JP4160266B2 - 表示用材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示用材料と、それを用いた可逆的に視認状態を変化させうる電気泳動表示媒体、電気泳動表示装置、表示方法、表示カード、記録シート、ディスプレイ及び可逆表示型看板に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動現象を利用して可逆表示を行う電気泳動表示装置は、少なくとも一方は透明な2枚の基板をスペーサーを介して所用間隔をあけて対向配置して密閉空間を形成し、この密閉空間に分散粒子(顔料成分粒子)をこれと色調の異なる色に着色された分散媒中に分散させた表示液を充填して表示パネルとし、この表示パネルに電界を印加して表示を得ようとするもので、透明な基板面が表示面になる。
密封空間に充填される電気泳動表示用表示液は、キシレン、イソパラフィン等の炭化水素系等の分散媒、二酸化チタンなどの顔料粒子(分散粒子)、この分散粒子と色のコントラストを付けるための染料、界面活性剤などの分散剤及び荷電付与剤などの添加剤から構成される。この表示液に電界を印加することにより表示液中の分散粒子が透明基板側に移動し表面には分散粒子の色が現れる。これと逆方向の電界を印加する事により、分散粒子は背面側に移動し、表面には染料により着色された分散媒の色が現れる。
この様な電気泳動表示装置は、電界の向きを制御することにより所望の表示を得る表示装置であり、表示液が比較的入手容易な低コスト材料である、視野角が通常の印刷物並に広い、消費電力が小さい、メモリー性を有する等の長所を持つことから安価な表示装置として注目されている。
【0003】
しかしながら、一般に電気泳動表示用表示液は染料などを溶解して着色された分散媒中に二酸化チタンなどの高屈折率の無機顔料を分散させているために、顔料成分の色を表示する際に、その顔料と着色された分散媒との間で混色が発生し、コントラストを大幅に低下させる欠点を有している。この問題は、顔料表面への染料の吸着及び、顔料と顔料の間隙への染料溶液の侵入によるものと考えられ、着色された分散媒を用いた電気泳動用表示液にとっては避けがたい問題である。この問題は、顔料粒子として白色顔料を用いた場合に顕著で、地肌部(非記録部)の白さを大幅に低下させるために、表示材料にとって致命的な欠陥につながりかねない。このような問題点を解決するために、過去において、分散媒の着色に用いられる染料として顔料表面に対して非吸着性の染料を用いることにより(Phlips Lab:Conference Record of 1980Biennial Disp.Res.Conf.)、あるいは分散媒中の染料濃度を低くすること(Xerox PaloAlto:Proc.SID,Vol.18,3/4,1977)や、染料濃度、顔料濃度、界面活性剤の最適化(松下:Proc.SID,Vol.18,No3/4,1977)による改善も提案されている。しかし、これらの方法では、効果が不十分であるばかりでなく、染料溶液による表示濃度の低下や応答速度低下という問題を引き起こしてしまい実用的な解決策に至っていないのが現状である。
【0004】
そこで、着色された分散媒を用いるシステムの有する上記欠点を解決する手段として、染料溶液を用いないシステムが提案されている。例えば、高絶縁性低粘度の無色分散媒中に色調及び電気泳動性が互いに異なる少なくとも2種類の電気泳動性粒子を分散した液を、少なくとも一方が透明な2枚の対向電極間にスペーサーを介して形成されるセル内に封入した電気泳動表示素子が提案されている(特開昭62−269124)。しかし、これらの系では色調の異なる電気泳動性粒子の帯電電荷が反対(正と負の組合せ)である為に、粒子間の電気的な引力による凝集が発生することで混色を起こし、良好なコントラストを有する表示を実現することは困難である。また、高絶縁性低粘度の無色分散媒中に電気泳動性が同一で色調及び、電気泳動速度が互いに異なる少なくとも2種類の電気泳動性粒子を分散した液を少なくとも一方が透明な2枚の対向電極間にスペーサーを介して形成されるセル内に封入した電気泳動表示素子が提案されている(特開昭63−50886)が、この場合は同一方向に移動する色調の異なる電気泳動性粒子の移動速度差を単に利用したものである為に、電気泳動表示を繰り返す際に粒子の入れ替わり(移動速度による表示色のコントロール)を制御することが非常に困難であり、結果としてコントラストの高い表示を実現することはできない。更に、原理的に一方の面において異なる色調を同時に表示することは、不可能であるので実用性に欠けている。
【0005】
一方、この様な色調及び電気泳動性(帯電電荷)が互いに異なる2種類の電気泳動性粒子を分散した液を電気泳動用表示液として用いる系において問題となっている粒子間の凝集を防ぐ為の手段として、電荷調整剤の添加や粒子の表面処理等による立体的反発効果を用いることが提案されている(特表平8−510790)が、これらの方法では電気泳動特性の異なる(反対電荷を有していて、反対方向に泳動する)電気泳動性粒子間の凝集を完全に防ぐことは困難であり、良好なコントラストを実現するには至っていない。また、樹脂と白色顔料からなる隠蔽用白色粒子と表示用着色粒子と溶媒からなる画像表示用インク組成物が提案されている(特開平10−149117)が、ここで提案されている白色粒子は、白色顔料を混練・粉砕、分散状態からの重合、凝集によって樹脂と複合化したものであり、通常、染料によって着色された分散媒を用いる電気泳動用表示液において溶媒との比重差を調整する目的で使用されている白色粒子と同じである。従って、色調の異なる顔料(磁性粉単独又は、混合物からなる表示用着色顔料)との組合せにおいて、2種類の粒子間における凝集を低減させる機能を持ち合わせていない為に前述の技術と同様に凝集による混色を引き起こしてしまい、コントラストの低下を引き起こしてしまう。
この様に、電気泳動表示媒体に用いる表示液に対してコントラストを向上させる為、過去に多くの検討がなされているが、十分な効果をもたらす技術は見いだされておらず、高コントラスト、中でも地肌部の白色度が高いシステムは実現されていない。
【0006】
一方、電気泳動表示媒体を作成する際には、表示液を封入するセルの構成が非常に重要である。特に、電気泳動表示液を微小領域に分割する点は表示媒体の性能と密接な関係にあることから、各種の検討がなされてきたが、簡便で且つ安価に製造できる形態は実現されていなかった。
ところが、分散粒子と該分散粒子と異なる色調に着色された分散媒とからなる分散系(電気泳動用表示液)をマイクロカプセル中に封入し、これらのマイクロカプセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が提案され(特開平1−86116/平成8年登録 第2551783号)、電気泳動表示装置の構成方法としても簡便な手段が提案されるようになった。この方法のメリットとして泳動粒子の偏在による表示の不均一が防げる点に加えて、支持体上へのマイクロカプセル塗布という非常に簡易的な方法で電気泳動表示媒体を作製できる点が挙げられる。
しかし、この方法においても内包される表示液として従来の系(有色の染料溶液と顔料粒子の分散液)を利用している限りは前記の混色を伴うものであり、高コントラスト表示は期待できない。また、カプセル調製工程は通常、乳化や加熱、冷却工程を含むものであることから、電気泳動表示液の特性を低下させることがあり、最適な方法であるとは言い難い。
更に、電気泳動表示液を内包したマイクロカプセルの層を支持体上に形成した電気泳動表示媒体では、マイクロカプセル粒子の大きさ(深さ方向の長さ)によってコントラストが支配されてしまい、コントラストと精細性とが背反になってしまう。このことからも、表示媒体の形態と表示特性の両面からみた場合に、最適の方法であるとは言えない。
【0007】
また、この様なマイクロカプセルの利用が提案される以前に、多孔質の高分子化合物からなるスペーサーに電気泳動表示液を含有させて電気泳動表示媒体に用いる技術が提案されている。例えば、多孔性スペーサーとしてシリコンゴム、ウレタンゴムをはじめとする各種高分子化合物からなるシートにパンチ、レーザー等を利用した各種手段で貫通した穴(透孔)を形成し、この透孔に相当する部分に電気泳動表示液を存在させることによって、電気泳動表示媒体を形成する技術が提案されている(特開平2−284124、特開平2−284125、特開平2−284126、特開平2−284127、特開平5−165064等)。しかしながら、これらの技術で用いている多孔質スペーサーは、高分子化合物シートに穴を開けた構造のマトリックス材であるため、基本的な表示特性は透孔部に充填された電気泳動表示液の特性に支配されてしまう。つまり、前記の表示液を保持するための単なる器としての機能しか持ち合わせていない為に、高コントラスト、中でも地肌部の白色度が高い表示特性を実現することはできない。更に、シート状の高分子に貫通穴(透孔)を形成する構造であるために、透孔の存在割合にも限界があり、スペーサー機能と表示密度とが背反してしまう。従って、前記多孔質スペーサーを用いても、高コントラストな表示特性を得ることは困難である。
【0008】
更に、上記の多孔質スペーサーとは異なる方法で多孔質物質を形成し電気泳動表示媒体に用いる技術が提案されている(特開平4−86785)。この技術では、連結した略球形のキャビティを多数形成し、そこに電気泳動表示液を充填した多孔質物質を用いて電気泳動表示媒体を形成することが提案されている。この場合には、キャビティが互いに連結した状態でランダムに存在しているために、前記の多孔質スペーサーに比べると表示媒体の構造を維持しやすくなっている。しかし、この場合にも、前記多孔質スペーサーと同様に高分子化合物からなる多孔質物質は単なるマトリックス材としての機能を有するだけであり、表示媒体の特性は充填される表示液によって支配されてしまう。つまり、前記の表示液を保持するための単なる器としての機能しか持ち合わせていない為に、高コントラスト、中でも地肌部の白色度が高い表示特性を実現することはできない。
【0009】
また、特開平5−264970をはじめとする公開公報には、液晶材料を高分子多孔膜に充填して用いることが示されているが、ここでいう多孔膜も前記(特開平4−86785)と同様の多孔質物質であり、充填された表示液を小領域に分割、維持する以外に特別な機能を有するものではなく、基本的には充填される表示液によって表示特性が決められてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高コントラスト、特に地肌部の混色が少ない(白色の場合には高反射率な)表示特性を実現することができる表示用材料と、それを用いた電気泳動表示媒体、電気泳動表示装置、表示方法、表示カード、記録シート、ディスプレイ及び可逆表示型看板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す表示用材料、表示方法、電気泳動表示媒体、電気泳動表示装置、表示カード、記録シート、ディスプレイ及び可逆表示型看板が提供される。
【0012】
(1)周壁部により包囲された空孔を有する多孔性部材と、該空孔内に充填された流動性着色物とからなり、該多孔性部材は1つの色調を有し、該色調と該流動性着色物の色調とが異なり、該壁部は、高分子化合物と着色部材とからなることを特徴とする表示用材料。
)該着色部材が、高分子化合物中に分散している前記()に記載の表示用材料。
)該壁部の色調が白色である前記(1)または前記(2)に記載の表示用材料。
)該着色部材が、無機材料の粒子からなる前記(1)乃至前記(3)のいずれか1に記載の表示用材料。
) 該着色部材が、二酸化チタンである前記()に記載の表示用材料。
) 該着色部材が、内部に空隙を有する粒子である前記(1)乃至前記(5)のいずれか1に記載の表示用材料。
) 該着色部材が中空ポリマー粒子である前記()に記載の表示用材料。
) 該空孔が、直径3〜500μmの球形状の空孔がつながった形状である前記(1)乃至前記(7)のいずれか1に記載の表示用材料。
) 該流動性着色物が、電界の作用により移動可能な成分を含有している前記(1)乃至前記(8)のいずれか1に記載の表示用材料。
10) 該電界の作用により移動可能な成分が、黒色低次酸化チタンである前記()に記載の表示用材料。
11)前記()又は(10)に記載の表示用材料を含む表示装置を用い、該表示用材料に電界を印加して、該表示用材料中に含まれる該流動性着色物を該電界の作用により移動させることを特徴とする表示方法。
12) 対向配置された一対の基板間に前記()又は(10)に記載の表示用材料を介在させた構造を有し、該一対の基板のうちの少なくとも1つの基板には電極が配設され、かつ該一対の基板のうちの少なくとも1つの基板が透明であることを特徴とする電気泳動表示媒体。
13) 該表示用材料の少なくとも一方の面に、オーバーコート層を設けた前記(12)に記載の電気泳動表示媒体。
14) 該オーバーコート層が、熱硬化性樹脂及び/又は活性エネルギー線硬化樹脂からなる前記(13)に記載の電気泳動表示媒体。
15) 前記電気泳動表示媒体の少なくとも一部分に印刷層を設けた前記(12)乃至(14)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体。
16) 前記印刷層上に印刷保護層を設けた前記(15)に記載の電気泳動表示媒体。
17) 電界の印加・制御により画像の形成と消去が可能な表示部と、情報記録部とを有する前記(12)乃至(16)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体。
18) 該情報記録部が、磁気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが可能な記録部である前記(17)に記載の電気泳動表示媒体。
19) 該情報記録部が、集積回路メモリー又は光メモリーである前記(17)に記載の電気泳動表示媒体。
20) 該情報記録部が、光の作用により情報記録の読み出しが可能な記録部である前記(17)に記載の電気泳動表示媒体。
21) 該情報記録部の情報が、表示媒体の表裏の判別を示す情報及び、/又は表示媒体の位置を示す情報である前記(17)乃至(20)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体。
22)前記(12)乃至(22)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体を用い、該電極を介して電界を該表示用材料に印加して、該表示用材料中に含まれる該流動性着色物を該電界の作用により移動させることを特徴とする表示方法。
23) 該電界の印加を停止した後においても、表示された表示状態を継続保持する前記(22)に記載の表示方法。
24)前記(22)に記載の表示方法で表示した後、該電界とは逆の電界を印加して該表示状態を消去することを特徴とする消去方法。
25) 前記(24)の消去方法で表示を消去した後、前記(22)の表示方法で再び表示することを特徴とする再表示方法。
26) 前記(12)乃至(21)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体と、該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、該電気泳動表示媒体と該書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、該書き込み装置は画像信号に応じて該電気泳動表示媒体に電界を作用させることができ、かつ該電気泳動表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有する電極アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
27) 前記(12)乃至(21)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体と、該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、該電気泳動表示媒体と該書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、該書き込み装置は画像信号に応じて該電気泳動表示媒体表面に電荷を付与させることができ、かつ該電気泳動表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有するイオン銃アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
28) 前記(12)乃至(21)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体と、該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、該電気泳動表示媒体と該書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、該書き込み装置は複数の信号電極と走査電極を装備し、その交差部に画像信号に応じて電気泳動表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子を有し、それによって該電気泳動表示媒体に画像を表示するように構成されたことを特徴とする表示装置。
29) 該画像信号に応じて該電気泳動表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子が、薄膜トランジスタである前記(28)に記載の表示装置。
30) 前記(12)乃至(21)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成の少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆表示カード。
31) 可撓性を有する前記(30)に記載の可逆表示カード。
32) 前記(12)乃至(21)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆記録シート。
33) 可撓性を有する前記(32)に記載の可逆記録シート。
34) 前記(12)乃至(21)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成の少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆表示ディスプレイ。
35) 可撓性を有する前記(34)に記載の可逆表示ディスプレイ。
36) 前記(12)乃至(21)のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成の少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆表示型看板。
37) 可撓性を有する前記(36)に記載の可逆表示型看板。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の表示用材料は、1つの色調を有する多孔性部材と、該部材とは異なる色調を有する流動性着色物とから構成される。この場合、多孔性部材は、周壁(壁部)により包囲された空孔(空隙)を有し、その周壁は、表示を行う際の一つの色調を表す機能を有しており、壁部に囲まれている空孔(空隙)に存在する異なる色調の流動性着色物との色調差によって表示を行うことができる。本発明における多孔性部材は、単なるマトリックス材ではなくて、表示を行う際の一方の色調を表現する機能を有している点が、前記の従来技術にある多孔性スペーサーや多孔質物質とは大きく異なっている。つまり、従来技術にある高分子化合物等で形成された多孔性スペーサーや多孔質物質は単なるマトリックス材(表示液を保持する為の器)にすぎず、表示特性は全て充填された表示液の特性に支配されているのに対して、本発明で用いる多孔性部材は、それ自身で一つの色調を有しており、表示を行う際の一方の色調を混色のない均一な状態で表現することができる。この多孔性部材は、特に、地肌部に相当する部分を表示するのに適しており、白色の色調を有する場合には、白い地肌部を高い反射率で実現することができる。尚、表示は空隙部に存在する流動性着色物が、連泡多孔性部材の内部を移動することによって行われる。移動は流動性着色物の特性にあわせて様々な方法で行うことができ、例えば重力、磁界の作用、電界の作用、加熱などの外部刺激を挙げることができる。また、これらの各種外部刺激による層分離現象や発色消色現象等によって起こる光学特性変化を利用することもできる。更に、本発明の表示用材料を用いて各種の可逆表示可能な媒体及び表示装置を実現させることができる。
【0014】
本発明における一つの色調を有する多孔性部材の壁部(多孔質状態の空隙部以外の部分)は、有機材料、無機材料、及び両者の複合材料、混合材料などの着色部材によって色調を発現することができる。多孔性部材は、着色部材である有機材料、無機材料及び、両者の複合材料、混合材料のみで形成される場合と、高分子化合物のような結着剤中に有機材料、無機材料及び両者の複合材料、混合材料が分散状態で存在している場合等がある。また、多孔性部材が呈する色は、必要に応じて各種色調を適用することができる。尚、本発明における色調は白色も一つの色調として含めている。この色調については、多孔性部材の壁部を構成する有機材料、無機材料及び、両者の複合材料、混合材料である着色部材で発現されるが、これらの着色部材を結着する高分子化合物への着色によっても発現することができる。
【0015】
本発明の多孔性部材において、その壁部(周壁)は、前記のように1つの色調を有するものであり、その壁部は、着色部材を含有し、多孔性部材は、この壁部の色調を示す。この着色部材には、無機材料及び有機材料が包含される。以下にこれらの着色部材の具体例を示すが、本発明において用いる着色部材はこれらに限定されるものではない。
【0016】
無機材料としては、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン(チタンブラック)、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。
【0017】
有機材料としては、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレットが挙げられる。
【0018】
これらの顔料粒子の中では、二酸化チタンが高屈折率であり地肌部の白色を表示する観点から好ましい。また、地肌部に白色以外の色を用いる場合には、その色に応じた顔料を適宜用いることができる。また、これらの顔料粒子は、二種以上の混合物として用いることも可能であり、更には、顔料単独の微粒子としてだけでなく、各種表面改質を施した状態でも用いることが可能である。この場合の表面改質の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコートマイザー法をはじめとする各種方法によりコーティングしたもの、チタネート系・シラン系などの各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したものなどが挙げられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、顔料粒子どうし、または、ポリマー粒子・後述する中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、更に、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能であり、これら複合粒子に対しても前記の各種表面改質を施した状態で用いることが可能である。
【0019】
更に、本発明においては、以下に示す内部に空隙を有する化合物も着色部材として同様に用いることができる。これらの化合物は、粒子内部に充填されていない空間を有するものであり、その空間は隔壁によって形成されたもの以外に多孔質等の各種状態によって形成されたものであっても構わないが、組み合わせる溶媒との関係において、外部からの溶媒の浸透による空隙の消滅が発生することがなく、溶媒中において空隙が維持されている必要がある。この様な粒子としては、有機材料、無機材料及び、両者の複合によって構成されるものがあり、有機ポリマーからなる中空粒子、有機ポリマーからなる多孔質粒子、無機物質からなる中空粒子、無機物質からなる多孔質粒子及びこれら内部に空隙を有する粒子の表面を樹脂膜等で覆った粒子等を挙げることができる。
【0020】
有機ポリマーからなる中空粒子及び有機ポリマーからなる多孔質粒子としては、従来公知の方法で製造することが可能であり、微粒子ポリマーの新展開(東レリサーチセンター)、微孔性ポリマーとその応用展開(東レリサーチセンター)や高分子微粒子の最新技術と用途展開(シーエムシー)などをはじめとする各種文献に掲載されている各種方法によって作製することが可能である。例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法+発泡を利用した方法、シード重合法+発泡を利用した方法、シード重合+重合収縮を利用した方法、W/O/Wエマルジョンの懸濁重合による方法、スプレードライの液滴の表面乾燥を利用した方法、ポリマーエマルジョンを電解質固体粒子の添加により凝集させるシード凝集法などがあげられるがこれらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
【0021】
有機ポリマーからなる中空粒子及び有機ポリマーからなる多孔質粒子を構成する有機ポリマーの材質は、従来公知のポリマー材料から選ぶことができる。これらの例としては、スチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッソ(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等のポリマー材料及びこれらのポリマー材料に対して架橋を行うことで耐溶剤性機能を向上させたポリマー材料を挙げることができるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。
【0022】
前記の方法、材料を用いることによって作られたものを例示すると、例えば、スチレン−アクリル系のローム・アンド・ハース社のローペイク、架橋型スチレン−アクリル系のJSR製中空粒子、松本油脂の熱膨張マイクロカプセル、大日本インキのGrnngollなどが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。尚、これらのこれらの中空粒子を使用するにあたり乾燥品(ドライ品)の場合は、そのまま用いることができるが、エマルション等の液体中に分散されているものは、乾燥して用いることができる。更に、有機ポリマーからなる中空粒子、有機ポリマーからなる多孔質粒子の表面に対して、各種の無機顔料粒子を付着させた複合粒子も同様の機能を有するものである。その一例として、有機ポリマーからなる中空粒子と二酸化チタンとのオーダードミクスチャーなる複合粒子を挙げる事が出来る。また、これらの粒子は、各種表面改質を施した状態でも用いることが可能である。この場合の表面改質の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコートマイザー法をはじめとする各種方法によるコーティング、各種カップリング剤による表面処理、グラフト重合処理などが挙げられる。
また、本発明で用いる上記の内部に空隙を有する粒子は、白色のものだけでなく、必要に応じて白色以外の各種の色に染色により着色して用いることが可能である。
【0023】
次に、無機材料からなる中空粒子及び、無機物質からなる多孔質粒子について説明する。このような粒子としては、従来公知の方法で作製される各種の無機材料からなる中空粒子及び無機物質からなる多孔質粒子を用いることができる。これらの製法の一例としては、粉床法、トポケミカル法、メカノケミカル反応等の付着を利用した方法、表面沈積法、含浸法、界面反応法等の沈殿反応を利用する方法、更には、界面ゲル化反応法等を挙げることができる。これらの具体的な例としては、例えば、界面反応法(新しい材料設計法への挑戦/1998年5月29日:セミナー資料)を用いる事によって作製されたシリカ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ストロンチウム、ケイ酸バリウム、炭酸コバルト、酸化コバルト、コバルト、酸化鉄、コバルト−鉄炭酸塩、塩基性炭酸銅、金属銅、炭酸ニッケル等の無機球形中空粒子及び、無機球形多孔質粒子や、界面ゲル化反応法(色材、70(2)84−91、1997)によって作製された酸化アルミ、二酸化チタン等の無機球形中空粒子及び、無機球形多孔質粒子が挙げられる。また、各種の無機材料を焼成により発泡させたものも同様の機能をもっており、これらの例としては、発泡性シリカを挙げる事が出来る。
【0024】
また、これらの無機材料からなる中空粒子及び、無機物質からなる多孔質粒子は、顔料単独の微粒子としてだけでなく、前記と同様に各種表面改質を施した状態でも用いることが可能である。この場合の表面改質の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコートマイザー法をはじめとする各種方法によるコーティング、各種カップリング剤による表面処理、グラフト重合処理したものなどが挙げられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、顔料粒子どうし、または、ポリマー粒子・中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、更に、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
【0025】
本発明において多孔性部材の壁部を形成するにあたり、前記の有機材料、無機材料からなる着色部材を固定する為に用いる高分子化合物としては、従来公知の各種のものを用いることができる。このようなものとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ジエン樹脂、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、アラミド、ポリイミド、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−キシレン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリヒダントイン、ポリパラバン酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリキノキサリンなど。
【0026】
また、下記の熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線硬化樹脂、あるいはそれらの混合物から選択された一種類以上の材料が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、自己又は架橋剤と反応して共有結合を形成することが可能な官能基を有したポリマー及び/又はポリマー性化合物からなり、任意の架橋促進剤と触媒を用いて形成される。自己又は架橋剤と反応して共有結合を形成することが可能な官能基を有したポリマー及びポリマー性化合物としては、ポリビニルアルキルカルバメート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリウレア、ポリウレタン、ウレタンプレポリマー、カルボキシ変性ポリウレタン、アミノ変性ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエーテルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、メラミン、メチロール化メラミン、アルキド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂、レゾシノール樹脂、エポキシ樹脂又はそれらの変性体などが挙げられる。架橋促進剤と触媒は、自己又は架橋剤と反応して共有結合を形成することが可能な官能基を有したポリマー及び/又はポリマー性化合物と架橋剤の組合せに応じて適宜選択する。
【0027】
活性エネルギー線硬化樹脂は、光重合性モノマー(反応性希釈剤)、光重合性オリゴマー、不飽和プレポリマー、不飽和オリゴマー及び任意の光開始剤からなる。
光重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの単官能モノマー、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート又はヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレートなどの二官能性モノマー、又はジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールトリアクリレート又はトリメチロールプロパントリアクリレートなどの三官能以上のモノマーが挙げられる。
光重合性オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリレート、アルキッドアクリレート又はメラミンアクリレートなどが挙げられる。
光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル−2−)モルホリノプロパン−1、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、2−クロロチオキサントン又は2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
不飽和プレポリマー及びオリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、不飽和アクリル樹脂、不飽和シリコーン、又は不飽和フッ素樹脂などが挙げられる。
【0028】
前記材料によって構成されるの一つの色調を有する多孔性部材の調製には、従来公知の各種多孔質物質の調製方法を適用することができる。その方法の一例を以下に示すが、本発明において用いられる多孔性部材の調製方法はこれに限定されるものではない。
前記の多孔性部材の壁部を構成する前記着色部材とこれを結着させるための高分子化合物との混合物に対して、凝集、起泡・発泡、ゲル化、焼結等の各種方法によって調製することができるが、空隙部の大きさをコントロールする為には、以下に示す方法が好ましい。
先ず、(i)着色部材と、(ii)結着部材及び(iii)可溶性樹脂粒子を含有する混合物を作る。この混合物において、その着色部材の割合は、着色部材と結着部材との合計量に対して、50〜95重量%、好ましくは65〜85重量%である。また、その可溶性樹脂粒子の割合は、着色部材と可溶性樹脂粒子との合計量に対して、40〜95重量%、好ましくは60〜90重量%である。
次に、前記混合物を所要の形状に成形する。この成形法には、熱成形や、キャスト法等が包含される。熱成形法の場合には、結着樹脂としては、着色部材及び溶解性樹脂粒子よりも低融点のものが用いられ、熱成形に際しては、その結着樹脂のみが軟化ないし溶融する。この熱成形法には、押出法や、カレンダー成形法、射出成形法等がある。
キャスト法の場合には、結着樹脂を溶解させる溶媒が用いられる。この場合の溶媒は、結着樹脂のみを溶解し、着色部材及び樹脂粒子を実質的に溶解しないものが選定される。
前記のようにして得られる成形体の形状は、フィルム、シート、板体、球状、円柱状等の各種の形状であることができる。通常はフィルム状(シート状を含む)である。
次に、前記成形体は、これを溶媒と接触させ、その成形体の少なくとも表面部に存在する樹脂粒子を溶出除去させる。これによって、その成形体には、その少なくとも表面部に樹脂粒子が溶出除去された跡に空孔が形成され、多孔性材料が得られる。この場合に使用する溶媒は、着色材料や結着樹脂に対しては実質的な溶解性を示さず、樹脂粒子のみを選択的に溶解し得る溶解特性を有するものである。
このようにして得られる多孔性部材において、その空孔は、樹脂粒子が存在していた跡(空間)及びその樹脂粒子が成形体表面から溶出除去され溶出通路跡に形成され、全体的には、球形に近い形をした空孔が相互に連通した構造の空孔(連泡構造の空孔)が形成される。
この場合の空孔のサイズは、主にその樹脂粒子のサイズに依存し、樹脂粒子の粒径が小さくなるにつれて、より小さい空孔が形成される。樹脂粒子の粒径は、所要空孔サイズに応じて適宜選定する。
【0029】
本発明においては、多孔性部材内に分散される空隙のサイズは、注入する流動性着色物との関係で制御する必要があり、流動性着色物の移動や表示の精細性の観点から、その空隙(空孔)のサイズは、数μm〜数百μm(3〜500μm程度)の大きさの空隙であることが好ましい。より好ましくは10〜200μm程度、さらに好ましくは20〜100μm程度である。
この様にして調製された一つの色調を有する多孔性部材に対して流動性着色部材を注入(充填)することで本発明の表示用材料が調製される。この表示用材料については様々な形態の表示媒体として利用することができるが、中でも、支持体上に薄い層として多孔性部材が存在する形状は、表示媒体を形成するには有利な形態である。また、この場合の多孔性部材は、連続した1つの連泡多孔性部材から形成されていても良いし、連泡多孔性部材の粒子や繊維のような不連続な連泡多孔性部材の集合状態で形成されていても良い。
【0030】
本発明の表示用材料は、前記の一つの色調を有する多孔性部材中の空隙部分に色調の異なる流動性着色物を充填することで形成されている。この際、多孔性部材中に充填される流動性着色物としては、多孔性部材との間で色調差を生じることができるものであればよく、異なる色調を有する物質で構成されていてもよいし、外部刺激によって異なる色調を発現するようなものでも良い。
この様な流動性着色物は外部からの刺激によって多孔性部材との間に、色調差を生ずることができるが、この場合の外部刺激としては、例えば、重力、電界、磁界、熱などが挙げられ、それに伴う流動性着色物の移動、相変化、粒子サイズの変化、物理的・化学的な色調変化などによって色調差を生じ表示を行うことができる。これらの中でも、着色物を電界の作用によって移動させる(電気泳動)現象を利用した表示方法は電気的な刺激によってコントロールすることができることから有用性が高い。
【0031】
この様な流動性着色物を構成している着色物としては、前記の多孔性部材の壁部を構成している有機材料、無機材料、及び両者の複合材料、混合材料などの着色部材を挙げることができ、多孔性部材の色調と異なる色調のものを選んで用いることができる。これらの中でも黒色表示を行うという観点から黒色低次酸化チタン(チタンブラック)やカーボンブラックなどが好ましく用いられる。一方、これらの着色部材は通常分散媒中に分散された状態で用いることができるが、この場合の分散媒としては各種タイプのものを用いることができる。例えば、芳香族系炭化水素としては、ベンゼンや、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン誘導体、フェニルキシリルエタン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニルエタン)(BDMF)等のジアリルアルカン誘導体、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン誘導体、モノイソプロピルビフェニル、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル等のアルキルビフェニル誘導体、各種割合にて水素化されたターフェニル誘導体、ジベンジルトルエン等のトリアリルジメタン誘導体、ベンジルナフタレン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、ジアリルアルキレン誘導体、アリルインダン誘導体、ポリ塩素化ビフェニル誘導体、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。
【0032】
また、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、アイソパー、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、塩素化パラフィン、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、本発明においては、これらの分散媒を単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
【0033】
本発明においては、上記分散媒に対して各種油溶性染料を溶解して着色して用いることが可能である。その場合、用いることのできる染料としては以下のものを挙げることができる。
スピリットブラック(SB,SSBB,AB)、ニグロシンベース(SA,SAP,SAPL,EE,EEL,EX,EXBP,EB)、オイルイエロー(105,107,129,3G,GGS)、オイルオレンジ(201,PS,PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B,RR,OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン(GR,416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502,BG)、オイルブルー(613,2N,BOS)、オイルブラック(HBB,860,BS)、バリファーストイエロー(1101,1105,3108,4120)、バリファーストオレンジ(3209,3210)、バリファーストレド(1306,1355,2303,3304,3306,3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402,3405)、バリファーストブルー(3405,1501,1603,1605,1607,2606,2610)、バリファーストバイオレット(1701,1702)、ヴァリファーストブラック(1802,1807,3804,3810,3820,3830)、アシッドブラック1等が代表的なものとして挙げられる。
【0034】
本発明の流動性着色物においては、前記の着色部材、分散媒以外にも着色部材粒子の表面電荷量を制御したり、分散性を高める目的で慣用的に用いられる各種の補助成分を添加して用いることができる。これらの補助成分としては界面活性剤、保護コロイド剤等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。この場合の界面活性剤としては、分散剤に対して溶解又は、分散状態に混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及び、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独又は、2種以上混合して用いることができる。これらの界面活性剤の具体例としては以下のものが挙げられるが、本発明にて用いる界面活性剤はこれらに限定されるものではない。
【0035】
(ノニオン系界面活性剤)
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。
ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。
モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。
【0036】
オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。
ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。
ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。
【0037】
飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。
ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化化合物類。
ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類。
【0038】
ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CH2CH2O)mH(CH2CH2O)nH、R−NH−C36−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表されるアルカノールアミン類。R−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R12−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R123N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。
アクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類及び、オリゴマー類。
【0039】
(アニオン系界面活性剤)
ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。
ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。
【0040】
各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。
ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。
アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類。
【0041】
(カチオン系界面活性剤)
R−N(CH3)3・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等、X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類、R12−N(CH3)2・X〔R1,R2=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等、X=ハロゲン・アミン等〕で表されるジアルキルジメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH3)(CH3COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。
ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH3)N(C24O)mH(C24O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等、X=ハロゲン・アミン等〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類。
【0042】
(両性系界面活性剤)
各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等。
【0043】
また、保護コロイド剤としては、分散媒に対して溶解又は、分散状態で混ざり合うことの出来る各種保護コロイド剤を用いることができる。
【0044】
また、本発明の流動性着色物を構成する前記の着色部材粒子に対しては、分散性や多孔質媒体形成などの種々の観点から必要に応じてカップリング剤をはじめとする表面処理を行うことができる。ここでいうカップリング剤とは、異種物質の界面で起こる現象を調節する表面改質剤である。この様な特性を有する物質には有機金属系化合物が多く、クロム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、更には、フッ素系カップリング剤などがある。これら各種カップリング剤としては例えば以下のようなものが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0045】
(シラン系カップリング剤)
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、ジアミノシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−4,5ジヒドロイミダゾールプロピルトリエトキシシラン、3−メタクロリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルクロロジシラン、トリフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシランヘキサメチルジシラザン、サイクリックシラザン混合物、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、N−トリメチルシリルアセトアミド、ジメチルトリメチルシリルアミン、ジエチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリルフェニルウレア等。
【0046】
(チタネート系カップリング剤)
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)ジイソプロピルチタネート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テトラプロピルオルソチタネート、テトライソプロピルテトラエチルオルソチタネート、テトラブチルオルソチタネート、
ブチルポリチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス−(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、チタニウムラクテート、アセトアセティックエステルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアルミナト)チタン、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、ブチルチタネートダイマー、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等。
【0047】
(アルミニウム系カップリング剤)
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等。
【0048】
(ジルコニウム系カップリング剤)
ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ジルコニウムラクテート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、テトライソプロピルジルコネート等。
【0049】
(ジルコアルミネート系カップリング剤)
楠本化成(株)製の製品名A、C、C−1、F、M、M−1、S、APG、CPG、CPM、FPM、MPG、MPM及び、テトラプロピルジルコアルミネート等。
【0050】
(クロム系カップリング剤)
メタクリル酸クロムと塩化クロムの複合体等。
【0051】
(フッ素系カップリング剤)
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン等。
【0052】
上記のカップリング剤については、各々単独で用いること以外に、複数のカップリング剤を混合して用いることも、更には、複数のカップリング剤を用いた処理を段階的に施すことも可能である。
【0053】
次に、本発明の表示用材料の調製に際して用いられる多孔性部材に流動性着色物を充填する方法について述べるが、本発明における方法はこのような方法に限定されるのではなく、他の各種方法を用いることができる。
本発明の表示用材料を調製するには、前記の多孔性部材に流動性着色物を注入する必要があり、この場合の注入方法については特に規定しないが、通常用いられる注入方法を適用することができる。例えば、多孔性部材の空隙部への毛管現象を利用した方法や減圧状態からの減圧解除による注入方法、さらには、減圧環境下にて内部に閉じこめられた空気を脱気する方法と組み合わせることも可能である。
【0054】
次に、本発明の表示用材料を用いた表示原理を下記に示す。
本発明の多孔性部材における空隙部(空隙)(流動性着色物の充填空間)の割合(空隙率:多孔性部材の体積に占める空隙部の体積の割合)については、任意の割合で用いることができる。この空隙率については、同じ値であっても空隙部のサイズによって、構造が大きく異なってしまう傾向にある。従って、目的とする用途に応じて様々な空隙率で用いる必要があり、いちがいにある特定の範囲に限定することは困難であるが、おおむね30〜90%の空隙率で使用するのが好ましい。但し、空隙部のサイズ及び、充填する分散材料の特性などとの関係からこの範囲に限定されるものではない。
また、連泡多孔性部材の壁部について、前記着色部材と高分子化合物から構成される場合の両者の割合については任意の割合で用いることができるが、通常、着色部材1.00に対して0.01以上、好ましくは0.2〜0.8(体積比率)の高分子化合物を必要としている。しかし、この場合についても、用いる着色部材の色の濃さ及び、必要としている表示特性等との関係で、必要に応じて任意の比率で用いることができる。
【0055】
一方、流動性着色物についても各種化合物の構成を適用することができるが、分散媒と着色物(分散粒子)との比率についても任意の割合で用いることができる。通常、分散媒1.00に対して着色物(分散粒子)0.01〜1.00(重量比)の範囲の任意の割合で用いることができるが、この範囲に限定されるものではない。
【0056】
本発明においては、前記の表示用材料を用いた電気泳動表示媒体や電気泳動表示装置が提供されるが、この場合の電気泳動表示媒体の形態としては、例えば、下記(1)(2)(3)に示す様なものが挙げられる。尚、本発明における基板とは、電極面を有するものと有しないものの両方を示している。
【0057】
(1)一対の基板のうち、少なくとも一方の基板が片面に電極を有しており、該電極面が本発明の表示用材料を介して他方の基板と対向配置することで形成された電気泳動表示媒体において少なくとも一方の基板が透明である電気泳動表示媒体(図1)。
【0058】
(2)片面に電極を有している透明又は不透明な基板の電極面側に本発明の表示用材料からなる層を形成した電気泳動表示媒体(図2)。
【0059】
(3)片面に電極を有している透明又は不透明な基板の電極面側に本発明の表示用材料からなる層を形成し、さらにその上にオーバーコート層を設けた電気泳動表示媒体(図3)。
【0060】
これらの電気泳動表示媒体については、情報記録部等の各種の機能を付加して用いることができる。
【0061】
本発明によれば、前記の電気泳動表示媒体と、該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記電気泳動表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記電気泳動表示媒体に電界を作用させることができ、かつ前記電気泳動表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有する電極アレイを装備している表示装置が提供される。
このような表示装置においては、電気泳動表示媒体の共通電極をアース電位とし、表示層の表面に電極アレイを密着させて、表示媒体との平面的位置関係を相対的に変えながら、画像信号に応じた電位を表示媒体の所定部に与えることができ、可視性表示が可能となる。
【0062】
また、本発明によれば、前記の電気泳動表示媒体と、当該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記電気泳動表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記電気泳動表示媒体表面に電荷を付与させることができ、かつ前記電気泳動表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有するイオン銃アレイを装備している表示装置が提供される。
このような表示装置においては、電気泳動表示媒体の共通電極をアース電位とし、表示層の表面にイオン銃アレイを近接させて、表示媒体との平面的位置関係を相対的に変えながら、画像信号に応じた電位を電気泳動表示媒体の所定部に与えることができ、可視性表示が可能となる。イオン銃により電気泳動表示媒体の表面に与えられた電荷は表示媒体を構成する材料の時定数で放電するため、それが粒子の移動時間(応答時間)より長い場合にはイオン銃の作用時間を応答時間より短くすることが可能となり、その結果、書き込み速度が速くなる。
【0063】
さらに、本発明によれば、前記の電気泳動表示媒体と、当該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記電気泳動表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は複数の信号電極と走査電極を装備し、その交差部に画像信号に応じて表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子を有し、それによって前記電気泳動表示媒体に画像を表示するように構成された表示装置が提供される。
このような構成では、2次元配列された電界印加手段がスイッチング素子を有するため、その作用により選択時にある部位に与えられた電荷は非選択時には電気泳動表示媒体を構成する材料の時定数で放電するため、それが粒子の移動時間(応答時間)より長い場合には選択時間を応答時間より短くすることが可能となり、その結果、書き込み速度が速くなる。
【0064】
さらにまた、本発明によれば、前記の画像信号に応じて表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子が、薄膜トランジスタである表示装置が提供される。
スイッチング素子としては、大面積の薄膜デバイスの作製が容易な薄膜トランジスタが好ましい。薄膜トランジスタは3端子素子であるためスイッチング性能が高く、中間調を伴うような場合にも鮮明な表示を得ることができる。なお、より書き込み速度を速くするために、蓄積コンデンサを等価回路的に電気泳動表示媒体と並列になるように設けることも可能である。
【0065】
本発明において、前記電気泳動表示媒体は各種用途に用いることができる。その一例を挙げると、本発明の電気泳動表示媒体で名刺やクレジットカードのような小型のガードの一部又は全ての部分を構成することで、情報を書き換えることが可能なカードが作製され、各種ポイントカードや会員カードとして使用できる。この様な携帯性に優れる小型のカードのサイズを大きくすることで、一般のオフィス等で使用されるディスプレイや記録紙(複写機、プリンター等の出力紙)の代わりに使用することができる可逆表示シートを作製することもできる。この様な可逆表示シートは、繰り返し使用することができるので、省資源、省エネルギーの観点からも優れた表示媒体である。一方、本発明の電気泳動表示媒体を家電製品をはじめとする各種物品に組み込むことで、従来の液晶モニターに代わり情報を提供することが可能となる。この場合には、視野角が広くコントラストも高く優れた表示を実現することができる。また、本発明の電気泳動表示媒体を各種の広告や看板などの用途で用いることも可能である。この場合にも全面を電気泳動表示媒体で構成することもできるが、ポスターなどの一部分に組み込むことで効果的な表示を実現することができる。
【0066】
尚、本発明の電気泳動表示媒体は、基板をはじめとする構成により媒体に可撓性を持たせることが可能であることから、前記のカード、シート、ディスプレイ、看板、広告をはじめとする各種用途において形状による制約を受けることがなく、非常に幅広い用途に対応することができる。
【0067】
次に、本発明の表示用材料の好ましい実施形態を図1から図3を参照して説明する。
基板1はガラス板かプラスチックフィルムからなり、片面に電極1’を有している。基板の厚さは約10μm〜5mm、好ましくは25〜200μmである。電極1’はマトリックス状にパターン化された又はパターン化されていない電極である。基板2は、ガラス板かプラスチックフィルムからなり、電極を有していない。この場合も基板の厚さは約10μm〜5mm、好ましくは25〜200μmである。一対の基板(基板1どうし又は、基板1と2)と本発明の組成物又は表示媒体3とで電気泳動表示媒体を形成しており(図1)、この場合には、少なくとも一方の基板が透明であれば良く、表示面として使用しない面については透明でも不透明であっても構わない。また、着色していてもよく、その着色色調を表示色の一部として利用することも可能である。
一方、一枚の基板で構成されている電気泳動表示媒体(図2、図3)において、基板1は不透明であっても透明であってもよい。また、着色していてもよく、その着色色調を表示色の一部として利用することも可能である。
電極1’は、透明な状態、不透明な状態、必要に応じて着色された状態で用いることができ、金属、ITO、SnO2、ZnO:Alなどの導電体薄膜からなり、スッパタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法などにより形成することができる。これらの電極1’は表示面として用いる側の基板に設けられている場合(基板1)には透明である必要があり、この場合には、ITO、SnO2、ZnO:Alなどの透明な材料から形成する。
【0068】
図1のものは、一対の基板(基板1どうし又は、基板1と2)によって形成された空間に、本発明の組成物又は表示媒体からなる層3を存在させて電気泳動表示媒体を作製したものである。
図2のものは、前記の基板1上に本発明の組成物又は表示媒体からなる層(記録層)3を形成したものである。
図3のものは、前記図2のものにオーバーコート層4を設けたものである。この場合のオーバーコート層を形成する材料としては、前記の連泡多孔性部材の壁部を形成する際に用いられる高分子化合物を用いることができる。オーバーコート層は、これらの前記の材料を溶解、分散、懸濁又は乳化する媒体、硬化剤、触媒及び/又は助触媒を加えた保護層材料組成物を、表示層上にワイヤーバーコート、ロールコート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又はグラビアコートなどの塗布方法、又はスパッタリング及び化学的気相法などの気相方法、さらには、高分子化合物の膜(フィルム)を直接貼り合わせる方法等によって形成する。オーバーコート層の厚さは、記録層3を保護する機能を有する範囲内で可能な限り薄いほうが望ましく、約0.1〜100μm、より好ましくは0.3〜30μmである。
【0069】
本発明による表示用材料の更に別の好ましい実施形態を図4により説明する。基板1(電極1’を有する)、本発明の表示用材料からなる記録層3及びオーバーコート層4は図3と同様である。印刷層10は、オーバーコート層面を表示面とする場合、オーバーコート層上の表示部分を除く少なくとも一部分に公知の方法により設けることができる。印刷保護層11はオーバーコート層4と同様な材料からなり、印刷層上及びオーバーコート層上にオーバーコート層や印刷層と同様な方法により設けることができる。非表示面には、磁気記録部12と集積回路メモリー13を少なくとも一部分の基板上に設け、その磁気記録部12、集積回路メモリー13及び基板上に第二保護層14を設ける。第二保護層14は、前記のオーバーコート層や印刷保護層を構成する材料と同様な材料から形成される。
【0070】
本発明による表示用材料の更に別の好ましい実施形態を図5により説明する。
基板1(電極1’を有する)、本発明の表示用材料からなる記録層3及びオーバーコート層4は図3と同様である。基板1上に透明な記録部15を設け、その透明な記録部15と基板上に第二保護層14を設ける。図5(b)に示すように、透明な記録部は格子状に設けることができる。形成される行xと列yの交差点(x、y)を読み出し専用の情報として固有化して、デジタル情報として利用することができる。このような表示媒体の場合、透明な基板1と透明な電極1’を用いることにより、オーバーコート層側(表示面)を表示面とすることも、透明記録部側を表示面(第二表示面)とすることも可能である。
【0071】
本発明による表示装置の実施形態を図6により説明する。
図6において、20は電気泳動表示媒体、21は電極アレイ、22は書き込み基板、23は電極棒、24はスイッチング回路、25は電源回路、26は送り機構である。
【0072】
本発明による表示装置のさらに別の実施形態を図7により説明する。
図7において、30は電気泳動表示媒体、31はイオン銃アレイ、32はコロナワイヤ、33は放電フレーム、34a,34bは制御電極、35はアパーチャー、36はコロナイオン発生用高圧電源、37はイオン流制御用電源、38は送り機構である。
【0073】
【実施例】
次に実施例により本発明を詳しく説明する。
評価用のサンプル調製方法、評価方法について下記方法1から5に示す。
<方法1:表示用材料の作製>
PMMA(ポリメチルメタクリレート)粒子(粒子径30μm)1.00g、多孔性部材の壁部を構成する着色部材(種類、添加量は別途記載)、ポリビニルアルコール(ケン化価98%、重合度1700、添加量は別途記載)からなる分散液(全固形分が30wt%となるように水を添加)を調製した。この塗工液をITO付ガラス基板のITO面にヨシミツ精機(株)製YBA型ベーカーアプリケーターを用いて塗工し、ホットプレート上(約50℃)で乾燥した。約100μmのギャップで3回重ねて塗工することで、約100μmの塗工層が形成された。次いで、塗工層を設けたITO付ガラス基板を溶媒(PMMA粒子のみを溶解する溶媒中に浸漬し、超音波照射を行い厚さ約100μmの多孔性部材の層を形成した(図8/連泡多孔性部材のSEM写真参照)。この多孔性部材中に存在している空孔部(空隙部)に下記手順(方法2・3)に従って流動性着色物を充填して本発明の表示用材料を作製し、さらに、これを用いて電気泳動表示媒体を作製した。
【0074】
<方法2:流動性着色物の調製>
(1)流動性着色物A(黒色低次酸化チタン分散液の調製)
分散媒(フェニルキシリルエタン:日本石油化学製 ハイゾールSAS−296)10mlに界面活性剤(ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー:旭電化工業製 WS−100)1.0gを溶解させ、黒色低次酸化チタン(チタンブラック)のチタネート系カップリング剤処理品(赤穂化成製TilackDチタン表面処理品/一次粒子径0.03μm)0.1gを加えた混合液にジルコニアビーズを用いてボールミル分散を行って黒色低次酸化チタン分散液(流動性着色物A)を得た。
【0075】
(2)流動性着色物B(青色染料溶液−二酸化チタン分散液の調製)
分散媒(ドシルベンゼン:東京化成製)10mlにオレイン酸0.5g、青色染料(バイエル社製 マクロレックスブルーRR)0.065gを溶解した溶液に二酸化チタン(石原産業製 CR−50−2)1.5gを添加した混合液にジルコニアビーズを用いてボールミル分散を行って染料−顔料系の分散液(流動性着色物B)を得た。
【0076】
(3)流動性着色物C(染料溶液エマルションの調製)
ジメチルホルムアミド(DMF)50μlに染料[東京化成製 アシッドブラック1=8−amino−7−(3−nitrophenylazo)−2−phenylazo−1−naphthol]0.08gを溶解し、ついでbis(2−ethylhexyl)sodium sulfosuccinate 0.1gと dumethyl−dioctadecylammonium bromide 0.14gを加えて超音波照射を行った。得られた溶液をキシレン中に希釈して青染料溶液のエマルション(流動性着色物C)を得た。
【0077】
<方法3:電気泳動表示媒体の作製>
(1)表示媒体I(ITOガラス基板サンドイッチ型)
方法1において作製した本発明の組成物(表示媒体)層付のITO付ガラス基板と別のITO付ガラス基板を重ね合わせて周囲4辺のうちの対向する2辺を接着剤で封止してガラスセルを作製した。この時、重ね合わせる向きは、ITO面どうしで本発明の組成物(表示媒体)を挟むようにする。方法2にて調製した流動性着色物(表示液)に上記ガラスセルの開口部の1面を浸漬した状態で、減圧による脱気を行い流動性着色物(表示液)を連泡部(空隙部)に充填し、周囲を接着剤で封止して電気泳動表示媒体を作製した。
【0078】
(2)表示媒体II(PVAオーバーコート型)
方法1において作製した本発明の組成物(表示媒体)層付のITO付ガラス基板を方法2にて調製した流動性着色物(表示液)に浸漬した状態で、減圧による脱気を行い流動性着色物(表示液)を連泡部(空隙部)に充填した。次いで、ポリビニルアルコール(PVA)の保護層(オーバーコート層)を形成して流動性着色物が染み出さないようにして電気泳動表示媒体を作製した。尚、保護層(オーバーコート層)は、下記▲1▼または▲2▼の手順に従って形成された。(1)ガラス面にPVA水溶液を塗布し乾燥後にPVA膜を剥がして、前記組成物(表示媒体)上に貼り合わせた。(2)前記組成物(表示媒体)上にPVA水溶液を塗布乾燥した。
【0079】
<方法4:表示特性評価(反射率及びコントラストの測定)>
上記方法1から3に従って作製した電気泳動表示媒体を直流電源に接続し電界方向を切り替えて電圧を印加することで、分散材料の移動に伴う表示を得ることができる。電圧の印加については、前記表示媒体I(ITOガラス基板サンドイッチ型)では、2枚のITO面に直接印加した。一方、前記表示媒体II(PVAオーバーコート型)では、対向電極を保護層(オーバーコート層)面に押しあてて電圧を印加した。
各々の表示色について大塚電子製 Photal MCPD−1000を用いて反射率測定を行った。測定は、可視領域にて、45°照射−0°受光で行い、電気泳動表示媒体と同じ条件下にて測定した標準白色板の反射率を100%とした場合の値である。更に、両表示色の反射率の比をコントラストとして求めた。
【0080】
実施例1
方法1にて作製した本発明の多孔性部材、方法2の流動性着色物Aを用いて方法3に従って表示媒体I(ITOガラスサンドイッチ型)を作製し方法4の手順で表示特性評価を実施した。但し、方法1にて用いる塗工液調合に用いる連泡多孔性部材の壁部を構成する着色部材とPVAの種類、添加量は以下の通りである。連泡多孔性部材の壁部を構成する着色部材としてSX866A[架橋型スチレン−アクリル系中空粒子(JSR製中空粒子SX866A/一次粒子径0.3μm、スプレードライ品)]0.12g。ポリビニルアルコールの添加量0.04g
地肌反射率:30%、コントラスト:2.2
【0081】
実施例2
方法1にて作製した本発明の連泡多孔性部材、方法2の流動性着色物Aを用いて方法3に従って表示媒体I(ITOガラスサンドイッチ型)を作製し方法4の手順で表示特性評価を実施した。但し、方法1にて用いる塗工液調合に用いる連泡多孔性部材の壁部を構成する着色部材とPVAの種類、添加量は以下の通りである。連泡多孔性部材の壁部を構成する着色部材として二酸化チタンCR−50−2(石原産業製 疎水性タイプ/一次粒子径0.3μm)0.48g
ポリビニルアルコールの添加量0.04g、地肌反射率:35%、コントラスト:3.0
【0082】
実施例3
方法3において表示媒体II(PVAオーバーコート型)を作製した以外は実施例2と同様にして表示媒体を作製し、評価を実施した。
地肌反射率:35%、ントラスト:2.7
【0083】
実施例4
方法2において流動性着色物Bを用いた以外は実施例2と同様にして表示媒体を作製し、評価を実施した。
地肌反射率:28%、コントラスト:2.5
【0084】
実施例5
方法3において表示媒体II(PVAオーバーコート型)を作製した以外は実施例4と同様にして表示媒体を作製し、評価を実施した。
地肌反射率:25%、コントラスト:2.3
【0085】
実施例6
方法2において流動性着色物Cを用いた以外は、実施例2と同様にして表示媒体を作製し、評価を実施した。
地肌反射率:26%、コントラスト:2.5
【0086】
比較例1
方法2における流動性着色物Bを用いて下記手順によりガラスセル型の電気泳動表示媒体を作製した。
片面に電極を設けた基板として、片面に透明導電膜(ITO膜)を形成したガラス基板を用い、このガラス基板を一対、スペーサーを介して対向配置させ、約70μm厚の空間を有するセルを作製した。その空間に上記分散液Bを注入後、両ガラス板をエポキシ樹脂系接着剤で封止することにより電気泳動表示媒体を作製し、表示特性評価を実施した。
地肌反射率:20%、コントラスト:1.8
【0087】
比較例2
方法2における流動性着色物Bを用いて下記手順によりマイクロカプセル型の電気泳動表示媒体を作製した。ゼラチン水溶液とアラビアゴム水溶液を混合して、50℃に昇温し水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。この中に上記流動性着色物Bを加え、攪拌して乳化した。さらにpHを4まで徐々に下げて流動性着色物界面にゼラチン/アラビアゴムの濃厚液を析出させた後、温度を下げて皮膜をゲル化し、グルタールアルデヒド水溶液を加えて硬化した。このようにしてゼラチンを壁材とするマイクロカプセルのスラリーを得た。カプセル粒子径は約50μmとなるように乳化条件を調整した。
上記手順にて調製したマイクロカプセル20gと10%ポリビニルアルコール水溶液80gを混合して分散液を調製した。この分散液(塗布液)をギャップ250μmのアプリケーターを用いてITO膜付きポリカーボネート基板に塗布、乾燥してカプセル塗膜を形成し電気泳動表示媒体を作製し、表示特性評価を実施した。
地肌反射率:15%、コントラスト:1.2
【0088】
比較例3
下記手順により調製した壁部に着色部材を含有しない多孔性部材に方法2における流動性着色物Bを充填し表示媒体I(ITOガラスサンドイッチ型)を作製した。
PMMA粒子(粒子径30μm)1.00g、ポリビニルアルコール(ケン化価98%、重合度1700)0.16gからなる分散液(全固形分が30wt%となるように水を添加)を調製した。この塗工液をITO付ガラス基板のITO面にヨシミツ精機(株)製YBA型ベーカーアプリケーターを用いて塗工し、ホットプレート上(約50℃)で乾燥した。約100μmのギャップで3回重ねて塗工することで、約100μmの塗工層が形成された。次いで、塗工層を設けたITO付ガラス基板を溶媒(PMMA粒子のみを溶解する溶媒中に浸漬し、超音波照射を行い厚さ約100μmの多孔性部材(壁部に着色部材を含有しない)の層を形成した。
得られた表示媒体Iに対して方法4の手順で表示特性評価を実施した。
地肌反射率:18%、コントラスト:1.1
【0089】
【発明の効果】
本発明の組成物又は表示媒体を用いた電気泳動表示媒体は、多孔性部材の有する色調発現機能の効果により良好な地肌表示を実現することが可能となっている。特に地肌部が白色表示を行う場合には、その反射率は従来の多孔質マトリックスに比べて高い値となっており、更に表示部とのコントラスト(反射率比)も高い値を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示用材料の一例についての断面図を示す。
【図2】本発明の表示用材料の一例についての断面図を示す。
【図3】本発明の表示用材料の一例についての断面図を示す。
【図4】本発明の表示装置の一例についての説明図を示す。
【図5】本発明の表示装置の一例についての説明図を示す。
【図6】本発明の表示装置の一例についての説明図を示す。
【図7】本発明の表示装置の一例についての説明図を示す。
【図8】本発明の多孔性部材の多孔状態を観察したSEM写真を示す。
【符号の説明】
1 基板(電極付)
1’ 電極
2 基板(電極なし)
3 本発明の組成物(表示媒体)
4 保護層(オーバーコート層)
10 印刷層
11 印刷保護層
12 磁気記録部
13 集積回路メモリー
14 第二保護層
15 透明な記録部
20 電気泳動表示媒体
21 電極アレイ
22 書き込み基板
23 電極棒
24 スイッチング回路
25 電源回路
26 送り機構
30 電気泳動表示媒体
31 イオン銃アレイ
32 コロナワイヤ
33 放電フレーム
34a 制御電極
34b 制御電極
35 アパーチャー
36 コロナイオン発生用高圧電源
37 イオン流制御用電源
38 送り機構

Claims (37)

  1. 周壁部により包囲された空孔を有する多孔性部材と、該空孔内に充填された流動性着色物とからなり、該多孔性部材は1つの色調を有し、該色調と該流動性着色物の色調とが異なり、該壁部は、高分子化合物と着色部材とからなることを特徴とする表示用材料。
  2. 該着色部材が、高分子化合物中に分散している請求項に記載の表示用材料。
  3. 該壁部の色調が白色である請求項1または2に記載の表示用材料。
  4. 該着色部材が、無機材料の粒子からなる請求項1乃至3のいずれか1に記載の表示用材料。
  5. 該着色部材が、二酸化チタンである請求項に記載の表示用材料。
  6. 該着色部材が、内部に空隙を有する粒子である請求項1乃至5のいずれか1に記載の表示用材料。
  7. 該着色部材が中空ポリマー粒子である請求項に記載の表示用材料。
  8. 該空孔が、直径3〜500μmの球形状の空孔がつながった形状である請求項1乃至7のいずれか1に記載の表示用材料。
  9. 該流動性着色物が、電界の作用により移動可能な成分を含有している請求項1乃至8のいずれか1に記載の表示用材料。
  10. 該電界の作用により移動可能な成分が、黒色低次酸化チタンである請求項に記載の表示用材料。
  11. 請求項又は10に記載の表示用材料を含む表示装置を用い、該表示用材料に電界を印加して、該表示用材料中に含まれる該流動性着色物を該電界の作用により移動させることを特徴とする表示方法。
  12. 対向配置された一対の基板間に請求項又は10に記載の表示用材料を介在させた構造を有し、該一対の基板のうちの少なくとも1つの基板には電極が配設され、かつ該一対の基板のうちの少なくとも1つの基板が透明であることを特徴とする電気泳動表示媒体。
  13. 該表示用材料の少なくとも一方の面に、オーバーコート層を設けた請求項12に記載の電気泳動表示媒体。
  14. 該オーバーコート層が、熱硬化性樹脂及び/又は活性エネルギー線硬化樹脂からなる請求項13に記載の電気泳動表示媒体。
  15. 前記電気泳動表示媒体の少なくとも一部分に印刷層を設けた請求項12乃至14のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体。
  16. 前記印刷層上に印刷保護層を設けた請求項15に記載の電気泳動表示媒体。
  17. 電界の印加・制御により画像の形成と消去が可能な表示部と、情報記録部とを有する請求項12乃至16のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体。
  18. 該情報記録部が、磁気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが可能な記録部である請求項17に記載の電気泳動表示媒体。
  19. 該情報記録部が、集積回路メモリー又は光メモリーである請求項17に記載の電気泳動表示媒体。
  20. 該情報記録部が、光の作用により情報記録の読み出しが可能な記録部である請求項17に記載の電気泳動表示媒体。
  21. 該情報記録部の情報が、表示媒体の表裏の判別を示す情報及び、/又は表示媒体の位置を示す情報である請求項17乃至20のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体。
  22. 請求項12乃至22のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体を用い、該電極を介して電界を該表示用材料に印加して、該表示用材料中に含まれる該流動性着色物を該電界の作用により移動させることを特徴とする表示方法。
  23. 該電界の印加を停止した後においても、表示された表示状態を継続保持する請求項22に記載の表示方法。
  24. 請求項22に記載の表示方法で表示した後、該電界とは逆の電界を印加して該表示状態を消去することを特徴とする消去方法。
  25. 請求項25の消去方法で表示を消去した後、請求項22の表示方法で再び表示することを特徴とする再表示方法。
  26. 請求項12乃至21のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体と、該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、該電気泳動表示媒体と該書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、該書き込み装置は画像信号に応じて該電気泳動表示媒体に電界を作用させることができ、かつ該電気泳動表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有する電極アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
  27. 請求項12乃至21のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体と、該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、該電気泳動表示媒体と該書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、該書き込み装置は画像信号に応じて該電気泳動表示媒体表面に電荷を付与させることができ、かつ該電気泳動表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有するイオン銃アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
  28. 請求項12乃至21のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体と、該電気泳動表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、該電気泳動表示媒体と該書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、該書き込み装置は複数の信号電極と走査電極を装備し、その交差部に画像信号に応じて電気泳動表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子を有し、それによって該電気泳動表示媒体に画像を表示するように構成されたことを特徴とする表示装置。
  29. 該画像信号に応じて該電気泳動表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子が、薄膜トランジスタである請求項28に記載の表示装置。
  30. 請求項12乃至21のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成の少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆表示カード。
  31. 可撓性を有する請求項30に記載の可逆表示カード。
  32. 請求項12乃至21のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆記録シート。
  33. 可撓性を有する請求項32に記載の可逆記録シート。
  34. 請求項12乃至21のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成の少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆表示ディスプレイ。
  35. 可撓性を有する請求項34に記載の可逆表示ディスプレイ。
  36. 請求項12乃至21のいずれか1に記載の電気泳動表示媒体が構成の少なくとも一部を占めることを特徴とする可逆表示型看板。
  37. 可撓性を有する請求項36に記載の可逆表示型看板。
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