JP4381038B2 - 送受信装置およびケーブルモデムモジュール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、同軸コネクタを介して入力される信号を処理する回路基板および回路基板に設けられた信号端子から入力信号または出力信号に重畳されることのある不要輻射を低減可能な送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
RFケーブル(同軸コネクタ)により外部から信号を受信し、または内部回路で処理された信号を外部へ送信する送受信装置においては、回路基板は、電磁波の不要輻射を遮蔽する効果のある金属等により形成されたシールドケースに収容されている。これにより、回路基板で処理される受信信号や、回路基板内で生成される信号に、不要輻射が重畳されることが抑止される。
【0003】
しかしながら、送受信装置の小型化の要求に従って、回路基板をシールドするシールドケースと送受信装置の外装ケースとの間の余裕分が低減されていることから、例えば、シールドケースを送受信装置にセットしたのち、シールドケースの所定の位置にRFコネクタを取り付ける等の工程上の工夫が必要である。
【0004】
なお、F型接栓(RFコネクタ)が設けられた高周波回路基板の両面を第1,第2のシールド板で挟み込むとともに、その外側を、樹脂製のケース本体およびカバーにより雨水が入り込まないようにした電子機器用ケースが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、アンテナ接続用コネクタが設けられた回路基板組立体の周囲を囲む金属がメッキされた樹脂製の固定枠と、固定枠および回路基板組立体を挟み込む金属ケースを有する薄型無線装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、基板の周囲を、弾性を有する樹脂材でモールドした上下カバー(側面を含む)とフロントパネルとリヤパネルとにより覆ったモデム筐体の組立構造が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、同軸ケーブル取り付け部が一体に設けられた基板の4面をシールド板で覆って通信品位を高めた送受信一体型高周波装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−32267号公報(図1、図2、段落[0011]、[0013]、[0014])。
【0009】
【特許文献2】
特開平10−75082号公報(図5〜図7、図11、図12、段落[0014]〜[0015]、[0023]、[0028])。
【0010】
【特許文献3】
特開平3−224295号公報(第1図、第3頁左下欄第1行ないし同欄第20行、請求項1)。
【0011】
【特許文献4】
特開2002−16524号公報(図1、図6、段落[0061]〜[0068]、請求項11)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1ないし4にいずれかまたは少なくとも2つもしくは3つあるいは全てを組み合わせて回路基板をシールドしたとしても、不要輻射を完全に抑止することは困難である。
【0013】
また、上述の通り、送受信装置の小型化の要求に従って、回路基板をシールドするシールドケースと送受信装置の外装ケースとの間の余裕分が低減されていることに起因して、RFコネクタを取り付ける工程に工夫が必要となり、あるいは作業性が低下する等により、組立効率が低下する問題がある。
【0014】
なお、例えば回路基板からの端子群がRFコネクタと異なる方向に延出されている場合、RFコネクタと回路基板とをシールドケースに収容した状態で、余裕分(隙間)の少ない外装ケース内に収納しようとすると、端子(群)が折れたり変形する問題がある。
【0015】
この発明の目的は、作業ミスが生じにくく、高い組立作業性が得られ、しかも不要輻射を低減可能で、通信品位の高い信号の送受信が可能な送受信装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る送受信装置は、回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、回路基板をシールドするシールドケースと;回路基板の面方向に沿って同軸コネクタが固定された状態で、回路基板の面方向と直交する方向から回路基板を収容可能とするように、シールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と;カバーの所定の位置を枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを備えるようにしたものである。
【0017】
また、この発明に係る送受信装置は、同軸コネクタが取り付けられた第1の回路基板と;第1の回路基板をシールドする第1のシールドケースと;第1のシールドケースを保持する第2の回路基板と;第2の回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、第2の回路基板を前記第1のシールドケースとともにシールドする第2のシールドケースと;第2の回路基板の面方向に沿って同軸コネクタが固定された状態で、第2の回路基板の面方向と直交する方向から第2の回路基板及び第1のシールドケースを収容可能とするように、第2のシールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と;カバーの所定の位置を枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを備えるようにしたものである。
【0018】
さらに、この発明に係るケーブルモデムモジュール装置は、回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、回路基板をシールドするシールドケースと;回路基板の面方向に沿って同軸コネクタが固定された状態で、回路基板の面方向と直交する方向から回路基板を収容可能とするように、シールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と;カバーの所定の位置を枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを備えるようにしたものである。
【0019】
また、この発明に係るケーブルモデムモジュール装置は、同軸コネクタが取り付けられた第1の回路基板と;第1の回路基板をシールドする第1のシールドケースと;第1のシールドケースを保持する第2の回路基板と;第2の回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、第2の回路基板を第1のシールドケースとともにシールドする第2のシールドケースと;第2の回路基板の面方向に沿って同軸コネクタが固定された状態で、第2の回路基板の面方向と直交する方向から第2の回路基板及び第1のシールドケースを収容可能とするように、第2のシールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と;カバーの所定の位置を枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを備えるようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1に示されるように、例えばCATV網に接続され、予め契約された加入者に映像プログラムや音楽プログラムまたは文字データを受信し、また加入者から入力される情報を送信元に伝送可能なデータ通信用の通信端末である送受信装置として、ケーブルモデム装置が知られている。なお、センター局から各端末(加入者)には、例えば90〜860MHz程度の高周波の受信信号(下り信号)で映像プログラムや文字データが配信される。また、各端末からセンター局には、例えば5〜65MHz程度の高周波の送信信号(上り信号)で情報が送信可能である。
【0023】
ケーブルモデム装置またはケーブルモデムモジュールを実装したCATV端末装置1は、図1に一例を示すが、例えば外装ケース2、主回路基板3、電源回路基板4、ケーブルモデムユニット(ケーブルモデムモジュール)5、フロントパネル6およびリヤパネル7等からなる。なお、フロントパネル6には、詳述しないが、例えば受信チャンネルやセンター局からのメール等の着信の有無を表示する表示装置、電源スイッチ、音声出力用のフォノジャックあるいは遠隔操作用リモート端末(リモコン)からの制御信号を受信する受光部(窓)等が配置されている。また、リヤパネル7には、詳述しないが、例えばCRT(テレビモニタ)装置やディスプレイ装置に映像信号を出力する映像出力端子群、テレビモニタ装置や音声増幅装置(オーディオアンプ)等に音声信号を出力する音声端子群、電源回路基板4に商用電源を供給可能なACライン、および以下に説明するが、ケーブルモデムユニット5の所定の位置に設けられているRFコネクタ等が配置されている。
【0024】
ケーブルモデムユニットすなわちケーブルモデムモジュール5は、図2に概略ブロックを示すが、例えばセンター局(ケーブルテレビ(CATV)配信局)との間の信号の送受信に利用されるRF(同軸)ケーブルが接続されるRFコネクタ(同軸コネクタ)51、以下に説明するさまざまな回路および機能ブロックが配置される回路基板21、RFコネクタ51により入出力される高周波信号を処理するチューナ部22、チューナ部22を介して周波数変換された下り信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ23、A/Dコンバータ23を介してデジタル信号に変換された下り信号を復調してデータ化する復調部24、上り信号(デジタル信号)を生成するMAC(Media Access Control)部25、MAC部25により生成された上り信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ26、MAC部25に入力された下り信号を外部装置に出力するためのイーサネット規格等に準拠したインタフェース27、個々の回路および機能ブロックの動作を制御する主制御回路(マイクロコンピュータ)28およびメモリ29等からなる。なお、ケーブルモデムユニット5は、主回路基板3の所定位置に、例えばリヤパネル7の所定位置からRFコネクタ51を外部に向けて突出させた状態に配置されている。
【0025】
RFコネクタ51は、回路基板21の所定位置に、例えば半田により、あるいはカシメもしくは接触子の接触等により、固定されている。なお、RFコネクタ51は、図示しないが芯材(芯線)すなわち信号線が、例えば回路基板21の面方向と平行な方向に向けた状態で回路基板21に(或は,芯材先端を回路基板21に垂直に曲げ,回路基板21に挿入して)固定されている。また、ケーブルモデムユニット5を動作させるための電源は、主回路基板3に設けられた電源回路基板4から供給される。
【0026】
図3は、図1に示したCATV端末装置の主回路基板に配置されるケーブルモデムユニットの機械的要素の特徴の一例を説明する概略図である。
【0027】
図3に示されるように、ケーブルモデムユニット5は、図2を用いて説明した個々の回路および機能ブロックが設けられている回路基板21の面方向と直交する周囲4面を覆うとともに外部からの電磁波をシールドする金属ケース31、4面体の金属ケース(枠体)31の一方の開口を覆う(すなわち開口に対して、例えば蓋状に位置される)とともに外部からの電磁波をシールドする第1の平面部(第1のカバー)32および金属ケース31の他の一方の開口を覆う(開口に対して、例えば蓋状に位置される)とともに外部からの電磁波をシールドする第2の平面部(第2のカバー)33により形成された6面体もしくは類似した形状の筐体34(と筐体34内部に位置される回路基板21)からなる。
【0028】
回路基板21の所定の位置には、図2を用いて説明した個々の回路およびブロックからの信号および個々の回路およびブロックへの信号の入出力に利用される端子35が、所定の数だけ、配列されている。なお、個々の端子35は、例えば貫通コンデンサ等を含み、外来ノイズあるいは不要な信号に対するフィルタ機能を有する。
【0029】
それぞれの端子35は、4面体の金属ケース31の所定の面を介して筐体34の外部(金属ケース31の4面のうちの任意の一面)と接続可能に形成されている(実際の製造工程から見ると、予め筐体34の所定位置に固定された端子35が回路基板21に設けられた詳述しない対応する孔に挿入され、例えば半田等により回路基板21の所定のパターンと接続される)。すなわち、端子35の金属ケース31へ固定される側と反対側の端部(脚部)は、回路基板21に予め設けられている貫通孔の軸線方向と同じ方向に向けられている。
【0030】
筐体34の所定の面すなわち4面体の金属ケース31のうちの端子35が固定される面とは異なる面には、回路基板21に固定されているRFコネクタ51を筐体34の外部に露出可能とする切り欠き(切り欠き部)34Aが形成されている。
【0031】
すなわち、4面体の金属ケース(枠体)31の任意の一面に、RFコネクタ51に対応される切り欠き34Aを設けたことにより、回路基板21の所定位置に予めRFコネクタ51を固定した状態で、RFコネクタ51の軸方向と直交する方向で、かつ端子35の回路基板21の対応する孔に挿入される側の脚部が回路基板21の貫通孔の軸線方向と平行となるように、金属ケース31を回路基板21に装着することが可能となる。
【0032】
このように、回路基板21の周囲を覆う4面体の金属ケース31の任意の一面であって、回路基板21に固定されているRFコネクタ51を避ける形状の切り欠き34Aを設けることにより、同軸ケーブル用のコネクタ51を持つ回路基板21に端子35を持つ金属ケース31を装着する際に、回路基板21を傾斜することなく、金属ケース31の開口面(第1および第2のカバー32,33が装着される面)を水平に保ったまま、金属ケース31を、その開口面に対して垂直に挿入することが可能となる。換言すると、シールドケース34の4面体すなわち金属ケース31の任意の1面に、RF(同軸)コネクタの軸線が延出される方向と直交する方向から回路基板21に対して金属ケース31を装着可能に切り欠き部(切り欠き)34Aを設けたことにより、シールドケース34内に、回路基板21の面方向に沿って同軸コネクタ51が固定された状態で回路基板21の面方向と直交する方向から回路基板21を収容するために、シールドケース34が装着可能である。
【0033】
この構成により、回路基板21の所定の位置に挿入される端子35を基板21の対応する貫通孔に確実に挿入可能で、しかも回路基板21に端子35の軸線の方向と異なる方向に軸線が向けられて固定されているRFコネクタ51とケース31とが不所望に接したり、端子35の任意のまたは複数のもしくは全てが対応する貫通孔に挿入されずにその一部が折れ曲がることが抑止される。
【0034】
従って、RFコネクタ51または端子35のいずれかまたは両者に不所望な傷が生じたり端子35が折れ曲がることが防止されるとともに、RFコネクタ51が固定されている回路基板21に複数の端子35が予め取り付けられている金属ケース31を装着する工程の作業性が改善され、その工程に要求される作業時間が低減される。
【0035】
このことは、ケーブルモデムユニット(ケーブルモデムモジュール)5およびケーブルモデムユニット5を含むCATV端末装置1の組立コストを低減可能で、最終製品のコストダウンにつながる。
【0036】
なお、4面体の金属ケース31の第2の開口面を覆う第2のカバー33の所定の位置すなわち回路基板21に固定されているRFコネクタ51に第2のカバー33が近接する部分を金属ケース31の側に突出させて(あるいは折り曲げて)遮蔽部(突出部)33Aを設けてRFコネクタ51の近傍に位置させることで、筐体34に切り欠き34Aを設けることにより金属ケース31に形成される開口面積(切り欠き34A)の大きさが削減される。また、切り欠き部34Aを覆う遮蔽部(突出部)33Aは、第2のカバー33と一体である必要はなく、別ピースによることも可能である。
【0037】
これにより、切り欠き34Aによる開口からの外来の不要輻射が入力され、あるいは内部回路からの不要輻射がケーブルモデムユニット5の外部へ出力されることが低減される。従って、高品位な信号の送受信が可能となる。
【0038】
また、図3に示した筐体すなわちシールドケース34では、4面体である金属ケース31は、開口面が2面であるが、シールドケース34と第1のカバー32を一体として、開口面を1面とすることもできる。
【0039】
図4は、図1ないし図3に示したケーブルモデムニットの変形例を示す概略図である。なお、図4においては、ケーブルモデムユニットの回路基板に組み付けられるチューナ部を、独立のシールドケース内に収容した例を示している。
【0040】
詳細には、ケーブルモデムユニット105は、図2を用いて前に説明した個々の回路および機能ブロックが設けられている回路基板21に組み付けられるチューナ部22の少なくとも周囲4面を覆うとともに外部からの電磁波をシールドする金属ケース151および4面体の金属ケース151の一方の開口を覆うとともに外部からの電磁波をシールドするチューナ部カバー(チューナ部平面部)152からなる少なくとも5面の金属板からなる筐体すなわちチューナ部シールドケース154と、チューナ部シールドケース154の外側を覆うシールドケース34からなる。なお、シールドケース34は、図3を用いて前に説明したシールドケースと実質的に同様に構成される。
【0041】
チューナ部シールドケース154の4面体の金属ケース151の任意の一面には、回路基板21のチューナ部22からの信号の出力およびチューナ部22への信号の入力に利用される端子155が、所定の数だけ配列されている。なお、個々の端子155は、好ましくはシールドケース34の端子35が配列される面と反対の側に配列される。また、個々の端子155は、4面体の金属ケース151の所定の面に固定された状態で、回路基板21の所定位置に形成されている詳述しない貫通孔に挿入され、例えば半田等により回路基板21の所定のパターンと接続される。すなわち、チューナ部シールドケース154に固定されている端子155の金属ケース151へ固定される側と反対側の端部(脚部)は、回路基板21に予め設けられている貫通孔の軸線方向と同じ方向に向けられている。
【0042】
シールドケース34の所定の面すなわち4面体の金属ケース31のうちの端子35が固定される面とは異なる面には、図3により前に説明したと同様に、回路基板21に固定されているRFコネクタ51をシールドケース34の外部に露出可能とする切り欠き34Aが形成されている。
【0043】
従って、図4に示す例では、回路基板21の所定位置に配置されたチューナ部22を覆うチューナ部シールドケース154の外側を、チューナ部シールドケース154の所定の位置から突出されたRFコネクタ51がチューナ部22に固定された状態で、RFコネクタ51の軸方向と直交する方向であって、チューナ部の端子155とシールドケース34の外部との信号の入出力に利用される端子35のそれぞれが回路基板21の対応する孔に挿入される側の脚部が回路基板21の貫通孔の軸線方向と平行となるように、シールドケース34の金属ケース31を回路基板21に装着することができる。
【0044】
換言すると、シールドケース(第2のシールドケース)34の4面体すなわち金属ケース31の任意の1面に、チューナ部シールドケース(第1のシールドケース)154の所定の位置にチューナ部22(チューナ回路基板150)の面方向に軸線が沿うように固定されているRF(同軸)コネクタ51の軸線が延出される方向と直交する方向から、回路基板21およびチューナ回路基板150に対して金属ケース31を装着可能に切り欠き部(切り欠き)34Aを設けたことにより、シールドケース34内に、回路基板21の面方向に沿って同軸コネクタ51が固定された状態で回路基板21の面方向と直交する方向から回路基板21を収容するために、シールドケース34が装着可能である。
【0045】
すなわち、回路基板21の所定の位置に挿入される端子35と端子155(チューナ部22)を、回路基板21の対応する貫通孔に確実に挿入可能で、しかも回路基板21に端子35および端子155の軸線の方向と異なる方向に軸線が向けられて固定されているRFコネクタ51と金属ケース31および金属ケース151とが不所望に接したり、端子35および端子155の任意のまたは複数のもしくは全てが回路基板21に予め設けられている対応する貫通孔に挿入されずにその一部が折れ曲がることが抑止される。
【0046】
従って、RFコネクタ51または端子35および端子155のいずれかまたはそれぞれに不所望な傷が生じたり、端子35または端子155が折れ曲がることが防止されるとともに、RFコネクタ51が固定されている回路基板21に複数の端子35および端子155が予め取り付けられている金属ケース31および金属ケース151を装着する工程の作業性が改善され、その工程に要求される作業時間が低減される。
【0047】
このことは、ケーブルモデムユニット(ケーブルモデムモジュール)105およびケーブルモデムユニット105を含むCATV端末装置1の組立コストを低減可能で、最終製品のコストダウンにつながる。
【0048】
また、4面体の金属ケース31の第2の開口面を覆う第2のカバー33の所定の位置すなわち回路基板21に固定されているRFコネクタ51に第2のカバー33が近接する部分を金属ケース31の側に突出させて(あるいは折り曲げて)遮蔽部(突出部)33Aを設けて、RFコネクタ51の近傍に位置させることで、筐体34に切り欠き34Aを設けることにより金属ケース31に形成される開口面積(切り欠き34A)の大きさが削減される。なお、切り欠き部34Aを覆う遮蔽部(突出部)33Aは、第2のカバー33と一体である必要はなく、別ピースによることも可能である。
【0049】
これにより、切り欠き34Aによる開口からの外来の不要輻射が入力され、あるいは内部回路からの不要輻射がケーブルモデムユニット105の外部へ出力されることが低減される。従って、高品位な信号の送受信が可能となる。
【0050】
なお、図3および図4を用いて説明した実施の形態は、RFコネクタに限らず、シールドケースの外側に突出する部品を持つ場合に関して有効である。
【0051】
例えば、図5に示すように、回路基板221上の異なる辺の側にそれぞれ配置された部品223および224を持ち、それぞれがシールドケース234(第1のカバー231を含む)の外側に突出する場合に関してもシールドケース234に切り欠き部234Aおよび234Bを設けることで、図3および図4に示した例と同様の効果が得られる。また、シールドケース234(4面体)の開口面に設けられる下カバー(第2のカバー)233に遮蔽部(突出部)233Aおよび233Bを設けることで、上述したと同様に、シールドケース234に形成される開口面積(切り欠き234Aおよび234B)の大きさが低減される。なお、切り欠き部を覆う遮蔽部(突出部)233Aおよび233Bは、カバー233と一体である必要はなく、別ピースによることも可能である。
【0052】
これにより、切り欠き234Aおよび234Bによる開口からの外来の不要輻射が入力され、あるいは内部回路(回路基板221)からの不要輻射がケーブルモデムユニット205の外部へ出力されることが低減される。従って、高品位な信号の送受信が可能となる。
【0053】
また、図1ないし図5においては、CATV端末装置に組み込まれるケーブルモデムユニットのシールドケースを例に説明したが、例えば図6を用いて以下に説明するように、端末装置がゲーム機等であっても適用できる。
【0054】
例えば図6に示すようなゲーム機501においては、外装ケース502、主回路基板503、電源回路基板504、ケーブルモデムユニット505、フロントパネル506およびリヤパネル507等からなる。なお、フロントパネル506には、詳述しないが、コントローラ(入力装置)511が接続可能である。
【0055】
図6に示したゲーム機501はまた、例えばセンター局からダウンロード可能なゲームソフトやバージョンアップデータまたはハイスコアデータ等を記憶可能なハードディスクドライブ装置(HDD)や、対戦型ゲームにおいてセンター局にエントリされている任意の対戦相手との通信を確保/切断可能な通信ユニット等が設けられている。なお、ゲームソフトの主要な部分が、例えばDVD規格のディスク媒体や特定の規格の記憶媒体(カートリッジあるいはカード)を介して供給される場合に備えて、ディスクドライブ装置やカード(カートリッジ)スロットが一体に組み込まれていてもよい。
【0056】
なお、詳細な説明を省略するが、主回路基板503の所定の位置には、図3または図4を用いて前に説明したと同様に、例えばRFコネクタ551が回路基板521に取り付けられたケーブルモデム505が固定されている。
【0057】
また、ケーブルモデム505は、シールドケース534および上カバー532および下カバー533により、シールドされているので、外来の不要輻射が回路基板521に入力され、または回路基板521からの不要輻射がケーブルモデムユニット505の外部へ出力されることが低減される。
【0058】
従って、本発明の実施の形態であるケーブルモデムユニット(シールド機構)を用いることにより、高品位な信号の送受信が可能となる。
【0059】
なお、この発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合、組み合わせによる効果が得られる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、同軸ケーブルと接続が可能なコネクタが設けられた回路基板の周囲を6面体もしくは類似した形状のシールドケースによりシールドするに際し、回路基板からコネクタが突出している部分のシールドケースに切り欠きを設けたことで、回路基板をシールドケースで覆う際の作業性が改善される。これにより、コネクタあるいはシールドケースに固定されている端子のいずれかまたはそれぞれに不所望な傷が生じたり、端子が折れ曲がることが防止される。従って、ケーブルモデムユニットおよびケーブルモデムユニットを含む端末装置の組立コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態であるケーブルモデムユニットが組み込まれるCATV端末装置(通信端末)の一例を説明する概略図。
【図2】 図1に示したCATV端末装置に組み込まれるケーブルモデムユニットの構成の一例を示す概略ブロック図。
【図3】 図1に示したCATV端末装置の主回路基板に配置されるケーブルモデムユニットの機械的要素の特徴の一例を説明する概略図。
【図4】 図1に示したCATV端末装置の主回路基板に配置されるケーブルモデムユニットの機械的要素の特徴の別の一例を説明する概略図。
【図5】 図1に示したCATV端末装置の主回路基板に配置されるケーブルモデムユニットの機械的要素の特徴のさらに別の一例を説明する概略図。
【図6】 図1に示したCATV端末装置とは異なる端末装置に組み込まれるケーブルモデムユニットの構成の一例を示す概略ブロック図。
【符号の説明】
1…CATV端末装置、3…主回路基板(第2の回路基板)、4…電源回路基板、5,105,205,505…ケーブルモデムユニット、21…回路基板(第1の回路基板)、22…チューナ部、31,151…金属ケース(4面体)、32,231…第1のカバー、33,233…第2のカバー、33A,233A,233B…遮蔽部(突出部・第2のカバー)、34,234…シールドケース(6面体の筐体)、34A,234A,234B…切り欠き(シールドケース)、35,155…端子、51…RFコネクタ、152…チューナ部カバー、154…チューナ部シールドケース。
Claims (4)
- 回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、前記枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、前記回路基板をシールドするシールドケースと、
前記回路基板の面方向に沿って同軸コネクタが固定された状態で、前記回路基板の面方向と直交する方向から前記回路基板を収容可能とするように、前記シールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と、
前記カバーの所定の位置を前記枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、前記切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを具備することを特徴とする送受信装置。 - 同軸コネクタが取り付けられた第1の回路基板と、
前記第1の回路基板をシールドする第1のシールドケースと、
前記第1のシールドケースを保持する第2の回路基板と、
前記第2の回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、前記枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、前記第2の回路基板を前記第1のシールドケースとともにシールドする第2のシールドケースと、
前記第2の回路基板の面方向に沿って前記同軸コネクタが固定された状態で、前記第2の回路基板の面方向と直交する方向から前記第2の回路基板及び前記第1のシールドケースを収容可能とするように、前記第2のシールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と、
前記カバーの所定の位置を前記枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、前記切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを具備することを特徴とする送受信装置。 - 回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、前記枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、前記回路基板をシールドするシールドケースと、
前記回路基板の面方向に沿って同軸コネクタが固定された状態で、前記回路基板の面方向と直交する方向から前記回路基板を収容可能とするように、前記シールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と、
前記カバーの所定の位置を前記枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、前記切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを具備することを特徴とするケーブルモデムモジュール装置。 - 同軸コネクタが取り付けられた第1の回路基板と、
前記第1の回路基板をシールドする第1のシールドケースと、
前記第1のシールドケースを保持する第2の回路基板と、
前記第2の回路基板の面方向と直交する面に沿って配列された枠体と、前記枠体の開口面に位置されるカバーとを含み、前記第2の回路基板を前記第1のシールドケースとともにシールドする第2のシールドケースと、
前記第2の回路基板の面方向に沿って前記同軸コネクタが固定された状態で、前記第2の回路基板の面方向と直交する方向から前記第2の回路基板及び前記第1のシールドケースを収容可能とするように、前記第2のシールドケースの所定の位置に設けられた切り欠き部と、
前記カバーの所定の位置を前記枠体に向けて折り曲げることにより形成されるもので、前記切り欠き部により形成される開口部の一部をカバーする遮蔽部とを具備することを特徴とするケーブルモデムモジュール装置。
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