JP4420539B2 - ヘモグロビンa2の分離方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カチオン交換液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA2の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘモグロビンA2は、α鎖とδ鎖からなるヘモグロビンであり、ヘモグロビンFと共に地中海性貧血(thalassemia)の診断指標として用いられている。地中海性貧血症を検査したい場合、一般的には、カチオン交換液体クロマトグラフィーを用いて、ヘモグロビン混合物からヘモグロビンA2(以下、HbA2という)を分離、定量することによって行われている。
【0003】
通常、カチオン交換液体クロマトグラフィーを用いて、ヘモグロビン混合物、すなわち、溶血液試料を分離すると、ヘモグロビンA1a(以下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b(以下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、HbFという)、不安定型ヘモグロビン(以下、不安定型HbA1cという)、安定型ヘモグロビン(以下、安定型HbA1cという)並びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)などのピークが出現する。この際、ヘモグロビンA0とHbA2のカチオン交換カラムに対する保持力が近いためピークが近接し、これらを完全に分離するには、長時間を要していた。
【0004】
ヘモグロビン(以下、Hbという)混合物からHbA2を分離する方法として、例えば、米国特許4,810,391号公報には、弱カチオン交換充填剤を用いた方法が開示されている。この方法によれば、リン酸濃度とpHが異なる3種の緩衝溶離液を用いることを特徴とするものであり、第1の溶離液は、1〜20mMのりん酸緩衝液で、pHが6.5〜6.9に設定されており、HbA1aとHbA1bの溶出に用いられ、第2の溶離液は、15〜55mMのりん酸緩衝液でpHが6.4〜6.8に設定されており、HbA1c、HbA0の溶出に用いられ、第3の溶離液は、60〜100mMのりん酸緩衝液でpHが6.4〜6.8に設定されており、HbA2の溶出に用いられる。
【0005】
しかしながら、上記方法においては、各溶離液の違いはほぼ塩濃度のみであるため、測定時間が非常に長く、多量の検体について迅速に分離測定を行うことができないという問題点があった。これに加え、HbA1cの分離が不十分であるために、HbA2の分離測定に加えてHbA1cを同時に分離測定したい場合であっても、HbA1cの測定精度が極めて低いという問題点もあった。さらに、溶離液pHがHbの等電点以下であるために、充填剤にHb等の生体成分が蓄積しやすくカラムの寿命も短いという問題点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、Hb混合物からHbA2を分離する方法の上記問題点に鑑み、従来法より、HbA2を精度良く、かつ短時間に分離可能なHbA2の分離方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明(以下「本発明1」という)は、カチオン交換液体クロマトグラフィーによる、ヘモグロビン混合物からのヘモグロビンA2の分離方法において、ヘモグロビンA0よりも前に溶出するヘモグロビン類を溶出させるための溶離液(溶離液A)と、ヘモグロビンA0以降に溶出するヘモグロビン類を溶出させるための溶離液(溶離液B)の少なくとも2種の溶離液を用い、前記溶離液AのpHが4.0〜6.0であって、前記溶離液BのpHが、前記溶離液AのpHより0.5以上高いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、前記溶離液Bの塩濃度が、前記溶離液Aの塩濃度より低いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、さらに、少なくともヘモグロビンA2を溶出させるための溶離液(溶離液D)を用い、前記溶離液DのpHが、前記溶離液BのpHより0.5以上低いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、前記溶離液Bの塩濃度が、前記溶離液Aの塩濃度より低く、前記溶離液Dの塩濃度が、前記溶離液Bの塩濃度より高いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、さらに、前記溶離液B及び溶離液Dよりも溶出力の弱い溶離液(溶離液C)を用い、前記溶離液Bを送液した後に、前記溶離液Cを送液し、その後前記溶離液Dを送液することを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0012】
請求項6記載の発明(以下「本発明2」という)は、カチオン交換液体クロマトグラフィーによる、ヘモグロビン混合物からのヘモグロビンA2の分離方法において、カオトロピックイオンが含有され、かつpH4.0〜6.8で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される溶離液(以下「溶離液E」という)と、pH6.5〜8.0で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される溶離液(以下「溶離液F」という)の少なくとも2種の溶離液を用いることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、さらに、前記溶離液FよりもpHが低く、かつ塩濃度が高い溶離液(以下「溶離液G」という)を用い、前記溶離液Fの送液後に前記溶離液Gを送液することを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0014】
請求項8載の発明は、請求項1〜7いずれか一項に記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、前記溶離液B、溶離液D、溶離液Fまたは溶離液Gの送液後に、 pHが6.8〜12の溶離液(溶離液H)を送液することを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、前記溶離液Hにカオトロピックイオンが含有されることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、前記溶離液A〜Hのうち少なくとも一種の溶離液、及び/または、溶血液に、アジ化物イオンが含有されることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、充填剤として、少なくとも一種の強カチオン交換基を有する充填剤を用いることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法である。
【0018】
まず本発明1について説明する。
【0019】
本発明1における「ヘモグロビンA0よりも前に溶出するヘモグロビン類を溶出させるための溶離液(本明細書においては、「溶離液A」という)」とは、カチオン交換液体クロマトグラフィーによってヘモグロビン混合物を分離する際に、HbA0よりも保持時間の短いHb類を溶出させるのに用いる溶離液を意味する。この溶離液Aによって溶出されるHb類としては、一般的には、 HbA1a、HbA1b、HbF、安定型HbA1c及び不安定型HbA1c等が挙げられる。但し、溶離液Aのみによって上記Hb類の全てが溶出される必要はなく、上記Hb類のうち少なくとも1種のHbが溶出されればよい。また、本発明1は、HbA2を分離することを主目的とするが、溶離液Aで、HbA1a、HbA1b、HbF、安定型HbA1c及び不安定型HbA1cを溶出することにより、安定型HbA1cの分離定量を同時に行うことも可能である。
【0020】
上記溶離液AのpHは、4.0〜6.0であり、より好ましいpHは、4.5〜5.8である。これは、溶離液AのpHが4.0未満であるとヘモグロビンが変性する可能性があり、6.0を超えるとヘモグロビンのプラス電荷が減少し、カチオン交換基に保持され難くなって、分離能が悪くなるためである。なお、溶離液Aは、必ずしも単一種類の溶離液である必要はなく、上記条件を満たす範囲で、組成・溶出力等の異なる複数種類の溶離液から構成される溶離液群Aであってもよい(以下、溶離液Aがn種類の溶離液で構成される場合は、「溶離液A1、溶離液A2、…、溶離液An」のように表わす。)。HbA2の分離に加えて、安定型HbA1cをより短時間で分離定量する場合においては、溶離液A1、溶離液A2、溶離液A3等を溶出力の弱いものから強いものへ勾配溶出法若しくは段階溶出法により、あるいは勾配溶出法と段階溶出法との併用により送液するのがよい。
【0021】
本発明1における「ヘモグロビンA0以降に溶出するヘモグロビン類を溶出させるための溶離液(本明細書においては、「溶離液B」という)」とは、カチオン交換液体クロマトグラフィーによってヘモグロビン混合物を分離する際に、HbA0の保持時間以上の保持時間を有するHb類を溶出させるのに用いる溶離液を意味する。この溶離液Bによって溶出されるHb類としては、一般的には、 HbA0、HbA2、HbS、HbC等が挙げられるが、これらのHb類の全てが溶離液Bによって溶出される必要はない。本発明1において、溶離液Aと溶離液Bのみを用いる場合等においては、この溶離液BによってHbA0、HbA2等が溶出される。また、後述のようにHbA2を溶出させるために溶離液Dを用いる場合においては、上記溶離液Bによって、少なくともHbA0のみが溶出されればよい。また、溶離液Bによって少なくともHbA0が溶出される限り、溶離液Bによって、安定型HbA1cや不安定型HbA1c等が溶出されてもよい。特に、安定型HbA1cの定量を行わないで、HbF及びHbA2の定量を行う場合においては、溶離液Bによって安定型HbA1cが溶出される方がより迅速な分離を可能とする。
【0022】
上記溶離液BのpHは、溶離液AのpHよりも0.5以上高いことを特徴とする。これは、溶離液BのpHを、溶離液AのpHよりも0.5以上高くすることによって、HbA0とHbA2の分離度をより向上させることができるためである。より好ましくは、溶離液BのpHを、溶離液AのpHよりも0.8以上高く設定する。溶離液Bの好ましいpHの範囲は、ヘモグロビン類の等電点(ヘモグロビン類の等電点については、理化学事典(第4版、1987年9月、岩波書店、久保亮五ら編集)、1178頁に記載あるように、pH6.8〜7.0である)付近のpHである6.0〜8.0である。なお、溶離液Bは、必ずしも単一種類の溶離液である必要はなく、上記条件を満たす範囲で、組成・溶出力等の異なる複数種類の溶離液から構成される溶離液群Bであってもよい(以下、溶離液Bがn種類の溶離液で構成される場合は、「溶離液B1、溶離液B2、…、溶離液Bn」のように表わす。)。
【0023】
本発明1において、より好ましくは、溶離液Bの塩濃度を、溶離液Aの塩濃度より低く設定する。ここで言う溶離液の塩濃度とは、溶離液中の総陽イオン濃度を意味する。溶離液Bの塩濃度を溶離液Aの塩濃度より低く設定することによって、HbA0とHbA2との分離度をより向上させることができる。なお、溶離液Bの塩濃度は、溶離液Aの塩濃度よりも10mM以上低く設定することが好ましく、より好ましくは40mM以上低く設定する。
【0024】
本発明1においては、上記溶離液A及び溶離液Bに加えて、さらに、少なくともヘモグロビンA2を溶出させるための溶離液(本明細書においては、「溶離液D」という)を用いるのがより好ましい。この溶離液Dを用いることにより、HbA0とHbA2との分離度及びHbA2とそれ以降に溶出するHb類との分離度をより向上させることができる。この溶離液Dは、少なくともHbA2を溶出させる溶離液であればよい。従って、HbA2が溶出されさえすれば、HbSやHbC等については、溶離液Dによって溶出されてもよいし、後述の溶離液H等によって溶出されてもよい。
【0025】
上記溶離液DのpHは、溶離液BのpHよりも0.5以上低いことを特徴とする。これは、溶離液DのpHを、溶離液BのpHよりも0.5以上低くすることによって、HbA0とHbA2との分離度及びHbA2とそれ以降に溶出するHb類との分離度をより向上させることができるためである。より好ましくは、溶離液DのpHを、溶離液Bよりも0.8以上低く設定する。なお、溶離液Dは、必ずしも単一種類の溶離液である必要はなく、上記条件を満たす範囲で、組成・溶出力等の異なる複数種類の溶離液から構成される溶離液群Dであってもよい(以下、溶離液Dがn種類の溶離液で構成される場合は、「溶離液D1、溶離液D2、溶離液Dn」のように表わす。)。この様な、溶離液群Dを用いることにより、より短時間で精度よくHbA2を分離すると同時に、HbS、HbC等を分離定量することも可能となる。
【0026】
上記溶離液Dを用いる場合において、より好ましくは、溶離液Bの塩濃度を、溶離液Aの塩濃度より低く、溶離液Dの塩濃度を、溶離液Bの塩濃度より高く設定する。なお、溶離液Bの塩濃度を、溶離液Aの塩濃度よりも10mM以上低く設定し、溶離液Dの塩濃度を、溶離液Bの塩濃度よりも10mM以上高く設定することが好ましく、より好ましくは溶離液Bの塩濃度を、溶離液Aの塩濃度よりも50mM以上低く設定し、溶離液Dの塩濃度を、溶離液Bの塩濃度よりも50mM以上高く設定する
【0027】
本発明1においては、上記溶離液A、溶離液B及び溶離液Dの他に、上記溶離液B及び溶離液Dよりも溶出力の弱い溶離液(本明細書においては、「溶離液C」という)を用い、溶離液Bを送液した後に、溶離液Cを送液し、その後溶離液Dを送液することも可能である。この溶離液Cを送液することで、HbA2の溶出時間を遅くさせ、HbA2をより精度良く分離することができる。
【0028】
上記溶離液Cは、溶離液B及び溶離液Dより溶出力が弱い溶離液であればよく、pHは特に限定されない。溶出力が弱い溶離液とは、カチオン交換液体クロマトグラフィーによりヘモグロビン混合物を分離した際に、各Hb類の溶出時間を遅くするような溶離液のことを言い、溶出力を弱くするには、例えば、溶離液の塩濃度を下げる方法、pHを下げる方法等が挙げられる。ここでの溶離液Cは、pHもしくは塩濃度、或いはその両者が溶離液B及び溶離液Dより低いものである。
【0029】
本発明1においては、溶離液A・溶離液Bを通常この順に用い、溶離液Dも用いる場合には、溶離液A・溶離液B・溶離液Dの順に、さらに、溶離液Cを用いる場合には、溶離液A・溶離液B・溶離液C・溶離液Dの順に送液する。溶離液の溶出力は、通常、溶離液A・溶離液B・溶離液Dの順に強くなるように用いる。
【0030】
本発明1において用いられる、上記溶離液A〜D(以下、本発明1の説明においては、単に「溶離液」という)は、緩衝液から構成される。もちろん、この緩衝液に後述の添加剤を適宜添加して用いてもよい。緩衝液に含まれる緩衝剤としては、下記の無機酸、有機酸もしくはこれらの塩が挙げられる。
【0031】
上記無機酸としては、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等が挙げられる。
上記有機酸としては、例えば、カルボン酸、ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、アミン、イミダゾール、ピリジン、カコジル酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、グリシルグリシン、ピロリン酸等が挙げられる。
【0032】
上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等が挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等が挙げられる。
上記カルボン酸誘導体としては、例えば、β、β−ジメチルグルタル酸、バルビツール酸、アミノ酪酸等が挙げられる。
上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
上記アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、アスパラギン、グリシン等が挙げられる。
上記アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、等が挙げられる。
上記イミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、5(4)−メチルイミダゾール、2,5(4)−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0033】
上記無機酸または有機酸の塩としては、公知のものでよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
【0034】
また、上記緩衝剤として、2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホン酸(HEPES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bistris)、Tris、ADA、PIPES、Bistrispropane、ACES、MOPS、BES、TES、HEPES、HEPPS、Tricine、Bicine、グリシルグリシン、TAPS、CAPS等の一般にグッド(Good)の緩衝液といわれるものも使用できる。また、BrittonとRobinsonの緩衝液;GTA緩衝液も使用できる。
【0035】
上記無機酸、有機酸又はこれらの塩は、単独でも、また複数種混合して用いても良く、無機酸と有機酸を混合して用いてもよい。
【0036】
上記緩衝剤の溶離液中の濃度は、水に溶解された状態で緩衝作用がある範囲であればよく、0.1mM〜1000mMであり、好ましくは1〜500mMである。
【0037】
上記溶離液には、以下に示す(1)無機塩類、(2)カオトロピックイオン、(3)pH調節剤、(4)水溶性有機溶媒等を添加してもよい。
【0038】
(1)無機塩類:例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの塩類の濃度は、特に限定されないが、好ましくは1〜1500mMである。
【0039】
(2)カオトロピックイオン:具体例としては、後述する本発明2の溶離液Eの説明におけるカオトロピックイオンと同様のものが挙げられる。カオトロピックイオンの溶離液中の濃度は、0.1mM〜3000mMが好ましく、1mM〜1000mMがより好ましく、特に好ましくは、10mM〜500mMである。
【0040】
(3)pH調節剤:公知の酸、塩基が用いられる。酸としては、例えば、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、また、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの酸、塩基の濃度は、特に限定されないが、好ましくは、0.001〜500mMである。
【0041】
(4)水溶性有機溶媒:メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトンなどが挙げられる。これらの有機溶媒の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0〜80体積%であり、カオトロピックイオン、無機酸、有機酸、これらの塩などが析出しない程度で用いるのが好ましい。
【0042】
次に本発明2について説明する。
【0043】
本発明2においては、カオトロピックイオンが含有され、かつpH4.0〜6.8で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される溶離液(本明細書においては、「溶離液E」という)と、pH6.5〜8.0で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される溶離液(本明細書においては、「溶離液F」という)の少なくとも2種の溶離液を用いる。
【0044】
上記溶離液Eには、カオトロピックイオンが含有される。このカオトロピックイオンとは、水溶液に解離して生じたイオンにより、水の構造が破壊され、疎水性物質と水が接触したときに起こる、水のエントロピー減少を抑制するもので、具体的には、陰イオンとしては、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン等が挙げられ、またその他に尿素等が挙げられる。また、陽イオンとしては、バリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン、カリウムイオン、グアニジンイオン等が挙げられる。
【0045】
上記カオトロピックイオンの中でも、分離精度をより向上させるために、陰イオンとして、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭化物イオン等を用い、陽イオンとして、バリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン、グアニジンイオン等を用いるのがより好ましい。特に好ましくは、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、ヨウ化物イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、グアニジンイオン等が用いられる。
【0046】
上記カオトロピックイオンの溶離液E中の濃度は、0.1mM〜3000mMが好ましく、1mM〜1000mMがより好ましく、特に好ましくは、10mM〜500mMである。これは、0.1mMより低いと、分離効果が低下し測定精度が悪くなるためであり、3000mMよりも高くてもヘモグロビン類の分離効果はそれ以上向上しないためである。また、これらカオトロピックイオンは、単独でもまた、複数種混合して用いてもよい。
【0047】
さらに溶離液Eには、pH4.0〜6.8で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される。これらの無機物、有機物及びこれらの塩は、上述の本発明1における緩衝液に含まれる緩衝剤と同様のものを用いることができる。
【0048】
上記緩衝剤の溶離液E中の濃度は、水に溶解された状態で、溶離液のpHを4.0〜6.8にする緩衝作用がある範囲であればよく、好ましくは1mM〜1000mMであり、より好ましくは10〜500mMである。
【0049】
溶離液EのpHは、4.0〜6.8であるが、より好ましくは、4.5〜5.8とする。pHが4.0未満では、ヘモグロビンが変性する可能性があり、pHが6.8を超えると、ヘモグロビン類のプラス電荷が減少し、カチオン交換基に保持されにくくなり、分離能が悪くなるためである。
【0050】
上記溶離液Fには、以下に示すような、pH6.5〜8.0で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される。
【0051】
上記無機酸としては、リン酸、ホウ酸が挙げられる。また、有機酸としては、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、イミダゾール類、アミン類、アルコール類などが挙げられる。
【0052】
上記ジカルボン酸としては、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸などが挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、クエン酸などが挙げられる。アミノ酸としては、アスパラギン、ヒスチジン、セリンなどが挙げられる。イミダゾール類としては、5(4)-ヒドロキシイミダゾール、イミダゾール、5(4)-メチルイミダゾール、2,5-ジメチルイミダゾール、2,5(4)−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。アミン類としては、エチレンジアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。アルコール類としては、2-アミノ-2-メチル-1、3-プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
【0053】
その他として、2,4,6-コリジン、N−エチルモルホリン、モルホリン、4−アミノピリジン、ピロリン酸、4−アミノピリジン、カコジル酸、5,5-ジエチルバルビツール酸、β,β’-ジメチルグルタル酸、グリセロールリン酸などが挙げられる。
【0054】
また、Goodの緩衝剤、例えば、MES、Bis−tris、ADA、PIPES、Bis−tris−propane、ACES、BES、MOPS、TES、HEPES、HEPPS、Tris、Tricine、グリシルグリシン、Bicine、TAPSなどを用いることもできる。
【0055】
上記無機酸または有機酸の塩としては、公知のものでよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
【0056】
上記無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩は、単独でもまた、複数混合して用いても良く、さらに、無機酸と有機酸を混合して用いてもよい。
【0057】
上記緩衝剤の溶離液F中の濃度は、水に溶解された状態で、溶離液のpHを6.5〜8.0にする緩衝作用がある範囲であればよく、好ましくは1mM〜1000mMであり、より好ましくは10〜500mMである。
【0058】
溶離液FのpHは、pH6.5〜8.0であり、好ましくはpH6.7〜7.8である。pHが6.5未満では、ヘモグロビンA2の分離が不十分となり、pHが8.0を超えてもヘモグロビンA2の分離が不十分になるためである。
【0059】
本発明2においては、上記溶離液E及び溶離液Fに加えて、さらに、前記溶離液FよりもpHが低く、かつ塩濃度が高い溶離液(本明細書においては、「溶離液G」という)を用い、上記溶離液Fの送液後に上記溶離液Gを送液することもできる。
【0060】
溶離液GのpHは、溶離液FのpHより0.1〜5.0低いのが好ましく、より好ましくは0.5〜4.0低く、特に好ましくは1.0〜3.0低く設定する。これは、溶離液GのpHを溶離液FのpHより0.1以上低く設定しないとヘモグロビンA2の分離が悪くなり、溶離液GのpHが溶離液FのpHより5.0以上低くなるとヘモグロビンが変性してヘモグロビン類の測定精度が悪くなることがあるためである。
【0061】
さらに、溶離液Gの塩濃度は、溶離液Fの塩濃度より高く設定される。ここで、塩濃度の差は、溶離液中の総陽イオン濃度の差で表わされる。溶離液Gの塩濃度は、溶離液Fの塩濃度より、0.5mM〜200mM高く設定するのが好ましく、より好ましくは、1mM〜175mM、特に好ましくは5mM〜150mM高く設定される。これは、溶離液Gの塩濃度が溶離液Fの塩濃度に比べて0.5mMより低いとヘモグロビンA2を十分に溶出できなくなり、溶離液Gの塩濃度が溶離液Fに比べて、200mMより高いとヘモグロビンA2の分離が悪くなることがあるためである。
【0062】
溶離液Gに含有される緩衝剤としては、上記溶離液Eに含有されるpH4.0〜6.8で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩を使用することができる。また、溶離液F・Gには、上記溶離液Eと同様にカオトロピックイオンを添加するのが好ましい。
【0063】
本発明2において、溶離液E、溶離液F及び溶離液Gには、以下に示した、(1)無機塩類、(2)pH調節剤、(3)水溶性有機溶媒、(4)安定剤、(5)アミン類、(6)界面活性剤等を添加してもよい。
【0064】
(1)無機塩類、(2)pH調節剤、(3)水溶性有機溶媒として、上述の本発明1の溶離液に添加されるのと同様のものを用いることができる。
【0065】
(4)ヘモグロビンの安定剤:例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤、グルタチオン等の還元剤・酸化防止剤等が挙げれる。
【0066】
(5)アミン類:主として、ヘモグロビンの非特異的吸着を少なくするために添加する。該アミン類としては、公知のものが用いられ、好ましくは、分子量20〜500の第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンが用いられる。
【0067】
(6)界面活性剤:ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤を用いることにより、溶血を効率よく行うだけでなく、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等で測定を行う場合、溶血試薬の通過する流路等を洗浄する効果がある。上記界面活性剤の中でも、好ましくはノニオン性界面活性剤が使用され、例えば、ポリオキシエチレン類(以下、ポリオキシエチレンをPOE、エチレンオキシド付加モル数を(n)で表す。)、POE(7)デシルエーテル、POE(n)ドデシルエーテル、POE(10)トリデシルエーテル、POE(11)テトラデシルエーテル、POE(n)セチルエーテル、POE(n)ステアリルエーテル、POE(n)オレイルエーテル、POE(17)セチルステアリルエーテル、POE(n)オクチルフェニルエーテル、POE(n)ノニルフェニルエーテル、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、POE(n)モノラウリン酸ソルビタン、POE(n)モノパルミチン酸ソルビタン、POE(n)モノステアリン酸ソルビタン、POE(n)モノオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でもまた複数混合して用いてもよい。これらの界面活性剤の添加量は、好ましくは0.01〜10重量%である。
【0068】
以下に、本発明1及び本発明2(以下、「本発明」という)に共通する発明の構成について説明する。
【0069】
上記本発明においては、主としてカラム洗浄を目的として、pHが6.8〜12の溶離液(本明細書においては、「溶離液H」という)を送液するのが好ましい。溶離液HのpHを6.8以上とするのは、これより低いとカラムを通過する際のpHがヘモグロビンの等電点に到達せず、カラムを効果的に洗浄することができないためであり、pHを12以下とするのは、これよりpHが高いと充填剤の分解が起こる可能性があるためである。溶離液HのpHは、7.5〜11であるのがより好ましく、8.0〜9.5が特に好ましい。但し、充填剤の分解が測定に影響ない場合は、溶離液HのpHを12以上にすることも可能である
【0070】
溶離液Hとしては、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸などの無機酸又は、その塩;クエン酸などのヒドロキシカルボン酸、β、β−ジメチルグルタル酸などのカルボン酸誘導体、マレイン酸などのジカルボン酸、カコジル酸、などの有機酸又は、その塩が含有される緩衝液が用いられる。その他、2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホン酸(HEPES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bistris)、Tris等の一般にグッド(Good)の緩衝液といわれるものも使用できる。また、イミダゾール等のイミダゾール類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類;グリシンなどのアミノ酸類;などの有機物も使用できる。また、これらの無機酸、有機酸及びこれらの塩は、複数混合して用いても良く、また、無機酸と有機酸を混合して用いても良い。
【0071】
上記溶離液H中の無機酸、有機酸及びこれらの塩の濃度は、水に溶解された状態で溶離液のpHを6.8以上にする緩衝作用がある範囲であればよく、好ましくは、1mM〜1000mMであり、より好ましくは10〜500mMである。
【0072】
また、より効果的にカラム洗浄を行うためには、上記溶離液Hに、カオトロピックイオンを添加することが好ましい。このカオトロピックイオンは、前述したのと同様のものを用いることができる。カオトロピックイオンの溶離液H中の濃度は、1mM〜3000mMが好ましく、10mM〜1000mMがより好ましく、特に好ましくは、50mM〜500mMである。
【0073】
上記溶離液Hには、前述した溶離液E、溶離液F及び溶離液Gに添加される各種添加剤、例えば、(1)無機塩類、(2)pH調節剤、(3)水溶性有機溶媒、(4)安定剤、(5)アミン類、(6)界面活性剤等の物質を添加してもよい。
【0074】
本発明1において、溶離液Hを用いる場合には、溶離液A・溶離液B・溶離液H、溶離液A・溶離液B・溶離液D・溶離液H、あるいは溶離液A・溶離液B・溶離液C・溶離液D・溶離液Hの順に送液する。また、本発明2において、溶離液Hを用いる場合には、溶離液E・溶離液F・溶離液Hあるいは溶離液E・溶離液F・溶離液G・溶離液Hの順に送液する。
【0075】
また、本発明においては、上記溶離液A〜Hの少なくとも一種の溶離液にアジ化物イオンを添加するのがより好ましい。また、溶血液にアジ化物イオンを添加することもできる。アジ化物イオンは、溶離液または溶血液の少なくとも一方に含有されていれば良く、また両方に含有されていても良い。このアジ化物イオンの添加に際しては、水溶液中で解離してアジ化物イオンを生成する塩を用いれば良く、例えば、公知のアジ化物塩等が用いられ、好ましくは、アジ化ナトリウム、アジ化バリウム等が用いられる。
【0076】
また、上記アジ化物イオンの溶離液あるいは溶血液中の濃度は、0.001〜0.5重量%であることが好ましく、より好ましくは、0.005〜0.4重量%である。上記濃度が、0.001重量%より少ないと、分離能向上の効果がなく、また0.5重量%より多くても分離能は向上しないためである。
【0077】
本発明におけるカチオン交換液体クロマトグラフィーに用いられる充填剤は、少なくとも1種以上のカチオン交換基を有している粒子よりなるものであり、例えば、高分子粒子にカチオン交換基を導入することで得られる。
【0078】
該カチオン交換基は、公知のものでよく特に制限はない。例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などのカチオン交換基が挙げられる。また、このカチオン交換基は、複数種導入しても良い。
【0079】
より好ましい充填剤としては、少なくとも一種の強カチオン交換基を有する充填剤を用いる。強カチオン交換基とは、上記カチオン交換基のなかでもスルホン酸基等を用いたものであり、 pH2〜3程度の溶離液中においてもイオン交換作用を発揮することができる。この少なくとも一種の強カチオン交換基を有する充填剤を用いることにより、溶離液のpHを低くすることが可能となり、pHを低くすることでHb類のプラス電荷が強くなってカラムに保持され易くなり、結果として分離能を高めることができる。
【0080】
上記粒子の直径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜8μmである。また、粒度分布は、変動係数値(CV値)(粒径の標準偏差÷平均直径×100(%))として、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。
【0081】
上記高分子粒子としては、例えば、シリカ、ジルコニアなどの無機系粒子;セルロース、ポリアミノ酸、キトサンなどの天然高分子粒子;ポリスチレン、ポリアクリル酸エステルなどの合成高分子粒子などが挙げられる。
【0082】
上記高分子粒子は、導入されるイオン交換基以外の構成成分は、より親水性であることが好ましい。また耐圧性・耐膨潤性の点から架橋度の高いものが好ましい。
【0083】
上記高分子粒子へのカチオン交換基の導入は、公知の方法により行うことができるが、例えば、高分子粒子を調製後、粒子が有する官能基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基など)に、化学反応でカチオン交換基を粒子に導入させる方法により行うことができる。
【0084】
また、カチオン交換基を有する単量体を重合して高分子粒子を調製する方法によってもカチオン交換充填剤を調製できる。例えば、カチオン交換基含有単量体と架橋性単量体等とを混合し、重合開始剤の存在下に重合する方法などが挙げられる。
【0085】
また、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの重合性カチオン交換基含有エステルを架橋性単量体などと混合し、重合開始剤存在下で重合した後、得られた粒子を加水分解処理し、エステルをカチオン交換基に変換させてもよい。
【0086】
更に、特公平8−7197号公報に記載のように、架橋重合体粒子を調製した後、カチオン交換基を有する単量体を添加して、重合体粒子の表面付近に、該単量体を重合させても良い。
【0087】
上記充填剤はカラムに充填されて液体クロマトグラフィー測定に用いられる。カラムのサイズは、内径0.1〜50mm、長さ1〜300mmのものが好ましく、内径0.2〜30mm、長さ5〜200mmのものがより好ましい。カラムサイズは、内径0.1mm、長さ1mmより小さくなると作業性が悪く分離能も悪くなる。また、内径50mm、長さ300mmより大きくなると使用する充填剤量が多くなるだけでなく、分離能も悪くなる。
【0088】
充填剤のカラムへの充填方法は、公知の任意の方法が使用できるがスラリー充填法がより好ましい。具体的には、例えば、充填剤粒子を溶離液などの緩衝液に分散させたスラリーを送液ポンプなどによりカラムに圧入することにより行う。
【0089】
上記カラムの素材としては、公知のステンレス等の金属、ガラス、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂などが用いられる。また、カラム内表面のように充填剤が接触する部分については、不活性な素材で被覆することが好ましく、このような素材としては、例えば、PEEK、ポリエチレン、テフロン、チタン化合物、珪素化合物、シリコン膜等が挙げられる。
【0090】
また、カラムのフィルターあるいはプレフィルターを用いることもできるが、この場合は、少なくとも表面が不活性な素材のフィルターを用いるのが好ましい。この不活性な素材としては、セルロースエステル、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロース、セルロースナイトレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフロライド、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン、ガラス素材、アクリル共重合体、酸化物セラミック、炭化物セラミック、窒化物セラミック、珪化物セラミック、硼化物セラミック、チタン等が挙げられ、適宜これらの素材を複数種組み合わせて用いることもできる。また、ステンレスなどの不活性でない素材を用いた場合は、上記の不活性な素材で被覆する方法、シリコーン処理などの不活性処理をする方法、牛血清アルブミン、ゼラチン、カゼイン、グロブリン、ヘモグロビンなどのブロッキング試薬でブロッキングする方法などを適宜使用できる。
【0091】
本発明の分離方法に使用される液体クロマトグラフィーは、公知のものでよく、例えば、送液ポンプ、試料注入装置(サンプラ)、カラム、検出器などから構成される。また、他の付属装置(カラム恒温槽や溶離液の脱気装置など)が適宜付属されてもよい。
【0092】
また、本発明においては、上記液体クロマトグラフィーとして、セミミクロ対応装置、すなわち、装置の接液部であるポンプ、ミキシングカラム、サンプラ、配管、プレフィルター(ホルダー、フィルター)、カラム及び検出器(セル)などのデッドボリュームを可及的に小さくした装置を用いることもできる。この場合、例えば、ミキシングカラム容量は500μl以下が好ましく、250μl以下が特に好ましい。また、サンプラのインジェクションバルブ容量は10μl以下が好ましく、5μl以下がより好ましく、2μl以下が特に好ましい。また、配管は、内径0.25mm以下が好ましく、0.13mm以下がより好ましく、0.065mm以下が特に好ましい。また、サンプラ、プレフィルター、カラム、検出器などを配管で連結する場合、配管の長さは、可及的に短い方が好ましい。また、検出器(セル)の容量は、20μl以下が好ましく、10μl以下がより好ましく、5μl以下が特に好ましい。送液ポンプは、脈流が極めて少ない安定した送液が可能なものが好ましい。上記装置の中でも短時間でより精度の良い分離を行うためには、例えば、装置の接液部に、テフロン、PEEK等の不活性な素材を用い、さらに装置内のデッドボリュームを極めて小さくする。
【0093】
段階溶出法によって分離を行う場合の液体クロマトグラフィーの構成例を図1に示した。溶離液a、b、c、dは、各々溶出力の異なる溶離液であり、電磁弁1によって設定時間ごとに各溶離液に切り替えられるように、構成されている。溶離液は、送液ポンプ2により、試料注入部3から導入された試料とともにカラム4に導かれ、各成分が検出器5により検出される。各ピーク面積、高さ等はインテグレータ6により算出される。
【0094】
本発明の分離方法における、他の条件としては、公知の条件でよく、溶離液の流速は、好ましくは0.05〜5ml/分、より好ましくは0.2〜3ml/分である。また、上記セミミクロ対応装置を用いた場合、溶離液の流速は、好ましくは0.001〜3ml/分、より好ましくは0.01〜1.8ml/分、更に好ましくは、0.03〜1ml/分である。0.001ml/分より遅いと流速が安定せず、3ml/分より早いと分離精度が低下する。
【0095】
また、本発明の分離方法において溶離液の送液方法としては、特に限定されるものではないが、例えば勾配溶出法(グラディエント溶出法)、段階溶出法(ステップワイズ溶出法)で送液する方法が挙げられる。
【0096】
ヘモグロビン類の検出は、415nmの可視光が好ましいが、特にこれのみに限定されるわけではない。
【0097】
なお、本発明方法で分離される対象となるヘモグロビン混合物は、通常、界面活性剤など溶血活性を有する物質を含む溶液により溶血された溶血液を希釈したものを用いる。液体クロマトグラフィーへの注入量は、希釈倍率により異なるが、好ましくは0.1〜100μl程度である。
【0098】
【実施例】
次に、実施例、比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0099】
[実施例1]
(充填剤の調製)
テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製)450g及び2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン(和光純薬社製)50gの混合物に過酸化ベンゾイル(和光純薬社製)2gを溶解した。これを4重量%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液2500mlに分散させ、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に昇温し、1.5時間重合した。次いで、反応系を35℃に冷却した後、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東京化成社製)の50%水溶液400g、メタノール400mlを添加し1時間攪拌しながら再び80℃に昇温し1.3時間重合した。重合後、洗浄し乾燥した後、分級して平均粒径6.5μmの粒子を得た。
【0100】
(カラムへの充填)
得られた充填剤をカラムに以下のようにして充填した。粒子0.7gを、50mMリン酸緩衝液(pH5.8)30mlに分散し、5分間超音波処理した後、よく撹拌した。全量をステンレス製の空カラム(4.6φ×35mm)を接続したパッカー(梅谷精機社製)に注入した。パッカーに送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続し、圧力300kg/cm2 で定圧充填した。
【0101】
得られたカラムを用いて、以下の測定条件でヘモグロビンA2の分離、測定を行った。
(測定条件)
システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製)
検出器:SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:溶離液A:170mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液B:130mMのリン酸緩衝液(pH7.0)
溶離液H:300mMのリン酸緩衝液(pH8.5)
測定開始より0〜1分の間は溶離液Aを流し、1〜2分の間は溶離液Bを流し、2〜2.2分の間は溶離液Hを流し、2.2〜3分の間は溶離液Aを流した。
流速:1.0ml/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μl
【0102】
(測定試料1)
健常人血を採血し、抗血液凝固剤としてフッ化ナトリウム10mg/mlを添加した。これに、150倍量の溶血液(0.1重量%ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−100、東京化成社製)と20mMリン酸緩衝溶液からなる溶血液(pH7.0))を添加して溶血し、測定試料とした。
(測定試料2)
ライホチェックHbA2コントロール・レベル2(バイオラッド社製)を1mLの水に溶解させ、100倍量で希釈し、測定試料とした。
【0103】
(測定結果)
上記測定条件により、試料1を測定して得られたクロマトグラムを図2に示す。ピーク11はHbA1a及びb、ピーク12はHbF、ピーク13は不安定型HbA1c、ピーク14は安定型HbA1c、ピーク15はHbA0、ピーク16はHbA2、ピーク17はその他のHbを示す。その結果、HbA2(ピーク16)が良好に、分離されていることがわかる。
また、上記試料1及び2を10回繰り返し測定したときの、A2ピーク面積(%)の測定精度(SD;標準偏差、CV値(%);変動係数値)を求めた結果を表1に示す。その結果、試料1及び2とも精度良く測定できることがわかる。
さらに、上記試料1について3000検体を連続測定した時のHbA2の保持時間を500検体ごとに表2に示す。その結果、保持時間の変化率が小さいことがわかる。
変化率=(1回目測定のA2保持時間−3000回目測定のA2保持時間)
/1回目測定のA2保持時間)×100
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
[実施例2]
溶離液及び溶出条件を下記のようにした以外は、実施例1と同様の条件でヘモグロビンA2の分離、測定を行った。
溶離液:溶離液A:170mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液B:130mMのリン酸緩衝液(pH7.5)
溶離液C:170mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液D:130mMのリン酸緩衝液(pH6.5)
溶離液H:300mMのリン酸緩衝液(pH8.5)
測定開始より0〜1分の間は溶離液Aを流し、1〜1.4分の間は溶離液Bを流し、1.4〜1.6分の間は溶離液Cを流し、1.6〜2分の間は溶離液Dを流し、2〜2.2分の間は溶離液Hを流し、2.2〜3分の間は溶離液Aを流した。
上記測定条件により、試料1を測定して得られたクロマトグラムを図3に示す。その結果HbA2(ピーク16)が良好に分離されていることがわかる。また、測定精度を表1に、保持時間の変化率を表2に示す。結果、測定精度、保持時間の変化率とも小さく良好に測定できていることがわかる。
【0107】
[比較例1]
溶離液及び溶出条件を下記のようにした以外は、実施例1と同様の条件でヘモグロビン類の測定を行った。
溶離液:溶離液1:170mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液2:300mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
測定開始より0〜14.5分の間は溶離液1を流し、14.5〜15.2分の間は溶離液2を流し、15.2〜16分の間は溶離液1を流した。
上記測定条件により、試料1を測定して得られたクロマトグラムを図4に示す。その結果、測定に長時間を要したにもかかわらずHbA2(ピーク16)は良好に分離されなかった。また、測定精度を表1に保持時間の変化率を表2に示す。結果、測定精度、保持時間の変化率とも大きくなった。
【0108】
[比較例2]
溶離液及び溶出条件を下記のようにした以外は、実施例1と同様の条件でヘモグロビン類の測定を行った。
溶離液:溶離液1:170mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液2:250mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液3:300mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
測定開始より0〜1分の間は溶離液1を流し、1〜3.5分の間は溶離液2を流し、3.5〜4.2分の間は溶離液3を流し、4.2〜5分の間は溶離液1を流した。
上記測定条件により、試料1を測定して得られたクロマトグラムを図5に示す。その結果、HbA2(ピーク16)は良好に分離されなかった。また、測定精度を表1に保持時間の変化率を表2に示す。結果、測定精度、保持時間の変化率とも大きくなった。
【0109】
[実施例3]
溶離液及び溶出条件を下記のようにした以外は、実施例1と同様の条件で試料1の測定を行った。
溶離液:溶離液A1:45mMの過塩素酸を含有する50mMのリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液A2:55mMの過塩素酸を含有する50mMのリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液B:25mMのリン酸緩衝液(pH7.2)
溶離液D:125mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液H:300mMのリン酸緩衝液(pH8.5)
測定開始より0〜1分の間は溶離液A1を流し、1〜1.5分の間は溶離液A2を流し、1.5〜2.1分の間は溶離液Bを流し、2.1〜2.5分の間は溶離液Dを流し、2.5〜2.7分の間は溶離液Hを流し、2.7〜3.5分の間は溶離液A1を流した。
流速:2.0ml/分
【0110】
得られたクロマトグラムを図6に示す。その結果HbA2(ピーク16)と共に安定型HbA1c(ピーク14)も良好に分離されていることがわかる。
【0111】
[実施例4]
溶離液及び溶出条件を下記のようにした以外は、実施例1と同様の条件で下記試料3の測定を行った。
(測定試料3)
AFSCコントロール(ヘレナ社製)を67倍量の溶血試薬で希釈したものを用いた。
(測定条件)
溶離液:溶離液A1:45mMの過塩素酸、0.03重量%のアジ化ナトリウムを含有する50mMのリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液A2:55mMの過塩素酸を含有する50mMのリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液B:25mMのリン酸緩衝液(pH7.2)
溶離液D1:125mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液D2:150mMのリン酸緩衝液(pH5.7)
溶離液H:300mMのリン酸緩衝液(pH8.5)
測定開始より0〜1分の間は溶離液A1を流し、1〜1.5分の間は溶離液A2を流し、1.5〜2.1分の間は溶離液Bを流し、2.1〜2.5分の間は溶離液D1を流し、2.5〜3.0分の間は溶離液D2を流し、3.0〜3.2分の間は溶離液Hを流し、3.2〜4.0分の間は溶離液A1を流した。
流速:2.0ml/分
【0112】
得られたクロマトグラムを図7に示す。その結果HbA2(ピーク16)と共に、HbS・HbC(ピーク18・ピーク19)も良好に分離されていることがわかる。
【0113】
[比較例3]
溶離液及び溶出条件を下記のようにした以外は、実施例4と同様の条件で試料3の測定を行った。
溶離液:溶離液1:45mMの過塩素酸、0.03重量%のアジ化ナトリウムを含有する50mMのリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液2:55mMの過塩素酸を含有する50mMのリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液3:25mMのリン酸緩衝液(pH7.2)
溶離液4:35mMのリン酸緩衝液(pH7.2)
溶離液5:40mMのリン酸緩衝液(pH7.2)
溶離液6:300mMのリン酸緩衝液(pH8.5)
測定開始より0〜1分の間は溶離液1を流し、1〜1.5分の間は溶離液2を流し、1.5〜2.1分の間は溶離液3を流し、2.1〜2.5分の間は溶離液4を流し、2.5〜3.0分の間は溶離液5を流し、3.0〜3.2分の間は溶離液6を流し、3.2〜4.0分の間は溶離液1を流した。
得られたクロマトグラムを図8に示す。その結果、HbA2(ピーク16)、HbS(ピーク18)及びHbC(ピーク19)間の分離が悪いことがわかる。
【0114】
[実施例5]
(充填剤の調製)
テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製)450g及び2−ヒドロキシ−1,3ジメタクリロキシプロパン(和光純薬社製)50gの混合物に過酸化ベンゾイル(和光純薬社製)2gを溶解した。これを4重量%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液2500mlに分散させ、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃に昇温し、1.5時間重合した。次いで、反応系を35℃に冷却した後、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東京化成社製)の50%水溶液400g、メタノール400mlを添加し1時間攪拌しながら再び80℃に昇温し1.3時間重合した。重合後、洗浄し乾燥した後、分級して平均粒径6.5μmの粒子を得た。
【0115】
(カラムの充填)
得られた充填剤をカラムに以下のようにして充填した。粒子0.7gを、50mMリン酸緩衝液(pH5.8)30mlに分散し、5分間超音波処理した後、よく撹拌した。全量をステンレス製の空カラム(内径4.6×35mm)を接続したパッカー(梅谷精機社製)に注入した。パッカーに送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続し、圧力300kg/cm2 で定圧充填した。
【0116】
得られたカラムを用いて、以下の測定条件でヘモグロビンA2の分離、測定を行った。
(測定条件)
システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラ:ASU−420(積水化学工業社製)
検出器:SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:溶離液E:45mMの過塩素酸を含有する50mMリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液F:25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH7.5)
溶離液H:200mMの過塩素酸を含有する50mMリン酸緩衝液(pH8.5)
測定開始より0〜1.7分の間は溶離液Eを流し、1.7〜3.5分の間は溶離液Fを流し、3.5〜3.6分の間は溶離液Hを流し、3.6〜4.0分の間は溶離液Eを流した。
流速:2.0ml/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μl
【0117】
(測定試料4)
健常人血を採血し、抗血液凝固剤としてフッ化ナトリウムを10mg/mlとなるよう添加した。これに、150倍量の溶血液(界面活性剤として0.1重量%ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−100、東京化成社製)を含むリン酸緩衝溶液(pH7))を添加して溶血し、測定試料4とした。
(測定試料5:CHb含有試料)
健常人血10mlに、0.3重量%のシアン酸ナトリウムの生理食塩水1mlを添加し、37℃で3時間反応させ、次いで上記溶血液により溶血し、150倍に希釈して、測定試料5とした。
(測定試料6:AHb含有試料)
健常人血10mlに、0.3重量%のアセトアルデヒドの生理食塩水1mlを添加し、37℃で3時間反応させ、次いで上記溶血液により溶血し、150倍に希釈して、測定試料6とした。
【0118】
(測定結果)
上記測定条件により、試料4、5及び6を測定して得られたクロマトグラムを図9〜11に示した。図9は測定試料4、図10は測定試料5、図11は測定試料6を測定した結果である。ピーク11はHbA1a及びb、ピーク12はHbF、ピーク13は不安定型HbA1c、ピーク14は安定型HbA1c、ピーク15はHbA0、ピーク16はHbA2、ピーク20はCHb、ピーク21はAHbを示す。図9より、安定型HbA1c(ピーク14)及びHbA2(ピーク16)が良好に分離できたことが分かる。図10ではCHb(ピーク20)、図11ではAHb(ピーク21)が安定型HbA1c(ピーク14)から良好に分離されており、また、HbA2(ピーク16)も良好に分離されている。
【0119】
[実施例6]
溶離液を以下の組成としたこと以外は、実施例5と同様の条件でヘモグロビン類の測定を行った。
溶離液:溶離液E:50mMの過塩素酸を含有する25mMコハク酸−20mMリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液F:25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH7.5)
溶離液H:250mMの過塩素酸を含有する20mMコハク酸−20mMリン酸緩衝液(pH8.4)
測定試料は、実施例5と同じ測定試料4、5及び6を用いた。その結果、実施例5と同様に良好な結果が得られた。
【0120】
[実施例7]
溶離液Fの組成を以下のようにした以外は、実施例6と同様にして測定試料4、5及び6を測定した。
溶離液F:40mM Bistris緩衝液(pH7.8)
【0121】
[実施例8]
溶離液Fの組成を以下のようにした以外は、実施例6と同様にして測定試料4、5及び6を測定した。
溶離液F:40mM TES緩衝液(pH7.5)
【0122】
[実施例9]
溶離液Fの組成を以下のようにした以外は、実施例6と同様にして測定試料4、5及び6を測定した。
溶離液F:15mM リン酸緩衝液(pH7.1)
【0123】
[実施例10]
溶離液Fの組成を以下のようにした以外は、実施例6と同様にして測定試料4、5及び6を測定した。
溶離液F:40mM Bcine緩衝液(pH7.6)
【0124】
[実施例11]
溶離液Fの組成を以下のようにした以外は、実施例6と同様にして測定試料4、5及び6を測定した。
溶離液F:40mM HEPES緩衝液(pH7.3)
【0125】
[実施例12]
溶離液Fの組成を以下のようにした以外は、実施例6と同様にして測定試料4、5及び6を測定した。
溶離液F:40mM BES緩衝液(pH7.4)
【0126】
[実施例13]
溶離液Fの組成を以下のようにした以外は、実施例6と同様にして測定試料4、5及び6を測定した。
溶離液F:20mM マレイン酸緩衝液(pH6.8)
【0127】
(実施例7〜13の測定結果)
実施例7〜13では、実施例5と同様に良好な結果が得られた。
【0128】
[実施例14]
(セミミクロ対応装置)
以下の測定装置、測定条件を用いた以外は、実施例6と同様に測定を行った。
測定装置:送液ポンプ:イナートポンプ2001,NANOSPACE SI−1(資生堂社製)
オートサンプラ:オートサンプラー2003(資生堂社製)
検出器:UV−VIS検出器2002(資生堂社製)
カラム:ステンレス製カラム本体(内径1.5mm×長さ40mm)に実施例5と同じ充填剤を同様の方法で充填してカラムを作成した。
溶離液:溶離液E:46mMの過塩素酸を含有する50mMリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液F:25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH7.5)
溶離液H:200mMの過塩素酸を含有する50mMリン酸緩衝液(pH8.5)
測定開始より0〜1.7分の間は溶離液Eを流し、1.7〜3.5分の間は溶離液Fを流し、3.5〜3.6分の間は溶離液Hを流し、3.6〜4.0分の間は溶離液Eを流した。
流速:0.2ml/分
検出波長:415nm
試料注入量:3μl
【0129】
(測定結果)
実施例14で得られた結果を図12〜14に示した。図12は測定試料4、図13は測定試料5、図14は測定試料6を測定した結果である。実施例5と同様に安定型HbA1c(ピーク14)がCHb(ピーク20)及びAHb(ピーク21)などの修飾Hbから良好に分離され、しかも、HbA2(ピーク16)も良好に分離された。
【0130】
[比較例4]
以下に示す溶離液2を、実施例6における溶離液Fの代わりに用いたこと以外は、実施例6と同様にして測定試料4を測定した。
溶離液2:20mM リンゴ酸緩衝液(pH5.7)
(測定結果)
図15に示したように、比較例4では、安定型HbA1c(ピーク14)は分離できたが、HbA2(ピーク16)の分離が不十分であった。
【0131】
(HbF、安定型HbA1c及びHbA2の測定精度評価)
上記実施例5〜10及び比較例4における測定試料4の測定結果を表3及び表4に示した。
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】
【0134】
その結果、実施例5〜10では、HbA2の測定精度(CV値)が非常に高いと同時に、HbF及び安定型HbA1cの測定精度も良かった。また、HbA2値は、いずれも2.3%と非常に測定精度が良かった。一方、比較例4では、HbA2の定精度が非常に悪かった。
【0135】
[実施例15]
溶離液を以下の組成としたこと以外は、実施例5と同様の条件で下記測定試料7・8について、ヘモグロビンA2の分離を行った。
溶離液:溶離液E:50mMの過塩素酸、0.03重量%アジ化ナトリウムを含有する25mMコハク酸−20mMリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液F:0.03重量%アジ化ナトリウムを含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.1)
溶離液G:0.03重量%アジ化ナトリウムを含有する90mMの過塩素酸を含有する5mMコハク酸−15mMリン酸緩衝液(pH5.3)
溶離液H:250mMの過塩素酸を含有する20mMコハク酸−20mMリン酸緩衝液(pH8.4)
測定開始より0〜1.7分の間は溶離液Eを流し、1.7〜3.0分の間は溶離液Fを流し、3.0〜3.5分の間は溶離液Gを流し、3.5〜3.6分の間は溶離液Hを流し、3.6〜4.0分の間は溶離液Eを流した。
流速:2.0ml/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μl
【0136】
(測定試料7)
Hemoglobin A2 Control Level2(BIO RAD社製)を添付文書に従って、水1mlで溶解し、更に、これを、60倍量の溶血液(界面活性剤として0.1重量%ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−100、東京化成社製)を含有するリン酸緩衝溶液(pH7))を添加希釈して、測定試料7とした。
【0137】
(測定試料8)
Hemoglobin AFSC HEMO Control(Helena Laboratories社製)を、60倍量の溶血液(界面活性剤として0.1重量%ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−100、東京化成社製)を含有するリン酸緩衝溶液(pH7))を添加希釈して、測定試料8とした。
【0138】
(測定結果)
実施例15で得られたクロマトグラムを図16・17に示した。測定試料7の結果を図16に、測定試料8の結果を図17に示した。図16・17から明らかのようにHbF、安定型HbA1c、HbA2、HbS、HbCを良好に分離出来た。また、表5に示すように、測定精度も良好であった。
【0139】
【表5】
【0140】
[実施例16]
実施例15における溶離液Eを以下の組成としたこと以外は、実施例15と同様の条件でヘモグロビン類の測定を行った。
溶離液E:50mMの過塩素酸を含有する25mMコハク酸−20mMリン酸緩衝液(pH5.3)
【0141】
(測定結果)
実施例16で得られたクロマトグラムを図18・19に示した。測定試料7の結果を図18に、測定試料8の結果を図19に示した。図18・19から、HbA2、HbS、HbCは良好に分離出来るが、HbFについては分離が悪いことが分かる。
【0142】
【発明の効果】
本発明は以上の構成からなるので、Hb混合物からHbA2分離するに際し、従来法よりも精度良く、かつ短時間に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体クロマトグラフィー装置の構成の一例を示した図。
【図2】実施例1の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料1)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図3】実施例2の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料1)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図4】比較例1の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料1)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図5】比較例2の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料1)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図6】実施例3の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料1)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図7】実施例4の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料3)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図8】比較例3の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料3)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図9】実施例5の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料4)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図10】実施例5の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料5)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図11】実施例5の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料6)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図12】実施例14の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料4)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図13】実施例14の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料5)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図14】実施例14の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料6)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図15】比較例4の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料4)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図16】実施例15の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料7)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図17】実施例15の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料8)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図18】実施例16の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料7)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図19】実施例16の測定条件により、ヘモグロビンA2の分離(試料8)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【符号の説明】
a,b,c,d 溶離液群
1 電磁弁
2 送液ポンプ
3 試料注入部
4 カラム
5 検出器
6 インテグレータ
11 HbA1a及びbのピーク
12 HbFのピーク
13 不安定型HbA1cのピーク
14 安定型HbA1cのピーク
15 HbA0のピーク
16 HbA2のピーク
17 その他のHbのピーク
18 HbSのピーク
19 HbCのピーク
20 CHbのピーク
21 AHbのピーク
Claims (11)
- カチオン交換液体クロマトグラフィーによる、ヘモグロビン混合物からのヘモグロビンA2の分離方法において、
ヘモグロビンA0よりも前に溶出するヘモグロビン類を溶出させるための溶離液(以下「溶離液A」という)と、ヘモグロビンA0の保持時間以上の保持時間を有するヘモグロビン類を溶出させるための溶離液(以下「溶離液B」という)の少なくとも2種の溶離液を用い、
前記溶離液AのpHが4.0〜6.0であって、前記溶離液BのpHが、前記溶離液AのpHより0.5以上高いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項1記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
前記溶離液Bの塩濃度が、前記溶離液Aの塩濃度より低いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項1または2記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
さらに、少なくともヘモグロビンA2を溶出させるための溶離液(以下「溶離液D」という)を用い、
前記溶離液DのpHが、前記溶離液BのpHより0.5以上低いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項3記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
前記溶離液Bの塩濃度が、前記溶離液Aの塩濃度より低く、前記溶離液Dの塩濃度が、前記溶離液Bの塩濃度より高いことを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項3または4記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
さらに、前記溶離液B及び溶離液Dよりも溶出力の弱い溶離液(以下「溶離液C」という)を用い、
前記溶離液Bを送液した後に、前記溶離液Cを送液し、その後前記溶離液Dを送液することを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - カチオン交換液体クロマトグラフィーによる、ヘモグロビン混合物からのヘモグロビンA2の分離方法において、
カオトロピックイオンが含有され、かつpH4.0〜6.8で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される溶離液(以下「溶離液E」という)と、pH6.5〜8.0で緩衝能を持つ無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩が含有される溶離液(以下「溶離液F」という)の少なくとも2種の溶離液を用いることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項6記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
さらに、前記溶離液FよりもpHが低く、かつ塩濃度が高い溶離液(以下「溶離液G」という)を用い、
前記溶離液Fの送液後に前記溶離液Gを送液することを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
前記溶離液B、溶離液D、溶離液Fまたは溶離液Gの送液後に、 pHが6.8〜12の溶離液(以下「溶離液H」という)を送液することを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項8記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
前記溶離液Hにカオトロピックイオンが含有されることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
前記溶離液A〜Hのうち少なくとも一種の溶離液、及び/または、溶血液に、アジ化物イオンが含有されることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載のヘモグロビンA2の分離方法であって、
充填剤として、少なくとも一種の強カチオン交換基を有する充填剤を用いることを特徴とするヘモグロビンA2の分離方法。
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