JP4424923B2 - 非共鳴2光子吸収アゾ化合物及び非共鳴2光子吸収誘起方法 - Google Patents
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- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非線形光学効果を発現する材料に関し、特に非共鳴2光子吸収断面積が大きく、非共鳴2光子吸収により生成した励起状態から効率良く光反応、光重合等を起こすことができる有機非線形光学材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、非線形光学効果とは、印加する光電場の2乗、3乗あるいはそれ以上に比例する非線型な光学応答のことであり、印加する光電場の2乗に比例する2次の非線形光学効果としては、第二高調波発生(SHG)、光整流、フォトリフラクティブ効果、ポッケルス効果、パラメトリック増幅、パラメトリック発振、光和周波混合、光差周波混合などが知られている。また印加する光電場の3乗に比例する3次の非線形光学効果としては第三高調波発生(THG)、光カー効果、自己誘起屈折率変化、2光子吸収などが挙げられる。
【0003】
これらの非線形光学効果を示す非線形光学材料としてはこれまでに多数の無機材料が見い出されてきた。ところが無機物においては、所望の非線形光学特性や、素子製造のために必要な諸物性を最適化するためのいわゆる分子設計が困難であることから実用するのは非常に困難であった。一方、有機化合物は分子設計により所望の非線形光学特性の最適化が可能であるのみならず、その他の諸物性のコントロールも可能であるため、実用の可能性が高く、有望な非線形光学材料として注目を集めている。
【0004】
近年、有機化合物の非線形光学特性の中でも3次の非線形光学効果が注目されており、その中でも特に、非共鳴2光子吸収が注目を集めている。2光子吸収とは、化合物が2つの光子を同時に吸収して励起される現象であり、化合物の(線形)吸収帯が存在しないエネルギー領域で2光子の吸収が起こる場合を非共鳴2光子吸収という。なお、以下の記述において特に明記しなくても2光子吸収とは非共鳴2光子吸収を指す。
【0005】
ところで、非共鳴2光子吸収の効率は印加する光電場の2乗に比例する(2光子吸収の2乗特性)。このため、2次元平面にレーザーを照射した場合においては、レーザースポットの中心部の電界強度の高い位置のみで2光子の吸収が起こり、周辺部の電界強度の弱い部分では2光子の吸収は全く起こらない。一方、3次元空間においては、レーザー光をレンズで集光した焦点の電界強度の大きな領域でのみ2光子吸収が起こり、焦点から外れた領域では電界強度が弱いために2光子吸収が全く起こらない。印加された光電場の強度に比例してすべての位置で励起が起こる線形吸収に比べて、非共鳴2光子吸収では、この2乗特性に由来して空間内部の1点のみで励起が起こるため、空間分解能が著しく向上する。
通常、非共鳴2光子吸収を誘起する場合には、化合物の(線形)吸収帯が存在する波長領域よりも長波でかつ吸収の存在しない、近赤外領域の短パルスレーザーを用いることが多い。いわゆる透明領域の近赤外光を用いるため、励起光が吸収や散乱を受けずに試料内部まで到達でき、非共鳴2光子吸収の2乗特性のために試料内部の1点を極めて高い空間分解能で励起できる。
したがって、非共鳴2光子吸収により得た励起エネルギーを用いて重合を起こすことができれば、3次元空間の任意の場所に重合を起こせ、究極の高密度記録媒体と考えられる3次元光記録媒体や、微細3次元光造形材料等への応用も可能となる。
【0006】
ある程度非共鳴2光子吸収を示す有機化合物として、いわゆるスチルバゾリウム誘導体が知られており(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、及び非特許文献7参照)、ある特定の構造を有するスチルバゾリウム化合物の2光子発光を用いた種々の応用例は特許文献1に記載されている。また、いわゆるスチルベン誘導体やある特定のπ共役系を有する化合物も非共鳴2光子吸収化合物として報告されている(非特許文献8、非特許文献9、特許文献2、特許文献3参照)。
一方で、アゾ化合物はSHG、ポッケルス効果等の非線形光学材料としては非常に多く研究されているが、2光子吸収化合物としては全く研究されていない。
また、特許文献4にはある種の金属アゾキレート化合物を用いた光記録媒体について開示されているが、2光子吸収に関する記載はなく、3次元光記録媒体に関する記載もない。
【0007】
【非特許文献1】
He,G.S.etal.,Appl.Phys.Lett.1995年,67巻,3703頁
【非特許文献2】
He,G.S.et al.,Appl.Phys.Lett.1995年,67巻,2433頁
【非特許文献3】
He,G.S.et al.,Appl.Phys.Lett.1996年,68巻,3549頁
【非特許文献4】
He,G.S.et al.,J.Appl.Phys.1997年,81巻,2529頁
【非特許文献5】
Prasad,P.N. et al.,Nonlinear Optics1999年,21巻,39頁
【非特許文献6】
Ren,Y.et al.,J.Mater.Chem.2000年,10巻,2025頁
【非特許文献7】
Zhou、G.et al.,Jpn.J.Appl.Phys.2001年,40巻,1250頁
【非特許文献8】
Albota、M.et al.,Science 1998年,281巻,1653頁
【非特許文献9】
Rumi、M.et al.,J.Am.Chem.Soc.2000年,122巻,9500頁
【特許文献1】
国際公開(WO)第97/09043号パンフレット
【特許文献2】
国際公開(WO)第99/53242号パンフレット
【特許文献3】
米国特許第6267913号明細書
【特許文献4】
特開平11−166125号公報
【0008】
弱い励起光強度で多くの2光子励起状態分子を得るためには、効率よく2光子吸収を行う有機化合物およびそれを含む2光子吸収材料の開発が必要であるが、上記の非特許文献や特許文献に示された化合物および材料の2光子吸収効率は、実際的な使用に対しては未だ充分な性能を満たしていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
非共鳴2光子吸収により得た励起エネルギーを用いて反応、重合等を起こすことができれば、3次元空間の任意の場所に極めて高い空間分解能で反応、重合等を起こすことができ、究極の高密度記録媒体と考えられる3次元光記録媒体や、微細3次元光造形材料等への応用も可能となるが、現時点で利用可能な2光子吸収化合物では、2光子吸収能が極めて低く、光源としては非常に高出力のレーザーが必要で、かつ記録または造形時間も長くかかり実用的であるとは言えない。特に3次元光記録媒体に使用するためには、速い転送レート達成のために、高感度にて2光子吸収を起こさなければならない。
【0010】
したがって本発明の目的は、高効率に2光子を吸収する材料、すなわち2光子吸収断面積の大きな材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の上記目的は、下記の手段により達成された。
(1) 下記一般式(1)で表されるアゾ化合物と金属塩とから得られる非共鳴2光子吸収を行う金属アゾキレート化合物を用いることを特徴とする非共鳴2光子吸収材料。
【0012】
【化6】
【0013】
一般式(1)中、A1 はそれが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって5員環又は6員環の複素環を形成する残基を表わし、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表わし、Yは少なくとも2つはフッ素原子で置換されている炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、R21、R22はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、またはR21とR22とで環を形成する残基を表わす。更にR21とXとで環を形成してもよい。
(2) 一般式(1)にて、A1 が結合している炭素原子および窒素原子と一緒になってチアジアゾール、イソキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、トリアゾール、ピリジンからなる群より選択された複素環を形成する残基である(1)記載の非共鳴2光子吸収材料。
(3) 前記金属アゾキレート化合物が下記一般式(2−1)〜(2−9)で表されるアゾ化合物と金属塩とから得られることを特徴とする(1)又は(2)に記載の非共鳴2光子吸収材料。
【0014】
【化7】
【0015】
一般式(2−1)〜(2−9)中、Xaは水素原子、メトキシ基、エトキシ基、またはプロポキシ基を表わし、Yは少なくとも2つはフッ素原子で置換されている炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、R101、R102、R103はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表わし、R104、R105はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基、またはカルボン酸エステル基を表わし、R106は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐の、アルキル基、アルコキシ基、もしくはアルキルチオ基を表わし、R107〜R110はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、水素原子、またはハロゲン原子を表わす。
【0021】
(4) 金属アゾキレート化合物において、金属がNi、CoまたはCuであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の非共鳴2光子吸収材料。
(5) (1)〜(4)に記載の非共鳴2光子吸収材料に、該材料に用いる金属アゾキレート化合物の有する線形吸収帯よりも長波長のレーザー光を照射して2光子吸収を誘起することを特徴とする非共鳴2光子吸収誘起方法。
(6) (1)〜(4)に記載の非共鳴2光子吸収材料を用いることを特徴とする3次元光記録媒体。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ化合物と金属塩とから得られる非共鳴2光子吸収を行う金属アゾキレート化合物を用いることを特徴とする非共鳴2光子吸収材料に関するものであるが、本明細書においては、参考のためにその他の事項についても記載した。
以下に、本発明の非共鳴2光子吸収を行う化合物について詳しく説明する。
なお、本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、特に断りの無い限りは、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
【0023】
ここで本発明の非共鳴2光子吸収を行うことを特徴とするアゾ化合物について説明する。アゾ化合物とはR111−N=N−R112構造を有する化合物の総称であり、好ましくは色素である。なおここで色素とは、400〜2000nmの可視光域及び赤外光域に線形吸収を有する化合物の総称である。
R111、R112はそれぞれ独立に好ましくは置換しても縮環しても良いアリール基または置換しても縮環しても良いヘテロ環基を表す。
本発明のアゾ化合物はポリマーに連結されていないことが好ましい。好ましくは分子量が2000以下の化合物である。
【0024】
本発明のアゾ化合物は、アゾ化合物と金属、金属酸化物、または金属塩とから形成される金属アゾキレート化合物であることも好ましい。
【0025】
本発明のアゾ化合物は好ましくは一般式(1)で表される金属アゾキレート化合物または一般式(3)で表されるアゾ化合物である。
【0026】
まず一般式(1)で表される本発明のアゾキレート化合物について説明する。
【0027】
一般式(1)中、A1 はそれが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって5員環又は6員環の複素環を形成する残基を表わし、好ましくはA1 がそれが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になってチアジアゾール、イソキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、トリアゾール、ピリジンからなる群より選択された複素環を形成する残基であることが好ましく、例えば、一般式(1)において
【0028】
【化11】
【0029】
としては下記のものが挙げられる。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
式中、D1 〜D33はそれぞれ独立に、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3から6の環状アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1から6のアルコキシ基;アセチル基、プロピオル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基等の炭素数1〜6のアルキルカルボニル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6の直鎖または分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜6の環状アルケニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ホルミル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基等の炭素数1〜10のアルキルアミノ基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルエチル基等の炭素数3〜7のアルコキシカルボニルアルキル基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、tert−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6のアルキルチオ基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;置換基を有していてもよい炭素数6〜16のアリール基;置換基を有していてもよい炭素数7〜17のアリールカルボニル基;−CD34=C(CN)D35(D34は水素原子またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1から6のアルキル基を表わし、D35はシアノ基またはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシ基を表わす。);
【0033】
【化14】
【0034】
(D36〜D38はそれぞれ独立して水素原子、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3から6の環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1から6のアルコキシ基を表わす。);
【0035】
【化15】
【0036】
(D39〜D41はそれぞれ独立して水素原子、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3から6の環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1から6のアルコキシ基を表わし、LはSCH2 、SO2 を表わす。);トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−sec−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基;トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−tert−ブトキシ基、パーフルオロ−sec−ブトキシ基、パーフルオロ−n−ペンチルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ基等炭素数1から6のフルオロアルコキシ基;トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロエチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ基、ヘプタフルオロイソプロピルチオ基、パーフルオロ−n−ブチルチオ基、パーフルオロ−t−ブチルチオ基、パーフルオロ−sec−ブチルチオ基、パーフルオロ−n−ペンチルチオ基、パーフルオロ−n−ヘキシルチオ基等炭素数1から6のフルオロアルキルチオ基等を表わす。
【0037】
また、前記一般式(1)におけるR21およびR22はそれぞれ独立して水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、好ましくは炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わす。かかる炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基はメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、エトキシメトキシエトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;アリルオキシ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;テトラヒドロフリル基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、tert−ブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、n−ペンチルスルホニル基アミノ、n−ヘキシルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基;n−ヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、sec−ブトキシカルボニルオキシ基、n−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基等で置換されていてもよい。またはR21とR22とで環を形成する残基を表わすが、好ましくは5または6員環である。更にR21とXとで結合して環、好ましくは5または6員環を形成してもよい。
【0038】
Xは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子をあげることができ、特に水素原子、またはメトキシ基が好ましい。Yは、少なくとも2つ(好ましくは3つ以上)はフッ素原子で置換されている炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基である。具体的にはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等の炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、等の合計の炭素数が2〜6のペルフルオロアルキル基で置換されたアルキル基等が例示できる。特に−CH2 CF3 、−CF3 、が特に好ましい。
【0039】
前記アゾ系化合物のうち、前記一般式(2−1)〜(2−9)で表わせるものがより好ましい。
一般式(2−1)〜(2−9)中、Xaは水素原子、メトキシ基、エトキシ基、またはプロポキシ基を表わし、Yは少なくとも2つはフッ素原子で置換されている炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、R101 、R102 、R103 はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、R104 、R105 はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基、またはカルボン酸エステル基を表わし、R106 は、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐の、アルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基を表わす。R107 〜R110 はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、水素原子、またはハロゲン原子を表わす。
【0040】
以下に本発明で用いられる金属キレートアゾ化合物の具体例を挙げるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
【化22】
【0048】
本発明において、アゾ系化合物とのキレート化合物を生成させる金属塩としては、錯体を形成する各種の金属塩を用いることができるが、吸収スペクトルの形状が良好であるという点から、Ni、CoまたはCuの塩が好ましく、また各種溶媒への溶解度や耐光性、耐久性の点から特にNi塩が好ましい。
【0049】
次に一般式(3)で表される本発明のアゾ化合物について説明する。
【0050】
一般式(3)中、R1、R2、R3、R4は、各々独立に、水素原子または置換基である。その具体例は、R5、R6の説明で後述するものを挙げることができる。その中でも好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボキシル基を表わす。更に好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基である。R1とR2、及びR3とR4が互いに結合して環構造を形成しても良い。
R1、R2、R3、R4は、好ましくは、アルキル基(炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、i−プロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−オクタデシル、2−メトキシエチル、3−クロロプロピル)、アリール基(炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル、ナフチル、p−メトキシフェニル、m−クロロフェニル、p−ジエチルアミノフェニル)、ヘテロ環基(炭素数1〜20の置換もしくは無置換のへテロ環基、例えば、2−ピリジル、2−フリル)である。R1とR2、R3とR4の組のうち、どちらか一方は水素原子であり、他方が水素原子ではないことが好ましい。
更に好ましくは、R1、R2のどちらかは、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基又は、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基であり、他方が水素原子であることが好ましい。R3、R4のどちらかは、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基又は、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基であり、他方が水素原子であることが好ましい。
【0051】
R5、R6は、各々独立に、水素原子又は置換基を表わす。置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
更に詳しくは、R5、R6は、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表わす。上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R5は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の無置換アルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20の置換もしくは無置換のアミノカルボニル基、カルボキシル基、またはシアノ基である。
R6は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基である。更に好ましくは、炭素数1〜6の無置換アルキル基である。
Bは、ジアゾニウム塩から誘導可能な、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。つまり、Bは、ジアゾ成分である。ジアゾ成分とは、アミノ基を置換基として有するヘテロ環化合物または、ベンゼン誘導体をジアゾ化合物(ジアゾニウム塩)に変換し、カプラーとのジアゾカップリング反応により導入できる部分構造のことであり、アゾ色素の分野では頻繁に使用される概念である。言い換えれば、ジアゾ化反応が可能であるアミノ置換されたヘテロ環化合物または、ベンゼン誘導体のアミノ基を取り去り一価の基とした置換基である。
【0052】
一価のヘテロ環基の例として以下の(A−1)〜(A−25)を挙げることができる。
【0053】
【化23】
【0054】
【化24】
【0055】
式中、R21〜R50は、各々独立に、水素原子、または置換基である。置換基の例は、R5、R6の説明で述べたものである。
b、cは、0から6の整数である。
a、p、q、rは、0から4の整数である。
d、e、f、g、t、uは、0から3の整数である。
h、i、j、k、l、oは、0から2の整数である。
a〜uが2以上のとき、2つ以上存在するR21〜R50で表される置換基は、同じでも異なっても良い。
【0056】
Bの構造の中で好ましくは、以下の(a)−1、(a)−2、(b)〜(l)の構造である。
【0057】
【化25】
【0058】
式中、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R71、R72、R11、R12、R13、R14、R15は、各々独立に、水素原子、または、置換基を表す。置換基としては、前述のR5、R6の説明で述べたものを例として挙げることができる。
【0059】
本発明の一般式(3)で表されるアゾ化合物は好ましくは一般式(4)にて表される。
【0060】
一般式(4)中、R1a、R2a、R3aは、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。R1a、R2a、R3aは、前記R1、〜R4に記載のアルキル基、アリール基、へテロ環基と同様な例及び好ましいものが挙げられる。R5、R6は、各々独立に、水素原子又は置換基を表わし、一般式(3)におけると同義である。B’は、上述の式(a)−1、(a)−2、(b)〜(l)から選択される構造の基を表わす。
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R61、R62、R63、R64、R65は、R66、R71、R72は、各々独立に水素原子、もしくは置換基を表わす。
その中でも、R1a、R2a、R3aは、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のへテロ環基であり、R5 がアルキル基であり、R6 が水素原子、カルボキシル基、シアノ基、アミノカルボニル基であり、B’が式(f)、(a)−2、(a)−1のものが好ましい。
【0061】
以下に一般式(3)で表される本発明のアゾ化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
【化26】
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
D−86 D−50のNiキレート
D−87 D−51の亜鉛キレート
D−88 D−54のNiキレート
D−89 D−57のNiキレート
D−90 D−67の亜鉛キレート
D−91 D−70の銅キレート
D−92 D−80のNiキレート
D−93 D−80のTiキレート
D−94 D−80の亜鉛キレート
【0067】
また、一般式(1)、(3)以外の本発明のアゾ化合物の好ましい例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
【化30】
【0069】
本発明のアゾ化合物は公知の合成法により合成することができる。例えば、一般式(1)で表される金属キレートアゾ化合物は特開平11−166125号記載の方法により合成できるし、一般式(3)で表される色素も国際特許02/83795号、国際公開(WO)第02/83662号記載の方法により合成することができる。
【0070】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明する。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0071】
[実施例1]
[2光子吸収断面積の評価方法]
本発明の化合物の2光子吸収断面積の評価は、MANSOOR SHEIK-BAHAE et al.,IEEE. Journal of Quantum Electronics. 1990, 26,760.記載のZスキャン法で行った。Zスキャン法は、非線形光学定数の測定方法として、広く用いられている方法であり、集光したレーザビームの焦点付近で、測定試料をビームに沿って移動させ、透過する光量の変化を記録する。試料の位置により、入射光のパワー密度が変化するため、非線形吸収がある場合には、焦点付近で透過光量が減衰する。透過光量変化を、入射光強度、集光スポットサイズ、試料厚み、試料濃度などから予測される理論曲線に対し、フィッティングを行うことにより、2光子吸収断面積を算出した。2光子吸収断面積測定用の光源には、Ti:sapphire パルスレーザー(パルス幅:100fs 、繰り返し:80MHz 、平均出力:1W、ピークパワー:100kW )を用い、700nmから1000nmの波長範囲で2光子吸収断面積を測定した。2光子吸収測定用の試料には、1×10-2の濃度でクロロホルムに化合物を溶かした溶液を用いた。
【0072】
本発明の化合物の2光子吸収断面積を上記方法にて測定し、得られた結果をGM単位で表1に示した(1GM = 1×10-50 cm4 s / photon)。またその際の測定波長を併記した。
【0073】
さらに、下記に示した構造を有する、非特許文献8(M.Albota.et al.,Science.1998年,281巻,1653頁)記載の比較化合物1の2光子吸収断面積を上記の方法で測定し、結果を表1に示した。
【0074】
【化31】
【0075】
【表1】
【0076】
表1から明らかなように、本発明の化合物は比較化合物1に対し極めて大きい2光子吸収断面積が得られることがわかった。
【0077】
【発明の効果】
本発明の非共鳴2光子吸収を行うことを特徴とするアゾ化合物を用いることで、従来よりもはるかに効率よく非共鳴2光子吸収を行う非共鳴2光子吸収材料を得ることができる。
Claims (5)
- 一般式(1)にて、A1が結合している炭素原子および窒素原子と一緒になってチアジアゾール、イソキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、トリアゾール、ピリジンからなる群より選択された複素環を形成する残基である請求項1記載の非共鳴2光子吸収材料。
- 前記金属アゾキレート化合物が下記一般式(2−1)〜(2−9)で表されるアゾ化合物と金属塩とから得られることを特徴とする請求項1又は2に記載の非共鳴2光子吸収材料。
- 金属アゾキレート化合物における金属がNi、CoまたはCuであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の非共鳴2光子吸収材料。
- 請求項1〜4に記載の非共鳴2光子吸収材料に、該材料に用いる金属アゾキレート化合物の有する線形吸収帯よりも長波長のレーザー光を照射して2光子吸収を誘起することを特徴とする非共鳴2光子吸収誘起方法。
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