JP4423539B2 - ヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体およびその製造法 - Google Patents

ヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体およびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体およびその製造法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ヒドロシリル化ノルボルネンカルボン酸類またはヒドロシリル化ノルボルネンジカルボン酸無水物類と、α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体とを反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体、およびその製造法に関する。
従来、(メタ)アクリレート系モノマーや、当該モノマーを単独重合または共重合することにより得られるオリゴマーや重合体は、粘・接着剤や、インキ、塗料等のコーティング剤などの各種用途において、当該樹脂成分として賞用されてきたが、最近ではこれら用途における使用環境の変化につれて、当該樹脂成分に対する要求性能も一段と高度化している。例えば、ウレタン系アクリレートでは、柔軟性を付与するためにウレタン結合が導入されているが、当該結合の影響により、当該アクリレートの粘度が高くなる傾向があり、そのため低粘度化が求められている。また、フレキシブルな成型品に適用するハードコーティング材料としては、単に硬いだけでは足りず、適度の柔軟性をも併せ持つ必要があり、そのためこれら性能を同時に満足しうる(メタ)アクリル系モノマーやオリゴマーの開発が求められている。
また、活性エネルギー線硬化型コーティング用途では、これらのモノマーやオリゴマーが反応性希釈剤として用いられる際の環境面や作業安全性の観点から、臭気や各種毒性(急性毒性、亜急性毒性、粘膜刺激性、皮膚感作性など)を軽減できる新たなモノマー、オリゴマーなどの開発要請も高まっている。
かかる技術的背景に鑑み、本願人はオルガノシロキサン誘導体に着目して、活性エネルギー線硬化性を有する有機−無機ハイブリッド材料(水酸基含有(メタ)アクリルモノマーやオリゴマーと、テトラアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物との反応生成物、や当該生成物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)を提案している(特許文献1参照)。
なお、室温加硫性オルガノポリシロキサン組成物の接着促進剤として有用な化合物、すなわち二無水物終端ポリオルガノシロキサンの製造方法に関する発明が開示されている(特許文献2参照)。
特開2000−191710号公報
特開平5−86071号公報
本発明は、低臭気、低毒性であり、活性エネルギー線硬化性に優れた新規なモノマー、オリゴマーを提供することを目的とする。
本発明者は、前記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、オルガノシロキサン部位とノルボルナン部位と(メタ)アクリロイル部位とを併せ持つ、特定のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体が、低粘度、低臭気であり、活性エネルギー線硬化性に優れ、硬化性収縮が少なくガラス基材への密着性に優れ、かつ透明性に優れた硬化物を提供しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、ハイミック酸または無水ハイミック酸(1b)と一般式(2):
Figure 0004423539
(式中、R は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは1〜100の整数を示す。)で表わされるオルガノシロキサン(1a)を反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネンカルボン酸誘導体(I)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートおよびイソシアネート基含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるα,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体(II)とを反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体;ハイミック酸または無水ハイミック酸(1b)と一般式(2):
Figure 0004423539
(式中、R は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは1〜100の整数を示す。)で表わされるオルガノシロキサン(1a)をヒドロシリル化触媒の存在下に加熱反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネンカルボン酸誘導体(I)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートおよびイソシアネート基含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるα,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体(II)とを反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体の製造方法に関する。
本発明のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体は、活性エネルギー線硬化性に優れることはもとより、その性状は色調や透明性が良好であり、また低粘度、低臭気であるほか、硬化性収縮が少なくガラスへの密着性に優れるなどの特長を有する。(メタ)アクリロイル基の導入量が少ないものは反応性モノマーとして適しており、また当該導入量の多いものは反応性架橋剤、反応性硬化剤などとして有用である。
本発明のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体は、その原料であるヒドロシリル化ノルボルネンカルボン酸誘導体(I)(以下、成分(I)という)と、α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体(II)(以下、成分(II)という)とから構成される。成分(I)は、通常、下記特定のオルガノシロキサン(以下、(Ia)という)とノルボルネンカルボン酸誘導体(以下、(Ib)という)を反応させることにより得られる。成分(Ia)は、成分(Ib)と反応させるため、当該分子内にシリル基(SiH)を少なくとも1個有することが必要である。成分(Ia)は、一般式(2):
Figure 0004423539
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは1〜100の整数を示す。)で表わされる。当該式中、2n+3個のRのうち、1個が水素原子であり、残りが炭素数1〜3のアルキル基であるものが好ましい。また炭素数1〜3のアルキル基のうち、炭素数が1〜2のものが好ましい。成分(Ia)としては、前記のとおり、分子内にシリル基(SiH)を少なくとも1個有するオルガノシロキサンであればよく、シリル基の含有量は、得られる成分(I)における成分(Ib)の導入量や、得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体における成分(II)の導入量などを考慮して適宜に決定できる。シリル基が過少の場合、得られる成分(I)における成分(Ib)の導入量や、得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体における成分(II)の導入量が過少となり、本発明の目的とするヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体を得ることはできない。通常、成分(Ia)中のSiHの含有量は0.5〜1.7(g当量/100g)である。なお、成分(Ib)とのヒドロシリル化の活性が高いため、成分(Ia)におけるシリル基は、当該分子末端はもとより分子内部に存在していてもよい。また、成分(Ia)におけるシロキサン結合(−Si−O−)の繰り返し単位数に応じて、当該シロキサン結合における鎖状構造を適宜に調整できるため、得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体から誘導される活性エネルギー線硬化膜の柔軟性を適宜に調節できる。成分(Ia)の分子量は、得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体の粘度などの作業性を考慮して適宜に決定できる。通常、当該分子量は通常500〜20000程度とされる。これらのことから(Ia)成分として、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを用いることが特に好ましい。
本発明では、(Ib)成分として、ハイミック酸、無水ハイミック酸を用いる。
成分(I)の製造は、例えば次のようにして行うことができる。成分(Ia)と成分(Ib)を、ヒドロシリル化触媒の存在下に加熱することにより、ヒドロシリル化反応を進行させることができる。当該ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば格別限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、その他各種の白金系錯体(例えば、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体、ジカルボニルジクロロ白金、白金−炭化水素複合体、白金アルコラート触媒、塩化白金−オレフィン複合体など)などが挙げられ、またこれら白金化合物以外の触媒として、例えばパラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系などの公知触媒も使用できる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体などが好ましい。ヒドロシリル化触媒の使用量は特に限定されないが、通常は、成分(Ia)中のSiH基1モルに対して、10−1〜10−8モル程度であり、好ましくは10−2〜10−6モルの範囲である。
なお、上記触媒には助触媒を併用することもできる。当該助触媒としては、例えばトリフェニルホスフィンなどのリン系化合物、ジメチルマレエートなどの1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチンなどのアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄などの硫黄系化合物、トリエチルアミンなどのアミン系化合物などが挙げられる。
当該反応に際しては、反応速度を高めたり作業性を改善する観点から、不活性有機溶剤の存在下に反応させることができ、当該不活性有機溶剤としては、例えばトルエン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどを使用できる。加熱温度は、特に限定はされないが、通常は50〜120℃程度、好ましくは50〜80℃とされる。
このようにして得られる成分(I)は、前記一般式(I)であらわされる構造単位を有するものであるが、当該構造単位を2個有する場合には、α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体との反応点が増加し、架橋度があがり硬度が向上するため好ましい。
本発明のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体の構成原料である成分(II)としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートおよびイソシアネート基含有アクリレートが挙げられ、これらは1種単独でまたは複数を組み合わせて使用できる。
上記のようにして得られる成分(I)は、成分(II)と反応させることにより、本発明の目的物であるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体を収得できる。成分(I)と成分(II)との反応比率は、得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体の諸性能を考慮して適宜に決定される。成分(I)と成分(II)との反応比率は、一般的には、〔(I)のカルボキシル基または酸無水物基の当量〕/(II)の反応性官能基の当量=10/1〜1/1であり、好ましくは4/1〜1/1となるように設定するのがよい。ヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体にアクリロイル基を多く導入する事により、架橋度があがり硬度が向上する。また、ヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体中に反応性に富むカルボンキシル基を残存させることにより、その他の併用モノマー、オリゴマーによる変性が容易となり、アルカリによる剥離・除去といったレジスト等の用途への適用も可能となる。
当該反応における反応温度や反応時間などの諸条件は、一義的に定まるものではなく、主として成分(II)における官能基の種類に応じて適宜に決定されるが、当該反応段階における成分(II)の重合が起こらないよう制御するため、通常は酸素の吹き込み下で、または重合禁止剤の存在下で反応させるのがよい。
上記のようにして本発明のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体が得られるが、当該重合性単量体の保存安定性をより向上させるために、硬化遅延剤を配合させることができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などが挙げられ、これらを1種単独で使用または適宜に併用してもよい。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類などが例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類などが例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイドなどが例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジンなどが例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズなどが例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチルなどが例示される。これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
以下に、製造例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
製造例1〔成分(I)の合成(無水ハイミック酸のヒドロシリル化)〕
攪拌機、冷却管、塩化カルシウム管、温度計、滴下ロートを備えた反応容器に、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(慣用名:ハイミック酸)400g(2.44モル)、トルエン750ml、および触媒(塩化白金酸六水和物)4.0gを入れ、また当該滴下ロート中に1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン155.9g(1.16モル)を入れた。反応系内の発熱に注意(60℃〜70℃に保持)しながら攪拌下に、滴下ロートより1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを30分かけて滴下し、その後、70〜80℃にて5時間加熱攪拌を続けた。冷却後、反応系内に活性炭60gを加え、室温で2時間攪拌した。ついで、活性炭と触媒を濾過し、エバポレータを用いて濾液から溶剤を除去し、ジエチルエーテル1350mlを加え再結晶させることにより、室温にて白色結晶が析出した。更に5℃まで冷却し当該結晶を濾別した。真空ポンプを用いて当該結晶を乾燥させることにより、5,5’−(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサンジイル)−ビス−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物280.4gを得た。当該ジカルボン酸無水物のNMR測定結果は以下のとおりである。
H −NMR(300MHz/CDCl3)σ0.06(12H,m)(a),0.67(2H,m)(b),
1.53−1.68(8H,m)(c、d、e),2.77−2.88(4H,dd)(f),3.23(4H,m)(g、h)
13C−NMR(300MHz/CDCl3)σ −1.10(1),−0.90(1),25.9(2),26.8(3),40.4(4),41.1(5),41.7(6),49.5(7),52.7(8),171.9(9),172.2(10)
なお、H、13C−NMRのケミカルシフトの帰属は図1に示す。
実施例1(目的物の合成:ジアクリレート体)
冷却管、撹拌機、温度計を備えた反応容器に、5,5’−(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサンジイル)−ビス−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物50g(0.17モル)、ヒドロキシエチルアクリレート58.3g(0.50モル)、フェノチアジン(重合禁止剤)0.05g、トリエチルアミン5.0g(0.06モル)、およびトルエン250mlを入れ、1時間かけて80℃まで昇温した後、8時間加熱攪拌を続けた。冷却後、エバポレータを用いて濾液から溶剤を除去し、粗生成物108.3gを得た。
当該粗生成物50gを5倍量のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:酢酸エチル10:1→5:1、シリカゲル:メルク(株)製、商品名「シリカゲル60」)により精製し、5,5’−(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサンジイル)−ビス−ノルボルナン−2(または3)−カルボキシルエチルアクリレート(ジアクリレート体:アクリロイル当量293(理論量))30.1gを得た。
以下のNMR分析結果より、当該精製された生成物が、製造例1の酸無水物1分子に対し2個のエチルアクリレートが導入されたものであることを確認した。
H −NMR(300MHz/CDCl3)σ0.40(12H,m), 1.15−1.60(10H,m),2.40−2.70(4H,m),2.78−3.20(4H,m),4.16−4.42(8H,m),5.83(2H,m),6.13(2H,m),6.42(2H,m)
13C−NMR(300MHz/CDCl3)σ −1.10,−0.90,23.3,26.8,39.1,40.8,46.2,49.2,49.6,61.7,62.4,128.0,131.3,166.0,172.0,177.7
実施例2(目的物の合成:テトラアクリレート体)
温度計、撹拌機、冷却管、塩化カルシウム管を備えた反応容器に、実施例1で得られたジアクリレート体1.51g(3.34mmol)、ヒドロキシエチルアクリレート0.85g(7.34mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.65g(5.34mmol)、および塩化メチレン50mlを入れ、氷浴を用いて系内温度を0℃まで冷却した。この溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド1.52g(7.34mmol)を加え、30分間0℃に保った。ついで、氷浴をはずし、室温下で2時間を要して反応系内の攪拌を続けた。析出したジシクロヘキシル尿素を濾別し、得られた濾液を1M塩酸(2×10ml)、1M炭酸水素ナトリウム水溶液(2×10ml)、イオン交換水20mlの順で洗浄した。この洗浄操作中に析出した尿素も濾別し、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥させた。次いで、ヘキサン150mlを加え尿素を析出させた状態で濾過し、エバポレータを用いて溶液を濃縮し、粗生成物1.56gを得た。
当該粗生成物0.60gを10倍量のシリカゲルカラムクロマト(塩化メチレン→クロロホルム)により精製し、5,5’−(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサンジイル)−ビス−ノルボルナン−2,3−カルボキシルエチルアクリレート(テトラアクリレート体)0.33gを得た。
以下のNMR分析結果より、当該精製された生成物が、製造例1の酸無水物1分子に対し4個のエチルアクリレートが導入されたものであることを確認した。
H −NMR(300MHz/CDCl3)σ0.80(12H,m), 0.95−1.90(10H,m),2.42−2.63(4H,m),2.85−2.94(2H,dd),3.08−3.20(2H,dd),4.16−4.42(16H,m),5.83(4H,m),6.13(4H,m),6.42(4H,m)
13C−NMR(300MHz/CDCl3)σ −1.10,−0.60,23.3,26.8,39.1,40.6,41.4,46.2,49.2,61.7,62.4,128.0,131.3,165.8,171.9,172.3
実施例3
実施例1で得られたジアクリレート体100部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュアー184」(以下、「Irg184」と略す))5部をビーカーに測り取り、70℃の加温下で溶解させることにより、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
比較例1
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「DCP−A」、アクリロイル当量152)100部、および「Irg184」5部をビーカーに秤り取り、70℃の加温下で溶解させることにより、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
(性能評価)
1.試験片の調製
上記実施例および比較例で得られた各種の活性エネルギー線硬化性組成物を、ガラス板上にバーコーター#2で塗布し、高圧水銀灯(80W/cm、一灯、照射高度10cm、ベルトスピード20m/分)の下を通過させ、タックフリーになるまで通過を繰り返し、当該皮膜が硬化したことを確認した。
2.評価方法および基準
以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
(1)UV硬化性
硬化試験片を調製する際、当該硬化に至るまで(すなわち、塗膜を爪で擦っても傷がつかなくなるまで)に要した照射線量(mJ/cm2 )を測定した。なお、1回通過による照射線量は67.5mJ/cmである。
(2)硬化膜の外観:目視観察により評価した。
(3)密着性
硬化膜部をクロスカットし、碁盤目セロハンテープ剥離試験(JIS K5400準拠)を行い、テープ剥離後の塗膜の密着状態を以下の基準で評価した。
○:(100〜90)/100、△:(89〜70)/100、×:(69〜0)/100
(4)鉛筆硬度(JIS K−5400準拠)
(5)屈折率
アッベ屈折率計(nD/20℃)にて測定した。
上記評価結果を表1に示す。
Figure 0004423539
本発明のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体は、新規な活性エネルギー線硬化性モノマーやオリゴマーであり、各種の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に適用できる。また、本発明のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体は、ラジカル重合触媒等により、または活性エネルギー線を照射することにより、単独重合または他のモノマー類との共重合を行わせることができるため、当該重合体は、活性エネルギー線硬化性が要求される各種の用途、例えばコーティング剤(インキ、塗料など)、性接着剤、写真用材料、光硬化性樹脂、光学用材料、繊維処理剤、光ファイバー保護剤、離型剤、成形材料、プラスチック改質剤、選択性透過膜等に適用しうる。
製造例1で得られた5,5’−(1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサンジイル)−ビス−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物に関するH、13C−NMRのケミカルシフトの帰属である。

Claims (4)

  1. ハイミック酸または無水ハイミック酸(1b)と一般式(2):
    Figure 0004423539
    (式中、R は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは1〜100の整数を示す。)で表わされるオルガノシロキサン(1a)を反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネンカルボン酸誘導体(I)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートおよびイソシアネート基含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるα,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体(II)とを反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体。
  2. オルガノシロキサン(Ia)が、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである請求項1に記載のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体。
  3. ヒドロシリル化ノルボルネンカルボン酸誘導体(I)とα,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体(II)との反応比率が、〔(I)のカルボキシル基または酸無水物基の当量〕/(II)の反応性官能基の当量=10/1〜1/1である請求項1または2に記載のヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体。
  4. ハイミック酸または無水ハイミック酸(1b)と一般式(2):
    Figure 0004423539
    (式中、R は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは1〜100の整数を示す。)で表わされるオルガノシロキサン(1a)をヒドロシリル化触媒の存在下に加熱反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネンカルボン酸誘導体(I)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートおよびイソシアネート基含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるα,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体(II)とを反応させて得られるヒドロシリル化ノルボルネン系重合性単量体の製造方法。
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