JP2004344845A - 膜厚シミュレーション装置 - Google Patents

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根 慎 一 中
Takayuki Kuwajima
島 隆 之 桑
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Abstract

【課題】被塗面に対する塗装機の位置や被塗面の形状に応じて塗装パターンの膜厚データを決定することにより、被塗面に形成される塗膜の膜厚を短時間で簡単にシミュレーションする。
【解決手段】被塗面(2)に対して定置された塗装機(3)により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターン(P)の膜厚データに基づいて被塗面(2)に形成される塗膜の膜厚をシミュレーションする際に、その膜厚データを、被塗面(2)と塗装機(3)との間の塗装距離(d)と、被塗面(2)の法線方向に対する塗装機(3)の塗装角度(θ)と、塗装パターン(P)内における被塗面(2)の占める面積比(m)と、被塗面(2)に形成された凹凸形状に基づいて決定するようにした。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて、被塗面に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚シミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車ボディなどの塗装ラインでは、被塗物の複雑な表面形状に応じて塗装機の位置や姿勢を正確に制御して、高品質な塗膜を形成することができるように、多関節ロボットのアーム先端に塗装機を取り付けた塗装ロボットが導入されている。
【0003】このような塗装ロボットを使用して塗装する場合に、塗装機を移動させる移動経路を設定したり、塗料供給量、回転霧化式塗装機の場合は回転霧化頭のドライブエア供給圧、シェーピング供給圧などの塗装条件を設定する必要がある。
【0004】そして、最適な塗装条件を見つけるために、従来は塗装条件を少しずつ変えながら何回も塗装実験を繰返し、最良の塗膜が得られる塗装条件を決めていたが、製品と成るべき被塗物を実験のために使用しなければならないだけでなく、塗装実験そのものに時間と手間とコストがかかりすぎていた。
【0005】このため、最近では、所定の塗装条件で塗装したときに被塗物の表面に形成される塗膜の厚さを、コンピュータによりシミュレーションさせ、採用可能な塗装条件を絞り込んで、最終的に2〜3回の塗装実験を行って塗装条件を決定するようにしている。
このようにすれば、実験のために使用する被塗物の数が少なくなるだけでなく、塗装実験の回数を減らし、比較的短時間で、手間もかけずに、低コストで最適な塗装条件を決定することができる。
【0006】ところで、このようなシミュレーションを行う場合に、被塗面に対して一定の距離に定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの基準塗装パターンの膜厚データに基づいて、その塗装機を移動させながら塗装したときに被塗面に形成される塗膜の膜厚をシミュレーションするようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の塗装に際しては、被塗面に対する塗装機の塗装距離や塗装角度などの位置的な条件が被塗物の形状により変化したり、塗装パターンに占める被塗面の面積比や被塗面の凹凸により膜厚が変化するため、基準塗装パターンの膜厚データのみでは、塗装条件の決定に必要な程度の正確さで膜厚をシミュレーションすることができない。
【0008】そこで本発明は、被塗面に対する塗装機の位置や被塗面の形状に応じて塗装パターンの膜厚データを決定することにより、塗装条件の決定に必要な程度の正確さで、被塗面に形成される塗膜の膜厚をシミュレーションすることができ、しかも、その膜厚データを決定する際に複雑な計算を必要とせず短時間で簡単に処理できるようにすることを技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明は、被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて被塗面に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚シミュレーション装置において、前記被塗面から塗装機までの塗装距離に応じて塗装パターンの膜厚データを決定する塗装距離−膜厚設定手段と、前記被塗面の法線方向に対する塗装機の塗装角度に応じて塗装パターンの膜厚データを決定する塗装角度−膜厚設定手段と、塗装パターン内における被塗面の占める面積比に応じてその膜厚データを決定する面積比−膜厚設定手段と、被塗面に凹凸が形成されている場合に、その凹凸形状に応じて膜厚データを決定する凹凸形状−膜厚設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】本発明によれば、被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて、例えば、塗装機の移動速度に応じて、その塗装パターンにより形成される塗膜を所定の移動距離ごとに被塗面にスタンプしていき、その膜厚を積算することにより被塗面の膜厚をシミュレーションする。
【0011】ここで、被塗面から塗装機までの塗装距離が離れるに従い周囲にミストとなって飛散する塗料粒子が増え、これにより膜厚が薄くなる傾向にあるので、塗装距離に応じて塗装パターンの膜厚データを決定する必要がある。
この場合に、例えば、請求項2または請求項6に記載されたように、塗装パターンが半径方向の座標点の膜厚データからなる場合に、被塗面から塗装機までの距離のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき距離をパラメータとする膜厚変化式が各座標点ごとに設定しておけば、塗装機からの距離が入力されたときに、その膜厚変化式に基づいて塗装パターンの膜厚データが決定される。
したがって、塗装距離に応じた塗装パターンの膜厚データで被塗面の膜厚がシミュレーションされる。
【0012】また、被塗面の法線方向に対する塗装機の塗装角度が大きくなると膜厚が薄くなる傾向にあるので、塗装角度に応じて膜厚データを決定する必要がある。
この場合に、例えば、請求項3または請求項7に記載されたように、塗装角度のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき塗装角度をパラメータとする補正係数を設定しておけば、塗装角度が入力されたときに、塗装角度=0の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データが決定される。
【0013】被塗物は広い面状のものに限らず、自動車ボディのピラーなどの細い柱状のものもあり、塗装パターンにおける被塗面の占める面積比が小さくなると、塗料粒子が集中して塗着されて膜厚が厚くなるので、その面積比に応じて膜厚データを決定する必要がある。
この場合に、例えば、請求項4または請求項8に記載されたように、その面積比のみが異なり、他の塗装条件が同一の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき面積比をパラメータとする補正係数を設定しておけば、面積比が入力されたときに、面積比=1の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データが決定される。
【0014】さらに、被塗面に凹凸が形成されていると、特に静電塗装を行う場合に凸部や角部の塗膜は厚くなり、凹部の内側は薄くなるので、その凹凸形状に応じて膜厚データを決定する必要がある。
このとき、請求項5または請求項9に記載されたように、被塗面の凹凸部分を複数の要素面が所定角度で連続する多面体に置き換えて、被塗面に凹凸がない場合の塗装パターンの膜厚データに対する補正係数が前記多面体を構成する要素面について隣接する要素面との傾斜角度に応じて予め設定しておけば、その補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データが決定される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る膜厚シミュレーション装置を示す説明図、図2はシミュレーションに際し形成される塗膜の概念図、図3は塗装距離−膜厚設定手段の説明図、図4は塗装角度−膜厚設定手段の説明図、図5は面積比−膜厚設定手段の説明図、図6は凹凸形状−膜厚設定手段の説明図、図7は凹凸部分の膜厚算出方法を示す概念図、図8は各パラメータのデータテーブルである。
【0016】膜厚シミュレーション装置1は、被塗面2に対して定置された塗装機3により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンPの膜厚データに基づいて、被塗面2に形成される塗膜の膜厚を算出するもので、塗装距離、塗装角度等に応じて塗装パターンPの膜厚データを決定する膜厚データ決定手段4と、その膜厚データに基づいて被塗面2に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚算定手段5を備えている。
【0017】膜厚データ決定手段4は、被塗面2から塗装機3までの塗装距離dに応じて塗装パターンPの膜厚データを決定する塗装距離−膜厚設定手段6と、被塗面2の法線方向に対する塗装機3の塗装角度θに応じて塗装パターンPの膜厚データを決定する塗装角度−膜厚設定手段7と、塗装パターンP内における被塗面2の占める面積比mに応じてその膜厚データを決定する面積比−膜厚設定手段8と、被塗面2に凹凸が形成されている場合に、その凹凸形状に応じて膜厚データを決定する凹凸形状−膜厚設定手段9とを備えている。
【0018】膜厚算出手段5は、前記膜厚決定手段4で決定された塗装パターンP(P〜P)と、塗装機3の移動速度に基づき、図2に示すように、塗装機3の移動軌跡に沿って一定時間ごとの通過点t〜tで、夫々の塗装パターンP〜Pの塗膜がスタンプされると想定して、その膜厚を積算して求めるように成されている。
なお、塗料は、塗装機3から連続的に噴霧されるので決してスタンプされるように断続的に塗着されることはないが、時間間隔を短く設定すれば、スタンプされたものとして塗膜をシミュレーションしても、それ程大きな誤差はなく、また処理も簡単になる。
【0019】塗装距離−膜厚設定手段6では、被塗面2から塗装機3までの塗装距離dのみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき塗装距離をパラメータとする膜厚変化式を各座標点ごとに設定する。
塗装パターンPの膜厚は、図3(a)に示すように塗装距離dによって異なり、被塗面2に近いほうが厚く、離れるに従い周囲にミストとなって飛散する塗料粒子が増えるので塗膜は薄くなる。
そして、前記2以上の塗装パターンについて各座標点の膜厚データを実測すると、夫々の座標点ごとに図3(b)に示すように、塗装距離をパラメータとする膜厚変化線が得られるので、これに基づき近似変化式を設定しておけばよい。
これにより、塗装距離dを入力すれば夫々の座標点における膜厚データが得られる。
塗装角度θ=0°の場合は、同心円上の膜厚は略一定であるので、半径方向の座標点における膜厚データのみを求めればよい。
なお、厳密に言えば、塗装距離dが離れるに従い塗装パターンPの直径が大きくなるが、その変化量はそれ程大きくないので、塗装パターンPの大きさは変化しないものとして算出する。
【0020】また、塗装角度−膜厚設定手段7では、被塗面2の法線方向に対する塗装機3の塗装角度θのみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき塗装角度θをパラメータとする補正係数を設定する。
このとき、塗装パターンPの膜厚は、図4(a)に示すように塗装機3の塗装軸を−X軸方向に傾けたときの塗装角度θによって変化し、塗装パターンPの中心点の膜厚データを実測すると、図4(b)に示すように、塗装角度θ=0のとき膜厚が最大で、塗装角度θが大きくなるに従い塗膜が薄くなるので、塗装角度θをパラメータとする補正計数を設定しておけばよい。
これにより、塗装角度θが入力されたときに、塗装角度=0の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定することができる。
【0021】なお、図4(a)に示すように、塗装機3の塗装軸を−X軸方向に傾けると、X軸のマイナス側の膜厚が厚くなり、プラス側の膜厚が薄くなり膜厚分布が形成され、また、塗装パターン形状が変化するが、塗装条件決定のためのシミュレーションでは、そこまで厳密なシミュレーションを必要としないので、膜厚分布及び塗装パターン形状の変化は無視する。
【0022】次に、面積比−膜厚設定手段8では、塗装パターン内における被塗面2の占める面積比のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき面積比をパラメータとする補正係数を設定する。
被塗面2は、広い面状のものに限らず、図5(a)に示すように自動車ボディのピラーなどの細い柱状面もあり、塗装パターン内における被塗面の占める面積比が小さくなると、特に静電塗装においては、塗料粒子が集中して塗着されて膜厚が厚くなる。
そこで、塗装パターンの面積をSpとし、塗装パターン内における被塗面2が占める面積をSwとし、その面積比m=Sw/Spが異なる複数の塗装パターンの中心点の膜厚を実測し、面積比m=1の塗装パターンの中心点の膜厚を基準にして、夫々の膜厚の補正係数を設定しておけば良い。
これにより、面積比mが入力されたときに、面積比m=1の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定することができる。
【0023】凹凸形状−膜厚設定手段9では、被塗面の凹凸部分を複数の要素面からなる多面体に置き換えて、被塗面に凹凸がない場合の塗装パターンの膜厚データに対する塗着効率を隣接する要素面の傾斜角度に応じて予め設定する。
被塗面2に図6(a)に示すような直角面が形成されていたり、図6(b)に示すようなR面が形成されていると、その角部や凸部の塗膜は厚くなり、凹部の内側は薄くなる。
そこで、それぞれの拡大図に示すように、被塗面2の凹凸部分を多面体に置き換え、その多面体を構成する要素面の傾斜角度αに応じて塗着効率を実験的に求めておく。
このとき、図6(c)に示すように、傾斜角度αを「隣接する要素面の外面のなす角β−180°」と定義すれば、凸部はα>0、凹凸のない平らな部分は傾斜角度α=0、凹部はα<0で表わされる。
傾斜角度αをこのように定義すると、αの±の符号と塗膜の変化が対応し、平面の塗膜に比して凸面の塗膜が厚く(+)、凹面の塗膜が薄く(−)なる実情に合致するので処理も簡単になる。
そして、夫々の傾斜角度α=0の膜厚を基準にして、図6(d)に示すように、傾斜角度αに応じて求めた塗着効率を補正係数として設定しておけば良い。
【0024】ここで、例えば図7に示すように、要素面Eの左側が平面で、要素面EとEの傾斜角度α=90°の直角断面を有する被塗面2を塗装する場合の塗装パターンPの膜厚分布を求める。
要素面Eは隣接する要素面との傾斜角度α=0°であるので、補正係数=1であり、凹凸による膜厚変化がない。
要素面Eは、要素面EとEに隣接し、要素面Eとの傾斜角度α=0°であるが、要素面Eとの傾斜角度α=90°である。
この場合、要素面Eの膜厚に対応する補正係数bは、傾斜角度α=0°で算出された要素面E側の補正係数b21と、傾斜角度α=90°で算出された要素面E側の補正係数b23の平均値をとればよい。
また、要素面Eの膜厚に対応する補正係数bも同様に、傾斜角度α=90°で算出された要素面E側の膜厚に対応する補正係数b32と、傾斜角度α=0°で算出された要素面E側の膜厚に対応する補正係数b34の平均値をとればよい。
なお、傾斜角度α=90°に限らず、図6(b)に示すR面の場合も同様に算出できる。
したがって、被塗面2に凹凸部分がある場合は、夫々の要素面Enについて傾斜角度αを入力しておけば、その凹凸部分を塗装パターンPが通過するときに、塗装パターンP内の要素面Enについての傾斜角度αの分布から補正係数分布が算出され、これに基づいて塗装パターンの膜厚が決定されることになる。
【0025】このようにして、塗装パターンPの膜厚データが、塗装距離−膜厚設定手段6、塗装角度−膜厚設定手段7、面積比−膜厚設定手段8及び凹凸形状−膜厚設定手段9とを備えた膜厚データ決定手段4により決定され、この塗装パターンPの膜厚データに基づいて、塗装機3を所定の経路/速度で停止/移動させながら塗装を行ったときに被塗面2に形成される塗膜の膜厚が、前述した膜厚算出手段5により算出される。
【0026】以上が本発明の一例構成であって次にその作用について説明する。
まず、図8(a)に示すように、塗装機3の移動軌跡に沿って一定時間ごとの通過点tにおける塗装距離d、塗装角度θ、面積比mを塗装パターンPを決定するパラメータとして入力し、所定の記憶領域に記憶しておく。
また、図8(b)に示すように、被塗面2の凹凸部分を多面体に置き換え、その多面体を構成する要素面Eについて、隣接する要素面との傾斜角度αを塗装パターンPを決定するパラメータとして入力し、所定の記憶領域に記憶しておく。
【0027】ここで、シミュレーションを開始させると、各通過点におけるパラメータが読み出されて、膜厚データ決定手段4により塗装パターンPの膜厚データが算出され、算出された膜厚の塗装パターンPがその通過点tに順次スタンプされていく。
そして、被塗面2に形成される膜厚は、スタンプされた各塗装パターンPの重なっている部分についてその膜厚を積算することにより求めることができる。
【0028】ここで、夫々の通過点tにおいて、塗装距離dが遠ざかれば塗膜は薄くなり、塗装角度θが大きくなれば塗膜は薄くなり、面積比mが小さくなれば塗膜は厚くなる。
また、被塗面2に凹凸部分がある場合は、その凹凸部分を塗装パターンPが通過するときに、塗装パターンP内の要素面Enについての傾斜角度αの分布から補正係数分布が算出され、凸部を構成する傾斜角度α>0の要素面は塗膜が局部的に厚くなり、凹部を構成する傾斜角度α<0の要素面は塗膜が局部的に薄くなる。
このようにして、塗装機3の位置や傾き、被塗面2の形状により変化する塗膜の膜厚を正確にしかも簡便にシミュレーションすることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、被塗面に対する塗装機の位置や被塗面の形状に応じて塗装パターンの膜厚データを決定することにより、被塗面に形成される塗膜の膜厚を正確にシミュレーションすることができ、しかも、その膜厚データを決定する際に複雑な計算を必要とせず短時間で簡単に処理することができるという大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る膜厚シミュレーション装置を示す説明図。
【図2】シミュレーションに際し形成される塗膜の概念図。
【図3】塗装距離−膜厚設定手段の説明図。
【図4】塗装角度−膜厚設定手段の説明図。
【図5】面積比−膜厚設定手段の説明図。
【図6】凹凸形状−膜厚設定手段の説明図。
【図7】凹凸部分の膜厚算出方法を示す概念図。
【図8】各パラメータのデータテーブル。
【符号の説明】
1………膜厚シミュレーション装置
2………被塗面
3………塗装機
P………塗装パターン
4………膜厚データ決定手段
5………膜厚算定手段
6………塗装距離−膜厚設定手段
7………塗装角度−膜厚設定手段
8………面積比−膜厚設定手段
9………凹凸形状−膜厚設定手段

Claims (9)

  1. 被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて、被塗面に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚シミュレーション装置において、
    前記被塗面と塗装機との間の塗装距離に応じて塗装パターンの膜厚データを決定する塗装距離−膜厚設定手段と、前記被塗面の法線方向に対する塗装機の塗装角度に応じて塗装パターンの膜厚データを決定する塗装角度−膜厚設定手段と、塗装パターン内における被塗面の占める面積比に応じてその膜厚データを決定する面積比−膜厚設定手段と、被塗面に凹凸が形成されている場合に、その凹凸形状に応じて膜厚データを決定する凹凸形状−膜厚設定手段とを備えたことを特徴とする膜厚シミュレーション装置。
  2. 前記塗装距離−膜厚設定手段は、塗装距離のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき距離をパラメータとする膜厚変化式が各座標点ごとに設定され、塗装機からの距離が入力されたときに、その膜厚変化式に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成された請求項1記載の膜厚シミュレーション装置。
  3. 前記塗装角度−膜厚設定手段は、塗装角度のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき塗装角度をパラメータとする補正係数が設定され、塗装角度が入力されたときに、塗装角度0°の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成された請求項1記載の膜厚シミュレーション装置。
  4. 前記面積比−膜厚設定手段は、前記面積比のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき面積比をパラメータとする補正係数が設定され、前記面積比が入力されたときに、面積比1の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成された請求項1記載の膜厚シミュレーション装置。
  5. 前記凹凸形状−膜厚設定手段は、被塗面の凹凸部分を複数の要素面が所定角度で連続する多面体に置き換えて、被塗面に凹凸がない場合の塗装パターンの膜厚データに対する補正係数が前記多面体を構成する要素面について隣接する要素面との傾斜角度に応じて予め設定され、前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成された請求項1記載の膜厚シミュレーション装置。
  6. 被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて、被塗面に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚シミュレーション装置において、
    前記被塗面から塗装機までの塗装距離に応じて塗装パターンの膜厚データを決定する塗装距離−膜厚設定手段を備え、該塗装距離−膜厚設定手段は、塗装パターンが半径方向の座標点の膜厚データからなる場合に、被塗面から塗装機までの距離のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき距離をパラメータとする膜厚変化式が各座標点ごとに設定され、塗装機からの距離が入力されたときに、その膜厚変化式に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成されたことを特徴とする膜厚シミュレーション装置。
  7. 被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて、被塗面に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚シミュレーション装置において、
    前記被塗面の法線方向に対する塗装機の塗装角度に応じて塗装パターンの膜厚データを決定する塗装角度−膜厚設定手段を備え、前記塗装角度−膜厚設定手段は、塗装角度のみが異なり、他の塗装条件が同一の2以上の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき塗装角度をパラメータとする補正係数が設定され、塗装角度が入力されたときに、塗装角度=0の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成されたことを特徴とする膜厚シミュレーション装置。
  8. 被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて、被塗面に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚シミュレーション装置において、
    前記塗装パターン内における被塗面の占有面積比に応じてその膜厚データを決定する面積比−膜厚設定手段を備え、該面積比−膜厚設定手段は、前記面積比のみが異なり、他の塗装条件が同一の塗装パターンについて実測された膜厚データに基づき面積比をパラメータとする補正係数が設定され、面積比が入力されたときに、面積比=1の塗装パターンの膜厚データと前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成されたことを特徴とする膜厚シミュレーション装置。
  9. 被塗面に対して定置された塗装機により予め設定された塗装条件で塗装したときの塗装パターンの膜厚データに基づいて、被塗面に形成される塗膜の膜厚を算出する膜厚シミュレーション装置において、
    被塗面に凹凸が形成されている場合に、その凹凸形状に応じて膜厚データを決定する凹凸形状−膜厚設定手段を備え、該凹凸形状−膜厚設定手段は、被塗面の凹凸部分を複数の要素面が所定角度で連続する多面体に置き換え、被塗面に凹凸がない場合の塗装パターンの膜厚データに対する補正係数が前記多面体を構成する要素面について隣接する要素面との傾斜角度に応じて予め設定され、前記補正係数に基づいて塗装パターンの膜厚データを決定するように成されたことを特徴とする膜厚シミュレーション装置。
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