JP4408728B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、実質的にリンを含まず、低硫黄分、低硫酸灰分量であり、かつ優れた耐摩耗性、酸化安定性、清浄性を有する潤滑油組成物に関する。
ガソリンエンジンの排ガス浄化後処理装置の三元触媒や、ディーゼルエンジンの排ガス浄化後処理装置用として開発が進められているNOx還元触媒は、エンジン油中のリンや硫黄(S)による触媒被毒が懸念されている。また、ディーゼルエンジンの排ガス浄化後処理装置であるディーゼルパティキュレートフィルターでは一般に、エンジン油に由来する灰分の蓄積によりフィルターの目詰まりが懸念されている。したがって、排ガス浄化後処理装置への負荷軽減を図るために、エンジン油中のリン、硫黄、灰分の低減が望まれてきている。
エンジン油には、従来から、酸化防止性能や、耐摩耗性能を付与するために、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)が広く使用されている。しかし、ZnDTPは、優れた酸化防止効果や耐摩耗性向上効果をもつが、その分子構造にリン、硫黄、さらに亜鉛由来の灰分も有している。そのため、上記排ガス浄化後処理装置の触媒被毒等を避けるには、このZnDTPの低減または使用しないことによる、エンジン油中のリンを低減すること、または実質的に含ませないこと(以下、「無リン化」と略称する)、および硫黄や灰分の低減を図ることが望ましい。しかし、ZnDTPを使用しないと、エンジン油としての重要性能である耐摩耗性、酸化安定性の低下が懸念される。
そこで、これまでにも、耐摩耗性、酸化安定性を有し、ZnDTPを含まない無リン化油が種々提案されている。例えば、置換ピリジンおよび置換ジアジンを含有するエンジン油(例えば、特許文献1参照)、ジチオカルバミン酸金属塩および硫化ディールスアルダー付加物を含有するエンジン油(例えば、特許文献2参照)、油溶性無灰分散剤、ジチオカルバミン酸金属塩、スルフィドおよびチアジアゾールを含有するエンジン油(例えば、特許文献3参照)、5〜500ppmの銅オレート、油溶性含硫黄化合物およびホウ酸エステル系腐食防止剤を含有するエンジン油(例えば、特許文献4および特許文献5参照)、ジチオカルバミン酸金属塩、油溶性アミン、ジチオカルバミン酸モリブデンまたはジチオリン酸モリブデンを含有するエンジン油(例えば、特許文献6参照)、ジチオカルバミン酸金属塩および油溶性アミンを含有するエンジン油(例えば、特許文献7参照)、ジチオカルバミン酸金属塩とアミンの反応物を含有するエンジン油(例えば、特許文献8参照)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールとグリセリドの反応物を含有し、亜鉛およびリンを含有しないエンジン油(例えば、特許文献9参照)、リン元素含有添加剤を含有せず、フェノール系無灰酸化防止剤、ポリブテニル基を有する無灰分散剤、清浄剤、粘度指数向上剤を含有するエンジン油(例えば、特許文献10参照)、リン元素含有添加剤を含有せず、フェノール系無灰酸化防止剤、アミン系無灰酸化防止剤、ホウ素含有無灰分散剤を含有するエンジン油(例えば、特許文献11参照)などが提案されている。
特開昭62−243692号公報 特開昭62−501571号公報 特表昭62−501917号公報 特開昭63−304095号公報 特開昭63−304096号公報 特開平5−311186号公報 特開平5−39495号公報 特開平7−118680号公報 特開平8−67891号公報 特開2000−63862号公報 特開2002−206096号公報
上記のとおり、これまでも種々の無リン化油が提案されているが、無リン化と、耐摩耗性、酸化安定性、清浄性などの諸性能との両面でさらに優れるエンジン油が求められている。
本発明は、このような実情に鑑み、実質的にリンを含まず、低硫黄分、低硫酸灰分量であって、排ガス浄化後処理装置への負荷軽減を図ることができ、かつ優れた耐摩耗性、酸化安定性、清浄性を有する潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、鉱油系潤滑油もしくは合成系潤滑油または両者の混合物の基油に、特定の各種添加剤を特定量配合することにより、ZnDTPを使用することなく、優れた耐摩耗性、酸化安定性、清浄性を有する潤滑油組成物が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の潤滑油組成物は、鉱油系潤滑油および合成系潤滑油から選ばれた少なくとも1種からなる基油に、(A)チアジアゾール化合物をS量で0.05〜0.25質量%、(B)有機モリブテン化合物をMo量で200〜800質量ppm、(C)塩基価が30〜400mgKOH/gの塩基性カルシウムサリシレート、および塩基価が30〜400mgKOH/gの塩基性カルシウムフェネートを、カルシウム量比(前記サリシレートのカルシウム量/前記フェネートのカルシウム量)が0.6〜1.4になる割合で含有し、さらに(D)高分子ヒンダードフェノール化合物を0.3〜5.0質量%を含有してなり、組成物中のS分量が0.5質量%以下、硫酸灰分量が1.3質量%以下であり、リンを含有しないことを特徴とする潤滑油組成物である。
本発明の潤滑油組成物では、従来のZnDTPに代わって、主として(A)のチアジアゾール化合物と、(B)の有機モリブテン化合物とにより摩耗防止性能(耐摩耗性)が付与される。また、主として(D)の高分子ヒンダードフェノール化合物により酸化安定性が付与される。(C)の塩基性カルシウムサリシレートと塩基性カルシウムフェネートとは、一般には清浄剤として使用される添加剤であるが、上記(A)および(B)と併用すること、特にこれらを一定の割合で用いることにより潤滑油組成物の耐摩耗性や酸化安定性を顕著に向上させることができる。上記(A)〜(D)の各添加剤を特定量配合することにより、各添加剤の機能が相俟って、優れた耐摩耗性、酸化安定性、清浄性を実現することができる。
本発明によれば、実質的にリンを含まず、低硫黄分、低硫酸灰分量であることにより排ガス浄化後処理装置への負荷軽減を図ることができ、かつ優れた耐摩耗性、酸化安定性、清浄性を有する潤滑油組成物を提供することができる。
本発明の詳細を以下に説明する。
本発明の潤滑油組成物は、リンを含有しない。すなわち、ZnDTPなどのリン含有化合物を、耐摩耗性や酸化安定性などの各種機能を発現させるための有効成分としては含有しないものである(本明細書では、これを「実質的に含有しない」と称することもある)
本発明における成分(A)のチアジアゾール化合物は、例えば、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスアルキルポリサルファイド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメートなどのチアジアゾール誘導体を使用することができるが、下記の一般式(1)で表されるチアジアゾール化合物が好適に使用される。
Figure 0004408728
一般式(1)中、R1、R2は水素または炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、R1とR2は同一であってもよく異なってもよい。また、x、yは1以上の整数である。
上記成分(A)のチアジアゾール化合物は、単独で用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもでき、本発明の潤滑油組成物中での含有量は、S量で0.05〜0.25質量%、好ましくは0.08〜0.22質量%、さらに好ましくは0.10〜0.15質量%である。
含有量が少な過ぎると耐摩耗性が悪くなり、逆に多過ぎると、効果向上の割にコストが高くなるため経済的でないとともに、本発明が意図する低硫黄分化に反するため好ましくない。
本発明における成分(B)の有機モリブテン化合物は、例えばモリブテンジチオカーバメート、モリブテン酸アミン、などが挙げられるが、好ましくは下記一般式(2)で示されるモリブテンジチオカーバメートである。
Figure 0004408728
一般式(2)中、R3〜R6は炭素数6〜18の炭化水素基であり、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい。具体例としては、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、ノニル基、2−エチルヘキシル基、イソトリデシル基、ラウリル基等のアルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基が挙げられ、上記4つのRは各々同一でも異なっていてもよい。X1〜X4は、酸素原子またはイオウ原子であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記成分(B)の有機モリブテン化合物は、単独で用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもでき、本発明の潤滑油組成物中での含有量は、Mo量で200〜800質量ppm、好ましくは250〜750質量ppm、さらに好ましくは300〜700質量ppmである。
含有量が少な過ぎると耐摩耗性や清浄性が悪くなり、逆に多過ぎると、効果向上の割にコストが高くなるため経済的でないとともに、本発明が意図する低硫黄分化に反するため好ましくない。
本発明における成分(C)の一つの塩基性カルシウムサリシレートは、塩基価が30〜400mgKOH/gのものが用いられ、40〜200mgKOH/gのものが好ましい。塩基価が400mgKOH/gを超えると、清浄性や酸化安定性などが十分に得られない。30mgKOH/g未満では、添加量が増えるため経済的でない。なお、塩基価は過塩素酸法(JIS−K−2501−9)に基づいて測定した値である。
この塩基性カルシウムサリシレートとしては、上記範囲の塩基価を有するものであれば、従来から添加剤として用いられているアルキルサリチル酸のカルシウム塩を用いることができる。
また、成分(C)の他の一つの塩基性カルシウムフェネートは、過塩素酸法(JIS−K−2501−9)による塩基価が30〜400mgKOH/gのものが用いられ、200〜320mgKOH/gのものが好ましい。塩基価が400mgKOH/gを超えても30mgKOH/g未満でも、清浄性や耐摩耗性などが十分に得られない。なお、塩基価は過塩素酸法(JIS−K−2501−9)に基づいて測定した値である。
この塩基性カルシウムフェネートとしては、上記範囲の塩基価を有するものであれば、従来から添加剤として用いられているアルキルフェノール硫化物のカルシウム塩を用いることができる。
本発明では、(C)成分として塩基性カルシウムサリシレートと塩基性カルシウムフェネートを一定の比率で添加することが肝要であり、そうすることにより、これらの成分をそれぞれ単独で使用した場合に得られる清浄性の向上に加えて、酸化安定性や耐摩耗性をも向上させることが可能となる。また、これらのカルシウムサリシレートとカルシウムフェネートは、それぞれ、1種類使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよいが、カルシウムサリシレートの含有量の合計とカルシウムフェネートの含有量の合計が、サリシレートのカルシウム量とフェネートのカルシウム量の比(サリシレートのカルシウム量/フェネートのカルシウム量)が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.3、さらに好ましくは0.8〜1.2とすることが肝要である。このカルシウム量比が0.6未満では、酸化安定性が十分に得られず、1.4を超えると、耐摩耗性が十分に得られない。ここで、本発明におけるカルシウム量とは、JPI 5S−38−2003による試験方法によって測定されるカルシウム量を意味する。
これらのカルシウムサリシレートとカルシウムフェネートの本発明の潤滑油組成物中における含有量(両者の総含有量)は、潤滑油組成物の硫酸灰分量が1.3質量%以下を満たす限り、特に制約されない。ここで、本発明でいう硫酸灰分量とは、JIS−K−2272(1998)による試験方法によって測定される灰分量である。この硫酸灰分の大部分は潤滑油組成物中に存在する金属分が硫酸塩の形で灰化したものである。したがって、潤滑油組成物中の硫酸灰分量は、カルシウムサリシレートとカルシウムフェネートの総含有量と相関するものであり、一般的に、これらの総含有量をカルシウム量(Ca量)で換算したときのCa量の約3.4倍が硫酸灰分量になる。例えば、カルシウムサリシレートとカルシウムフェネートの総含有量がCa量で0.23〜0.29質量%程度であるとき、これら両者に起因する硫酸灰分量は1.0質量%程度となる。
カルシウムサリシレートとカルシウムフェネートとの総含有量は、潤滑油組成物の硫酸灰分量などを勘案して、Ca量で350〜3500質量ppmであることが好ましく、400〜3000質量ppmであることがさらに好ましく、420〜2800質量ppmであることが特に好ましい。
本発明における成分(D)の高分子ヒンダードフェノール化合物は、平均分子量が200〜1200、好ましくは300〜700の高分子ヒンダ−ドフェノール化合物が好ましい。この高分子ヒンダードフェノール化合物は、例えば次の一般式(3)、(4)で表されるものが使用される。また、この高分子ヒンダードフェノール化合物は、酸化防止剤として機能する。
Figure 0004408728
一般式(3)中、nは、1〜4の整数、R1、R2は、水素またはt−ブチル基を示す。
Figure 0004408728
一般式(4)中、R1、R2は、水素またはt−ブチル基を示す。R3は水素または、炭素数1〜20、好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12のアルキル基を示し、直鎖であっても、分岐を持っても良い。
この高分子ヒンダードフェノール化合物の本発明の潤滑油組成物中での含有量は、0.3〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%、さらに好ましくは0.8〜2.5質量%である。含有量が少なすぎると、高分子ヒンダードフェノール化合物による耐酸化効果は小さくなり、多すぎても、この効果の向上は得られず経済的に不利となる。また、この高分子ヒンダードフェノール化合物は、1種類用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、成分(D)として、上記高分子ヒンダードフェノール化合物に替えて他の非金属系酸化防止剤、例えば低分子量フェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤を用いても、本発明の目的とする耐摩耗性、酸化安定性、清浄性に優れた潤滑油組成物を得ることができない。
本発明における潤滑油組成物中のS分(硫黄分)は、0.5質量%以下であり、好ましくは0.48〜0.08質量%である。例えば、ヘビーデューティーディーゼルエンジン向けに用いる場合は0.45〜0.1質量%がさらに好ましい。乗用ディーゼルエンジン向けおよびライトデューティーディーゼルエンジン向けに用いる場合は0.3〜0.08質量%がさらに好ましく、なおさらに好ましくは0.25〜0.08質量%である。
また、硫酸灰分量は、1.3質量%以下であり、好ましくは1.2〜0.1質量%である。例えば、ヘビーデューティーディーゼルエンジン向けに用いる場合は1.1〜0.3質量%がさらに好ましく、ライトデューティーディーゼルエンジン向けに用いる場合は0.5〜0.1質量%がさらに好ましい。
S分が少な過ぎる場合、即ち上記各成分の内のS分含有成分が少な過ぎる場合は、所期の耐摩耗性が得られず、逆に0.5質量%を超えて多過ぎる場合は、本発明で意図する低S分化が達成できない。また、硫酸灰分量が少な過ぎる場合、即ち上記各成分の内の硫酸灰分を発生する成分が少な過ぎる場合は、所期の清浄性、耐摩耗性や、塩基価保持性が得られず、逆に1.3質量%を超えて多過ぎる場合は、本発明で意図する低灰分化が達成できない。
ここで、本発明でいうS分とは、JPI 5S−38−2003による試験方法によって測定される硫黄分量を意味する。
本発明では、上記の各成分を鉱油系潤滑油または合成系潤滑油あるいは両者の混合物からなる基油に配合し、潤滑油組成物とする。
これらの基油の40℃での動粘度(JIS−K−2283−5)は、特に限定しないが、通常は、5〜250mm2/sであればよく、好ましくは8〜150mm2/sであり、特に好ましくは10〜100mm2/sである。
また、これらの基油の粘度指数(JIS−K−2283−6)は、50〜200であればよく、好ましくは80〜160である。
さらに、基油のS分は、本発明が意図する0.5質量%以下を満たすようであれば特に制約されないが、できるだけ少ない方が、本発明で基油に配合するS分を含有する各種必須成分の配合量の制約が緩和されるため好ましい。具体的には、0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。
鉱油系潤滑油は、例えば、鉱油系潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製などの精製手法を適宜組み合わせて精製したものが用いられる。
合成系潤滑油は、例えば、炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマー、ジオクチルセバケートを始めとするセバケート、アゼレート、アジペートなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと炭素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオールエステル類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類などが用いられる。
上記鉱油系潤滑油、合成系潤滑油は、それぞれ1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の潤滑油組成物では、有効成分にリンを含有しない化合物であり、本発明の目的が損なわれない範囲であれば、上記成分の他に、必要に応じて各種公知の添加剤、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート(上記特定塩基価のカルシウムフェネートを除く)、アルカリ土類金属サリシレート(上記特定塩基価のカルシウムサリシレートを除く)などの金属系清浄剤;アルケニルこはく酸イミド、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなど他の無灰型分散剤、硫黄系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤;長鎖脂肪族アミン、長鎖脂肪族酸、長鎖脂肪族酸エステル、長鎖脂肪族アルコールなどの摩擦調整剤;ポリメタクリレート系や、エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等の各種粘度指数向上剤;2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などの各種酸化防止剤;硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛などの極圧剤;ステアリン酸を始めとするカルボン酸、ジカルボン酸、金属石鹸、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールのカルボン酸部分エステル、リン酸エステルなどの各種錆止め剤;ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの各種腐食防止剤;シリコーン油などの各種消泡剤などを1種単独で、または2種以上組み合わせて適宜配合することができる。
本発明の潤滑油組成物の調製方法は、基油、上記の成分(A)〜(D)、必要に応じて添加する上記の各種公知添加剤を適宜混合すればよく、その混合順序は特に限定されるものではなく、基油に成分(A)〜(D)を順次混合してもよく、成分(A)〜(D)を予め混合したものを基油に混合してもよい。また、上記の各種公知添加剤も、基油に添加してもよいし、成分(A)〜(D)に添加してもよい。本発明の潤滑油組成物の調製は、任意の方法で適宜行うことができる。
以下、実施例および比較例によりさらに具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜7、比較例A〜D)
下記1〜9に示す基油、成分(A)〜(D)、各種添加剤を表1、表2に示す割合で配合して潤滑油組成物を調製した。
これらの潤滑油組成物の粘度グレードは、表1では全てAPI 10W−30グレード、表2では全てAPI 5W−30グレードである。
なお、表1、表2中、基油の割合の「バランス」とは、当該潤滑油に配合されている全成分の合計量が100質量%になるように基油の量を設定したことを意味する。
また、カルシウム量比は、サリシレートのカルシウム量/フェネートのカルシウム量の値である。S分量、硫酸灰分量は、調製した潤滑油組成物を測定した値である。
1.基油
40℃の動粘度が15〜40mm2/s、100℃の動粘度が4.0〜7.0mm2/s、粘度指数が100〜130の鉱油系潤滑油基油を2種類以上組み合わせて使用し、粘度グレードがAPI 10W−30、API 5W−30になるように適宜調製した。
2.チアジアゾール化合物:(A)
前述の一般式(1)の化合物であり、R1、R2がオクチル基、x、yが2である2,5−ビスオクチルジチオ−1,3,4−チアジアゾールを使用した。
3.有機モリブテン化合物:(B)
前述の一般式(2)の化合物であり、R3〜R6のアルキル基がオクチル基とドデシル基とが混合したモリブテンジチオカーバメートを使用した。
4.カルシウムサリシレート(1):(C)
塩基価60mgKOH/gのカルシウムサリシレートを使用した。カルシウム含有量は2.2質量%であった。
5.カルシウムサリシレート(2):(C)
塩基価170mgKOH/gのカルシウムサリシレートを使用した。カルシウム含有量は5.8質量%であった。
6.カルシウムフェネート:(C)
塩基価260mgKOH/gのカルシウムフェネートを使用した。カルシウム含有量は8.7質量%であった。
7.カルシウムスルホネート
比較のために、塩基価300mgKOH/gのカルシウムスルホネートを使用した。カルシウム含有量は11.1質量%であった。
8.非金属系酸化防止剤:(D)
前述の一般式(4)の化合物であり、R1、R2がt−ブチル基で、平均分子量は約380のものを使用した。
9.その他の各種添加剤
公知の粘度指数向上剤、分散剤などを適宜配合したものを使用した。表1と表2には、その合計配合量で示した。
調製した潤滑油組成物について下記の評価試験を行った。
(1)酸化安定性試験
JIS K−2514に規定される内燃機関用潤滑油酸化安定度試験方法に準拠して評価した。試験条件は165.5℃、96時間とした。この条件での試験後油の残存塩基価を測定した。試験後油の残存塩基価(塩酸法;JIS−K−2501−9)が大きいほど、酸化安定性に優れることを示す。
(2)耐摩耗性試験
ASTM D417−82に規定されるシェル高速四球摩耗試験方法に準拠して評価した。試験条件は、室温、1800rpm、1minとし、初期焼き付き荷重によって評価した。初期焼き付き荷重が高いほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(3)実機による清浄性試験
JASO M336−98に規定されるJASO清浄性エンジン試験方法に準拠して評価した。使用燃料はJIS 2号軽油(硫黄分460質量ppm)であった。なお、本試験はディーゼルエンジン油のJASO規格であるDH−1の規格試験であり、清浄性を表すTGF(%)が60(%)以下が規格値である。値が小さいほど清浄性能に優れることを示す。
(4)実機による耐摩耗性試験
JASO M354−99に規定されるJASO動弁摩耗エンジン試験方法に準拠して評価した。使用燃料はJIS 2号軽油(硫黄分460質量ppm)であった。なお、本試験もディーゼルエンジン油のJASO規格であるDH−1の規格試験であり、耐摩耗性を表すカム軸の軸径変化(μm)が95(μm)以下が規格値である。値が小さいほど耐摩耗性能に優れることを示す。
表1と表2に、上記評価試験の試験結果を示す。なお、表1は、リンを含まず、S分を0.5質量%以下、硫酸灰分量を約0.9質量%に調整した実施例と比較例を示し、表2は、リンを含まず、S分を0.3質量%以下、硫酸灰分量を0.6質量%以下に調整した実施例と比較例を示した。
Figure 0004408728
Figure 0004408728
表1と表2から明らかなように、実施例1〜4の潤滑油組成物は、同一硫酸灰分量における比較例に比べて性能が良好であることが分かる。これらの効果は、本発明により初めて実現できるものである。

Claims (2)

  1. 鉱油系潤滑油および合成系潤滑油から選ばれた少なくとも1種からなる基油に、(A)チアジアゾール化合物をS量で0.05〜0.25質量%、(B)有機モリブテン化合物をMo量で200〜800質量ppm、(C)塩基価が30〜400mgKOH/gの塩基性カルシウムサリシレート、および塩基価が30〜400mgKOH/gの塩基性カルシウムフェネートを、カルシウム量比(前記サリシレートのカルシウム量/前記フェネートのカルシウム量)が0.6〜1.4になる割合で含有し、さらに(D)高分子ヒンダードフェノール化合物を0.3〜5.0質量%を含有してなり、組成物中のS分量が0.5質量%以下、硫酸灰分量が1.3質量%以下であり、リンを含有しないことを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 塩基性カルシウムサリシレートおよび塩基性カルシウムフェネートの合計の含有量が、Ca量で350〜3500質量ppmであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
JP2004073956A 2004-03-16 2004-03-16 潤滑油組成物 Expired - Lifetime JP4408728B2 (ja)

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