JP4390743B2 - 味噌風調味食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は生米と大豆を主な原料として味噌風調味食品を製造する方法に関するものである。
味噌は、日常最もよく使用される調味食品の一種であり、米麹を原料とする米味噌、麦麹を原料とする麦味噌、大豆麹を原料とする豆味噌等が広く知られており、醸造法によって「なめ味噌」と称される味噌風調味食品も製造されている(たとえば、下記非特許文献1参照)。
ところが、米麹、麦麹、大豆麹等は、いずれも、その製造が煩雑であり、かつ麹菌を含むため、熟成時には麹菌が活性となるよう温度・湿度などの厳格な管理が必要である。
また、米麹を使用すると、麹菌中のチロシナーゼによる褐変およびアミノカルボニル反応が生じ、茶褐色になるため、色のよい味噌が得られないという問題もある。
筒井知巳編「食べものと健康 III 食品加工及び実習」104−107頁(平成14年6月25日、樹林房発行)
本発明の主な目的は、米麹を使用することなく、色調のよい味噌風調味食品を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究の結果、生米と大豆とを主原料とし、酵素を使用して熟成させることにより、色調の良好な味噌風調味食品を開発することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、生米と大豆を食塩および酵素製剤の存在下で熟成させることを特徴とする味噌風調味食品の製造法に係るものである。
したがって、本発明には、以下の各方法が包含される。
(1)生米と大豆とを、食塩と酵素製剤の存在下で熟成させることを特徴とする味噌風調味食品の製造方法。
(2)酵素製剤として、少なくともアミラーゼとプロテアーゼとを含む酵素製剤を使用することを特徴とする上記(1)の味噌風調味食品の製造方法。
(3)酵素製剤として、アミラーゼとプロテアーゼとα−グルコシターゼとを含む酵素製剤を使用することを特徴とする上記(2)に記載の味噌風調味食品の製造方法。
(4)生米として、生のまま粉砕および洗浄したものを使用する特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
(5)大豆として、蒸煮したものを使用することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
(6)熟成開始時の生米と煮た大豆との割合を、生米/大豆の重量比にして1/10〜5/1、好ましくは1/3〜3/1、とすることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
(7)蒸煮した大豆をすりつぶした後、生米と食塩とを配合し、さらに酵素製剤を配合することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
本発明の方法においては、原料として生米を使用する。ここで言う生米とは、精米したままあるいはこれを洗浄した状態の米であって、アルファ化していないものを言う。本発明の方法では、通常、このような生米を砕いて細かい粒子状にして使用する。これに対し、煮たり蒸したりした米を使用すると、本発明で目的とする高品質の味噌風調味食品が得られない。
もう一方の原料として大豆を使用するが、大豆は蒸煮したものを使用するのが好ましい。大豆は、蒸煮後、必要に応じて、すり潰して使用する。
これらの原料の割合は、生米/大豆(乾燥状態)の重量割合にして、1/10〜5/1の範囲内にするのが適当であり、なかでも1/3〜3/1の範囲内が好適である。食塩の量は、熟成中の組成物における食塩の濃度が常に5〜35(重量)%、好ましくは11〜13(重量)%となるように調整するのが適当である。
本発明方法により味噌風調味食品を製造するには、まず、蒸煮した大豆を容器に入れてすり潰し、これに粉砕した生米と食塩とを加えてよく混合し、さらに、酵素剤を加えて熟成させる。この際、生米と大豆とが互いに良く混じりあうよう十分攪拌するのが好ましい。混合物中に出来るだけ空気が含まないようにするのが好ましい。
使用する酵素製剤としては、アミラーゼ製剤(たとえば天野エンザイム社製「ビオザイムM」:最適条件:pH5.0、55℃、起源:Aspergillus oryzae)ならびにプロテアーゼ製剤(たとえば天野エンザイム社製「プロテアーゼA」:、最適条件:pH7.0、50℃、起源:Aspergillus oryzae)を必須成分とし、好ましくは、これらに対しさらにα−グルコシターゼ(たとえば天野エンザイム社製「α−グルコシターゼ」:、最適条件:pH5.0、50℃、起源:Aspergillus niger)を添加して使用する。
酵素製剤は、少なくともアミラーゼとプロテアーゼを使用するのが適当であるが、各酵素製剤の量は、通常、大豆の量に依存し、それぞれ大豆重量の約0.1(重量)%〜10(重量)%(大豆100g当り1,000〜100,000units)が使用される。なかでも0.2(重量)%〜5(重量)%(大豆100g当り2,000〜50,000units)の範囲内が好ましい。
本発明の方法では、熟成の温度は、30℃〜40℃に保持するのが好ましい。このようにして約3〜5週間熟成させると、ほぼ固形に近い味噌風調味食品が出来上がる。
以上のごとき本発明方法によれば、生米を利用して、麹を使用することなく、良好な食味と色調を有する味噌風調味食品を製造することが可能となる。従来、米麹を使用して味噌を製造することは知られているが、米麹を使用すると味噌の色が濃い茶褐色となり、色調が良好な味噌が得られない。しかも、味噌の保存中により濃色に変化する。これに対して本発明の方法では山吹色の淡色の味噌風調味食品が得られ、この味噌風調味食品は保存中に色がほとんど変化しない。
また、麹菌を含まないため保存性がよく、従来の麹を使用した味噌のように保存性をよくするためにアルコールを添加する必要がない。
発明を実施する最良の形態
以下に、本発明方法の実施例および比較例を詳述する。ただし、本発明はこれらの実施例によってその範囲が限定されるものではない。なお、実施例に記載の%は、特に断らない限り重量%を意味する。
それぞれ、容器に、
生米:1kgを洗浄・粉砕したもの
大豆:1kgを蒸煮後にすり潰したもの
食塩:200g
を入れてよくかき混ぜた後、これに下記の酵素製剤を混合し、当初10℃で熟成を開始し、数日後30℃に昇温して熟成させた。
(1)アミラーゼ製剤(商品名「ビオザイムA」 2.5g(90,000units/g)
(2)プロテアーゼ製剤(商品名「プロテアーゼA」) 2.5g(20,000units/g)
(3)α−グルコシターゼ(商品名「α−グルコシターゼ」) 2.5g(60,000units/g)
なお、ここで使用した酵素製剤の詳細は、いずれも市販のもので、詳細は以下のとおりである。
「ビオザイムA」天野エンザイム社製、最適条件:pH5.0、55℃、起源:Aspergillus oryzae
「プロテアーゼA」天野エンザイム社製、最適条件:pH7.0、50℃、起源:Aspergillus oryzae
「α−グルコシターゼ」天野エンザイム社製、最適条件:pH5.0、50℃、起源:Aspergillus niger
そして、35℃で4か月間熟成させて得た試料1〜3の味噌風調味食品の一般分析を行った。また、比較のため、市販の淡色味噌および白味噌(減塩タイプ)についても一般分析を行った。これらの結果は、以下の表1に示すとおりであった、
Figure 0004390743
また、試料1〜3のほかに、比較例(試料4)として、蒸煮した大豆760gを用い、食塩228gを入れ、米麹を加えて、35℃で4か月熟成させて味噌を製造した。
以上の各方法で得られた味噌(試料1〜4)について、男女計30名による官能試験(食味テスト)を実施した。テストは固形の味噌をそのまま食することで評価した。その結果は以下の表2に示すとおりであった。
Figure 0004390743
生米を用いた味噌(試料1,2)は、色が淡く、むらのないきれいな淡色となった。このきれいな淡色は保存期間が経過してもほとんど変化が見られなかった。これに対し、米麹を用いた味噌(試料4)は色が褐色であり、保存期間の経過によってより濃色に変化した。
また、生米を用いた味噌(試料1,2)は甘味がちょうどよく、しつこさがない、深みのある味であった。蒸米を用いた味噌(試料3)と米麹を用いた味噌(試料4)は、色、香り、味とも低い評価となった。
また、市販品との比較でも、生米を用いた味噌(試料1,2)は全般的に市販品に比べて良いという評価が多かった。
産業上の利用分野
本発明の方法によれば、生米を使用して良好な味噌風調味食品が製造できるので、本発明は食品工業にとって非常に有用である。

Claims (7)

  1. 生米と大豆とを食塩および酵素製剤の存在下で熟成させることを特徴とする味噌風調味食品の製造方法。
  2. 酵素製剤として、少なくともアミラーゼおよびプロテアーゼを含む酵素製剤を使用することを特徴とする請求項1に記載の味噌風調味食品の製造方法。
  3. 酵素製剤として、アミラーゼ、プロテアーゼおよびα−グルコシターゼを含む酵素製剤を使用することを特徴とする請求項2に記載の味噌風調味食品の製造方法。
  4. 生米として、生のまま粉砕および洗浄したものを使用する特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
  5. 大豆として、蒸煮したものを使用することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
  6. 熟成開始時の生米と煮た大豆との割合を、生米/大豆の重量比にして1/10〜5/1とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
  7. 蒸煮した大豆をすりつぶした後、生米と食塩とを配合し、さらに酵素製剤を配合することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の味噌風調味食品の製造方法。
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