JP4381064B2 - 排ガス処理装置および処理方法 - Google Patents
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Description
図7中、符号81はボイラ、82は脱硝装置、83は空気予熱器、84は集塵器、85はガス・ガスヒータ、86は脱硫装置及び87は煙突を各々図示する。
図7に示すように、ボイラ81等の出口には、触媒を用いた脱硝装置82を設け、該脱硝装置82の出口に空気予熱器83を設置し、排ガス温度を130℃程度まで低減するようにしている。
しかしながら、上述の従来の排ガス処理装置においては、硫黄酸化物を除去するために多量の吸収剤が必要となるという問題がある。
図8中、符号91はボイラ、92は脱硝装置、93は空気予熱器、94は集塵器、95はガス・ガスヒータ、96は脱硫装置、97は煙突及び98は高深度硫酸塔を各々図示する。
その後、高深度硫酸塔98に導かれ、該装置98内に充填された600〜1000℃の温度範囲にて熱処理を施した活性炭素繊維(ACF)と接触して反応が促進される。
しかしながら、上述の図7に記載のものでは、活性炭素繊維を洗浄するためには多量の清水が必要となるが、清水の量に制限のある船舶には採用が難しいという問題がある。
また、上述の図8に記載の排ガス処理装置においては、清水の代わりに水酸化ナトリウム等の水溶液を使用することも開示されている。
上述の第4の手段に係る排ガス処理装置によれば、反応塔の活性炭素繊維に供給される海水に含有される細かい固形物はフィルタにより除去される。
上述の第5の手段に係る排ガス処理装置によれば、反応塔の活性炭素繊維に供給される海水はPH調整されてカルシウム等のイオンが除去され、カルシウム等のイオンと排ガス中の硫黄酸化物等により生成された硫酸カルシウム等の硫酸塩は排水ポンプにより装置外に排出される。
第6の手段に係る排ガス処理装置によれば、反応塔の活性炭素繊維に供給される海水はPH調整されてカルシウム等のイオンが除去され、カルシウム等のイオンと排ガス中の硫黄酸化物等により生成された硫酸カルシウム等の硫酸塩は排水ポンプにより装置外に排出される。
第7の手段に係る排ガス処理装置によれば、冷却器により加湿された排ガスは冷却されて活性炭素繊維に導入されるので、硫酸カルシウム等の硫酸塩の溶解度が高くなり、活性炭素繊維上での硫酸塩の析出が防止される。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる排ガス処理装置を示す図、図2は本発明の第1の実施の形態に係わる排ガス処理装置における制御を示す図である。
船舶等の海洋構造物には、図1に示すように、推進用或いは発電機用としてディーゼルエンジン1が搭載されている。ディーゼルエンジン1からの排気ガスは、煙道2、排気ガス処理装置、煙道4および煙突5を通り船外に排出される。なお、通常この排気ガスには、約1000ppm程度の硫黄酸化物(SO2、SO3)、約10%程度の酸素、及び二酸化炭素、窒素、水が含まれている。
上記の熱処理活性炭素繊維は、好ましくは石炭・石油化学の残渣として出るピッチを溶融紡糸して得たピッチ系炭素繊維を還元雰囲気の条件で焼成してなるものである。
さらに、触媒層8の上方には、触媒層8を洗浄するために後述するように成分調整された中和海水を散布する中和海水散布器9が配設されている。
そして、触媒層8で形成された希硫酸は、中和海水散布器9から散布される成分調整された中和海水により洗い流されて反応塔3下部の貯留槽に落下する。
なお、上述のごとく、中和海水散布器9から散布される海水は後に述べるように成分調整されてカルシウムイオン等が除去されているため、活性炭素繊維(ACF)等触媒層8内では硫酸カルシウム等の硫酸塩は形成されない。
反応塔3には、反応塔3の下部の貯留槽内の海水を循環させる反応塔循環ライン20と、海水を供給する海水供給ライン30と、成分調整された中和海水を供給する中和海水循環ライン40と、清水を補給する清水補給ライン50とが接続されている。
反応塔循環ライン20において、反応塔3の下部の貯留槽内に溜まっている硫酸カルシウム等の硫酸塩、希硫酸等を含有する海水は配管22を介して反応塔循環ポンプ21により吸引される。
さらに、反応塔循環ポンプ21の吐出側には、遠隔制御弁28を介してPH調整槽10に海水を排出する配管25が接続されている。
そして、図2に示すように、レベル計71からの信号は、制御盤70内の反応塔レベル制御器76a(又は制御回路、制御シーケンス)により設定値と比較されて設定値以下となった場合には、後記する海水供給ライン30の遠隔制御弁35が開いて海水が供給、或いは海水の供給量が増加される。
海水は、船舶の船底14に設けられた海水吸入口から、海水供給ポンプ31により、配管32を介して吸入される。吸入された海水は、遠隔制御弁35及び配管34を介して反応塔3の触媒層8より下方の位置に投入される。さらに吸入された海水の一部は遠隔制御弁36及び配管33を介してPH調整槽10へ送付される。
PH調整槽(中和槽)10において、残留する希硫酸は海水中のカルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウム等のイオンと反応し、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等の硫酸塩が生成される。
そして、図2に示すように、PH計からの信号は制御盤70内のPH調整器(又は制御回路、制御シーケンス)76bに送付される。
PH調整器76bでは、入力されたPH値と予め設定された設定値(好ましくはPH=7.0)とが比較され、PH値が所定の値より低い場合は、海水供給ライン30からの海水の量を増加させ、PH値が高い場合は海水の量を減少させるように遠隔制御弁36の開度が制御される。
中和海水循環ライン40は、PH調整槽10にて成分が調整された中和海水を、触媒層8の洗浄液として反応塔3の上部に配設された中和海水散布器9に送付するラインである。
即ち、図2に示すように、硫黄酸化物濃度計75にて煙道4内の排ガス中の硫黄酸化物濃度が検出され、その検出信号は、制御盤70内の脱硫性能制御器(又は制御回路、制御シーケンス)76dに送信される、脱硫性能制御器76dは、入力された濃度と予め設定された設定値とを比較し、入力された濃度が設定値より高い場合は、清水補給ライン50中の遠隔制御弁54を開くとともに、中和海水循環ライン40中の遠隔制御弁49の開度を増加させる。
例えば、清水補給ライン50は配管45以外の場所へ接続するようにしても良い。
さらに、2個のフィルタ48a、48bおよび2組の遠隔制御弁47a、47bは、中和海水循環ポンプ41の吐出口側に配設しているが、吸入口側の配管42に配設するようにしても良い。
弁についても、図2に示す遠隔、或いは自動制御が必要な、弁35、36、46、54、49のみを遠隔制御弁とし、それ以外は手動弁としても良い。更には、小規模な排ガス処理装置においては、全て手動弁とすることも可能である。
また、PH調整槽10を反応塔3と一体的に形成することも可能性ある。
なお、図3においては、第1の実施の形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1の実施形態と同一の部位についての説明は省略して、第1の実施形態との相違点について説明する。
この第2の実施の形態において、反応塔3、反応塔循環ライン20、PH調整槽10、海水供給ライン30および清水補給ライン50は第1の実施の形態と同じである。
本第2の実施の形態によれば、フィルタを省略できるので、排ガス処理装置をより簡素にできる。
なお、図4においては、第1、2の実施の形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第1、2の実施形態と同一の部位についての説明は省略して、第2の実施形態との相違点について説明する。
この第3の実施の形態において、反応塔3、反応塔循環ライン20、海水供給ライン30および清水補給ライン50は第2の実施の形態と同じである。
一方、PH調整槽10aから溢れた中和海水は、仕切り壁16の上端をオーバーフローして排水処理槽15へ流れる。
なお、図5においては、第3の実施の形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第3の実施形態と同一の部位についての説明は省略して、第3の実施形態との相違点について説明する。
この第4の実施の形態において、反応塔3、反応塔循環ライン20、海水供給ライン30、清水補給ライン50、上澄液槽19および排水ポンプ65等は、第3の実施の形態と同じである。
また、中和海水循環ポンプ41の吐出口側の配管44には、第1の実施の形態と同様に、フィルタ48a、48b及び遠隔制御弁47a、47bが配設されている。
そして、PH調整槽10a内の固形物は、中和海水と共に中和海水循環ポンプ41により吸入され、フィルタ48a、48bにより回収される。
なお、図6においては、第4の実施の形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第4の実施形態と同一の部位についての説明は省略して、第4の実施形態との相違点について説明する。
これにより、触媒層8に導入される排ガスが冷却されるので、触媒8での反応がより促進する。なお、水温は40℃以下にすることが望ましい。
2 煙道
3 反応塔
4 煙道
5 煙突
6、7 循環水散布器
8 触媒層
9 中和海水散布器
10、10a PH調整槽
14 船底
15 排水処理槽
16 仕切り壁
17 冷却器
18 じゃま板
19 上澄液槽
20 反応塔循環ライン
21 反応塔循環ポンプ
22、23、24、25 配管
26、27、28 遠隔操作弁
30 海水供給ライン
31 海水供給ポンプ
32、33、34 配管
35、36 遠隔操作弁
40 中和海水循環ライン
41 中和海水循環ポンプ
42、43、44、45 配管
47a、47b 遠隔操作弁
48a、48b フィルタ
46、49 遠隔操作弁
50 清水補給ライン
51 清水補給ポンプ
52 清水タンク
53 配管
54 遠隔操作弁
60 冷却ライン
61 配管
62 遠隔制御弁
65 排水ポンプ
66 配管
67 遠隔制御弁
70 制御盤
71、72 レベル計
73、74 PH計
75 硫黄酸化物濃度計
76a 反応塔レベル制御器
76b PH調整器
76c PH調整槽レベル制御器
76d 脱硫性能制御器
Claims (7)
- 排ガス中の硫黄酸化物を処理する方法において、上記排ガスを海水により加湿し、該加湿された排ガスを、活性炭素繊維または活性炭を用いた触媒により反応させて希硫酸を生成し、上記触媒から排出された上記希硫酸と上記海水中に含まれるカルシウムと反応させて硫酸カルシウムを生成し、生成された上記硫酸カルシウムを上記海水から除去し、上記硫酸カルシウムが除去された海水を上記触媒の上方から散水することを特徴とする排ガス処理方法。
- 上記触媒が活性炭素繊維であることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理方法。
- 排ガス処理装置において、硫黄酸化物を含有する排ガスが導入される反応塔と、該反応塔の内に配設され上記排ガス中の硫黄酸化物を水及び酸素と反応させて希硫酸を生成する活性炭素繊維と、上記活性炭素繊維の排ガス上流側に配設され上記排ガスを加湿する循環水散布器と、上記活性炭素繊維の排ガス下流側に配設され上記活性炭素繊維を洗浄する中和海水散布器と、上記反応塔の下部に形成されると共に生成された希硫酸及び海水を貯溜する貯留槽と、該貯留槽に海水を供給する海水供給ラインと、上記貯留槽内の貯留液を上記循環水散布器に供給する反応塔循環ラインと、上記貯溜槽内の上記貯溜水が反応塔循環ラインを介して供給されると共に上記海水導入ラインを介して海水が供給されて海水を中和するPH調整槽と、上記PH調整槽内の中和された海水を上記中和海水散布器に供給する中和海水循環ラインとを備えたことを特徴とする排ガス処理装置。
- 上記中和海水循環ラインに生成された硫酸カルシウムを除去するフィルタを備えたことを特徴とする請求項3記載の排ガス処理装置。
- 上記PH調整槽からの上澄み液を溜める排水処理槽と、該排水処理槽の廃液を排出する排水ポンプとを備えるとともに、上記中和海水供給ラインをPH調整槽の上部に接続したことを特徴とする請求項3記載の排ガス処理装置。
- 上記PH調整槽からの上澄み液を溜める上澄液槽と、該PH調整槽の下部から廃液を抜き出す排水ポンプとを備えるとともに、上記中和海水供給ラインを上澄液槽に接続したことを特徴とする請求項3記載の排ガス処理装置。
- 上記活性炭素繊維と上記循環水散布器との間に冷却器を備えたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の排ガス処理装置。
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