JP4389202B2 - 感光性導電ペースト - Google Patents

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本発明は、感光性導電ペーストに関する。
近年、電子機器の小型化や高速信号化に伴い、当該電子機器に備えられる基板や部品等へ形成される導電パターンに対しても、その高密度化、高精細化、高信頼性等の要求がますます高まっており、より一層の導電パターン加工技術の向上が求められている。
こうした電子機器の一例として、プラズマディスプレイパネル(PDP)がある。PDPは、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、壁掛けテレビ等の薄型高品位フルカラー表示装置としても主流に成り得るものとして期待されている。
PDPのパネル構造は、典型的には、前面ガラス基板と背面ガラス基板とを一定の空間を隔てて対向させ、この空間内に基板上に設けられるリブ(ガラス隔壁)によって複数のセルが形成され、このセル内に蛍光体が塗布される。一方、基板上には透明電極、バス電極、アドレス電極といった電極が配され、これらの電極間に適宜の電圧を印加することにより、所望のセル内にプラズマ放電を発生させ、各セル内に封入されているNe、Xe等の放電ガスの放電により生じる紫外線によって当該セル内の蛍光体が励起され、3原色の可視光を発生させるようになっている。
従来、こうしたバス電極やアドレス電極を得るには、有機バインダーにAgなどの金属粉末やガラスフリット等を分散、混練した導電ペーストを、電極に対応するパターンを備える印刷マスクを用いてガラス基板上に印刷し、その後の焼成工程において有機バインダーを飛散させる所謂スクリーン印刷法が知られている。しかしながら、スクリーン印刷法ではマスクパターン精度、ペーストの粘性、印刷速度、分散性などの最適化を図っても、工業的に安定して導電パターンの幅を100μm以下に細くするということができず、作成可能なファインパターンには限界があった。また、スクリーン印刷による方法では、印刷マスクの精度は、マスク製版の精度に依存するので、印刷マスクが大きくなるとマスクパターンの寸法誤差が大きくなってしまう。このため30インチ以上の大面積のPDPの場合に、高精細のPDPの生産はますます技術的に困難となっている。
そこで、スクリーン印刷法よりも精細な導電パターンを得る方法として、感光性の樹脂組成物に金属粉末を混合した感光性導電ペーストを用いて導電パターンを生成する所謂フォトリソグラフィ法が知られている(特許文献1,2)。
すなわち、フォトリソグラフィ法においては、ガラス基板上に感光性導電ペーストを塗布乾燥した後、形成すべき所定の導電パターンに対応するフォトマスクを介して光を照射し、塗膜の露光部分を硬化させ、現像液で現像して塗膜の非露光部分を除去した後、高温で焼成することにより導電パターンを作成する。このフォトリソグラフィ法によれば、スクリーン印刷法に比べて高精細な導電パターンを得ることができる。
特開平8-227153号公報
特開2000-199954号公報
高導電性の導電パターンを得るためには、ペースト中の金属粉末の含有比率を高くする必要がある。ところが、前記のフォトリソグラフィ法の場合には、ペースト中の金属粉末の含有比率を上げると、塗膜の厚み方向への照射光の透過率が低くなるというジレンマがある。
すなわち、高導電性にするためにペースト中の金属粉末の含有比率を上げると、露光工程においてその金属粉末により塗膜の内部(深部)にまで十分な露光が行われにくくなり、その結果、膜厚方向の内部での硬化が不十分な部分が残ったまま現像が行われ、その結果、焼成後の導電パターンに欠けが生じたり、断線や亀裂等の構造欠陥が数多く生じて導電性及びファインライン性が共に悪くなるという問題が発生する。
そこで塗膜内部を十分に硬化させるため、照射光を長時間照射すると、今度は反応で生成したラジカルや活性種の拡散が進んでしまい、導電パターンの解像度を下げる原因となっていた。
これらの問題を解決すべく、例えば上述の特許文献1,2に記載された発明にあっては、感光性導電ペースト内に紫外線吸収剤を含有させたり、感光性の樹脂組成を調製したり、従来から様々な工夫が行われてきてはいるが、未だ十分な解決には至っていない。
上述のように、導電パターンの高精細化に対する要求は高まる一方であり、昨今では、最小線幅20μm以下、最小線間隔が60μm以下のファインラインが求められるようになってきているが、その一方で、導電パターンの高導電性は達成しなければならない。
そこで、本発明は、活性光に対する硬化性に優れ、高精細ながらも、低抵抗な導電パターンを得るのに好適な感光性導電ペーストを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、少なくとも金属粉末と感光性有機成分を含有する感光性導電ペースト及びこの感光性導電ペーストに用いられる金属粉末に関し、この金属粉末は、Ag粉末、Agを主とした合金粉末、又は、その表面にAg若しくはAg合金を被覆した粉末から選択される何れか1種以上であって、JIS規格Z8722に従い測定されるL***表色系の明度L*(以下単に「明度L*」と称する)が60以上であり、且つ、平均粒径が5μm以下であることを特徴とする。
また前記金属粉末は、明度L*が60以上の第1の金属粉末と、明度L*が60未満の第2の金属粉末を混合したものであっても良く、この場合、第2の金属粉末の明度L*は40以上であることが好ましく、更には、第1及び第2の金属粉末の総量に対する第2の金属粉末の含有比率が30重量%(wt%)以下であることが好ましい。
更に好ましくは、金属粉末の明度L*は70以上である。
本発明によれば、フォトリソグラフィ技術を用いて導電パターンを形成する材料としての感光性導電ペーストにおいて、ペースト中の導電成分としての金属粉末の特性の最適化を目指した結果、活性光に対する硬化性に優れ、高精細で高導電性の導電パターンを効率よく形成できる感光性導電ペーストが得られたものである。
より詳細には、本発明に係る金属粉末は、Ag粉末、Agを主とした合金粉末、又は、その表面にAg若しくはAg合金を被覆した粉末から選択される何れか1種以上であって、JIS規格Z8722に従い測定されるL***表色系の明度L*が60以上で、且つ、平均粒径が5μm以下であり、この条件を満たす金属粉末を感光性導電ペースト中の導電成分として用いることにより光硬化性が向上し、その結果として、例えば当該条件範囲外の金属粉末を用いる感光性導電ペーストと比べた場合に同じ感光性有機成分や添加物を用いても2/3〜1/20程度の活性光照射量で光硬化させることができる。
それ故、従来の感光性導電ペーストと比べ、露光時間を大幅に短縮でき、ラジカル拡散を抑えることができるため、解像度の高い導電パターンを形成することが可能となった。
また、本発明に係る感光性導電ペーストは、露光工程において塗膜の内部にまで十分硬化されるため、焼成後の導電パターンに欠けが生じて断線や亀裂等の構造欠陥が発生するといった問題がないため、精細且つ導電性の優れた導電パターンを形成することが可能となった。
更に、本発明に係る感光性導電ペーストは、露光時の硬化性に優れるため、従来よりも金属粉末の含有量を多くすることも可能であり、その結果、緻密で高導電性の導電パターンを得ることができるようになる。
また、本発明に用いられる金属粉末として、明度L*が60以上の第1の金属粉末と、明度L*が40以上60未満の第2の金属粉末を混合した場合には、上述した効果に加え、抵抗値や塗膜特性、焼成膜特性、ハンダ付性、等々といった導電パターンの特性をコントロールしやすくなり、導電ペーストの設計自由度を高めることも可能となる。
〔(1)金属粉末〕
本発明において使用される金属粉末は、導電性を有するものであり、例えば、Ag、Au、Pt、Pd、Cu、Ni、Alから選ばれる金属粉末又はこれらの金属を含む合金粉末であっても良い。また、金属や非金属の粉末表面に他の金属を被覆した被覆複合金属粉末であっても良く、更にはこれらの金属粉末の2種以上の混合粉であっても良い。
本発明において金属粉末としては、Ag、又はAgを主成分とする合金、若しくは、Ag又はAg合金の被覆金属粉が必須成分として用いられる。
また、金属粉末としては、上述したAg以外の金属粉末に対し、その表面にAg又はAg合金を被覆したものであっても良い。Agの被覆方法としては、粉末の明度L*が60以上という条件を満たす限り、従来公知の方法を用いることが可能である。本発明に係る金属粉末は、その明度L*はいずれも60以上である。
本発明では、明度L*が60以上の金属粉末(以下、第1の金属粉末)と、明度L*が60未満の金属粉末(第2の金属粉末)とを混合したものを用いても良い。
第1の金属粉末のみを単独で用いる場合と比べ、第2の金属粉末を混合させた方が、得られる導電パターンの特性、例えば、抵抗値や塗膜特性、焼成膜特性、ハンダ付性、等々に関してコントロールしやすくなり、導電ペーストとしての設計自由度が高まる。
なお、第2の金属粉末として明度L*が40よりも小さい金属粉末を使用することも可能ではあるが、その場合、金属粉末全体の明度L*を60以上にするために第1の金属粉末の含有比率を高くしなければならなくなり、混合粉とする効果が薄れる。その為、混合粉とする場合には、第2の金属粉末としては明度L*が40以上60未満のものを用いることが好ましい。
なお、金属粉末全体に対する第2の金属粉末の比率が高くなると、金属粉末全体の明度L*が低くなって露光硬化しにくくなる他、焼成後のパターン精度が低下したり、比抵抗が高くなる場合がある。それ故、第1と第2の金属粉末を混合する場合には、第2の金属粉末が第1と第2の金属粉末の合計量の30重量%以下であることが望ましい。
本発明において、金属粉末の明度L*は、更に好ましくは70以上である。
本発明において、金属粉末の明度L*は、高ければ高いほど好ましい。金属粉末の明度L*を高くするためには、金属粉末の平均粒径は大きい方が有利であるが、本発明においては、金属粉末の平均粒径は5μm以下でなければならない。平均粒径が5μmを越えると印刷後の導電パターンの表面が粗くなり、パターン精度や寸法精度が低下する。
また、金属粉末の平均粒径は0.1μm以上であることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満になると、凝集しやすくなるため、ペースト中での分散性や安定性が低下し、更にペーストとして保存中に参加が進行しやすくなり、ペーストの保存性も低下する他、粒子内や粒子間で照射光の複雑な反射を繰り返して反射率が小さくなるため、明度L*も低下する。
本発明に係る金属粉末の好ましい平均粒径は0.1μm以上5μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上3μm以下、更に好ましくは1μm以上2μm以下である。
金属粉末の形状としては、フレーク状や樹枝形状のものも使用できるが、本発明においては、凝集無く、表面の平滑な球状粒子であることが望ましい。
こうした金属粉末は気相法や液相化学還元法によっても製造することは可能であるが、特公昭63-31522号公報等に記載されているような噴霧熱分解法や、もしくは、本出願人が先に出願した特願2001-108533(特開2002-20809号公報)や特願2002-264750に記載されている製造方法により製造されたものであることが特に好ましい。
特願2001-108533や特願2002-264750には、熱分解性の金属化合物粉末の1種又は2種以上を、キャリアガスを用いて反応容器に供給し、該金属化合物粉末を気相中に分散させた状態で、その分解温度より高く、且つ、該金属の融点をTm℃としたときに(Tm−200)℃以上の温度で加熱し、金属化合物粉末を熱分解させて金属粉末を製造する、金属粉末の製造方法が記載されている。
これらの製造方法で製造される金属粉末は、「極めて粒度分布が狭く、凝集のない球状の一次粒子である。」「表面が平滑で、高密度、高分散性である。」「結晶性が良好で粒子内部に欠陥が少なく、微粉末であるにも関わらず金属表面の活性が低いため酸化されにくく、それ故、ペーストとして保存中にも酸化されにくく、明度が劣化しない。」といった特徴を備える。
それ故、これらの製造方法によれば、小粒径の球状粉で凝集がなく、しかも、明度L*が60以上、特に70以上の金属粉末を容易に得ることができるため、当該製造方法により得られる金属粉末は、本発明において特に好適に用いることができる。
〔(2)感光性有機成分、添加剤等〕
本発明に係る感光性導電ペーストに用いられる感光性有機成分は、特に限定されることはなく、従来から感光性導電ペーストにおいて用いられてきた公知の光重合性または光変性化合物を用いることができ、例えば感光性のモノマー又はポリマーやオリゴマー等で構成される。
感光性モノマーの一例としては、不飽和基などの反応性官能基を有する光ラジカル重合性モノマーを含むものを用いることができ、例えば、アクリル基、メタアクリル基、アクリルアミド基、マレイン酸エステル、ビニル基、ビニルアミノ基、アリル基、アセチレン性不飽和基、等々の官能基を分子内に含有する化合物を挙げることができる。特に、重合性の観点からは、多官能性アクリレートまたは多官能性メタアクリレートモノマーが好ましい。
一例としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレート、あるいはポリウレタンジアクリレート類およびそれ等に対応するメタクリレート類;ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールメタントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリアクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、等々に代表される多官能アクリレートあるいはそれ等に対応するメタアクリレートモノマーを選択することができる。
これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることもでき、その場合には感光後の現像性を向上させることができる。不飽和カルボン酸の一例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、およびこれらの無水物が挙げられる。
感光性ポリマーやオリゴマーの一例としては、上記したモノマーの少なくとも1種類を重合して得られたポリマーやオリゴマーの側鎖又は分子末端に官能基を付加させたものを用いることができる。
更に感光性導電ペースト中には、必要に応じて、溶剤、光重合開始剤が加えられる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類や、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、等々を挙げることができ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アミノアセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類、キサントン類、フォスフィンオキサイド類、各種パーオキサイド類などが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、感光性導電ペースト中には、必要に応じてガラスフリット等の無機成分を含有させてもよい。
ガラスフリットとしては、ホウケイ酸系ガラス粉末等の公知のガラス粉末を使用することができ、例えばSiO2−PbO系、SiO2−ZnO系、SiO2−Bi2O3系、SiO2−K2O系、SiO2−Na2O系、SiO2−PbO−B2O3系、SiO2−ZnO−B2O3系、SiO2−Bi2O3−B2O3系、SiO2−K2O−B2O3系、SiO2−Na2O−B2O3系などのガラス粉末を用いることができる。
感光性導電ペースト中には、更に必要に応じて、その他、シリコーン系やアクリル系等の消泡剤、レベリング剤、密着性向上のためのカップリング剤、増感剤、重合禁止剤、増粘剤、沈殿防止剤、上記特許文献1に記載されているような紫外線吸収剤等々の添加剤を加えても良い。
〔(3)感光性導電ペーストの製造、導電膜(導電パターン)の製造〕
上述した金属粉末、感光性有機成分及び必要に応じて添加される添加成分は、三本ロールミルやブレンダー等の機械を用いて混練分散させることによりペーストが得られる。得られた感光性導電ペーストは、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法でセラミックガラス基材、例えばPDPの背面ガラス基板上に塗布され、約60〜120℃で5〜60分程度乾燥される。
次に、形成すべき導電パターンに対応するフィルムやネガマスクを介して、上記塗布された塗膜に対して光を照射し、露光部分を光硬化させる。この際に使用される活性光としては、紫外線、電子線、X線などが挙げられるが、これらの中では紫外線が好ましく、その光源としては、ハロゲンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、殺菌灯等が使用される。
次に、現像液を用いて硬化されていない塗膜を除去する。現像は、浸漬法やスプレー法等で行う。現像液としては、前述の感光性有機成分が分解可能な有機溶媒を使用することができる。例えば、感光性有機成分中に、酸性基を持つ化合物が存在する場合、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液の他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機アルカリ水溶液を用いることができる。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行う。
そして、露光、現像後の塗膜を、約400〜900℃で5分〜1時間程度焼成し、感光性有機成分や光重合開始剤等々の有機物を完全に分解、飛散させて除去し、導電パターンを得ることができる。なお、焼成時の雰囲気は使用する金属粉末に応じて、酸化性雰囲気か非酸化性雰囲気中かが適宜選択される。
なお、ここでは感光性導電ペーストを現像後に焼成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、露光、現像後に非焼成のまま導電性を呈するものも含まれる。
以上のようにして本発明に係る感光性導電ペーストを用い導電パターンを形成した場合、焼成後の導電パターンの導体膜の厚みが15μm前後で、導体の最小線幅が20μm以下、導体間の最小線間隔60μm以下の高精細の導電パターンを得ることも可能となった。
本発明を以下の実施例に基づいてより具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
〔金属粉末〕
感光性導電ペースト用の金属粉末として、表1の4種類のAg粉末A〜Dを用意した。
ここで、粉末Aは、特願2002-264750に記載された方法で製造されたものである。すなわち、炭酸銀粉末を気流式粉砕機で解砕して平均粒径約1μm、最大粒径約3μmの原料粉末を調製し、この粉末を、キャリヤガスとして流量200l/分の空気を随伴させ、5Kg/時間の供給速度で、開口部の断面積0.13cm2のノズルを通して、電気炉で約1000℃に加熱された反応管中に噴出させ、反応管内における気相中の原料粉末分散濃度を0.4g/lに保ったままで反応管を通過させて加熱し、生成した粉末をバグフィルターで捕集することにより、粉末Aを製造した。
また、粉末B〜Dは化学還元法により得られたものである。
なお、ここで明度L*は、JIS規格Z8722(色の測定方法−反射及び透過物体色)に従い測定されるL***表色系の明度L*を指し、以下においては、このJIS規格Z8722に準拠する測色色差計〔ND-1001PP:日本電色工業(株)製〕を用い測定して値を得た。
また、比表面積はBET法で測定し、平均粒径は粒度分布計で測定した。
Figure 0004389202
〔硬化特性に関する評価〕
(1)導電パターンの作成
以下、含有する金属粉末のみが異なる8種類の感光性Agペーストを調製して評価を行った。
先ず上記の粉末A〜Dの各100重量部に対して、それぞれ、紫外線硬化樹脂を30重量部、SiO2-Bi2O3-B2O3系の低融点ガラスフリットを1重量部、溶剤を5重量部、その他添加剤を4重量部加えて3本ロールミルで混練し、各粉末A〜Dをそれぞれ含む4種類の感光性Agペーストを調製した。
次に上記の粉末Bと粉末Cとの混合比率を変えて4種類の混合粉を作り、上記と同様に、各混合粉100重量部に対して、それぞれ、紫外線硬化樹脂を30重量部、SiO2-Bi2O3-B2O3系の低融点ガラスフリットを1重量部、溶剤を5重量部、その他添加剤を4重量部加えて3本ロールミルで混練し、各混合粉をそれぞれ含む4種類の感光性Agペーストを調製した。
そして、上記調製した計8種類の感光性Agペーストを、スクリーン印刷法によりガラス基板上全面に均一に塗布し、90℃で30分乾燥させて、塗布厚20μmの塗膜を得た。
その後、露光装置〔マルチライトPM25C-75:超高圧水銀灯ランプUSH-250BY:ウシオ電機(株)製〕により、15μm、20μm、25μmの各線幅のパターンを有するネガマスクを介して、紫外線の平行度を視野角±2.8度の範囲で各塗膜を露光し、各塗膜毎に、その露光された領域のタック性が完全に無くなった状態になった時を硬化の終了点とし、それまでに要した紫外線の照射量(硬化露光量)を測定した。
次に現像を行い、現像後の塗膜を空気中で550℃のピーク温度で10分間のサイクルで焼成して得られた導電パターンについて、それぞれの比抵抗値を測定した。
混合粉を含む上記8種類のAg粉末の各明度L*、各Ag粉末を用いたペーストの硬化露光量、比抵抗値、及び得られた導電パターンのファインライン性を目視にて評価した結果を表2に示す。
Figure 0004389202
但し、比較例2では、2000mJ/cm2以上の露光を行っても硬化しなかったため、硬化不十分のまま露光を終了し、そのまま焼成を行った。
(2)結果
表2に示されるように、明度L*が60以上のAg粉末を使用した感光性導電ペースト(実施例1〜2)は、明度L*が60未満のAg粉末を使用した感光性導電ペースト(比較例1〜2)に比べ、少ない露光量で硬化が可能であり、焼成後の導電パターンに関しても、ファインライン性や導電性に優れていることが分かる。
特に粉末Aは平均粒径が2μm以下と小粒径であるにもかかわらず、その明度L*が70を越えており、この粉末Aを使用した感光性導電ペースト(実施例1)は25mJ/cm2で硬化させることができた。これは、従来市販されていた感光性導電ペーストが約300〜400mJ/cm2程度の露光量が必要であったことからすれば、粉末Aを用いた感光性ペーストは、従来の1/10以下の露光量で硬化させることが可能なものであり、ファインライン性に関しても特に優れた効果が得られた。
また、明度L*が60以上の粉末Bと、明度L*が40以上60未満の粉末Cとを混合した混合粉であっても、混合粉の明度L*が60以上であれば(実施例3〜5)、硬化性、ファインライン性が共に良好で、比抵抗の更に低い導電パターンが得られた。
一方、明度L*が60未満のAg粉末を用いた導電ペースト(比較例1〜2)や、複数種のAg粉末を混合した状態で明度L*が60未満の混合粉を用いた導電ペースト(比較例3)は、硬化性、ファインライン性、比抵抗のいずれかに問題が発生していた。
例えば比較例2では、2000mJ/cm2以上の露光を行っても完全には硬化せず、また比較例1〜2では焼成後の導電パターンはファインライン性が十分なものではなく、しかもその表面にブリスタが発生し、比抵抗を測定することができなかった。
また比較例3も焼成後の導電パターンはファインライン性が十分なものではなく、しかもその比抵抗も十分満足できるレベルではなかった。

Claims (5)

  1. 少なくとも金属粉末と感光性有機成分を含有する感光性導電ペーストにおいて、
    前記金属粉末が、Ag粉末、Agを主とした合金粉末、又は、その表面にAg若しくはAg合金を被覆した粉末から選択される何れか1種以上であって、JIS規格Z8722に従い測定されるL***表色系の明度L*が60以上であり、且つ、平均粒径が5μm以下であることを特徴とする感光性導電ペースト。
  2. 前記金属粉末が、明度L*が60以上の第1の金属粉末と、明度L*が60未満の第2の金属粉末を混合したものであることを特徴とする請求項1に記載の感光性導電ペースト。
  3. 前記第2の金属粉末の明度L*が40以上60未満であることを特徴とする請求項2に記載の感光性導電ペースト。
  4. 前記第1及び第2の金属粉末の総量に対する第2の金属粉末の含有比率が30重量%以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の感光性導電ペースト。
  5. 前記金属粉末の明度L * が70以上であることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の感光性導電ペースト。
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