JP4411377B2 - 重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超臨界二酸化炭素を用いた重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から高分子微粉体等の重合体を製造する方法としては、有機溶剤中にて不飽和単量体を溶液重合した後、得られた高分子溶液から有機溶剤を除去し、乾燥、粉砕などを行うプロセスが一般的である。該プロセスでは、重合体を得るまでに何段階もの操作が必要である。また、このようなプロセスで高分子微粉体を製造すると、得られる微粉体の大きさが不均一となるという欠点がある。
【0003】
その他の方法としては、特開昭56−76447号公報に水不溶の不飽和単量体を界面活性剤の存在下、水中に分散させて乳化重合させる方法が開示されている。しかしながら、このような方法においては、多量の水を使用するため、多量の廃水処理が必要となり、環境負荷が大きい。また、このようなプロセスで高分子微粉体を製造しようとする場合、得られた微粒子の単離の際に微粒子同士が融着し、結果的に大きな粒子や塊になってしまい、微粉体等を得ることが困難である。
【0004】
近年、環境負荷の低い反応方法として超臨界二酸化炭素を溶剤に用いた反応方法の研究が進められている。高分子合成の分野においても、従来からの有機溶剤を多量に使用する製法に代わって、超臨界二酸化炭素を溶剤に用いたポリマーの合成が検討されている。例えば、特開平8−104830号公報には一度重合した高分子物質の溶液を超臨界相に溶解させて急速膨張させることにより塗料用高分子微粒子を製造する技術が開示されており、特開平8−113652号公報には一度生成した高分子固体を超臨界相に溶解させて、急速膨張させて塗料用高分子微粒体を製造する方法が開示されている。
【0005】
しかし、これら開示された技術では、超臨界相での膨張に先立ち、超臨界流体以外の溶剤で重合反応を行い高分子物質を得る工程が必要となるので、工程が煩雑であるとともに有機溶剤量の減量を達成することは困難である。
【0006】
超臨界流体中において重合反応を行う技術としては、スチレン−アクリロニトリルの単量体混合物を、超臨界二酸化炭素中で、ラジカル重合開始剤の存在下で反応させる方法(特開平8−41135号公報)、スチレン−酢酸ビニルの単量体混合物を超臨界二酸化炭素中でラジカル重合開始剤の存在下で反応させる方法(特開平10−45838号公報)などが知られている。
【0007】
しかし、これら開示されている技術では前者の収率が84%、後者の収率が12〜56%であって、系中に残存する未反応の単量体を除去するための工程が必要である。更には、これら開示されている方法では、重合体は超臨界二酸化炭素中に溶解していない溶融状態で製造されているため、高分子組成物は塊状で得られる。従って、高分子微粉体を得るためには粉砕等の更なる工程を必要とする。
【0008】
一方、特表平9−503798号公報には、超臨界二酸化炭素可溶部位としてフッ素化及びケイ素化された部位を持つ界面活性剤を用いた、超臨界二酸化炭素中でのポリマーの分散重合反応が開示されている。しかし、その収率は20〜75%と低いため工業規模でのポリマー製造には不利である。しかも、当該方法により得られる重合体の製品は、フルオロポリマーを含むため、有機溶剤に難溶で汎用性に乏しい。このような重合体の製品をそのまま塗料用組成物などとして利用した場合、フッ素の撥油・撥水作用による塗膜表面へのムラが現れるので、このような用途における利用が困難である。また、当該方法により得られる重合体の製品からフルオロポリマーを除去しようとした場合、有機溶剤を多量に使用することが必要となり、結局環境負荷が低減しにくくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、環境負荷が低く、工程が簡便で、収率が高く、汎用性の高い重合体を効率的に得ることができる重合体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、炭素数10以上で、かつ分子中にカルボキシル基を少なくとも1つ以上有する非重合性分散剤の存在下で、超臨界二酸化炭素中で重合性単量体を重合することを特徴とする重合体の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の重合体の製造方法では、超臨界二酸化炭素中で重合性単量体を重合する。
【0014】
前記超臨界二酸化炭素とは、二酸化炭素をその臨界点(臨界温度31℃または臨界圧力73.5kg/cm2)以上に加温・加圧することにより得られ、それ以上に加圧しても液化されない状態の流体となった二酸化炭素をいい、通常、気体と液体の性質を有する。
【0015】
前記超臨界二酸化炭素は、ボンベ等に入った市販の二酸化炭素ガスを、重合反応を行う反応容器内に導入し、所定の温度及び圧力とすることで得ることができる。導入する二酸化炭素ガスは純度99.9%以上のものを用いることが好ましい。
【0016】
前記超臨界二酸化炭素には更に他の添加溶剤を配合して用いてもよい。前記添加溶剤としては、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール、アセトニトリル等を用いることができる。前記の添加溶剤は超臨界二酸化炭素100重量部に対して0.1から100重量部程度加えることができるが、公害発生の防止や環境負荷の低減の観点からは添加溶剤は用いないことが好ましい。
【0017】
本発明の重合体の製造方法では、重合を、特定の非重合性分散剤の存在下において行う。
【0018】
前記非重合性分散剤は、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有し、その分子を構成する炭素数が10以上である。
【0019】
前記非重合性分散剤の炭素数が10未満である場合には、超臨界二酸化炭素中での分散能が低く、ポリマー及びモノマーが超臨界二酸化炭素中に分散されないため重合が完結せず、未反応モノマーが残留する。
【0020】
前記非重合性分散剤としては、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸等の炭素数10〜40の直鎖若しくは枝分かれした長鎖アルキルカルボン酸、あるいは1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸等の炭素数10〜40の芳香族カルボン酸、あるいは、重量平均分子量1,000〜1,000,000のポリカルボン酸ホモポリマー及び、重量平均分子量1,000〜1,000,000で、カルボン酸割合(ポリマーを構成するモノマー単位の総量中における、カルボン酸を有するモノマー単位の割合)が1〜99モル%のポリカルボン酸コポリマーが挙げられる。好ましくは、炭素数14以上の脂肪酸を用いることができ、特に炭素数20〜40の長鎖アルキルカルボン酸あるいは炭素数20〜40の枝分かれしたアルキルカルボン酸が好ましい。
【0021】
本発明の製造方法において重合される重合性単量体は、前記非重合性分散剤の存在下で超臨界二酸化炭素中で重合することができる単量体であれば特に限定されず、分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合部を有するもの等を用いることができる。具体的に例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などの重合性カルボン酸類やこれらのハーフエステル類やこれらのジエステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n=2)モノアクリレート[例えば、アロニックスM−5300(商品名、東亞合成化学工業(株)製)]若しくはアクリル酸ダイマー[例えば、アロニックスM−5600(商品名、東亞合成化学工業(株)製)]等の炭化水素鎖の末端等に不飽和結合を有する化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;p−ビニルトルエン、アクリロニトリルなどを挙げることができる。また更には、2、2、2−トリフルオロメチルアクリレート、2、2、2−トリフルオロメチルメタクリレート等の含フッ素α、β―エチレン性不飽和単量体などが挙げられる。これらは一種類用いてもよいし、二種類以上組み合わせて用いてもよい。中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。
【0022】
本発明の製造方法において、前記重合性単量体組成物の重合の態様は、特に限定されるものではなく、公知の重合の態様とすることができる。例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合のいずれでもよく、ラジカル重合が特に好ましい。
【0023】
ラジカル重合は、重合開始剤を用いて行うことができる。前記重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の有機過酸化物、更に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBNと略す)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤を好ましく挙げることができる。特にAIBNが好ましい。
【0024】
これらのラジカル重合開始剤は,一種類のみ用いてもよいし、二種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0025】
またラジカル重合開始剤の使用量は目的とする重合体の分子量から適宜決定することができ、特に限定されないが、重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.001〜30重量部、より好ましくは0.1〜10重量部とすることができる。
【0026】
前記重合は、具体的に例えば、前記の重合性単量体100重量部に対して、二酸化炭素の使用量を5〜1,500重量部とし、圧力30〜400kg/cm2、好ましくは60〜360kg/cm2で、温度31〜160℃、好ましくは40〜150℃で、バッチ式で行うことができる。特に、ラジカル重合により重合を行う場合の反応温度は、好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜100℃とすることができる。反応温度が50〜100℃であるとラジカル重合開始剤が熱により分解しやすく、効果的に生長反応が進行しやすいため特に好ましい。
【0027】
前記重合を行う際の重合時間は、重合温度やその他の条件に左右され、一定に定めることはできないが、一般に2〜48時間が好ましい。
【0028】
前記重合は、単量体100重量部に対して、前記非重合性分散剤を0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部程度加えて行うことができる。単量体100重量部に対する非重合性分散剤の添加量が0.01重量部未満の場合は分散剤の分散能が低く、ポリマー、ポリマーラジカル及びモノマーが超臨界二酸化炭素中で充分に分散されないため重合が完結せず、未反応モノマーが重合体に残留するため好ましくない。また、100重量部を超える場合には得られる重合体の強度が低下し、好ましくない。
【0029】
重合反応が進行することにより、超臨界二酸化炭素中において、重合体を生成させることができる。重合終了後、温度及び圧力を下げ、二酸化炭素を排出することにより、重合体を、容易に反応系から取り出すことができる。重合体は、通常高分子微粉体として取り出され、更なる破砕等の工程を経ることなく、直接微粉体の製品として用いることができる。また、必要に応じて、前記分散剤を除去してから製品とすることもできる。
【0030】
得られた重合体から分散剤を除去する方法としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、あるいはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、あるいはアセトニトリルなどのニトリル類及びベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族類、あるいは水酸化ナトリウム水溶液や、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液等のアルカリ性水溶液で洗浄することにより、容易に除去できる。
【0031】
本発明の製造方法で得られた重合体は、好ましくはエチレン性不飽和単量体に基づく構成単位を含む。重合体の分子量は、重量平均分子量として1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜300,000とすることができる。また、本発明の製造方法における前記重合反応により、微粉体等の粉体を得ることができ、その粒子の平均粒径は0.1〜50μm、好ましくは0.1〜20μmとすることができる。このような平均粒径を有することにより、例えば、粉体塗料として用いた場合、平滑性の優れた塗装被膜を与えることができる。
【0032】
本発明の製造方法により、粒径の揃った高品質な微粉体を得ることができる。
【0033】
本発明により得られる重合体は、塗料、インク、接着剤、成形品、化粧品材料、医療品などの材料として好適に用いることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の重合体の製造方法では、環境負荷が低く、工程が簡便で、収率が高く、汎用性の高い重合体を効率的に得ることができる。さらに、重合体として高分子微粉体を製造することができ、粒径の揃った高品質の微粉体を簡便に得ることができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0037】
実施例において用いた測定方法等は、以下の通りである。
1. 重量平均分子量の測定;
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC);
機種;東ソー社製、GPC−8020、
条件;カラム;東ソー社製、TSKgel−G3000PWXL、東ソー社製、TSKgel−G6000PWXLの2本を直列連結、
カラム温度;45℃、
流量;1mL/min
溶離液;リン酸緩衝液(pH7.4、20mM)
標準試料;ポリエチレングリコール
検出器;UV(東ソー社製UV−8020)、RI(東ソー社製RI−8020)の2つを使用。
2. 粉体の粒径測定;
機種;走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−80)
測定条件;加速電圧15KVおよび20KVで測定、粒子100個の平均粒径を粒径とした。
3. ガラス転移温度の測定
示差走査熱量計DSC(セイコーDSC−220)により行った。
【0038】
【実施例1】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にメタクリル酸メチル5.40g、重合開始剤としてAIBN21.6mg並びに炭素数22のドコサン酸0.54gを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。重合終了後、重合容器内の温度と圧力を下げた後、二酸化炭素を排出した。重合容器内には白色の微粉体が得られ、その収量は5.08gであった。
【0039】
この高分子微粉体は、前述のGPCで測定したところMw(重量平均分子量)が180,000であった。また、この高分子微粉体の走査型電子顕微鏡による観察では、粒径3.3μmの大きさの揃った微粉体であることが確認できた。図1に走査型電子顕微鏡による観察結果の写真を示す。
【0040】
この高分子微粉体のガラス転移点(Tg)を測定したところ105℃であった。
【0041】
【実施例2】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にメタクリル酸メチル3.78g、n−ブチルメタアクリレート1.62g、重合開始剤としてのAIBN21.6mg並びに炭素数22のドコサン酸0.54gを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。重合終了後、重合容器内の温度と圧力を下げた後、二酸化炭素を排出した。重合容器内には白色の微粉体が得られ、その収量は5.23gであった。
【0042】
この高分子微粉体は、前述のGPCで測定したところMw(重量平均分子量)が210,000であった。また、この高分子微粉体の走査型電子顕微鏡による観察では、粒径2.8μmの大きさの揃った微粉体であることが確認できた。
【0043】
この高分子微粉体のガラス転移点を測定したところ75℃であった。
【0044】
【実施例3】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にメタクリル酸メチル5.40g、重合開始剤としてAIBN21.6mg並びに炭素数22のドコサン酸3.40gを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。重合終了後、重合容器内の温度と圧力を下げた後、二酸化炭素を排出した。重合容器内には白色の微粉体が得られ、その収量は7.30gであった。
【0045】
この高分子微粉体は、前述のGPCで測定したところMw(重量平均分子量)が109,000であった。また、この高分子微粉体の走査型電子顕微鏡による観察では、粒径2.3μmの大きさの揃った微粉体であることが確認できた。
この高分子微粉体のガラス転移点を測定したところ105℃であった。
【0046】
【実施例4】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にメタクリル酸メチル5.40g、重合開始剤としてAIBN21.6mg並びに炭素数14のミリスチン酸0.54gを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。重合終了後、重合容器内の温度と圧力を下げた後、二酸化炭素を排出した。重合容器内には白色の微粉体が得られ、その収量は5.21gであった。
この高分子微粉体は、前述のGPCで測定したところMw(重量平均分子量)が140,000であった。また、この高分子微粉体の走査型電子顕微鏡による観察では、粒径3.4μmの大きさの揃った微粉体であることが確認できた。
【0047】
この高分子微粉体のガラス転移点を測定したところ105℃であった。
【0048】
【実施例5】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にスチレン5.40g、重合開始剤としてAIBN21.6mg並びに炭素数22のドコサン酸0.54gを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。重合終了後、重合容器内の温度と圧力を下げた後、二酸化炭素を排出した。重合容器内には白色の微粉体が得られ、その収量は5.06gであった。
【0049】
この高分子微粉体は前述のGPCで測定したところMw(重量平均分子量)は190,000であった。また、この高分子微粉体の走査型電子顕微鏡による観察では、粒径2.0μmの大きさの揃った微粉体であることが確認できた。
【0050】
この高分子微粉体のガラス転移点を測定したところ100℃であった。
【0051】
【比較例1】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にメタクリル酸メチル5.40g、重合開始剤としてのAIBN21.6mg並びに界面活性剤としてポリ(1,1−ジヒドロペルフルオロオクチルアクリレート)0.54gを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。重合終了後、重合容器内の温度と圧力を下げた後、二酸化炭素を排出した。重合容器内には未反応モノマーと白色の高分子微粉体及びペレット状の高分子体が得られ、その高分子微粉体の収量は3.10gであった。
【0052】
この高分子微粉体の走査型電子顕微鏡による観察では、微粒子が会合した大きさの不均一な会合体であることが観察できた。図2に走査型電子顕微鏡による観察結果の写真を示す。
【0053】
【比較例2】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にメタクリル酸メチル5.40g、重合開始剤としてのAIBN21.6mgを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。24時間後、重合容器内の温度と圧力を下げ、二酸化炭素を排出した。重合容器内には無色透明のペレット状重合体と未反応メタクリル酸メチルが認められ、重合反応が完結していないことが確認された。
【0054】
【比較例3】
攪拌装置及び測温装置を有する容積54mLの金属製高圧用重合容器を31℃以上まで昇温し、重合容器にメタクリル酸メチル5.40g、重合開始剤としてAIBN21.6mg並びに炭素数2の酢酸0.54gを添加し、その後二酸化炭素を注入し、速やかに重合容器内の温度が65℃、圧力が300kg/cm2になるように加熱及び加圧した。所定の温度、圧力に到達した後、700rpmで攪拌を行いながら、24時間単量体を重合させた。重合終了後、重合容器内の温度と圧力を下げた後、二酸化炭素を排出した。重合容器内には無色透明のペレット状重合体とメタクリル酸メチルが認められ、重合反応が完結していないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた重合体の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す写真である。
【図2】図2は比較例1で得られた重合体の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す写真である。
Claims (2)
- 炭素数10以上で、かつ分子中にカルボキシル基を少なくとも1つ以上有する非重合性分散剤の存在下で、超臨界二酸化炭素中で重合性単量体を重合することを特徴とする重合体の製造方法。
- 前記非重合性分散剤が、炭素数14以上の脂肪酸である請求項1記載の重合体の製造方法。
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