JP4416224B2 - エレベータの停電時救出運転装置 - Google Patents

エレベータの停電時救出運転装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常用電源が停電してエレベータを運転できなくなった場合に、非常用電源を用いてエレベータを運転し、乗りかごを最寄りの階床に着床させて乗りかご内の乗客を救出するエレベータの停電時救出運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
常用電源が停電してエレベータを運転できなくなると、階床間で停止した乗りかご内に乗客が閉じ込められてしまう。そこで、従来のエレベータには、停電時に非常用電源を用いてエレベータを運転し、乗りかごを最寄りの階床に着床させて乗りかご内の乗客を救出する停電時救出運転装置が設けられている。
【0003】
このような停電時救出運転装置を備えたエレベータの一例を図15を参照して説明すると、エレベータ1の乗りかご2はロープRを介して釣合おもり3と接続されるとともに、昇降用電動機4の正逆両方向の回転によって昇降する。
昇降用電動機4に電力を供給するインバータ装置5の作動は、主制御装置6から回路7を介して送られる制御信号によって制御される。
また、乗りかご2に設けた荷重検出装置2aは、回路2bを介して主制御装置6に荷重信号を送信する。
【0004】
常用電源8から供給される電力の一部は、充電装置9を介して非常用電源としてのバッテリ10に蓄えられるとともに、DC/DCコンバータ16によって電圧が変換された後に回路12を介して主制御装置6に、かつ回路13を介して電圧低下検出装置14にそれぞれ供給される。
また、電圧低下検出装置14には、インバータ装置5が有する平滑コンデンサ20の電圧が回路15を介して供給される。
【0005】
このような構造のエレベータにおいて常用電源8が停電すると、インバータ装置5および主制御装置6にはバッテリ10から電力が供給され、乗りかご2を昇降させて最寄りの階床に着床させ、乗りかご2内の乗客を救出する。
このとき、主制御装置6は、荷重検出装置2aからの信号に基づいて昇降用電動機4を回生側に起動し、バッテリ10の出力負荷を小さくするような制御を行う。
また、電圧低下検出装置14によってバッテリ10の出力電圧が所定値以下に降下したことが検出されると、主制御装置6は救出運転を中止し、バッテリ10の出力電圧が完全に低下してエレベータの救出運転制御が不能となることを防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の停電時救出運転装置においては、乗りかご2に設けた荷重検出装置2aの異常等により救出運転開始時に昇降用電動機4を力行側に起動してしまった場合でも、救出運転はそのまま継続される。
これにより、エレベータを最大負荷で力行側に救出運転する場合にも、バッテリ10の出力電圧が低下して救出運転が不能とならないように、バッテリ10は必然的に大容量なものとせざるを得ない。
そして、このような大容量のバッテリ10は、停電時救出運転装置のコスト低減のネックとなるばかりでなく、装置の大型化やメンテナンス作業の煩雑さをも招いていた。
【0007】
そこで、救出運転開始時に昇降用電動機を誤って力行側に運転した場合に、昇降用電動機の運転を一旦停止させた後に直ちに反対方向に運転することにより、非常用電源としてのバッテリの容量を小さくする技術が、例えば特公平4−64995号公報、特公平6−31138号公報、特開平8−133620号公報等に記載されている。
しかしながら、これらの従来技術はいずれも、昇降用電動機を力行側へ起動したことを検出すると昇降用電動機を無条件で反対方向に運転するものであり、スムーズな救出運転を行うことができない。
また、昇降用電動機を力行側に起動したことを様々な手法を用いて判別しているために、装置の構造が複雑なものとなっている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、非常用電源としてのバッテリの容量を小さくすることにより製造コストおよび設置スペースを低減できるばかりでなく、スムーズな救出運転が可能で、かつ構造が簡単で保守性にも優れたエレベータの救出運転装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の発明は、
乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記制御電源電圧および前記駆動電源電圧の少なくとも一方が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が検出すると、前記昇降用電動機を反対方向に運転して救出運転を再開するとともに、
前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた場合は、前記停電時電力供給手段が供給する前記制御電源電圧若しくは前記駆動電源電圧が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく救出運転を継続することを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決する請求項2に記載の発明は、
乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、
前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記制御電源電圧および前記駆動電源電圧の少なくとも一方が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が検出すると、前記昇降用電動機を反対方向に運転して救出運転を再開するとともに、
前記制御手段は、乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度検出手段が検出した場合には、前記電圧低下検出手段の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続することを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決する請求項3に記載の発明は、
乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、
前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記制御電源電圧および前記駆動電源電圧の少なくとも一方が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が検出すると、前記昇降用電動機を反対方向に運転して救出運転を再開するとともに、
前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた場合は、前記停電時電力供給手段が供給する前記制御電源電圧若しくは前記駆動電源電圧が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく救出運転を継続し、
かつ前記制御手段は、乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度検出手段が検出した場合には、前記電圧低下検出手段の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続することを特徴とする。
【0012】
すなわち、ロープ式エレベータにおいて乗りかごおよび釣合おもりのいずれか重い方を上昇させる側、すなわち力行側に昇降用電動機を運転する際には、停電時電力供給手段から昇降用電動機に駆動電源電圧を連続して供給しなければならないから、停電時電力供給手段の出力電圧は徐々に低下する。
これに対して、乗りかごおよび釣合おもりのいずれか重い方を降下させる側、すなわち回生側に昇降用電動機を運転する際には、その出力電圧は低下しない。 このとき、請求項1に記載のエレベータの停電時救出運転装置は、救出運転を開始する際に昇降用電動機を誤って力行側に起動させても、電圧低下検出手段が電圧低下を検出しない限り救出運転を継続するので、停電時電力供給手段から供給される制御電源電圧および駆動電源電圧の低下を検出するという極めて簡単な構造でありながら、救出運転をスムーズに行うことができる。
なお、停電時電力供給手段が供給する制御電源電圧若しくは駆動電源電圧が所定値まで低下しても、停電時電力供給手段がそれ以降の救出運転を可能な電力を継続して供給できるようにすることは言うまでもない。
一方、停電時電力供給手段が供給する制御電源電圧若しくは駆動電源電圧が所定値以下になると、制御手段は昇降用電動機の作動を停止させた後に昇降用電動機を反対方向に運転するので、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定した場合でも、エレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0013】
また、制御手段が救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた後とは、救出運転開始時に昇降用電動機を誤って力行側に運転したために、停電時電力供給手段、例えばバッテリから供給する制御電源電圧若しくは駆動電源電圧が所定値以下に低下し、昇降用電動機を反対方向すなわち回生側に運転している状態である。
したがって、本発明のエレベータの停電時救出運転装置によれば、昇降用電動機を回生側に運転しているときに何らかの理由により電圧低下検出手段が電圧低下を検出しても、昇降用電動機の運転方向を力行側に反転させないから、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0014】
また、救出運転を開始した直後は乗りかごの昇降速度が増加するが、この状態においては一時的に停電時電力供給手段の出力電圧が所定値以下になる場合がある。このときに、電圧低下検出手段の検出結果に基づいて昇降用電動機の作動を一旦停止させて運転方向を反転させたのでは、昇降用電動機を力行側に運転してしまうことになる。
そこで、乗りかごの昇降速度が増加しない定常状態となったときに電圧低下検出手段の検出結果に基づいて制御を行うことにより、より正確な救出運転を行うことができる。
【0015】
また、上記課題を解決する請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置に、前記停電時電力供給手段が前記制御手段に供給する制御電源電圧を一定に保つ定電圧回路をさらに設けたことを特徴とするものである。
これにより、電圧低下検出手段は、停電時電力供給手段が制御手段に供給する制御電源電圧の低下を検出しないで、停電時電力供給手段が昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の低下のみを検出することになる。
したがって、停電時電力供給手段が昇降用電動機に供給する駆動電源電圧が所定値以下になるまで救出運転を継続できるから、停電時電力供給手段の電気容量を無駄なく使用できることとなり、停電時電力供給手段を小型化することができる。
なお、停電時電力供給手段が制御手段に供給する制御電源電圧が所定値以下に低下しても、制御手段による制御が支障無く行えるようにする。
【0016】
また、上記課題を解決する請求項5に記載の発明は、
乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に、乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
前記停電時電力供給手段が出力する電流を監視する電流検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記停電時電力供給手段が救出運転中に所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを前記電流検出手段が検出すると、昇降用電動機の運転方向を反転させて救出運転を再開し、
前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた後に、前記停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを前記電流検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく現在行っている救出運転を継続することを特徴とする。
【0017】
すなわち、ロープ式エレベータにおいて乗りかごおよび釣合おもりのいずれか重い方を上昇させる側、すなわち力行側に昇降用電動機を運転する際には、停電時電力供給手段から昇降用電動機に駆動電源電圧を供給しなければならないから、停電時電力供給手段は所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力する。
これに対して、乗りかごおよび釣合おもりのいずれか重い方を降下させる側、すなわち回生側に昇降用電動機を運転する際には、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力することはない。
このとき、請求項5に記載のエレベータの停電時救出運転装置は、救出運転を開始する際に昇降用電動機を誤って力行側に運転しても、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを電流検出手段が検出しない限り現在行っている救出運転を継続するものであるから、停電時電力供給手段が出力する電流を監視するという極めて簡単な構造でありながら救出運転をスムーズに行うことができる。
一方、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力すると、制御手段は昇降用電動機の作動を停止させた後に昇降用電動機の運転方向を反転させるので、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0018】
また、制御手段が救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた後とは、救出運転開始時に昇降用電動機を誤って力行側に運転したために、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力したことから、昇降用電動機の運転方向を反転させて回生側に運転している状態である。
したがって、請求項に記載のエレベータの停電時救出運転装置によれば、昇降用電動機を回生側に運転しているときに、何らかの理由により停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを電流検出手段が検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させないから、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0019】
また上記課題を解決する請求項に記載の発明は、請求項に記載のエレベータの停電時救出運転装置に、前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検出手段をさらに設けるとともに、前記制御手段は、乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度検出手段を検出した場合に、前記電流検出手段の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続することを特徴とする。
【0020】
すなわち、救出運転を開始した直後は乗りかごの昇降速度が増加するが、この状態においては一時的に停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力する場合がある。
このときに、電流検出手段の検出結果に基づいて昇降用電動機の作動を一旦停止させて運転方向を反転させたのでは、昇降用電動機を力行側に運転することになる。
そこで、乗りかごの昇降速度が増加しない定常状態となったときに、電流検出手段の検出結果に基づいて制御を行うことにより、より正確な救出運転が可能となる。
【0021】
また上記課題を解決する請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置において、前記停電時電力供給手段を互いに直列に接続した複数のバッテリから構成するととともに、前記バッテリを個別に充電する充電手段をさらに設けたことを特徴とする。
すなわち、互いに直列に接続された複数のバッテリ間から異なる電圧の複数の電力を取り出して各種装置の電源として用いる場合には、各バッテリ毎に蓄えている電力に差が生じる。
これにより、直列に接続した複数のバッテリを全体的に一括して充電したのでは過充電となるバッテリや充電不足となるバッテリが存在し、各バッテリの寿命を縮めてしまう可能性がある。
そこで、各バッテリを個別に充電する充電手段を設けることにより、各バッテリの過充電や充電不足を防止してバッテリの寿命低下を防止することができる。 また、各バッテリの出力電圧をほぼ一定に維持することができるから、異なる電圧の電力を産み出すために複数の電源変換装置を設ける必要がなく、エレベータの停電時救出運転装置のより一層のコスト低減を図ることができる。
【0022】
また上記課題を解決する請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置において、昇降用電動機にインバータを介して電力を供給するように構成するとともに、前記インバータの電源整流ダイオードが、前記停電時電力供給手段から前記インバータに電力を供給する回路に設ける逆流防止ダイオードを兼ねるようにしたものである。
これによりエレベータの停電時救出運転装置のより一層のコスト低減を図ることができる。
【0023】
また上記課題を解決する請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置において、停電時に乗りかごが停止した位置を検出する位置検出手段をさらに設けるとともに、前記制御手段は、停電時に乗りかごが停止した位置に応じて実行する救出運転を選別することを特徴とする。
すなわち、停電時に乗りかごが各階床に対して所定の近傍範囲内に停止した場合には、救出運転開始に伴って昇降用電動機を力行側に運転することになってもその階床に向かう方向に乗りかごを移動させる救出運転を行う。これにより、乗りかごをより一層迅速に最寄りの階床に着床させることができる。
また、停電時に乗りかごが最上階より上方にずれて停止した場合には、乗りかごを無条件で降下させる救出運転を実行する。これにより、乗りかごが上昇して昇降路の最上端に衝突することを防止できる。
同様に、停電時に乗りかごが最下階より下方にずれて停止した場合には、乗りかごを無条件で上昇させる救出運転を実行する。これにより、乗りかごが降下して昇降路の最下端に衝突することを防止できる。
これに対して、停電時に乗りかごが各階床に対する所定の近傍範囲を外れて各階床間に停止した場合は、乗りかごの昇降方向の反転を許容する救出運転を実行する。
【0024】
また上記課題を解決する請求項10に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置において、前記制御手段および前記停電時電力供給手段を、一つの雷サージ吸収装置を介して常用電源に接続したことを特徴とする。
これにより、一つの雷サージ装置によって制御手段および停電時電力供給手段を雷サージから保護することができるから、エレベータの停電時救出運転装置のより一層のコスト低減を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエレベータの停電時救出運転装置の参考例および各実施形態を、図1乃至図14を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の部分には同一の符号を用いてその説明を簡単なものとする。
【0026】
参考例
まず最初に図1乃至図5を参照し、参考例のエレベータの停電時救出運転装置100について説明する。
【0027】
図1に示したように、ロープ式エレベータ1の乗りかご2はロープRを介して釣合おもり3に接続されるとともに、昇降用電動機4の正逆両方向の回転によって昇降するようになっている。
昇降用電動機4に駆動電源電圧を供給するインバータ装置5の作動は、主制御装置(制御手段)6から回路7を介して送られる制御信号によって制御される。
また、主制御装置6には、乗りかご2に設けた荷重検出装置2aから信号回路2bを介して荷重信号が入力し、救出運転開始時の昇降用電動機の運転方向を決定するようになっている。
また、常用電源8が供給する電力の一部は、充電装置9を介して停電時電力供給手段を構成するバッテリ30に蓄えられ、停電時に備えている。なお、バッテリ30は、図15に示した従来装置のバッテリ10に対し、そのバッテリ容量が大幅に低減されている。
【0028】
常用電源8が停電すると停電時電力供給用コンタクタ11が自動的に閉じる。 これにより、バッテリ30に蓄えられた停電時電力は回路12および回路13を介してインバータ装置5に供給されて三相交流に変換され、駆動電源電圧として昇降用電動機4に供給される。
なお、回路12の途中に介装されたダイオード14は逆流防止ダイオードであり、かつインバータ装置5内のダイオード15は電源整流ダイオードである。
【0029】
バッテリ30に蓄えられた停電時電力は、DC/DCコンバータ16によって変圧され、回路17を介して主制御装置6に、回路18を介して電圧低下検出装置19にそれぞれ制御電源電圧として供給される。
また、互いに直列に接続されたバッテリ31,32の接続箇所から延びる回路33は前記回路14に接続され、バッテリ31の電圧を電圧低下検出装置19に反映できるようになっている。
さらに、電圧低下検出装置19には、インバータ装置5に内蔵された平滑コンデンサ20の電圧が回路21を介して供給されている。
そして電圧低下検出装置19は、回路18を介して検出する制御電源電圧および回路21を介して検出する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定の電圧より低下したことを検出すると、回路22を介して主制御装置6に警報を送る。
【0030】
次に、本参考例のエレベータの停電時救出運転装置100におけるバッテリ30の容量の選定方法について説明する。
【0031】
図15に示した従来装置においては、救出運転開始時に昇降用電動機4を誤って力行側に運転した場合でも、救出運転を確実に行えるようにバッテリ10の容量を選定する必要があるため、次式に基づいてバッテリ10の容量を選定していた。
C=(K/0.8)×I ……(1)
ここで、Cはバッテリ容量、0.8は保守率、Kは容量換算時間、Iはバッテリ最大出力電流である。
【0032】
また、図2に示したように、乗りかごを最大積載状態で上昇させる力行運転時の定常電流をIとするとともに、乗りかごの上昇速度をVとし、かつO.Bを乗りかご2と釣合おもり3との重量比を表すオーバーバランスとした時のモータ容量Pが、
P=((1−O.B)W×V/6120) ……(2)
となることより、バッテリ電圧をVBとすると、Iは、
I=(P+P0×0.1)/VB ……(3)
だけ流れることになる。
ここで、P0はモータ定格容量、P0×0.1は銅損および鉄損を含めたモータ自体の損失である。
【0033】
これに対し本参考例のエレベータの停電時救出運転装置100においてバッテリ容量を選定するときには、昇降用電動機の運転方法を以下のように限定する。
(1) 停電時に乗りかごが各階床に対して所定の近傍範囲内に停止したときは、
昇降用電動機を力行側に運転してでも最寄りの階床に着床させる。
(2) 停電時に乗りかごが各階床に対する所定の近傍範囲を外れて各階床間に停
止したときは、昇降用電動機を必ず回生側に運転する。
【0034】
このように運転方法を限定すると、上記(1)のように乗りかごが各階床に対して所定の近傍範囲内に停止したときには、乗りかごを最寄りの階床まで短い距離だけ移動させれば良い。これにより、昇降用電動機を力行側に運転しても、図3に示したように救出運転開始後10秒以内には乗りかごを最寄りの階床に着床させることができる。
また、上記(2)のように乗りかごが各階床に対する所定の近傍範囲を外れて各階床間に停止したときには、昇降用電動機を回生側に運転するので、バッテリ電流は乗りかごが加減速するときにのみ流れる。
したがって、本参考例のエレベータの停電時救出運転装置100におけるバッテリ容量は、図3に示したバッテリ電流を流せるだけのバッテリ容量であれば充分である。
【0035】
このように昇降用電動機を力行側に運転する場合でも、乗りかごが最寄りの階床に着床するまでの約10秒間だけ駆動電源電圧の供給を保証できるバッテリ容量を選定すれば、図4に示すようなバッテリ電圧の低下を考慮しても、バッテリ容量をCとした場合にI=6C〜10Cとなる容量のバッテリを選定すれば良く、従来の装置に比較してバッテリ容量を大幅に低減することができる。
【0036】
しかしながら、上述したようにぎりぎりのバッテリ容量を選定した場合には、昇降用電動機を力行側に継続して運転すると、バッテリが供給する電力の電圧値および電流値がさらに低くなってしまう。
そして、バッテリ30が主制御装置6に供給する制御電源電圧およびインバータ装置5に供給する駆動電源電圧が急激に低下すると、それ以降の救出運転が不可能となってしまう。
そこで、このような救出運転不能状態を回避するため、本参考例のエレベータの停電時救出運転装置100の主制御装置6は以下のように作動する。
【0037】
すなわち、図5に示したフローチャート図のステップ(以下Sで表す)1において停電発生を認めると、S2において停電時救出運転装置を起動する。
次いでS3において、乗りかごに設けた荷重検出装置2aから信号回路2bを介して入力する荷重信号に基づき、乗りかご2若しくは釣合おもり3のいずれか重い方を降下させる回生側を判別し、昇降用電動機4の運転方向を決定する。
このとき、荷重検出装置2aの故障や誤作動若しくは荷重信号に含まれるノイズの影響等により、昇降用電動機4を誤って力行側に起動すると、バッテリ30の容量不足による電圧低下によって救出運転が途中で停止する可能性がある。
そこで、S5において電圧低下検出装置19は、回路18を介して検出する制御電源電圧および回路21を介して検出する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定の電圧より低下しているか否かを判別する。そして、電圧低下を検出すると電圧低下検出装置19は回路22を介して主制御装置6に警報を送る。
【0038】
主制御装置6は、電圧低下検出装置19から電圧低下の警報が入力すると、昇降用電動機4が誤って力行側に運転されていると判別し、S6において昇降用電動機4の運転を一旦停止させた後、昇降用電動機4を反対方向に運転する。
そして、S7に進んで昇降用電動機4を反対方向に運転する救出運転を継続する。
その後、S8において乗りかご2が最寄りの階床に着床したか否かを判別し、判別結果がYESとなるまでS5〜S8に至るルーチンを継続して救出運転を完了する。
なお、昇降用電動機4を回生側に運転すると電動機の負荷は力行時に比較して低減されるから、バッテリ30の電圧が低下する割合も大幅に低くなり、S5においてバッテリ30の電圧低下を繰り返し検出し、そのたびにS6に進んで昇降用電動機の運転方向を繰り返し反転させる状態に陥ることはない。
【0039】
すなわち、本参考例のエレベータの停電時救出運転装置100は、救出運転を開始する際に昇降用電動機4を誤って力行側に運転しても、電圧低下検出装置19が電圧低下を検出しない限り救出運転を継続するものであるから、バッテリ30が供給する制御電源電圧若しくは駆動電源電圧の低下を検出するという極めて簡単な構造でありながら、救出運転をスムーズに行うことができる。
また、昇降用電動機4を力行側に運転したことに起因して電圧低下検出装置19が電圧低下を検出した場合には、主制御装置6が昇降用電動機4の作動を停止させた後に昇降用電動機4を反対方向すなわち回生側に運転するので、バッテリ30の電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0040】
実施形態
次に図6を参照し、請求項2に対応するエレベータの停電時救出運転装置200について説明する。
【0041】
上述した参考例のエレベータの停電時救出運転装置100は、電圧低下検出装置19がバッテリ30の電圧低下を検出すると、主制御装置6が昇降用電動機4の作動を停止させた後に昇降用電動機4を反対方向、すなわち回生側に運転する構造となっている。
一方、昇降用電動機4を回生側に運転するとバッテリ30は充電され、通常はその電圧が高まるが、乗りかごを回生側に加速させる際には図3に示したようにバッテリ30が電流を供給することになる。
そして、乗りかご2の荷重状況によっては乗りかごを回生側に加速させる際にバッテリ30が供給する電流が大きくなり、バッテリ30の電圧が所定値以下に再度低下する場合もあると考えられる。
この場合、昇降用電動機4が今度は力行側に運転されるので、救出運転をスムーズに行えなくなってしまう。
【0042】
そこで、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置200においては、救出運転開始後にバッテリ30の電圧低下を検出して昇降用電動機4の運転方向を一旦反転させた後には、バッテリ30の電圧低下を再度検出しても昇降用電動機4の運転方向を反転させない構造とした。
【0043】
すなわち、図6に示したように、S6において昇降用電動機4の運転を一旦停止させて昇降用電動機4を反対方向に運転した後には、参考例とは異なってS7には進まず、S18において乗りかご2が最寄りの階床に着床したか否かを判別した結果がYESとなるまでS17からS18に至るルーチンを継続して救出運転を完了する。
これにより、昇降用電動機4を回生側に運転しているときに何らかの理由により電圧低下検出装置19が電圧低下を検出しても、昇降用電動機4の運転方向が力行側に反転しないから、バッテリ30の電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0044】
実施形態
次に図7を参照し、請求項3に対応するエレベータの停電時救出運転装置300について説明する。
【0045】
本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置300は、上述した参考例若しくは第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置100,200に、乗りかご2の昇降速度を検出する昇降速度検出手段をさらに設けるとともに、乗りかご2の昇降速度が増加していることを昇降速度検出手段が検出したときには、主制御装置6が電圧低下検出装置19の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続するようにしたものである。
【0046】
すなわち、救出運転を開始した直後は乗りかご2の昇降速度が増加するが、この場合には一時的にバッテリ30の出力電圧が所定値以下になることがある。
このときに電圧低下検出装置19の検出結果に基づいて昇降用電動機4の作動を一旦停止させて運転方向を反転させたのでは、昇降用電動機4を力行側に運転してしまう。
そこで、乗りかご2の昇降速度が増加しない定常状態となったときに、電圧低下検出装置19の検出結果に基づいて制御を行うことにより、より正確な救出運転を行うことができる。
なお、乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検出手段としては、例えば昇降用電動機4と一体に回転するシーブの回転数を検出する装置、若しくは乗りかご2の昇降を案内するガイドレール上を転動するローラの回転数を検出する装置等を用いることができる。
【0047】
このような制御を図7を参照して説明すると、図7に示したフローチャート図のS21において停電発生を認めると、S22において停電時救出運転装置を起動する。
次いでS23において、乗りかごに設けた荷重検出装置2aから信号回路2bを介して入力する荷重信号に基づき、乗りかご2若しくは釣合おもり3のいずれか重い方を降下させる回生側を判断し、昇降用電動機4の運転方向を決定する。 そして、S24において昇降用電動機4を起動した後、S25において乗りかごの昇降速度を調べて乗りかご2が加速中であるか否かを判別する。
この判別結果がYESの場合にはS26に進んで電圧低下検出装置19の作動を停止させ、若しくは電圧低下検出装置19から送られる信号を無視して処理しないようにした後、S30に進む。
これに対して、S25における判別結果がNOの場合には、S27に進んで電圧低下検出装置19を作動させ、若しくは電圧低下検出装置19から送られる信号に基づいた制御を開始する。
【0048】
S28において電圧低下検出装置19は、回路18を介して検出する制御電源電圧および回路21を介して検出する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定の電圧より低下しているか否かを判別する。そして、判別結果がYESの場合は電圧低下検出装置19は回路22を介して主制御装置6に警報を送る。
主制御装置6は、電圧低下検出装置19から電圧低下の警報が入力すると昇降用電動機4が誤って力行側に運転されていると判断し、S29に進んで昇降用電動機4の運転を一旦停止させた後、昇降用電動機4を反対方向に運転する。そして、S30に進んで昇降用電動機4を反対方向に運転する救出運転を継続する。 S28における判別結果がNOの場合には、昇降用電動機4を反対方向に運転することなくS30に進んで救出運転を継続する。
その後、S31において乗りかご2が最寄りの階床に着床したか否かを判別し、その判別結果がYESとなるまでS25〜S31に至るルーチンを継続し、救出運転を完了する。
【0049】
すなわち、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置300は、乗りかご2の昇降速度が増加しない定常状態となったときに電圧低下検出装置19の検出結果に基づいて制御を行うので、乗りかご2が加速しているときに生じるバッテリ30の電圧降下を無視してバッテリ30の真の電圧低下を検出できる。
これにより、バッテリ30の容量をより一層低減させた場合でも、エレベータの停電時救出運転をより正確に行うことができる。
【0050】
実施形態
次に図8を参照し、請求項4に対応するエレベータの停電時救出運転装置400について説明する。
【0051】
図8に示したエレベータの停電時救出運転装置400は、互いに直列に接続されたバッテリ31,32の接続箇所より延びる回路34を直接主制御装置6に接続した点と、前記回路34から分岐して電圧低下検出装置19に至る回路35の途中に定電圧出力装置36を設けた点の2点において、図1に示したエレベータの停電時救出運転装置100と異なっている。
【0052】
これにより、電圧低下検出装置19に入力する制御電源電圧は定電圧出力装置36によってバックアップされて低下しないから、電圧低下検出装置19はバッテリ30から供給される制御電源電圧の低下を検出できなくなる。
したがって、電圧低下検出装置19は、回路21を介してバッテリ30がインバータ装置5に供給する駆動電源電圧の低下のみを検出するので、バッテリ30が昇降用電動機4に供給する駆動電源電圧が所定値以下になるまで救出運転を継続できることとなり、バッテリ30の電気容量を無駄なく使用できるから、バッテリ30の電気容量をより一層小さくすることができる。
また、電圧低下検出装置19に制御電源電圧を供給する回路35の途中にのみ定電圧出力装置36を設けるので、電圧低下検出装置19を小型のものとし、より一層のコスト低減を図ることができる。
【0053】
なお、バッテリ30の出力電圧低下に伴い、主制御装置6および電圧低下検出装置19に供給する制御電源電圧もやがては低下するが、主制御装置6および電圧低下検出装置19は共に制御電源電圧がある程度低下しても正常に動作できるように構成する。
【0054】
実施形態
次に図9および図10を参照し、請求項5乃至7に対応するエレベータの停電時救出運転装置500について説明する。
【0055】
図9に示したエレベータの停電時救出運転装置500は、図1に示した参考例のエレベータの停電時救出運転装置100に対し、バッテリ30からインバータ装置5に供給する駆動電源電圧の低下および主制御装置6に供給する制御電源電圧の低下を検出する電圧低下検出装置19に代え、バッテリ30からインバータ装置5に駆動電源電圧を供給する回路12に流れる電流を監視する電流検出装置40を設けた点で異なっている。
【0056】
前記電流検出装置40は、インバータ装置5に駆動電源電圧を供給する回路12にバッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを検出すると、回路41を介して主制御装置6に警報を送るように構成されている。 また、主制御装置6は、この警報を受け取ると昇降用電動機4の作動を一旦停止させた後、昇降用電動機の運転方向を反転させて救出運転を再開するように構成されている。
【0057】
次に、図10に示したフローチャート図を参照し、主制御装置6の制御の流れを説明する。
【0058】
主制御装置6は、S40において停電発生を認めるとS41において停電時救出運転装置を起動する。
次いでS42において、乗りかごに設けた荷重検出装置2aから信号回路2bを介して入力する荷重信号に基づき、乗りかご2若しくは釣合おもり3のいずれか重い方を降下させる回生側を判断して昇降用電動機4の運転方向を決定した後、S43において昇降用電動機4を起動する。
このとき、荷重検出装置2aの故障や誤作動若しくは荷重信号に含まれるノイズの影響等により昇降用電動機4を誤って力行側に運転すると、バッテリ30の容量不足による電圧低下によって救出運転が途中で停止する可能性がある。
【0059】
そこで、電流検出装置40はS44において、インバータ装置5に駆動電源電圧を供給する回路12にバッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力しているか否かを判別する。
この判別結果がYESの場合には、昇降用電動機4を誤って力行側に運転した場合であるから、S45において昇降用電動機4の運転を一旦停止させた後、昇降用電動機4を反対方向に運転する。
そして、S46に進んで昇降用電動機4を反対方向に運転する救出運転を継続しつつ、S47における判別結果がYESとなるまでS46〜S47に至るルーチンを継続して救出運転を完了する。
これに対して、S44の判別結果がNOの場合には、昇降用電動機4の運転方向を反転させることなくS48に進み、S49における判別結果がYESとなるまでS44〜S49に至るルーチンを継続して救出運転を完了する。
【0060】
すなわち、ロープ式エレベータにおいて乗りかご2および釣合おもり3のいずれか重い方を上昇させる側、すなわち力行側に昇降用電動機4を運転する際には、バッテリ30から昇降用電動機4に駆動電源電圧を供給しなければならないから、バッテリ30は所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力する。
これに対して、乗りかご2および釣合おもり3のいずれか重い方を降下させる側、すなわち回生側に昇降用電動機4を運転する際には、バッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力することはない。
このとき、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置500は、救出運転を開始する際に昇降用電動機4を誤って力行側に運転しても、バッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを電流検出装置40が検出しない限り救出運転を継続するので、バッテリ30が出力する電流を監視するという極めて簡単な構造でありながら救出運転をスムーズに行うことができる。
また、バッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力すると、主制御装置6は昇降用電動機4の作動を一旦停止させた後に昇降用電動機4を反対方向に運転するので、バッテリ30の電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0061】
加えて、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置500においては、主制御装置6は、救出運転開始後に昇降用電動機4の運転方向を一旦反転させた後に、昇降用電動機4の運転方向を再反転させることはない。
これにより、救出運転開始後に昇降用電動機4の運転方向を一旦反転させて回生側に運転しているときに、何らかの理由によりバッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力したことを電流検出装置40が検出しても、昇降用電動機4の運転方向が再反転して力行側に運転することがない。
したがって、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置500によれば、停電時におけるエレベータの救出運転をスムーズに行えるだけでなく、バッテリ30の電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
【0062】
なお、本第実施形態上述のエレベータの停電時救出運転装置500に、前述した第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置300と同様に、乗りかご2の昇降速度を検出する昇降速度検出手段をさらに設けるとともに、この昇降速度検出手段を介して乗りかご2の昇降速度が増加していることを検出したときには、電流検出装置40の作動を停止させ、若しくは電流検出装置40の検出結果にかかわらず、現在行っている救出運転を継続するようにすることができる。
【0063】
すなわち、救出運転を開始した直後は乗りかご2の昇降速度が増加するが、この状態においては一時的にバッテリ30が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力することになる。
このときに電流検出装置40の検出結果に基づいて昇降用電動機4の作動を一旦停止させて運転方向を反転させたのでは、昇降用電動機4を力行側に運転してしまう場合が生じる。
そこで、乗りかご2の昇降速度が増加しない定常状態となったときに、電流検出装置40検出結果に基づいて昇降用電動機の作動を制御することにより、より一層正確な救出運転が可能となる。
【0064】
実施形態
次に図11を参照し、請求項8に対応するエレベータの停電時救出運転装置600について説明する。
【0065】
図11に示したエレベータの停電時救出運転装置600においては、停電時電力供給手段としてのバッテリ50が、複数のバッテリ50a,50b,50cを互いに直列に接続した構造となっている。
そして、バッテリ50aから得られる低い電圧の制御電源電圧は、回路51を介して主制御装置6に直接供給されるとともに、DC/DCコンバータ16によって電圧を変化させた後に回路52を介して主制御装置6に供給されている。
同様に、バッテリ50aおよび50bから得られる高い電圧の制御電源電圧は、回路53を介して主制御装置6に直接供給されている。
さらに、バッテリ50の全体から得られる駆動電源電圧は、回路12および13を介してインバータ装置5に供給されている。
【0066】
このように、互いに直列に接続したバッテリ50a,50b,50c間から異なる電圧の複数の電力を取り出して主制御装置6の各部位の電源として用いる場合には、各バッテリ50a,50b,50c毎に蓄えている電力に差が生じる。 したがって、互いに直列に接続したバッテリ50a,50b,50cの全体を充電装置を用いて一括して充電したのでは、過充電となるバッテリや充電不足となるバッテリが存在し、各バッテリの寿命を縮めてしまう可能性がある。
【0067】
そこで、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置600のバッテリ充電装置60は、直列に接続した複数のバッテリ50a,50b,50cをそれぞれ個別に充電するバッテリ充電装置60a,60b,60cを備えている。
これにより、各バッテリ50a,50b,50cの過充電や充電不足を防止して、バッテリの寿命低下を防止することができる。
また、各バッテリ50a,50b,50cの出力電圧をほぼ一定に維持することができるから、異なる電圧の電力を産み出すために複数のDC/DCコンバータを設ける必要がなく、エレベータの停電時救出運転装置600のより一層のコスト低減を図ることができる。
【0068】
実施形態
次に図12を参照し、請求項9に対応するエレベータの停電時救出運転装置700について説明する。
【0069】
図12に示したエレベータの停電時救出運転装置700は、バッテリ30のプラス出力側を、図1に示した参考例のエレベータの停電時救出運転装置100のように回路12の途中に設けた逆流防止ダイオード14を介しインバータ装置5に接続するのではなく、インバータ装置5内の電源整流ダイオード15の1次側に回路12を介して直接接続したものである。
これにより、逆流防止ダイオード14の削除が可能となるので、より一層のコスト低減を図ることができる。
【0070】
実施形態
次に図13を参照し、請求項10に対応するエレベータの停電時救出運転装置800について説明する。
【0071】
前述した参考例のエレベータの停電時救出運転装置100は、バッテリが供給する制御電源電圧若しくは駆動電源電圧が所定値以下に低下した場合に、昇降用電動機を誤って力行側に起動したと判断し、昇降用電動機の作動を一旦停止させた後、無条件で昇降用電動機の回転方向を反転させるものであった。
これに対して、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置800は、停電時に乗りかごが停止した位置に応じて救出運転方法を選別して実行する。
【0072】
すなわち、停電時に乗りかごが各階床に対して所定の近傍範囲内に停止した場合には、救出運転開始に伴って昇降用電動機を力行側に運転してでも、その階床に向かう方向に乗りかごを昇降させる。
また、停電時に乗りかごが最上階より上方にずれて停止した場合には、救出運転の開始時に乗りかごを無条件で降下させる。
同様に、停電時に乗りかごが最下階より下方にずれて停止した場合には、救出運転の開始時に乗りかごを無条件で上昇させる。
したがって、以上の場合には、乗りかごの昇降方向反転を一切禁止する所定の救出運転を実行する。
これに対して、停電時に乗りかごが各階床毎の所定の近傍範囲を外れて各階床間に停止した場合は、乗りかごの昇降方向反転を許容する通常の救出運転を実行する。
【0073】
このような制御を図13に示したフローチャート図を用いて説明すると、S51において停電発生が認められ、S52において停電時救出運転装置を起動すると、S53において乗りかごの停電時停止位置が制限範囲内にあるか否かを判別する。
このため、本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置800は、乗りかごの停電時停止位置を検出するための停止位置検出手段を備える。
なお、乗りかごの停電時の停止位置を検出する停止位置検出手段としては、従来用いられているリミットスイッチ等の機械式のもの、若しくは乗りかごに設けた部材が光線を遮ることにより作動する光学式のものを用いることができる。
そして、乗りかごが停電時に所定範囲内、すなわち各階床に対する所定の近傍範囲内および最上階より上方若しくは最下階より下方に停止していると判別されると、S54において乗りかごの昇降方向反転を一切禁止する。次いでS55に進み、乗りかごの停止位置に応じた所定の救出運転方法を選択して実行する。
これに対して、乗りかごの停電時停止位置が前記所定範囲を外れていると判別した場合は、S56において乗りかごの昇降方向反転を許容する。次いで、S57に進み、例えば前述した参考例で説明したような通常の救出運転を実行する。
【0074】
実施形態
次に図14を参照し、請求項11に対応するエレベータの停電時救出運転装置900について説明する。
【0075】
本第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置900は、落雷に伴って常用電源回路に生じる高電圧のパルス波を吸収する雷サージ吸収装置を、主制御装置6と充電装置9とで共用することにより、より一層のコスト低減を図ったものである。
このため、図14に示したように、停電復旧時に常用電源8から充電装置9に常用電力を供給する回路81の途中には、常閉リレー接点81と第2リレー装置82とが設けられている。
また、常用電源8からインバータ装置5に常用電力を供給する回路83の途中には、第1の常開リレー接点84が設けられている。
また、前記回路83から分岐して主制御装置6に常用電力を供給する回路85の途中には雷サージ吸収装置86が設けられている。
また、回路80と回路85とを接続する回路87の途中には、第2の常開リレー接点88が設けられている。
さらに、回路85から図示されない他の装置に至る回路89の途中には第1リレー装置90が設けられている。
【0076】
停電が復旧した直後には、図13中に符号Aを付して2点鎖線で示したように、常用電源8から回路80を介して充電装置9に常用電力が供給される。
これに伴い第2リレー装置82が励磁されて第1および第2の常開リレー接点84,88が閉じるので、図13中に符号Bを付して点線で示したように、常用電源8からインバータ装置5、雷サージ吸収装置86、主制御装置6、充電装置9にそれぞれ常用電力が供給される。
すると今度は第1リレー装置90が励磁されて常閉リレー接点81が開くので、充電装置9には雷サージ吸収装置86を経由した常用電力が供給される。
【0077】
これにより、一つの雷サージ吸収装置86を介して主制御装置6および充電装置9に常用電力を供給できるから、主制御装置6および充電装置9にそれぞれ雷サージ吸収装置を設ける場合に比較し、より一層のコスト低減を図ることができる。
【0078】
以上、本発明に係るエレベータの停電時救出運転装置の各実施形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、停電時電力供給手段としてバッテリを用いているが、バッテリの他に他の種類の二次電池を用いることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のエレベータの停電時救出運転装置は、救出運転を開始する際に昇降用電動機を誤って力行側に運転しても、停電時電力供給手段が供給する電力の電圧低下を電圧低下検出手段が検出しない限り救出運転を継続するものであるから、停電時電力供給手段が供給する電力の電圧低下を検出するという極めて簡単な構造でありながら、救出運転をスムーズに行うことができる。
また、停電時電力供給手段が供給する電力の電圧が所定値以下になると、昇降用電動機の作動を停止させた後に昇降用電動機を反対方向に運転するので、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定することができる。
また、昇降用電動機を回生側に運転しているときに何らかの理由により電圧低下検出手段が電圧低下を検出しても、昇降用電動機の運転方向を力行側に反転させないから、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定した場合でもエレベータの停電時救出運転を確実に行うことができる。
また、救出運転を開始した後、乗りかごの昇降速度が増加しない定常状態となったときに電圧低下検出手段の検出結果に基づいて制御を行うので、より正確な救出運転を行うことができる。
また、停電時電力供給手段が昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の低下のみを検出するから、停電時電力供給手段が昇降用電動機に供給する駆動電源電圧が所定値以下になるまで救出運転を継続できる。これにより、停電時電力供給手段の電気容量を無駄なく使用できることとなって、停電時電力供給手段をより一層小型化することができる。
同じく、本発明のエレベータの停電時救出運転装置は、救出運転を開始する際に昇降用電動機を誤って力行側に運転しても、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを電流検出手段が検出しない限り現在行っている救出運転を継続するので、停電時電力供給手段が出力する電流を監視するという極めて簡単な構造でありながら救出運転をスムーズに行うことができる。
一方、停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力すると、制御手段は昇降用電動機の作動を停止させた後に昇降用電動機の運転方向を反転させるので、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定することができる。
また、昇降用電動機を回生側に運転しているときに、何らかの理由により停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを電流検出手段が検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させないから、停電時電力供給手段、例えばバッテリの電気容量をより一層小さく設定することができる。
また、救出運転を開始した後、乗りかごの昇降速度が増加しない定常状態となったときに電流検出手段の検出結果に基づいて制御を行うので、より正確な救出運転を行うことができる。
さらに、互いに直列に接続した複数のバッテリを個別に充電する充電手段を設けるので、各バッテリの過充電や充電不足を防止してバッテリの寿命低下を防止できる。また、各バッテリの出力電圧をほぼ一定に維持することができるから、異なる電圧の電力を産み出すために複数の電源変換装置を設ける必要がなく、エレベータの停電時救出運転装置のより一層のコスト低減を図ることができる。
さらに、昇降用電動機に駆動電源電圧を供給するインバータの電源整流ダイオードが、停電時電力供給手段からインバータに電力を供給する回路に設ける逆流防止ダイオードを兼ねるから、より一層のコスト低減を図ることができる。
さらに、停電時に乗りかごが停止した位置に応じて実行する救出運転を選別するので、乗りかごを最寄りの階床に迅速に着床させることができるばかりでなく、乗りかごが昇降路の最上端や最下端に衝突することを確実に防止することができる。
加えて、制御手段および停電時電力供給手段を一つの雷サージ吸収装置を介して常用電源に接続するので、エレベータの停電時救出運転装置のより一層のコスト低減を図ることができる。
したがって、本発明によれば、非常用電源としてのバッテリの容量を小さくすることにより製造コストおよび設置スペースを低減できるばかりでなく、スムーズな救出運転が可能で、かつ構造が簡単で保守性にも優れたエレベータの救出運転装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る参考例の停電時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図2】従来の停電時救出運転装置における乗りかご速度パターンとバッテリ電流との関係を示す線図。
【図3】本発明に係る停電時救出装置における乗りかご速度パターンとバッテリ電流との関係を示す線図。
【図4】バッテリの放電特性の一例を示す線図。
【図5】本発明に係る参考例の停電時救出運転装置の作動を示すフローチャート図。
【図6】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の作動を示すフローチャート図。
【図7】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の作動を示すフローチャート図。
【図8】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図9】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図10】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の作動を示すフローチャート図。
【図11】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図12】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図13】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の作動を示すフローチャート図。
【図14】本発明に係る第実施形態の停電時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【図15】従来の停電時救出運転装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 ロープ式エレベータ
2 乗りかご
2a 荷重検出装置
3 釣合おもり
4 昇降用電動機
5 インバータ装置
6 主制御装置(制御手段)
8 常用電源
9 充電装置
10 バッテリ
11 停電時電力供給用コンタクタ
14 逆流防止ダイオード
15 電源整流ダイオード
16 DC/DCコンバータ
19 電圧低下検出装置
20 平滑コンデンサ
30 停電時電力供給装置(バッテリ)
31,32 バッテリ
36 定電圧出力装置
40 電流検出装置
50 バッテリ
60 バッテリ充電装置
81 常閉リレー接点
83 第2リレー装置
84 常開リレー接点
86 雷サージ吸収装置
88 常開リレー接点
89 第1リレー装置
100 参考例のエレベータの停電時救出運転装置
200 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
300 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
400 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
500 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
600 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
700 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
800 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置
900 第実施形態のエレベータの停電時救出運転装置

Claims (10)

  1. 乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
    停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
    昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
    前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記制御電源電圧および前記駆動電源電圧の少なくとも一方が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が検出すると、前記昇降用電動機を反対方向に運転して救出運転を再開するとともに、
    前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた場合は、前記停電時電力供給手段が供給する前記制御電源電圧若しくは前記駆動電源電圧が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく救出運転を継続することを特徴とするエレベータの停電時救出運転装置。
  2. 乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
    停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
    昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
    前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、
    前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記制御電源電圧および前記駆動電源電圧の少なくとも一方が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が検出すると、前記昇降用電動機を反対方向に運転して救出運転を再開するとともに、
    前記制御手段は、乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度検出手段が検出した場合には、前記電圧低下検出手段の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続することを特徴とするエレベータの停電時救出運転装置。
  3. 乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
    停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
    昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
    前記停電時電力供給手段から前記制御手段に供給する制御電源電圧および前記停電時電力供給手段から前記昇降用電動機に供給する駆動電源電圧の少なくとも一方が所定値より低下したことを検出する電圧低下検出手段と、
    前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記制御電源電圧および前記駆動電源電圧の少なくとも一方が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が検出すると、前記昇降用電動機を反対方向に運転して救出運転を再開するとともに、
    前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた場合は、前記停電時電力供給手段が供給する前記制御電源電圧若しくは前記駆動電源電圧が前記所定値より低下したことを前記電圧低下検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく救出運転を継続し、
    かつ前記制御手段は、乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度検出手段が検出した場合には、前記電圧低下検出手段の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続することを特徴とするエレベータの停電時救出運転装置。
  4. 前記停電時電力供給手段が前記制御手段に供給する制御電源電圧を一定に保つ定電圧回路をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置。
  5. 乗りかごおよび釣合おもりを有したロープ式エレベータの停電時に、乗りかごを昇降させて最寄りの階床に着床させる救出運転を行う停電時救出運転装置であって、
    停電時に電力を供給する停電時電力供給手段と、
    昇降用電動機の作動を制御する制御手段と、
    前記停電時電力供給手段が出力する電流を監視する電流検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記停電時電力供給手段が救出運転中に所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを前記電流検出手段が検出すると、昇降用電動機の運転方向を反転させて救出運転を再開し、
    前記制御手段は、救出運転開始後に昇降用電動機の運転方向を一旦反転させた後に、前記停電時電力供給手段が所定値以上の電流を所定時間以上連続して出力していることを前記電流検出手段が再度検出しても、昇降用電動機の運転方向を反転させることなく現在行っている救出運転を継続することを特徴とするエレベータの停電時救出運転装置。
  6. 前記乗りかごの昇降速度を検出する昇降速度検出手段をさらに備えるとともに、前記制御手段は、乗りかごの昇降速度が増加していることを前記昇降速度検出手段を検出した場合に、前記電流検出手段の検出結果にかかわらず現在行っている救出運転を継続することを特徴とする請求項に記載のエレベータの停電時救出運転装置。
  7. 前記停電時電力供給手段を互いに直列に接続した複数のバッテリから構成するととともに、前記バッテリを個別に充電する充電手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置。
  8. 前記昇降用電動機にインバータを介して駆動電源電圧を供給するように構成するとともに、前記インバータの電源整流ダイオードが、前記停電時電力供給手段が前記インバータに電力を供給する回路に設ける逆流防止ダイオードを兼ねることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置。
  9. 停電時に乗りかごが停止した位置を検出する位置検出手段をさらに備えるとともに、前記制御手段は、停電時に乗りかごが停止した位置に応じて実行する救出運転方法を選別して実行することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置。
  10. 前記制御手段および前記停電時電力供給手段を、一つの雷サージ吸収装置を介して常用電源に接続したことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のエレベータの停電時救出運転装置。
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