JP4397799B2 - トナー用結着樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用結着樹脂の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4397799B2
JP4397799B2 JP2004347351A JP2004347351A JP4397799B2 JP 4397799 B2 JP4397799 B2 JP 4397799B2 JP 2004347351 A JP2004347351 A JP 2004347351A JP 2004347351 A JP2004347351 A JP 2004347351A JP 4397799 B2 JP4397799 B2 JP 4397799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
toner
binder resin
weight
release agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004347351A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006154528A (ja
Inventor
英治 白井
哲也 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2004347351A priority Critical patent/JP4397799B2/ja
Publication of JP2006154528A publication Critical patent/JP2006154528A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397799B2 publication Critical patent/JP4397799B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂の製造方法に関する。
近年の省エネルギー化対応のため、ワックスを含有した、耐オフセット域が広く、かつ定着性に優れたトナーが検討されている。しかし、定着性に優れた結着樹脂であるポリエステルは、本来、ワックスとの相溶性が低く、ワックスを樹脂中に均一かつ安定に分散させることが困難であり、そのためトナーが現像ロールやキャリア等の機材に付着しやすくなり、帯電性の低下による画像の乱れ等の耐久性が低下しやすい。そこで、結着樹脂とワックスの物性値の差を調整したトナーバインダー組成物(特許文献1参照)やバインダー樹脂としてワックスが内添されたポリエステルを用い、さらにトナーの流出開始温度と流出終了温度を特定範囲に調整したトナー(特許文献2参照)が報告されており、ある程度の効果は得られているものの、さらなる性能の向上が望まれている。
特開平7−301951号公報(請求項1) 特開2002−148844号公報(請求項1)
本発明の課題は、離型剤が微細に分散したトナー用結着樹脂を製造し得る方法を提供することにある。
本発明は、離型剤の存在下で原料モノマーを重合する工程を有するトナー用結着樹脂の製造方法であって、前記離型剤を添加した後反応容器から樹脂を抜き出すまでの間に、得られる樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の水を100〜300℃で混合することを特徴とするトナー用結着樹脂の製造方法に関する。
本発明により、離型剤が微細に分散したトナー用結着樹脂を製造することができる。
通常、樹脂中の離型剤の分散は、樹脂の粘度やモノマー構成に影響を受け、これらの因子は各樹脂特有のものであるために、これらを調整して離型剤の分散性を改良しようとすると、樹脂特性が大きく変化してしまう。一方、離型剤の分散性は、樹脂と離型剤を混合する際の攪拌速度等にも影響を受けるが、設備的に大きな改良が必要とされるうえに、攪拌速度の高速化は大きな電力を必要とするため、実際には困難な場合が多い。
そこで、本発明者らは、樹脂の物性や特性にほとんど影響を与えることなく、離型剤を樹脂中に微細に分散させる方法について検討した。その結果、反応容器から抜き出す前の樹脂を水と混合することにより、水が気化する際のエネルギー、気泡による磨砕効果を利用して、離型剤を樹脂(溶液)中に微細に分散させることができる方法を見出した。
即ち、本発明は、離型剤の存在下で原料モノマーを重合してトナー用結着樹脂を製造する方法において、離型剤を添加した後反応容器から樹脂を抜き出すまでの間に、得られる樹脂に対して水を特定の温度条件下で混合することを特徴とするものである。
本発明により得られる樹脂としては、定着性の観点から、ポリエステル等の縮重合系樹脂及び縮重合系樹脂成分を有するハイブリッド樹脂が好ましい。
ポリエステルは、アルコールからなるアルコール成分と、カルボン酸化合物からなるカルボン酸成分を原料モノマーとして用い、両成分を縮重合させて得られる。
本発明では、定着性及び耐久性の両立の観点から、原料モノマーには、ビスフェノール系のモノマーが含有されていることが好ましく、なかでも、アルコール成分として、式(I):
Figure 0004397799
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が含有されていることが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
前記ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは100モル%である。
前記ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外の2価のアルコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
また、2価のカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、耐久性、定着性及び着色剤の分散性の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、2価のカルボン酸成分中、50〜100モル%が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、100モル%がさらに好ましい。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
原料モノマーには、原料モノマーの1種として、3価以上の単量体が用いられているのが好ましい。3価以上の単量体、即ち3価以上の多価アルコール及び3価以上の多価カルボン酸化合物、好ましくは3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、耐久性の観点から、各成分中、1〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。
さらに、原料モノマーには、分子量調整等の観点から、1価のアルコールや1価のカルボン酸化合物が、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有されていてもよい。
本発明において、ハイブリッド樹脂としては、縮重合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分とを有するハイブリッド樹脂が好ましい。
縮重合系樹脂成分としてはポリエステルが、付加重合系樹脂成分としてはビニル樹脂が、それぞれ好ましい。
ポリエステルについては、前記と同様である。
ビニル樹脂の原料モノマーとしては、少なくともスチレンが用いられていることが好ましい。スチレンの含有量は、トナーの保存性の観点から、付加重合系樹脂の原料モノマー中、30〜95重量%が好ましく、60〜90重量%がより好ましい。
スチレン以外の付加重合系樹脂の原料モノマーとしては、α-メチルスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N-ビニルピロリドン等のN-ビニル化合物類等のビニル系樹脂単量体が挙げられるが、これらの中では、重合反応の制御のし易さ及び安全性の観点から、スチレンと共重合可能なエチレン性モノカルボン酸のエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステルがより好ましい。
エチレン性モノカルボン酸のアルキルエステルの含有量は、付加重合系樹脂の原料モノマー中、5〜70重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。
さらに、スチレンとエチレン性モノカルボン酸のアルキルエステルの総含有量は、付加重合系樹脂の原料モノマー中、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
付加重合反応は、例えば、重合開始剤、架橋剤等の存在下、有機溶媒中又は無溶媒下で、常法により行うことができるが、温度条件は110〜200℃が好ましく、140〜170℃がより好ましい。
ハイブリッド樹脂の原料モノマーとして使用する縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーの重量比(縮重合系樹脂の原料モノマー/付加重合系樹脂の原料モノマー)は、縮重合系樹脂成分により連続相を形成する観点から、55/45〜95/5が好ましく、60/40〜95/5がより好ましく、70/30〜90/10がさらに好ましい。
本発明においては、ハイブリッド樹脂の原料モノマーとして、さらに縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーの両方と反応するモノマー(以下、両反応性モノマーという)が用いられることが好ましい。従って、本発明において、縮重合反応と付加重合反応は、両反応性モノマーの存在下で行うことが好ましく、これにより、縮重合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分とが部分的に両反応性モノマーを介して結合し、縮重合系樹脂成分中に付加重合系樹脂成分がより微細に、かつ均一に分散した樹脂が得られる。
両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシル基、より好ましくはカルボキシル基と、エチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましい。両反応性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ、さらにこれらのヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)エステルであってもよいが、反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸が好ましい。
本発明において、両反応性モノマーのうち、官能基を2個以上有するモノマー(ポリカルボン酸等)及びその誘導体は縮重合系樹脂の原料モノマーとして、官能基を1個有するモノマー(モノカルボン酸等)及びその誘導体は付加重合系樹脂の原料モノマーとして扱う。両反応性モノマーの使用量は、官能基を2個以上有するモノマー及びその誘導体については縮重合系樹脂の原料モノマー中、官能基を1個有するモノマー及びその誘導体については付加重合系樹脂の原料モノマー中、1〜10モル%が好ましく、4〜8モル%がより好ましい。
ハイブリッド樹脂において、縮重合系樹脂成分と付加重合系樹脂成分とは部分的に化学結合していることが好ましく、かかるハイブリッド樹脂の製造方法としては、付加重合系樹脂の原料モノマーを付加重合させる工程の前、中及び後の少なくともいずれかの時点で、縮重合系樹脂単量体を付加重合反応の系に存在させて縮重合反応させる方法が好ましい。
本発明においてハイブリッド樹脂を製造する際には、縮重合反応と付加重合反応は、同一反応容器中で行うことが好ましい。また、それぞれの重合反応の進行及び完結が時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させればよい。
即ち、ハイブリッド樹脂の具体的な製造方法としては、
i)縮重合反応を行う前に、付加重合反応を行う方法、
ii)縮重合反応を、付加重合反応に先立って開始し、付加重合反応の後に、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で縮重合反応をさらに進行させる方法、
iii)付加重合反応に適した温度条件下で、付加重合反応と縮重合反応を並行して行い、付加重合反応が終了した後、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で縮重合反応をさらに進行させる方法
等が挙げられる。
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族系炭化水素ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらのなかでは、離型性及び安定性の観点から、脂肪族系炭化水素ワックスが好ましく、ポリエチレンワックスがより好ましい。
離型剤の添加量は、樹脂中での分散性及びトナーの離型性能発現の観点から、結着樹脂の製造に用いられる原料モノマーの総量100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましい。
離型剤の添加時期は特に限定されず、重合開始当初であっても、重合反応途中であってもよい。
樹脂と混合する水は、液体状であっても気体状(水蒸気)であってもよく、水の混合量は、樹脂の物性への影響を制御する観点から、得られる樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部であり、好ましくは0.5〜40重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
樹脂と水とを混合する際の温度は、水の蒸発効率及び反応混合物の粘度の観点から、100〜300℃であり、好ましくは130〜250℃、より好ましくは150〜240℃である。
樹脂と水との混合において、水の添加速度は、離型剤に与えるシェアの観点から、得られる樹脂100重量部に対して0.002〜0.5重量部/分が好ましく、0.008〜0.3重量部/分がより好ましく、0.008〜0.2重量部/分がさらに好ましい。
樹脂と水との混合は、水の効率的拡散の観点から、好ましくは4〜100kPa、より好ましくは6〜90kPa、さらに好ましくは20〜60kPaの気圧下で行うことが望ましい。
樹脂と水との混合は、離型剤を添加した後反応容器から樹脂を抜き出すまでの間であれば特に限定されず、いつ行ってもよいが、離型剤の樹脂中への分散性の観点から、縮重合反応が行われているときに、さらには樹脂を抜き出す直前まで水と混合状態にあることが好ましい。
樹脂と水とを混合する方法は特に限定されないが、好ましくは100〜260℃、より好ましくは120〜180℃の水蒸気を樹脂中に吹き込む方法が好ましい。従来技術のように、空気や窒素の吹き込み等によるバブリングの方法では、樹脂粘度が高いと、泡の一つ一つが大きくなり、また泡と樹脂との相互作用もないため、十分な効果が得られない。これに対し、本発明では、水が微細な水蒸気の気泡となって、樹脂中に広範囲にわたって均一に拡散し、樹脂中に分散した離型剤に対してシェアを与えるため、離型剤を樹脂中に微細に分散させることができるものと推定される。
混合する水の量や添加速度により、離型剤の分散性を容易に調整することができる。例えば、水の添加速度を上げることにより、離型剤の分散径を小さくすることができる。
本発明により得られる結着樹脂中の離型剤の体積平均分散径は、トナーの定着性及び耐久性の観点から、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましい。
本発明により得られるトナー用結着樹脂の軟化点は、トナーの低温定着性、定着可能領域及び保存性の観点から、70〜170℃が好ましく、80〜150℃がより好ましく、80〜120℃がさらに好ましい。また、ガラス転移点は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、40〜80℃が好ましく、50〜65℃がより好ましい。酸価は、トナーの帯電性及び環境安定性の観点から、1〜40mgKOH/gが好ましく、2〜30mgKOH/gがより好ましい。
また、トナー用結着樹脂の数平均分子量は、トナーの定着性の観点から、1000〜7000が好ましく、1300〜6000がより好ましい。
本発明により得られるトナー用結着樹脂を用い、着色剤等とともに混合することにより、離型剤が微細に分散し、定着性と耐久性のバランスに優れたトナーが得られる。
着色剤としては、従来トナー用の着色剤として用いられている染料、顔料等を特に限定なく使用することができる。
結着樹脂及び着色剤以外のトナーの原料としては、荷電制御剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が挙げられる。
トナーの製造方法は、混練粉砕法、転相乳化法等の従来より公知のいずれの方法であってもよいが、本発明の結着樹脂は粉砕性の良好なポリエステルからなるため、混練粉砕法による粉砕トナーの結着樹脂として好適である。粉砕トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の添加剤等をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。さらに得られたトナー表面に疎水性シリカ等の無機微粒子や樹脂微粒子を外添してもよい。トナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明により得られる結着樹脂を含有したトナーは、磁性体微粉末を含有するものであるときには、単独で現像剤として用いられ、また磁性体微粉末を含有しないものであるときは、非磁性一成分系現像用トナーとして、またはキャリアと混合して二成分系の現像剤として用いることができる。
〔軟化点〕
高化式フローテスター(島津製作所製、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ値)-温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
〔酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔樹脂の数平均分子量〕
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、樹脂をテトラヒドロフランに溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業(株)製、FP-200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量分布測定
溶解液として、テトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO-8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
〔離型剤の体積平均分散径〕
50ml容のサンプル管に、樹脂又は擬似トナー0.5gとテトラヒドロフラン20mlを加え、ボールミル荷台に載せ、1時間攪拌して十分に樹脂を溶解させて、離型剤が分散したサンプル溶液を調製した。このサンプル溶液を離型剤が測定可能な濃度になるまで希釈し、島津レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD-2000J」((株)島津製作所製)を用いて、離型剤粒子の分散径を測定してその体積平均値を求める。
なお、溶液中に樹脂不溶分が確認された場合は1Nの水酸化カリウム水溶液を滴下し、超音波照射を樹脂不溶分が無くなるまで繰り返し行い、測定を行う。
実施例1
縮重合系樹脂の原料モノマーとして、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 4579g、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 1822g、テレフタル酸 1950g及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ 44gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にてテレフタル酸の粒が確認できなくなるまで縮重合反応を行った後、さらに、8kPaにて1時間反応させた。
その後、離型剤「パラフリント H105」(サゾール社製、ポリエチレンワックス)525gを添加しつつ、160℃に降温し、付加重合系樹脂の原料モノマーとして、スチレン 1656g、アクリル酸2-エチルヘキシル 363g及びアクリル酸(両反応性モノマー)112g及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド 81gの混合物を、滴下ロートより1時間かけて滴下した。
滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温し、8kPaにて0.5時間縮重合反応させた。
その後、同温度で40kPaにおいて攪拌しながら140℃の水(水蒸気)を5g/分の速度で1時間樹脂中に吹き込み、添加した。その後トリメリット酸 1171gを添加し、引き続き水蒸気を5g/分の速度で1.5時間添加して、結着樹脂 11505gを得た。水の添加速度(5g/分)は、得られた結着樹脂100重量部に対して0.04重量部/分に相当し、水の総混合量は、750g、即ち結着樹脂100重量部に対して6.5重量部であった。
実施例2
140℃の水蒸気を吹き込む代わりに、40℃の水を滴下した以外は、実施例1と同様にして結着樹脂を得た。
実施例3
140℃の水蒸気の添加速度を17g/分に変更した以外は、実施例1と同様にして結着樹脂を得た。水の添加速度(17g/分)は、得られた結着樹脂100重量部に対して0.15重量部/分に相当し、水の総混合量は、2550g、即ち結着樹脂100重量部に対して22.2重量部であった。
実施例4
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 5635g、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 2243g、テレフタル酸 2673gアジピン酸 497g、離型剤「パラフリント C80」(サゾール社製、ポリエチレンワックス)513g及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ 55gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にてテレフタル酸の粒が確認できなくなるまで縮重合反応を行った後、さらに、8kPaにて1時間反応させた。
その後、同温度で40kPaにおいて攪拌しながら140℃の水蒸気を5g/分の速度で1時間樹脂中に吹き込み、添加し、結着樹脂 10914gを得た。水の添加速度(5g/分)は、得られた結着樹脂100重量部に対して0.05重量部/分に相当し、水の総混合量は、300g、即ち結着樹脂100重量部に対して2.75重量部であった。
比較例1
水蒸気の吹き込みを行わなかった以外は、実施例1と同様にして結着樹脂を得た。
比較例2
水蒸気の代わりに窒素ガスを5リットル/分の速度で1時間吹き込んだ以外は、実施例1同様にして結着樹脂を得た。
比較例3
水蒸気の吹き込みを行わなかった以外は、実施例4と同様にして結着樹脂を得た。
実施例及び比較例で得られた、離型剤が分散した結着樹脂の特性及び結着樹脂中の離型剤の分散径(体積平均分散径)を表1に示す。
Figure 0004397799
試験例
実施例及び比較例で得られた各結着樹脂を溶融混練し、擬似トナーを得た。得られた擬似トナー中の離型剤の分散径(体積平均分散径)を表2に示す。なお、溶融混練には、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いた。ロール回転速度は200r/minであった。ロール内の設定温度は80℃、混練物の出口温度は約120℃、混合物の供給速度は10kg/時、平均滞留時間は約18秒であった。
Figure 0004397799
以上の結果より、実施例で得られた結着樹脂は、比較例で得られた結着樹脂と対比して、極めて微細に離型剤が分散したものであり、またそれらの結着樹脂を用いて離型剤が微細に分散したトナーが得られることが分かる。
本発明により得られるトナー用結着樹脂は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの結着樹脂等として用いられる。

Claims (6)

  1. 離型剤の存在下で原料モノマーを重合する工程を有するトナー用結着樹脂の製造方法であって、前記離型剤を添加した後反応容器から樹脂を抜き出すまでの間に、得られる樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の水を100〜300℃の温度条件下で混合することを特徴とするトナー用結着樹脂の製造方法。
  2. 樹脂と水との混合を4〜100kPaの気圧下で行う請求項1記載のトナー用結着樹脂の製造方法。
  3. 樹脂と水との混合において、得られる樹脂100重量部に対して0.002〜0.5重量部/分で水を添加する請求項1又は2記載のトナー用結着樹脂の製造方法。
  4. 離型剤が、脂肪族系炭化水素ワックスである請求項1〜3いずれか記載のトナー用結着樹脂の製造方法。
  5. 樹脂が、ポリエステル又はポリエステル成分とビニル樹脂成分とを有するハイブリット樹脂である請求項1〜4いずれか記載のトナー用結着樹脂の製造方法。
  6. 原料モノマーが、ビスフェノール系のモノマーを含有してなる請求項1〜5いずれか記載のトナー用結着樹脂の製造方法。
JP2004347351A 2004-11-30 2004-11-30 トナー用結着樹脂の製造方法 Active JP4397799B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004347351A JP4397799B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 トナー用結着樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004347351A JP4397799B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 トナー用結着樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006154528A JP2006154528A (ja) 2006-06-15
JP4397799B2 true JP4397799B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=36632896

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004347351A Active JP4397799B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 トナー用結着樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4397799B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100987744B1 (ko) 2006-09-04 2010-10-18 가부시키가이샤 리코 정전 화상 현상용 토너, 2성분 현상제, 화상 형성 방법 및 프로세스 카트리지
JP4963413B2 (ja) * 2006-12-25 2012-06-27 株式会社リコー 非磁性一成分現像用トナーとその製造方法、現像剤、及び画像形成方法
JP4970130B2 (ja) * 2007-04-27 2012-07-04 花王株式会社 トナー用樹脂
DE112008004059B4 (de) 2008-10-29 2020-08-20 Kao Corporation Elektrofotographischer Toner, Harzbindemittel dafür und Verfahren zu seiner Herstellung
JP6448374B2 (ja) * 2015-01-14 2019-01-09 花王株式会社 トナー用結着樹脂組成物
JP6706562B2 (ja) * 2016-09-20 2020-06-10 花王株式会社 トナー用結着樹脂の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006154528A (ja) 2006-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009063987A (ja) トナー用樹脂およびトナー組成物
JP2005300867A (ja) トナー用結着樹脂
MX2010006022A (es) Proceso de emulsificacion por inversion de fase basado en solvente eficiente con desespumante.
US7385002B2 (en) Process for preparing resin binder for toner
JP4397799B2 (ja) トナー用結着樹脂の製造方法
CN103777483B (zh) 静电图像显影用调色剂的制造方法
JP2013178504A (ja) 粉砕トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物
JP4995496B2 (ja) 電子写真用トナー
JP7195707B2 (ja) トナーバインダー
JP4424609B2 (ja) 画像形成方法
JP5290552B2 (ja) 電子写真トナー用結着樹脂
JP2007304276A (ja) 電子写真用トナー
JP2016224432A (ja) トナーバインダーおよびトナー
JP2006308670A (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP2010085629A (ja) トナー用架橋ポリエステル樹脂の製造方法
CN104423188A (zh) 调色剂
JP4500242B2 (ja) 電子写真用トナー用結着樹脂
JP2010145929A (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP6507069B2 (ja) 液体現像剤
JP4471378B2 (ja) 画像形成方法
JP5008542B2 (ja) トナー用結着樹脂の製造方法
JP2003084493A (ja) トナー用結着樹脂の製造方法
JP6071791B2 (ja) ポリエステル系トナー用結着樹脂組成物
JP7227743B2 (ja) トナー用結着樹脂
JP5043371B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091015

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4397799

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250