JP4400067B2 - ハロゲン耐食性部材及びパーフルオロコンパウンド分解処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Cl2を含む高温の腐食性ガスにさらされる部材に係り、またCl2とパーフルオロコンパウンドを含むガスからパーフルオロコンパウンドを分解する処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ごみ焼却炉の排ガスには、通常、2500ppm 程度のCl2 が含まれている。また、半導体や液晶産業などでは、エッチングやクリーニングのためにパーフルオロコンパウンド(CF4 などようにハロゲンとしてフッ素のみを含有する化合物をいう。以下PFCと記載する)が使用されるが、これらのエッチング排ガスやクリーニング排ガスにも1%程度のCl2 が含まれている。
【0003】
Cl2 は高温で激しい腐食性を有する。このため、ごみ焼却炉の排熱を利用するごみ発電や廃プラスチック発電などでは、Cl2 ガスに対する腐蝕対策が必要になる。また、半導体や液晶産業において使用されるPFCは、地球の温暖化を引き起こす温暖化物質であるため、エッチング排ガス或いはクリーニング排ガスの処理が必要であり、Cl2 ガスに対する腐蝕対策が必要になる。
【0004】
Cl2 含有ガスの腐蝕対策の一例として、廃棄物焼却ボイラに使用される熱交換用チューブに、セラミックス被膜を形成することが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、有機ハロゲン化合物の触媒分解装置において、触媒分解塔の材質をNi,インコネル,Ni−Cr合金,SUS310S等の金属、又はセラミックスコーティングやグラスライニングを施した部材で形成することが知られている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−274401号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平6−63357号公報([0012])
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術は、450〜500℃或いは100〜600℃の温度に加熱される部材を対象にしたものである。
【0008】
本発明の目的は、1000℃に及ぶ非常に高い温度に加熱される部材において、Cl2 を含む腐食性ガスに対する耐食性を改善することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、Cl2を含むガスに曝される部材において、500〜1000℃の前記ガスに曝される部材が、Ni56〜77mass%,Cr10〜30mass%,Fe1〜10mass%,C0.1mass%以下,Al4〜6mass%,Y0.01mass%からなるNi基合金、またはCr10〜20mass%,Ni0.05〜0.20mass%,Al4〜5mass%,C0.01mass%以下,Si0.16〜0.26mass%,Mn0.16〜0.17mass%,Ti0.05〜0.13mass%,P0.021〜0.032mass%,Nb0.08mass%もしくはS0.0007mass%、残部FeからなるFe基合金により形成され、200〜500℃の前記Cl2を含むガスに曝される部材がNiにより形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明において、200℃から500℃のCl2 を含む腐食性ガスにさらされる部材は、Niにより形成されることが望ましい。
【0012】
前記Ni基合金よりなる部材の表面には、酸化クロムの皮膜を有することが望ましい。また、前記Ni基合金と前記酸化クロムの皮膜との間には、酸化アルミニウムの皮膜を有することが望ましい。
【0013】
本発明はパーフルオロコンパウンド分解触媒が充填された触媒反応塔にCl 2 とパーフルオロコンパウンドを含むガスを導入し、前記触媒反応塔内で前記パーフルオロコンパウンドを分解するパーフルオロコンパウンドの分解処理装置であって、前記触媒反応塔内で加熱される部材が、上記のハロゲン耐食性部材であることを特徴とする。
【0014】
本発明者らは、CF4,C2F6,SF6などのPFC含有ガスを水蒸気の存在下で触媒と接触させて分解する場合に、処理ガス中にCl2 またはHClが共存すると、長時間の連続使用において、PFCを分解する反応塔材料が腐食劣化することを究明した。これは反応塔中で生成する酸性のハロゲン化合物量が増大したためである。本発明は、金属部材の腐食挙動を詳細に検討した結果、見出された。
【0015】
本発明で使用される部材は、Cl2を含む腐蝕性ガスに対して高い耐食性を示すが、その理由は次の様に考えられる。通常、酸化クロムや酸化アルミニウムの皮膜は耐食性を有することが知られているが、高濃度のCl2またはCl2を含むPFCガスと500〜1000℃の温度で接触する場合には、材料中のクロム,アルミニウムの組成、さらには金属中の微量成分の種類によっては耐食性が不十分であることが判った。Niを56〜77mass%、Crを10〜30mass%、Feを1〜10mass%、Cを0.1mass%以下、Alを4〜6mass%の範囲で含むNi基合金により前記部材を形成した場合には、材料表面に耐食性の優れた酸化クロム層またはアルミナ層が容易に形成され、Cl2又はCl2を含むPFCガスに対する耐食性が改善されることがわかった。
【0016】
被膜として効果的な厚さは、酸化クロムでは0.5μm以上、アルミナでは0.2μm以上である。材料中のCr量,Al量が少ないと、十分な酸化被膜が形成されない。材料中のCr量,Al量の上限値は、機械的強度等の問題からCrは30mass%、Feは10mass%、Cは0.1mass%以下、Alは6mass%が望ましい。
【0017】
Ni基合金の表面に酸化クロム層とアルミナ層の両方が存在すると、耐食性は著しく改善される。塩素ガス等は主に孔食で腐食が進行する。このため、酸化クロム層が金属表面に形成されたとしても、わずかずつ材料内部の金属を腐食していく。酸化クロム層の内側にアルミナ層が形成されることで、内部腐食の速度を遅らせることができる。
【0018】
上記Ni基合金中にMo,Co,Wを含む材料は、腐食が進行しやすく不適である。逆にYは腐食抑制に効果がある。
【0019】
被膜の形成法としては、酸素共存化,Cl2 などを流通させて金属材料中のクロム,アルミニウムを酸化させて形成させることができる。酸化被膜が形成されていない材料で作られた反応塔で前記フッ素含有化合物を分解処理し、酸化被膜を形成させてもよい。
【0020】
また、予め反応塔を形成する金属材料の表面に酸化クロム,アルミナの被膜を形成させてから使用してもよい。予備酸化の方法としては、たとえばAr気流中にH2O2を約3vol% 添加し、この気流中に、800℃で24h処理する方法がある。
【0021】
本発明の材料で形成されたPFC分解装置は、触媒式分解装置の場合には、たとえば以下の条件で分解が行われる。まず、窒素などの不活性ガスとCl2 及びPFCを含むガスに、空気を添加し、さらに水蒸気を添加して、所定の温度に設定された反応塔に導入する。前記PFC含有ガスは約750℃に予熱し、触媒に接触させる。添加する空気の量は、フッ素含有化合物の濃度で決定する。PFCの種類によっては、H2O と反応した際に一酸化炭素を生成するものがある。この種のPFCの場合は、一酸化炭素を酸化するため、予め理論量の1〜5倍程度の酸素を空気として供給する。水蒸気はフッ素含有化合物の分解に必要な理論量の2〜75倍程度を添加する。反応ガス流量としては空間速度が100〜10000h-1となるようにする。燃焼法の場合は前記反応ガスに都市ガスなどの燃料を添加し、さらにH2 などを添加して反応塔中で燃焼分解する。
【0022】
本発明の対象とするフッ素含有化合物は、ハロゲンとしてフッ素のみを含有する化合物である。化合物の構成成分としては、フッ素,炭素,水素,酸素,硫黄,窒素であり、具体的には炭素とフッ素からなる化合物,炭素と水素とフッ素からなる化合物,炭素とフッ素と水素と酸素からなる化合物,炭素とフッ素と酸素からなる化合物,硫黄とフッ素からなる化合物,硫黄とフッ素と酸素からなる化合物,窒素とフッ素からなる化合物,窒素とフッ素と酸素からなる化合物がある。化合物の一例はCF4,CHF3,CH2F2,CH3F,C2F6,C2HF5,C2HF5,C2H2F4,C2H3F3,C2H4F2,C2H5F,C3F8,CH3OCF2CF3,C4F8,C5F8,SF6,SO2F2,NF3等である。
【0023】
また、処理ガス中にフッ素含有化合物と共存する主要な物質は、N2,O2,
H2Oである。酸性物質としては、Cl2,HCl,Br2,HBr,CO 等のように、半導体や液晶のエッチング排ガス,クリーニング排ガス中に含まれる化合物が含まれる。また、処理ガスによってはCO2,He,H2などが含まれる。
【0024】
フッ素含有化合物の代表的な分解反応には次のようなものがある。(式1)〜(式5)は水蒸気を添加して分解した場合である。
【0025】
CF4+2H2O → CO2+4HF (式1)
C2F6+3H2O → CO+CO2+6HF (式2)
CHF3+H2O → CO+3HF (式3)
SF6+3H2O → SO3+6HF (式4)
NF3+3/2H2O → NO+1/2O2+3HF (式5)
(式2)及び(式3)の反応ではCOが生成するが、CO酸化性能を有するPFC分解触媒を用いれば、酸素が存在する条件下で分解を行うことにより、
COをCO2 に変換することができる。
【0026】
PFC化合物中のFは、分解によりHFになる。HF等のハロゲン化水素は、水或いはアルカリ水溶液で洗浄することにより、容易に液中に吸収されるので、分解ガス中から除去することができる。
【0027】
触媒式分解装置において使用される反応塔は、通常、固定床,移動床あるいは流動床型のものでよい。反応塔には、ガス流中のフッ素含有化合物の濃度を調節する手段例えばガス流に対して窒素及び/または空気を供給する手段,ガス流と前記触媒とを所定の温度で接触させるために少なくとも一方を加熱する手段,フッ素含有化合物を分解するのに有効量の反応剤を前記ガス流に対して添加する手段,前記反応塔でフッ素含有化合物が分解して生成したHFなどのハロゲン化合物分解生成物を水またはアルカリ水溶液により洗浄して該分解生成物中の二酸化炭素の一部とSO2 ,SO3 等の硫黄酸化物の一部とNO,NO2 等の窒素酸化物の一部とフッ化水素とを除去する排ガス洗浄槽等が取り付けられる。排ガス洗浄槽の後段に洗浄により中和されなかった前記分解生成物中の一酸化炭素,硫黄酸化物,窒素酸化物を吸着する手段を設けることもある。
【0028】
既設の半導体工場エッチング工程,液晶工場エッチング工程へ本発明のフッ素含有化合物の処理方法を適用する場合、エッチング工程から排出されるフッ素含有化合物を含むガス流には、エッチングで生成したSiF4 等の不純物が含まれており、これらはH2O と反応してSiO2 などの固形物を形成するので、SiF4等の不純物を予め触媒分解工程前段で除去することが望ましい。除去後のガスに空気及び水蒸気を添加し、触媒でフッ素含有化合物を分解する。前段での不純物除去法としては水スクラバ,乾式の吸着剤を使用することができる。排ガス洗浄工程を通過させたガスは、排ガスとして放出する。半導体工場には一般に酸成分ガスの排ガス処理装置があるため、これを利用し、本発明の触媒のみをCF4 などのフッ素含有化合物の排ガスラインに設置し、水蒸気を添加して加熱すれば、フッ素含有化合物を分解処理することができる。また、本材料を、熱酸化などの耐食性材料として使用することも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
図6は、触媒式PFC分解装置の触媒反応塔の一例を示している。
【0030】
触媒反応塔は、触媒槽1と予熱槽2を有し、両者の槽はフランジ3で固定されている。予熱槽及び触媒槽の内壁には断熱材4が設けられている。また、両者の槽は、ヒータ5で加熱されるようになっている。予熱槽の上部には天板6が設けられている。天板6の部分には、Cl2 含有PFCガス導入管7が取り付けられ、この管を通してCl2 含有PFCガスが予熱槽に導入される。また、予熱槽に水を供給するための反応水導入管8が設けられている。この構造の触媒反応塔において、Cl2 含有PFCガス導入管7,反応水導入管8及び天板6は、いずれも加熱温度が500℃以下であるので、Niにより形成することができる。予熱槽及び触媒槽及びフランジは、所定の化学成分を有するNi基合金又はFe基合金或いはこれらの金属の表面に酸化クロム被膜を形成したものにより形成される。
【0031】
試験例1
各種金属材料試験片を、700〜750℃の反応ガス中に設置して、303.5h,614.5h,303.5h+614.5h暴露試験後の試験片質量及び有効厚さを調べた。表1に試験片の化学成分を示す。なお、表1中にbal.とあるのは残部を意味する。
【0032】
【表1】
【0033】
試験片No.1(SUS310S)は、303.5hのみ、No.2〜5及び10は303.5hの試験の後、614.5hの試験(303.5h+614.5h)に用いた。No.7〜9は614.5hの試験に用いた。反応ガスの組成は、Cl2:CF4:H2O:O2:N2=0.42〜0.46:0.83〜0.92:10.33〜10.61:1.31〜1.34:86.68〜87.11(vol%)である。この組成のガスを1518ml/min から1537ml/min で流通させた。
【0034】
図1に試験片No.1〜No.5の結果を示す。図1の縦軸は質量変化率、横軸は反応時間を示す。反応時間614.5 時間での分析結果は、300h試験後に試験片の1枚を抜き出し614.5h試験を行ったものである。No.1(SUS310S)は、303.5h後では、試験前の質量に比べて0.3mass%も減少した。また、表面腐蝕がひどく、ハロゲンに対する耐食性がないと判断した。No.2(インコネル600)の試験片は、質量変化が少なく優れた耐食性を示した。No.2の試験片を、303.5h試験に引き続き、614.5h試験を行った後の質量減少は、初期の質量に対して0.23mass%であり、良好なハロゲン耐食性を示した。
【0035】
No.3(インコネル625),No.4(ハステロイC276),No.5(ハステロイC22)は、No.2に比べると質量減少が大きかった。
【0036】
図2に、試験後の試験片No.2〜No.5の金属被膜部分の結晶形態をX線回折分析で調べた結果を示す。No.2では、Cr2O3,NiCr2O4,NiFe2O4が確認され、これらが腐蝕抑制に寄与しているものと考えられた。
【0037】
図3には、No.2の試験片断面SEM像を撮像し、Cr及びFeのEDX線分析を行った結果を示す。写真中央よりやや上側に白色線で示される部分のCr及びFeの存在状態が、写真下部に示してある。金属材料表面に厚さ2μmの酸化被膜が形成されている。最外部には酸化鉄の被膜が形成されていたが、被膜と母材との界面には酸化クロム被膜が形成されており、この酸化クロム被膜が腐蝕を抑制していると考えられた。
【0038】
次にNo.6からNo.9の試験片の結果を示す。No.6(MA956)は、614.5h 後の質量変化は、試験前に比べて増加していた。腐蝕と金属の酸化とが同時に起こっているために、質量増加の原因は特定できないが、いずれにしても大きな質量変化は認められなかった。No.6について、図3と同様に断面SEM像を調べた結果、母材表面には酸化アルミニウム被膜が確認された。No.7(Fe−25Cr−20Ni)の質量変化は、試験前に比べて0.0429mass%減少したが、No.2よりも少なかった。No.7の被膜分析では、酸化クロム皮膜の間に酸化アルミニウム被膜の存在が確認された。
【0039】
No.8(高AlフェライトSUSA1)及びNo.9(高AlフェライトSUSA2)は、SUSベースの金属母材にAlを含有したものであり、No.8に比べてNo.9の方がAl量は少ない。これらの試験片の試験後の質量変化は、No.9では0.0098mass%減少したのに対し、No.8では0.0597mass%増加していた。しかし、いずれも大きな質量変化は見られなかった。No.8とNo.9の表面には酸化クロムの被膜が形成され、又、酸化クロム被膜と母材との間には酸化アルミニウムの被膜が形成されていた。
【0040】
試験例2
各種金属材料試験片を800〜850℃の反応ガス中に設置して、900h後の試験片重量及び有効厚さを調べた。反応ガスの組成は、Cl2 :CF4:H2O:O2:N2=0.42:0.81:11.35:1.22:86.19(vol% )である。この組成のガスを757ml/min で流通させた。
【0041】
その結果、試験例1と同様に、No.2は質量変化が−0.08mass%であり、良好な耐食性を示した。また、試験片No.10(ヘインズ214)も質量変化が小さく、試験前に比べて−0.06mass%であった。
【0042】
試験例1では、優れた耐久性を示したNo.6(MA956)及びNo.7(Fe−25Cr−20Ni)は、表面剥離が激しく、使用温度が試験例1よりも上昇したことで腐蝕が進行した。No.9(高AlフェライトSUSA2)は、表面剥離は見られたものの、母材の腐蝕はNo.6,No.7ほどではなかった。図4に、No.2の試験片の断面SEM像を撮像し、Cr及びFeのEDX線分析を行った結果を示す。図5に、No.10の試験片の断面SEM像を示し、Cr及びFeのEDX線分析を行った結果を示す。No.2の試験片では厚さ15μmの酸化クロムの被膜が認められ、No.10の試験片では酸化クロム被膜の内部に厚さ5μmのアルミナ被膜が認められた。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、500〜1000℃の高温において、Cl2又はCl2をPFCガスに対する耐食性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種試験片の試験後の質量変化率と反応時間との関係を示すグラフ。
【図2】各種試験片の試験後の金属被膜部分の結晶形態を、X線回折分析で調べた結果を示す図。
【図3】No.2の試験片の断面SEM像を撮像し、Cr及びFeのEDX線分析を行った結果を示す図。
【図4】No.2の試験片の断面SEM像を撮像し、Cr及びFeのEDX線分析を行った結果を示す図。
【図5】No.10の試験片の断面SEM像を撮像し、Cr及びFeのEDX線分析を行った結果を示す図。
【図6】触媒式PFC分解装置の触媒反応塔の概略図。
【符号の説明】
1…触媒槽、2…予熱槽、3…フランジ、4…断熱材、5…ヒータ、6…天板、7…Cl2 含有PFCガス導入管、8…反応水導入管。
Claims (5)
- Cl2を含むガスに曝される部材において、500〜1000℃の前記ガスに曝される部材が、Ni56〜77mass%,Cr10〜30mass%,Fe1〜10mass%,C0.1mass%以下,Al4〜6mass%,Y0.01mass%からなるNi基合金、またはCr10〜20mass%,Ni0.05〜0.20mass%,Al4〜5mass%,C0.01mass%以下,Si0.16〜0.26mass%,Mn0.16〜0.17mass%,Ti0.05〜0.13mass%,P0.021〜0.032mass%,Nb0.08mass%もしくはS0.0007mass%、残部FeからなるFe基合金により形成され、200〜500℃の前記Cl2を含むガスに曝される部材がNiにより形成されていることを特徴とするハロゲン耐食性部材。
- 請求項1において、前記Ni基合金またはFe基合金よりなる部材の表面に酸化クロムの皮膜を有することを特徴とするハロゲン耐食性部材。
- 請求項2において、前記酸化クロムの皮膜と、前記Ni基合金またはFe基合金との間に、酸化アルミニウムの皮膜を有することを特徴とするハロゲン耐食性部材。
- 請求項1において、前記Cl2を含むガスは、さらに、パーフルオロコンパウンドを含むことを特徴とするハロゲン耐食性部材。
- パーフルオロコンパウンド分解触媒が充填された触媒反応塔にCl2とパーフルオロコンパウンドを含むガスを導入し、前記触媒反応塔内で前記パーフルオロコンパウンドを分解するパーフルオロコンパウンドの分解処理装置であって、前記触媒反応塔内で加熱される部材が、請求項1に記載のハロゲン耐食性部材であることを特徴とするパーフルオロコンパウンドの分解処理装置。
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