JP4384799B2 - マグネットキャッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、家具類やキャビネット等の開き戸その他のウィング、或いは、そのウィングが取り付けられる開口部に装着して、ウィングを磁力によって閉塞状態に保持するためのマグネットキャッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のマグネットキャッチは、通常、止めねじでキャビネット等のボックス本体に固定されているが、これでは、そのキャビネット等をリサイクル処理する際に各部品を分別する必要がある場合、そのマグネットキャッチの止めねじをいちいち取り外す必要がある。また、マグネットキャッチのハウジング全体が取付対象であるプレートの表面側に露出していると、当該キャッチによってボックス本体内の収納空間が侵されることになる。
【0003】
そこで、止めねじを使用しなくてもハウジングを取付孔に挿通するだけでワンタッチでプレートに固定することができ、しかも、その取付後においてはハウジングの大部分がプレートの裏面側に収納される隠しタイプのマグネットキャッチが既に開発されており(例えば、実公平3−15735号公報参照)、この従来のマグネットキャッチは、前端に鍔部を有するハウジングと、鍔部の後方側においてハウジングの幅方向外側に付勢された状態で同方向に出退自在となるように当該ハウジングに設けられた左右一対の係止片と、ハウジングの前面から露出するように当該ハウジング内に収納されたマグネット部材と、を備えている。
【0004】
そして、かかるマグネットキャッチによれば、取付対象であるプレートに形成した取付孔にハウジングを強制的に挿入すると、ハウジングの鍔部がそのプレートの表面に当接したときに係止片が当該プレートの裏面に係合する。このため、鍔部と係止片との間でプレートの取付孔側の縁部が表裏から挟持されることで、鍔部よりも後方の大部分がプレートの裏面側に隠れた状態となるように、ハウジングをプレートに対してワンタッチで固定できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した通り、キャビネット等をリサイクル処理するには、金属部品(マグネット部材のヨーク)を含むマグネットキャッチや金属製の蝶番等はボックス本体から取り外す必要がある。
しかるに、上記した従来の隠しタイプのマグネットキャッチでは、取付対象であるプレートの裏面に係合する係止片がハウジングとともに同プレートの裏面側に隠れているため、そのプレートの裏面側からでないと係止片を同プレートの裏面から解除することができない。
【0006】
従って、従来の隠しタイプのマグネットキャッチでは、リサイクル処理の際にマグネットキャッチを取り外す場合には、取付対象であるプレートで構成されるボックス本体や開き戸を取り壊さないと当該キャッチを取り外すことができず、そのキャッチの取り外し作業が非常に困難であるという欠点がある。
本発明は、このような実情に鑑み、鍔部よりも後方の大部分がプレートの裏面側に隠れた状態でハウジングがプレートに固定される隠しタイプのマグネットキャッチにおいて、そのハウジングをプレートの表面側から取り外すことができるようにして、当該キャッチの取り外し作業を容易にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、前端に鍔部と開口部とを有するハウジングと、このハウジングの幅方向両側壁の後端部に基端部分が一体に連結されかつ先端部分が取付対象であるプレートの表面側に露出するように前方に延設された前記ハウジングの幅方向に弾性変形自在な左右一対の係止アームと、この各係止アームのアーム長手方向中途部の外面側に突設されかつ前記鍔部の後方側において前記ハウジングの幅方向外側に付勢された状態で同方向に出退自在となる左右一対の係止片と、前記ハウジングの前面から露出するように当該ハウジングの開口部から内部に収納されたマグネット部材と、を備えており、取付対象であるプレートに形成した取付孔に挿入された前記ハウジングの鍔部が同プレートの表面に当接したときに前記係止片が当該プレートの裏面に係合することにより、前記鍔部よりも後方の大部分が前記プレートの裏面側に隠れた状態で前記ハウジングが前記プレートに固定されるマグネットキャッチであって、前記係止片の前記プレートの裏面に対する係合を解除するために前記プレートの表面側に露出する解除部が前記各係止アームの先端部分によって構成され、前記解除部の先端縁が前記ハウジングの前面とほぼ面一又は前面から若干後方に位置するように、前記係止アームの延設長さが設定されていることを特徴とする。
【0008】
また、鍔部よりも後方の大部分が取付対象であるプレートの裏面側に隠れた状態でハウジングがプレートに固定される隠しタイプのマグネットキャッチにおいて、係止片の前記プレートの裏面に対する係合を解除するための解除部が前記プレートの表面側に露出するように前記ハウジングに設けられていることを特徴とする。
【0009】
この場合、係止片のプレートの裏面に対する係合を解除するための解除部がプレートの表面側に露出しているので、この解除部をプレートの表面側から操作して係止片のプレートの裏面に対する係合を解除してからハウジングを表面側に抜き取ることにより、鍔部よりも後方のハウジングの大部分がプレートの裏面側に隠れているにも拘らず、そのハウジングをプレートの表面側から簡単に取り外すことができる。
【0010】
上記の本発明において、解除部はハウジングと別体の部材で構成することもできるが、部品点数を減少させて製造コストを低減するには、できるだけハウジングと一体化することが好ましい。
そこで、本発明は、基端部分がハウジングの幅方向両側面に一体に連結されかつ先端部分が取付対象であるプレートの表面側に露出するように前方に延設された前記ハウジングの幅方向に弾性変形自在な左右一対の係止アームを設けることを推奨する。
【0011】
かかる係止アームを採用した場合、この各係止アームのアーム長手方向中途部の外面側に係止片を突設し、その各係止アームの先端部分によって解除部を構成することにより、係止片と解除部を当該係止アームを介してハウジングと一体化することができるので、解除部を別部品とすることに伴う部品点数の増加を防止することができる。
【0012】
また、上記解除部として、取付対象であるプレートの表面側において係止片と同じ向きに突出する解除片を備えたものを採用すれば、この解除片の裏側に爪の先やマイナスドライバーの先端等を引っ掛けることができるので、係止アームの先端部分を解除方向に弾性変形し易くなり、当該解除片のない場合(図6参照)と比べて、ハウジングの取り外し作業がより簡単になる。
【0013】
上記解除片は前記係止アームの先端縁の中央部分に配置され、前記係止片は前記係止アームの幅方向両端部に分断された状態で配置されていることが好ましい。
また、解除片は、その裏面とプレートの表面との間に間隙が形成されるように、前記鍔部よりも薄肉としておくことが好ましい。
【0014】
一方、この種のマグネットキャッチは、相手方の鋼製板をハウジングの前面から露出しているマグネット部材で吸着するものであるから、そのハウジングの前面よりも前方に邪魔な部材が突出していると、そのマグネット部材による吸着が阻害される恐れある。そこで、上記解除部を設けたことによって却ってマグネット部材による吸着が阻害されることのないように、当該解除部は、ハウジングの前面よりは前方に突出しない形状に形成しておくことが好ましい。
【0015】
また、本発明において、ハウジングの幅方向両側壁の前端に、ハウジングの前面よりは前方に突出しないように取付対象であるプレートの表面側において係止アームの解除部を取り囲む枠状に形成されたバンパー部を突設するようにすれば、このバンパー部によって係止アームの解除部に物品が当たって自然に外れるのを防止できるようになるし、同バンパー部をプレートの表面に当接させることで、ハウジングのプレートに対する装着状態を安定化することができる。
【0016】
なお、このバンパー部を設けたことによって却ってマグネット部材による吸着が阻害されることのないように、当該バンパー部についても、ハウジングの前面よりは前方に突出しない形状に形成しておくことが好ましい。
また、バンパー部は裏面が前記鍔部の裏面と面一になるように配置されていることが好ましい。
【0017】
更に、上記の本発明において、取付対象であるプレートの裏面に係合する各係止片の引っ掛け面を、ハウジングの前方側に向かうに従って同ハウジングの幅方向内側に傾斜する形状に形成しておけば、その取付対象であるプレートの厚さが変化しても、係止アームの弾性変形の度合いに応じて係止片をプレートの裏面に適切に係合させることができ、種々の厚さのプレートに対してハウジングを固定できるようになる。
【0018】
そして、かかる引っ掛け面を採用する場合において、各係止片の引っ掛け面に、凹凸条又はシボ加工を形成しておけば、その凹凸条等の滑り止め作用によって係止片の引っ掛かり度合いを増大でき、マグネットキャッチの固定強度を高めることができる。
また、取付対象であるプレートの裏面に係合しない各係止片の背面側には、ハウジングの前方側に向かうに従って同ハウジングの幅方向外側に傾斜するガイド面を形成することが好ましい。この場合、係止アームがハウジングとともに取付孔に強制的に押し込まれるとガイド面のガイド機能によってハウジングの幅方向内側に自動的に弾性変形するようになるので、ハウジングを取付孔に強制的に押し込むだけでマグネットキャッチをプレートに取り付けることができ、その取り付け作業が容易になる。
【0019】
更に、本発明において、各係止アームの基端部を強化しかつその弾性復帰力を向上させるために、各係止アームの基端部に補強リブを設けておくことが好ましい。もっとも、かかる補強リブを係止アームの表側又は裏側だけに設けると、係止アーム付きのハウジングを合成樹脂で一体成形する場合において、その樹脂の引けによって係止アームがハウジング側又はその反対側に曲がって不良品が発生することがある。
【0020】
そこで、本発明は、各係止アームの基端部の補強リブを、その表側又は裏側若しくは表裏双方に突出させることにより、上記の樹脂の引けに伴う係止アームの曲がりを防止することを推奨する。
また、本発明のマグネットキャッチにおいて、マグネット部材を挟持する相対向する一対の対向壁を備えたハウジングを採用する場合には、この両対向壁の内側面にマグネット部材を係止する嵌合突起を設けることにより、マグネット部材をハウジングに対して離脱しないように取り付けることができる。
【0021】
そして、かかる嵌合突起を設ける場合において、その両対向壁又はいずれか一方の対向壁における嵌合突起の周囲の一部分を切り欠いて形成した切欠部を当該対向壁に形成しておけば、その対向壁の厚さを過度に薄くしなくても、その切欠部で囲まれた部分が対向壁の表裏方向に撓み易くなる。
従って、ハウジングの開口部からマグネット部材を組み入れる際に、そのマグネット部材によって嵌合突起を外方へ撓ませ易くなるので、マグネット部材のハウジングに対する挿入作業が容易になる。また、マグネット部材を強制的に押し込む際に同部材によってハウジング内の嵌合突起が削り取られるのが防止されるので、マグネット部材の固定が確実になりハウジングから不意に脱落するのを未然に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1〜図5は、本発明に係るマグネットキャッチ1の第一の実施形態を示している。図1に示すように、このマグネットキャッチ1は、キャビネットや機器ケースのボックス本体を構成する取付対象となるプレート2にその表面側から着脱自在に取り付けられるもので、そのボックス本体の開口部に開閉自在に設けた開閉扉(図示省略)側の被吸着板を磁力で吸着して、当該開閉扉を閉鎖位置に保持するものである。
【0023】
本実施形態のマグネットキャッチ1は、大部分がプレート2の裏面側に隠れた状態で同プレート2に装着される合成樹脂よりなるハウジング3と、このハウジング3の内部に収納されたマグネット部材4と、を備えている。このハウジング3は、長辺側を構成する相対向する一対の対向壁3A,3Aと、短辺側を構成する幅方向両側の側壁3B,3Bとから、幅方向に長いボックス枠状に形成されている。対向壁3A,3Aの前端には、その対向方向外側に突出する鍔部3Cが形成されており、ハウジング3の前方部分(図1の上方部分)には、マグネット部材4を挿入するための開口部3Dが形成されている。
【0024】
なお、図例の鍔部3Cは、ハウジング3の幅方向に沿って連続した形状に形成されているが、この鍔部3Cは途中で分断されていてもよく、小片をハウジング3の幅方向に沿って間隔をおいて並設したものであってもよい。
ハウジング3の幅方向両側壁3B,3Bの各外側面には、当該ハウジング3の幅方向に弾性変形自在な左右一対の係止アーム5,5が一体に突設されている。この各係止アーム5,5は基端部分がハウジング3側に向かって湾曲しかつ先端部分が真っ直ぐなアーム部材よりなり、その基端部分はハウジング3の両側壁3B,3Bの後端部に一体に連結され、その先端部分はハウジング3の前方側に向けて延設されている。
【0025】
各係止アーム5,5のアーム長手方向中途部の外面側には、ハウジング3の幅方向外側に突出する三角形状の係止片6,6が一体に形成されている。この各係止片6,6は、ハウジング3の鍔部3Cがプレート2の表面に当接したときにプレート2の裏面に引っ掛かり、これによって当該ハウジング3をプレート2に固定するためのものである。
【0026】
図2に示すように、各係止アーム5,5の先端部分は、ハウジング3をプレート2を取り付けた状態において、その取付対象であるプレート2の表面側に露出する程度に前方に延設されており、これにより、プレート2の表面側から係止アーム5の先端部分に爪の先や工具の先端等を引っ掛けてその先端部分をハウジング3の幅方向中央側に移動させることにより、係止片6のプレート2の裏面に対する係合を解除できるようになっている。従って、プレート2の表面側に露出している当該係止アーム5の先端部分により、係止片6のプレート2の裏面に対する係合を解除するための解除部7が構成されている。
【0027】
本実施形態の解除部7は、取付対象であるプレート2の表面側において係止片6と同じ向きに突出する小さな四角片形状に形成された解除片8を備えている。この解除片8は、爪の先や工具の先端等の引っ掛かりを容易にするためのものであり、図1に示すように、係止アーム5の先端縁の中央部分に配置され、ハウジング3の幅方向外側に向けて突設されている。なお、この解除片8を設けたことによって成形金型からの脱型ができなくなるのを防止するために、係止片6は、解除片8が配置されている部分を避けて、係止アーム5の幅方向両端部に分断された状態で配置されている。
【0028】
ところで、本実施形態のマグネットキャッチ1は相手方の鋼製板をハウジング3の前面3Eから露出しているマグネット部材4で吸着するものであるから、そのハウジング3の前面3Eよりも前方に邪魔な部材が突出していると、そのマグネット部材4による吸着が阻害される恐れある。
そこで、本実施形態では、係止アーム5の先端部分より構成される前記解除部7(解除片8を含む。)を設けたことによって却ってマグネット部材4による吸着が阻害されることのないように、解除部7の先端縁がハウジング3の前面3Eとほぼ面一か又はこの前面3Eよりも若干後方に来るように、当該係止アーム5の延設長さを設定してある。
【0029】
なお、図2及び図5に示すように、本実施形態の解除片8は、その裏面とプレート2の表面との間に僅かな間隙eが形成されるように、前記鍔部3Cよりもやや薄肉に形成されており、これにより、当該解除片8の裏側に爪の先や工具の先端が引っ掛け易くなるようにしている。
ハウジング3の幅方向両側壁3B,3Bの前端には、ハウジング3の幅方向外方に延びるとともに係止アーム5の先端部分(解除部7)を外側から取り囲むようにコ字形枠状に形成されたバンパー部9が突設されており、このバンパー部9はその裏面が鍔部3Cの裏面と面一となるように配置されている。従って、このバンパー部9は、これをプレート2の表面に当接させることで、ハウジング3のプレート2に対する装着状態を安定化させる機能を有し、また、係止アーム5の解除部7にボックス本体内の物品が当たって自然に外れるのを防止するバンパー機能を有する。
【0030】
なお、このバンパー部9を設けたことによって却ってマグネット部材4による吸着が阻害されることのないように、当該バンパー部9は、ハウジング3の前面3Eよりは前方に突出しない厚さに形成されている。
図2に示すように、マグネット部材4を挟持する相対向する前記一対の対向壁3A,3Aの内面には、そのマグネット部材4の挿入方向(図2の上下方向)に沿うそれぞれ2本のガイドレール11が互いに所定間隔をおいて平行に突設されており、これにより、マグネット部材4を当該ガイドレール11に沿って円滑に挿入できるようにしてある。
【0031】
一方、ハウジング3内のマグネット部材4は、異方性フェライト、等方性フェライト又はゴム磁石などからなる横長矩形ブロック状の磁石14と、この磁石14の表裏両側面に吸着された一対のヨーク15,15とからなり、この各ヨーク15,15の中央部には、後述する嵌合突起12が嵌合する嵌合孔16が形成されている。
【0032】
図2及び図3に示すように、ハウジング3を構成する一対の対向壁3A,3Aの内面中央部には、上記マグネット部材4に対して表裏から係止する嵌合突起12,12が設けられている。この嵌合突起12,12を有する両対向壁3A,3A(なお、片方の対向壁3Aでもよい。)には、その対向壁3Aにおける嵌合突起12の周囲の部分を切り欠いて形成したU字状の切欠部13が貫通状に設けられている。
【0033】
従って、ハウジング3の開口部3Dからマグネット部材4を強制的に挿入すると、そのマグネット部材4を構成する各ヨーク15,15の嵌合孔16にハウジング3内の各嵌合突起12が嵌合し、これによってマグネット部材4がハウジング3から抜け止めされる。
この場合、本実施形態では、上記切欠部13によって双方の嵌合突起12(片方でもよい。)を対向壁3Aの表裏に撓み易くしているので、マグネット部材4の挿入が容易であり、かつ、ヨーク15によって嵌合突起12を削り取ることがなくなり、嵌合突起12によるマグネット部材4の固定が確実になり、ハウジング3内でマグネット部材4がガタついたり、不意に抜け出したりするのを防止することができる。
【0034】
そして、かかる切欠部13で囲まれた部分が対向壁3Aの表裏方向に撓み易くなっているので、その対向壁3Aの厚さを過度に薄くしなくても、マグネット部材4を容易にハウジング3内に嵌め入れることができる。
図2〜図4に示すように、ハウジング3の幅方向両側壁3B,3Bの内面後端部には、ハウジング3の内部に向かって上向きに傾斜する左右一対の弾性受止片17,17が相対向状に突設されている。従って、ハウジング3内に前記マグネット部材4を嵌入させると、この各弾性受止片17,17が各ヨーク15の後端縁部により押し下げられ、それによって生じる弾性力によりマグネット部材4が上方に付勢されるようになっている。
【0035】
この弾性受止片17により、開閉扉を繰り返し開閉するときにマグネット部材4にかかる衝撃力を緩衝することができ、また、マグネット部材4の姿勢を適正な方向に修正させることができる。
前記各係止アーム5,5は、ほぼL字形のアーム状に形成され、その基端部分がハウジング3の側壁3Bの後端部に一体的に突設され、その先端部分が前記バンパー部9の内部に位置するようにハウジング3の前方に延出され、そのアーム長手方向中途部の外面側に前記係止片6が突設されている。
【0036】
図2及び図5に示すように、この係止片6のプレート2の裏面に対する引っ掛け面6Aは、ハウジング3の前方側(図5の上側)に向かうに従って同ハウジング3の幅方向内側に傾斜する形状に形成されていて、これにより、取付対象であるプレート2の厚さtが変化しても、係止アーム5の弾性変形の度合いに応じて係止片6をプレート2の裏面に適切に係合させることができ、種々の厚さtのプレート2に対してハウジング3を固定できるようになっている。
【0037】
また、本実施形態では、上記のように傾斜状した引っ掛け面6Aに、凹凸条又はシボ加工(図示せず)が設けられており、この凹凸条等の滑り止め作用によって係止片6の引っ掛かり度合いを増大させ、マグネットキャッチ1の固定強度を高めるようにしている。
図2及び図5に示すように、取付対象であるプレート2の裏面に係合しない各係止片6,6の背面側には、ハウジング3の前方側(図5の上方側)に向かうに従って同ハウジング3の幅方向外側に傾斜するガイド面6Bが形成されており、このガイド面6Bによって係止アーム5をハウジング3の幅方向内側に自動的に弾性変形させ、両係止アーム5,5を取付孔10に強制的に押し込むだけでマグネットキャッチ1をプレート2に取り付けられるようにしてある。
【0038】
図5において仮想線で示すように、各係止アーム5,5の基端部に、その表側と裏側の両方に補強リブ18,19を設けることにしてもよく、かかる補強リブ18,19を係止アーム5の表裏両側に設けることにより、係止アーム5付きのハウジング3を一体成形する際に樹脂の引け(即ち収縮)によって係止アーム5が内股状又は外股状に変形するのが防止されるとともに、補強リブ18,19により十分な弾性力を確保し、耐久性の向上を図っている。なお、表側の補強リブ18又は裏側の補強リブ19のうちのいずれか一方のみを設けてもよい。
【0039】
次に、上記構成に係るマグネットキャッチ1の作用を説明する。
まず、本実施形態のマグネットキャッチ1を取付対象であるプレート2に取り付けるには、ハウジング3の後端側(各係止アーム5,5の基端側)をプレート2の取付孔10に臨ませ、同ハウジング3を各係止アーム5,5と一緒に当該取付孔10に強制的に押し込めばよい。
【0040】
すると、前記ガイド面6Bにより係止アーム5が互いに対向内方に撓み、係止片6がプレート2の取付孔10を通過した時点で係止アーム5がその弾性で元の対向外方に復帰し、ハウジング3の鍔部3Cがプレート2の裏面に当接した状態で係止片6の引っ掛け面6Aがプレート2の裏面に当接し、これによってハウジング3がプレート2に対して固定されることになる。
【0041】
このようにして、係止片6がプレート2の裏面に引っ掛かると、ハウジング3はプレート2に対して確実かつ安定的に固定され、その後は人為的に係止アーム5を弾性変形させない限り、係止片6をプレート2から外すことができない。
そこで、リサイクルなどのためにマグネットキャッチ1をプレート2から取り外す場合には、プレート2の表面側に露出している解除部7の解除片8に爪の先又は工具の先端等を引っ掛けて係止アーム5の先端部分をハウジング3の幅方向中央側に強制的に弾性変形させ、これによって係止片6のプレート2の裏面に対する係合を解除してからハウジング3を手前に抜き取るようにすればよい。
【0042】
一方、本実施形態では、係止片6が各係止アーム5,5の外面側(弾性変形の復帰側)に向けられており、しかも、その係止片6の引っ掛け面6Aがハウジング3の前方側に向かうに従って同ハウジング3の幅方向内側に傾斜しているので、プレート2の板厚tが多少変化しても弾性変形している係止アーム5の各係止片6,6の引っ掛け面6Aがプレート2の裏面に対して確実に引っ掛かり、ハウジング3をプレート2に対して確実かつ強固に固定することができる。
【0043】
すなわち、図5に示すように、プレート2の板厚tが例えばt1,t2,t3と変化した場合でも、薄い板厚t1のとき(図5の破線)には、係止アーム5が若干内側に倒れた状態で引っ掛け面6Aが取付孔10の端縁に引っ掛かり、やや厚い板厚t2のとき(図5の一点鎖線)には、係止アーム5がそれよりやや大きく内側に倒れた状態で引っ掛け面6Aが取付孔10の端縁に引っ掛かり、厚い板厚t3のとき(図5の二点鎖線)には、係止アーム5が更に大きく内側に倒れた状態で引っ掛け面6Aが取付孔10の端縁に引っ掛かり、いずれの場合においても、係止アーム5の弾性変形の度合いに応じて係止片6をプレート2の裏面に適切に係合させることができ、種々の厚さtのプレート2に対してハウジング3を確実に固定できるようになる。
【0044】
なお、本実施形態では、プレート2の板厚tがt1=1.0mm、t2=1.2mm、t3=1.6mmのいずれにも対応できるように(従って、板厚tがt1〜t3の中間寸法であっても対応できる)、係止片6の引っ掛け面6Aの傾斜度合いを設定してある。
図6は、本発明を採用したマグネットキャッチ1の第二の実施形態を示している。
【0045】
本実施形態のマグネットキャッチ1が第一実施形態のものと異なる点は、係止アーム5の解除片8、ハウジング3のバンパー部9、ハウジング3の切欠部13をそれぞれ省略した点にあり、その他の構成は、第一実施形態の場合と同じである。
従って、本実施形態においても、プレート2の表面側に露出している係止アーム5の先端部分に形成された解除部7をハウジング3の幅方向中央側に強制的に弾性変形させることにより、係止片6のプレート2の裏面に対する係合をプレート2の表面側から行うことができ、隠しタイプのマグネットキャッチ1であるにも拘らず、リサイクル処理等に際する当該キャッチ1の取り外し作業を容易にすることができる。
【0046】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではない。
例えば、係止片6の引っ掛け面6Aは、凹状又は凸状の湾曲面で構成することもできるし、アーム長手方向(図5の上下方向)に対して垂直な段差面で構成することもできる。さらには、当該引っ掛け面6Aを先端側に向かって低くなる階段状段部とすることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鍔部よりも後方の大部分がプレートの裏面側に隠れた状態で同プレートに固定されているハウジングをプレートの表面側から取り外すことができるので、隠しタイプのマグネットキャッチであるにも拘らず、リサイクル処理等に際する当該キャッチの取り外し作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態に係るマグネットキャッチの全体斜視図である。
【図2】 同マグネットキャッチの取り付け状態を示す正面断面図である。
【図3】 図2のA−A線断面図である。
【図4】 (a)はハウジングの正面図、(b)はハウジングの平面図、(c)はハウジングの底面図である。
【図5】 プレートの板厚変化に対する係止アームの曲がり度合いを示す拡大正面図である。
【図6】 第二実施形態に係るマグネットキャッチの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 マグネットキャッチ
2 プレート
3 ハウジング
3A 対向壁
3C 鍔部
3E 前面
4 マグネット部材
5 係止アーム
6 係止片
6A 引っ掛け面
6B ガイド面
7 解除部
8 解除片
9 バンパー部
10 取付孔
12 嵌合突起
13 切欠部
18 補強リブ
19 補強リブ
Claims (9)
- 前端に鍔部(3C)と開口部(3D)とを有するハウジング(3)と、このハウジング(3)の幅方向両側壁(3B、3B)の後端部に基端部分が一体に連結されかつ先端部分が取付対象であるプレート(2)の表面側に露出するように前方に延設された前記ハウジング(3)の幅方向に弾性変形自在な左右一対の係止アーム(5、5)と、この各係止アーム(5、5)のアーム長手方向中途部の外面側に突設されかつ前記鍔部(3C)の後方側において前記ハウジング(3)の幅方向外側に付勢された状態で同方向に出退自在となる左右一対の係止片(6、6)と、前記ハウジング(3)の前面(3E)から露出するように当該ハウジング(3)の開口部(3D)から内部に収納されたマグネット部材(4)と、を備えており、取付対象であるプレート(2)に形成した取付孔(10)に挿入された前記ハウジング(3)の鍔部(3C)が同プレート(2)の表面に当接したときに前記係止片(6)が当該プレート(2)の裏面に係合することにより、前記鍔部(3C)よりも後方の大部分が前記プレート(2)の裏面側に隠れた状態で前記ハウジング(3)が前記プレート(2)に固定されるマグネットキャッチであって、
前記係止片(6)の前記プレート(2)の裏面に対する係合を解除するために前記プレート(2)の表面側に露出する解除部(7)が前記各係止アーム(5、5)の先端部分によって構成され、
前記解除部(7)の先端縁が前記ハウジング(3)の前面(3E)とほぼ面一又は前面(3E)から若干後方に位置するように、前記係止アーム(5)の延設長さが設定されていることを特徴とするマグネットキャッチ。 - 解除部(7)は、取付対象であるプレート(2)の表面側において係止片(6)と同じ向きに突出する解除片(8)を備え、この解除片(8)は前記係止アーム(5)の先端縁の中央部分に配置され、前記係止片(6)は前記係止アーム(5)の幅方向両端部に分断された状態で配置されている請求項1に記載のマグネットキャッチ。
- 解除片(8)は、その裏面とプレート(2)の表面との間に間隙(e)が形成されるように、前記鍔部(3C)よりも薄肉とされている請求項2に記載のマグネットキャッチ。
- ハウジング(3)の幅方向両側壁(3B、3B)の前端に、ハウジング(3)の前面(3E)よりは前方に突出しないように取付対象であるプレート(2)の表面側において係止アーム(5)の解除部(7)を取り囲む枠状に形成されたバンパー部(9)が突設され、
このバンパー部(9)は裏面が前記鍔部(3C)の裏面と面一になるように配置されている請求項1〜3のいずれかに記載のマグネットキャッチ。 - 取付対象であるプレート(2)の裏面に係合する各係止片(6、6)の引っ掛け面(6A)が、ハウジング(3)の前方側に向かうに従って同ハウジング(3)の幅方向内側に傾斜する形状に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のマグネットキャッチ。
- 各係止片(6、6)の引っ掛け面(6A)に、凹凸条又はシボ加工が形成されている請求項5に記載のマグネットキャッチ。
- 取付対象であるプレート(2)の裏面に係合しない各係止片(6、6)の背面側に、ハウジング(3)の前方側に向かうに従って同ハウジング(3)の幅方向外側に傾斜するガイド面(6B)が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載のマグネットキャッチ。
- 各係止アーム(5、5)の基端部の表側又裏側若しくはその表裏双方に、補強リブ(18、19)が設けられている請求項1〜7のいずれかに記載のマグネットキャッチ。
- ハウジング(3)はマグネット部材(4)を挟持する相対向する一対の対向壁(3A)を備えており、この両対向壁(3A)の内側面にマグネット部材(4)を係止する嵌合突起(12)が設けられ、その両対向壁(3A)又はいずれか一方の対向壁(3A)における嵌合突起(12)の周囲の一部分を切り欠いて形成した切欠部(13)が当該対向壁(3A)に形成されている請求項1〜8のいずれかに記載のマグネットキャッチ。
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