JP2005247995A - エンジン油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 摩擦低減効果およびその持続性に優れ、清浄性や耐コーキング性に優れたエンジン油組成物を提供する。
【解決手段】 鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(A)モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量で0.02〜0.2質量%、及び(B)硫化脂肪酸エステルを硫黄量で0.01〜0.5質量%含有させ、必要に応じて、さらに、金属型清浄剤として(C)カルシウムサリシレートをカルシウム量で0.1〜0.3質量%含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、摩擦低減効果の持続性に優れ且つ、優れた清浄性を示すエンジン油組成物に関する。
近年の自動車用エンジンに対しては、低燃費性能向上技術の開発が盛んに行われている。
そのような低燃費性能向上技術として、自動車本体の軽量化、エンジンの改良といった自動車本体の改良に加え、自動車用ガソリンエンジン油の低粘度化や摩擦低減剤の配合等による摩擦損失の低減に関する検討が広く行われている。
エンジン油の摩擦損失を低減させる摩擦低減剤として、モリブデンジチオカーバメートがよく知られ、ジチオリン酸亜鉛等の硫黄系化合物と併用することにより優れた摩擦低減効果を示すことが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
しかし、ジチオリン酸亜鉛等のリン化合物には、排気ガスを浄化する触媒に対する影響を考慮して、その添加量には制限がある。また、硫黄系化合物の添加により耐熱性が低下し、エンジン油の清浄性や耐コーキング性能が低下する場合があった。
特開平8−73878号公報 特開平08−253785号公報
本発明は、上記の観点からなされたもので、リンを含有しないか、又はリンの含有量を低減したエンジン油組成物であって、摩擦低減効果およびその持続性に優れ、清浄性や耐コーキング性に優れたエンジン油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物から成る基油に、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)および硫化脂肪酸エステルをそれぞれ特定量配合することによって、上記の目的を達成することを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、(A)モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量で0.02〜0.2質量%、及び(B)硫化脂肪酸エステルを硫黄量で0.01〜0.5質量%含有してなるエンジン油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記のエンジン油組成物に、さらに、金属型清浄剤として(C)カルシウムサリシレートをカルシウム量で0.1〜0.3質量%含有してなるエンジン油組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、上記のエンジン油組成物において、(C)成分のカルシウムサリシレートが塩基価(JIS K2501 過塩素酸法)30〜200mgKOH/gを有するエンジン油組成物を提供するものである。
本発明によるエンジン油組成物は摩擦低減効果の持続性および耐コーキング性に優れ、エンジンの省燃費性能を向上させ且つエンジン内を清浄に保つことができる。
本発明における必須成分の一つであるモリブデンジチオカーバメートは次の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2005247995
(式中、R〜Rは炭素数2〜18のアルキル基またはアルキルアリール基等の炭化水素基であり、4つのRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Xは硫黄原子又は酸素原子である。)
ここで言う炭化水素基には1級炭化水素基、2級炭化水素基または3級炭化水素基が含まれ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。炭化水素基の好ましい具体例としてはエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ブチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基などが挙げられる。また、式中Xは硫黄原子(S)または酸素原子(O)を示す。
モリブデンジチオカーバメートの添加量としては、Mo量で200〜2000ppm含有させることが好ましい。より好ましくは400〜1700ppmであり、さらに好ましくは550〜1600ppmである。また、優れた耐コーキング性能を付与する観点からは、550〜1200ppmが特に好ましい。モリブデンジチオカーバメートの添加量が少ないと高い摩擦低減効果が得られない。逆に、多すぎると添加量に見合った摩擦低減効果が得られないだけでなく、エンジン内部においてスラッジなどが生成し、清浄性を損なう恐れがある。
モリブデンジチオカーバメートの具体例としては硫化モリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化モリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化モリブデン(ジノニルフェニル)ジチオカーバメート、硫化モリブデン(ジドデシルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデン(ジノニルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデン(ジドデシルフェニル)ジチオカーバメートなどが挙げられる。これらのモリブデンジチオカーバメイトはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の必須成分である硫化脂肪酸エステルは、硫化飽和脂肪酸エステルであってもよいし、硫化不飽和脂肪酸エステルであってもよいが、硫化不飽和脂肪酸エステルが好ましい。硫化不飽和脂肪酸エステルにおいて、炭素−炭素不飽和結合の数は、特に制限ないが、1〜4個が好ましく、特に1〜3個が好ましい。
硫化脂肪酸エステルは、硫化一価脂肪酸エステルであってよいし、硫化多価脂肪酸エステルであってもよいが、硫化一価脂肪酸エステルが好ましい。硫化多価脂肪酸エステルの場合は、カルボキシル基は全てエステル化されたものが好ましい。硫化脂肪酸エステルの硫黄含有量は、好ましくは5〜40質量%であり、特に好ましくは10〜30質量%である。
また、硫化脂肪酸エステルは、炭素数8〜30の脂肪酸のアルキルエステル硫化物が好ましく、さらに好ましくは炭素数14〜22である。これ以外の炭素数では、市場における入手性が困難な場合があるばかりでなく、エンジン油への溶解性や、常温における流動性が不足する場合もあり好ましくない。アルキル基の炭素数は特に限定しないが、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは1〜5である。硫化する脂肪酸エステルの具体例としては、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸プロピル、リノール酸ブチル、リノール酸オクチル、リノレン酸メチル、リノレン酸エチル、リシノレン酸メチル、リシノレン酸エチルなどが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよいし、これらを含有する動植物由来脂肪酸エステルの硫化物を用いることもできる。
硫化脂肪酸エステルの配合量は硫黄量として0.01〜0.5質量%であり、好ましくは0.03〜0.4質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%、特に好ましくは0.1〜0.25質量%である。硫黄量が少ない場合には、摩擦低減効果の持続性延長や耐コーキング性能の向上などの、発明の目的とする効果が得られない。また、硫黄量が多すぎると目的とする効果が飽和するだけでなく、エンジン油の酸化安定性や清浄性を悪化させる恐れもある。
本発明においては、清浄剤としてカルシウムサリシレートを用いることが好ましい。カルシウムサリシレートは、炭素数1〜30の鎖状炭化水素基、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基がベンゼン骨格に置換されたものが好ましい。好ましいカルシウムサリシレートとしては、一般式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2005247995
(式中、Rは、炭素数1〜30のアルキル基を示し、好ましくは6〜18のアルキル基であり、それらが複数存在する場合は、それぞれ同一であっても、異なってもよい。nは、1〜4の整数である。)
また、カルシウムサリシレートとしては、中性カルシウムサリシレートを炭酸カルシウムやホウ酸カルシウムなどによって、過塩基化して得られたものが好ましく、その塩基価(JIS
K2501 過塩素酸法)は特に限定しないが、好ましくは30〜200mgKOH/g、より好ましくは40〜200mgKOH/g、特に好ましくは100〜200mgKOH/gである。使用するサリシレートの塩基価が高くなるに従い摩擦低減効果が低下する傾向があるため、摩擦低減には塩基価の低いものが望まれるが、塩基価が低い場合には、エンジン油としての塩基価を高めるために多量の配合が必要となる。
カルシウムサリシレート成分の含有量は、カルシウム量として0.05〜0.4質量%であり、好ましくは0.10〜0.3質量%、さらに好ましくは0.13質量%〜0.25質量%である。この含有量が0.05質量%未満では、エンジン油の好ましい清浄性が維持できず、一方、0.4質量%を超えても、その含有量に見合う効果を得られず、コストに見合わないので好ましくない。
カルシウムサリシレートは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、マグネシウムサリシレートやアルカリ金属およびアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属およびアルカリ土類金属フェネートなどの金属型清浄剤を併用することも可能である。
本発明のエンジン油組成物においては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を少量含有してもよいし、実質的に含有しなくてもよい。ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、一般式(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2005247995
(式中、R、R、R及びRは、炭化水素基である)
一般式(2)において、R〜Rの炭化水素基は、セカンダリータイプ、プライマリータイプ等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、アリールタイプ等の芳香族炭化水素基などいずれの炭化水素基であってもよく、それらの混合物であってもよいが、セカンダリータイプのアルキル基が好ましい。また、一般式(2)において、R〜Rの炭化水素基は、セカンダリータイプ、プライマリータイプ、アリールタイプが混合して結合したものでもよい。これらの炭化水素基の炭素数は、2〜20の範囲が好ましく、2〜10の範囲がより好ましい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のエンジン油組成物は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含有させなくても優れた耐コーキング性を得ることができるが、少量のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有させることにより、上記の性能をより一層向上することができる。
しかしながら、ジアルキルジチオリン酸亜鉛の増量により、摩擦低減効果が失われてしまうため、含有量はリン量で0.09質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.08質量%以下である。
本発明においては、上記成分を鉱油系潤滑油基油もしくは合成系潤滑油基油あるいは両者の混合物からなる基油に配合する。
これらの基油の粘度は、40℃動粘度で1〜250mm/sであればよく、好ましくは10〜150mm/sであり、特に好ましくは15〜120mm/sである。また、粘度指数は、50〜200であればよく、好ましくは80〜150である。
鉱油系潤滑油基油としては、様々な製造法により得られたものが使用できるが、例えば、潤滑油原料をフェノール、フルフラールなどの芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製により得られるラフィネート、シリカ−アルミナを担体とするコバルト、モリブデンなどの水素化処理触媒を用いた水素化処理により得られる水素化処理油、又はワックスの異性化により得られるワックス異性化油などの鉱油が挙げられる。例えば、60ニュートラル油、100ニュートラル油、150ニュートラル油、300ニュートラル油、500ニュートラル油、ブライトストックなどを挙げることができる。
一方、合成系潤滑油基油としては、例えば、メタンなどの天然ガスを原料合成されるイソパラフィン、ポリ−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル、シリコーン油などを挙げることができる。これらの基油はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また鉱油系潤滑油基油と合成系潤滑油基油とを混合使用してもよい。本発明のエンジン油組成物において用いられる基油としては、芳香族成分3重量%以下、硫黄分50ppm(重量比)以下及び窒素分50ppm(重量比)以下の水素化処理油及びワックス異性化油が特に好適である。
合成系潤滑油基油の好適なものとしては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマー、ジオクチルセバケートを始めとするセバケート、アゼレート、アジペートなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと炭素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオールエステル類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類やポリブテンなどが挙げられる。
上記鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油はそれぞれ1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明のエンジン油組成物においては、上記した添加物の他に、必要に応じて各種公知の添加剤、例えば金属系清浄剤、分散剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、極圧剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、防錆剤、腐食防止剤などを適宜配合することができる。
金属系清浄剤としては、例えば、マグネシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネート、バリウムスルホネート、カルシウムフェネート、バリウムフェネートなどを挙げることができる。分散剤としては、例えば、コハク酸イミド系、コハク酸アミド系、ベンジルアミン系、エステル系及びこれらのホウ酸誘導体などを挙げることができる。これらの分散剤は、通常0.5〜9.0重量%の割合で配合される。
摩擦調整剤としては、例えば、多価アルコール部分エステル、アミン、アミド、硫化エステルなどを挙げることができる。摩耗防止剤としては、例えば、ジチオリン酸亜鉛、チオリン酸金属塩、硫黄化合物、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩などを挙げることができる。これらの摩耗防止剤は、通常0.05〜5.0重量%の割合で配合される。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤やナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などを挙げることができる。
極圧剤としてはメチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛などが挙げられる。粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン水添共重合体系あるいはポリイソブチレンなどを挙げることができる。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、塩素化パラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリスチレンなどを挙げることができる。消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサンやポリアクリル酸などを挙げることができる。
防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸部分エステル、脂肪酸セッケン、アルキルスルフォン酸塩、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオキシエチレンエーテルなどを挙げることができる。腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールやベンゾイミダゾール、チアジアゾールなどを挙げることができる。
本発明のエンジン油組成物の調整方法は、基油、上記必須成分及び必要に応じて各種添加剤を適宜混合すればよく、その混合順序は特に限定されるものではなく、基油に必須成分を順次混合してもよく、必須成分を予め混合した後基油に混合してもよい。さらに、各種添加剤についても、予め基油に添加してもよく、必須成分に添加してもよい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例によっては何等限定されるものではない。
(実施例1〜9及び比較例1〜5)
基油に、表1及び表2に示した必須成分及び各種添加剤を表1及び表2に示した配合量で混合してエンジン油組成物を調製した。なお、各実施例、各比較例とも基油の配合量のバランスにより、150℃HTHS粘度が2.7mPa・s、−30℃のCCS粘度が6,000mPa・sの5W−20グレードに調整した。
各実施例、各比較例のエンジン油組成物の調整に用いた基油、必須成分及び添加剤は次の通りである。
1.基油
40℃の動粘度が35mm/secで粘度指数130の高度水素化精製基油および40℃の動粘度が20mm/secで粘度指数が122の高度水素化精製基油を使用した。2種の基油ともに、芳香族成分3質量%以下、硫黄分50質量
ppm以下、窒素分50質量 ppm以下である。また、2種の基油の配合比は40℃の動粘度が19mm/secである高度精製鉱油系潤滑油基油が90〜100vol%の範囲である。
2.MoDTC
一般式(1)中、R〜Rがイソオクチル基またはイソトリデシル基であり、Xは平均値で硫黄原子が3.3個、酸素原子が0.7個であるモリブデンジチオカーバメート。添加剤中のMo濃度は4.4質量%。
3.Mo酸アミン
モリブデン酸の第2級アミン塩であり、アルキル基がトリデシル基であるもの。添加剤中のMo濃度は4.0質量%。
4.硫化脂肪酸エステル
(1):オレイン酸メチルの硫化物。硫黄含有量が19質量%であるもの。
(2):オレイン酸オクチルの硫化物。硫黄含有量が12質量%であるもの。
5.ジスルフィド
ジベンジルジスルフィド。硫黄含有量が26質量%であるもの。
6.清浄剤
(1):全塩基価(JIS K2501 過塩素酸法)が165mgKOH/gであるカルシウムサリシレート
(2):全塩基価が50mgKOH/gであるカルシウムサリシレート
(3):全塩基価が310mgKOH/gであるカルシウムスルホネート
(4):全塩基価が250mgKOH/gであるカルシウムフェネート
7.ZnDTP(1)(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)
アルキル基が、炭素数4および6のセカンダリータイプアルキル基であるZnDTP。
8.分散剤
ビスタイプのポリアルケニルコハク酸イミドでブテニル基の分子量が約1300のものを使用した。
9.粘度指数向上剤
粘度指数向上剤として分子量(Mw)が40万のポリアルキルメタクリレートを使用した。
各実施例、各比較例のエンジン油組成物の評価試験を以下に示した方法で行い、摩擦低減効果の持続性およびコーキング性能を評価した。評価結果を表1及び表2に示した。
(摩擦低減持続性試験)
実施例、及び比較例の各エンジン油について、NOx吹き込み式エンジン油劣化試験機(SAE881577準拠)を用いてエンジン油を劣化させた。なお試験条件は油温140℃、NO濃度8,000ppmのNO/Nガス流量 95ml/min、加湿Air流量 250ml/minとし、NO/Nガスおよび加湿Airの混合ガスを油中に吹き込み劣化を行なった。
試験により得られた劣化油を4時間毎に0.2mlサンプリングし、optimol社製SRV摩擦摩耗試験機により摩擦係数の測定を行った。このとき、摩擦係数の測定値が0.10を超えるまでの時間を低燃費効果持続時間とした。摩擦係数の測定条件は以下の通りで、経過時間20〜30分までの平均摩擦係数を測定値とした。
試験片 :上部シリンダー 直径15×22mm(SUJ−2)
(線接触)下部ディスク 直径24×7.85mm(SUJ−2)
測定温度:80℃
試験時間:30min(ならし1min.)
荷 重:400N(ならし50N)
振 幅:1mm
例えば、32時間後にサンプリングした油がはじめて摩擦係数0.10を超えた場合、摩擦低減効果の持続時間は32時間ということになる。本試験での摩擦低減効果の持続時間が長いほど、低燃費効果の持続性に優れる油である。
(耐コーキング性試験)
実施例、及び比較例の各エンジン油について、ホットチューブ試験(JPI 5S−55−99)により耐コーキング性能の評価を行った。試験温度は300℃とし、重量法により評価を行った。本試験における、ガラスチューブの重量増加が小さいものほど、耐コーキング性能に優れる油である。
Figure 2005247995
※基油の配合比バランスにより、HTHS粘度およびCCS粘度を調整した。なお、バランスとは、エンジン油組成物に配合されている各成分の合計量が100質量%になるように、基油の量を選定する意味である。
Figure 2005247995
※基油の配合比バランスにより、HTHS粘度およびCCS粘度を調整した。なお、バランスとは、エンジン油組成物に配合されている各成分の合計量が100質量%になるように、基油の量を選定する意味である。
(評価試験結果)
実施例1〜9は、比較例1〜4と対比すると、本発明によるエンジン油組成物が優れた摩擦低減効果の持続性と耐コーキング性能を示すことが分かる。
本発明のエンジン油組成物は、ガソリンエンジン、ディ−ゼルエンジン用潤滑油として利用できるとともに、2輪自動車用4サイクルエンジン油にも利用できる。

Claims (3)

  1. 鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合物からなる基油に、
    (A)モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量で0.02〜0.2質量%、及び
    (B)硫化脂肪酸エステルを硫黄量で0.01〜0.5質量%
    含有してなるエンジン油組成物。
  2. 請求項1のエンジン油組成物に、さらに、金属型清浄剤として(C)カルシウムサリシレートをカルシウム量で0.1〜0.3質量%含有してなる請求項1に記載のエンジン油組成物。
  3. 請求項2の(C)成分のカルシウムサリシレートが塩基価(JIS K2501 過塩素酸法)30〜200mgKOH/gを有する請求項2に記載のエンジン油組成物。
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