JP4421249B2 - 偏光分離素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光分離素子の製造方法に関する。
直交する2つの偏光成分を分離する方法として、特許文献1では、透明基板上に入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜を接着し、かつ有機複屈折膜の表面に周期的な凹凸(回折格子)を形成した偏光分離素子が提案されている。また、特許文献1には、透明基板に有機複屈折膜を接着し、その後、有機複屈折膜の表面にフォトリソグラフィーによって周期的なレジストマスクを形成し、必要があればリフトオフによって金属マスクに反転した後、ドライエッチングによって回折格子を形成するプロセスなどが開示されている。
貼り合せ光ディスクの作製方法で、回転中に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化する方法が、特許文献2,3に開示されている。
特開2000−75130号公報 特開平10−334521号公報 特開2000−268416号公報
光ディスク用の光ピックアップでは、光源からの入射光と光ディスクからの反射光(情報信号)を分離して、反射光(情報信号)を効率良く受光素子に導くために、偏光分離素子が用いられている。従来はプリズムを接着したビームスプリッタとλ/4波長板の組み合わせが用いられていたが、ピックアップの小型化、低コスト化の要求に答えるため、ビームスプリッタの替わりに薄型の偏光分離素子が実現できる複屈折回折格子型偏光分離素子が開発されつつある。
直交する2つの偏光成分を分離する方法として、特許文献1では透明基板上に入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜を接着し、かつ、有機複屈折膜表面に周期的な凹凸格子(回折格子)を形成した偏光分離素子が提案されている。なお、有機複屈折膜は延伸した有機高分子材料からなる。
この偏光分離素子では、接着剤を用いて有機複屈折膜を透明基板へ接着する際に、回折格子面内で光路を一定とするため、接着層の厚さを均一にする必要がある。また接着層に気泡が入ると、光(入射光、出射光)が気泡によって散乱し、回折効率が低下するため、気泡を巻きこまないような接着法が必要となる。
以上の点から、透明基板へ有機複屈折膜を接着する方法は、貼り合せ光ディスクで用いられているスピンナー法が適している。
スピンナー法による貼り合せ光ディスクの製造方法を、図14を参照して以下に説明する。この製造方法では、以下の(a)〜(e)の順に工程が進む。
(a)まず、第1の基板501のハブ502をスピンテーブル503のセンターピン504にさし込み、スピンテーブル503を回転させながら、第1の基板501に紫外線硬化型接着剤505を滴下する。
(b)第1の基板501の周辺部まで接着剤505が広がったらスピンテーブル503の回転を停止する。
(c)第2の基板506のハブ507をスピンテーブル503のセンターピン504にさし込み、第1の基板501と第2の基板506を接触させる。
(d)スピンテーブル503を回転させ、余分な接着剤を振り切り、接着層厚さを一定にする。
(e)スピンテーブル503の回転を停止し、紫外線を照射して接着層を硬化し、貼り合せ光ディスクを完成させる。
貼り合せ光ディスクでは、約0.6mmのポリカーボネート基板やPMMA基板同士を接着している。これは、基板が比較的厚いため剛体として取り扱うことができる。そのため第1の基板501に第2の基板506を載置すると、第1の基板501に載置した後でも第2の基板506の平坦性は良く、第2、第1の基板506,501を高速回転させると、光ディスクの表面を完全に平坦化することができる。
しかしながら、偏光分離素子の作製においては、偏光分離素子の大きさが数mm角程度であるため、直径4〜8インチの透明基板に接着された有機複屈折膜上に数10〜数100個の回折格子をアレイ状に作製し、その後ダイシングによって個々の偏光分離素子を取り出している。また1枚の基板から取れる偏光分離素子数を多くするため、有機複屈折膜603や透明基板にはハブ502、507を設けていない。
そのため、図15に示すように、スピンテーブル503に透明基板601を真空吸着し、その後、透明基板601の中央に紫外線硬化型接着剤602を滴下し、スピンテーブル503を回転して接着剤602を透明基板601の全面に広げた後、有機複屈折膜603を透明基板上601に載せるが、有機複屈折膜603にはハブがないため、センターピン504で固定できず、フリーな状態で透明基板601に載る。一般的には載置装置を用いて有機複屈折膜603を接着剤602が塗付された透明基板601に載せるが、スピンテーブル503の回転中心に有機複屈折膜603の中心を正確に合せることは、載置装置の機械的精度の点から困難な場合が多い。そのため有機複屈折膜603がスピンテーブル503の回転中心に載っていない場合、前述の工程のようにスピンテーブル503を回転させると(図15(a))、有機複屈折膜603が位置ずれを起こす不具合が発生する(図15(b))。この位置ずれが大きい場合は透明基板601から有機複屈折膜603がはみ出してしまう。
そして、紫外線照射によって接着剤602を硬化させた後、回折格子を形成するため、リソグラフィー、ドライエッチングを行うが、装置内や工程間の搬送は基板601の側面をクランプして行うことが多く、透明基板601から有機複屈折膜603がはみ出していると搬送が困難になり、回折格子を形成できなかった。
そのため、スピンテーブル503の回転中に有機複屈折膜603の位置ずれが発生した場合は、スピンテーブル503の回転を停止し、適切な位置へ有機複屈折膜603を戻す作業を行い、再びスピンテーブル503を回転させる必要があり、上記の作業を繰り返すことによって貼り合せ工程のスループットを遅くしていた。また、上記の作業のため、スピンテーブル503の回転時間を一定にすることができず、各基板601間で接着層厚さが不均一になる問題も発生していた。
スピンテーブル503の回転中に有機複屈折膜603の位置ずれを起こさせないためには、回転中に紫外線を照射する方法が考えられる。例えば貼り合せ光ディスクの作製方法では、特許文献2,3において、回転中に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤505を硬化する方法が提案されている。
しかしながら、偏光分離素子の作製においては、接着層厚さを均一化するため基板601をある程度回転させた後に紫外線を照射しなければならないので、有機複屈折膜603の位置ずれを完全に防止することは困難であった。
また、載置装置に画像認識機能を搭載し、スピンテーブル503の回転中心と有機複屈折膜603の中心を検出し、載置装置にフィードバック制御を掛けながらスピンテーブル503の回転中心に有機複屈折膜603の中心を置くような手段を用いた場合は、スピンテーブル503の回転中心と有機複屈折膜603の中心との位置合せ精度を著しく向上できるため、スピンテーブル503の回転中に有機複屈折膜603の位置ずれが起きにくい。
しかしながら、載置装置にCCD等を用いた検出装置やフィードバック制御系を設ける必要があり、載置装置のコストが上昇する。また、貼り合せ時に位置検出やフィードバック制御を行うため、貼り合せ工程のスループットが低下してしまう。そのため、安価に偏光分離素子を作製することが困難である。
また、有機複屈折膜603は面内の2方向で屈折率が異なるため、面内の2方向のうち特定の1方向に回折格子を形成する必要がある。そのため、リソグラフィー工程では有機複屈折膜603の面内で屈折率が異なる2方向のうち特定の1方向(有機複屈折膜603の「露光基準軸」という)に揃えてレジストパターンを形成しなければならない。そのため、有機複屈折膜603に露光基準軸の指標となるマーク(通常はオリエンテーションフラットを用いる)を設け、有機複屈折膜603のマークを基準位置としてレジストパターンを形成する。
露光には縮小投影露光装置が用いられるが、通常、縮小投影露光装置では、基板601のオリエンテーションフラットを検出し、オリエンテーションフラットを基準位置にして1st露光(下層とアライメントを行わない露光)行う。そのため、透明基板601の内側にある有機複屈折膜603のマークを基準位置にして1st露光をおこなうためには、別の機構が必要になり、装置のコストアップに繋がる。
そのため、図15に示すように、透明基板601にもオリエンテーションフラット611を設け、有機複屈折膜603の接着工程で透明基板601のオリエンテーションフラットと有機複屈折膜603のマークの相対位置を許容範囲内で抑え(有機複屈折膜603にオリエンテーションフラット612を設ける場合は、透明基板601と有機複屈折膜603のオリエンテーションフラット612とをお互いに平行にする)、露光工程では透明基板601のオリエンテーションフラット612を基準位置にして1st露光を行っている。
そして、有機複屈折膜603の接着工程において、有機複屈折膜603が透明基板601からはみ出さない程度に位置ずれを抑え込むことができた場合においても、有機複屈折膜603の僅かな位置ずれは有機複屈折膜603のマークと透明基板601のオリエンテーションフラット612の相対位置をずらし、許容範囲を超える割合を多くする。その結果、露光工程では透明基板601のオリエンテーションフラット611を基準位置にするため、レジストパターンの方向が有機複屈折膜603の露光基準軸と一致しない割合が増加し、所望の光学特性を持つ偏光分離素子が得られる歩留が低下してしまう不具合がある。
また、特許文献には、透明基板に有機複屈折膜を接着し、その後、有機複屈折膜の表面にフォトリソグラフィーによって周期的なレジストマスクを形成し、必要があればリフトオフによって金属マスクに反転した後、ドライエッチングによって回折格子を形成するプロセスを開示している。また、有機複屈折膜の表面にフォトリソグラフィーによって周期的なレジストマスクを形成し、その後ドライエッチングによって回折格子を形成し、その後、透明基板に回折格子を形成した有機複屈折膜を接着するプロセスを開示している。
しかしながら、特許文献に開示のプロセスに貼り合せ光ディスクで採用されている接着法を用いると、以下の問題が発生する。
すなわち、接着後の有機複屈折膜603の表面の凹凸が影響を与える項目は、回折格子を形成するためのマスクパターンを作製する露光工程での1ショット(shot)面積と、偏光分離素子の波面収差である。
貼り合せ光ディスクに用いられた方法によって有機複屈折膜を接着した場合、数mm角範囲では有機複屈折膜の凹凸は小さいが、うねりのようなロングスパン(long span)が発生することが判明した。接着後の有機複屈折膜の凹凸の概念図を図17に示す。
ここで1個の偏光分離素子の大きさを5mm角、露光には縮小投影露光装置としてニコン社のNSR2205i12Dを用いた場合、偏光分離素子の波面収差から許容される有機複屈折膜の凹凸は1.0μm以下であり、NA=0.50では焦点深度が2.9μmになることが実験により確かめられている。
上記のデータから偏光分離素子の波面収差を小さくするためには、少なくとも5mm角で凹凸を1.0μm以下に抑える必要がある。これを波面収差から規定される凹凸を、仮に凹凸(A)とする。
また、前述のNSR2205i12Dは最大の露光面積は22mm角であり、リソグラフィーの焦点深度が2.5μmであることから、2.5mm以下の凹凸であれば、1ショットで露光できることになる。ここで焦点深度から規定される凹凸を、仮に凹凸(B)とする。
有機複屈折膜を透明基板に接着後回折格子を形成するプロセスでは、数mm角範囲では有機複屈折膜の凹凸は小さいため、5mm角では波面収差から規定される凹凸(A)以下となり、作製されるほぼ全ての偏光分離素子は、実用上問題ない波面収差に抑えられている。
一方、1ショットの露光面積を見ると、うねりのようなロングスパンの凹凸が焦点深度から規定される凹凸(B)を超えるため、1ショットの露光面積を22mm角には設定できず、1ショットの露光面積を小さくする必要があった。2.0μmピッチ、duty=50%のパターンを露光する場合は、露光面積は10mm角に限定され、リソグラフィーのスループットを低下させていた。
また、露光工程でより微細なパターンを露光しようとすると、リソグラフィーの焦点深度が低下し、波面収差から規定される凹凸(A)より焦点深度から規定される凹凸(B)が大きくなる場合がある。その場合は1ショットの露光面積を1chip角としても、有機複屈折膜603を透明基板に接着後、回折格子を形成するプロセスでは偏光分離素子の製造歩留が著しく低下してしまう不具合がある。
次に、有機複屈折膜に回折格子を形成した後に透明基板に接着するプロセスの問題点を説明する。
膜形状の部材にリソグラフィーを行なう装置はプラスチックLCDで利用されており、このような装置を用いることで有機複屈折膜上にレジストパターンを形成できる。しかしながら、膜形状の部材をドライエッチングする装置は市販されておらず、透明基板に固定しないまま有機複屈折膜を加工することは実用上不可能である。
また、膜形状の部材を加工できるドライエッチング装置を新規に開発した場合においても、以下の懸念がある。
すなわち、光ディスクは0.6mm厚さであるためカセットラックに収納し、カセットラックに吸着アームを挿し込み、記録層と対抗する面を吸着アームで保持することで、記録層にキズを付けないでハンドリングを行っている。
しかし、偏光分離素子では入手可能な有機複屈折膜の厚さは50〜100μm程度であるため、カセットラックに収納することができず、1枚ずつ横置きにして吸着アームで回折格子を形成した面を保持する必要がある。そのため、接着時のハンドリングによって回折格子にキズをつけ、偏光分離素子の波面収差を低下させる懸念がある。
吸着アームの機構を工夫して回折格子を形成した面と対向する面のみを保持することも考えられるが、吸着アームの機構が複雑化してしまう。
本願発明は、以上のような諸問題の解決のためになされたもので、偏光分離素子を製造するために最適な技術を提供することを目的とする。
請求項に記載の発明は、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜の一方の面上に紫外線を透過する周期的なマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記有機複屈折膜の前記マスクパターンを形成した面と反対の面で前記有機複屈折膜を透明基板に接着する接着工程と、前記のマスクパターンを用いて前記有機複屈折膜の表面をエッチングして周期的な凹凸による回折格子を形成する回折格子形成工程と、を含む偏光分離素子の製造方法において、前記接着工程では、前記透明基板に基板面方向の回転である第1の回転を与えて当該透明基板全面に紫外線硬化型接着剤を塗布し、その後、前記紫外線硬化型接着剤上に前記マスクパターンを形成した面と反対側の面で前記有機複屈折膜を載置し、その後、前記透明基板に基板面方向の回転である第2の回転を与えて前記有機複屈折膜表面を平坦化し、前記第2の回転中に前記紫外線硬化型接着剤を溶解し、かつ、前記有機複屈折膜を溶解しない有機溶媒を滴下して前記透明基板の周辺部の紫外線硬化型接着剤を除去し、その後、前記透明基板に第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化する処理を行う。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の偏光分離素子の製造方法において、前記マスクパターン形成工程では、前記マスクパターンを、SiO,Si,SiON,In,ITO(Indium thin Oxide)の各材料からなる群のうちの少なくとも1つの材料で形成する。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の偏光分離素子の製造方法において、前記接着工程では、前記有機溶媒としてイソプロピルアルコールとアセトンとのうち少なくとも一方を用いる。
請求項に記載の発明は、第1の回転を与えて透明基板全面に紫外線硬化型接着剤が塗布されるため、透明基板上では接着剤が無い領域が発生せず、かつ周期的なマスクパターンが紫外線を透過するため、第1の紫外線を照射することで透明基板とマスクパターンを形成した有機複屈折膜は全面接着が実現できる。
また、接着された有機複屈折膜表面の平面性は、従来例と同様にうねりのようなロングスパンの凹凸は残るかもしれないが、数mm角程度の範囲における凹凸は低減できる。偏光分離素子の波面収差に影響を与えるのは、この数mm角範囲の凹凸であるため、接着された有機複屈折膜上では数mm角の平面性は良好であるので、個々の偏光分離素子の波面収差は実用上問題ないレベルに抑えることができる。
さらに、接着前に有機複屈折膜表面に既にマスクパターンを形成しているため、接着後のうねりのようなロングスパンの凹凸は、マスクパターンを形成する露光での1ショットの露光面積や解像度に影響を与えない。
そのうえ、1ショットの露光面積や解像度はマスクパターンを形成する露光での有機複屈折膜の平坦性で決定される。マスクパターンを形成する露光では有機複屈折膜へ引っ張りのテンションをかけて平坦化して行なったときは、従来よりも露光時の凹凸を小さくできる。その結果、従来よりも1ショットの露光面積を拡大でき、露光時のスループットを改善できる。そして、解像度が向上するため、より微細な回折格子を形成できる。
第2の回転中に紫外線硬化型接着剤を溶解し、かつ有機複屈折膜を溶解しない有機溶媒を滴下するため、有機複屈折膜で被覆されていない透明基板周辺の紫外線硬化型接着剤は除去される。その結果、装置間や装置内の搬送で基板の周辺部をハンドリングしても、基板の周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子の製造歩留を向上できる。
透明基板を回転させながら前記の有機溶媒を滴下するため、有機溶媒には遠心力がかかり、有機複屈折膜と透明基板とで挟まれた領域にある紫外線硬化型接着剤へは染み込みにくいので、第1の紫外線を照射することで透明基板と有機複屈折膜は十分な接着面積が得られる。
また、接着された有機複屈折膜表面の平面性について見ると、請求項2,3と同様にうねりのようなロングスパンの凹凸は残るが、数mm角範囲の凹凸は小さくなる。その結果,個々の偏光分離素子の波面収差は実用上問題ないレベルに抑えることができる。
さらに、マスクパターンを形成するために露光を行なう場合に、有機複屈折膜へ引っ張りのテンションをかけて平坦化して行なえば、従来よりも1ショットの露光面積を拡大できる。また、より微細な回折格子を形成できる。
そのうえ、第2の回転中に紫外線硬化型接着剤を溶解し、かつ有機複屈折膜を溶解しない有機溶媒を滴下するため、有機複屈折膜で被覆されていない透明基板周辺の紫外線硬化型接着剤は除去される。
透明基板を回転させながら前記の有機溶媒を滴下するため、有機溶媒には遠心力がかかり、有機複屈折膜と透明基板とで挟まれた領域にある紫外線硬化型接着剤へは染み込みにくいので、第1,第2の紫外線を照射することで透明基板と有機複屈折膜は十分な接着面積が得られる。
第2の回転中に第1の紫外線照射を行うことで紫外線硬化型接着剤を半硬化させるため、紫外線硬化型接着剤と有機複屈折膜との固着力が強まり、第2の回転によって起こる有機複屈折膜の位置ずれを低減できる。その結果,有機複屈折膜が透明基板からはみ出す頻度が小さくなり、搬送不良を低減できより低コストで偏光分離素子を作製できる。
接着前に有機複屈折膜の面内の2方向のうち特定の1方向に平行にマスクパターンを形成すれば、第2の回転中に有機複屈折膜が僅かに動き透明基板上で有機複屈折膜が回転した場合においても、前記のマスクパターンを用いて有機複屈折膜をエッチングするため、回折格子の方向を有機複屈折膜の面内の2方向のうち特定の1方向に揃えることができ、所定の回折効率が得られる。
また、接着された有機複屈折膜表面の平面性について見ると、請求項2〜4と同様にうねりのようなロングスパンの凹凸は残るが、数mm角範囲の凹凸は小さくなる。その結果、個々の偏光分離素子の波面収差は実用上問題ないレベルに抑えることができる。
さらに、マスクパターンを形成するために露光を行なう場合に、有機複屈折膜へ引っ張りのテンションをかけて平坦化して行なえば、従来よりも1ショットの露光面積を拡大できる。また、より微細な回折格子を形成できる。
そのうえ、第3の回転中に紫外線硬化型接着剤を溶解し、かつ有機複屈折膜を溶解しない有機溶媒を滴下するため、有機複屈折膜で被覆されていない透明基板周辺の紫外線硬化型接着剤は除去される。
透明基板を回転させながら前記の有機溶媒を滴下するため、有機溶媒には遠心力がかかり、有機複屈折膜と透明基板とで挟まれた領域にある紫外線硬化型接着剤へは染み込みにくいので、第1第2の紫外線を照射することで透明基板と有機複屈折膜は十分な接着面積が得られる。
更に、第2の回転を停止して有機複屈折膜を透明基板上で滑動し、位置を修正した後透明基板と有機複屈折膜の相対位置が許容値内であることを確認した後、第1の紫外線照射を行ない紫外線硬化型接着剤を半硬化させため、透明基板と有機複屈折膜の相対位置を許容値内に納めて有機複屈折膜と透明基板の固着力を強めることができる。その結果、第3の回転中で有機複屈折膜の位置ずれは更に起き難くなり、有機複屈折膜が透明基板からはみ出す頻度を更に小さくできる。
接着前に有機複屈折膜の面内の2方向のうち特定の1方向に平行にマスクパターンを形成した場合には、第3の回転中に有機複屈折膜が僅かに動き、透明基板上で有機複屈折膜が回転した場合においても、前記のマスクパターンを用いて有機複屈折膜をエッチングするため、回折格子の方向を有機複屈折膜の面内の2方向のうち特定の1方向に揃えることができ、所定の回折効率が得られる。
請求項記載の発明によれば、SiO,Si,SiON,In,ITOは酸を主成分とするエッチング液で除去できる。具体的にはSiO,Si,SiONはフッ酸系のエッチング液によって、In,ITOは第2塩化鉄および塩酸系のエッチング液で除去できる。よって、ウエットエッチングは被エッチング物である紫外線を透過する周期的なマスクパターンと有機複屈折膜の選択比が大きいため、マスクパターンの除去工程では有機複屈折膜のエッチング形状を劣化させず、良好な回折格子の形状を作ることができる。
また、SiO,Si,SiON,In,ITOはほとんどの有機溶媒に不要であることから、第2、第3の回転中に紫外線硬化型接着剤を溶解し、かつ有機複屈折膜を溶解しない有機溶媒を滴下しても、マスクパターンの形状は劣化しない。
請求項に記載の発明によれば、貼り合せ光ディスク等の貼り合せ工程で広く用いられているアクリル系やエポキシ系紫外線硬化型接着剤は、イソプロピルアルコールとアセトンに非常によく溶解するので、イソプロピルアルコールやアセトンを用いると、有害性の大きい他の有機溶媒を用いるより作業環境や装置安全性を向上できる。
発明を実施するための最良の形態について複数例説明する。
[偏光分離素子の製造方法1]
図1、図2は、本実施形態1である偏光分離素子の製造方法の工程(a)〜(n)を示す説明図である。本製造方法の工程は、この(a)〜(n)の順に進行する。
(a)まず、120mm角に切断した厚さ80μmの有機複屈折膜101の四隅に引っ張りのテンション(矢印で示す)を与え、有機複屈折膜101を平坦化する。その後、有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、有機複屈折膜101表面にスプレー法やロールコート法によってポジレジスト102(例えば、住友化学社のPFi−34)を塗布し、60℃のプリベークを行なう。
(b)有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、縮小投影露光装置(例えば、ニコン社のNSR2205i12D)を用いて、レチクル103上の周期的なパターン(ピッチ2.0μm、duty=50%)を有機複屈折膜101の遅相軸に平行に露光する。尚、露光はNA=0.50で行い、1ショットは15mm角とする。
偏光分離素子1では有機複屈折膜101の面内の2方向のうち特定の1方向は回折格子112を揃える必要がある。本例では周期的なパターンを遅相軸に平行に露光することで回折格子112の方向を遅相軸に平行な方向に合わせることができる。
(c)現像液(例えば、東京応化工業製NMD−3の2.38%溶液)を用いてディップ現像を行い、有機複屈折膜101表面に周期的なレジストパターン104を完成させる。
(d)有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、周期的なレジストパターン104上に有機複屈折膜101と後述の透明基板105の接着に用いる紫外線硬化型接着剤109(後述)を硬化するための紫外線を透過する膜106をスパッタ法や真空蒸着法によって50から100nm成膜する。本例では紫外線を透過する膜106として、EB蒸着法によるITO(Indium thin Oxide)膜を60nm成膜する。紫外線を透過する膜106(ITO)を成膜した後、有機複屈折膜101の引っ張りのテンションを解除する。
(e)有機複屈折膜101をアセトン浴に浸漬し、10分間の超音波振動を与えてリフトオフを行い、周期的なレジストパターン104から紫外線を透過する周期的なマスクパターン(ITOパターン)107を形成する。その後、有機複屈折膜101をφ90mmに切断する。
(f)そして、直径100mm、厚さ1.0mmの透明基板105(例えば、光学ガラス(例えば、ショット社のBK7))をスピンテーブル111に載せ、真空吸着によってスピンテーブル111に固定する。その後スピンテーブル111を10〜50rpmで回転させて、透明基板105を基板面方向に回転させながら、透明基板105の中央部にディスペンサー108を用いて屈折率1.52のアクリル系紫外線硬化型接着剤109を3〜10g滴下する。その後、スピンテーブル111を150〜500rpmで回転させ(第1の回転)、透明基板105の全面に紫外線硬化型接着剤109を広げ(図1(g))、スピンテーブル111の回転を停止する。
(h)有機複屈折膜101の中心をスピンテーブル111の回転中心にほぼ合せながら、載置装置を用いて紫外線硬化型接着剤109の上に、前記のマスクパターン(ITOパターン)を形成する面と反対側の面で有機複屈折膜101を載せる。
(i)スピンテーブル111を1000〜3000rpmで回転させることで、透明基板105を基板面方向に回転させて(第2の回転)、紫外線硬化型接着剤109を振り切り、接着層の厚さを基板105の面内で一定にして有機複屈折膜101の表面を平坦化する。
(j)第2の回転中に、有機複屈折膜101にイソプロピルアルコールを滴下する。イソプロピルアルコールは、本例に用いたアクリル系紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒である。(j)の工程後には、透明基板105周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤109は、イソプロピルアルコールによって除去される。
(k)スピンテーブル111の回転を停止し、有機複屈折膜101側から高圧水銀灯を用いて紫外線(第1の紫外線)を照射し、紫外線硬化型接着剤109を硬化させる。
(l)そして、有機複屈折膜101を接着した透明基板105をスピンテーブル111から外し、NLDエッチング装置を用い酸素ガスを主成分とするエッチングガス雰囲気中で、前記の紫外線を透過するマスクパターン107(ITOパターン)をマスクにして、有機複屈折膜101を深さ3μmエッチングする。
それから、塩酸と第2塩化鉄を用いたITOエッチング液を用いてマスクパターン(ITOパターン)107を除去し、エッチング後の有機複屈折膜101による周期的な凹凸が形成された回折格子112を完成させる。
(m)その後、平面加工をした、φ200mm、厚み50mmのステンレス台(図示せず)上に回折格子112を形成した基板を置き、回折格子112面に光学的に等方的なアクリル系紫外線硬化型接着剤(等方性接着剤)113をマイクロシリンジで1.0mL滴下する。そして両面を光学研磨した直径100mm、厚み1mmの対向透明基板114(例えば、ショット社の光学ガラスBK7を使用)を載せ、更に対向透明基板114上に光学研磨した光学ガラスを載せ、対向透明基板114に100gf/cmの圧力を加え、等方性接着剤113を被接着面全面に広げる。なお、対向透明基板114の被接着面と対向する面には入射光の反射が最小となるよう反射防止膜(図示せず)を形成している。この状態で対向透明基板114を通して紫外線を照射し、等方性接着剤113を硬化する。
(n)以上の工程により作成された製作物116を、ダイシングソー115を用いて5mm角に切り出し、複数の偏光分離素子1を完成させる。
このようにして製作された偏光分離素子1は、透明基板105上に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜101を紫外線硬化型接着剤109で接着し、有機複屈折膜101の表面に周期的な凹凸を形成して回折格子112としたものとなる。
完成した偏光分離素子1に波長680nmのS偏光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定する。結果、回折格子112が良好に形成された偏光分離素子1は回折効率32%以上を概ね達成する。
以上説明した偏光分離素子1の製造方法によれば、第1の回転により透明基板105の全面に紫外線硬化型接着剤109が塗布されるため、透明基板105上では接着剤が無い領域が発生しない。そのため、接着剤が塗布された透明基板105に紫外線を透過する周期的なマスクパターンを形成した面と対抗する面で有機複屈折膜101を載置した場合、有機複屈折膜101は全面に渡って接着剤を介して透明基板105表面と接触する。
また、周期的なマスクパターン107は紫外線を透過する膜106から形成されているため、第1の紫外線照射によって周期的なマスクパターン107の間にある領域のみならず周期的なマスクパターン107の直下にある紫外線硬化型接着剤109も硬化し、全面接着が可能となる。
尚、紫外線を透過する膜106は紫外線の透過が100%である必要はなく、若干の吸収がある場合は紫外線の照射エネルギーを増加すれば問題ない。実用的には紫外線硬化型接着剤109の硬化に適した波長の紫外線を30〜99%透過すれば良い。
これは有機複屈折膜101表面に形成するマスクパターン107が紫外線を透過する材質からなることではじめて実現できる効果であり、レジストや金属等のエッチングマスクでは紫外線を吸収ないし遮蔽してしまい、周期的なマスクパターン107の直下にある紫外線硬化型接着剤109は硬化されず、有機複屈折膜101と透明基板105の接着力を大きくできない。その結果、前述のダイシング工程等で有機複屈折膜101の剥離が発生しやすい。
また、この偏光分離素子1の製造方法によると、ドライエッチングによって回折格子112の凸部になる領域には接着時には紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が形成されているため、回折格子112の凸部には接着時のハンドリング中にキズが付きにくい。
一方、ドライエッチングによって回折格子112の凹部になる領域は紫外線を透過する周期的なマスクパターンがないためキズがつくが、その後の有機複屈折膜101のドライエッチングによって除去される。そのため、回折格子112を形成した有機複屈折膜101を透明基板105と接着する従来例と比較して波面収差を抑制できる。
接着された有機複屈折膜101表面の平面性について見ると、本例における接着方法では、従来例と同様にうねりのようなロングスパンの凹凸は残るが、数mm角範囲の凹凸は小さくなる。
偏光分離素子1の波面収差に影響を与えるのは数mm角範囲の凹凸である。本例の偏光分離素子の製造方法によると、数mm角の平面性は良好であるため、ダイシングによって分割された個々の偏光分離素子1の波面収差は実用上問題ないレベルに抑えることができる。
また、本例の偏光分離素子の製造方法では、接着前に有機複屈折膜101表面に既にマスクパターンを形成しているため、接着後のうねりのようなロングスパンの凹凸は露光工程での1ショットの露光面積に影響を与えない。
1ショットの露光面積は、(b)の露光工程での有機複屈折膜101の平坦性で決定される。露光工程では有機複屈折膜101へ引っ張りのテンションをかけて平坦化して露光を行なう。引っ張りのテンションは従来例の回転による遠心力よりも大きくできるので、露光時の凹凸を小さくできる。その結果、従来例よりも1ショットの露光面積を拡大でき、露光工程のスループットを改善できる。
従来例の接着方法では、2.0μmピッチのパターンを露光する場合、リソグラフィー歩留を90%以上にするためには1ショットの露光面積は10mm角であったが、本例の偏光分離素子1の製造方法により1ショットの露光面積を2.25倍に拡大できる。
また、本例では紫外線を透過する周期的なマスクパターンとしてITO(Indium thin Oxide)を用いたが、その他にはSiO,Si,SiON,Inが適している。SiO,Si,SiON,In,ITOは、酸素イオンや酸素ラジカルに対して耐性があるため、NLDを用いた有機複屈折膜101のドライエッチング工程では良好なエッチングマスクとなり、有機複屈折膜101に矩形なパターンを形成できる。
更に、SiO,Si,SiON,In,ITOは酸によって除去できる。SiO,Si,SiONはフッ酸系のエッチング液によって、In,ITOは第2塩化鉄および塩酸系のエッチング液で除去できる。ウエットエッチングは被エッチング物であるマスクパターン107と有機複屈折膜101の選択比が大きいため、マスクパターン107の除去工程では有機複屈折膜101のエッチング形状を劣化させず、良好な回折格子112の形状を作ることができる。
加えて、SiO,Si,SiON,In,ITOはほとんどの有機溶媒に不要であることから、第2の回転中に紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下しても、マスクパターンの形状は劣化しない。
また、本例では、第2の回転中に、紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下するため、有機複屈折膜101で被覆されていない透明基板105周辺の紫外線硬化型接着剤109は除去される。
透明基板105を回転させながら前記の有機溶媒を滴下するため、有機溶媒には遠心力がかかり、有機複屈折膜101と透明基板105とで挟まれた領域にある紫外線硬化型接着剤109へは染み込みにくい。そのため、第1の紫外線を照射すると透明基板105と有機複屈折膜101は十分な接着面積が得られる。
また、透明基板105の周辺部には接着剤が残らないので、装置間や装置内の搬送で基板105の周辺部をハンドリングしても基板105の周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子1の製造歩留を向上できる。
なお、本例では、有機溶媒としてイソプロピルアルコールを用いたが、前記の有機溶媒はイソプロピルアルコールに限定する必要は無く、紫外線硬化型接着剤109を溶解しかつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒であれば、さまざまな有機溶媒を用いることができる。しかしながら、貼り合せ光ディスク等の貼り合せ工程で広く用いられているアクリル系やエポキシ系紫外線硬化型接着剤109は、イソプロピルアルコールとアセトンに非常によく溶解するので、有害性の大きい他の有機溶媒よりイソプロピルアルコールやアセトンを用いることは、作業環境や装置安全性の面からより望ましい。
本例では、透明基板105をスピンテーブル111に固定した後、スピンテーブル111を回転させながら透明基板105の中央部にアクリル系紫外線硬化型接着剤109を滴下して接着剤を塗布するが、接着剤の塗付方法は当該方法に限定される必要は無く、透明基板105をスピンテーブル111に固定した後、スピンテーブル111を停止したまま透明基板105の中央部に接着剤を滴下し、その後スピンテーブル111を回転させて透明基板105全面に接着剤を広げても良い。
さらに、紫外線硬化型接着剤109は室温で塗布するが、紫外線硬化型接着剤109の粘度が高く、有機複屈折膜101を載せたときに紫外線硬化型接着剤109の流動性が乏しく、気泡を巻き込みやすいときは、紫外線硬化型接着剤109が塗布された透明基板105をオーブンや赤外線ランプ等を用いて加熱し、紫外線硬化型接着剤109の粘度を低下させる。後に有機複屈折膜101を載せるのが望ましい。あるいは、紫外線硬化型接着剤109をオーブン等を用いて予め加熱し、紫外線硬化型接着剤109の粘度を低下させた後に、第1の回転によって透明基板105に塗布し、その後に有機複屈折膜101を載せるのも望ましい。
[偏光分離素子の製造方法2]
図3、図4は、本実施形態2である偏光分離素子の製造方法の工程(a)〜(n)を示す説明図である。本製造方法の工程は、この(a)〜(n)の順に進行する。
(a)まず、ロール形状の有機複屈折膜101から一端を引き出し、有機複屈折膜101の表面にロールコート法によってポジレジスト102(例えば、東京応化工業社のTDMR−AR640)を塗布し、60℃のプリベークを行なう。尚、有機複屈折膜101は幅120mmで厚さ100μmである。
(b)有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与え平坦化する。後に、縮小投影露光装置(例えば、ニコン社のNSR2205i12D)を用いて、レチクル103上の周期的なパターン(ピッチ1.6μm、duty=50%)を有機複屈折膜101の遅相軸に平行に露光する。尚、露光はNA=0.50で行い、1ショットは10mm角とする。
(c)現像液(例えば、東京応化工業社のNMD−3の2.38%溶液)を用いてスプレー現像を行い、有機複屈折膜101表面に周期的なレジストパターン104を完成させる。
(d)有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、周期的なレジストパターン104上に、有機複屈折膜101と透明基板105の接着に用いる紫外線硬化型接着剤109を硬化するための紫外線を透過する膜106をスパッタ法や真空蒸着法によって50〜100nm成膜する。本例では、紫外線を透過する膜106として、スパッタ法によるSiO膜を60nm成膜する。
(e)紫外線を透過する膜106(SiO)を成膜した後、有機複屈折膜101の引っ張りのテンションを解除する。その後、有機複屈折膜101をアセトン浴に浸漬し、10分間の超音波振動を与えてリフトオフを行い、周期的なレジストパターン104から紫外線を透過する周期的なマスクパターン(SiOパターン)を形成する。
(f)そして、有機複屈折膜101をφ90mmに切り出す。
尚、本例では(a)〜(f)の各工程は、インライン装置を用いて一貫して行なう。
(g)その後、直径100mm、厚さ1.0mmの光学ガラス(例えば、ショット社のBK7)からなる透明基板105をスピンテーブル111に載せ、真空吸着によってスピンテーブル111に固定する。そして、スピンテーブル111を10〜50rpmで回転させながら、透明基板105の中央部にディスペンサー108を用いて屈折率1.56のエポキシ系紫外線硬化型接着剤109を3〜10g滴下する。その後、スピンテーブル111を150〜500rpmで回転して、透明基板105を基板面方向に回転させることで(第1の回転)、透明基板105の全面に紫外線硬化型接着剤109を広げ(図3(h))、スピンテーブル111の回転を停止する。
(i)有機複屈折膜101の中心をスピンテーブル111の回転中心にほぼ合せながら、載置装置を用いて紫外線硬化型接着剤109の上に、前記のマスクパターン107(SiOパターン)を形成した面とは反対側の面で有機複屈折膜101を載せる。
(j)そして、スピンテーブル111を1000〜3000rpmで回転することで、透明基板105を基板面方向に回転させて(第2の回転)、紫外線硬化型接着剤109を振り切り、接着層の厚さを基板105の面内で一定にして有機複屈折膜101表面を平坦化する。
(k)第2の回転開始60秒後に、第2の回転を行いながら有機複屈折膜101にアセトンを滴下し、かつ有機複屈折膜101側からメタルハライドランプを用いて紫外線(第1の紫外線)を照射して紫外線硬化型接着剤109を硬化させる。
アセトンは本例に用いたエポキシ系紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒である。そのため、(k)の工程後には透明基板105周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤109はアセトンによって除去される。
なお、本例では、遠心力によって有機複屈折膜101を平坦化しながら紫外線硬化型接着剤109を硬化させるのが良いため、紫外線照射時間10分で紫外線硬化型接着剤109の推奨硬化条件になるように、紫外線の光強度を設定する。
(l)スピンテーブル111の回転を停止し、有機複屈折膜101を接着した透明基板105をスピンテーブル111から外し、NLDエッチング装置を用い、酸素ガスを主成分とするエッチングガス雰囲気中で、前記の紫外線を透過するマスクパターン107(SiOパターン)をマスクにして、有機複屈折膜101を深さ3μmエッチングする。そして、フッ酸と硝酸を用いたSiOエッチング液を用いてマスクパターン107(SiOパターン)を除去し、回折格子112を完成させる。
(m)そして、平面加工したφ200mm、厚み50mmのステンレス台(図示せず)上に回折格子112を形成した基板105を置き、回折格子112面に光学的に等方的なエポキシ系紫外線硬化型接着剤109(等方性接着剤113)をマイクロシリンジ(図示せず)で1.0mL滴下する。そして、両面を光学研磨した直径100mm、厚み1mmの対向透明基板114(光学ガラス(例えば、ショット社のBK7を使用))を載せ、更に対向透明基板114上に光学研磨した光学ガラスを載せ、対向透明基板114に100gf/cmの圧力を加え、等方性接着剤113を被接着面全面に広げる。なお、対向透明基板114の被接着面とは反対側の面には、入射光の反射が最小となるよう反射防止膜(図示せず)を形成している。この状態で対向透明基板114を通して紫外線を照射し、等方性接着剤113を硬化する。
(n)その後、この製作物116を、ダイシングソー115を用いて5mm角に切りだし、複数の偏光分離素子1を完成させる。
このようにして製作された偏光分離素子1は、透明基板105上に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜101を紫外線硬化型接着剤109で接着し、有機複屈折膜101の表面に周期的な凹凸を形成して回折格子112としたものとなる。
このようにして完成した偏光分離素子1に波長680nmのS編光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定する。その結果、回折格子112が良好に形成された偏光分離素子1は回折効率32%以上を概ね達成する。
このような偏光分離素子の製造方法によっても、偏光分離素子の製造方法1の方法と同様に回折格子112の全面接着が可能である。
また、紫外線を透過する周期的なマスクパターンが回折格子112の凸部になる領域を保護するため、回折格子112を形成した有機複屈折膜101を透明基板105と接着する従来例と比較して、波面収差を抑制できる。
接着された有機複屈折膜101の表面の平面性について見ると、偏光分離素子の製造方法1と同様にうねりのようなロングスパンの凹凸は残るが、数mm角範囲の凹凸は小さくなる。そのため、(n)の工程で分割された個々の偏光分離素子1の波面収差は、実用上問題ないレベルに抑えることができる。
また、接着前に(b)の露光工程で有機複屈折膜101へ引っ張りのテンションをかけて平坦化して露光を行なうことにより露光時に凹凸を小さくできる。その結果、従来例よりも1ショットの露光面積を拡大でき、露光工程のスループットを改善できる。
従来例の接着方法では、1.6μmピッチのパターンを露光する場合、リソグラフィー歩留を90%以上にするためには1ショットの露光面積を5mm角にする必要があったが、本例の偏光分離素子の製造方法によると、1ショットの露光面積を4倍に拡大できる。
また、本例では紫外線を透過する周期的なマスクパターン107としてSiOを用いたが、SiOはITOと同様に有機複屈折膜101のドライエッチング工程では良好なエッチングマスクとなる。
更に、SiOはフッ酸系のエッチング液によって除去できるため、良好な回折格子112の形状を作ることができる。
加えて、SiOは有機溶媒に不要であることから、前述の第2の回転中に紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下しても、マスクパターンの形状は劣化しない。
また、本例でも第2の回転中に紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下するため、有機複屈折膜101で被覆されていない透明基板105の周辺の紫外線硬化型接着剤109は除去される。
[偏光分離素子の製造方法3]
図5、図6は、本実施形態3である偏光分離素子の製造方法の工程(a)〜(n)を示す説明図である。本製造方法の工程は、この(a)〜(n)の順に進行する。
(a)まず、120mm角に切断した厚さ80μmの有機複屈折膜101の四隅に引っ張りのテンションを与え、有機複屈折膜101を平坦化する。その後、有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、有機複屈折膜101の表面にスプレー法やロールコート法によってポジレジスト102(例えば、東京応化工業社のTDMR−AR640)を0.7μm塗布し、60℃のプリベークを行なう。
(b)そして、有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、縮小投影露光装置(例えば、ニコン社のNSR2205i12D)を用いて、レチクル103上の周期的なパターン(ピッチ1.2μm、duty=50%)を有機複屈折膜101の遅相軸に平行に露光する。尚、露光はNA=0.50で行い、1ショットは5mm角とする。
(c)現像液(例えば、東京応化工業社のNMD−3の2.38%溶液)を用いてディップ現像を行い、有機複屈折膜101表面に周期的なレジストパターン104を完成させる。
(d)有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、周期的なレジストパターン104上に有機複屈折膜101と透明基板105との接着に用いる紫外線硬化型接着剤109を硬化するための紫外線を透過する膜106を、スパッタ法や真空蒸着法によって50〜100nm成膜する。本例では、紫外線を透過する膜106として、スパッタ法によるSiON膜を50nm成膜する。
(e)紫外線を透過する膜106(SiON)を成膜した後、有機複屈折膜101の引っ張りのテンションを解除する。その後、有機複屈折膜101をアセトン浴に浸漬し、10分間の超音波振動を与えてリフトオフを行い、周期的なレジストパターン104から紫外線を透過する周期的なマスクパターン107(SiONパターン)を形成する。その後、有機複屈折膜101をφ90mmに切断する。
(f)直径100mm、厚さ1.0mmの光学ガラス(例えば、ショット社のBK7)からなる透明基板105をスピンテーブル111に載せ、真空吸着によってスピンテーブル111に固定する。そして、スピンテーブル111を10〜50rpmで回転させながら、透明基板105の中央部にディスペンサー108を用いて屈折率1.56のエポキシ系紫外線硬化型接着剤109を3〜10g滴下する。その後、スピンテーブル111を150〜500rpmで回転することで、透明基板105を基板面方向に回転し(第1の回転)、透明基板105全面に紫外線硬化型接着剤109を広げ(図5(g))、スピンテーブル111の回転を停止する。
(h)そして、有機複屈折膜101の中心をスピンテーブル111の回転中心にほぼ合せながら、載置装置を用いて紫外線硬化型接着剤109の上に、前記のマスクパターン107(SiONパターン)を形成した面とは反対側の面で有機複屈折膜101を載せた。
(i)スピンテーブル111を1000〜3000rpmで回転して、透明基板105を基板面方向に回転させ(第2の回転)、紫外線硬化型接着剤109を振り切り、接着層の厚さを基板105の面内で一定にして有機複屈折膜101の表面を平坦化する。
(j)そして、第2の回転開始60秒後に、第2の回転を行いながら有機複屈折膜101にアセトンを滴下し、かつ有機複屈折膜101側からメタルハライドランプを用いて紫外線(第1の紫外線)を照射して紫外線硬化型接着剤109を半硬化させる。
アセトンは本例に用いたエポキシ系紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒である。そのため、(j)の工程後には透明基板105周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤109はアセトンによって除去される。
また、本例では第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109を半硬化させれば良いので、第1の紫外線照射は偏光分離素子の製造方法2の1/10〜1/3のエネルギーとする。
(k)その後、スピンテーブル111の回転を停止し、有機複屈折膜101側からメタルハライドランプを用いて紫外線(第2の紫外線)を照射し、紫外線硬化型接着剤109を完全に硬化させる。
(l)有機複屈折膜101を接着した透明基板105をスピンテーブル111から外し、NLDエッチング装置を用い酸素ガスを主成分とするエッチングガス雰囲気中で、前記の紫外線を透過するマスクパターン107(SiONパターン)をマスクにして、有機複屈折膜101を深さ2.4μmエッチングする。そして、フッ酸と硝酸を用いたSiOエッチング液を用いてマスクパターン107(SiONパターン)を除去し、回折格子112を完成させる。
(m)その後、平面加工したφ200mm、厚み50mmのステンレス台(図示せず)上に回折格子112を形成した基板105を置き、回折格子112面に光学的に等方的なエポキシ系紫外線硬化型接着剤109(等方性接着剤113)をマイクロシリンジ(図示せず)で1.0mL滴下する。そして両面を光学研磨した直径100mm、厚み1mmの対向透明基板114(光学ガラス(例えば、ショット社のBK7を使用))を載せ、更に、対向透明基板114上に光学研磨した光学ガラスを載せ、対向透明基板114に100gf/cmの圧力を加え、等方性接着剤113を被接着面全面に広げる。なお、対向透明基板114の被接着面と反対側の面には入射光の反射が最小となるよう反射防止膜(図示せず)を形成しておく。この状態で対向透明基板114を通して紫外線を照射し、等方性接着剤113を硬化する。
(n)この製作物116を、ダイシングソー115を用いて5mm角に切りだし、複数の偏光分離素子1を完成させる。
このようにして製作された偏光分離素子1は、透明基板105上に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜101を紫外線硬化型接着剤109で接着し、有機複屈折膜101の表面に周期的な凹凸を形成して回折格子112としたものとなる。
このようにして完成した偏光分離素子1に波長400nmのS偏光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定する。結果、回折格子112が良好に形成された偏光分離素子1は仕様の回折効率25%以上を達成する。
このような偏光分離素子の製造方法によると、第1の回転により透明基板105全面に紫外線硬化型接着剤109が塗布されるため、透明基板105上では接着剤109が無い領域が発生しない。そのため、接着剤109が塗布された透明基板105に紫外線を透過する周期的なマスクパターン107を形成した面と反対側の面で有機複屈折膜101を載置した場合、有機複屈折膜101は全面に渡って接着剤を介して透明基板105表面と接触する。
また、周期的なマスクパターンは紫外線を透過する膜106から形成されているため、第1の紫外線照射および第2の紫外線照射によって、周期的なマスクパターン107の間にある領域のみならず、周期的なマスクパターン107の直下にある紫外線硬化型接着剤109も硬化し、全面接着が可能となる。
さらに、紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が回折格子112の凸部になる領域を保護するため、回折格子112を形成した有機複屈折膜101を透明基板105と接着する従来例と比較して、波面収差を抑制できる。
さらに、第2の回転中に第1の紫外線照射を行うことで紫外線硬化型接着剤109を半硬化させるため、紫外線硬化型接着剤109と有機複屈折膜101との固着力が強まり、透明基板105の回転によって起こる有機複屈折膜101の位置ずれを低減できる。その結果、有機複屈折膜101が透明基板105からはみ出す頻度が小さくなり、搬送不良を低減でき、より低コストで偏光分離素子1を作製できる。
なお、接着層の厚さを均一化するため、透明基板105を回転させてある程度接着剤を振り切らなければならないので、第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109が急激に硬化して高粘度化することを避ける必要があり、第1の紫外線は比較的弱い強度で照射するのが望ましく、本例では第2の紫外線照射の1/10の強度で紫外線照射を行う。
また、第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109を高粘度化しつつ、接着層の厚さを均一化するためには、第2の回転のレシピを最適化する必要があり、本例では第1の紫外線照射中に3ステップで回転数を上昇させる。
本例では、有機溶媒の滴下中に透明基板105を回転しながら第1の紫外線を照射するが、第1の紫外線の照射はこれに限定する必要はなく、前記の有機溶媒の滴下前、あるいは滴下後の一方であっても何ら構わず、第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109が半硬化して高粘度化し、有機複屈折膜101との固着力が大きくなれば良い。
また、本例の製造方法によると、第2の回転中に有機複屈折膜101が僅かに動き、有機複屈折膜101は透明基板105からはみ出さないが有機複屈折膜101が回転した場合においても、接着前に既に有機複屈折膜101の面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)平行に紫外線を透過する周期的なマスクパターンが形成されているので、作製された偏光分離素子1の回折格子112は有機複屈折膜101の面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)揃えることができる。その結果、所定の回折効率が得られる。よって、従来の接着法と比較して、本例では第2の回転中の有機複屈折膜101のズレに対する仕様を、有機複屈折膜101の端と透明基板105の端の距離に限定できる。
一般に有機複屈折膜101の遅相軸、進相軸は外形で判断できるようにしてメーカーから供給されるため、(b)の露光工程では、有機複屈折膜101の外形を基準にして露光することで、有機複屈折膜101の面内の2方向のうち特定の1方向に揃えて、紫外線を透過する周期的なマスクパターンを形成することが可能であり、比較的容易に実現できる。
接着された有機複屈折膜101表面の平面性について見ると、本例の接着方法では偏光分離素子の製造方法1、2と同様にうねりのようなロングスパンの凹凸は残るが、数mm角範囲の凹凸は小さくなる。そのため、ダイシングによって分割された個々の偏光分離素子1の波面収差は実用上問題ないレベルに抑えることができる。
また、本例の偏光分離素子の製造方法において、接着前に有機複屈折膜101表面に既にマスクパターン107を形成しているため、接着後のうねりのようなロングスパンの凹凸は露光工程での1ショットの露光面積に影響を与えない。(b)の露光工程では有機複屈折膜101へ引っ張りのテンションをかけて平坦化して露光を行なうため、露光時に凹凸を小さくできる。その結果、より微細なパターンを露光する場合、従来例よりもリソグラフィー歩留を向上することができる。
従来例の接着方法では1.2μmピッチを露光する場合、1ショットが5mm角でもリソグラフィー歩留は40から60%程度であったが、本例の偏光分離素子の製造方法によると歩留を70%以上に改善できる。
また、本例では紫外線を透過する周期的なマスクパターン107としてSiONを用いたが、SiONはITOやSiOと同様に有機複屈折膜101のドライエッチング工程では良好なエッチングマスクとなる。
更に、SiONはフッ酸系のエッチング液によって除去できるため、良好な回折格子112の形状を作ることができる。
加えて、SiOは有機溶媒に不要であることから、第2の回転中に紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下しても、マスクパターン107の形状は劣化しない。
また、本例では第2の回転中に、紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下するため、有機複屈折膜101で被覆されていない透明基板105周辺の紫外線硬化型接着剤109は除去される。
尚、第1の紫外線照射の光強度が小さいため、紫外線硬化型接着剤109はゆっくり硬化され、前記の有機溶媒の滴下によって透明基板105周辺部の接着剤は十分に除去される。
[偏光分離素子の製造方法4]
図7、図8は、本実施形態4である偏光分離素子の製造方法の工程(a)〜(r)を示す説明図である。本製造方法の工程は、この(a)〜(r)の順に進行する。
(a)200mm角に切断した厚さ80μmの有機複屈折膜101の四隅に引っ張りのテンションを与え、有機複屈折膜101を平坦化する。その後、有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、有機複屈折膜101表面にロールコート法によってポジレジスト102(例えば、東京応化工業社のTDMR−AR640)を0.7μm塗布し、60℃のプリベークを行なう。
(b)有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、縮小投影露光装置(例えば、ニコン社のNSR4425i)を用いて、レチクル103上の周期的なパターン(ピッチ2.0μm、duty=50%)を有機複屈折膜101の遅相軸に平行に露光する。尚露光はNA=0.30で行い、1ショットは30mm角とする。
(c)そして、現像液(例えば、東京応化工業社のNMD−3の2.38%溶液)を用いてディップ現像を行い、有機複屈折膜101表面に周期的なレジストパターン104を完成させる。
(d)有機複屈折膜101に引っ張りのテンションを与えたまま、周期的なレジストパターン104上に有機複屈折膜101と透明基板105の接着に用いる紫外線硬化型接着剤109を硬化するための紫外線を透過する膜106を、スパッタ法や真空蒸着法によって50〜100nm成膜する。本例では紫外線を透過する膜106として、EB蒸着法によるIn膜を60nm成膜する。
(e)次に、紫外線を透過する膜106(In)を成膜した後、有機複屈折膜101の引っ張りのテンションを解除する。その後、有機複屈折膜101をアセトン浴に浸漬し、10分間の超音波振動を与えてリフトオフを行い、周期的なレジストパターン104から紫外線を透過する周期的なマスクパターン(Inパターン)を形成する。その後、有機複屈折膜101をφ155mmに切断する。
(f)直径165mm、厚さ1.0mm、オリエンテーションフラット付きの光学ガラス(例えば、ショット社のBK7)からなる透明基板105をスピンテーブル111に載せ、真空吸着によってスピンテーブル111に固定する。その後、スピンテーブル111を10〜50rpmで回転させながら、透明基板105の中央部にディスペンサー108を用いて屈折率1.56のエポキシ系紫外線硬化型接着剤109を8〜13g滴下する。その後、スピンテーブル111を100から200rpmで回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第1の回転)、透明基板105全面に紫外線硬化型接着剤109を広げ(図7(g))、その後、スピンテーブル111の回転を停止する。
(h)有機複屈折膜101の中心をスピンテーブル111の回転中心にほぼ合せながら、載置装置を用いて紫外線硬化型接着剤109の上に、前記のマスクパターン(Inパターン)を形成した面と対向する面で有機複屈折膜101を載せた。
(i)スピンテーブル111を400rpmで8秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切る。
(j)スピンテーブル111の回転を停止して、有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜101は透明基板105上で2mm程度動いて、有機複屈折膜101の中心とスピンテーブル111の回転中心から大きくずれている場合がある。この場合は、調整治具131を用いて有機複屈折膜101の外側にずれた側の端部を透明基板105の中心側へ押し(図9(a)を参照)、透明基板105上を滑るように有機複屈折膜101を動かし(以後、滑るように動かすことを「滑動」という)、有機複屈折膜101の位置修正(つまり透明基板105と有機複屈折膜101の中心を合わせる)を行なう(図9(b))。
(k)スピンテーブル111を再度回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切る。そして、有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察して、位置ずれがあれば修正する。この作業は繰り返し行うが、その場合の一例を以下に挙げる。
まず、スピンテーブル111を再度400rpmで2秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切る。スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察すると、有機複屈折膜101は透明基板105上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル111を700rpmで5秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転して(第2の回転)、接着剤を振り切る。スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察すると、有機複屈折膜101は透明基板105上で約2mm程度動いていた。そこで、前述の調整治具131を用い、有機複屈折膜101を透明基板105上で滑動し、有機複屈折膜101の位置修正を行なった。
その後、スピンテーブル111を再度700rpmで11秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切る。スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜101は透明基板105上で約4mm程度動いていた。そこで、前述の調整治具131を用い、有機複屈折膜101を透明基板105上で滑動し、有機複屈折膜101の位置修正を行なった。
その後、スピンテーブル111を再度700rpmで11秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切った。その後、スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜101は透明基板105上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル111を再度700rpmで6秒回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切った。スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜101は透明基板105上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル111を900rpmで3秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切った。スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜101は透明基板105上で約5mm程度動いていた。その後調整治具を用い、有機複屈折膜101を透明基板105上で滑動し、有機複屈折膜101の位置修正を行った。
その後、スピンテーブル111を再度900rpmで8秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切った。スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜101は透明基板105上で約2mm程度動いていた。その後、調整治具131を用い、有機複屈折膜101を透明基板105上で滑動し、有機複屈折膜101の位置修正を行った。
その後、スピンテーブル111を再度900rpmで29秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切った。スピンテーブル111の回転を停止して有機複屈折膜101の位置ずれを目視で観察したところ、有機複屈折膜101は透明基板105上でほとんど動いていなかった。
その後、スピンテーブル111を再度900rpmで20秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第2の回転)、接着剤を振り切った。その後、スピンテーブル111の回転を停止し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜101と透明基板105の相対位置を観察した結果、有機複屈折膜101の端と透明基板105の端の距離は4mm以上あった。
有機複屈折膜101の接着後の仕様において、透明基板105の端と有機複屈折膜101の端の距離はエッチング装置のクランプ幅から規定される。本例では2mm以上である。
上記の顕微鏡での測定結果から、有機複屈折膜101の端と透明基板105の端の距離が許容値内であることが確認された。
(l)次に、スピンテーブル111の回転を停止した状態で、有機複屈折膜101側から高圧水銀灯を用いて第1の紫外線を照射し、紫外線硬化型接着剤109を半硬化する。
(m)透明基板105を700rpmで45秒間回転して、透明基板105を基板面方向に回転し(第3の回転)、有機複屈折膜101膜と透明基板105の境界にアセトンを滴下する。アセトンは、本例に用いたエポキシ系の紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒である。本工程によって、(m)工程後に基板周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤109はアセトンによって除去される。また、本例では第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109を半硬化させれば良いので、第1の紫外線照射は推奨硬化条件の1/10〜1/3のエネルギーとする。
(n)その後、スピンテーブル111の回転を停止し、有機複屈折膜101側から高圧水銀灯を用いて第2の紫外線を照射し、紫外線硬化型接着剤109を完全に硬化させる。
(o)透明基板105をスピンテーブル111から外し、倍率4〜50倍の測長顕微鏡で有機複屈折膜101と透明基板105の相対位置を再度測定する。結果、有機複屈折膜101端と透明基板105端の距離は(l)〜(n)の工程を経ても変化はなかった。
(p)透明基板105を、NLDエッチング装置を用い酸素ガスを主成分とするエッチングガス雰囲気中で、前記の紫外線を透過するマスクパターン107(In)をマスクにして、有機複屈折膜101を深さ3μmエッチングする。その後、塩酸と第二塩化鉄を用いたInエッチング液を用いてマスクパターン107(Inパターン)を除去し、回折格子112を完成させる。
(q)平面加工したφ250mm、厚み50mmのステンレス台(図示せず)上に回折格子112を形成した透明基板105を置き、回折格子112面に光学的に等方的なアクリル系紫外線硬化型接着剤109(等方性接着剤113)をマイクロシリンジで1.2mL滴下する。そして両面を光学研磨した直径165mm、厚み1mmの対向透明基板114(光学ガラス(例えば、ショット社のBK7))に載せ、更に対向透明基板114上に光学研磨した光学ガラスを載せ、対向透明基板114に100gf/cmの圧力を加え、等方性接着剤113を被接着面全面に広げた。この状態で対向透明基板114を通して紫外線を照射し、等方性接着剤113を硬化する。
(r)その後、ダイシングソー115を用いて5mm角に切りだし、複数の偏光分離素子1を完成させる。
このようにして製作された偏光分離素子1は、透明基板105上に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜101を紫外線硬化型接着剤109で接着し、有機複屈折膜101の表面に周期的な凹凸を形成して回折格子112としたものとなる。
このようにして完成した偏光分離素子1に波長680nmのS偏光を照射し、受光素子で1次回折光を受け、1次回折効率を測定する。結果、回折格子112が良好に形成された全ての偏光分離素子1は仕様の回折効率32%以上を達成する。
(a)〜(r)の工程により有機複屈折膜101を接着した基板105を、ダイシングソー115を用いて切断し、200倍の金属顕微鏡で断面を観察し、基板の直径方向での接着層厚さを測定した結果を図10に示す。図10に示すように、有機複屈折膜101の端からの距離にかかわりなく、本例での接着層厚さは平均31μmで、直径方向でほぼ均一であることが確認され、上記の接着法では接着層の膜厚制御に問題はなかった。
本製造方法によっても、偏光分離素子の製造方法3と同様に、第1の紫外線照射および第2の紫外線照射によって全面接着が可能となる。
また、紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が回折格子112の凸部になる領域を保護するため、回折格子112を形成した有機複屈折膜101を透明基板105と接着する従来例と比較して、波面収差を抑制できる。
さらに、本例の製造方法に従うと、有機複屈折膜101の接着工程が透明基板105上に紫外線硬化型接着剤109を塗布し、その後、紫外線硬化型接着剤109上に有機複屈折膜101を載せ、その後、透明基板105を回転し、その後、透明基板105の回転を止めた状態で有機複屈折膜101を透明基板105上で滑動して位置を修正した後、透明基板105を回転し、再度、透明基板105の回転を停止し、透明基板105と有機複屈折膜101の相対位置が許容値内であることを確認した後、透明基板105と透明基板105の回転を止めた状態で第1の紫外線を照射して、紫外線硬化型接着剤109を半硬化する。そのため、透明基板105と有機複屈折膜101の相対位置を許容値内に納めて有機複屈折膜101と透明基板105の固着力を強めることができる。その結果、第3の回転中で有機複屈折膜101の位置ずれは更に起き難くなり、有機複屈折膜101が透明基板105からはみ出す頻度を更に小さくできる。
そのうえ、本例においても、第3の回転中に有機複屈折膜101が僅かに動き、有機複屈折膜101は透明基板105からはみ出さないが、有機複屈折膜101が回転した場合においても、接着前に既に有機複屈折膜101の面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)平行に紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が形成されているので、作製された偏光分離素子1の回折格子112は有機複屈折膜101の面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)揃えられ、所定の回折効率を得ることができる。
よって、本例の製造方法では、第2の回転を停止した後に、透明基板105と有機複屈折膜101の相対位置が許容値内であることを確認しなければならない項目は有機複屈折膜101端と透明基板105端の距離の1項目で十分である。
接着された有機複屈折膜101表面の平面性について見ると、本例の接着方法では偏光分離素子の製造方法1〜3と同様にうねりのようなロングスパンの凹凸は残るが、数mm角範囲の凹凸は小さくなる。その結果、ダイシングによって分割された個々の偏光分離素子1の波面収差は実用上問題ないレベルに抑えることができる。
本例においても接着後のうねりのようなロングスパンの凹凸は露光工程での1ショットの露光面積に影響を与えず、1ショットの露光面積は(b)の露光工程での有機複屈折膜101の平坦性で決定される。この露光工程では有機複屈折膜101へ引っ張りのテンションをかけて平坦化して露光を行なうため、従来例の回転による遠心力よりもテンションを大きくでき、露光時の凹凸を小さくできる。その結果、従来例よりも1ショットの露光面積を拡大でき、露光工程のスループットを改善できる。
従来例の接着方法ではNA=0.30の縮小投影露光装置を用いた場合、2.0μmピッチのパターンを露光する場合リソグラフィー歩留を90%以上にするためには、1ショットの露光面積を15mm角にする必要があったが、本例の偏光分離素子1の製造方法により1ショットの露光面積を4倍に拡大できた。
また、本例では紫外線を透過する周期的なマスクパターン107としてInを用いたが、Inは酸素イオンや酸素ラジカルに対して耐性があるため、有機複屈折膜101のドライエッチング工程では良好なエッチングマスクとなる。
更に、Inは第2塩化鉄および塩酸系のエッチング液で除去できるため、マスクパターン107の除去工程では有機複屈折膜101のエッチング形状を劣化させず、良好な回折格子112の形状を作ることができる。
加えて、Inはほとんどの有機溶媒に不要であることから、第2の回転中に紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下しても、マスクパターン107の形状は劣化しない。
本例の偏光分離素子の製造方法によると、第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤109を半硬化した後に透明基板105を回転(第3の回転)させながら、紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下するため、有機複屈折膜101で被覆されていない透明基板105周辺の紫外線硬化型接着剤109を除去することができる。また、透明基板105を回転させながら前記の有機溶媒を滴下するため、有機溶媒には遠心力がかかり、有機複屈折膜101と透明基板105とで挟まれた領域にある紫外線硬化型接着剤109へは染み込みにくいので、透明基板105と有機複屈折膜101は十分な接着面積が得られる。その結果、透明基板105の周辺部には接着剤が残らないので、装置間や装置内の搬送で基板周辺部をハンドリングしても基板周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子1の製造歩留を向上できる。
なお、本例では回転後の有機複屈折膜101のずれを目視で観察し、第1の紫外線を照射する前に測長顕微鏡で有機複屈折膜101と透明基板105の相対位置を精密に測定するが、回転後の有機複屈折膜101のずれを毎回測長顕微鏡等を用いて精密に測定しても良い。また、前記の測定結果と許容値との差を割り出し、位置調整にフィードバック制御をかけると、有機複屈折膜101の位置ずれを短時間で抑えることが可能となり、より望ましい。
[光ピックアップ]
次に、前述の偏光分離素子の製造方法で製造した偏光分離素子を用いた光ピックアップの構成例について説明する。図11は、この光ピックアップの構成の一例を示す説明図である。
すなわち、このDVD用の光ピックアップ201では、レーザーダイオード202から出射された波長680nmのS偏光の光が、偏光分離素子1とコリメータレンズ203、λ/4波長板204、対物レンズ205を通った後、DVD206を照射し、DVD206の記録ピットからの反射光は、λ/4波長板204で直線偏光になった後、偏光分離素子1で回折してフォトダイオード207に導かれ、周知の手段により、フォーカス検出、トラック検出、信号検出が行われる。
本例の光ピックアップ201を用い、DVD−ROMから情報信号の再生を行った所、プリズムを接着したビームスプリッタとλ/4波長板を組み合わせた従来のDVD用光ピックアップと同等の信号出力を得ることができ、本例の光ピックアップ201が従来の光ピックアップと同等の再生特性を持つことが確認できる。また、本例のピックアップ201では、偏光分離素子1がプリズムを接着したビームスプリッタよりも小型になっているため、従来の光ピックアップよりも装置全体を小型化できる。
[接着装置1]
前述の偏光分離素子の製造方法に用いて好適な、有機複屈折膜101を接着する作業に用いる接着装置の一例について説明する。図12は、この接着装置の説明図である。
この接着装置301は、透明基板105を保持するスピンテーブル111と、スピンテーブル111を回転させるステッピングモーター等からなる回転装置(図示せず)と、ロボットアーム307で駆動され、透明基板105に紫外線硬化型接着剤109を塗布するディスペンサー108からなる塗布装置302と、2本の吸着アーム303によって紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が形成された有機複屈折膜101の両端を保持し、透明基板105上に塗布された紫外線硬化型接着剤109上にマスクパターン107が形成された面と反対側の面で載置する載置装置304と、紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を透明基板105に滴下するリンス装置305と、透明基板105に紫外線を照射する高圧水銀灯やメタルハライドランプ等からなる紫外線照射装置306から構成されている。
本例の接着装置301を用いて有機複屈折膜101を接着する手順を次に説明する。直径100mm、厚さ1.0mmのオリエンテーションフラットを持つ光学ガラス(例えば、ショット社のBK7)からなる透明基板105をスピンテーブル111に載せ、真空吸着によってスピンテーブル111に固定する。その後、透明基板105の中央部にロボットアーム307によってディスペンサー108を移動し、スピンテーブル111を50rpmで回転させながら、透明基板105の中央部にディスペンサー108を用いて屈折率1.52のアクリル系紫外線硬化型接着剤109を4g滴下する。
その後、ディスペンサー108を元の位置に戻し、スピンテーブル111を400rpmで回転させ(第1の回転)、透明基板105全面に紫外線硬化型接着剤109を広げ、スピンテーブル111の回転を停止する。その後、偏光分離素子の製造方法1の方法によって、紫外線を透過する周期的なマスクパターンを形成された有機複屈折膜101(直径90mm、厚さ80μm)の両端を載置装置304の2本の吸着アーム303に真空吸着して保持し、載置装置304を透明基板105上へ移動し、有機複屈折膜101の中心をスピンテーブル111の回転中心にほぼ合せながら2本の吸着アーム303の真空吸着を徐々に解除して、紫外線硬化型接着剤109の上に前記のマスクパターンを形成した面の反対側の面で有機複屈折膜101を載せる。
その後、載置装置を元の位置に戻し、スピンテーブル111を700rpmで10秒回転し、その後1100rpmで回転して(第2の回転)、紫外線硬化型接着剤109を振り切り、有機複屈折膜101表面を平坦化する。
また1100rpmの回転開始後5秒に紫外線照射装置306とリンス装置305を移動し、スピンテーブル111を1100rpmで回転した状態で有機複屈折膜101側から第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤109を半硬化させつつ、紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒(本例ではイソプロピルアルコールを使用)を透明基板105端に滴下して、基板周辺部の紫外線硬化型接着剤109を除去する。その後、スピンテーブル111の回転を停止し、リンス機構を元の位置に戻す。そして、紫外線照射機構を用いて有機複屈折膜101側から第2の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤109を完全硬化させる。紫外線照射終了後、紫外線照射機構を元の位置に戻し、スピンテーブル111の真空吸着を解除して有機複屈折膜101を接着する。透明基板105を取り出す。
このように、本例の接着装置301を用いると、偏光分離素子の製造方法3を実施できるため、透明基板105からの有機複屈折膜101のはみ出しを防止できる。
また、接着後の有機複屈折膜101は第2の回転中に僅かなズレが生じても、面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)平行に紫外線を透過する周期的なマスクパターンが形成されているため、回折格子112を面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)に揃えることができる。その結果、所定の回折効率を得ることができる。
さらに、第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤109を半硬化した後に、透明基板105を回転させながら紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下するため、基板周辺部には接着剤残が残らない。その結果、装置間や装置内の搬送で基板周辺部をハンドリングしても、基板周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子1の製造歩留を向上できる。
なお、本例では、第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109を半硬化させるが、紫外線の照射エネルギーを大きくして第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109を完全硬化すると、偏光分離素子の製造方法2を実施できる。
また、第2の回転中に第1の紫外線照射を行なわず、第2の回転停止後に紫外線の照射エネルギーを大きくして第1の紫外線照射によって紫外線硬化型接着剤109を完全硬化すると、偏光分離素子の製造方法1を実施できる。
[接着装置2]
前述の偏光分離素子の製造方法に用いて好適な、有機複屈折膜101を接着する作業に用いる接着装置の別の一例について説明する。図13は、この接着装置の説明図である。
この接着装置301は、透明基板105を保持するスピンテーブル111と、スピンテーブル111を回転させるステッピングモーター等からなる回転装置(図示せず)と、透明基板105に紫外線硬化型接着剤109を塗布するディスペンサー108からなる塗布装置302と、2本の吸着アーム303によって紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が形成された有機複屈折膜101の両端を保持し、透明基板105上に塗布された紫外線硬化型接着剤109上にマスクパターン107を形成した面とは反対側の面で載置する載置装置304と、有機複屈折膜101を透明基板105上で滑動して位置を修正する位置調整装置311と、透明基板105の端と有機複屈折膜101の端の距離を読み取る位置検出装置312と、紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を透明基板105に滴下するリンス装置305と、透明基板105に紫外線を照射する高圧水銀灯やメタルハライドランプ等からなる紫外線照射装置306から構成されている。
なお、位置調整装置311にはXY方向に可動できる2軸アーム313の先端に調整治具131が付いており、調整治具で有機複屈折膜101を押し、透明基板105上を滑らせる機構になっており、位置検出装置312は倍率が4〜50倍に可変できるズームレンズの付いたCCDカメラと、この撮影画像から2点間の長さ測定が可能な画像処理装置から構成されている。
本例の接着装置301を用いて有機複屈折膜101を接着する手順を次に説明する。直径165mm、厚さ1.0mm、54mmのオリエンテーションフラットを持つ光学ガラス(例えば、ショット社のBK7)からなる透明基板105をスピンテーブル111に載せ、真空吸着によってスピンテーブル111に固定する。その後、透明基板105の中央部にロボットアーム307によってディスペンサー108を移動し、スピンテーブル111を20rpmで回転させながら、透明基板105の中央部にディスペンサー108を用いて屈折率1.56のエポキシ系紫外線硬化型接着剤109を10g滴下する。
その後、ディスペンサー108を元の位置に戻し、スピンテーブル111を300rpmで回転させ(第1の回転)、透明基板105全面に紫外線硬化型接着剤109を広げ、スピンテーブル111の回転を停止する。その後、偏光分離素子の製造方法4の方法によって紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が形成された有機複屈折膜101(直径155mm、厚さ80μm)の両端を載置装置304の2本の吸着アーム303に真空吸着して保持し、載置装置304を透明基板105上へ移動し、有機複屈折膜101の中心をスピンテーブル111の回転中心にほぼ合せながら2本の吸着アーム303の真空吸着を徐々に解除して、紫外線硬化型接着剤109の上にマスクパターン107を形成した面とは反対側の面で有機複屈折膜101を載せる。
その後、載置装置304を元の位置に戻し、スピンテーブル111を1100rpmで回転させ(第2の回転)、紫外線硬化型接着剤109を振り切り、有機複屈折膜101の表面を平坦化する。その後、スピンテーブル111の回転を停止し、2軸アーム313を動かして調整治具131を有機複屈折膜101側面に突き当て、有機複屈折膜101の位置ズレに応じて2軸アーム313をXY方向に動かして有機複屈折膜101を調整治具131で押し、有機複屈折膜101を透明基板105上で滑るように動かし(滑動)、有機複屈折膜101の位置修正を行う。位置調整終了後、位置調整装置311を元の位置に戻す。その後、スピンテーブル111を1100rpmで5秒間回転させ(第2の回転)、スピンテーブル111の回転を停止する。その後、透明基板105上に位置検出装置312を移動し、XYの2方向について透明基板105の端と有機複屈折膜101の端との距離を測定し、透明基板105の端と有機複屈折膜101の端との距離が許容値内であることを確認する。上記の測定値が許容値を超えている場合は、許容値と実測値のずれを算出し、位置検出装置312を元に戻し、位置調整装置311の2軸アームを動かして調整治具131を有機複屈折膜101の側面に突き当て、前記の算出したずれに応じて2軸アーム313をXY方向に動かし、有機複屈折膜101を調整治具131で押し、有機複屈折膜101を透明基板105上で滑動して位置調整を行う。その後、位置調整装置311を元の位置に戻し、再度、スピンテーブル111を1100rpmで5秒間回転させ(第2の回転)、スピンテーブル111の回転を停止し、透明基板105上に位置検出装置312を再度移動して、透明基板105の端と有機複屈折膜101の端との距離を測定し、許容値内に入るまで上記の作業を繰り返す。その後、紫外線照射装置306とリンス装置305を移動し、スピンテーブル111の回転を停止した状態で有機複屈折膜101側から第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤109を半硬化させる。第1の紫外線照射後、スピンテーブル111を700rpmで回転させ(第3の回転)、紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒(本例ではアセトンを使用)を透明基板105端に滴下して、基板105の周辺部に残っていた紫外線硬化型接着剤109を除去する。その後、スピンテーブル111の回転を停止し、リンス装置305を元の位置に戻す。そして、紫外線照射装置306を用いて有機複屈折膜101側から第2の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤109を完全硬化させる。紫外線照射終了後、紫外線照射装置306を元の位置に戻し、スピンテーブル111の真空吸着を解除して有機複屈折膜101を接着した透明基板105を取り出す。
このように本例の接着装置301を用いると、偏光分離素子の製造方法4を実現できるため、透明基板105からの有機複屈折膜101のはみ出しを更に防止できる。
また、透明基板105と有機複屈折膜101の相対位置を許容値内に収めることが可能であり、有機複屈折膜101が透明基板105からはみ出す頻度を著しく小さくできる。
さらに、接着後の有機複屈折膜101は第3の回転中に僅かなズレが生じても、面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)平行に紫外線を透過する周期的なマスクパターン107が形成されているため、回折格子112を面内の2方向のうち特定の1方向に(つまり遅相軸に)に揃えることができる。その結果、所定の回折効率を得ることができる。
そのうえ、第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤109を半硬化した後に、透明基板105を回転させながら紫外線硬化型接着剤109を溶解し、かつ有機複屈折膜101を溶解しない有機溶媒を滴下するため、基板105の周辺部には接着剤残が残らない。その結果、装置間や装置内の搬送で基板周辺部をハンドリングしても基板周辺部からの異物発生が非常に少ないので、偏光分離素子1の製造歩留を向上できる。
本発明を実施するための最良の一形態である偏光分離素子の製造方法1の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法1の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法2の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法2の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法3の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法3の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法4の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法4の各工程を示す説明図である。 偏光分離素子の製造方法4の(j)工程の説明図である。 偏光分離素子の製造方法4の(a)〜(r)の工程により有機複屈折膜接着した基板を、ダイシングソーを用いて切断し、200倍の金属顕微鏡で断面を観察し、基板の直径方向での接着層厚さを測定した結果を示すグラフである。 偏光分離素子の製造方法1〜4で製造した偏光分離素子を用いた光ピックアップの説明図である。 本発明を実施するための最良の一形態である接着装置1の説明図である。 接着装置2の説明図である。 スピンナー法による貼り合せ光ディスクの製造方法を説明する説明図である。 本発明の課題を説明する説明図である。 本発明の課題を説明する説明図である。 本発明の課題を説明する説明図である。
符号の説明
1 偏光分離素子
101 有機複屈折膜
105 透明基板
107 マスクパターン
109 紫外線硬化型接着剤
112 回折格子
111 スピンテーブル
301 接着装置
302 塗布装置
304 載置装置
305 リンス装置
306 紫外線照射装置
311 位置調整装置
312 位置検出装置

Claims (3)

  1. 入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる有機複屈折膜の一方の面上に紫外線を透過する周期的なマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記有機複屈折膜の前記マスクパターンを形成した面と反対の面で前記有機複屈折膜を透明基板に接着する接着工程と、前記のマスクパターンを用いて前記有機複屈折膜の表面をエッチングして周期的な凹凸による回折格子を形成する回折格子形成工程と、を含む偏光分離素子の製造方法において、
    前記接着工程では、
    前記透明基板に基板面方向の回転である第1の回転を与えて当該透明基板全面に紫外線硬化型接着剤を塗布し、
    その後、前記紫外線硬化型接着剤上に前記マスクパターンを形成した面と反対側の面で前記有機複屈折膜を載置し、
    その後、前記透明基板に基板面方向の回転である第2の回転を与えて前記有機複屈折膜表面を平坦化し、前記第2の回転中に前記紫外線硬化型接着剤を溶解し、かつ、前記有機複屈折膜を溶解しない有機溶媒を滴下して前記透明基板の周辺部の紫外線硬化型接着剤を除去し、
    その後、前記透明基板に第1の紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化する処理を行うことを特徴とする偏光分離素子の製造方法。
  2. 前記マスクパターン形成工程では、前記マスクパターンを、
    SiO,Si,SiON,In,ITO(Indium thin Oxide)の各材料からなる群のうちの少なくとも1つの材料で形成することを特徴とする請求項1に記載の偏光分離素子の製造方法。
  3. 前記接着工程では、前記有機溶媒としてイソプロピルアルコールとアセトンとのうち少なくとも一方を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光分離素子の製造方法。
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