレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006207994A JP2006207994A (ja) 2006-08-10
JP4774295B2 true JP4774295B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=36965051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005374291A Expired - Fee Related JP4774295B2 (ja) 2004-12-28 2005-12-27 エバポレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4774295B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4857045B2 (ja) 2006-07-31 2012-01-18 株式会社アルファ 電動ステアリングロック装置
KR100831850B1 (ko) * 2006-12-14 2008-05-22 모딘코리아 유한회사 열교환기
CN103983126B (zh) 2014-05-28 2016-08-24 丹佛斯微通道换热器(嘉兴)有限公司 换热器
WO2017104050A1 (ja) 2015-12-17 2017-06-22 三菱電機株式会社 熱交換器および冷凍サイクル装置
US10775081B2 (en) 2016-03-17 2020-09-15 Mitsubishi Electric Corporation Heat exchanger and air conditioner
JP6975656B2 (ja) * 2018-02-08 2021-12-01 マーレベーアサーマルシステムズジャパン株式会社 蓄冷機能付きエバポレータ
WO2023121344A1 (ko) * 2021-12-22 2023-06-29 한온시스템 주식회사 열교환기

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58190364A (ja) * 1982-04-30 1983-11-07 Ajinomoto Co Inc ベ−キング食品用乳化バツタ−
JPS61128578A (ja) * 1984-11-28 1986-06-16 Fujitsu Ltd InP系受光素子
JP3942210B2 (ja) * 1996-04-16 2007-07-11 昭和電工株式会社 熱交換器、及びこの熱交換器を用いたルームエアコン並びにカーエアコン
JP2000241093A (ja) * 1999-02-24 2000-09-08 Daikin Ind Ltd 空気熱交換器
JP2001255040A (ja) * 2000-03-10 2001-09-21 Zexel Valeo Climate Control Corp 冷却用熱交換器
JP4431361B2 (ja) * 2002-10-30 2010-03-10 昭和電工株式会社 熱交換器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006207994A (ja) 2006-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4810203B2 (ja) 熱交換器
JP4599245B2 (ja) 熱交換器
JP4734021B2 (ja) 熱交換器
JP5087549B2 (ja) 熱交換器
US7726389B2 (en) Evaporator
JP2006132920A (ja) 熱交換器
JP4774295B2 (ja) エバポレータ
JP4786234B2 (ja) 熱交換器
JP2010112695A (ja) エバポレータ
JP2005291695A (ja) ジョイントプレート半製品、ジョイントプレート、ジョイントプレートの製造方法および熱交換器
JP2008020098A (ja) 熱交換器
JP4945399B2 (ja) 熱交換器
JP2010197019A (ja) エバポレータ
JP2006170601A (ja) エバポレータ
JP2006194576A (ja) エバポレータ
JP2011257111A5 (ja)
JP4866615B2 (ja) 熱交換器
JP5194279B2 (ja) エバポレータ
JP4617148B2 (ja) 熱交換器
JP4759297B2 (ja) 熱交換器
JP5508818B2 (ja) エバポレータ
JP2009299923A (ja) 熱交換器
JP5067731B2 (ja) 熱交換器
JP5574737B2 (ja) 熱交換器
JP2007071432A (ja) 熱交換器およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110531

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110627

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4774295

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees