JP4381692B2 - 自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井から床面に向けて送風されている塗装ブースに搬送されてきた自動車ボデーを、ティーチングされた塗装走査条件及びベルの吐出条件を基に、塗装ロボットの手首に取付けられたベルが、ベル中心線を基準ベル距離で面直に塗面に対面させた状態で走査ラインに沿って移動することにより静電塗装する際に、膜厚をシュミレートする塗膜シュミレーション方法であって、ベルに対して面直からの角度ずれ及び基準ベル距離からの距離ずれを生じる塗面に対して自動車ボデーの三次元形状データを基に基準膜厚から変化する膜厚をシュミレートする自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車ボデーの塗装工程において、逐次塗装ブース内に搬入される同一車種の自動車ボデーを塗装ロボットで静電塗装する場合、塗装ロボットにより自動車ボデーの三次元形状に対してベルの姿勢及び移動位置を制御するとしても塗装範囲の全域に対して姿勢及び距離を一定に保持するのは、自動車ボデーの非平坦な形状及び塗装時間の点で実際上困難である。そこで、塗装ロボットのティーチングした塗装走査条件及びベルの所定の吐出条件に対する塗膜の膜厚分布もしくはバラツキを確認する実車試験を効率良くするために、ベルに対する塗面の面直からのずれ角度及び基準位置からのベルのずれ距離に対応して平面を前提にした基準膜厚から変化する膜厚を、分割した各塗面区画について三次元形状データを基にシュミレートする自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法は周知である。
【0003】
本出願人は、このような送風が行われている塗装ブース内で塗装される自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法において、さらにシュミレート精度を向上させるために、特許文献1により、三次元形状によって変化する各塗面区画に沿った送風の気流速度を求め、ベルに対するずれ角度及びずれ距離に対応してシュミレートした各塗面区画の膜厚値に、さらに基準気流速度を各塗面区画の気流速度で除算した除算値に対応する補正係数を乗算することにより、気流補正を行った膜厚を算出することを提案した。
【0004】
これにより、各塗面区画に沿った基準気流速度に対して気流速度が遅いか或は速い度合に応じて基準膜厚よりも厚く又は薄く精度を向上させるようにシュミレートされる。つまり、塗装ブ−ス内の気流を膜厚分布のシュミレーション時にパラメータとして考慮することにより、高精度のシュミレーションが可能となり、したがって実車試験のやり直しの頻度が削減される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−172350号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法において、塗面の三次元形状及びブース送風の気流速度により、結局はベルから吐出される塗料の塗布パターン自体が影響されることに着眼したもので、塗布パターン自体を解析して塗装ロボットの塗装走査条件及びベルの所定の吐出条件に対する膜厚のシュミレーション精度を一層向上させ得る自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、天井から床面に向けて送風されている塗装ブースに搬送されてきた自動車ボデーを、ベル中心線を基準ベル距離で塗面に面直に対面させた状態で走査ラインに沿って所定のベル移動速度で移動させるようにティーチングされた塗装走査条件及びベルの吐出条件を基に、塗装ロボットの手首に取付けられたベルにより静電塗装する際に、膜厚をシュミレートする塗膜シュミレーション方法であって、ベルに対して面直からの角度ずれ及び基準ベル距離からの距離ずれを生じる塗面に対して自動車ボデーの三次元形状データを基に基準膜厚から変化する膜厚をシュミレートする自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法において、塗面に面直になったベル中心線(O)上における基準ベル距離(R)だけ前方のパターン中心位置(P)において、ベル中心線(O)及び走査ライン方向に対して直交方向へ離心する離心距離(d)に応じて変化するベルの塗布パターンを、塗装ブースの気流、ベルの吐出条件及び塗面の三次元形状データを基に、ベル中心線(O)に沿った方向の風速のベクトル成分(Y)及び離心方向の風速のベクトル成分(Z)として求め、塗装ブース内で自動車ボデーに代えた試験用平面プレートして面直になったベル中心線(O)上の基準ベル距離(R)における離心距離(d)に応じて変化する基準塗布パターンを、ベル中心線方向の風速のベクトル成分(Y)及び離心方向の風速のベクトル成分(Z)として求め、これらのベクトル成分(Y,Z)が合成された基準風速ベクトルの大きさを、塗面について求めたベクトル成分(Y,Z)が合成された風速ベクトルの大きさで除算して補正係数(C)を算出し、試験用平面プレートに対して塗装ブース内において塗装走査条件及び吐出条件下で1本の走査ラインに沿って試験塗装したパターン中心位置(P)で離心距離(d)に応じて変化する基準膜厚(T)を基に、塗面に対してパターン中心位置(P)で離心距離(d)に応じて変化する膜厚(t)を塗面の面直からの角度ずれ(α)及びベル中心線方向のベル距離(r)の基準ベル距離(R)からの距離ずれに応じてシュミレートすると共に、離心距離(d)に対応する補正係数(C)を乗算することにより補正を行うことを特徴とする。
【0008】
ベルによる塗布パターンの風速分布は、塗面に面直になったベル中心線上における基準ベル距離(R)だけ前方のパターン中心位置において離心距離(d)の変化に伴って変化する。したがって、この塗布パターンを、離心距離(d)におけるベル中心線(O)に沿った方向の風速のベクトル成分(Y)と、ベル中心線(O)及び走査ライン方向に対して直交する離心方向のベクトル成分(Z)とを合成した風速ベクトル分布として求める。この塗布パターンは、ベルの吐出条件で規定されるベルの基準塗布パターンに対して、塗面の三次元形状で影響される塗装ブースの気流に対応して変動する。各塗面の膜厚(t)は、所定の塗装走査条件のベル移動速度及び基準ベル距離(R)並びに吐出条件で重ね塗りされないように1本の走査ラインに沿って塗装された基準膜厚(T)に対して、離心距離(d)の変化に応じてベル距離(r)の基準ベル距離(R)からのずれ及び面直からの角度ずれ(α)のみならず、塗布パターンにも対応して変化するのを前提に、基準風速ベクトルの大きさに対して実際の風速ベクトルが大きくなるか又は小さくなるかに応じて基準膜厚に対して薄くなるか又は厚くなる方向へ補正される。つまり、塗布パターン、ブース気流及び塗面の影響で塗面近辺の風速が局部的に速くなると、補正係数(C)は小さくなり、遅くなると大きくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1乃至図6を基に本発明の自動車ボデー塗装の塗膜シュミレーション方法の実施の形態を説明する。図2の塗装ブース1には天井から自動車ボデー2の全域に対して十分広い範囲で垂直下方に面状の送風が均一に行われ、通気構造の床3を通して床下の排気口から排気される。塗装ブース1内に自動車ボデー2が搬入された状態で、送風の気流速度及び気流方向は、図中に概略例示するように、塗装ブース1の室内構造、自動車ボデー2の三次元形状及び排気口の位置等で変化する。即ち、ルーフ面に沿った風速は相対的に均一に遅くなが、側面は自動車ボデー2の曲面形状によって変化し、また排気口が図で見て右寄りに位置することにより右側の側面が左側に対して相対的に高速となる。
【0010】
塗装ブース1には、搬入された自動車ボデー2の両側に塗装ロボット9が配置され、さらに前後にも搬入後に塗装ロボット9が位置付けされるようになっている。それぞれのアーム先端の手首9aには塗装ガンとなるベル8が取付けられている。塗装に際して、塗装ロボット9に対するティーチングに従い、図3に示すように、ベル8のベル中心を通過してベル端面に直交して前進するベル中心線Oが塗面2aに対して面直になり、かつベル中心線O上でベル端面から基準ベル距離Rだけ離間するように姿勢制御され、さらに図1或は図5に示すように、自動車ボデー2の搬送速度に対して高速でベル8をシフト幅Dずつシフトさせつつ折返し移動させる塗装走査が行われる。
【0011】
このように、塗装走査に際して所定のシフト幅Dごとにベル中心線Oが、面直姿勢が制御され、したがって三次元形状の塗装範囲全域に対してその姿勢及び距離を一定に保持することはできず、また気流も自動車ボデー2の特に側面に対してはその位置に応じて変動する。そこで、自動車ボデー2の側面に対して塗装範囲をシフト幅Dに対応する走査ライン方向、即ち搬送方向に沿って帯状に分割した各塗面区画について、ベル距離、面直ずれ角度及び塗布パターンを解析し、下記の式(1)により各塗面区画でベル中心線Oからのずれに応じて変化する膜厚tをシュミレーションする。
【0012】
t=T×cosα×(R/r)×(V/v)×s×C……(1)
【0013】
ここで、αは、図3に示すように、ベル中心線O上を基準ベル距離Rだけ離間したパターン中心位置P上に在る塗面2aに面直に姿勢制御された状態で、ベル中心線(O)及びベル8の移動方向、即ち走査ライン方向に直交する離心方向にパターン中心位置Pからずれる塗面2aについて生じるパターン中心位置Pでの面直に対するずれ角度である。Rは、姿勢制御された状態でベル中心線O上のベル8の例えばベル先端面及び塗面2a間の塗装走査条件として規定される基準ベル距離である。rは、離心した位置の塗面2aでのベル中心線Oに沿った方向のベル8までの実際のベル距離である。例えば、パターン中心位置Pの塗面位置Aに対してr=R、α=0にティーチングされたとして、シフト幅Dの範囲内で離心した塗面位置Bでは実際のベル距離r≠Rとなり、またわん曲によりα≠0となる。さらに、Vは塗装走査条件としての基準ベル速度、vは実際のベル速度、sは吐出条件の一つである塗料の吐出量、Cは塗装ブース1の所定の気流下での三次元形状に応じて変動するベル8の塗布パターンに対する補正係数である。Tは、塗装ロボット9の塗装走査条件により基準ベル距離Rで姿勢制御された状態で所定の吐出条件下で所定のベル移動速度で走査ラインに沿って1回だけ走査シフト無しで塗装した場合の離心距離に応じて変化する基準膜厚である。
【0014】
即ち、図4は、塗装ブース1において自動車ボデーに代えて垂直方向へ配置された例えば1メートル平方の試験用平面プレート4に対して、基準ベル距離R、例えば30cmで面直に対面して、基準ベル速度V、例えば50cm/s、吐出量sを所定の塗料の吐出量としで実測した基準膜厚データTを示すもので、面直のベル中心線O上のパターン中心位置Pを中心に、ベル8の移動方向及びベル中心線Oに対して直交方向へ離心する離心距離dに応じて変化する塗膜分布となる。
【0015】
補正係数Cの決定には、前述の試験用平面プレート4に対して、前述の例示した塗装条件により姿勢制御及び距離制御された状態で、パターン中心位置(P)においてベル中心線(O)及び走査ライン方向に対して直交方向へ離心する離心距離(d)に応じて変化する基準塗布パターンをベル中心線Oに沿った方向及びその離心方向のベクトル成分として解析し、これらのベクトル成分を合成して求めた基準ベクトルの大きさを基に、各塗面区画について離心距離dに応じて変化するベル8の塗布パターンのベル中心線方向及びその離心方向のベクトル成分を合成したベクトルの大きさに応じて下記の式(2)により算出される。つまり、局部的に塗布パターン濃度が基準の塗布パターンよりも高くなると、基準風速ベクトルよりも実際の風速ベクトルが小さくなって厚くなる方向へ補正される。逆にパターン濃度の低くなると、実際の風速ベクトルが大きくなって薄くなる方向へ補正される。
【0016】
C=√(Ys 2+Zs 2)/√(Y+Z2) ……(2)
【0017】
ここで、Yは、試験用平面プレート4に対して求めた基準ベル距離Rのパターン中心Pにおいて離心距離dに応じて変化するベル中心線方向の塗布パターンの風速のベクトル成分、Zは離心方向のベクトル成分である。また、Yは、各塗面区画に対してベル中心線Oが面直に姿勢制御された状態で基準ベル距離Rだけ前方のパターン中心位置Pを中心に、離心距離dに応じて変化する塗布パターンのベル中心線方向の風速のベクトル成分、Zは離心方向のベクトル成分である。これらのベクトル成分は、塗装ブース1の気流、ベル8の吐出条件、自動車ボデー2の三次元形状データ等を入力条件として、周知の解析ソフトにより解析される。
【0018】
表1は、図1において塗面2bを試験用平面プレート4で置換した場合の塗装ブース1の所定の気流及びベル8の所定の吐出条件下での前述の塗装走査条件により面直に30cmの基準ベル距離Rにおける離心距離dに対応した基準塗布パターンの解析結果を示す。ここで、Yは試験用平面プレート4に向かうベル中心線方向の風速のベクトル成分であり、マイナス符号は逆方向を意味する。Zは走査ラインに対して上向き離心方向の風速のベクトル成分であり、マイナス符号はその下向き離心方向のベクトル成分を意味する。
【0019】
【表1】
Figure 0004381692
【0020】
表2は、図1に示すように、塗装ブース1の所定の気流並びにティーチングされたベル8の塗装走査条件及び所定の吐出条件下での自動車ボデー2の側面中央部の所定領域2bにおける30cmの基準ベル距離Rのパターン中心位置Pにおける離心距離dに対応する塗布パターンの解析結果を示す。つまり、表1の解析結果に対して自動車ボデー2の曲面形状に応じてそれぞれのベクトル成分を異にする。
【0021】
【表2】
Figure 0004381692
【0022】
これにより、30cmの基準ベル距離Rで離心距離dに応じて前述の式(2)を基に求めた補正係数Cは、下記の表3のようになる。
【0023】
【表3】
Figure 0004381692
【0024】
これらのデータを基に、図5及び図6に示すように、シフト幅Dを10cmとした場合の塗面2bの各塗面区画の膜厚tを前述の式(1)によりシュミレートする。図6に示すように、走査ラインLのベル中心線O上で30cmだけ面直方向に向かったパターン中心位置Pを中心にする塗面区画の走査ライン方向及び離心方向の例えば5cm平方の分割領域A0、その離心方向である上下の縦幅2.5cm及び横幅5cmの分割領域A+1、-1について、以下のようにシュミレートする。先ず分割領域Aについて、パターン中心位置P、即ちd=0の基準膜厚Tを図4に示す基準膜厚データTより求める。その際、面直姿勢によりcosα=0、R=rである。また、表3よりC=1.10であり、(V/v)、sに対応した膜厚tを前述の式(1)より算出する。
【0025】
次いで、走査ラインLから上下にシフト幅D=10cmずれたベル中心線Oを規定する走査ラインL+1、L−1上での塗装による塗り重ねを考慮して、基準膜厚データTを10cmシフトさせた基準膜厚データTL+1、 - に対して離心距離d=−10cm,+10cmの基準膜厚T- 10、T+10を基に10cm上の走査ラインL+1による塗り重ねの膜厚t-1 0、10cm下の走査ラインL-1による塗り重ねの膜厚t+10 を算出する。その際、走査ラインL+1、L- 上でのベル8の面直姿勢を基準にした走査ラインL上のパターン中心位置Pの三次元形状によるr、αを決定し、Cは走査ラインL+1、L- について予め作成してある表2及び表3に相当するデータのd=±10cmに対応する値から求める。
【0026】
続いて、上下にさらに10cmずれた走査ラインL+2、L−2上のベル8による塗り重ねを、同様にシフトさせた基準膜厚データTL+2、L−2に対して求めたd=±20cmの基準膜厚T−20、T+20について、走査ラインL上のパターン中心P上の塗面を見たr、α、d=±20cmのCを決定し、20cm上の走査ラインL+2による塗り重ねの膜厚t- 20 、20cm下の走査ラインL+2による塗り重ねの膜厚t+20 を算出する。これらの実質上影響のある5層のt,t−10,t+10,t−20,t+20 を加算して、走査ラインLを中心に5cmの分割領域Aの膜厚tをシュミレートする。
【0027】
さらに、走査ラインLのパターン中心位置Pから2.5cm乃至5cm上方へ離心した縦幅2.5cmの範囲の分割領域A+1について、先ず基準膜厚データTに対する中心のd=+3.75cmの基準膜厚T+3 . 75を求め、パターン中心位置Pの塗面2bを基準にして三次元形状により変化するずれ角αに対応するcosα、r、表3からd=+3.75cmのC≒1.11を基に膜厚t+3 . 75を算出する。この1.11は表3のd=0cmに対する1.10及びd=+5cmの1.12から比例換算する。
【0028】
次いで、塗り重ねとして、走査ラインL+1の基準膜厚データTL+1のd=−6.25cmの基準膜厚T−6.25について、走査ラインL+1のパターン中心位置Pを基準にしたr,cosα及びCを求め、膜厚t−6.25 を算出する。下にシフトした走査ラインL−1の基準膜厚データTL−1に対してd=+13.75cmの基準膜厚T+13.75について、走査ラインL−1のパターン中心位置Pを基準にしたを基準にしたr、cosα及びCを基に膜厚t+13.75 を算出する。続いて、上下にシフトした走査ラインL+2、L−2の基準膜厚データTL+2、L−2に対してd=−16.25cm、+23.75cmの基準膜厚T−16.25、T+23.75について、走査ラインL+2、L−2のパターン中心位置Pを基準にしたr、cosα及びCを基に膜厚t-1 6.25 、+23.75 を算出する。これらの実質上影響のある5層のt+3 . 75,t−6.25,t+13.75,t-1 6.25,t+23.75 を加算して分割領域A+1の膜厚tをシュミレートする。
【0029】
さらに、走査ラインLのパターン中心位置Pから3.75cm下方へのずれた位置を中心とする上下2.5cmの範囲の分割領域A-1についても膜厚tを同様な方法でシュミレートすることにより、走査ラインLを中心に5cm幅、上下の2.5cm幅の3個所の分割された塗面区画A,A+1,A-1の膜厚が、三次元形状と、この三次元形状応じて変動する気流の影響を受ける噴射パターンとに応じてシュミレートされる。
【0030】
同様な方法で、残りの走査ラインL+1、L−1、+2、L−2、+3、L−3…を中心にしたそれぞれ離心方向へ3分割し、かつ走査ライン方向にも5cmずらした各塗面区画の膜厚をシュミレートする。その際、即ち、各塗面区画ごとに表2及び表3に対応するデータを用意しておき、同様な方法でシュミレートする。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、送風されている塗装ブースに搬送されてきた自動車ボデーの三次元形状に応じて変動する可能性のある塗布パターンを解析し、その解析結果を考慮して塗膜をシュミレーションすることにより、その精度アップが可能となり、実車に対する塗装試験のやり直し頻度が一層削減される。その際、請求項2の発明により補正係数が演算により求められ、請求項3の発明によれば逐次所定のシフト幅だけずれるベル走査により塗り重ねされる場合にも正確に補正される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法を実施する塗装状態を説明する要部側面図である。
【図2】同自動車ボデーの塗装ブース内での塗装状態を説明する正面図である。
【図3】同自動車ボデーの塗面とベルとの位置関係を説明する側面図である。
【図4】同塗膜シュミレーション方法を実施するための基準塗膜データを示す図である。
【図5】同基準塗膜データに基づく塗膜のシュミレーション方法によるシュミレーション過程を説明する図である。
【図6】同塗膜シュミレーション方法によるシュミレーション対象になる塗装区画を説明する図である。
【符号の説明】
1 塗装ブース
2 自動車ボデー
2a、2b 塗面
4 試験用平面プレート
8 ベル
9 塗装ロボット

Claims (3)

  1. 天井から床面に向けて送風されている塗装ブースに搬送されてきた自動車ボデーを、ベル中心線を基準ベル距離で塗面に面直に対面させた状態で走査ラインに沿って所定のベル移動速度で移動させるようにティーチングされた塗装走査条件及びベルの吐出条件を基に、塗装ロボットの手首に取付けられたベルにより静電塗装する際に、膜厚をシュミレートする塗膜シュミレーション方法であって、ベルに対して面直からの角度ずれ及び基準ベル距離からの距離ずれを生じる塗面に対して自動車ボデーの三次元形状データを基に基準膜厚から変化する膜厚をシュミレートする自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法において、
    塗面に面直になったベル中心線(O)上における基準ベル距離(R)だけ前方のパターン中心位置(P)において、ベル中心線(O)及び走査ライン方向に対して直交方向へ離心する離心距離(d)に応じて変化する前記ベルの塗布パターンを、塗装ブースの気流、前記ベルの吐出条件及び前記塗面の三次元形状データを基に、ベル中心線(O)に沿った方向の風速のベクトル成分(Y)及び離心方向の風速のベクトル成分(Z)として求め、
    前記塗装ブース内で自動車ボデーに代えた試験用平面プレートして面直になったベル中心線(O)上の基準ベル距離(R)における離心距離(d)に応じて変化する基準塗布パターンを、前記ベル中心線方向の風速のベクトル成分(Y)及び前記離心方向の風速のベクトル成分(Z)として求め、
    これらのベクトル成分(Y,Z)が合成された基準風速ベクトルの大きさを、前記塗面について求めたベクトル成分(Y,Z)が合成された風速ベクトルの大きさで除算して補正係数(C)を算出し、
    前記試験用平面プレートに対して前記塗装ブース内において塗装走査条件及び前記吐出条件下で1本の走査ラインに沿って試験塗装したパターン中心位置(P)で離心距離(d)に応じて変化する基準膜厚(T)を基に、前記塗面に対してパターン中心位置(P)で離心距離(d)に応じて変化する膜厚(t)を前記塗面の面直からの角度ずれ(α)及び前記ベル中心線方向のベル距離(r)の基準ベル距離(R)からの距離ずれに応じてシュミレートすると共に、離心距離(d)に対応する補正係数(C)を乗算することにより補正を行うことを特徴とする自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法。
  2. シュミレーションされた膜厚tが、
    t=T×cosα×(R/r)C、(T:基準膜厚、α:ベル中心線(O)上の塗面の面直からのずれ角度、R:基準ベル距離、r:三次元形状により変化する塗面のベル中心線に沿った方向のベル距離、C:補正係数)でシュミレートされ、
    ここで、C=√(Ys 2+Zs 2)/√(Y+Z2)(Ysは試験用平面プレートに対する基準塗布パターンのベル中心線方向の風速のベクトル成分、Zはその離心方向のベクトル成分、Yは前記塗面に対する塗布パターンの前記ベル中心線方向の風速のベクトル成分、Zはその離心方向のベクトル成分)であることを特徴とする請求項1記載の自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法。
  3. 塗装がベル中心線(O)を所定のシフト幅(D)ずつシフトさせつつ折り返し移動させる塗装走査により行われると共に、シフト幅(D)に対応する塗面区画の膜厚(t)が、離心距離(d)に対応して変化する基準膜厚データ(T)を基に、シフトした別の走査ライン上を走査するベルにより塗り重ねられる膜厚(t)を重ねてシュミレーションされることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車ボデーの塗膜シュミレーション方法。
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