JP4388570B2 - ディスク搬送装置及びディスク装置 - Google Patents
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Description
このうち、トレイ型ディスク装置として、ディスクが載置されるトレイを備え、当該トレイをディスク装置の筐体から突没させることで、筐体の内外にディスクを搬送するディスク装置が知られている。
この特許文献1に記載のディスク装置では、開口部(ディスク挿脱口)近傍に、当該開口部へのディスク挿入方向、及び、当該挿入方向に対する直交方向にスライドする2つのスライダが設けられ、各スライダには、回転する2つのローラを両端に有するアームが、開口部側のローラの軸を中心として互いに近接及び離間する方向に回動自在に、ディスクの挿入方向に対して傾斜した状態で設けられている。
一方、ディスクを搬出する際には、ローラ、アーム及びスライダは、ディスクの搬入時とは逆に動作し、開口部からディスクを押し出すように排出する。
例えば、第二ディスクが、径寸法の大きな第一ディスク(例えば、12cmの直径を有するディスク)に応じて形成されたディスク収納用の開口部の端部寄りの位置に挿入されると、当該第二ディスクは一方のローラによって把持された状態で装置内部に搬入されてしまう場合が生じうる。このような場合、筐体内の適切な位置(例えば、ディスクを回転させるターンテーブルに対応する位置)に、ディスクを配置することができない可能性がある。
ここで、アーム側第一歯の歯幅が、アーム側第二歯の歯幅より小さい場合には、アーム側第一歯とアーム側第三歯との間の溝からリンク側第三歯が離間しないことがあり、このような場合には、アーム側第二歯の先端と、リンク側第二歯の先端とが当接せずに、噛合してしまう可能性が高くなる。
これに対し、本発明では、アーム側第一歯の歯幅が、アーム側第二歯の歯幅より大きいので、アーム側第三歯とリンク側第三歯とを確実に離間させることができ、アーム側第一歯の第一方向とは反対方向側の端面に、リンク側第一歯の第三方向側の端面を当接させることができる。従って、ディスクが第二アームのみに当接した際に、アーム側第二歯の先端とリンク側第二歯の先端とをより一層確実に当接させることができ、第一アーム及び第二アームの回動を、より確実に規制することができる。
本発明によれば、リンク側第一歯とアーム側第一歯とが当接した際に、リンク側第二歯の先端とアーム側第二歯の先端とを精度よく当接させることができる。従って、第一アーム及び第二アームの回動を確実に規制することができる。
本発明によれば、検出レバーにより、ディスクの検出と、前述の各アームの回動規制とを行うことができる。従って、ディスク搬送装置の部品点数を少なくすることができ、構成を簡略化することができる。
本発明によれば、前述のディスク搬送装置と同様の効果を奏することができ、情報読取/書込手段により、ディスクからの情報の読取、及び、当該ディスクに対する情報の書込みを実行可能な位置に、ディスクを適切に搬送することができる。
従って、径寸法の異なる第一ディスク及び第二ディスクを、それぞれ適切に搬入することができる。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔ディスク装置1の全体構成〕
図1は、本実施形態に係るディスク装置1を示す分解斜視図である。
ディスク装置1は、CD、DVD及びBD等の記録媒体としてのディスクを内部に収納し、当該ディスクに記録された情報の読取、及び、当該ディスクへの情報の記録を行うスロットイン型ディスク装置である。このディスク装置1は、ディスクDとして、第一ディスクD1と、当該第一ディスクD1と比べて径寸法の小さな第二ディスクD2とを収納でき、当該第一ディスクD1及び第二ディスクD2のそれぞれに対して、情報の読取及び記録を実行可能に構成されている。なお、第一ディスクD1としては、12cmの直径を有するディスクを例示でき、また、第二ディスクD2としては、8cmの直径を有するディスクを例示することができる。
このようなディスク装置1は、図1に示すように、ディスクDを収納する装置本体3と、当該装置本体3を覆う金属製のカバー部材2とを備えている。
このうち、フロントカバー23は、詳しい図示を省略したが、後述する上部ユニット33の凹部331及びブラケット9の凹部91により形成されるディスク収納用の開口部30に対応する位置に、当該開口部30と略同じ寸法を有する開口部が形成され、また、当該開口部に対応する位置に、ディスクDが挿抜される切り込みを有する布カーテン231が取り付けられている。このような布カーテン231は、フェルト等により構成することができる。
図2は、装置本体3を示す分解斜視図である。
装置本体3は、ディスクDがディスク収納用の開口部30に挿入されると、当該ディスクDを内部に搬入して収納し、当該ディスクDに記録された情報の読込及び当該ディスクDに対する情報の記録を行う。また、装置本体3は、使用者により図示しないイジェクトスイッチが入力されると、内部に収納されたディスクDを開口部30から外部に搬出する。このような装置本体3は、図2に示すように、制御ユニット31、光学ユニット32、上部ユニット33、下部ユニット34及び搬送ユニット4を備えて構成されている。
制御ユニット31は、装置本体3の駆動を制御する回路基板として構成されている。この制御ユニット31は、後述する下部ユニット34の制御基板345に設けられたディスク挿入検出用のスイッチ(図示省略)が搬送ユニット4のフロントアーム6により入力されると、当該下部ユニット34に設けられたモータ344を駆動させ、搬送ユニット4によりディスクDを搬入させる。また、前述のイジェクトスイッチが入力されると、モータ344を逆回転させ、搬送ユニット4によりディスクDを装置本体3外に搬出する。
この他、制御ユニット31は、光学ユニット32を制御して、当該光学ユニット32により、装置本体3内に収納されたディスクDからの情報の読取及び当該ディスクDへの情報の記録を実行させる。
光学ユニット32は、後述する下部ユニット34のベースフレーム341の略中央に配置されるホルダ342に取り付けられ、ディスクDの搬入に伴うホルダ342の上昇により、当該ディスクDをチャッキングする。そして、この光学ユニット32は、当該ディスクDに対してレーザ光を照射することで、情報の読取及び記録を行う。
このような光学ユニット32は、ディスクDをチャッキングするターンテーブル3211を有し、当該ターンテーブル3211を回転させるモータ321と、ピックアップ322と、当該ピックアップ322をディスクDの径方向に沿った方向に移動させるためのモータ323と、制御基板44を備えて構成されている。これらモータ321,323及びピックアップ322の駆動は、前述の制御ユニット31により制御される。
上部ユニット33は、後述する下部ユニット34を構成するベースフレーム341に取り付けられ、当該下部ユニット34とともに、装置本体3の外観における上部を構成する平面視略長方形状の箱型部材である。すなわち、上部ユニット33及び下部ユニット34は、本発明の筐体に相当する。
この上部ユニット33は、詳しい図示を省略するが、ディスクDの搬入時に、後述する搬送ユニット4により搬入されたディスクDを、前述のターンテーブル3211の位置に合わせるとともに、ディスクDの搬出時に、ターンテーブル3211にチャッキングされたディスクDを搬送ユニット4に送り出す各種アームが設けられている。
また、上部ユニット33には、長手方向の一方の端部間を接続する面の中央に凹部331が形成されている。この凹部331は、後述する搬送ユニット4のブラケット9(図4参照)に形成された凹部91と組み合わさることで、ディスク収納用の開口部30を形成する。
図3は、下部ユニット34を示す分解斜視図である。
下部ユニット34は、前述のように、装置本体3の外観における下部を構成するものであり、当該下部ユニット34には、前述の制御ユニット31、光学ユニット32、上部ユニット33及び搬送ユニット4が取り付けられる。
このような下部ユニット34には、図3に示すように、ホルダ342、昇降機構343、モータ344、制御基板345及び伝達機構346と、これらが載置されるベースフレーム341とを備えて構成されている。
ホルダ342には、起立部3412に形成された溝3413を挿通する突起部3421が形成され、当該突起部3421は、昇降機構343を構成する2つのスライドカム3431,3432に係合している。
このうち、スライドカム3431には、後述する搬送ユニット4を構成するフロントアーム5に係合し、当該フロントアーム5を係止する複数の溝34311と、伝達機構346のギアに噛合するラック部34312とが形成されている。
制御基板345は、モータ344の駆動を制御する回路基板である。この制御基板345には、詳しい図示を省略したが、複数のプッシュ式のスイッチが設けられており、これらスイッチは、開口部30にディスクDが挿入された際に入力されてオン状態となるディスク挿入検出用のスイッチ、後述する搬送ユニット4のフロントアーム6の回動に応じて入力されてオン状態となるスイッチ、及び、スライドカム3432の矢印A2方向へのスライドに応じて入力されてオン状態となるスイッチを含んでいる。そして、これらスイッチのオン/オフ状態が切り替わることにより、開口部30へのディスクDの挿入、フロントアーム6の回動量、及び、ディスクDの搬入完了がそれぞれ検出され、制御基板345は、これらの検出状態に応じて、モータ344の駆動を制御する。
伝達機構346は、複数のギアを備えて構成され、モータ344の回転力を前述のスライドカム3431及び後述する搬送ユニット4に伝達する。
図4は、ベースフレーム341に取り付けられた搬送ユニット4を示す平面図である。
搬送ユニット4は、本発明のディスク搬送装置に相当し、開口部30に挿入されたディスクDを装置本体3内に搬入する一方で、装置本体3内に収納されたディスクDを開口部30外部に搬出する。この搬送ユニット4は、一対のフロントアーム5,6と、当該一対のフロントアーム5,6にそれぞれ噛合し、かつ、本発明のリンクに相当するリンクギア7,8と、各フロントアーム5,6を開口部30側にそれぞれ付勢する付勢手段としての2つの捻りばねTSL,TSRと、これらが取り付けられるブラケット9とを備えて構成されている。
このうち、ブラケット9は、図4に示すように、ベースフレーム341における長手方向の一方の端部側であり、かつ、伝達機構346が設けられた側に配置される。すなわち、ブラケット9は、ベースフレーム341により開口部30が形成される側に取り付けられる。
また、ブラケット9には、長手方向の一方の端部側に、フロントアーム5が取り付けられるアーム取付部92が形成され、他方の端部側に、フロントアーム6が取り付けられるアーム取付部93が形成されている。また、ブラケット9には、これらアーム取付部92,93に挟まれるように、リンクギア7,8が取り付けられるリンク取付部94が形成されている。
また、アーム取付部93には、前述の支持部を中心とする略円弧状の孔部935が、開口部931の外側で、かつ、ガイド孔932の内側に形成されている。この孔部935を介して、フロントアーム6に設けられたディスク検出用の検出レバー64の当接ピン642がブラケット9の上面側に露出する。
また、これら他の支持部の周辺には、それぞれ段差部942,944を有する2つのガイド孔941,943が形成されている。これら段差部942,944の上面には、それぞれリンクギア7,8の鉤状部72,82が当接され、これにより、リンクギア7,8のブラケット9からの脱落が防止される。
図5は、搬送ユニット4を示す平面図である。なお、図5においては、説明の都合上、ブラケット9の図示を省略している。
フロントアーム5,6は、ブラケット9の上面側から凹部91を下にして見た場合に、当該ブラケット9の左側の形成されたアーム取付部92、及び、右側に形成されたアーム取付部93に下面側からそれぞれ回動自在に取り付けられる。
具体的に、これらフロントアーム5,6は、凹部91から離間する方向(第一方向及び第二方向である矢印B11,B21方向)及び当該凹部91に近接する方向(矢印B12,B22方向)に回動自在に取り付けられている。そして、これらフロントアーム5,6は、開口部30から挿入されたディスクDを装置本体3内部に搬入するとともに、収納されたディスクDを開口部30外に搬出する。
このようなフロントアーム5,6は、それぞれが本発明の第一アーム及び第二アームに相当する。詳述すると、フロントアーム6が第一アームとして機能する場合には、フロントアーム5は第二アームとして機能し、フロントアーム6が第二アームとして機能する場合には、フロントアーム5は第一アームとして機能する。
フロントアーム5は、図5に示すように、平板状のアーム本体51、3つのギア52〜54、第一ローラ55及び第二ローラ56を備えている。
アーム本体51は、平面視略直角三角形状を有し、当該直角二等辺三角形状の略直角部分を挟む2辺のうち、一方の辺がブラケット9の凹部91に沿い、かつ、当該略直角部分が凹部91の中央寄りとなるようにブラケット9に取り付けられる。
このアーム本体51には、略円形状の開口部511、凹部512、第一ローラ支持部513、第二ローラ支持部514、延出部515、鉤状部516、噛合部517及び当接部518が形成されている。
凹部512は、アーム本体51の上面(ブラケット9の下面に対向する面)に形成され、当該凹部512には、ギア52〜54が回転自在に取り付けられる。
また、これら第一ローラ支持部513及び第二ローラ支持部514には、アーム本体51の上面に沿う延出部5131,71141が形成され、当該延出部5131,71141は、アーム本体51がブラケット9に沿って回動した際に、当該ブラケット9の開口部921の外縁、及び、段差部924に沿って摺動する。
鉤状部516は、アーム本体51の上面に側面視略L字状に形成されている。この鉤状部516は、ブラケット9のアーム取付部92に形成された段差部923に当接する。
噛合部517は、アーム本体51における略直角部分に対応する位置に、開口部511の中央を中心として略円弧状に形成されている。この噛合部517には、図6に示すように、複数の溝L1A〜L1Dが形成され、隣接する溝の間に複数の歯L11〜L14がそれぞれ形成されている。
具体的に、噛合部517には、ディスクDの引込方向となる矢印B11方向側の端部に、溝L1Aが形成され、当該溝L1Aから矢印B11方向とは反対方向である矢印B12方向側に、当該溝L1Aのディスク搬出側の斜面を共有する形で歯L11が形成されている。そして、噛合部517には、歯L11から矢印B12方向に向かうに従って、溝L1B〜L1Dと、歯L12〜L14とが交互に形成されている。
これらのうち、歯L11の矢印B12方向側の端部には、当該歯L11の上部から溝L1Bに向かう傾斜を緩やかにする緩斜部L111が形成されている。なお、歯L12は、本発明のアーム側第一歯に、歯L13は、アーム側第二歯に、また、歯L11は、アーム側第三歯に、それぞれ相当する。
また、ピッチ円P1上の歯L11〜L14の各歯幅S11〜S14は、後述するリンクギア7の溝L2A〜L2Dの溝幅S2A〜S2D(図8参照)に応じて設定されている。
これら第一ローラ55及び第二ローラ56には、円錐台形が組み合わさった形状を有し、かつ、ディスクDを把持するためのゴムローラ(図示省略)が取り付けられている。
フロントアーム6は、図5に示すように、アーム本体61、第一ローラ62、第二ローラ63及び検出レバー64を備えている。
アーム本体61は、アーム本体51と同様に、平面視略直角二等辺三角形状を有する平板状部材であり、略直角部分を挟む2辺のうち、一方の辺がブラケット9の凹部91に沿い、かつ、当該略直角部分が凹部91の中央寄りとなるようにアーム取付部93の下面側に取り付けられる。
開口部611は、アーム本体61における凹部91に沿う端部側で、かつ、前述の略直角部分とは反対側に形成されている。この開口部611の内側には、アーム取付部93に形成された前述の支持部が嵌め込まれる。また、開口部611の下面側周囲には、捻りばねTSRが巻き付けられる環状部(図示省略)が形成されている。更に、開口部611の上面側外縁には、検出レバー64が回動自在に取り付けられる環状部6112が形成されている。
凹部612は、アーム本体61の上面側略中央に形成され、当該凹部612には、検出レバー64が配置される。
このような構成により、フロントアーム5の第一ローラ55及び第二ローラ56と、フロントアーム6の第一ローラ62及び第二ローラ63とは、ブラケット9の長手方向の中央を通り、かつ、当該長手方向に直交する直線を中心として略対称に配置される。
また、第一ローラ支持部613と、切欠部615との間には、略矩形の開口部616が形成されている。この開口部616を介して、アーム本体61の上面側に設けられた検出レバー64の押圧部(図示省略)が、アーム本体61の下面側に露出する。
鉤状部618は、開口部617に隣接するように側面視略L字状に形成されている。そして、鉤状部618の先端は、アーム本体61がブラケット9に取り付けられた際に、当該ブラケット9の段差部933(図4参照)に当接し、ブラケット9からのアーム本体61の脱落を防止する。
噛合部619は、アーム本体61における略直角部分に対応する位置に、開口部611の中央を中心として略円弧状に形成されている。この噛合部619には、図7に示すように、前述のフロントアーム5の噛合部517と同様に、後述するリンクギア8に形成された複数の歯R21〜R25及び溝R2A〜R2D(ともに図9参照)にそれぞれ当接する複数の溝R1A〜R1D及び歯R11〜R14が、それぞれ斜面を共有しながら交互に形成されている。
このうち、歯R12は本発明のアーム側第一歯に、歯R13はアーム側第二歯に、または、歯R11はアーム側第三歯にそれぞれ相当し、歯R11の矢印B22方向側の端部には、前述の歯L11と同様に、緩斜部R111が形成されている。
また、ピッチ円P2上の歯R11〜R14の歯幅T11〜T14は、それぞれ、後述するリンクギア8の溝R2A〜R2Dの溝幅T2A〜T2D(図9参照)に応じて設定されている。
また、これら、歯幅T11〜T14及び溝幅T1A〜T1Dは、フロントアーム5に形成された歯L11〜L14の歯幅S11〜S14及び溝L1A〜L1Dの溝幅S1A〜S1Dと、それぞれ同じである。
この検出レバー64は、平面視略L字状に形成された平板状部材であり、当該検出レバー64には、開口部641、当接ピン642、押圧部(図示省略)、延出部643及び取付部644が形成され、引張ばね645が設けられている。
当接ピン642は、開口部641が形成された側とは反対側の端部に、検出レバー64の上面(アーム本体61に対向する側とは反対側の面)から面外方向に突出するピンとして形成されている。この当接ピン642は、ブラケット9の孔部935を介して、当該ブラケット9の上面側に露出し、開口部30に挿入されたディスクDの端縁に当接する。そして、当該当接ピン642に当接したディスクDの押込みに応じて、検出レバー64は、開口部641を中心として回動する。
押圧部(図示省略)は、検出レバー64の下面側(アーム本体61に対向する側)に形成され、前述の開口部616を介して、アーム本体61の下面側に露出し、検出レバー64の回動に応じて、ディスク挿入検出用のスイッチを入力する。
リンクギア7,8は、それぞれブラケット9のリンク取付部94に、互いに噛合するように取り付けられる平板状部材である。これらリンクギア7,8は、それぞれフロントアーム5,6の各噛合部517,619に噛合し、一方のフロントアームの回動に応じて回動して、他方のフロントアーム6を当該一方のフロントアームとは反対方向に回動させる。このようなリンクギア7,8は、それぞれ本発明の第一リンクギア及び第二リンクギアに相当し、詳述すると、フロントアーム5が第一アームとして機能する場合には、リンクギア7が第一リンクギアに相当し、リンクギア8が第二リンクギアに相当する。また、フロントアーム6が第一アームとして機能する場合には、リンクギア7が第二リンクギアに相当し、リンクギア8が第一リンクギアに相当する。
リンクギア7には、図8に示すように、一方の端部側に、平面視略円形状の開口部71が形成されている。この開口部71には、ブラケット9のリンク取付部94に形成された略円筒状の支持部が嵌め込まれ、これにより、リンクギア7がブラケット9に回動自在に支持される。このリンクギア7の回動軸は、フロントアーム5,6の回動軸に沿う方向に設定されている。
また、リンクギア7の上面(ブラケット9に対向する面)における開口部71の周囲には、ブラケット9の段差部942の上面に当接する側面視略L字状の2つの鉤状部72が形成されている。
リンクギア7における開口部71が形成された側とは反対側の端部には、当該開口部71の中央を中心とする円弧状に、フロントアーム5の噛合部517に噛合する噛合部74が形成されている。
具体的に、噛合部74において、フロントアーム5が矢印B11方向に回動した際にリンクギア7が回動する方向(第三方向及び第四方向である矢印C11方向)側の端部には、歯L21が形成され、当該歯L21の矢印C11方向とは反対方向である矢印C12方向側には、溝L2Aが形成されている。そして、噛合部74には、溝L2Aから矢印C12方向に向かうに従って、歯L22〜L25と、溝L2B〜L2Dとが交互に形成されている。
これらのうち、歯L22〜L24は、それぞれ、本発明のリンク側第三歯、リンク側第一歯及びリンク側第二歯に相当し、歯L22の矢印C11方向側には、切欠部L221が形成され、当該歯L22の先端は、他の歯L21,L23〜L25に比べて鋭角に形成されている。また、歯L24の先端部分は、略円弧状に形成されている。
一方、ピッチ円P3上の溝L2A〜L2Dの溝幅S2A〜S2Dのうち、溝L2Aの溝幅S2Aは、歯L21,L22の一方がフロントアーム5の溝L1A,L1Bに挿入された際に、当該一方の歯と溝とが離間する前に、他方の歯と溝とが係合できる程度の寸法を有している。
また、溝L2Cの溝幅S2Cは、当該溝幅S2Bより短く設定され、歯L23における矢印C12方向側の端面と、フロントアーム5の溝L1Cにおける矢印B12側の端面とが当接した際に、歯L24が溝L1Dに挿入される寸法に設定されている。
リンクギア8は、リンクギア7の略鏡像対称構造を有する平板状部材である。このリンクギア8には、図9に示すように、リンクギア7と同様の位置に、リンク取付部94に形成された支持部が嵌め込まれる開口部81と、段差部944に当接する2つの鉤状部82と、開口部81の中央を中心とする円弧状に形成され、かつ、複数の歯831を有する噛合部83と、当該噛合部83とは反対側に開口部81の中央を中心とする円弧状に形成され、かつ、フロントアーム6の噛合部619に噛合する噛合部84が形成されている。
詳述すると、噛合部84において、フロントアーム6が前述の矢印B21方向に回動した際のリンクギア8の回動方向(第三方向及び第四方向である矢印C21方向)側の端部には、歯R21が形成され、当該歯R21の矢印C21方向とは反対方向である矢印C22方向側に隣接して、溝R2Aが形成されている。そして、噛合部84には、溝R2Aから矢印C22方向に向かうに従って、歯R22〜R25と、溝R2B〜R2Dとが交互に形成されている。これらのうち、歯R22〜R24は、それぞれ、本発明のリンク側第三歯、リンク側第一歯及びリンク側第二歯に相当する。また、歯R22には、前述の歯L22と同様に、矢印C21方向側に切欠部R221が形成され、歯R24の先端は略円弧状に形成されている。
捻りばねTSL,TSRは、フロントアーム5,6を、ブラケット9の凹部91側に近接する方向、すなわち、ディスク装置1の開口部30側となる矢印B12,B22方向にそれぞれ付勢する。これら捻りばねTSL,TSRは、詳しい図示を省略するが、フロントアーム5,6の環状部(図示省略)にそれぞれ巻き付けられるコイル部と、当該コイル部から延出する一対の線状部とを有し、当該一対の線状部のうち、一方は、それぞれアーム本体51,61に係止され、他方は、ブラケット9に係止される。
以下、搬送ユニット4によるディスクDの搬送について説明する。
図10及び図11は、搬送ユニット4により第一ディスクD1が搬送される過程を示す平面図である。なお、以下の図10〜図16では、ブラケット9の図示を省略する。
フロントアーム5,6が未回動状態であるときに、開口部30と略同じ径寸法を有する第一ディスクD1が当該開口部30に挿入された場合、当該第一ディスクD1の端縁は、まず、フロントアーム6に設けられた検出レバー64の当接ピン642に当接し、当該検出レバー64を、矢印B21方向に回動させる。これにより、制御基板345上のディスク挿入検出用のスイッチが入力され、制御ユニット31が、開口部30への第一ディスクD1の挿入を検出してモータ344を駆動させると、フロントアーム5の第一ローラ55及び第二ローラ56が回転する。
そして、第一ローラ55の回転により、フロントアーム5,6は、第一ディスクD1を装置本体3の内部へと矢印A1方向に引き込みつつ、矢印B11,B21方向へと、それぞれ回動する。
これにより、フロントアーム5の歯L11が、リンクギア7の歯L21,L22間の溝L2Aに、また、フロントアーム6の歯R11が、リンクギア8の歯R21,R22間の溝R2Aに、それぞれ挿入されるとともに、フロントアーム5,6の溝L1B,R1Bに、リンクギア7,8の歯L22,R22が挿入される。
この際、第一ディスクD1により、フロントアーム5,6は、捻りばねTSL,TSRの付勢力に抗して、矢印B11,B21方向に押し込まれている。このため、フロントアーム5,6の歯L13,R13の矢印B11,B21方向側の端面、すなわち、溝L1CR1CのB12,B22方向側の端面が、リンクギア7,8の歯L23,R23の矢印B12,B22方向側の端面に当接し、当該リンクギア7,8を押し上げるように矢印C11,C21方向に回動させる。
なお、このように、歯L13,R13と歯L23,R23とが当接した状態では、フロントアーム5,6の歯L12,R12における矢印B11,B21方向側の端面と、リンクギア7,8の歯L22,R22の矢印C12,C22方向側の端面とは離間している。
これにより、リンクギア7の歯L24が、フロントアーム5の歯L13,L14間の溝L1Dに嵌まり込むとともに、リンクギア8の歯R24が、フロントアーム6の歯R13,R14間の溝R1Dに嵌まり込み、フロントアーム5,6の更なる矢印B11,B21方向への回動が可能となる。
この後、第一ディスクD1の中央に形成された孔部C1の位置が、ターンテーブル3211に対応する位置に到達すると、フロントアーム5,6が、前述のスライドカム3431の溝34311により、第一ディスクD1と第二ローラ56,63とが離間した状態で係止される。これにより、第二ローラ56,63が、ターンテーブル3211による第一ディスクD1の回転を妨げることが防止される。
以上により、第一ディスクD1の装置本体3内への搬入が完了する。
この際、図11に示した状態から図10に示す状態、すなわち、フロントアーム5,6が矢印B12,B22方向に回動して、当該フロントアーム5,6の溝L1B,R1Bに、リンクギア7,8の歯L22,R22が嵌まり込もうとする状態に遷移する際には、溝L1C,R1Cと歯L23,R23との位置関係によっては、当該溝L1B,R1Bに歯L22,R22が適切に嵌まり込まない可能性がある。例えば、捻りばねTSL,TSRの付勢力により、溝L1C,R1Cにおける矢印B12,B22方向側の端面と、歯L23,R23における矢印C11,C21方向側の端面とが当接しているような場合、歯L22,R22の先端部分が、歯L11,R11の先端に当たってしまう可能性がある。
〔開口部30の中央に挿入された第二ディスクD2の搬入〕
図12及び図13は、開口部30の中央に挿入された第二ディスクD2が搬送ユニット4により搬送される過程を示す平面図である。
フロントアーム5,6が未回動状態であるときに、第一ディスクD1より径寸法の小さい第二ディスクD2が開口部30の中央に挿入されると、当該第二ディスクD2の端縁は、各フロントアーム5,6の第二ローラ56,63に把持される。なお、この状態では、検出レバー64の当接ピン642には、第二ディスクD2が当接せず、当該検出レバー64のフロントアーム6に対する相対的な回動は生じない。
また、このフロントアーム6の回動に伴って、検出レバー64が、ディスク挿入検出用のスイッチ(図示省略)を入力し、制御ユニット31が、モータ344を駆動させる。
そして、第二ディスクD2の中央が、第二ローラ56,63の各中心を結ぶ直線上に位置した状態が、当該第二ディスクD2を搬送する際のフロントアーム5,6の最大の回動角となるが、この状態では、フロントアーム5,6の溝L1D,R1Dに、リンクギア7,8の歯L24,R24は挿入されない。
以上により、第二ディスクD2の搬入が完了する。
図14〜図16は、搬送ユニット4による開口部30の左側に挿入された第二ディスクD2の搬入過程を示す平面図である。
以下、第二ディスクD2が、開口部30の左側に挿入された場合の搬送ユニット4の搬入動作について説明する。
フロントアーム5,6が未回動状態であるときに、第二ディスクD2が、開口部30の左側に挿入された場合には、当該第二ディスクD2の端縁は、当該開口部30の左側端部寄りに配置されたフロントアーム5の第一ローラ55に当接して把持される。
このリンクギア7の回動が噛合部73,83を介してリンクギア8に伝達されて、リンクギア8がC21方向に回動する。これにより、リンクギア8の歯R21が溝R1AのB21方向側の端面を押し上げるようにしてフロントアーム6を、それぞれ矢印B21方向に回動させ、当該リンクギア8の歯R22が、フロントアーム6の溝R1Bに挿入される。
この際、図14に示すように、フロントアーム5の歯L12における矢印B11方向側の端面が、リンクギア7の歯L22における矢印C12方向側の端面を押し上げるようにして、リンクギア7を矢印C11方向に回動させる。このリンクギア7の回動に応じて、リンクギア8が矢印C21方向に回動し、当該リンクギア8の歯R22における矢印C21方向側の端面が、フロントアーム6の歯R11における矢印B22方向側の端面を押し上げるようにして、当該フロントアーム6を矢印B21方向に回動させる。
この際、リンクギア8の歯R23は、当該歯R23の歯幅T23の略2倍の溝幅T1Cを有するフロントアーム6の溝R1C内に納まる。ここで、フロントアーム6は、第二ディスクD2による押込力を受けていないため、捻りばねTSRの付勢力により、フロントアーム6は、矢印B22方向に戻る力が作用して、左右のフロントアーム5,6それぞれの回動量にずれが生じる。すなわち、当該フロントアーム6の回動量(回動角)は、ディスクD2により押圧されているフロントアーム5の回動量(回動角)より小さくなる。
このリンクギア7の回動により、リンクギア8が矢印C21方向に回動する。ここで、前述のように、当該リンクギア8の歯R23における矢印C21方向側の端面と、フロントアーム6の溝R1Cの矢印B21方向側の端面とが当接した状態において、これらは更に回動することとなるが、当該溝R1Cの溝幅T1Cは、歯R23の歯幅T23の略2倍であり、また、リンクギア8の溝R2Cの溝幅T2Cと、フロントアーム6の歯R13の歯幅T13とは略一致している。
このように、各フロントアーム5,6の第二ローラ56,63により把持された第二ディスクD2は、開口部30の中央に挿入された第二ディスクD2と同様に、当該第二ディスクD2の孔部C2がターンテーブル3211に対応する位置に達するまで、矢印A1方向に搬入される。
以上により、第二ディスクD2が、開口部30の左側端部寄りの位置に挿入された場合でも、当該第二ディスクD2はセンタリングされつつ、装置本体3内に搬入される。
そして、第二ディスクD2がフロントアーム5,6の第二ローラ56,63により第二ディスクD2が把持されるようにセンタリングされつつ、フロントアーム5,6が一時的に矢印B12,B22方向に回動することで、歯L13と歯L24との当接が解除される。これにより、各フロントアーム5,6の矢印B11,B21方向への回動が可能となるとともに、第二ディスクD2が、ターンテーブル3211に対応する位置に搬入される。
ディスクDが、フロントアーム5,6の第一ローラ55,62のそれぞれに当接して把持された場合には、フロントアーム5,6が捻りばねTSL,TSRの付勢力に抗して、それぞれ矢印B11,B21方向に回動し、これらフロントアーム5,6に噛合するリンクギア7,8が、それぞれ矢印C11,C21方向に回動する。ディスクDの押込力が、両フロントアーム5,6に対して略均等に伝達されると、捻りばねTSL,TSRの付勢力に抗して左右のアーム5,6及びリンクギア7,8との噛合が同期して進行し、フロントアーム5,6の回動が規制されることなく、当該第一ディスクD1を、フロントアーム5,6の略中央に維持したまま装置本体3内に搬入することができる。
次に、本発明の第二実施形態に係るディスク装置1Aについて説明する。
本実施形態のディスク装置1Aは、前述のディスク装置1と同様の構成を有するが、当該ディスク装置1では、開口部30の左端部寄りの位置に第二ディスクD2が挿入された場合には、フロントアーム6の歯R13に、リンクギア8の歯R24が当接することで、フロントアーム5,6の矢印B11,B21方向への回動が規制されていたが、ディスク装置1Aでは、歯R24が挿入される溝を検出レバーが隠すことにより、各フロントアームの回動を規制する点で、ディスク装置1Aとディスク装置1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
このうち、搬送ユニット4Aは、本発明のディスク搬送装置に相当し、下部ユニット34のベースフレーム341における前述の搬送ユニット4と略同じ位置に取り付けられ、開口部30から挿入されたディスクDを搬入して装置本体内に収納するほか、当該装置本体内に収納されたディスクDを開口部30外に搬出する。
図17及び図18は、搬送ユニット4Aを示す斜視図及び平面図である。なお、図18においては、ブラケット9の図示を省略している。
このような搬送ユニット4Aは、本発明のディスク搬送装置に相当し、図17及び図18に示すように、一対のフロントアーム5A,6Aと、これらフロントアーム5A,6Aにそれぞれ噛合するとともに、互いに噛合する一対のリンクギア7A,8A(図18)と、一対のフロントアーム5A,6Aを開口部30に近接する方向(矢印B12,B22方向)に付勢する捻りばねTSL,TSR(図18)と、ブラケット9とを備えて構成されている。
フロントアーム5Aは、凹部91の左側に位置するブラケット9のアーム取付部92に、当該凹部91から離間する方向(第一方向及び第二方向である矢印B11方向)、及び、当該凹部91に近接する方向(矢印B12方向)に回動自在に取り付けられる。このようなフロントアーム5Aは、フロントアーム6Aが第一アームとして機能する場合には、本発明の第二アームに相当し、フロントアーム6Aが第二アームとして機能する場合には、本発明の第一アームに相当する。
このフロントアーム5Aは、アーム本体5A1、ギア52〜54、第一ローラ55及び第二ローラ56を備えている。このうち、アーム本体5A1は、噛合部517に代えて、噛合部5A17が形成されているほかは、アーム本体51と同様に形成されている。
噛合部5A17には、図19に示すように、前述の噛合部517と同様に、矢印B11方向側の端部に、溝L3Aが形成され、当該溝L3Aの矢印B12方向側に、歯L31が形成されている。そして、噛合部5A17には、歯L31から矢印B12方向に向かうに従って、溝L3B〜L3Dと、歯L32〜L34とが交互に形成されている。これらのうち、歯L31〜L33は、それぞれ、本発明のアーム側第三歯、アーム側第一歯及びアーム側第二歯に相当し、歯L31の矢印B12方向側の端部には、緩斜部L111と同様の緩斜部L311が形成されている。
また、ピッチ円P5上の歯L31〜L34の歯幅S31〜S34は、リンクギア7Aの溝L4A〜L4Dの溝幅S4A〜S4Dに応じて、それぞれ設定されている。
図17に戻り、フロントアーム6Aは、ブラケット9の凹部91の右側に位置するアーム取付部93に、当該凹部91から離間する方向(第一方向及び第二方向である矢印B21方向)、及び、当該凹部91に近接する方向(矢印B22方向)に回動自在に取り付けられる。このようなフロントアーム6Aは、フロントアーム5Aが第一アームとして機能する場合には、本発明の第二アームに相当し、フロントアーム5Aが第二アームとして機能する場合には、本発明の第一アームに相当する。
このフロントアーム6Aは、図18に示すように、フロントアーム6と同様の構成を有しており、アーム本体6A1、第一ローラ62、第二ローラ63及び検出レバー6A4を備えている。このうち、アーム本体6A1は、噛合部619に代えて噛合部6A19が形成され、当該噛合部6A19に隣接して当接部6A1Aが形成されているほかは、アーム本体61と同様に形成されている。
噛合部6A19には、図20に示すように、矢印B21方向側(第二ローラ63に近接する側)の端部に、溝R3Aが形成され、当該溝R3Aの矢印B22方向側には、歯R31が隣接して形成されている。また、噛合部6A19には、歯R31から矢印B22方向に向かうに従って、溝R3B〜R3Fと、歯R32〜R36とが交互に形成されている。
また、当該ピッチ円P6上の歯R31〜R34,R36の歯幅T31〜T34,T36は、それぞれリンクギア8Aの溝R4A〜R4Fの溝幅T4A〜T4Fと略同じである。更に、ピッチ円P6上の歯幅T35は、歯L33の歯幅S33と略一致し、かつ、後述する検出レバー6A4の被覆部6A43における当該検出レバー6A4の回動方向の寸法より大きく設定されている。
このような噛合部6A19の溝R3Aに矢印B21方向側に隣接して、アーム本体6A1には、当接部6A1Aが形成されている。この当接部6A1Aには、フロントアーム6Aの未回動状態で、リンクギア8Aの当接部8A5が当接する。
更に、検出レバー6A4における当接ピン6A42とは反対側には、開口部6A41から離間する方向に延出した被覆部6A43が形成されている。この被覆部6A43は、検出レバー6A4がフロントアーム6Aに対して相対的に回動していない状態では、溝R3Fを被覆する位置に配置され、回動した状態では、歯R35と重なる位置に配置される。
図21は、リンクギア7Aを示す平面図である。
リンクギア7Aは、フロントアーム5A及びリンクギア8Aのそれぞれと噛合する。このリンクギア7Aは、フロントアーム5Aが第一アームとして機能する場合には、本発明の第一リンクギアに相当し、フロントアーム5Aが第二アームとして機能する場合には、本発明の第二リンクギアに相当する。
このリンクギア7Aは、図21に示すように、前述のリンクギア7と同様の構成を有する平板状部材であり、当該リンクギア7の開口部71、鉤状部72、噛合部73,74及び当接部75と略同じ位置に、開口部7A1、鉤状部7A2、噛合部7A3,7A4及び当接部7A5が形成されている。
このうち、開口部7A1には、リンク取付部94の支持部が嵌め込まれ、これにより、リンクギア7Aがブラケット9に回動自在に支持される。また、鉤状部7A2は、ブラケット9の段差部942に当接する。
また、ピッチ円P7上の溝L4Aの溝幅S4Aは、歯L41,L42が、歯L31にそれぞれ当接可能な程度の寸法を有している。更に、ピッチ円P7上の溝L4Bの溝幅S4Bは、歯L32の歯幅S32より大きく、ピッチ円P7上の溝L4C,L4Dの溝幅S4C,S4Dは、それぞれ歯L33,L34の歯幅S33,S34と略一致するように設定されている。
図22は、リンクギア8Aを示す平面図である。
リンクギア8Aは、フロントアーム6A及びリンクギア7Aのそれぞれと噛合する平板状部材であり、リンクギア7Aとは略鏡像対称構造を有している。このリンクギア8Aは、フロントアーム6Aが第一アームとして機能する場合には、本発明の第一リンクギアに相当し、フロントアーム6Aが第二アームとして機能する場合には、本発明の第二リンクギアに相当する。
このうち、リンクギア8Aの一端側に形成された開口部8A1には、リンク取付部94の支持部が嵌め込まれ、これにより、リンクギア8Aがブラケット9に回動自在に支持される。また、鉤状部7A2は、ブラケット9の段差部942に当接する。
このような噛合部8A4の矢印C21方向側の端縁には、フロントアーム6Aが未回動状態のときに、当該フロントアーム6Aの当接部6A1A(図20)に当接する当接部8A5が形成されている。
図23は、搬送ユニット4Aにより第一ディスクD1が搬送される過程を示す平面図である。
フロントアーム5A,6Aが未回動状態のとき、開口部30に第一ディスクD1が挿入されると、当該第一ディスクD1の端縁が、検出レバー6A4の当接ピン6A42に当接し、当該検出レバー6A4をフロントアーム6Aに対して相対的に矢印B21方向に回動させる。これにより、検出レバー6A4がディスク挿入検出用のスイッチを入力して、制御ユニット31がモータ344ひいては第一ローラ55及び第二ローラ56を回転させる。また、この検出レバー6A4の回動により、当該検出レバー6A4の被覆部6A43が、フロントアーム6Aの噛合部6A19に形成された歯R35(図20)に対応する位置に配置される。
また、フロントアーム6A及びリンクギア8Aは、捻りばねTSLより大きな付勢力を有する捻りばねTSRにより、当該フロントアーム6Aの当接部6A1A及び歯R31〜R34における矢印B22方向側の端面と、リンクギア8Aの歯R41〜R45における矢印C21方向側の端面とが、それぞれ当接するようにして、矢印B21,C21方向にそれぞれ回動する。
同様に、第一ディスクD1が第二ローラ56,63に渡され、フロントアーム6Aが更に矢印B21方向に回動した際には、フロントアーム6Aの歯R36における矢印B22方向側の端面に、リンクギア8Aの歯R47における矢印C21方向側の端面が当接する。これにより、フロントアーム6A及びリンクギア8Aの矢印B21,C21方向への更なる回動が規制される。
なお、第一ディスクD1の開口部30外への搬出(矢印A2方向への搬送)については、当該第一ディスクD1の搬入とは逆の搬送ユニット4Aの動作によって行われる。
図24は、開口部30の中央に挿入された第二ディスクD2が搬送ユニット4Aにより搬入される過程を示す平面図である。
第二ディスクD2が開口部30の中央に挿入された場合には、当該第二ディスクD2の端縁は、フロントアーム5A,6Aの第二ローラ56,63により把持される。そして、第二ディスクD2が矢印A1方向に押し込まれると、フロントアーム5A,6Aは、図24に示すように、それぞれ矢印B11,B21方向に回動する。
また、捻りばねTSRにより、フロントアーム5Aより大きな矢印B22方向への付勢力を受けるフロントアーム6Aは、当該フロントアーム6Aの当接部6A1A及び歯R31〜R34における矢印B22方向側の端面に、リンクギア8Aの歯R41〜R45における矢印C21方向側の端面が当接し、リンクギア7Aの矢印C11方向への回動に応じたリンクギア8Aの矢印C21方向への回動に伴って、矢印B21方向へと回動する。このフロントアーム6Aの回動により、検出レバー6A4がディスク挿入検出用のスイッチを入力し、第一ローラ55及び第二ローラ56が回転する。
以上により、開口部30の中央に挿入された場合の第二ディスクD2の搬入が終了する。
一方、開口部30の左側に第二ディスクD2が挿入された場合には、当該開口部30の左側に配置されたフロントアーム5Aの第一ローラ55に、第二ディスクD2の端縁が当接する。そして、当該第二ディスクD2が装置本体3内に更に挿入されると、フロントアーム5Aは、矢印B11方向に回動するとともに、当該フロントアーム5Aの歯L31〜L33にそれぞれ当接する歯L41〜L43を有するリンクギア7Aは、矢印C11方向に回動する。
このリンクギア7Aの回動に応じて、リンクギア8Aは矢印C21方向に回動し、当該リンクギア8Aの歯R41〜R45が、当接部6A1A及び歯R31〜R34を押し上げるようにして、フロントアーム6Aを矢印B21方向に回動させる。このフロントアーム6Aの回動により、検出レバー6A4が、ディスク挿入検出用のスイッチを入力する。
ここで、検出レバー6A4の当接ピン6A42は、第二ディスクD2に当接しないため、当該検出レバー6A4のフロントアーム6Aに対する相対的な回動は生じない。このため、図25に示すように、フロントアーム6Aの溝R3Fは、検出レバー6A4の被覆部6A43により覆われているので、リンクギア8Aの歯R46は、当該溝R3Fに挿入されずに、被覆部6A43に当接する。これにより、フロントアーム6A及びリンクギア8Aの矢印B21,C21方向への更なる回動が規制され、ひいては、フロントアーム5A及びリンクギア7Aの矢印B11,C11方向への更なる回動も規制される。
以後、開口部30の中央に第二ディスクD2が挿入された場合と同様に、当該第二ディスクD2の孔部C2が、ターンテーブル3211に対応する位置に到達するまで、第二ディスクD2は搬入される。そして、この時点で、第二ディスクD2と離間した状態で、各フロントアーム5A,6Aは係止され、また、モータ344の駆動が停止される。
また、第二ディスクD2が開口部30外に搬出される場合には、開口部30の中央に挿入された第二ディスクD2を搬入する搬送ユニット4の動作とは逆に動作する。なお、第二ディスクD2の搬出においては、前述の搬送ユニット4と同様に、第二ディスクD2が第二ローラ56,63に把持され、かつ、第二ディスクD2の一部が開口部30外に露出した状態で、モータ344の駆動が停止され、これにより、第二ローラ56の回転が停止される。
第一ディスクD1が開口部30に挿入された場合には、当該第一ディスクD1により検出レバー6A4が回動して、溝R3Fを露出させるので、当該第一ディスクD1を搬入する際のフロントアーム5A,6Aの回動を可能とすることができる。
また、開口部30の略中央に第二ディスクD2が挿入され、当該第二ディスクD2がフロントアーム5A,6Aの第二ローラ56,63に把持された場合には、第二ディスクD2が当接しないため検出レバー6A4は回動しない。しかしながら、第二ディスクD2を搬送する際にフロントアーム5A,6Aが最も大きく回動した場合でも、被覆部6A43にリンクギア8Aの歯R46は当接しないため、第二ディスクD2の搬送が検出レバー6A4により妨げられることはない。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記第二実施形態では、右側に位置するフロントアーム6Aに検出レバー6A4を設けるとしたが、本発明はこれに限らず、検出レバーは、左側に位置するフロントアーム5Aに設けられていてもよい。すなわち、径寸法の小さな第二ディスクが一方のフロントアームに当接した際に、各フロントアームの間隔が所定以上開かないように、他方のフロントアームの歯と、当該フロントアームに噛合するリンクギアの歯とが噛合することが規制されるのであれば、検出レバーは、どちらのフロントアームに設けられていてもよく、それぞれのフロントアームに設けられていてもよい。
Claims (13)
- ディスクを搬送するディスク搬送装置であって、
一方の端部間が近接し、かつ、他方の端部間が離間するように配置され、前記他方の端部を中心として、互いに離間する第一方向及び第二方向にそれぞれ回動して前記ディスクを搬送する第一アーム及び第二アームと、
前記第一アーム及び前記第二アームのうちの一方のアームの回動に応じて他方のアームを回動させるリンクとを備え、
前記第一アーム及び前記リンクは、複数の歯を有し、かつ、互いに噛合するアーム側噛合部及びリンク側噛合部をそれぞれ備え、
前記第一アームは、
前記ディスクが前記第二アームのみに当接した状態で、当該第二アームが前記第二方向に回動した際に、前記アーム側噛合部と前記リンク側噛合部との噛合を規制して、前記第一アーム及び前記第二アームのそれぞれ前記第一方向及び前記第二方向への回動を規制する回動規制部を備えることを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項1に記載のディスク搬送装置において、
前記リンクは、
前記リンク側噛合部を有し、かつ、前記第一アームの前記第一方向への回動に応じて第三方向に回動する第一リンクギアと、
前記第二アームに係合して、当該第二アームの前記第二方向への回動に応じて第四方向に回動する第二リンクギアとを備え、
前記第一リンクギア及び前記第二リンクギアは、互いに噛合する他の噛合部をそれぞれ備え、
前記回動規制部は、前記第一アームに設けられ、かつ、前記第一リンクギアの前記第三方向への回動を規制することにより、前記第二リンクギアの前記第四方向への回動、及び、前記第二アームの前記第二方向への回動を規制することを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項2に記載のディスク搬送装置において、
前記回動規制部は、
前記第二アームのみに前記ディスクが当接した際に、前記アーム側噛合部が有する前記歯の先端と、前記リンク側噛合部が有する前記歯の先端とを当接させて、前記第一アーム及び前記第二アームの回動を規制することを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項3に記載のディスク搬送装置において、
前記第一アームを前記第一方向とは反対方向に付勢する付勢手段を備え、
前記アーム側噛合部は、アーム側第一歯と、当該アーム側第一歯の前記第一方向とは反対方向側に形成されたアーム側第二歯とを有し、
前記リンク側噛合部は、前記アーム側第一歯及び前記アーム側第二歯の間に嵌まり込むリンク側第一歯と、当該リンク側第一歯の前記第三方向とは反対方向側に形成されたリンク側第二歯とを有し、
前記回動規制部は、前記アーム側第一歯と前記アーム側第二歯との間の溝であり、当該溝の溝幅は、前記リンク側第一歯の歯幅より大きく、かつ、前記リンク側第一歯及び前記リンク側第二歯における前記第3方向側の端面間の寸法より小さく設定され、
前記リンク側第一歯と前記リンク側第二歯との間の溝幅は、前記アーム側第二歯の歯幅と略一致し、
前記第二アームのみに前記ディスクが当接した際に、前記リンク側第二歯の先端と、前記アーム側第二歯の先端とが当接することで、前記第一アーム及び前記第二アームの前記第一方向及び前記第二方向へのそれぞれの回動が規制されることを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項4に記載のディスク搬送装置において、
前記アーム側噛合部は、前記アーム側第一歯の前記第一方向側にアーム側第三歯を有し、
前記リンク側噛合部は、前記リンク側第一歯の前記第三方向側にリンク側第三歯を有し、
前記リンク側第三歯は、前記第一アーム及び前記第一リンクのそれぞれ前記第一方向及び前記第三方向への回動に応じて、前記アーム側第三歯と前記アーム側第一歯との間に嵌まり込み、
前記アーム側第一歯及び前記アーム側第二歯のいずれかに、前記リンク側第一歯が当接した際には、前記アーム側第三歯と、前記リンク側第三歯とはそれぞれ離間することを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項5に記載のディスク搬送装置において、
前記アーム側第一歯の歯幅は、前記アーム側第二歯の歯幅より大きいことを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項5または請求項6に記載のディスク搬送装置において、
前記アーム側第三歯及び前記リンク側第三歯は、それぞれ略台形状に形成され、
前記アーム側第三歯における前記第一方向とは反対方向側の端部には、当該反対方向側の端縁の傾斜を緩くする緩斜部が形成され、
前記リンク側第三歯における前記第三方向側の端部には、当該第三方向側の端縁の傾斜を緩くする切欠部が形成されていることを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項4から請求項7のいずれかに記載のディスク搬送装置において、
前記リンク側第二歯の先端と、前記アーム側第二歯の先端とが当接する際に、前記リンク側第一歯は、前記第一アームの回動軸と前記第一リンクギアの回動軸とを結ぶ直線上に位置することを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のディスク搬送装置において、
前記回動規制部は、前記第一アームに設けられ、かつ、当該第一アームの回動軸と同じ回動軸を有するレバー部材であり、
前記レバー部材は、前記アーム側噛合部が有する前記複数の歯のうち少なくともいずれかの歯と歯の間の領域を被覆する被覆部を備え、
前記リンク側噛合部が有する前記複数の歯のうち、前記領域に嵌まり込む歯の先端が、当該被覆部に当接することにより、前記第一アーム及び前記第二アームの前記第一方向及び前記第二方向へのそれぞれの回動が規制されることを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項9に記載のディスク搬送装置において、
前記レバー部材は、前記ディスクに当接して回動することにより前記ディスクを検出する検出レバーであることを特徴とするディスク搬送装置。 - 請求項1から請求項10のいずれかに記載のディスク搬送装置において、
前記第一アーム及び前記第二アームは、前記ディスクに当接するローラをそれぞれ備え、
前記第一アーム及び前記第二アームのそれぞれ前記第一方向及び前記第二方向への回動が規制された際の前記各ローラ間の距離は、前記ディスクの直径寸法以下であることを特徴とするディスク搬送装置。 - 記録媒体としてのディスクに記録された情報の読取、及び、当該ディスクに対する情報の書込のうち、少なくともいずれかを実行する情報読取/書込手段と、当該情報読取/書込手段を内部に収納する筐体とを備えたディスク装置であって、
前記筐体内には、請求項1から請求項11のいずれかに記載のディスク搬送装置が設けられていることを特徴とするディスク装置。 - 請求項12に記載のディスク装置において、
前記筐体には、当該筐体内に前記ディスクを挿入するための開口部が形成され、
前記開口部は、前記ディスクのうち、第二ディスクに対して直径寸法の大きな第一ディスクの直径寸法に応じて形成され、
前記他方の端部は、それぞれ、前記開口部の両端部近傍にそれぞれ位置し、
前記回動規制部は、前記第二アームのみに前記第二ディスクが当接した際に、前記第一アーム及び前記第二アームの回動を規制することを特徴とするディスク装置。
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