JP4393639B2 - 電気泳動表示用表示液、表示粒子及び表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界の作用により可逆的に視認状態を変化させうる電気泳動表示媒体用の表示液、表示粒子及びそれらを利用した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板をスペーサーを介して所要間隔をあけて対向配置して密閉空間を形成し、この密閉空間に、分散粒子(顔料成分粒子)をこれと色調の異なる色に着色された分散媒中に分散させた表示液を充填して表示パネルとし、この表示パネルに電界を印加して表示を得ようとするもので、透明な基板面が表示面になる。
【0003】
密封空間に充填される電気泳動表示用表示液は、キシレン、イソパラフィン系等の分散媒、二酸化チタン等の微粒子(分散粒子)、この分散粒子と色のコントラストを付けるための染料、界面活性剤等の分散剤及び荷電付与剤等の添加剤から構成される。この表示液に電界を印加することにより表示液中の分散粒子が透明板側に移動し、表面には分散粒子の色が現れる。これと逆方向の電界を印加することにより、分散粒子は背面側に移動し、表面には染料により着色された分散媒の色が現れる。
【0004】
このような電気泳動表示装置は、電界の向きを制御することにより所望の表示を得る表示装置であり、表示液が比較的入手容易な低コスト材料である、視野角が通常の印刷物並に広い、消費電力が小さい、メモリー性を有する等の長所を持つことから安価な表示装置として注目されている。
【0005】
また、このような分散粒子と該分散粒子と異なる色調に着色された分散媒とからなる分散系(電気泳動表示用表示液)をマイクロカプセル中に封入し、これらのマイクロカプセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が提案され(特開平1−86116号公報(特許第2551783号))、電気泳動表示装置の構成方法としても簡便な手段が提案されるようになってきた。
【0006】
しかしながら、これらの電気泳動表示装置の表示液は、染料等を溶解して着色された疎水性分散媒中に一般に二酸化チタン等の高屈折率の無機顔料を分散させているために、分散状態の安定性の維持が難しく、繰り返し表示を行う際に凝集等によるコントラストの低下が発生し、表示品質を低下させるという欠点を有している。また、一般にこれらの系は染料溶液を用いているために、顔料表面への染料の吸着や、顔料と顔料の間隙への染料溶液の侵入による混色も発生しやすく、同様にコントラストを大幅に低下させる欠点も有している。これらの問題点については、染料溶液を用いている分散系の構成とともに、上記の分散状態の安定性が関与していると考えられ、両者を克服することが要求されている。
【0007】
これに対して分散安定性を向上させるための手段が提案されており、例えば染料によって着色された有色の分散媒中に電気泳動粒子の表面処理剤としてのチタネートカップリング剤を用いた系においてソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤を添加する技術が提案されている(特開平2−284128号公報)。ところが、ここで用いている界面活性剤では、非水系有機溶媒中における顔料分散安定化効果は不十分であり、電圧を印加する電気泳動条件下において十分な効果は得られていない。
【0008】
また、特開平11−119704号公報には、帯電粒子に対して帯電制御剤としての4級アンモニウム塩化合物を含有させることが提案されており、具体的には、帯電の異なる2種類の電気泳動性粒子の一方を上記帯電制御剤で処理し、さらに界面活性剤を添加することが記載されているが、この場合においても、上記と同様に十分な分散安定性が得られておらず効果は不十分である。
【0009】
一方、分散安定性を向上させるのとは別に、コントラストを向上させるために種々の提案がされている。例えば、分散媒の着色に用いられる染料として顔料表面に対して非吸着性の染料を用いること(Phlips Lab: Conference Record of 1980 Biennial Disp. Res. Conf.)、分散媒中の染料濃度を低くすること(Xerox PaloAlto: Proc. SID, Vol.18, 3/4, 1977)や、染料濃度、顔料濃度、界面活性剤の最適化(松下:Proc. SID, Vol.18, No3/4, 1977)による改善も提案されている。しかし、これらの方法では、効果が不十分であるばかりでなく、染料溶液による表示濃度の低下や応答速度低下という問題を引き起こしてしまい、実用的な解決策に至っていないのが現状である。
【0010】
また、上記したように、電気泳動表示用表示液をマイクロカプセルに封入して表示粒子として利用する方法が特開平1−86116号公報(特許第2551783号)に開示されている。この方法のメリットとして泳動粒子の偏在による表示の不均一が防げる点がある。しかし、この方法においても内包される表示液が有色の染料溶液と顔料粒子の分散液を利用しているものであることから、上記の現象と同様にコントラストの点では十分ではない。
【0011】
そこで、着色された分散媒を用いるシステムの有する上記欠点を解決する手段として、染料溶液を用いないシステムが提案されている。例えば、高絶縁性低粘度の無色分散媒中に色調及び電気泳動性が互いに異なる少なくとも2種類の電気泳動性微粒子を分散した液を少なくとも一方が透明な2枚の対向電極間にスペーサーを介して形成されるセル内に封入した電気泳動表示素子が提案されている(特開昭62−269124号公報)。しかし、これらの系では色調の異なる電気泳動性微粒子の帯電電荷が反対(正と負の組合せ)であるために、安定な分散状態が維持されず、粒子間の電気的な引力による凝集が発生することで混色を起こし、良好なコントラストを有する表示を実現することは困難である。
【0012】
また、高絶縁性低粘度の無色分散媒中に電気泳動性が同一で色調及び電気泳動速度が互いに異なる少なくとも2種類の電気泳動性微粒子を分散した液を、少なくとも一方が透明な2枚の対向電極間にスペーサーを介して形成されるセル内に封入した電気泳動表示素子が提案されている(特開昭63−50886号公報)。ところが、この場合においても、粒子間の衝突が発生した際に安定な分散状態を維持することは困難であり、十分な機能を発揮するに至っていない。さらにこの場合には、同一方向に移動する色調の異なる電気泳動性微粒子の移動速度差を利用したものであるために、一方の面において異なる色調を同時に表示することは不可能であり、同一方向に粒子が移動するために表示が遅く、実用性に欠けている。
【0013】
また、前述の特開昭62−269124号公報にて提案されている電気泳動表示用表示液と同一の分散系をマイクロカプセル内に内包した例がWO98/03896に例示されているが、この場合も分散系の安定性が維持されず、電気泳動性微粒子間の電気的な引力による凝集による混色がマイクロカプセル内で発生し、表示の混色を起こしてしまうために実用的な手段ではない。
【0014】
一方、このような色調及び電気泳動性(帯電電荷)が互いに異なる2種類の電気泳動性微粒子を分散した液を電気泳動表示用表示液として用いる系において問題となっている粒子間の凝集を防ぐための手段として、電荷調整剤の添加や粒子の表面処理等による立体的反発効果を用いることが提案されている(特表平8−510790号公報)。ところが、これらに記載されている方法では、十分な分散安定性を維持して2種類の電気泳動性微粒子間の凝集を完全に防ぐことは困難であり、良好なコントラストを実現するには至っていない。
【0015】
また、樹脂と白色顔料からなる隠蔽用白色粒子と表示用着色粒子と溶媒からなる画像表示用インク組成物が提案されている(特開平10−149117号公報)が、ここで提案されている白色粒子は白色顔料を混練・粉砕、分散状態からの重合、凝集によって樹脂と複合化したものであり、通常、染料によって着色された分散媒を用いる電気泳動用表示液において溶媒との比重差を調整する目的で使用されている白色粒子である。この場合にも、分散状態の安定性が維持されていないので、色調の異なる顔料(磁性粉単独又は混合物からなる表示用着色顔料)との組合せにおいて、2種類の粒子間における凝集を低減させる機能を持ち合わせていないために前述の技術と同様に凝集による混色を引き起こしてしまい、コントラストの低下を引き起こしてしまう。
【0016】
一方、溶媒種に関する例としては、染料によって着色された有色の分散媒を用いる系において分散媒として直鎖アルキルベンゼンを用いることが提案されている(特開平1−300233号公報(特許第2612474号))。ところが、これらの溶媒は特別分散安定性を向上させる機能を有していないことから、この技術の展開によって、分散安定性の向上、さらにコントラストの向上を実現することは困難である。
【0017】
また、ハロゲン系のテトラクロロエチエンとアルキルベンゼンの混合溶媒や、テトラクロロエチレンと5−エチリデンノルボルネンと芳香族溶媒の混合溶媒を分散媒として用いる例が提案されている(特表平9−500458号公報及び特表平9−507881号公報)が、これらも上記直鎖アルキルベッンゼンと同様に十分な効果を実現するものではない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分散媒と該分散媒と色調の異なる着色粒子とからなる電気泳動表示用表示液において、また該表示液をマイクロカプセルに内包した電気泳動表示用表示粒子において、分散系の分散状態の安定性を向上させることで、高コントラストな表示の実現と、繰り返し表示時においても高いコントラストを維持することのできる電気泳動表示用の表示液及び電気泳動表示用表示粒子を提供するとともに、それらを利用した表示装置を提供することをその課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題を解決するため、分散媒と該分散媒とは色調の異なる少なくとも1種類以上の着色粒子からなる電気泳動表示用表示液において、高分子型界面活性剤を含有することを特徴とする電気泳動表示用表示液が提供される。
また、本発明によれば、分散媒と該分散媒とは色調の異なる少なくとも1種類以上の着色粒子からなりかつ高分子型界面活性剤を含有する分散系を、マイクロカプセルに内包させて構成したことを特徴とする電気泳動表示用表示粒子が提供される。
さらに、本発明によれば、上記電気泳動表示用表示液又は上記電気泳動表示用表示粒子を用いた表示装置が提供される。
【0020】
本発明は、分散媒と少なくとも1種類又は2種類以上の着色粒子からなる電気泳動表示用表示液及びそれらを内包した電気泳動表示用表示粒子において、電気泳動表示用表示液に高分子型界面活性剤を含有させることで、分散系の分散安定性を向上させ、高コントラストな表示及び繰り返し表示時においても高いコントラストを維持することを可能にするものである。
【0021】
高分子型界面活性剤の中でも非イオン性高分子型活性剤が好ましく、中でもカルボキシル基を有するものが好ましく、特にヒドロキシ脂肪酸オリゴマー誘導体が好ましい。これらの高分子型界面活性剤は、一般に電気泳動表示において分散媒として用いられる疎水性有機溶媒中において、以下の理由によって安定な分散状態を形成し、高コントラストな表示及び繰り返し表示時における高コントラストの維持を実現していると考えられる。
【0022】
疎水性有機溶媒中では、分散された粒子の電気二重層は広がった構造をとるために遮蔽効果が小さくなり、粒子どうしの接近による電気二重層の重なりによって、有効ゼータ電位が減少してしまう。このような系においては、分散安定化に対する電荷効果は小さく、非電荷効果による分散安定化が有効であると考えられる。従って、界面活性剤による分散安定化を実現するためには、分散粒子表面に吸着層を形成することが有効であり、界面活性剤として高分子型界面活性剤を用いることで分散の安定性を向上させることが可能になると考えられる。特に、電界により粒子を強制的に泳動させる電気泳動表示においては、粒子間の衝突が激しいために、電気泳動環境下(電圧印加状態)における分散安定性を維持することが非常に困難であることから、繰り返し表示を行う際には、高分子型界面活性剤による分散安定性を向上させる必要がある。
【0023】
また、高分子型界面活性剤の中でノニオン系高分子型界面活性剤を用いた場合により良好な表示特性を示す理由についても、現時点において明確ではないが、ノニオン系高分子型界面活性剤の方が非水系有機溶媒との相互作用が有効であり分散安定性に優れる傾向にあることが一因であると考えている。
【0024】
また、ノニオン系高分子型界面活性剤の中でヒドロキシ脂肪酸のオリゴマー誘導体を用いた場合にさらに良好な表示特性を示す理由についても、現時点において明確ではないが、非水系有機溶媒との良好な相互作用を有することに加えて、極性基(ヒドロキシ基及び/又はカルボキシル基)による分散粒子表面への相互作用が良好であるために吸着層の形成に優れ、良好な表示特性を示していると考えられる。
【0025】
また、本発明においては、上記高分子型界面活性剤を用いた系において、1種類のみならず、2種類以上の着色粒子を用いることが提案されているが、この場合においても、高分子界面活性剤による分散安定性向上効果によって、通常の複数の粒子を用いる系に比べて凝集が発生しにくいと考えられる。この2種類以上の着色粒子を用いる場合、少なくとも1種類が内部に空隙を有する着色粒子によって構成されているものが好ましく、特に有機ポリマーからなる中空粒子を用いた場合に、高コントラストで繰り返し表示時においても高いコントラストが維持されている。これらの系は、高分子界面活性剤で分散状態が安定化された2種類以上の着色粒子を用いることで、従来の染料溶液を用いる系に比べると混色等の発生が起こりにくく良好な表示が得られるものと考えられる。更に、2種類以上含有される着色粒子のうち内部に空隙を有する着色粒子が1種類以上存在している系においては、以下のような理由によって優れた効果を示していると考えられる。
【0026】
内部に空隙を有する着色粒子はその空隙に起因して比重が小さくなる傾向にあり、共存する一方の着色粒子との間に比重差を生じている。そのために、分散状態及び表示画像形成状態において、一方の着色粒子が上部(表示面側)に移動してくるのを抑制する傾向にあり、定常状態において、内部に空隙を有する粒子の色調を全面に表示することが容易となる。ここで言う定常状態とは、分散状態にある電気泳動用表示液及び電気泳動表示用表示粒子において、内部に空隙を有する着色粒子に対して一方の着色粒子を下部(表示面と反対側)に向けて電気泳動、あるいは沈降等によって移動させた状態を示している。このような内部に空隙を有する着色粒子の色調を全面に表示した状態において、内部に空隙を有する着色粒子に対する一方の着色粒子を上部(表示面側)に電圧の印加により移動させた場合には、その状態の安定性が懸念されるが、この場合の着色粒子は電気泳動表示装置を構成する電極等や電気泳動表示用表示粒子を構成するマイクロカプセルの内壁等に固着したり、さらには、内部に空隙を有する着色粒子上に積載された状態を形成すること、更には、比重の小さい内部に空隙を有する着色粒子の存在等の要因によって、逆方向に電気泳動させるための電界の印加を行わない限り、表示面側に安定的に維持されていると考えられる。このような系は高分子型界面活性剤による分散安定性が実現されることによって、より高いコントラストと繰り返し表示時の安定性を有する表示を可能にしていると考えられる。
【0027】
また、本発明は各種分散媒において良好な表示特性を得ることが可能であるが、中でもアルキルナフタレン誘導体、ジアリルアルカン誘導体及びアルキルビフェニル誘導体から選ばれる少なくとも一種の芳香族炭化水素を主成分とする溶媒を用いた場合に良好な表示特性を示している。特に、同じ芳香族炭化水素であり、極性、誘電率、粘度等の電気泳動性に影響する物性に大きな差がないと考えられるアルキルベンゼン誘導体(例えば、ドデシルベンゼン)と比較して、これらの3タイプ(アルキルナフタレン誘導体、ジアリルアルカン誘導体、アルキルビフェニル誘導体)の分散媒が良好な表示特性を示す機構については現時点では明らかになっていないが、分散媒の分子構造における芳香族性(芳香環の数・分子全体に占める割合等)が電気泳動条件下における粒子挙動(泳動性・分散性等)に良好な影響を与えていること、あるいはこれらの溶媒が本発明の分散系に対して何らかの良好な影響を与えていることが考えられる。
【0028】
本発明においては、分散媒に対して溶解又は分散状態で混ざり合うことのできる各種高分子型界面活性剤を用いることができる。それらの例としては以下に示すものが挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
高分子型界面活性剤
本発明における高分子型界面活性剤は、分子量(数平均分子量、以下同じ)が数百程度の低分子量のものに対して分子量が大きい重合物を示しており、一般に高分子(ポリマー)と呼ばれている分子量約10000以上の重合体に加えて、分子量10000以下の一般にオリゴマーと呼ばれている低重合体を含めた化合物を示している。すなわち、本発明における高分子型界面活性剤の分子量は、300〜50000、より好ましくは300〜10000、さらに好ましくは500〜5000である。
【0030】
アニオン系高分子型界面活性剤
スチレン−無水マレイン酸共重合物、オレフィン無水マレイン酸共重合物、ナフタレンスルホン酸塩縮合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アクリルアミド−アクリル酸ソーダ共重合物、アルギン酸ソーダ等。
【0031】
カチオン系高分子型界面活性剤
ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダリゾン、アミノアルキル(メタ)アクリレート−アクリルアミド共重合物、ポリアクリルアミドマンニッヒ変成物、キトサン等。
【0032】
ノニオン系高分子型界面活性剤
ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステルのコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴマー変成物、ポリヒドロキシ脂肪酸、ポリヒドロキシ脂肪酸変成物、ポリ−12−ヒドロキシステアリン酸、N−ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、デンプン等。
【0033】
本発明においては上記高分子型界面活性剤を単独又は2種類以上混合して用いることができる。
【0034】
また、上記以外にも保護コロイド剤として分散媒に対して溶解又は分散状態で混ざり合うことのできる各種保護コロイド剤を用いることができる。
【0035】
また、本発明においては、上記高分子型界面活性剤に対して以下に示す各種界面活性剤を混合して用いることが可能である。この場合の界面活性剤としては、分散剤に対して溶解又は分散状態で混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤や、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤、高分子型界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)を単独で又は2種類以上混合して用いることができる。これらの界面活性剤の具体例としては以下のものが挙げられるが、本発明にて用いる界面活性剤はこれらに限定されるものではない。
【0036】
ノニオン系界面活性剤
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。
ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。
モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。
オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。
ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。
ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。
飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。
ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化合物類。
ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CH2CH2O)mH(CH2CH2O)nH、R−NH−C3H6−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクタデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表されるアルカノールアミン類。R−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクタデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R1R2−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクタデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R1R2R3N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクタデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。
【0037】
アニオン系界面活性剤
特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。
ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。
各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物等のスルホン酸塩類。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。
ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。
アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類等。
【0038】
カチオン系界面活性剤
R−N(CH3)3X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH3)(CH3COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。
ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH3)N(C2H4O)mH(C2H4O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類。
【0039】
両性系界面活性剤
各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等。
【0040】
本発明において用いることのできる着色粒子としては、白色も含めた各種の色に着色された無機系着色粒子、有機系着色粒子を用いることが可能である。ここで言う着色粒子とは、分散媒として用いる溶媒との組合せにおいて、溶媒に対する溶解性が低いものであり、溶媒中において分散された粒子状態で存在できるものである。
【0041】
無機系着色粒子としては、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。
【0042】
有機顔料粒子としては、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等が挙げられる。
【0043】
これらの着色粒子の中で、黒色低次酸化チタン(一般式TinO2n-1)が好ましい。この黒色低次酸化チタンは、一般的には二酸化チタン(TiO2)とTiを真空中で焼成することで得られ、その構造は一般式TinO2n-1で表される。この化合物は、nの値によって黒色系(青銅色・紫黒色・青黒色)から灰色までの各種色調を示すものであり、必要に応じて各種色調のものを単独で又は混合して用いることができる。
【0044】
また、これらの着色粒子は、単独の微粒子としてだけでなく、各種表面改質を施した状態でも用いることが可能である。この場合の表面改質の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコーティングしたもの、チタネート系・シラン系・アルミニウム系・フッ素系等の各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したもの等が挙げられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、着色粒子どうし、又は、ポリマー粒子・中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、更に、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
【0045】
またこれらの着色粒子としては、構成する表示媒体との関係で各種粒径のものを用いることが可能であるが、泳動性等の観点から粒子径0.01〜100μmのものが好ましく用いられるが、本発明はこれらのサイズに限定されるものではない。
【0046】
本発明の電気泳動表示用表示液及び電気泳動表示用表示粒子において用いることのできる、内部に空隙を有する着色粒子の特徴は、粒子内部に充填されていない空間を有するものであり、その空間は隔壁によって形成されたもの以外に多孔質等の各種状態によって形成されたものであってもかまわないが、組み合わせる溶媒との関係において、外部からの溶媒の浸透による空隙の消滅が発生することがなく、溶媒中において空隙が維持されている必要がある。このような粒子としては、有機材料、無機材料、両者の複合によって構成されるものがあり、有機ポリマーからなる中空粒子、有機ポリマーからなる多孔質粒子、無機物質からなる中空粒子、無機物質からなる多孔質粒子、これら内部に空隙を有する粒子の表面を樹脂膜等で覆った粒子等を挙げることができ、中でも有機ポリマーからなる中空粒子が好ましい。
【0047】
有機ポリマーからなる中空粒子及び有機ポリマーからなる多孔質粒子は、従来公知の方法で製造することが可能であり、微粒子ポリマーの新展開(東レリサーチセンター)、微孔性ポリマーとその応用展開(東レリサーチセンター)や高分子微粒子の最新技術と用途展開(シーエムシー)等をはじめとする各種文献に掲載されている各種方法によって作製することが可能である。例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法+発泡を利用した方法、シード重合法+発泡を利用した方法、シード重合+重合収縮を利用した方法、W/O/Wエマルジョンの懸濁重合による方法、スプレードライの液滴の表面乾燥を利用した方法、ポリマーエマルジョンを電解質固体粒子の添加により凝集させるシード凝集法等が挙げられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
【0048】
また、有機ポリマーからなる中空粒子及び有機ポリマーからなる多孔質粒子を構成する有機ポリマーの材質としても、従来公知のポリマー材料から選ばれるものを、使用する透明な分散媒に溶解しない組合せにおいて用いることができる。これらの例としては、スチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッ素(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等のポリマー材料及び、これらのポリマー材料に対して架橋を行うことで耐溶剤性機能を向上させたポリマー材料が挙げることができるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。
【0049】
また、上記の方法、材料を用いることによって作られたものの一例としては、例えば、スチレン−アクリル系のローム・アンド・ハース社のローペイク、架橋型スチレン−アクリル系のJSR製中空粒子、松本油脂の熱膨張マイクロカプセル、大日本インキのGrnngoll等が挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。尚、これらの中空粒子を使用するにあたり乾燥品(ドライ品)の場合には、そのまま用いることができるが、エマルション等の液状のものについては、必要に応じて乾燥して用いることができる。
【0050】
また、無機材料からなる中空粒子及び無機物質からなる多孔質粒子としては、従来公知の方法で作製される各種の無機材料からなる中空粒子及び無機物質からなる多孔質粒子を用いることができる。これらの製法の一例としては、粉床法、トポケミカル法、メカノケミカル反応等の付着を利用した方法、表面沈積法、含浸法、界面反応法等の沈殿反応を利用する方法、更には、界面ゲル化反応法等を挙げることができる。
【0051】
これらの具体的な例としては、例えば、界面反応法(新しい材料設計法への挑戦/1998年5月29日:セミナー資料)を用いることによって作製されたシリカ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ストロンチウム、ケイ酸バリウム、炭酸コバルト、酸化コバルト、コバルト、酸化鉄、コバルト−鉄炭酸塩、塩基性炭酸銅、金属銅、炭酸ニッケル等の無機球形中空粒子及び、無機球形多孔質粒子や、界面ゲル化反応法(色材,70(2)84−91,1997)によって作製された酸化アルミニウム、二酸化チタン等の無機球形中空粒子及び、無機球形多孔質粒子が挙げられる。
【0052】
また、各種の無機材料を焼成により発泡させたものも同様の機能をもっており、これらの例としては、発泡性シリカを挙げることができる。
更に、上記の有機ポリマーからなる中空粒子、有機ポリマーからなる多孔質粒子の表面に対して、各種の無機顔料の微粒子を付着させた複合粒子も同様の機能を有するものであり、例えば、有機ポリマーからなる中空粒子と二酸化チタンとのオーダードミクスチャーなる複合粒子を挙げることができる。
【0053】
これらの無機材料からなる中空粒子及び無機物質からなる多孔質粒子は、そのまま用いてもよいし、各種の有機ポリマー材料によって表面被覆処理を行った状態で用いてもよい。この場合の表面被覆の方法としては、従来公知の各種被覆方法を用いることが可能であるが、微粒子に対する被覆であることを考えると、コートマイザー法のような方法が好ましい。
【0054】
また、本発明で用いる上記の内部に空隙を有する着色粒子は、必要に応じて白色を含めた各種の色に染色によって着色して用いることが可能である。これらの内部に空隙を有する着色粒子は、単独の微粒子としてだけでなく、各種表面改質を施した状態でも用いることが可能である。
【0055】
この場合の表面改質の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコーティングしたもの、チタネート系・シラン系・アルミニウム系・フッ素系等の各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したもの等が挙げられる。
【0056】
また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、着色粒子どうし、又は、無機系の各種着色粒子との間で形成された複合粒子、更に、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
【0057】
また、これら内部に空隙を有する着色粒子としては、構成する表示媒体との関係で各種粒径のものを用いることが可能であるが、泳動性等の観点から粒子径0.01〜100μmのものが好ましく用いられるが、本発明はこれらのサイズに限定されるものではない。
【0058】
本発明の電気泳動表示用表示液及び電気泳動表示用表示粒子において用いることのできる分散媒としては、各種タイプのものを用いることができる。例えば、芳香族系炭化水素としては、ベンゼンや、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン誘導体、フェニルキシリルエタン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニルエタン)(BDMF)等のジアリルアルカン誘導体、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン誘導体、モノイソプロピルビフェニル、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル等のアルキルビフェニル誘導体、各種割合にて水素化されたターフェニル誘導体、ジベンジルトルエン等のトリアリルジメタン誘導体、ベンジルナフタレン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、ジアリルアルキレン誘導体、アリルインダン誘導体、ポリ塩素化ビフェニル誘導体、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。
【0059】
また、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、アイソパー、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、塩素化パラフィン、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
本発明においては、これらの分散媒を単独で又は2種類以上混合して用いることができるが、中でもアルキルナフタレン誘導体、ジアリルアルカン誘導体及びアルキルビフェニル誘導体から選ばれる少なくとも1種類の芳香族炭化水素を主成分とする溶媒を用いるのが好ましい。
【0061】
また、本発明においては、上記分散媒に対して各種油溶性染料を溶解して着色して用いることが可能である。その場合、用いることのできる染料としては以下のものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
スピリットブラック(SB,SSBB,AB)、ニグロシンベース(SA,SAP,SAPL,EE,EEL,EX,EXBP,EB)、オイルイエロー(105,107,129,3G,GGS)、オイルオレンジ(201,PS,PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B,RR,OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン(GR,416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502,BG)、オイルブルー(613,2N,BOS)、オイルブラック(HBB,860,BS)、バリファーストイエロー(1101,1105,3108,4120)、バリファーストオレンジ(3209,3210)、バリファーストレド(1306,1355,2303,3304,3306,3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402,3405)、バリファーストブルー(3405,1501,1603,1605,1607,2606,2610)、バリファーストバイオレット(1701,1702)、ヴァリファーストブラック(1802,1807,3804,3810,3820,3830)等が代表的なものとして挙げられる。
【0063】
また、本発明の電気泳動表示用表示液及び電気泳動表示用表示粒子においては、無色の分散媒、内部に空隙を有する粒子、該粒子と色調の異なる顔料粒子以外にも電気泳動粒子の表面電荷量を制御したり、分散性を高める目的で慣用的に用いられる各種の補助成分を添加して用いることができる。
【0064】
本発明の電気泳動表示用表示液をマイクロカプセル内に内包させた電気泳動表示用表示粒子に用いられるマイクロカプセルは、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することが可能であり、その際使用されるマイクロカプセルの壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等が挙げられる。
【0065】
更に、本発明の電気泳動表示用表示粒子に用いられるマイクロカプセルの大きさは、0.5〜500μm程度であり、好ましくは1.0〜100μm程度である。
【0066】
本発明における電気泳動表示用表示液を形成する分散媒、着色粒子をはじめとする各成分については任意の割合で用いることが可能である。その中で、分散媒、着色粒子については、分散媒10mlに対する着色粒子0.01〜8.0gが好ましく用いられるが、この範囲に限定するものではない。
【0067】
また、界面活性剤についても必要量添加することができるが、上記分散媒10mlに対して0.01〜8.0gが好ましく用いられ、中でも0.1〜3.0gの場合が特に好ましいが、この範囲に限定するものではない。
【0068】
本発明の電気泳動表示用表示液及び電気泳動表示用表示粒子を用いた電気泳動表示装置としては、例えば次のような形態のものが挙げられるが、本発明の電気泳動表示装置はこれらに限定されるものではない。
(1)基板の片面に電極を設けた一対の表示用基材を、スペーサーを介して電極面を対向配置させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用表示液を充填し、さらに、少なくとも一方の表示用基材を透明基板の片面に透明電極を設けたものとした電気泳動表示装置(図1)。
(2)基板の片面に電極を設けた表示用基材にスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用表示液を充填し、さらに、表示用基材と絶縁フィルムの少なくとも一方を透明とした電気泳動表示装置(図2)。
(3)基板の片面に電極を設けた一対の表示用基材を、スペーサーを介して電極面を対向配置させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用表示粒子を充填し、さらに、少なくとも一方の表示用基材を透明基板の片面に透明電極を設けたものとした電気泳動表示装置(図3)。
(4)基板の片面に電極を設けた表示用基材にスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させて空間を形成し、その空間に本発明の電気泳動表示用表示粒子を充填し、さらに、表示用基材と絶縁フィルムの少なくとも一方を透明とした電気泳動表示装置(図4)。
(5)透明又は不透明な基板の片面に透明又は不透明な電極を施した表示用基材に本発明の電気泳動表示用表示粒子がバインダーとともに塗布されている電気泳動表示装置(図5)。
なお、図1〜図5において、1,1’は基板、2,2’は透明電極、3は表示液、4はスペーサー、5は絶縁フィルム、6はマイクロカプセル充填層、7は表示液内包マイクロカプセル、8はマイクロカプセル及びバインダー塗布層である。
【0069】
また、本発明の電気泳動表示装置は、
上記(5)の構成において、電気泳動表示用表示粒子がバインダーとともに塗布された層の上に、オーバーコート層が設けられている電気泳動表示装置、
上記オーバーコート層上の少なくとも一部分及び/又は表示用基材の少なくとも一部分に、印刷層が設けられている電気泳動表示装置、
上記印刷層上に印刷保護層が設けられている電気泳動表示装置、
上記のいずれかの構成において、電界の印加・制御により画像の形成と消去が可能な表示部以外に、情報記録部が設けられている電気泳動表示装置、
上記情報記録部が、磁気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが可能な記録部である電気泳動表示装置、
上記情報記録部が、集積回路メモリー又は光メモリーである電気泳動表示装置、
上記情報記録部が、光の作用により情報記録の読み出しが可能な記録部である電気泳動表示装置、
上記情報記録部が、表示媒体の表裏を示す情報及び/又は表示媒体の位置を示す情報を表示するものである電気泳動表示装置
とすることもできる。
【0070】
【実施例】
次に実施例により本発明を詳しく説明する。
【0071】
<方法1:電気泳動表示用表示液の調製>
分散媒(表1記載)100mlに界面活性剤(表1記載)10gを溶解ないし分散させ、着色粒子(粒子−I/表1記載)10gを加えた混合液をジルコニアビーズを用いてボールミル分散を行い、着色粒子(I)の分散液(電気泳動表示用表示液)を得た。2種類以上の着色粒子を用いる場合には、上記の分散液(着色粒子−I)に対して更に別の着色粒子(粒子−II/表1記載)2gを混合して再びボールミル分散を行うか、又は、初期段階において2種類以上の着色粒子の混合物に対してボールミル分散を行うことで電気泳動表示用表示液を調製した。
【0072】
<方法2:電気泳動表示用表示液を用いた電気泳動表示装置(A)の作製>
基板の片面に電極を設けた表示用基材として、片面に透明導電膜(ITO膜)を形成したガラス基板(厚さ3mm)を用い、このガラス基板を一対、スペーサーを介して対向配置させ、約140μm厚の空間を有するセルを作製した。その空間に上記方法1にて調製した電気泳動表示用表示液を注入後、両ガラス板をエポキシ樹脂系接着剤で封止することにより電気泳動表示装置(A)を作製した。
【0073】
<方法3:電気泳動表示用表示粒子の調製>
ゼラチン水溶液とアラビアゴム水溶液を混合して、50℃に昇温し水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。この中に上記方法1にて調製した電気泳動表示用表示液を加え、攪拌して乳化した。さらにpHを4まで徐々に下げて分散液界面にゼラチン/アラビアゴムの濃厚液を析出させた後、温度を下げて皮膜をゲル化し、グルタールアルデヒド水溶液を加えて硬化した。このようにしてゼラチンを壁材とするマイクロカプセルのスラリーを得た。カプセル粒子径は約50μmとなるように乳化条件を調整した。
【0074】
<方法4:電気泳動表示用表示粒子を用いた電気泳動表示装置(B)の作製>
10%ポリビニルアルコール水溶液80gに上記方法3にて調製した電気泳動用表示粒子(マイクロカプセル)20gを加えて分散液を調製した。この分散液(塗布液)をギャップ250μmのアプリケーターを用いてITO膜付きポリカーボネート基板に塗布、乾燥してカプセル塗膜を形成した。この一部を切り取り、ITO膜付きのガラス板とで挟み密着してテープで貼り合わせて電気泳動表示装置(B)を作製した。
【0075】
<方法5:反射率及びコントラストの測定>
上記方法2、4にて作製した電気泳動表示装置を直流電源に接続し電界方向を切り替えて電圧を印加することで、内部に空隙を有する粒子(粒子−I)による表示色(地肌部)と内部に空隙を有する粒子と色調の異なる顔料粒子(粒子−II)による表示色(表示部に相当)を交互に得ることができた。
各々の表示色について大塚電子製 Photal MCPD−1000を用いて反射率測定を行った。測定は、可視領域にて、45°照射−0°受光で行い、電気泳動表示装置と同じ条件下にて測定した標準白色板の反射率を100%とした場合の値である。また、両表示色の反射率の比をコントラストとした。
【0076】
<方法6:表示安定性の測定>
上記方法5の手順による表示色の切り替え(反転)を10回繰り返して行い、その際の両表示色の反射率からコントラストを求めた。10回繰り返した後のコントラストと初期(1回目)のコントラストとの違いを表示安定性の評価指標とした。
【0077】
<参考例1A〜4A、実施例1A〜13A、比較例1A〜5A>
上記方法1において表1記載の分散媒、界面活性剤、着色粒子を用いて調製した電気泳動表示液を用いて方法2の手順に従って、電気泳動表示装置(A)を作製した。
【0078】
<参考例1B〜4B、実施例1B〜13B、比較例1B〜5B>
上記方法1において表1記載の分散媒、界面活性剤、着色粒子を用いて調製した電気泳動表示液を用いて上記方法3の手順に従って、電気泳動表示用表示粒子を調製した。この電気泳動表示用表示粒子に対して、方法4の手順に従って、電気泳動表示装置(B)を作製した。このようにして作製した電気泳動表示装置(A)及び電気泳動表示装置(B)に対して、上記方法5及び方法6に従って表示特性の評価を実施した。これらの評価結果を表2及び表3に示す。
【0079】
<実施例14>
実施例7Bで作製した電気泳動表示装置(B)の表示層上に、10%のポリビニルアルコール水溶液をワイヤーバーにより塗工、乾燥して、約10μm厚の保護層を有する電気泳動表示装置を作製した。
【0080】
<実施例15>
実施例7Bで作製した電気泳動表示装置の表示層上に、15%の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(重量比9/1)溶液をワイヤーバーにより塗布、乾燥して保護層を形成した後、白色インキを保護層全面にスクリーン印刷して、印刷層を形成した。次いで、オーバープリンティングインキを印刷層の全面にスクリーン印刷して、保護層、印刷層及び印刷保護層を有する電気泳動表示装置を作製した。
【0081】
<実施例16>
実施例7Bで作製した電気泳動表示装置の一方の表面に、10重量部のγ−Fe2O3、10重量部の塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、1.3重量部のポリイソシアネート、40重量部のメチルエチルケトン及び40重量部のトルエンからなる溶液をワイヤーバーにより塗布、乾燥して、10μm厚の磁気記録層を形成した。この磁気記録層上に70重量%のアクリル系紫外線硬化性樹脂のトルエン溶液をワイヤーバーにより塗布、乾燥して、10μm厚の保護層を形成した。この保護層の一部分に集積回路メモリー機能内蔵したフィルムを接着剤層を介して接合して、書き換え可能な情報記録部を有する電気泳動表示装置を作製した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
なお、表1における各記号の詳細は以下の通りである。
<分散媒>
D.B.=ドデシルベンゼン(東京化成製)
SAS−296=日本石油化学製SAS296(主成分:フェニルキシリルエタン)
KMC−113=呉羽化学製KMC−113(主成分:ジイソプロピルナフタレン)
MIPB=モンサント製MIPB(主成分:モノイソプロピルビフェニル)
**/OB=分散媒(**)に対して油溶性染料オイルブラック(オリエント化学製OIL Black 860)を5%濃度で溶解した溶液
<粒子−I>
SX866A=架橋型スチレン−アクリル系中空粒子
(JSR製中空粒子SX866A/粒径0.3μm、スプレードライ品)
TiO2=二酸化チタン(石原産業製CR−50)
TiO2樹脂複合体=二酸化チタン(石原産業製CR−50)を樹脂とともに複合化したものの粉砕品
SX866A/TiO2=SX866Aに対してTiO2を樹脂を介して複合化したもの
<粒子−II>
TiD=黒色低次酸化チタン(赤穂化成製TilackD/粒径0.03μm、チタン表面処理品)
マグネタイト=四三酸化鉄(和光純薬製)
<界面活性剤>
O.A.=オレイン酸(関東化学工業製)
H14−N=ポリアクリル酸Na塩(日本乳化剤ディスロールH14−N/水溶液の乾燥品)
N−509=N−ポオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン(第一工業製薬製ディスコールN−509)
WS−100=ヒドロキシ脂肪酸のオリゴマー(旭電化工業製アデカコールWS−100)
ソルゲン30=ソルビタンセスキオレエート(第一工業製薬製ソルゲン30)
【0086】
表2中の実施例1A〜6A(比較例1A・2Aとの比較)及び実施例7A〜13A(比較例3A〜5Aとの比較)、更に、表3中の実施例1B〜6B(比較例1B・2Bとの比較)及び実施例7B〜13B(比較例3B〜5Bとの比較)の結果より、高分子型界面活性剤を用いた本発明の電気泳動用表示液及び電気泳動表示粒子を用いることで、高コントラストで、かつ繰り返し表示時においても高いコントラストが維持された電気泳動表示が可能となることが確認された。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、前記構成を採用したので、分散系の分散状態の安定性を向上させ、高コントラストな表示の実現と、繰り返し表示時においても高いコントラストを維持することのできる電気泳動表示用表示液及び電気泳動表示用表示粒子並びにそれらを利用した表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示液が使用可能な電気泳動表示装置の模式図である。
【図2】本発明の表示液が使用可能な他の電気泳動表示装置の模式図である。
【図3】本発明の表示粒子が使用可能な他の電気泳動表示装置の模式図である。
【図4】本発明の表示粒子が使用可能な他の電気泳動表示装置の模式図である。
【図5】本発明の表示粒子が使用可能な他の電気泳動表示装置の模式図である。
【符号の説明】
1,1’ 基板
2,2’ 電極
3 表示液
4 スペーサー
5 絶縁フィルム
6 マイクロカプセル充填層
7 表示液内包マイクロカプセル
8 マイクロカプセル及びバインダー塗布層
Claims (17)
- 分散媒と該分散媒とは色調の異なる少なくとも1種類以上の着色粒子からなりかつ分子量300〜10000のヒドロキシ脂肪酸のオリゴマーを含有する分散系を、マイクロカプセルに内包させて構成したことを特徴とする電気泳動表示用表示粒子。
- 該分散媒とは色調の異なる少なくとも1種類以上の着色粒子のうち少なくとも1種類が、内部に空隙を有する粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示用表示粒子。
- 上記内部に空隙を有する粒子が、有機ポリマーからなる中空粒子であることを特徴とする請求項2記載の電気泳動表示用表示粒子。
- 該分散媒とは色調の異なる少なくとも1種類以上の着色粒子のうち少なくとも1種類が、黒色低次酸化チタンからなる粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気泳動表示用表示粒子。
- 上記分散媒が、アルキルナフタレン誘導体、ジアリルアルカン誘導体及びアルキルビフェニル誘導体から選ばれる少なくとも一種類の芳香族炭化水素を主成分とする溶媒であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気泳動表示用表示粒子。
- 上記分散媒10mlに対する上記高分子型界面活性剤の添加量が、0.1から3.0gの範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示用表示粒子。
- 基板の片面に電極を設けた一対の表示用基材を、スペーサーを介して電極面を対向配置させて空間を形成し、その空間に請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気泳動表示用表示粒子を充填し、さらに、少なくとも一方の表示用基材を透明基板の片面に透明電極を設けたものとしたことを特徴とする電気泳動表示装置。
- 基板の片面に電極を設けた表示用基材を、スペーサーを介して絶縁フィルムを対向させて空間を形成し、その空間に請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気泳動表示用表示粒子を充填し、さらに、表示用基材と絶縁フィルムの少なくとも一方を透明としたことを特徴とする電気泳動表示装置。
- 透明又は不透明な基板の片面に透明又は不透明な電極を設けた表示用基材に請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気泳動表示用表示粒子がバインダーとともに塗布されていることを特徴とする電気泳動表示装置。
- 電気泳動表示用表示粒子がバインダーとともに塗布された層の上に、オーバーコート層が設けられていることを特徴とする請求項9記載の電気泳動表示装置。
- 上記オーバーコート層上の少なくとも一部分及び/又は表示用基材の少なくとも一部分に、印刷層が設けられていることを特徴とする請求項10記載の電気泳動表示装置。
- 上記印刷層上に印刷保護層が設けられていることを特徴とする請求項11記載の電気泳動表示装置。
- 電界の印加・制御により画像の形成と消去が可能な表示部以外に、情報記録部が設けられていることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
- 上記情報記録部が、磁気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが可能な記録部であることを特徴とする請求項13記載の電気泳動表示装置。
- 上記情報記録部が、集積回路メモリー又は光メモリーであることを特徴とする請求項13記載の電気泳動表示装置。
- 上記情報記録部が、光の作用により情報記録の読み出しが可能な記録部であることを特徴とする請求項13記載の電気泳動表示装置。
- 上記情報記録部が、表示媒体の表裏を示す情報及び/又は表示媒体の位置を示す情報を表示するものであることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
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