JP3173303B2 - 塗装膜厚分布演算装置 - Google Patents

塗装膜厚分布演算装置

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JP3173303B2 JP30443594A JP30443594A JP3173303B2 JP 3173303 B2 JP3173303 B2 JP 3173303B2 JP 30443594 A JP30443594 A JP 30443594A JP 30443594 A JP30443594 A JP 30443594A JP 3173303 B2 JP3173303 B2 JP 3173303B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装ロボットによる実
際の塗装作業を行うことなく塗装の膜厚分布を視覚的ま
たは数値的に容易に把握することが可能な塗装膜厚分布
演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両ボデーの塗装品質は、車両の耐久性
等に大きな影響を与えることから、塗装面における塗装
の膜厚値も所定の値に維持することが要求されている。
車両ボデーの塗装ロボットによる自動塗装では、塗装条
件を常に一定にして塗装をした場合は、被塗装面の形状
等によって膜厚が変化するので、被塗装面の形状等に応
じて塗装条件を逐次変えている。従来では、塗装面にお
ける塗装の膜厚分布を一定にするため、塗装ロボットの
動作軌跡のみの粗ティーチングをシミュレーションで行
った後に、実際の塗装ロボットにより何回も試験塗装
(精ティーチング)を行い、試行錯誤によって塗装ロボ
ットの各ティーチング位置における塗装条件を決定して
いた。
【0003】塗装ロボットによる塗装技術に関する先行
技術文献として、カラーグラフィックス技術を使った塗
装ロボットのオフラインプログラミングが知られている
(著者:アレクサンドル クライン、著者所属:コンピ
ューター&オートメーション工科大学、ハンガリー科学
アカデミー)。この文献には、最適条件に近いロボット
先端の軌跡を得ることにより、塗料損失を小にしつつ、
良好な均一塗装面を得る旨が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のように
実際に何回も試験塗装を行い試行錯誤によって塗装ロボ
ットの各ティーチング位置における塗装条件を決定する
場合は、塗装ロボットの動作プログラム作成に多大の工
数がかかることになる。また、試験塗装に用いる塗料や
ワーク等も多く必要となり、材料費も多額なものとな
る。
【0005】上述したカラーグラフィックス技術を用い
た塗装ロボットのオフラインプログラミングの場合は、
塗布される塗料のパターン形状は円錐形をしていると考
え、幾何学的なモデルを想定して最初に設定した塗装条
件(スプレーガンの性能、塗料使用量、ガン距離、ガン
送り速度)から被塗装部位の膜厚値をシミュレーション
計算しているため、理論的な膜厚値しか得られない。実
際の塗装作業においては、被塗装面の形状変化等により
塗料の付着量が変化するので実際の膜厚は理論値とは異
なることになり、塗装現場に即したデータにならないと
いう問題がある。
【0006】また、カラーグラフィックス技術を用いた
塗装ロボットのオフラインプログラミングの場合は、膜
厚分布状態を色の変化によって視覚化しているが、その
ために、被塗装面をいくつかの格子に分割し、その単位
で膜厚値に比例した色を表示していく必要がある。した
がって、格子分割のデータを持たねばならず、非常にデ
ータ量が増加し、データ処理のレスポンスが低下すると
いう問題もある。
【0007】本発明は、塗装ロボットによる実際の塗装
作業を行うことなく、塗装ロボットによる実際の塗装作
業に近い膜厚分布を容易に把握することが可能な塗装膜
厚分布演算装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る塗装膜厚分布演算装置は、次の通りであ
る。 (1)塗装ロボットの形状、塗装対象のワーク、教示作
業データを格納する記憶手段と、塗装実験により求めら
れた多数の塗装条件に対する塗装膜厚分布をテーブルデ
ータ化して格納する膜厚分布記憶手段と、シミュレーシ
ョンさせる塗装条件を設定すると前記テーブルデータか
ら設定した塗装条件に対応する参照すべきテーブルデー
タを選択し、塗料吹き付け方向前方の仮想面に、前記選
択されたテーブルデータの塗装膜厚分布を該膜厚に応じ
た数の表示点の形で発生させる表示点発生手段と、前記
仮想面上の表示点をワークの被塗装面に投影する表示点
投影手段と、を備えたことを特徴とする塗装膜厚分布演
算装置。 (2)表示点投影手段により被塗装面に投影された表示
点の密度に基づき被塗装面の任意の部位における膜厚値
を算出する膜厚値算出手段を、備えた上記(1)記載の
塗装膜厚分布演算装置。 (3)塗装実験により求められた塗装条件に対する塗装
膜厚分布をテーブルデータ化して格納する膜厚分布記憶
手段と、塗装ガンのティーチング位置に基づく補間点毎
に塗布方向ベクトルを設定する記憶手段と、前記補間点
の塗布方向ベクトルにより作られる仮想上の面のうち被
塗装面の任意の指示部位を挾む挾持面を決定する挾持面
決定手段と、前記指示部位と挾持面との関係から補間点
間の塗装ガンの位置を求め、該塗装ガンの位置と指示部
位とシミュレーションさせる塗装条件に対する前記テー
ブルデータの塗装膜厚分布とに基づき被塗装面の任意の
指示部位における膜厚値を算出する膜厚値算出手段と、
を備えたことを特徴とする塗装膜厚分布演算装置。
【0009】
【作用】上記(1)の塗装膜厚分布演算装置において
は、記憶手段に格納されているシミュレーションに必要
な塗装ロボットの形状、塗装対象のワーク、教示作業デ
ータの読込みが行われる。表示点発生手段に、シュミレ
ーションさせる塗装条件を設定すると、膜厚分布記憶手
段に格納されたテーブルデータのうちシミュレーション
塗装条件に対応したテーブルデータが選択される。表示
点発生手段は、塗料吹き付け方向前方に設定された仮想
面に、選択されたテーブルデータの塗装膜厚分布をこの
膜厚に応じた数の表示点の形で発生させる。表示点投影
手段は、仮想面上の表示点を被塗装面に投影するので、
被塗装面における表示点の散在状態から膜厚分布を容易
に把握することが可能となる。テーブルデータ化された
膜厚分布は、塗装実験によって実際に得られた生のデー
タを用いているので、塗装ロボットによる実際の塗装作
業に近い膜厚分布の把握が可能となる。したがって、実
際の塗装ロボットによる試験塗装を何回も行い、試行錯
誤により塗装条件を決定する必要がなくなり、実際の塗
装ロボットの動作プログラム作成(精ティーチング)の
ための作業量が大幅に低減可能となる。 (2)上記(2)の塗装膜厚分布演算装置においては、
表示点投影手段により被塗装面に投影された表示点の点
密度に基づき、膜厚値算出手段によって任意の部位にお
ける膜厚値が算出されるので、膜厚分布を数値的に容易
に把握することが可能となる。
【0010】(3)上記(3)の塗装膜厚分布演算装置
においては、塗装ガンのティーチング位置に基づく補間
点毎に塗布方向ベクトルが記憶手段に設定される。被塗
装面における膜厚値の知りたい任意の指示部位を指示す
ると、補間点の塗布方向ベクトルにより作られる仮想上
の面のうち任意の指示部位を挾む挾持面が挾持面決定手
段により決定される。つぎに、指示部位と挾持面との関
係から補間点間の塗装ガンの位置が膜厚値算出手段によ
って求められる。塗装ガンの位置が算出されると、膜厚
値算出手段は、塗装ガンの位置と指示部位とシミュレー
ションさせる塗装条件に対するテーブルデータの塗装膜
厚分布との関係から、指示部位が塗装実験により求めら
れた塗装膜厚分布のどの部位に対応するのかを把握する
ことが可能となり、指示部位の膜厚値が算出される。膜
厚値分布記憶手段に格納されているテーブルデータ化さ
れた膜厚分布は、塗装実験によって実際に得られた生の
データであるので、塗装ロボットによる実際の塗装作業
に近い膜厚値の把握が可能となる。
【0011】
【実施例】図1ないし図8は、本発明の第1実施例を示
しており、図9ないし図20は、本発明の第2実施例を
示している。図4は、CAD(コンピュータ支援設計)
システム上に構築された塗装膜厚分布演算表示装置1を
示しており、第1実施例および第2実施例に共通した構
成である。塗装膜厚分布演算表示装置1は、コンピュー
タ(CPU)10を有している。コンピュータ10に
は、ハードディスク12、ディスプレイ15、キーボー
ド16が接続されている。コンピュータ10には、同様
にグラフィックスコントローラ18を介してディスプレ
イ20が接続されている。ディスプレイ20には、画像
内容をプリントアウトするハードコピー22が接続され
ている。グラフィックスコントローラ18には、マウス
23が接続されている。
【0012】第1実施例 図1に示すように、コンピュータ10には、表示点発生
手段24と、表示点投影手段26と、膜厚値算出手段2
8が形成されている。表示点発生手段24、表示点投影
手段26、膜厚値算出手段28は、コンピュータ10に
格納されたプログラムから構成されている。ハードディ
スク12には、記憶手段13と膜厚分布記憶手段14が
形成されている。記憶手段13には、シミュレーション
のための塗装ロボットの形状(ロボットの姿勢を決める
アルゴリズム)、塗装対象のワーク(例えば車両バンパ
ーの設計データ)、教示作業データ(塗装位置、塗装速
度、塗装パターン幅等のデータ)が記憶されている。膜
厚分布記憶手段14には、塗装実験により多数の塗装条
件に対する塗装膜厚分布を求めたテーブルデータが格納
されている。塗装実験における膜厚測定では、焼き付け
後の膜厚が測定される。表示点発生手段24には、膜厚
分布記憶手段14からのテーブルデータが入力される。
表示点発生手段24には、例えばキーボード16を介し
てシミュレーションさせる塗装条件が入力される。
【0013】膜厚分布記憶手段14に格納されているテ
ーブルデータの塗装条件とは、例えば塗料吐出量、ガン
距離、静電塗装電圧等である。塗装実験における塗装
は、1ショット塗装(例えば0.04秒間=1補間)で
行われる。すなわち、塗装ロボットは0.04秒毎に軌
跡を変えるので、これに応じて塗装条件を逐次変える必
要があることから、塗装実験は1ショット塗装で行われ
る。塗装実験においては、塗装の膜厚は噴出中心より半
径方向の距離2nl(n=0、1、2、3…)における
値をテーブルデータとしている。
【0014】表示点発生手段24は、キーボード16を
介して設定されたシミュレーション塗装条件に基づき、
膜厚分布記憶手段14に格納されたテーブルデータから
参照すべきテーブルデータを選択するようになってい
る。表示点発生手段24は、図2および図3に示すよう
に、シミュレーション上の塗装ガン56の先端から塗装
実験でのガン距離と同じ距離Aだけ塗料吹き付け方向前
方に離れて設定された仮想面50に、選択されたテーブ
ルデータの塗装膜厚分布をこの膜厚に応じた数の表示点
52の形で乱発生させる機能を有している。表示点投影
手段26は、図2に示すように、シミュレーション上の
塗料Tの噴出位置(塗装ガン56の先端)と仮想面50
上に発生した表示点52の1つ1つとを結ぶ方向のベク
トル58を算出し、仮想面50上の表示点52をベクト
ル方向に存在するシミュレーション上のワークの被塗装
面54に投影させる機能を有している。本実施例では、
仮想面50は塗装ガン56の軸心に対して直角となって
いるが、仮想面50を塗装ガン56の軸心に対して傾斜
させた構成であってもよい。この場合は、塗装実験にお
ける被塗装面も塗料を噴出する塗装ガンの軸心に対して
同じだけ傾斜させるのが望ましいが、僅かな傾斜の場合
は直角状態で測定した膜厚値を補正することで対処する
ことも可能である。
【0015】表示手段としてのディスプレイ20は、表
示点投影手段26により被塗装面54に投影された表示
点52を画面に表示する機能を有している。点投影手段
26には、膜厚値算出手段28が接続されている。膜厚
値算出手段28は、表示点投影手段26により被塗装面
54に投影された表示点52の点密度に基づき、被塗装
面54の任意の部位における膜厚値を算出する機能を有
している。表示手段としてのディスプレイ20は、膜厚
値算出手段28によって算出された膜厚値を画面に表示
する機能も有している。
【0016】つぎに、上記の第1実施例に係る塗装膜厚
分布演算装置における作用について説明する。図5は、
塗装膜厚分布演算装置1における膜厚表示シミュレーシ
ョンの処理手順を示している。図5のステップ100に
おいては、コンピュータ10のRAM内のワークエリア
への必要なデータの読込みが行われる。必要なデータと
は、既にハードディスク12の記憶手段13に記憶され
ている塗装ロボットの形状、塗装対象のワーク、教示作
業データである。ステップ100の処理が完了すると、
ステップ110に進み、キーボード16によりシミュレ
ーションのための塗装条件が図1の表示点発生手段24
に入力される。
【0017】シミュレーション塗装条件が設定される
と、ステップ120に進み、ディスプレイ20の画面上
での塗装ロボット動作シミュレーションが開始され、塗
装ロボットによる画面上での塗装作業が行われる。塗装
ロボットの軌跡発生は、上述した1補間(0.04秒)
毎に行われ、これを連続させることにより連続した塗装
シミュレーションが可能となり、画面上での膜厚分布の
把握が可能となる。1補間における塗装ロボットの軌跡
発生が終了すると、ステップ130に進み、この位置で
の画面への膜厚表示処理が行われる。
【0018】図6は、ステップ130における膜厚表示
処理を示している。図6のステップ130−1において
は、キーボード16から入力されたシミュレーション塗
装条件に基づき、ハードディスク12内の参照すべきテ
ーブルデータが表示点発生手段24により選択される。
つぎに、ステップ130−2に進み、選択されたテーブ
ルデータの膜厚値分布に基づき仮想面50の中心から半
径2nl(n=0、1、2…)における膜厚値の読み込
みが行われる。ステップ130−2の処理が終了する
と、ステップ130−8に進み、膜厚値に比例した表示
点52の発生が終了したか否かが判断される。ここで、
表示点52の発生が完了している場合は、次の処理へ進
み、図5のステップ140における処理が行われる。
【0019】ステップ130−8において、表示点52
の発生が終了していないと判断された場合は、ステップ
130−3に進み、仮想面50中心より半径rと角度θ
を乱発生し、膜厚値に比例する表示点52を発生させ
る。半径rの範囲は、(2n−1)l〜(2n+1)l
である。ここで、n=1、2、3…であり、n=0の時
は半径rの範囲は0〜lである。n=1の時は半径rの
範囲はl〜3l、n=2の時は半径rの範囲は3l〜5
lとなる。また、角度θの範囲は0〜360°である。
本実施例では、図3に示すように、たとえば膜厚が20
μの場合は20に比例した個数の表示点を発生させ、膜
厚が15μの場合は15に比例した個数の表示点を発生
させる。
【0020】ステップ130−3において、膜厚値に比
例する数の表示点52を仮想面50上に乱発生させてい
るのは、表示点52を一様に散在させるためである。ま
た、本実施例では、n=1の場合は半径r=2lにおけ
るテーブルデータの膜厚が15μであるので、15に比
例した個数の点を発生するのであるが、表示範囲面積
(l〜3l)がn=0の場合の8倍となるため、実際に
は15a個×8=120a個(aは比例定数)の表示点
52を表示することになる。
【0021】ステップ130−3の処理が終了すると、
ステップ130−4に進み、塗装ガン56の先端と、仮
想面50上の表示点52とを結ぶ方向のベクトル58が
表示点投影手段26によって算出される。つぎに、ステ
ップ130−5に進み、仮想面50上の表示点52は、
表示点投影手段26によってベクトル方向に存在する被
塗装面54に投影される。仮想面50上の表示点52が
被塗装面54に投影されると、ステップ130−6に進
み、投影する距離が塗装ガン56の先端からLmm以内
であるか否かが判断される。
【0022】ステップ130−6の判断を行うのは、投
影距離を無限に設定すると、実際には被塗装面54まで
の距離が遠くて塗料が届かないにもかかわらず、シュミ
レーションでは塗料がすべて付着することになるからで
ある。投影距離Lは、予め実験により標準値が求められ
ている。ステップ130−6において、投影距離がLm
m以内でないと判断された場合は、ステップ130−4
に戻り、別の表示点に対して上述の処理が繰返えされ
る。
【0023】ステップ130−6において、投影距離が
Lmm以内であると判断された場合は、ステップ130
−7に進み、ディスプレイ20による表示点52の被塗
装面54への投影表示が行われる。図8は、ディスプレ
イ20の画面に表示された被塗装面(車両バンパー)5
4における塗料の膜厚分布の一例を示している。図8に
示すように、被塗装面54の膜厚分布を表示点52の被
塗装面54への投影で表示することにより、膜厚分布を
視覚的に容易に把握することが可能となる。つまり、被
塗装面54に投影された表示点52の密度の高い部位は
膜厚が厚く、表示点52の密度が低い部位は膜厚が薄い
ので、どの部位の塗装条件を補正したらよいかが一目で
把握することが可能となる。
【0024】ステップ130−8において、膜厚値に比
例した点の発生が終了していると判断された場合は、図
5のステップ140に進み、ロボット動作シミュレーシ
ョンが全て終了したが否かが判断される。ここで、ロボ
ット動作シミュレーションがまだ終了していないと判断
された場合は、ステップ120に戻り、次の1補間にお
ける膜厚表示処理が続行される。
【0025】図2に示す次の1補間においても、上述と
同様にテーブルデータの膜厚値に基づいた数の表示点を
仮想面に発生させ、被塗装面に投影することで表示点が
重なり合い、塗装ロボットで塗装している状況が画面上
でシミュレーションできる。以上のように、ロボット動
作プログラムに基づく表示点52の被塗装面54への投
影表示を全て終了すると、ステップ150に進んで、膜
厚表示シミュレーション処理を終了する。
【0026】図8に示すように、膜厚分布を表示点52
で被塗装面54への投影で表示することにより、その散
在状態から膜厚分布を視覚的に容易に把握することがで
き、シミュレーション塗装条件の修正を容易に行うこと
が可能となる。また、塗装実験によって実際に得られた
膜厚分布の生のデータを用いているので、塗装ロボット
による実際の塗装作業に近い膜厚分布の表示が可能とな
る。したがって、塗装膜厚分布演算装置1のティーチン
グデータに基づく実際の塗装ロボットの精ティーチング
(動作プログラム作成)が容易となり、精ティーチング
にかかる工数の大幅な低減が可能となる。
【0027】図7は、膜厚値算出処理を示している。図
7の処理は、図6の膜厚表示処理によって表示された被
塗装面54に投影された表示点52の点密度に基づい
て、被塗装面54における任意の部位の膜厚値を算出す
るものである。図7のステップ200において、マウス
23を動作させることにより、ディスプレイ20の画面
に表示されたカーソルにて指示した被塗装面54上の交
点(54a)を算出する。つぎに、ステップ230に進
み、被塗装面54に投影された表示点52の数の分だけ
処理を終了したか否かが判断される。ここで、表示点5
2の数の分の処理が終了していないと判断された場合
は、ステップ210に進む。
【0028】ステップ210では、投影表示された表示
点52が交点を中心に半径Sの円内に存在するか否かが
順次判断される。ステップ210において、投影表示さ
れた表示点52が交点を中心に半径Sの円内に存在する
と判断された場合は、ステップ220に進み、投影され
た表示点52の数を累計していき、ステップ230で全
ての投影された表示点52について判断を行った後に、
ステップ250に進む。ステップ250では、投影され
た表示点52の数の累計数を膜厚値としてディスプレイ
20の画面上に表示する。
【0029】以上のように、ディスプレイ20の画面上
のカーソルをマウス23によって移動させることで、被
塗装面54の任意の部位の膜厚値を表示させることがで
きるので、膜厚分布を数値的に容易に把握することが可
能となる。したがって、膜厚値の修正量をどの程度に設
定したらよいか否かの判断が容易となり、塗装ロボット
の動作プログラム作成のための作業量の低減を図ること
ができる。
【0030】第2実施例 図10に示すように、コンピュータ10には、挾持面決
定手段63と、膜厚値算出手段64が形成されている。
挾持面決定手段63および膜厚値算出手段64は、コン
ピュータ10に格納されたプログラムから構成されてい
る。ハードディスク12には、記憶手段61と膜厚分布
記憶手段62が形成されている。記憶手段61には、例
えばシミュレーションのための塗装ロボットの形状(ロ
ボットの姿勢を決めるアルゴリズム)、塗装対象のワー
ク、教示作業データ(塗装位置、塗装速度、塗装パター
ン幅等のデータ)が記憶されている。また、記憶手段6
1には、例えば図9に示すように、塗装ガン70のティ
ーチング位置に基づく補間点毎に塗装ガン70の先端位
置および塗布方向ベクトル(O:オリエント、A:アプ
ローチ)がデータとして設定(記憶)される。
【0031】膜厚分布記憶手段62には、塗装実験によ
り求められた塗装条件に対する塗装膜厚分布がテーブル
データ化されて格納されている。塗装実験における膜厚
測定では、焼き付け後の膜厚が測定される。塗装実験
は、図12に示すテストピース66を用いた。本実施例
の塗装実験は、第1実施例の1ショット塗装と異なり矢
印方向に連続的な塗装を行い、ある断面での膜厚値を一
定間隔にて(例えば10mm)計測して、標準膜厚分布
データμとした。この場合、ガン距離(塗装ガン先端か
ら被塗装面までの距離)、ガン速度(塗装速度)、塗料
吐出量等の水準を多くとって実験を行うことで、多くの
塗装条件に対するテーブルデータを得ることができ、膜
厚値算出精度の向上が期待できる。
【0032】挾持面決定手段63は、シミュレーション
上の被塗装面71における膜厚値を求めるための任意の
指示部位X0 をカーソルにて指定(マウス23の操作に
より指定)すると、補間点Q1 、Q2 の塗布方向ベクト
ルO、A(O1 、A1 とO2、A2 )により作られ指示
部位X0 を挾む仮想上の挾持面(無限仮想面)72、7
3を決定する機能を有する。膜厚値算出手段64には、
入力手段としてのキーボード16を介してシミュレーシ
ョン塗装条件が入力可能となっている。膜厚値算出手段
64は、指示部位X0 と挾持面72、73との関係から
補間点Q1 、Q 2 間の塗装ガン70の先端位置P0 を求
め、塗装ガン70の先端位置P0 と指示部位X0 とシミ
ュレーションさせる塗装条件に対する膜厚分布データμ
との関係から、指示部位X0 が塗装実験による塗装膜厚
分布のどの部分に対応するのかを把握し、指示部位X0
における膜厚値を算出する機能を有している。表示手段
としてのディスプレイ20は、膜厚値算出手段64によ
り算出された膜厚値を表示する機能を有している。
【0033】つぎに、上記の第2実施例に係る塗装膜厚
分布演算装置における作用について説明する。図13
は、塗装膜厚分布演算装置1におけるロボット動作シミ
ュレーションの処理手順を示している。図13のロボッ
ト動作シミュレーションは、CADシステム(ロボット
シミュレーション用アプリケーション)上で予めティー
チングしたプログラムにて行う。図13のステップ30
0においては、コンピュータ10のRAM内のワークエ
リアへの必要なデータの読込みが行われる。必要なデー
タとは、既にハードディスク12の記憶手段61に記憶
されている塗装ロボットの形状、塗装対象のワーク、教
示作業データである。ステップ300の処理が完了する
と、ステップ310に進み、キーボード16によりシミ
ュレーションのための塗装条件がコンピュータ10に入
力される。
【0034】シミュレーション塗装条件が設定される
と、ステップ320に進み、ディスプレイ20の画面上
での塗装ロボット動作シミュレーションが開始され、塗
装ロボットによる画面上での塗装作業が行われる。塗装
ロボットの軌跡発生は、上述した1補間(本実施例では
例えば0.05秒)毎に行われ、これを連続させること
により連続した塗装シミュレーションが可能となる。こ
こで、補間点はティーチング位置とは異なり、通常はテ
ィーチング位置の間に多数の補間点が存在することにな
る。
【0035】補間点においては、ステップ330に示す
ように、塗装ガン70の先端位置と塗布方向ベクトル
(O:オリエント、A:アプローチ)が記憶される。ス
テップ340では、ロボット動作シミュレーションが終
了したか否かが判断され、終了していない場合は、ステ
ップ320に戻り、完了している場合は、ステップ35
0に進み、ロボット動作シミュレーション処理を終了す
る。なお、図13の処理後、図10の膜厚値算出手段6
4による膜厚値の算出のみを実行する場合、すなわち、
ロボット動作の確認を必要としない場合は、画面上でロ
ボット動作シミュレーションさせる必要はなく、内部的
に軌跡だけを発生させておけばよい(Dry Ru
n)。
【0036】図14は、膜厚値算出処理を示している。
この膜厚値算出処理は、図12の塗装実験による膜厚分
布データμと、図13のロボット動作シミュレーション
処理によるデータとを準備することにより可能となる。
図14のステップ400では、図9の被塗装面71上の
膜厚値を算出したい箇所である指示部位X0 をカーソル
にて指示すると、ディスプレイ20の画面上垂直方向で
の交点の位置(x0 、y0 、z0 )が求められる。つぎ
に、その指示部位x0 に対していつ塗装されたか、つま
り塗装ロボットのどの軌跡(どの塗装ガンの位置)にて
膜厚が形成されたのかを探す。これには、まずステップ
410の処理を行う。
【0037】ステップ410では、指示部位X0 を挾む
2面を算出する。図9では、補間点Q1 と補間点Q2
おける無限仮想面72、73が指示部位X0 を挾む位置
関係に存在するとした。これでどの補間点間を動作中に
指示部位X0 を塗装したのかまでを絞り込む。図15
は、指示部位X0 を挾む無限仮想面72、73を算出す
る処理を示している。図15のステップ410−1で
は、図9の塗装ガン70の先端位置と塗布方向ベクトル
を用いて、その2つのベクトル(O、A)で作られる面
を補間点毎に順々に算出し、これを無限仮想面として指
示部位X0 を挾む位置関係に存在するものを抽出してい
る。
【0038】ここで、ティーチングの関係により被塗装
面71の同一箇所を重複して塗装する場合があるので、
指示部位X0 を挾む無限仮想面は2組以上存在する可能
性がある。無限仮想面を抽出していく方法としては、ス
テップ410−2において、図16および下記数式の
式に指示した指示部位X0 の座標値を代入していき、ス
テップ410−3でその結果値が「正→負」あるいは
「負→正」となる2面を探していく。求められた値t
は、図16の指示部位X0 の座標値から降ろした垂線の
足の方向を示すもので、これの正負が変わることは2つ
の無限仮想面72、73が指示部位X0 を挾む位置関係
にあることを意味する。
【0039】
【数1】
【0040】ステップ410−3において、tの値が直
前のものと正負が逆転していると判断された場合は、ス
テップ410−4に進み、ステップ410−5にてこれ
らの2面を指示部位X0 を挾む2面として処理し、次処
理のステップ420に進む。ステップ410−3におい
て、tの値が直前のものと正負が逆転していないと判断
された場合は、ステップ410−6に進む。ここでは、
後述するWとddの関係から膜厚が形成される範囲はす
べて2つの無限仮想面72、73に挾まれているか否か
が判断される。ステップ410−6において、W>dd
であると判断された場合は、ステップ410−1に戻
り、W>ddでないと判断された場合は、ステップ41
0−7に進み、無限仮想面72、73にて挾まれていな
いが膜厚形成される可能性があるので、次処理のステッ
プ420へ進む。
【0041】図19および図20は、2つの無限仮想面
72、73を上方より参照したものである。図19に示
すように、W(2面の交線とO1 との交点と、膜厚分布
データμの膜厚分布中心までの距離)とdd(図9の膜
厚分布データμの膜厚分布中心からの最大パターン)の
関係がW>ddの場合は、膜厚が形成される範囲はすべ
て2つの無限仮想面72、73に挾まれているため計算
可能であるが、図20のように、W<ddの場合は膜厚
が形成される範囲のうち一部が2つの無限仮想面72、
73に挾まれていないために正しく計算されないといっ
た現象が生ずる。つまり、図20に示すように、実際は
膜厚分布データμの移動により膜厚が形成されたはずだ
が、位置的に2つの無限仮想面72、73に挾まれない
ので、上記tの値の正負が変わらない場合である。そこ
で、この場合は2つの無限仮想面72、73に挾まれて
いる場合と同様な処理を行って膜厚値を計算する必要が
ある。
【0042】ある無限仮想面と次の無限仮想面とが平行
の場合(ψ=0)は、両者の法線ベクトルは同一方向で
あり、2つの無限仮想面間に指示部位X0 が無い限りt
の値が直前のものと正負が逆転しない。しかしながら、
tの値が直前のものと正負が逆転していなくとも膜厚形
成される場合として、ある無限仮想面と次の無限仮想面
とが90度以上回転した場合がある。このような場合に
ついて考える。図19および図20により、w=v×i
/tan(ψ)の関係が成立する。ここで、v:図9の
狙い点速度、i:補間インターバル、ψ:O1 とO2
成す角である。この場合、角度ψの範囲を仮に−π/2
<ψ<π/2(ψ≠0)で考えると、塗装ロボットの狙
い点での角速度ω=ψ/iである。ここで、i=0.0
5秒(一般的スプレー塗装ロボットでの補間インターバ
ル)を代入すると、ψをπ/2付近まで回転させるため
には、ω≒10π必要である。現実的に実際のロボット
に10πrag/secの角速度を与えることは不可能
であるため、ψの範囲はそれ以内の−π/2<ψ<π/
2(ψ≠0)として設定して良いことがわかる。すなわ
ち、ある無限仮想面と次の無限仮想面とは90度以上回
転することはない。このため、90度以上回転する場合
は無視してもよい。
【0043】指示部位X0 を挾む2つの無限仮想面7
2、73が算出されると、ステップ420により塗装ガ
ン70の詳細位置を決定する。塗布ガン70の先端位置
0 は、指示部位X0 とそれを挾む2つの無限仮想面7
2、73の位置関係で算出され、その算出処理を図17
に示す。図17のステップ420−1では、図9に示す
補間点Q1 、Q2 を結ぶ線75と平行な線76を指示部
位X0 上を通るように発生させ、この平行線76と無限
仮想面72、73との交点X1 、X2 をステップ420
−2で求める。つぎに、この交点X1 、X2 と指示部位
0 の位置関係による比率(m、n)をステップ420
−3で算出し、この比率を用いて補間点Q 1 、Q2 間の
線75を区分することにより塗装ガン70の先端位置P
0 を求める。先端位置P0 が求められると、ステップ4
20−5に進み、次の処理(ステップ430)に進む。
【0044】ステップ430では、指示部位X0 での膜
厚値を算出するのに必要な各種値が算出される。図18
は、各種値を算出するための処理手順を示している。図
18のステップ430−1では、塗装ガン70の先端位
置P0 と指示部位X0 とを結ぶことにより、方向ベクト
ルDおよびこの間の距離hを算出する。さらに、ステッ
プ430−2では、先端位置P0 でのアプローチベクト
ルA0 を補間点Q1 、Q2 に近い方(図9では補間点Q
2 )のもので代用し、ステップ430−3でアプローチ
ベクトルA0 と方向ベクトルDとが成す角度θを算出す
る。また、ステップ430−4では、無限仮想面上の交
点X1 、X2 間の距離とロボット塗装ガンの補間点
1 、Q2 間の移動時間T0 により速度を計算して、こ
れを狙い点速度Vとして求める。狙い点速度Vが算出さ
れると、ステップ430−5に進み、次の処理に進む。
【0045】図14のステップ430において、方向ベ
クトルD、距離h、角度θ、狙い点速度Vが算出される
と、ステップ440に進む。ステップ440では、図9
および図12に示す塗布実験時のガン距離gと角度θに
より、膜厚分布データμの膜厚分布中心からのパターン
距離dを算出する。パターン距離dは、d=g・tan
θで求められる。ステップ450では、図11に示すよ
うに、パターン距離dにおける膜厚値μ0 を膜厚分布記
憶手段62にテーブルデータ化されて格納されている膜
厚分布データμより参照する。
【0046】参照される膜厚分布データμは、シミュレ
ーション塗装条件に対応したものであり、シミュレーシ
ョン塗装条件と全く同一の膜厚分布データμがない場合
は、シミュレーション塗装条件に最も近い膜厚分布デー
タμが参照される。図11に示すように、膜厚値μ0
塗装実験におけるパターン距離dに相当する値であるの
で、膜厚値μ0 は指示部位X0 における膜厚値に補正さ
れる。この補正はガン距離補正とガン速度の2段階のス
テップを踏む。ステップ460では、膜厚値μ 0 のガン
距離補正が行われ、補正された膜厚値μ1 は、μ1 =μ
0 ×g/hcosθで求められる。
【0047】膜厚値μ0 のガン距離補正が行われると、
ステップ470に進み、膜厚値μ1をベースとしてガン
速度補正が行われる。狙い点速度Vが塗布実験時の塗布
ガンの移動速度と異なる場合は、指示部位X0 における
膜厚値はμ1 でなくなるので、この速度の差で膜厚値μ
1 を補正する。ガン速度補正による膜厚値μ2 は、μ 2
=μ1 ×(r/T0 )/Vで求められる。ここで、rは
補間点Q1 、Q2 間の距離を示す。なお、塗装実験にお
けるガン距離gとシミュレーション時における塗装ガン
先端位置P0 から被塗装面71までの距離が同一であ
り、塗装実験における塗装ガンの移動速度とシミュレー
ション時における狙い点速度Vとが同一となる場合は、
補正しない膜厚値μ0 がそのまま指示部位X0 の膜厚と
なる。
【0048】ガン速度補正による膜厚値μ2 が算出され
ると、ステップ480に進み、全補間点において指示部
位X0 を挾む面のチェックを行ったか否かが判断され、
全補間点でのチェックが終了していない場合は、ステッ
プ410に戻り上述の処理が繰返えされる。ステップ4
80で全補間点でのチェックが終了していると判断され
た場合は、ステップ490に進み、全対象補間点間にお
いて膜厚値μ2 を算出し、累計する。ステップ490の
処理を行うのは、指示部位X0 が2つの無限仮想面7
2、73にのみ挾まれるとは限らず、ティーチングの関
係により指示部位X0 が別の方向から塗装される場合
は、指示部位X0 を挾む無限仮想面はこれよりも多くな
り、結果的に膜厚値が累積されるからである。ステップ
490により算出された膜厚値の累計Σμ2 は、ステッ
プ500にてディスプレー20の画面上に最終膜厚値と
して表示される。したがって、指示部位X0 における膜
厚値を幾何学的にシミュレーション算出できる。
【0049】第1実施例の場合は、全ての塗装動作をシ
ミュレーションさせ、全補間点において膜厚値に応じた
表示点を発生させ表示点の点密度から膜厚値を求めてい
るので、塗装条件を変更し膜厚値を求めたい場合には、
全ての塗装動作のシミュレーションを行い再び新たな表
示点を発生させることが必要となり、多くの時間がかか
る。これに対し、第2実施例では塗装条件を変更して
も、一度全ての塗装動作をシミュレーションした後は各
補間点での塗装方向ベクトルは既に把握されているの
で、指示部位Xo に対する塗装ガン70の特定は可能で
あり、再度全ての塗装動作をシミュレーションさせる必
要はない。したがって、塗装条件を変更し膜厚値を求め
たい場合は、キーボード16から入力される塗装条件に
対応する膜厚分布データだけを新たに取り込めばよいこ
とになり、任意の指示部位Xo における膜厚値を短時間
で求めることが可能となる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、つぎの効果が得られ
る。 (1)請求項1の塗装膜厚分布演算装置においては、設
定されるシミュレーションのための塗装条件に基づき、
表示点発生手段により、膜厚分布記憶手段に格納された
膜厚値分布のテーブルデータを選択し、塗料吹き付け方
向前方の仮想面に、選択されたテーブルデータの塗装膜
厚分布をこの膜厚に応じた数の表示点の形で発生させ、
仮想面上に発生した表示点を表示点投影手段によって被
塗装面に投影しているので、被塗装面における表示点の
散在状態から膜厚分布を容易に把握することができる。
また、塗装実験によって得られた膜厚分布の生のデータ
を用いているので、実際の塗装ロボットによる塗装作業
に近い膜厚分布の表示が可能となる。したがって、実際
の塗装ロボットによる精ティーチングにおいては、塗装
膜厚分布演算装置によるティーチングデータが有効利用
でき、塗装ロボットの精ティーチング(動作プログラム
作成)にかかる工数を大幅に低減することが可能とな
る。また、精ティーチングの作業量低減により、従来に
比べて精ティーチングにおける塗料、シンナー等の使用
量を低減することもでき、塗装ロボットの取扱いによる
危険作業も低減される。 (2)請求項2の塗装膜厚分布演算装置においては、表
示点投影手段により被塗装面に投影された表示点の点密
度に基づき、被塗装面の任意の部位における膜厚値を膜
厚値算出手段によって算出しているので、任意の部位に
おける膜厚値を数値的に容易に把握することが可能とな
る。したがって、膜厚値の修正量を迅速に判断すること
ができ、シュミレーションの作業能率を高めることがで
きる。 (3)請求項3の塗装膜厚分布演算装置においては、塗
装ガンのティーチング位置に基づく補間点毎に塗布方向
ベクトルを設定し、この塗布方向ベクトルにより作られ
る仮想上の面のうち被塗装面における任意の指示部位を
挾むための挾持面を挾持面決定手段により決定し、膜厚
値算出手段により、指示部位と挾持面との関係から補間
点間の塗装ガンの位置を求めるとともに、塗装ガンの位
置と指示部位とシミュレーションさせる塗装条件に対す
るテーブルデータの塗装膜厚分布とに基づき被塗装面の
任意の指示部位における膜厚値を算出するようにしたの
で、塗装条件を変更し任意の指示部位の膜厚値を求める
場合でも、全ての塗装動作をシミュレーションさせる必
要がなくなり、膜厚値修正の作業能率をさらに高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る塗装膜厚分布演算装
置の制御ブロック図である。
【図2】図1の装置における1ショット塗装時のシミュ
レーションの状態を示す模式図である。
【図3】図2の仮想面における膜厚分布を示す模式図で
ある。
【図4】図1の装置の概略構成図である。
【図5】図1の装置における膜厚表示シミュレーション
の全体処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図5の膜厚表示における制御処理を示すフロー
チャートである。
【図7】図1の装置の膜厚値算出手段における制御処理
を示すフローチャートである。
【図8】図1の表示手段に表示された車両ボデーの膜厚
分布を示す画像である。
【図9】本発明の第2実施例に係る塗装膜厚分布演算装
置による膜厚値算出の概念図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る塗装膜厚分布演算
装置の制御ブロック図である。
【図11】図9における塗装ガンと指示部位と膜厚分布
との関係を示す模式図である。
【図12】図11の膜厚分布データを得るための塗装実
験方法を示す斜視図である。
【図13】図10の装置によるロボット動作シミュレー
ション処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図10の装置による膜厚算出処理の手順を示
すフローチャートである。
【図15】図14のステップ410における制御処理を
示すフローチャートである。
【図16】図15の制御処理における指示部位を挾む無
限仮想面を求める手順を説明するための模式図である。
【図17】図14のステップ420における制御処理を
示すフローチャートである。
【図18】図14のステップ430における制御処理を
示すフローチャートである。
【図19】図9における膜厚が形成される範囲がすべて
2つの無限仮想面により挾まれている状態を示す模式図
である。
【図20】図9における膜厚が形成される範囲のうち一
部が2つの無限仮想面によって挾まれていない状態を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 塗装膜厚分布演算表示装置 10 コンピュータ 13 記憶手段 14 膜厚分布記憶手段 24 表示点発生手段 26 点投影手段 28 膜厚値算出手段 50 仮想面 52 表示点 54 被塗装面 61 記憶手段 62 膜厚分布記憶手段 63 挾持面決定手段 64 膜厚値算出手段 70 塗装ガン 71 被塗装面 72 挾持面 73 挾持面 μ 膜厚分布データ Q1 補間点 Q2 補間点 X0 指示部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 12/00 B05C 11/10 B05D 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗装ロボットの形状、塗装対象のワー
    ク、教示作業データを格納する記憶手段と、 塗装実験により求められた多数の塗装条件に対する塗装
    膜厚分布をテーブルデータ化して格納する膜厚分布記憶
    手段と、 シミュレーションさせる塗装条件を設定すると前記テー
    ブルデータから設定した塗装条件に対応する参照すべき
    テーブルデータを選択し、塗料吹き付け方向前方の仮想
    面に、前記選択されたテーブルデータの塗装膜厚分布を
    該膜厚に応じた数の表示点の形で発生させる表示点発生
    手段と、 前記仮想面上の表示点をワークの被塗装面に投影する表
    示点投影手段と、を備えたことを特徴とする塗装膜厚分
    布演算装置。
  2. 【請求項2】 表示点投影手段により被塗装面に投影さ
    れた表示点の点密度に基づき被塗装面の任意の部位にお
    ける膜厚値を算出する膜厚値算出手段を、備えた請求項
    1記載の塗装膜厚分布演算装置。
  3. 【請求項3】 塗装実験により求められた塗装条件に対
    する塗装膜厚分布をテーブルデータ化して格納する膜厚
    分布記憶手段と、 塗装ガンのティーチング位置に基づく補間点毎に塗布方
    向ベクトルを設定する記憶手段と、 前記補間点の塗布方向ベクトルにより作られる仮想上の
    面のうち被塗装面の任意の指示部位を挾む挾持面を決定
    する挾持面決定手段と、 前記指示部位と挾持面との関係から補間点間の塗装ガン
    の位置を求め、該塗装ガンの位置と指示部位とシミュレ
    ーションさせる塗装条件に対する前記テーブルデータの
    塗装膜厚分布とに基づき被塗装面の任意の指示部位にお
    ける膜厚値を算出する膜厚値算出手段と、を備えたこと
    を特徴とする塗装膜厚分布演算装置。
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