JP4408148B2 - 単結晶製造方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョコラルスキー法(CZ法)による単結晶(主としてシリコン単結晶)の製造方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5にはチョコラルスキー法(CZ法)による単結晶製造装置の従来例が示されている。同図において、水冷等による冷却手段(図示せず)が講じられているチャンバ1内には坩堝2が配置されている。坩堝2は石英からなる内層容器2aの外側を炭素製の外層容器2bで覆った2重構造と成しており、坩堝2の横断面形状(図のXY平面により切断した断面形状)は一般に真円形状を呈している。坩堝2の底部は坩堝2の上部がわよりも縮径しており、坩堝2の底部は坩堝2の回転および昇降を行う支持軸3に支持されている。
【0003】
坩堝2の周壁の外側には、少なくとも坩堝2の側周がわを囲む形態で加熱手段としてのヒータ8が配置され、さらにヒータ8の外側には保温材9が配されている。前記坩堝2の上方側には種結晶5を保持して該種結晶5の昇降を行なう種結晶5の引上げ手段としての引上軸4が設けられている。
【0004】
この種の装置を用いてシリコン単結晶を製造する場合は、坩堝2内に多結晶(シリコン多結晶)の原料と抵抗率を調整するドーパント材が入れられ、ヒータ8の加熱によって坩堝2を加熱し、坩堝2内の原材料を溶融する。そして、引上軸4を駆動して種結晶5を坩堝2の融液12に漬け、坩堝2と種結晶5を反対方向に回転しながら、種結晶5を引上げ移動することにより、単結晶6が引き上げ育成される。なお、単結晶製造装置には、前記のように種結晶5を坩堝2と反対方向に回転して、坩堝2の融液から引き上げ育成される単結晶6を引き上げ方向の中心軸回りに回転させる回転手段(図示せず)と、坩堝2の回転手段(図示せず)とが設けられている。
【0005】
また、ヒーター8の厚みと高さと坩堝2中心からの距離はいずれも、少なくとも坩堝2の周方向で均一になっており、また、坩堝2の厚みも均一になっており、したがって、ヒーター8から融液12への伝熱は坩堝2の周方向に偏りないようになっている。前記単結晶6の育成作業中は、図示されていない不活性ガス供給手段からチャンバ1内にアルゴン等の不活性ガスFの導入が行われ、融液12から蒸発する一酸化珪素等のガスを不活性ガスFとともにチャンバ1のガス排出口から排出している。
【0006】
ところで、製造効率を高めるためには単結晶6の引上げ速度を高めることが必要であり、引上げ速度を高めるためには単結晶の固液界面領域の軸方向(引上げ方向)の温度勾配を大きくすればよいことが知られている。しかし、単結晶6の育成時には融液12の表面から輻射熱が単結晶6に向けて放射し、この輻射熱により単結晶6が加熱されると、前記温度勾配が小さくなり、単結晶6の引上げ速度を高めることは困難となる。この困難を解消するために、最近の装置には、引上げ育成される単結晶6の側周面を囲む形態で筒状形態の熱遮蔽体7が融液12の上側に該融液12の液面と間隔を介して配置されている。通常、この熱遮蔽体7は、図5に示すように、保持材11に吊り保持されている。
【0007】
前記熱遮蔽体7を設けることによって、融液12から単結晶6に向かう輻射熱を遮蔽し、単結晶6の固液結晶界面領域の結晶軸方向の温度勾配を大きくして単結晶6の引上げ速度をアップすることができる。なお、前記不活性ガスFが熱遮蔽体7の上部側から供給されて単結晶6の側周面と熱遮蔽体7との間の隙間を通して下方側に流れ、熱遮蔽体7の下面と融液面との隙間を通って融液12の表面に沿って均一に流れるように構成されている。不活性ガスFは、融液表面に沿って流れた後、坩堝2の外周側を通って排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにして単結晶6を育成するときに、単結晶6中に予め定められた酸素濃度だけ酸素を取り込むことが要求されている。単結晶6中に取り込まれる酸素の濃度は、融液12の表面積(蒸発面積)および融液12と坩堝2の内層容器2aを形成する石英との界面の面積(接触面積)および対流に依存するものであり、融液対流に依存するため、従来の単結晶製造装置においては、坩堝2の回転数や不活性ガスFの流速を可変制御することにより、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度が予め定められた既定値となるようにしていた。
【0009】
しかしながら、坩堝2は、その底部側が縮径しており、結晶成長重量の増加に伴う融液量の減少に伴って、酸素化合物が蒸発する融液上面の面積に対する融液12と坩堝2の接触面積の比が減少し、融液中の酸素濃度が小さくなり、したがって結晶に取り込まれる酸素濃度が低下する傾向にある。結晶の酸素濃度を結晶の成長方向に均一にするには、坩堝2の回転数を大きくしたり、不活性ガスFの流速を大きくしたりしなければならないが、そのようにすると、融液12の液面の揺らぎが大きくなり、この揺らぎに起因して、単結晶6の無転位化率の低下や品質の面内ばらつきを生じるといった問題があった。
【0010】
また、単結晶6の横断面方向の抵抗率は単結晶6の中心に向かうにつれて小さくなることが知られており、また、種結晶5の回転数(すなわち単結晶6の回転数)SRと坩堝2の回転数CRとの比(SR/CR)の大きさを小さくすると、その抵抗率の最大値と最小値との差が大きくなる。そこで、従来は、単結晶6の横断面方向の抵抗率を均一にするために、SR/CRの大きさを例えば予め与えた基準値よりも大きくなるように設定して単結晶6の製造を行なっており、したがって、上記のように坩堝2の回転数CRを大きくすると、それに伴って単結晶6の回転数SRも大きくする必要が生じる。
【0011】
しかしながら、単結晶6の回転数SRは初めから大きく設定されているため、坩堝2の回転数CRを大きくする割合に対応させて単結晶6の回転数SRをそれ以上大きくすると、単結晶成長界面が不安定になり、有転位化しやすくなる。
【0012】
以上のように、従来は、坩堝2の回転等によって坩堝2内の融液12の対流を制御していたことから、単結晶6に取り込まれる酸素濃度や抵抗率等を均一にした高品質の単結晶6を安定して製造することが困難であった。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、坩堝の回転を停止させたり低回転状態としたりしても単結晶の融液の対流を制御できる単結晶製造方法およびその装置を提供することにあり、それにより、例えば単結晶中に取り込まれる酸素濃度を既定値に均一にできるようにすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、単結晶製造方法の第1の発明は、坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結晶を漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する単結晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記単結晶の側周面を囲む形態で融液面の上方側に融液面に対して間隔を介して設け、上方側から供給される不活性ガスを前記単結晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流し熱遮蔽体の下面と融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れるようにし、前記熱遮蔽体の下面側には該下面側から流出される不活性ガスの流量が局部的に大きくなる流量増加部分を単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置または複数の位置に設けて融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量に偏りを形成し、少なくとも前記坩堝の側周がわを囲む態様で該坩堝を加熱する加熱手段を設けて該加熱手段から前記融液に加える伝熱に坩堝の周方向の1ヶ所以上の位置で坩堝周方向の偏りを持たせ、この不活性ガスの流量の偏りと伝熱の偏りとにより融液対流を制御する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0016】
さらに、単結晶製造方法の第の発明は、上記第の発明の構成に加え、前記単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
さらに、単結晶製造方法の第の発明は、上記第の発明の構成に加え、前記単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が1本の対称軸に対してほぼ線対称となる1回対称性温度分布と前記温度分布が互いに直交する2本の対称軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温度分布と前記温度分布が60度の角度で交わる3本の対称軸に対してほぼ線対称となる3回対称性温度分布のいずれか一つの温度分布となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる構成をもって課題を解決する手段としている。
【0018】
さらに、単結晶製造方法の第の発明は、坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結晶を漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する単結晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記単結晶の側周面を囲む形態で融液面の上方側に融液面に対して間隔を介して設け、上方側から供給される不活性ガスを前記単結晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流し熱遮蔽体の下面と融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れるようにし、この融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量に上記第1の発明の不活性ガスの流量の偏りを形成し、少なくとも前記坩堝の側周がわを囲む態様で該坩堝を加熱する加熱手段を設けて該加熱手段から前記融液に加える伝熱に上記第又は第又は第の発明の伝熱の偏りを持たせ、この伝熱の偏りと前記不活性ガスの流量の偏りとを組み合わせて融液対流を制御する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0019】
さらに、単結晶製造方法の第の発明は、上記第の発明の構成に加え、前記不活性ガスの流量増加部分の配設位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線と、温度分布制御用として適用される対称軸との角度を対称軸間角度とし、不活性ガスの流量増加部分の配設位置数と前記対称軸の本数と前記対称軸間角度を可変設定することにより単結晶中に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にする構成をもって課題を解決する手段としている。
【0020】
さらに、単結晶製造方法の第の発明は、上記第1乃至第のいずれか一つの発明の構成に加え、前記坩堝を回転させない構成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】
さらに、単結晶製造装置の第1の発明は、単結晶製造の原材料を入れる坩堝と、この坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融する加熱手段と、溶融された坩堝内の融液に種結晶を漬けて種結晶を融液から相対的に引き上げ移動する種結晶の引き上げ移動手段と、前記坩堝の融液から引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向の中心軸回りに回転させる回転手段と、前記単結晶の側周面を囲み融液面と間隔を介して融液面の上側に配置されて融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体と、該熱遮蔽体の上部側から不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段とを備え、前記不活性ガス供給手段から供給された不活性ガスが前記単結晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通り熱遮蔽体の上方側から下方側に流れた後に熱遮蔽体の下面と前記融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れる構成の単結晶製造装置であって、前記熱遮蔽体の下面側には該下面側から流出される不活性ガスの流量が局部的に大きくなる流量増加部分が単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置または複数の位置に設けられ、また、前記加熱手段から前記融液に加える伝熱に坩堝の周方向の1ヶ所以上の位置で坩堝周方向の偏りを持たせる伝熱偏り形成部が設けられており、前記流量増加部分の前記円周上の形成位置と前記伝熱偏り形成部の前記周方向の形成位置との組み合わせによって、前記坩堝の融液から引き上げ育成される単結晶に取り込まれる酸素濃度を規定する融液の対流の態様が制御されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0022】
さらに、単結晶製造装置の第2の発明は、上記単結晶製造装置の第1の発明の構成に加え、前記熱遮蔽体下部側の不活性ガスの流路壁面に流路の開拡開口部を1ヶ所以上形成し、該開拡開口部形成領域を不活性ガスの流量増加部分とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0024】
さらに、単結晶製造装置の第の発明は、上記単結晶製造装置の第1又は第2の発明の構成に加え、前記伝熱偏り形成部は単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる対称温度分布形成部とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0025】
さらに、単結晶製造装置の第の発明は、上記単結晶製造装置の第1又は第2又は第3の発明の構成に加え、前記加熱手段の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝の周方向の偏りが形成されており、この偏りを有する加熱手段が伝熱偏り形成部と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0026】
さらに、単結晶製造装置の第の発明は、上記単結晶製造装置の第1乃至第4のいずれか1つの発明の構成に加え、前記坩堝の周方向の厚みに偏りが形成されて該坩堝が伝熱偏り形成部と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0027】
上記構成の本発明において、融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量の偏りと、加熱手段から融液に加える伝熱の坩堝周方向の偏りとを組み合わせることによって、融液対流が制御される。このように、本発明においては、坩堝の回転を低回転状態としたり坩堝を停止させ状態としても融液対流を制御できるので、この融液対流の制御によって、例えば単結晶中に取り込まれる酸素濃度を既定値に均一にできるし、坩堝内の融液量が少なくなっても、融液の表面の面積に対応させて、この面積が小さくなるにつれて単結晶の回転数を大きくする必要もなく、単結晶の横断面方向の抵抗率を均一化することが可能となるし、融液の揺らぎに伴う無転位化率の低下や単結晶品質の面内ばらつきの発生も抑制可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。まず、本発明に係る単結晶製造装置の第1実施形態例について説明する。本第1実施形態例の単結晶製造装置は、図5に示した従来の単結晶製造装置と同様に、チャンバ1内に、坩堝2、支持軸3、引上軸4、熱遮蔽体7、ヒーター8、保温材9、保持体11および不活性ガス供給手段、単結晶6の回転手段を設けて構成されており、これらの構成要素の機能は従来例とほぼ同様であるので、その重複説明は省略する。
【0029】
本第1実施形態例の特徴的なことは、坩堝2内の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が図1の(a)に示す温度分布(Tが等温線を示している)となるように、ヒーター8から融液に加える伝熱に坩堝2の周方向の2ヶ所の位置で偏りを持たせ、図1の(b)、(c)に示すように、熱遮蔽体7の下面側に該下面側から流出される不活性ガスFの流量が局部的に大きくなる流量増加部分としての開拡開口部13を単結晶中心軸回りの円周上の2つの等角間隔位置に設けて融液12の表面に沿って流れる不活性ガスFの流量に偏りを形成し、この不活性ガスFの流量の偏りと前記伝熱の偏りとを組み合わせることによって、坩堝2を回転させずに坩堝2内の融液12の対流を制御できる装置としたことである。
【0030】
すなわち、従来の単結晶製造装置においては、ヒーター8の厚みと高さと坩堝2中心からの距離および坩堝2の厚みはいずれも、少なくとも坩堝2の周方向で均一になっており、ヒーター8から融液12への伝熱は坩堝2の周方向に偏りがないように形成したが、本実施形態例では、ヒーター8の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝の周方向の偏りを形成し、この偏りを有するヒーター8を伝熱偏り形成部としている。具体的には、例えば図3の(b)、(b)’に示すように、ヒーター8の厚みを坩堝2の周方向の2ヶ所において他の部分よりも薄く形成している。
【0031】
ヒーター8の厚みの薄い薄肉部分14は、坩堝横断面の直径を対称軸として線対称の位置に形成されており、それにより、図1の(a)に示したように、単結晶成長中の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が、坩堝横断面の互いに直交する2本の直径(A軸およびA’軸)を対称軸として、各対称軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温度分布となるように、ヒーター8から融液12に加える伝熱の偏りが形成されるようになっている。すなわち、本実施形態例では、前記伝熱偏り形成部は、単結晶成長中の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように、ヒーター8から融液12に加える伝熱の偏りを持たせる対称温度分布形成部と成している。
【0032】
なお、前記伝熱偏り部は、ヒーター8の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝2の周方向の偏りを形成することによって形成されるものであるが、この伝熱偏り部を、坩堝横断面の直径を対称軸として線対称の位置に形成すると、図1の(a)に示すような2回対称性温度分布が融液12の坩堝横断面方向に形成される。
【0033】
そして、上記のようにして、ヒーター8から融液12に加える伝熱の偏りを図1の(a)に示すように形成すると、矢印a方向に大きな融液対流が生じ、矢印b方向には小さな融液対流が生じるように融液対流を制御することができる。
【0034】
また、図1の(b)、(c)に示したように、熱遮蔽体7の下面側の不活性ガスF流路壁面に流路の開拡開口部13を設けると、融液12の表面に沿って流れる不活性ガスFの主な流れ(不活性ガスFの流量が大きい領域における不活性ガスFの流れ)は、図1の(d)、(e)に示すような流れとなり、この不活性ガスFの流れに融液12表面が引張られる状態となり、この方向に融液12の対流が生じるように融液対流を制御することができる。
【0035】
そこで、本実施形態例の単結晶製造装置を形成する際、上記伝熱の偏りと上記不活性ガスFの流量の偏りとを組み合わせるときに、開拡開口部13の配設位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線(図1におけるB軸)と、温度分布制御用として適用される対称軸(同図におけるA軸)との角度を対称軸間角度θとし、図1の(f)に示すように、対称軸間角度θと単結晶6中に取り込まれる酸素濃度との関係データを、例えばグラフデータにより与え、この関係データに基づき、前記対称軸間角度θを可変設定することにより単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にするようにした。
【0036】
そして、本実施形態例の単結晶製造装置の具体例として、前記A軸とB軸との角度を互いに異なる角度として具体例1〜3の単結晶製造装置を形成し、各単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶6を成長育成させたときの単結晶6の特性と、単結晶製造に要したヒーター8のパワー(ヒータパワー)とが、従来の単結晶製造装置を用いた場合(比較例)の特性と共に表1に示されている。
【0037】
【表1】
Figure 0004408148
【0038】
この表から明らかなように、前記A軸とB軸との角度(対称軸間角度θ)を任意に設定することにより、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を制御できることが確認された。
【0039】
なお、具体例1のように、本実施形態例の単結晶製造装置において、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度は、A軸とB軸とが重なる場合(対称軸間角度θが0の場合)に最も大きくなる。このことは、A軸とB軸とが重なるように、熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合には、図1の(a)に示したように、前記伝熱の偏りによって矢印a方向に融液12の対流が大きく生じ、この流れが、同図の(d)の不活性ガスFの主な流れ方向に引張られるような態様で、図2の(a)に示すように、融液12の表面に矢印A方向の強くて大きい対流が生じるため、坩堝2の内層容器2aを形成する石英からの酸素溶出が大きくなり、単結晶6中に多くの酸素が取り込まれて前記酸素濃度が大きくなると考えられる。
【0040】
なお、図2の(b)には、前記A軸とB軸とが重なるように熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合の、坩堝2の縦断面方向の融液12の対流例が、矢印Aによって模式的に示されている。
【0041】
一方、具体例3のように、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度はA軸とB軸とが直交する場合に最も小さくなる。このことは、A軸とB軸とが直交する(対称軸間角度θが90°となる)ように、熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合には、図1の(a)に示したように、前記伝熱の偏りによって矢印a方向に融液12の対流が大きく生じるが、この対流と反する方向に、同図の(e)に示した不活性ガスFの主な流れ方向に融液12の表面の対流が生じることによって、図2の(c)の矢印B方向に弱い対流が生じるため、融液12と坩堝2との摩擦力による坩堝2からの酸素の溶け出し量は前記A軸とB軸を重ねた場合ほど大きくならず、単結晶6中に取り込まれる前記酸素濃度は、前記A軸とB軸とを重ねた場合よりも小さくなると考えられる。なお、図2において、矢印Bは矢印Aに示す対流よりも弱い対流を示している。
【0042】
また、前記A軸とB軸とを直交させた場合、図2の(c)の矢印A方向に強い対流が生じるが、その流れの量は、同図の(a)に示す流れよりも遥かに小さいため、この流れがあっても、単結晶6中に取り込まれる前記酸素濃度は、前記A軸とB軸とを重ねた場合よりも小さくなると考えられる。
【0043】
なお、図2の(d)には、前記A軸とB軸とが直交するように熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合の、坩堝2の縦断面方向の融液12の対流例が、矢印A、Bによって模式的に示されている。
【0044】
そして、具体例2に示すように、対称軸間角度が45°の場合は、融液対流の強さや大きさが具体例1と具体例3との中間となって、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度も具体例1と具体例3との中間の値となると考えられる。
【0045】
また、本実施形態例によれば、表1に示した具体例1〜3から明らかなように、単結晶6の引上げ軸に垂直な面内(横断面方向)の酸素ばらつきを示す面内酸素分布(ばらつき)を比較例に比べて小さくできるし、引き上げた結晶で有転位化した割合をkとしたときに、(1−k)×100の式によって表わせる無転位化率を比較例に比べて大きくすることができ、単結晶6の品質を向上できる。すなわち、本実施形態例においては坩堝2を回転させずに融液12の対流を制御するため、融液12の液面の揺らぎを減少させることができるため、この揺らぎに伴う前記面内酸素分布の増大や無転位化率の低下を抑制でき、面内酸素分布の低減化および無転位化率の向上化を図ることができる。
【0046】
さらに、従来のように、坩堝回転で酸素濃度を作り込もう(制御しよう)とすると、周方向の対流によって径方向の対流が抑制されるために、融液面の中心部と周辺部(坩堝2の内層容器2aとの界面)とで温度差が大きくなる。このため、融液面(融液12と単結晶6との界面)中心部の温度を融点(約1430℃)に保つには、融液面周辺部を中心部より20〜30℃高く保つことが必要となる。それに対し、本実施形態例のように、坩堝2を回転させずに融液12の対流を制御すると、周方向の対流が弱いために、径方向の対流が活発となる。このため、融液面中心部と周辺部とで温度差が小さくなる。よって、融液面周辺部の温度をあまり上げなくとも融液面(融液12と単結晶6との界面)中心部の温度を融点(約1430℃)に保つことができる。
【0047】
以上のことから、本実施形態例では、表1に示したように、比較例に比べ、ヒーター8のパワーも低減できる。そして、このようにヒーター8のパワーを低減できることから、ヒーター8の寿命を長くでき、また、ヒーター8のパワーが下がることにより、坩堝表面の劣化が改善され、長時間引上げに対応できるようになった。
【0048】
さらに、前記のように、単結晶6の回転数SRと坩堝2の回転数CRとの比(SR/CR)の大きさを小さくすると、単結晶6の引上げ軸に垂直な面内の抵抗率の最大値と最小値との差が大きくなることから、従来のように坩堝2の回転によって融液対流を制御する方式を用いた場合、前記SR/CRを一定にするために、坩堝2の回転数CRを大きくするときには、単結晶6の回転数SRも大きくする必要が生じた。
【0049】
したがって、坩堝2内の融液12の量が少なくなって融液12の表面の面積が小さくなった場合、単結晶6に取り込まれる酸素濃度を一定にしようとして坩堝2の回転数CRを大きくした場合、単結晶6の回転数SRも大きくする必要があったが、本実施形態例によれば、坩堝2を回転することなしに融液対流を制御することができるため、融液12の表面の面積が小さくなっても、坩堝2の回転を行なうこともないし、単結晶6の回転数を大きくする必要もない。したがって、本実施形態例によれば、単結晶6の回転数を融液12の表面の面積に対応させて可変制御したりしなくても、単結晶6の横断面方向の抵抗率を均一化することができる。
【0050】
次に、本発明に係る単結晶製造装置の第2実施形態例について説明する。本第2実施形態例の単結晶製造装置も、図5に示した従来の単結晶製造装置および上記第1実施形態例の単結晶製造装置と同様に、チャンバ1内に、坩堝2、支持軸3、引上軸4、熱遮蔽体7、ヒーター8、保温材9、保持体11および不活性ガス供給手段、単結晶6の回転手段を設けて構成されており、これらの構成要素の機能は従来例とほぼ同様であるので、その重複説明は省略する。
【0051】
本第2実施形態例が上記第1実施形態例と異なる特徴的なことは、坩堝2内の融液12の坩堝横断面方向の温度分布と融液12の表面に沿って流れる不活性ガスFの流量の偏りの形態を、上記第1実施形態例における融液12の温度分布や不活性ガスFの流量の偏りと異なるものとしたことである。
【0052】
すなわち、本第2実施形態例においては、坩堝2内の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が図4の(a)に示す温度分布(Tが等温線を示している)となるように、ヒーター8から融液に加える伝熱に坩堝2の周方向の1ヶ所の位置で偏りを持たせ、図1の(b)に示すように、熱遮蔽体7の下面側に該下面側から流出される不活性ガスFの流量が局部的に大きくなる開拡開口部13を単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置に設けて融液12の表面に沿って流れる不活性ガスFの流量に偏りを形成し、この不活性ガスFの流量の偏りと前記伝熱の偏りとを組み合わせることによって、坩堝2を回転させずに坩堝2内の融液12の対流を制御できる装置とした。
【0053】
本実施形態例では、ヒーター8の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝の周方向の偏りを形成し、この偏りを有するヒーター8を伝熱偏り形成部としている。具体的には、例えば図3の(a)、(a)’に示すように、坩堝2の厚みを周方向の1ヶ所(薄肉部分15)において他の部分よりも薄く形成したり、同図の(c)、(c)’に示すように、ヒーター8の高さを坩堝2の周方向の1ヶ所(8a)において他の部分よりも低く形成したり、同図の(d)、(d)’に示すように、坩堝2の厚みを周方向の1ヶ所(薄肉部分15)において他の部分よりも薄く形成し、かつ、ヒーター8の坩堝2中心からの距離を坩堝2の周方向の1ヶ所(D)において他の部分よりも近く形成したりしている。
【0054】
なお、坩堝2の周方向の厚みを一定にし、ヒーター8の坩堝2中心からの距離のみを坩堝2の周方向の1ヶ所において他の部分よりも近く形成しても図4の(a)に示すような温度分布を形成することができる。
【0055】
本第2実施形態例では、このような伝熱偏り形成部により、図4の(a)に示したように、単結晶成長中の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が、坩堝横断面の1本の直径(A軸)を対称軸として、この対称軸に対してほぼ線対称となる1回対称性温度分布となるように、ヒーター8から融液12に加える伝熱の偏りが形成されるようになっている。
【0056】
上記のようにして、ヒーター8から融液12に加える伝熱の偏りを図4の(a)に示すように形成すると、矢印a方向に大きな融液対流が生じ、矢印b方向には小さな融液対流が生じるように融液対流を制御することができる。
【0057】
また、図4の(b)に示したように、熱遮蔽体7の下面側に開拡開口部13を設けると、融液12の表面に沿って流れる不活性ガスFの主な流れは、図4の(c)に示すような流れとなり、この不活性ガスFの流れに融液12表面が引張られる状態となり、この方向に融液12の対流が生じるように融液対流を制御することができる。
【0058】
そこで、本第2実施形態例の単結晶製造装置を形成する際、上記伝熱の偏りと上記不活性ガスFの流量の偏りとを組み合わせるときに、開拡開口部13の配設位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線(図4におけるB軸)と、温度分布制御用として適用される対称軸(同図におけるA軸)との角度を対称軸間角度θとし、図4の(d)に示すように、対称軸間角度θと単結晶6中に取り込まれる酸素濃度との関係データを、例えばグラフデータにより与え、この関係データに基づき、前記対称軸間角度θを可変設定することにより単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にするようにした。
【0059】
なお、本第2実施形態例において、対称軸間角度θが0とは、A軸とB軸とを互いの矢印方向が一致する方向で重ねた状態を示しており、対称軸間角度θが180°とは、A軸とB軸とを互いの矢印方向が反対方向となるように重ねた状態を示している。
【0060】
本第2実施形態例も上記第1実施形態例とほぼ同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態例の単結晶製造装置の具体例として、前記A軸とB軸との角度を互いに異なる角度として具体例4〜6の単結晶製造装置を形成し、各単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶6を成長育成させたときの単結晶6の特性と、単結晶製造に要したヒーター8のパワー(ヒータパワー)とが、前記比較例の特性と共に表2に示されている。
【0061】
【表2】
Figure 0004408148
【0062】
この表から明らかなように、前記A軸とB軸との角度(対称軸間角度θ)を任意に設定することにより、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を制御できることが確認された。
【0063】
なお、具体例4のように、本第2実施形態例の単結晶製造装置において、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度は、対称軸間角度θが0となるようにA軸とB軸とを重ねた場合に最も大きくなる。このことは、対称軸間角度が0となるようにA軸とB軸とを重ねて、熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合には、図4の(a)に示したように、前記伝熱の偏りによって矢印a方向に融液12の対流が大きく生じ、この流れが、同図の(c)の不活性ガスFの主な流れ方向に引張られるような態様で、融液12の表面に矢印A方向の強くて大きい対流が生じるため、坩堝2の内層容器2aを形成する石英からの酸素溶出が大きくなり、単結晶6中に多くの酸素が取り込まれて前記酸素濃度が大きくなると考えられる。
【0064】
一方、具体例6のように、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度は、対称軸間角度が180°となるようにA軸とB軸とを重ねた場合に最も小さくなる。このように、熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合には、図4の(a)に示したように、前記伝熱の偏りによって矢印a方向に融液12の対流が大きく生じるが、この対流と反する方向に、同図の(c)に示した不活性ガスFの主な流れ方向に融液12の表面の対流が生じることによって、融液対流が小さくなり、融液12の表面と酸素との接触面積は前記A軸とB軸を対称軸間角度が0となるように重ねた場合ほど大きくならず、単結晶6中に取り込まれる前記酸素濃度は、前記A軸とB軸とを対称軸間角度が0となるように重ねた場合よりも小さくなると考えられる。
【0065】
そして、具体例5のように、対称軸間角度が90°の場合は、融液対流の強さや大きさが具体例4と具体例6との中間となって、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度も具体例4と具体例6との中間の値となると考えられる。
【0066】
また、本第2実施形態例においても、表2に示した具体例4〜6から明らかなように、上記具体例1〜3と同様に、単結晶6の面内(横断面上)の酸素ばらつきを示す面内酸素分布を比較例に比べて小さくでき、無転位化率を比較例に比べて大きくすることができ、単結晶6の品質を向上できることが確認できた。さらに、具体例4〜6のいずれにおいても、比較例に比べ、ヒーター8のパワーも低減できることが確認され、本第2実施形態例も上記第1実施形態例とほぼ同様の効果を奏することが確認された。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記第2実施形態例では、単結晶成長中の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が1本の対称軸に対してほぼ線対称となる1回対称性温度分布となるようにし、第1実施形態例では、前記温度分布が互いに直交する2本の対称軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温度分布となるようにしたが、前記温度分布が3本以上の対称軸に対してほぼ線対称となるような温度分布としてもよい。
【0068】
ただし、温度分布制御用として適用される対称軸の本数が無限大に近づくと、温度分布の偏り、すなわち、ヒーター8から融液12への伝熱の坩堝2周方向の偏りが殆どなくなり、この伝熱の偏りによる融液対流制御が困難となるため、伝熱の偏りの制御は、上記各実施形態例のように、1回対称性温度分布または2回対称性温度分布となるように制御するか、あるいは60度の角度で交わる3本の対称軸に対してほぼ線対称となる3回対称性温度分布となるように制御することが望ましい。
【0069】
また、ヒーター8から融液12への伝熱の偏りの制御は、必ずしも坩堝横断面の直径を対象としてほぼ線対称となるように制御するとは限らず、坩堝2の周方向の1ヶ所以上の位置で前記伝熱の偏りを持たせればよい。ただし、伝熱の偏りをランダムに制御する場合に比べ、坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように制御すると、融液対流の形態を把握しやすくなり、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にしやすくなるので、坩堝横断面の直径を対象としてほぼ線対称となるように、前記伝熱の偏りを制御することが好ましい。
【0070】
さらに、上記各実施形態例では、伝熱偏り部は、ヒーター8の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝2の周方向の偏りを形成することにより形成したが、上記伝熱の偏り部は、ヒーター8の坩堝周方向の材質を部分的に異なる材質の物にすることによっても形成することができる。すなわち、ヒーター8の材質を異なるものとすると、ヒーター8からの放熱等に偏りが形成され、それにより、ヒーター8から融液12への伝熱の偏りが形成される。
【0071】
さらに、上記第2実施形態例では、不活性ガスFの流量が局部的に大きくなる開拡開口部13を単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置に設け、上記第1実施形態例では開拡開口部13を単結晶中心軸回りの円周上の2つの位置に設けたが、開拡開口部13を3つ以上の位置に設けて融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量に偏りを形成し、この不活性ガスFの流量の偏りにより融液対流を制御してもよい。なお、開拡開口部13の配設位置を単結晶中心軸回りの円周上の等角間隔位置に設けると、不活性ガスFの流量の偏りにより形成される融液対流形態を把握しやすくできる。
【0073】
さらに、上記各実施形態例では、坩堝2を回転させずに融液12の対流を制御したが、坩堝2は回転させてもよい。ただし、上記各実施形態例のように、ヒーター8から融液12への伝熱の偏りや不活性ガスFの流量の偏りによって融液対流の制御を行なうようにすると、坩堝2を回転させる場合でも、その回転数を小さくすることができる。そのため、融液12の量が少なくなったときに単結晶6の回転数に坩堝2の回転数を対応させることができないといったことは回避でき、また、坩堝2の回転による融液12の液面の揺らぎも少なくすることができ、融液12の液面の揺らぎによる単結晶6の無転位化率の低下や単結晶品質の面内ばらつきの発生を抑制することができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の単結晶製造方法および単結晶製造装置によれば、融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量の偏りと、加熱手段から融液に加える伝熱の坩堝周方向の偏りとを組み合わせることによって、融液対流を制御することができる。そのため、坩堝の回転を低回転状態としたり坩堝を停止させた状態としたりしても融液対流を制御できるので、例えば単結晶中に取り込まれる酸素濃度を既定値に均一に制御しやすくできる。また、坩堝の回転に伴う融液面の揺らぎによって生じる、単結晶中の引上げ軸に直交する面内酸素分布ばらつき増加や無転位化率の低下などの品質低下を抑制できるし、単結晶を加熱する加熱手段のパワーも小さくすることができ、坩堝等の寿命を長くできるので製造コストの低減を図れる。
【0075】
また、単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる構成のものにあっては、伝熱の偏りによって制御される融液対流の形態を把握しやすくでき、特に、前記温度分布が1本の対称軸に対してほぼ線対称となる1回対称性温度分布と前記温度分布が互いに直交する2本の対称軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温度分布と前記温度分布が60度の角度で交わる3本の対称軸に対してほぼ線対称となる3回対称性温度分布のいずれか一つの温度分布となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる構成のものにあっては、伝熱の偏りによって制御される融液対流の形態を把握しやすくできる。
【0076】
そのため、このように、坩堝内の融液の温度分布に対称性を持たせる構成の発明においては、融液対流制御によって、単結晶中に取り込まれる酸素濃度の制御なども行ないやすくすることができる。
【0077】
また、融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量の偏りと、加熱手段から融液に加える伝熱の坩堝周方向の偏りの両方を組み合わせることによって、融液対流を制御する構成としたので、融液対流パタンのバリエーションを多くすることができ、上記不活性ガスFの流量の偏りと前記伝熱の坩堝周方向の偏りの一方のみにより対流制御を行なうよりも、単結晶中に取り込まれる酸素濃度の制御などを容易にできる。
【0078】
さらに、不活性ガスの流量増加部分の配設位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線と温度分布制御用として適用される対称軸との角度を対称軸間角度とし、不活性ガスの流量増加部分の配設位置数と前記対称軸の本数と前記対称軸間角度を可変設定することにより単結晶中に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にする構成のものにあっては、単結晶中に取り込まれる酸素濃度を、確実に予め定められた濃度にすることができる。
【0079】
さらに、坩堝を回転させない構成のものにあっては、坩堝の回転機構を省略することもでき、そうすれば装置の簡略化を図ることができるし、坩堝の回転に伴う融液面の揺らぎによって生じる、単結晶中に取り込まれる酸素分布ばらつきや無転位化率の低下などの品質低下をより一層確実に抑制できるし、単結晶を加熱する加熱手段のパワーも小さくすることができる。
【0080】
さらに、本発明の単結晶製造装置において、加熱手段の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝の周方向の偏りを形成して、前記伝熱の坩堝周方向の偏りを持たせる伝熱偏り形成部としたり、坩堝の周方向の厚みに偏りを形成して伝熱偏り形成部とした構成のものにあっては、上記のようにして容易に伝熱偏り形成部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶製造装置の第1実施形態例を用いて単結晶を製造するときの融液の坩堝横断面方向の温度分布を模式的に示す説明図(a)と、この単結晶製造装置に適用される熱遮蔽体の斜視図(b)、(c)と、これらの熱遮蔽体を適用したときに融液表面に沿って流れる不活性ガスの流れの一部を模式的に示す説明図(d)、(e)と、対称軸間角度と単結晶中の酸素濃度との関係データ(f)である。
【図2】上記第1実施形態例の具体例における融液対流を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明に係る単結晶製造装置における伝熱偏り形成部の例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る単結晶製造装置の第2実施形態例を用いて単結晶を製造するときの融液の坩堝横断面方向の温度分布を模式的に示す説明図(a)と、この単結晶製造装置に適用される熱遮蔽体の斜視図(b)と、この熱遮蔽体を適用したときに融液表面に沿って流れる不活性ガスの流れの一部を模式的に示す説明図(d)と、対称軸間角度と単結晶中の酸素濃度との関係データ(d)である。
【図5】従来の単結晶製造装置の一例を模式的に示す要部説明図である。
【符号の説明】
1 チャンバ
2 坩堝
5 種結晶
6 単結晶
7 熱遮蔽体
8 ヒーター
12 融液
13 開拡開口部
14,15 薄肉部分
F 不活性ガス

Claims (11)

  1. 坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結晶を漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する単結晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記単結晶の側周面を囲む形態で融液面の上方側に融液面に対して間隔を介して設け、上方側から供給される不活性ガスを前記単結晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流し熱遮蔽体の下面と融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れるようにし、前記熱遮蔽体の下面側には該下面側から流出される不活性ガスの流量が局部的に大きくなる流量増加部分を単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置または複数の位置に設けて融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量に偏りを形成し、少なくとも前記坩堝の側周がわを囲む態様で該坩堝を加熱する加熱手段を設けて該加熱手段から前記融液に加える伝熱に坩堝の周方向の1ヶ所以上の位置で坩堝周方向の偏りを持たせ、この不活性ガスの流量の偏りと伝熱の偏りとにより融液対流を制御することを特徴とする単結晶製造方法。
  2. 単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせることを特徴とする請求項1記載の単結晶製造方法。
  3. 単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が1本の対称軸に対してほぼ線対称となる1回対称性温度分布と前記温度分布が互いに直交する2本の対称軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温度分布と前記温度分布が60度の角度で交わる3本の対称軸に対してほぼ線対称となる3回対称性温度分布のいずれか一つの温度分布となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせることを特徴とする請求項2記載の単結晶製造方法。
  4. 坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結晶を漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する単結晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記単結晶の側周面を囲む形態で融液面の上方側に融液面に対して間隔を介して設け、上方側から供給される不活性ガスを前記単結晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流し熱遮蔽体の下面と融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れるようにし、この融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量に請求項1記載の不活性ガスの流量の偏りを形成し、少なくとも前記坩堝の側周がわを囲む態様で該坩堝を加熱する加熱手段を設けて該加熱手段から前記融液に加える伝熱に請求項1又は請求項2又は請求項3記載の伝熱の偏りを持たせ、この伝熱の偏りと前記不活性ガスの流量の偏りとを組み合わせて融液対流を制御することを特徴とする単結晶製造方法。
  5. 不活性ガスの流量増加部分の配設位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線と、温度分布制御用として適用される対称軸との角度を対称軸間角度とし、不活性ガスの流量増加部分の配設位置数と前記対称軸の本数と前記対称軸間角度を可変設定することにより単結晶中に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にすることを特徴とする請求項4記載の単結晶製造方法。
  6. 坩堝を回転させないことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の単結晶製造方法。
  7. 単結晶製造の原材料を入れる坩堝と、この坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融する加熱手段と、溶融された坩堝内の融液に種結晶を漬けて種結晶を融液から相対的に引き上げ移動する種結晶の引き上げ移動手段と、前記坩堝の融液から引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向の中心軸回りに回転させる回転手段と、前記単結晶の側周面を囲み融液面と間隔を介して融液面の上側に配置されて融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体と、該熱遮蔽体の上部側から不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段とを備え、前記不活性ガス供給手段から供給された不活性ガスが前記単結晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通り熱遮蔽体の上方側から下方側に流れた後に熱遮蔽体の下面と前記融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れる構成の単結晶製造装置であって、前記熱遮蔽体の下面側には該下面側から流出される不活性ガスの流量が局部的に大きくなる流量増加部分が単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置または複数の位置に設けられ、また、前記加熱手段から前記融液に加える伝熱に坩堝の周方向の1ヶ所以上の位置で坩堝周方向の偏りを持たせる伝熱偏り形成部が設けられており、前記流量増加部分の前記円周上の形成位置と前記伝熱偏り形成部の前記周方向の形成位置との組み合わせによって、前記坩堝の融液から引き上げ育成される単結晶に取り込まれる酸素濃度を規定する融液の対流の態様が制御されていることを特徴とする単結晶製造装置。
  8. 熱遮蔽体下部側の不活性ガスの流路壁面に流路の開拡開口部を1ヶ所以上形成し、該開拡開口部形成領域を不活性ガスの流量増加部分としたことを特徴とする請求項7記載の単結晶製造装置。
  9. 伝熱偏り形成部は単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる対称温度分布形成部としたことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の単結晶製造装置。
  10. 加熱手段の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝の周方向の偏りが形成されており、この偏りを有する加熱手段が伝熱偏り形成部と成していることを特徴とする請求項又は請求項8又は請求項9記載の単結晶製造装置。
  11. 坩堝の周方向の厚みに偏りが形成されて該坩堝が伝熱偏り形成部と成していることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1つに記載の単結晶製造装置。
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