JP4380350B2 - 制動力配分制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動時において、前輪に付与される制動力に対する後輪に付与される制動力の割合を制御する制動力配分制御装置(前後制動力配分制御装置)及び制動力配分制御方法に関する。
通常の車両において、運転者がブレーキペダルを踏み込むと、前輪及び後輪に制動力が付与される。この場合、前輪に付与される制動力(以下、「前輪制動力」という。)に対する後輪に付与される制動力(以下、「後輪制動力」という。)の割合は車両毎に予め定められている。このように制動を行うと、車両の荷重が車両前方に移動するから、後輪は前輪よりもロックしやすくなる。即ち、後輪先行ロックが発生する。
従来から知られる制動力配分制御装置は、このような後輪先行ロックを防止するための装置である。より具体的に述べると、従来の制動力配分制御装置は、前輪の車輪速度センサにより検出された前輪の角速度が前輪の回転速度(前輪のタイヤの外周の速度、以下、「前輪の車輪速度」という。)に比例するとの考えに基づき、同検出された前輪の角速度から前輪の車輪速度を取得するとともに、後輪の車輪速度センサにより検出された後輪の角速度が後輪の回転速度(後輪のタイヤの外周の速度、以下、「後輪の車輪速度」という。)に比例するとの考えに基づき、同検出された後輪の角速度から後輪の車輪速度を取得する。
そして、この装置は、後輪の車輪速度が前輪の車輪速度より所定量だけ小さくなったと判定したとき、後輪用ブレーキ装置(後輪用ホイールシリンダ)に付与されるブレーキ液圧を、通常の制動に対して緩やかに増加したり、保持又は減少する。これにより、前輪制動力に対する後輪制動力の割合が小さくなるから、後輪の車輪速度の減速割合は次第に前輪の車輪速度の減速割合よりも小さくなり、後輪の車輪速度は前輪の車輪速度に近づく。その後、この装置は、後輪の車輪速度と前輪の車輪速度との差が十分に小さくなったと判定したとき、後輪用ブレーキ装置に付与されるブレーキ液圧を増大する。これにより、前輪制動力に対する後輪制動力の割合が予め定められた関係に復帰する。
即ち、制動力配分制御装置は、車両の制動時において、前輪に対する後輪のスリップの程度に応じ、前輪制動力に対する後輪制動力の割合を小さくするように後輪制動力を制御する装置である。なお、このような制動力配分制御は、EBD制御(Electronic Brake force Distribution)ともいわれる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−278585号公報(第0005欄、図1)
ところで、車輪速度は車輪の角速度が一定であってもタイヤの動荷重半径が異なれば変化する。また、この動荷重半径はタイヤの内部圧力(空気圧)により大きく変動する。
しかし、上記従来の制動力配分制御装置は、各タイヤの内部圧力によらず前輪の車輪速度及び後輪の車輪速度を取得し、それらの関係に基づいて制動力配分制御を実行するか否かを判定していた。このため、タイヤの内部圧力が変動した場合には、取得された前後輪の車輪速度と実際の前後輪の車輪速度との間に大きな誤差が生じてしまうことから、制動力配分制御が本来実行されるべきタイミングより早期に開始されたり、逆に本来制御すべきタイミングにもかかわらず開始されないという問題が生じていた。
本発明の目的の一つは、前輪の車輪速度及び後輪の車輪速度を各々より正確に算出し、同算出された各車輪速度を制動力配分制御の実行タイミングの判定に使用することにより、適切なタイミングにて同制動力配分制御を実行する制動力配分制御装置及び制動力配分制御方法を提供することを目的とする。
発明の制動力配分制御装置は、
制動操作に応じた大きさの制動力を四輪車両の左前輪及び右前輪に付与する前輪制動力付与手段と、
前記制動操作及び制御信号に応じた大きさの制動力を前記車両の左後輪及び右後輪に付与する後輪制動力付与手段と、
前記左前輪及び前記右前輪からなる前記車両の前輪の実質的な車輪速度である前輪の車輪速度を取得する前輪車輪速度取得手段と、
前記左後輪及び前記右後輪からなる前記車両の後輪の実質的な車輪速度である後輪の車輪速度を取得する後輪車輪速度取得手段と、
前記制動操作がなされているとき前記前輪に対する前記後輪のスリップの程度に対応したスリップ値を前記取得された前輪の車輪速度と前記取得された後輪の車輪速度とに基づいて算出するスリップ値算出手段と、
前記算出されたスリップ値に応じて前記左前輪及び前記右前輪に付与される制動力に対する前記左後輪及び前記右後輪に付与される制動力の割合を小さくするように前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、
を備えた車両の制動力配分制御装置であって、
前記前輪車輪速度取得手段は、
前記左前輪の角速度及び前記右前輪の角速度をそれぞれ検出する前輪角速度検出手段と、
前記左前輪のタイヤの内部圧力及び前記右前輪のタイヤの内部圧力をそれぞれ検出する前輪タイヤ圧力検出手段と、
前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力が所与の前輪用圧力条件を満足するか否かをそれぞれ判定する前輪タイヤ圧力条件判定手段と、
前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力の両方が前記前輪用圧力条件を満足するとき同左前輪の角速度及び同右前輪の角速度に基づいて前記前輪の車輪速度を算出し、前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力の何れか一方のみが前記前輪用圧力条件を満足するとき同前輪用圧力条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく同前輪用圧力条件を満足する車輪の角速度に基づいて前記前輪の車輪速度を算出する前輪車輪速度演算手段とからなり、
前記後輪車輪速度取得手段は、
前記左後輪の角速度及び前記右後輪の角速度をそれぞれ検出する後輪角速度検出手段と、
前記左後輪のタイヤの内部圧力及び前記右後輪のタイヤの内部圧力をそれぞれ検出する後輪タイヤ圧力検出手段と、
前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力が所与の後輪用圧力条件を満足するか否かをそれぞれ判定する後輪タイヤ圧力条件判定手段と、
前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力の両方が前記後輪用圧力条件を満足するとき同左後輪の角速度及び同右後輪の角速度に基づいて前記後輪の車輪速度を算出し、前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力の何れか一方のみが前記後輪用圧力条件を満足するとき同後輪用圧力条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく同後輪用圧力条件を満足する車輪の角速度に基づいて前記後輪の車輪速度を算出する後輪車輪速度演算手段とからなる。
この制動力配分制御装置は、複数のタイヤから所与の圧力条件(前輪用圧力条件及び後輪用圧力条件)を満たさないタイヤに対応した車輪に関する、例えば角速度等の情報をスリップ値を算出するための対象から除外し、残りのタイヤが装着されている車輪のみの角速度に基づいて前後輪の車輪速度を算出する。従って、前輪及び後輪の実質的な車輪速度である前輪の車輪速度及び後輪の車輪速度が各々より正確に算出されるので、このように算出された前輪の車輪速度及び後輪の車輪速度からより正確なスリップ値が算出される。この結果、制動力配分制御がより的確なタイミングにて実行される。
以下、本発明の各実施形態に係る制動力配分制御装置について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る制動力配分制御装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態にかかる制動力配分制御装置10を搭載した車両の構成の概略を示している。
車両の前方側右及び左には、第1の車輪11(右前輪)及び第2の車輪12(左前輪)がそれぞれ配設され、車両の後方側左右には、第3の車輪13(左後輪)及び第4の車輪14(右後輪)がそれぞれ配設されている。また、第1の車輪11〜第4の車輪14には、第1のタイヤ15〜第4のタイヤ18がそれぞれ装着されている。第1の車輪11及び第2の車輪12は駆動輪であり、第3の車輪13及び第4の車輪14は従動輪である。
制動力配分制御装置10は、各車輪にブレーキ液圧による制動力を発生させるためのブレーキ液圧制御部20、第1の車輪速センサ31〜第4の車輪速センサ34、直圧式の第1の圧力センサ35〜第4の圧力センサ38、所定時における各タイヤの内部圧力を基準圧力として設定するために操作される操作スイッチ39、前記各圧力センサから出力された信号を受信アンテナ41a、41bを介して受信する受信機40及び電子制御装置50を備えている。
ブレーキ液圧制御部20は、その構成の概略を図2に示すように、ブレーキペダルBPの操作力に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生部21、第1の車輪11〜第4の車輪14の各車輪にそれぞれ配置されたホイールシリンダWfr,Wfl,Wrl,Wrrに供給されるブレーキ液圧をそれぞれ調整可能なFRブレーキ液圧調整部22、FLブレーキ液圧調整部23、RLブレーキ液圧調整部24、RRブレーキ液圧調整部25及び還流ブレーキ液供給部26を備えている。
ブレーキ液圧発生部21は、ブレーキペダルBPの操作に応じて作動するバキュームブースタVBと同バキュームブースタVBに連結されたマスタシリンダMCとから構成されている。バキュームブースタVBは、図示しないエンジンの吸気管内の空気圧力(負圧)を利用してブレーキペダルBPの操作力を所定の割合で助勢し、助勢された操作力をマスタシリンダMCに伝達するようになっている。
マスタシリンダMCは、第1ポート及び第2ポートからなる2系統の出力ポートを有していて、リザーバRSからのブレーキ液の供給を受けて、前記助勢された操作力に応じた第1マスタシリンダ液圧を第1ポートから発生するようになっている。また、マスタシリンダMCは、第1マスタシリンダ液圧と略同一の液圧である第2マスタシリンダ液圧を第2ポートから発生するようになっている。
マスタシリンダMCの第1ポートは、FRブレーキ液圧調整部22の上流部及びRLブレーキ液圧調整部24の上流部の各々と接続されていて、同各部の上流部には第1マスタシリンダ液圧が各々供給されるようになっている。同様に、マスタシリンダMCの第2ポートは、FLブレーキ液圧調整部23の上流部及びRRブレーキ液圧調整部25の上流部の各々と接続されていて、同各部の上流部には第2マスタシリンダ液圧が各々供給されるようになっている。
FRブレーキ液圧調整部22は、2ポート2位置切換型の常開電磁開閉弁である増圧弁PUfrと2ポート2位置切換型の常閉電磁開閉弁である減圧弁PDfrとから構成されてる。
増圧弁PUfrは、図2に示す第1の位置(非励磁状態における位置)にあるとき、FRブレーキ液圧調整部22の上流部とホイールシリンダWfrとを連通するとともに、第2の位置(励磁状態における位置)にあるとき、同FRブレーキ液圧調整部22の上流部とホイールシリンダWfrとの連通を遮断するようになっている。
減圧弁PDfrは、図2に示す第1の位置(非励磁状態における位置)にあるとき、ホイールシリンダWfrとリザーバRS1との連通を遮断するとともに、第2の位置(励磁状態における位置)にあるとき、ホイールシリンダWfrとリザーバRS1とを連通するようになっている。
これにより、増圧弁PUfr及び減圧弁PDfrが共に第1の位置にあるとき、FRブレーキ液圧調整部22の上流部のブレーキ液がホイールシリンダWfr内に供給されることによりホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧は増圧されるようになっている。また、増圧弁PUfrが第2の位置にあり、且つ減圧弁PDfrが第1の位置にあるとき、FRブレーキ液圧調整部22の上流部の液圧にかかわらずホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧は保持されるようになっている。更に、増圧弁PUfr及び減圧弁PDfrが共に第2の位置にあるとき、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液がリザーバRS1に還流されることによりホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧は減圧されるようになっている。
また、増圧弁PUfrにはチェック弁CV1が配設されていて、同チェック弁CV1は、ブレーキ液がホイールシリンダWfr側からFRブレーキ液圧調整部22への一方向のみに流れることを許容するようになっている。従って、ブレーキペダルBPに掛かる踏力が減少した場合、チェック弁CV1の作動によりホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧は迅速に減圧されるようになっている。
同様に、FLブレーキ液圧調整部23、RLブレーキ液圧調整部24及びRRブレーキ液圧調整部25の上流部は、それぞれ、増圧弁PUfl及び減圧弁PDfl、増圧弁PUrl及び減圧弁PDrl、増圧弁PUrr及び減圧弁PDrrから構成されており、これらの各増圧弁及び各減圧弁の位置が上記のように制御されることにより、ホイールシリンダWfl、ホイールシリンダWrl及びホイールシリンダWrrのブレーキ液圧はそれぞれ増圧、保持又は減圧されるようになっている。また、増圧弁PUfl、PUrl、PUrrの各々にも上記チェック弁CV1と同様の機能をもつチェック弁CV2、CV3、CV4が各々増圧弁に並列に配設されている。
還流ブレーキ液供給部26は、直流モータMTと同モータMTによって同時に駆動される2つの液圧ポンプHP1、HP2とを備えている。液圧ポンプHP1は減圧弁PDfr、PDrlから各々還流されてきたリザーバRS1内のブレーキ液を汲み上げ、同汲み上げたブレーキ液をチェック弁CV5、CV6を介してFRブレーキ液圧調整部22の上流部及びRLブレーキ液圧調整部24の上流部に各々供給するようになっている。
同様に、液圧ポンプHP2は減圧弁PDfl、PDrrから各々還流されてきたリザーバRS2内のブレーキ液を汲み上げ、同汲み上げたブレーキ液をチェック弁CV7、CV8を介してFLブレーキ液圧調整部23の上流部及びRRブレーキ液圧調整部25の上流部に各々供給するようになっている。
以上に説明した構成により、ブレーキ液圧制御部20は、すべての電磁弁が第1の位置にあるとき、ブレーキペダルBPの操作力(運転者による制動操作、制動操作量)に応じたブレーキ液圧を各ホイールシリンダに供給するようになっている。
また、ブレーキ液圧制御部20は、各車輪のホイールシリンダ内のブレーキ液圧を各々独立して制御できるようになっている。例えば、ブレーキ液圧制御部20は、増圧弁PUfr及び減圧弁PDfrをそれぞれ制御することにより、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧のみを所定量だけ減圧、保持又は増圧できるようになっている。
次に、図1に示す第1の車輪速センサ31〜第4の車輪速センサ34について説明すると、各車輪速センサは、第1の車輪11〜第4の車輪14の回転軸に各々取り付けられた図示しないセンサロータの回転によって得られる磁界の変化に対応したコイルの電圧の変化を検出し、その電圧の変化を第1の車輪11〜第4の車輪14の角速度ω1〜ω4に応じた速度信号として各々出力するようになっている。
第1の圧力センサ35〜第4の圧力センサ38は、第1の車輪11〜第4の車輪14のハブにそれぞれ固定されたホイールのリムのタイヤバルブ穴に各々取り付けられている。第1の圧力センサ35〜第4の圧力センサ38は、各タイヤの内部圧力P(n)を検出する圧力検出器、各タイヤの内部温度T(n)を検出する温度検出器及び送信機を各々備えている。第1の圧力センサ35〜第4の圧力センサ38のそれぞれに備えられた送信機は、内部圧力P(n)を圧力信号として各々送信し、内部温度T(n)を温度信号として各々送信するようになっている。ここで、変数nは後述する処理の対象となる車輪及びタイヤの番号を示していて、例えば、第1のタイヤ15の内部圧力はP(1)で表される。
第1の圧力センサ35及び第2の圧力センサ36は、第1のタイヤ15及び第2のタイヤ16の内部圧力P(1)及びP(2)を各々検出する前輪タイヤ圧力検出手段に相当するとともに、同タイヤの内部温度T(1)及びT(2)を各々検出する前輪タイヤ温度検出手段に相当する。また、第3の圧力センサ37及び第4の圧力センサ38は、第3のタイヤ17及び第4のタイヤ18の内部圧力P(3)及びP(4)を各々検出する後輪タイヤ圧力検出手段に相当するとともに、同タイヤの内部温度T(3)及びT(4)を各々検出する後輪タイヤ温度検出手段に相当する。
再び図1を参照すると、操作スイッチ39は、車室内に配設されていて、整備工場のサービスマンや乗員等がタイヤを交換した場合、基準圧力に調整した後のタイヤ圧力を各タイヤの基準圧力として入力することを指示するために操作されるとn番目のタイヤの基準となる内部圧力PS(n)を設定するための操作信号を出力するようになっている。
受信機40は、車両前方の左右方向略中央部に設けられた受信アンテナ41aを介して第1の圧力センサ35及び第2の圧力センサ36から各々送信された圧力信号及び温度信号を受信するようになっている。また、受信機40は、車両後方の左右方向略中央部に設けられた受信アンテナ41bを介して第3の圧力センサ37及び第4の圧力センサ38から各々送信された圧力信号及び温度信号を受信するようになっている。
電子制御装置50は、互いにバスで接続されたCPU51、ROM52、RAM53、Back up RAM54及び入出力回路(インターフェース55)を主たる構成としたマイクロコンピュータを備えている。
電子制御装置50は、前記各車輪速センサ31〜34、操作スイッチ39、受信機40及びブレーキペダルBPと接続されていて、各車輪速センサから出力された速度信号、操作スイッチ39から出力された操作信号及び受信機40から出力された圧力信号、温度信号及びブレーキペダルBPの踏力を示す信号を入力するようになっている。また、電子制御装置50は、ブレーキ液圧制御部20と接続されていて、CPU51の指示に応じてブレーキ液圧制御部20に電磁弁PUfr,PDfr,PUfl,PDfl,PUrr,PDrr,PUrl,PDrl及びモータMTを駆動するための制御信号を送出するようになっている。
次に、上記のように構成された制動力配分制御装置10の作動について、場合分けを行いながら説明する。電子制御装置50のCPU51は、車両の停止中、図3のフローチャートにより示された基準圧力入力処理ルーチン(プログラム)を所定時間の経過ごとに繰り返し実行するようになっている。また、CPU51は、車両の走行中、図4のフローチャートにより示されたEBD制御のためのメインルーチン(プログラム)を所定時間の経過ごとに繰り返し実行するようになっている。
(1)車両が停止している場合
CPU51は、所定のタイミングになったときに図3のステップ300から処理を開始してステップ305に進み、変数nに「1」の値を設定する。次に、CPU51はステップ310に進んで、操作スイッチ39から出力された操作信号に基づき第1のタイヤ15の基準圧力を入力する指示があったか否かを判定する。整備工場のサービスマンや乗員等により入力の指示があった場合、CPU51は、ステップ310にて[Yes」と判定してステップ315に進み、第1の圧力センサ35によって検出された第1のタイヤ15の内部圧力を基準圧力PS(1)として取り込んでステップ320に進む。一方、CPU51がステップ310に進んだ時点で上記入力の指示がなかった場合、同CPU51は、ステップ310にて[No」と判定して直ちにステップ320に進む。この場合、基準圧力PS(1)には、初期値として予め定められた値又は以前に整備工場のサービスマンや乗員等により入力を指示されたときに取り込まれた第1のタイヤ15の内部圧力の値が設定されている。
次いで、CPU51は、ステップ320に進み、変数nが「4」の値に等しいか否かを判定する。この時点で変数nの値は「1」であるので、CPU51は、ステップ320にて「No」と判定してステップ325に進み、変数nに「1」を加えてステップ310の処理に戻る。その後、CPU51がステップ320にて「Yes」と判定するまで同CPU51はステップ310〜325の処理を繰り返す。変数nが「4」の値になると、同CPU51は、ステップ320にて「Yes」と判定し、ステップ395に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する。このようにして、基準圧力PS(1)〜PS(4)が設定される。
(2)車両が走行していて、第1の車輪速センサ31〜第4の車輪速センサ34がすべて正常であり、且つ、第1のタイヤ15〜第4のタイヤ18の内部温度T(1)〜T(4)がすべて正常温度(上限温度以下)である場合
(2−1)車両が通常の走行を行っていてブレーキペダルBPが踏まれていないとき、或いは、前輪の車輪速度と後輪の車輪速度の差が殆ど生じない程度にブレーキペダルBPが緩やかに踏まれているとき
CPU51は、所定のタイミングになったときに図4のステップ400から処理を開始してステップ405に進み、変数nに「1」の値を設定する。
次に、CPU51は、ステップ410にて第1の車輪速センサ31から出力された速度信号に基づき第1の車輪11の角速度ω1を入力する。実際には、電子制御装置50は、波形整形回路を内蔵していて、第1の車輪速センサ31から出力された速度信号に基づき第1の車輪速センサ31から出力された速度信号をパルス信号に変換する。そして、CPU51は、図示しない所定時間の経過毎に実行される角速度演算ルーチンにより、その所定時間内のパルス数(パルス信号の立下りエッヂ数、又はパルス信号の立ち上がりエッヂ数)に基づいて角速度ω1を演算する。CPU51は、ステップ410にて演算されている現時点での角速度ω1を取り込む。他の角速度ω2〜ω4についても、角速度ω1と同様に求められる。従って、第1の車輪速センサ31〜第4の車輪速センサ34及び角速度演算ルーチンによって角速度検出手段は構成されている。
次に、CPU51はステップ415に進んで角速度ω1と動荷重半径RSstdとを掛け合わせることにより第1の車輪11の車輪速SPD(1)を求める。ここで、RSstdは車両の設計段階において予め定められた基準となるタイヤの動荷重半径である。この基準動荷重半径RSstdは、想定される種類のタイヤに要求されるタイヤの内部圧力の基準値PSstdに対応する動荷重半径であると考えることもできる。
次いで、CPU51は、ステップ420に進み、変数nが「4」の値に等しいか否かを判定する。この時点で変数nの値は「1」であるので、CPU51は、ステップ420にて「No」と判定してステップ425に進み、変数nに「1」を加えてステップ410の処理に戻る。その後、CPU51がステップ420にて「Yes」と判定するまで同CPU51はステップ410〜425の処理を繰り返す。変数nが「4」の値になると、同CPU51は、ステップ420にて「Yes」と判定し、ステップ430に進む。以上により、車輪速SPD(1)〜SPD(4)が得られる。
次に、CPU51は、ステップ430にて受信機40から第1のタイヤ15〜第4のタイヤ18の内部圧力P(1)〜P(4)を示す圧力信号及び同タイヤの内部温度T(1)〜T(4)を示す温度信号を入力する。
次に、CPU51は、ステップ435に進んで、車輪速SPD(n)を補正するためのフローチャート(図5)により示したサブルーチンを呼び出す。
CPU51は、呼び出したサブルーチンのステップ500から処理を開始し、ステップ505に進んで変数nに「1」の値を設定した後、ステップ510に進んで第1の車輪速センサ31が正常な状態であるか否かを判定する。前述の仮定(2)に従えば、第1の車輪速センサ31は正常であるので、CPU51は、ステップ510にて「Yes」と判定してステップ515に進み、第1のタイヤ15の内部温度T(1)が所与の上限温度以下であるか否かを温度信号に基づいて判定する。
前述の仮定(2)に従えば、第1のタイヤ15の内部温度T(1)は正常であるので、CPU51は、ステップ515にて「Yes」と判定してステップ520に進み、圧力信号に基づいて第1のタイヤ15の基準圧力PS(1)からの第1のタイヤ15の内部圧力P(1)の偏差ΔTP(1)を求める。次いで、CPU51はステップ525に進み、図6のタイヤの内部圧力の偏差ΔTP(n)と動荷重半径変化率DP(n)との相関図(Map1)に示す関数fに偏差ΔTP(1)を代入することにより偏差ΔTP(1)に対応する動荷重半径変化率DP(1)(=R(1)/RS(1))を求める。この動荷重半径変化率DP(1)は、前記偏差ΔTP(1)に基づいて算出されるタイヤの動荷重半径の変化分に応じた値の一例である。
ここで、動荷重半径変化率DP(1)について説明を加える。図7のタイヤの空気圧と動荷重半径との相関図(Map2)には、上記ステップ520にて求められる偏差ΔTP(n)に対応するタイヤの動荷重半径RS(n)からのR(n)の変化量ΔR(n)が示されている。タイヤの動荷重半径とは、規定の荷重を掛け、一定速度で車両を走行させたときのタイヤの一回転当たりの走行距離を2πで除した値をいう。この相関図(Map2)は、実験により求められたものである。相関図(Map2)の縦軸の値は絶対値ではなく相対値である。換言すると、相関図(Map2)は、タイヤの動荷重半径R(n)とタイヤの内部圧力P(n)がタイヤの種類等にかかわらず一定の比例関係にあることを示している。この相関図(Map2)に示した関係に基づけばΔTP(n)と動荷重半径変化率DP(n)との関係が求められる。この関係が図6の相関図(Map1)に示した関数fにより表されている。
次に、CPU51はステップ530に進み、このようにして求めた動荷重半径変化率DP(1)と車輪速SPD(1)とを掛け合わせて(車輪速SPD(1)を動荷重半径変化率DP(1)にて補正して)、スリップ値を演算するためのスリップ値演算用車輪速度SPDH(1)を算出する。これにより、スリップ値演算用車輪速度SPDH(1)は第1の車輪11の真の車輪速度(第1のタイヤ15の外周の速度)に極めて近い値となる。
次に、CPU51はステップ535に進んで変数nが「4」の値に等しいか否かを判定する。この時点で変数nは「1」の値であるので、同CPU51は、ステップ535にて「No」と判定してステップ540に進み、変数nに「1」を加えてステップ510の処理に戻る。
前述の仮定(2)に従えば、第2の車輪速センサ32〜第4の車輪速センサ34及び第2のタイヤ16〜第4のタイヤ18の内部温度T(2)〜T(4)はいずれも正常であるので、CPU51がステップ535にて「Yes」と判定するまで、同CPU51はステップ510〜540の処理を繰り返す。そして、変数nが「4」の値となったときに、CPU51は、ステップ535にて「Yes」と判定してステップ595に進み、次にメインルーチンから呼び出されるまで本サブルーチンの処理を一旦終了する。以上により、スリップ値演算用車輪速度SPDH(1)〜SPDH(4)が求められる。
次に、CPU51は、戻り先であるメインルーチンのステップ440に進んで、スリップ値ESPD設定サブルーチンを呼び出す。図8は、CPU51がスリップ値ESPDを設定するために実行するサブルーチン(プログラム)を示したフローチャートである。
CPU51は、サブルーチンのステップ800から処理を開始して、ステップ805に進み、判定フラグF(1)及び判定フラグF(2)がいずれも「0」の値に設定されているか否かを判定する。
ここで、判定フラグF(1)〜F(4)は、第1の車輪11〜第4の車輪14の各車輪速SPD(1)〜SPD(4)がスリップ値ESPDを算出するために使用されるか否かを各々判定するためのフラグである。判定フラグF(n)(nは1〜4の整数)は、その値が「0」のとき車輪nの車輪速SPD(n)がスリップ値ESPDの演算に使用されることを示し、その値が「1」のとき車輪nの車輪速SPD(n)がスリップ値ESPDの演算に使用されないことを示す。
また、判定フラグF(n)はイニシャルルーチンにおいていずれも「0」の値に設定され、後述するように、車輪nの車輪速センサが異常であるとき、又は、タイヤnの内部温度T(n)が上限温度以上のときに「1」の値に設定される。
前述の仮定(2)に従えば、第2の車輪速センサ32〜第4の車輪速センサ34及び第2のタイヤ16〜第4のタイヤ18の内部温度T(2)〜T(4)はいずれも正常であるので、判定フラグF(1)〜F(4)はすべて「0」の値に設定されている。従って、CPU51は、ステップ805にて「Yes」と判定してステップ810に進み、第1の車輪11のスリップ値演算用車輪速度SPDH(1)及び第2の車輪12のスリップ値演算用車輪速度SPDH(2)の平均値を前輪車速(前輪の車輪速度)ESPDfとして算出する。
次いで、CPU51は、ステップ815に進んで判定フラグF(3)及び判定フラグF(4)がいずれも「0」の値に設定されているか否かを判定する。前述した通り、判定フラグF(3)及び判定フラグF(4)はいずれも「0」の値に設定されている。従って、CPU51は、ステップ815にて「Yes」と判定してステップ820に進み、第3の車輪13のスリップ値演算用車輪速度SPDH(3)及び第4の車輪14のスリップ値演算用車輪速度SPDH(4)の平均値を後輪車速(後輪の車輪速度)ESPDrとして算出し、ステップ825に進んで前輪車速ESPDfから後輪車速ESPDrを減算することによりスリップ値ESPDを算出する。
次に、CPU51は、ステップ830に進んで車両の推定車体速度Vsoを求める。より具体的には、推定車体速度Vsoは、判定フラグF(n)が「0」の値をもつスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)の最大値(即ち、スリップ値ESPDを算出するために使用されるスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)の最大値)と、前回算出された推定車体速度Vsoから車体速度の最大減少勾配αにCPU51の演算周期ΔTを掛けた値を減算した値と、の内のより大きい値に設定される。このようにして推定車体速度Vsoを算出後、CPU51は、ステップ895に進んで次にメインルーチンから呼び出されるまで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
次に、CPU51は、戻り先であるメインルーチンのステップ445に進んで、図9にフローチャートにより示したEBD制御実行サブルーチンを呼び出す。
CPU51は、サブルーチンのステップ900から処理を開始してステップ905に進み、判定フラグGが「0」の値に設定されているか否かを判定する。
ここで、判定フラグGは、スリップ値ESPDが算出されているか否かを判定するためのフラグであり、その値が「0」のときスリップ値ESPDが算出されていることを示し、その値が「1」のときスリップ値ESPDが算出されていないことを示す。
また、判定フラグGは、イニシャルルーチンにおいていずれも「0」の値に設定され、後述するように、以下のいずれかの場合に「1」に設定される。
第1の車輪11の車輪速センサ31が異常であるか又は第1のタイヤ15の内部温度T(1)が上限温度よりも大きく、且つ、第2の車輪12の車輪速センサ32が異常であるか又は第2のタイヤ16の内部温度T(2)が上限温度よりも大きい場合
第3の車輪13の車輪速センサ33が異常であるか又は第3のタイヤ17の内部温度T(3)が上限温度よりも大きく、且つ、第4の車輪14の車輪速センサ34が異常であるか又は第4のタイヤ18の内部温度T(4)が上限温度よりも大きい場合
前述の仮定(2)に従えば、第1の車輪速センサ31〜第4の車輪速センサ34及び第1のタイヤ15〜第4のタイヤ18の内部温度T(1)〜T(4)はいずれも正常であるので、判定フラグGは「0」の値に設定されている。従って、CPU51は、ステップ905にて「Yes」と判定してステップ910に進み、判定フラグHが「1」の値に設定されているか否かを判定する。
ここで、判定フラグHは、EBD制御が実行中であるか否かを判定するためのフラグであり、その値が「0」のときEBD制御が実行されていないことを示し、その値が「1」のときEBD制御が実行されていることを示す。
また、判定フラグHは、上述したイニシャルルーチンにおいて予め「0」の値に設定され、EBD制御が実行されていない場合には後述されるステップ920にて「0」、EBD制御が実行されている場合には後述されるステップ925にて「1」の値に設定される。
現時点では、EBD制御は実行されていないので判定フラグHの値は「0」である。そこで、CPU51は、ステップ910にて「No」と判定してステップ915に進み、算出されたスリップ値ESPDがEBD制御を開始する条件である開始スリップ値Est以上であるか否かを判定する。
開始スリップ値Estは算出された推定車体速度Vsoを用いて予め求められている。より具体的に言えば、開始スリップ値Estは推定車体速度VsoのA%(A%は予め定められた値で、例えば2%等に設定される。)に固定値S(Sは予め定められた値で、例えば1km/h等に設定される。)を加算した値である。前述の仮定(2−1)に従えば、スリップ値ESPDは微小であり、開始スリップ値Estより小さい。そこで、CPU51は、ステップ915にて「No」と判定してステップ920に進み、判定フラグHに「0」の値を設定してステップ995に進んで次にメインルーチンから呼び出されるまで本サブルーチンの処理を一旦終了する。そして、CPU51は、戻り先であるメインルーチンのステップ495に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する。
以降、CPU51は、スリップ値ESPDが開始スリップ値Est以上とならない限り上述の作動を繰り返す。この結果、各車輪のホイールシリンダ内に掛けられるブレーキ液圧はブレーキペダルBPの踏込量(制動操作)に基づく値に制御される。従って、前輪の制動力に対する後輪の制動力の割合は、予め定められた関係(この例では、同一の関係)をもって推移する。
(2−2)ブレーキペダルBPが比較的強く踏み込まれ、前輪の車輪速度と後輪の車輪速度の差が大きくなるとき(スリップ値ESPDが開始スリップ値Est以上となるとき)
ブレーキペダルBPが比較的強く踏み込まれると、図10(a)の時刻t0以前に示したように、スリップ値ESPDは、次第に上昇し、時刻t0にて開始スリップ値Est以上となる。この時点において、CPU51が図4のステップ445に進んだとき、図9のステップ900〜910に続くステップ915にて「Yes」と判定してステップ925に進み、判定フラグHに「1」の値を設定する。
次いで、CPU51はステップ930に進んでスリップ値ESPDが減圧スリップ値Egen以上であるか否かを判定する。ここで、減圧スリップ値Egenは推定車体速度VsoのB%(例えば3%)に前述した固定値Sを加算した値として予め求められている。また、減圧スリップ値Egenの値は開始スリップ値Estの値より大きい。
現時点ではスリップ値ESPDは開始スリップ値Estを超えて間もないので減圧スリップ値Egen以下である。そこで、CPU51は、ステップ930にて「No」と判定してステップ935に進み、スリップ値ESPDが増圧スリップ値Ezoより大きいか否かを判定する。
増圧スリップ値Ezoは推定車体速度VsoのC%(例えば1%等)に固定値Sを加算した値(Est>Ezo)として予め求められている。また、増圧スリップ値Ezoの値は開始スリップ値Estの値より小さい。
現時点では、スリップ値ESPDは開始スリップ値Estを超えているので増圧スリップ値Ezoより大きい。そこで、CPU51は、ステップ935にて「Yes」と判定してステップ940に進み、第3の車輪13及び第4の車輪14(左右後輪)のホイールシリンダ内に付与されるブレーキ液圧を保持するようにブレーキ液を制御し、ステップ995に進んで次にメインルーチンから呼び出されるまで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
従って、図10(b)に示すように、時刻t0からEBD制御が開始され、左右前輪の制動力が増加されるか否かにかかわらず、左右後輪の制動力が時刻t0のときの制動力に保持される。
この場合、ブレーキペダルBPが強く踏み込まれているので、スリップ値ESPDは更に上昇し、時刻t1にて減圧スリップ値Egen以上となる。この時、CPU51が、EBD制御実行サブルーチンのステップ900,905に続くステップ910に進むと、同ステップ910にて「Yes」と判定してステップ930に進み、同ステップ930にて「Yes」と判定する。そこで、CPU51は、ステップ945に進んで左右後輪のホイールシリンダに付与されるブレーキ液圧を減圧するように制御し、更にステップ995に進んで次にメインルーチンから呼び出されるまで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
この結果、図10(b)に示すように、時刻t1以降、左右後輪のホイールシリンダ内部のブレーキ液はそのブレーキ液圧が減圧されるように制御される。これにより左右後輪に付与される制動力が更に小さくなる。従って、左右前輪の制動力に対する左右後輪の制動力の割合が小さくなるので、スリップ値ESPDは徐々に減少し、時刻t2にてスリップ値ESPDは減圧スリップ値Egenより小さくなる。
この時点で、CPU51がステップ930に進むと同CPU51は、同ステップ930にて「No」と判定するとともに、ステップ935にて「Yes」と判定して、再びステップ940に進む。この結果、左右後輪のホイールシリンダ内のブレーキ液圧は時刻t2におけるブレーキ液圧に保持される。時刻t2におけるブレーキ液圧は十分に小さくなっているので、スリップ値ESPDは減少を続け、時刻t3にて増圧スリップ値Ezoより小さくなる。
このため、時刻t3になると、CPU51はステップ930及びステップ935にて「No」と判定し、スリップ値ESPDが終了スリップ値Eend以上であるか否かを判定するステップ950に進む。そして、CPU51は、ステップ950にて「Yes」と判定して、ステップ955に進んで、左右後輪のホイールシリンダ内に付与されるブレーキ液圧が増圧されるようにブレーキ液を制御し、ステップ995に進んで次にメインルーチンから呼び出されるまで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
この結果、図10(b)に示すように、時刻t3以降、左右後輪のホイールシリンダ内部のブレーキ液はそのブレーキ液圧が増圧されるように制御される。これにより左右前輪に付与される制動力に対する左右後輪に付与される制動力の割合が予め定められた関係に近づく。その後、スリップ値ESPDが時刻t4にて終了スリップ値Eendより小さくなる。
このため、時刻t4になると、CPU51はステップ930、935及びステップ950のいずれのステップにおいても「No」と判定してステップ920に進み、判定フラグHに「0」の値を設定した後、ステップ995に進んで次にメインルーチンから呼び出されるまで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
従って、図10(a)及び図10(b)に示すように時刻t4以降、EBD制御は終了する。
以上に説明したように、本実施形態の制動力配分制御装置10は、タイヤの内部圧力(即ち、タイヤの動荷重半径)を考慮して算出された前輪車速及び後輪車速に基づいて前輪に対する後輪のスリップの程度を示したスリップ値ESPDを正確に求め、そのスリップ値ESPDと開始スリップ値Estとを比較する。その結果、EBD制御がより的確なタイミングにて実行されるから、前輪に対する後輪の先行ロックがより確実に回避され得る。
なお、制動操作中にスリップ値ESPDが開始スリップ値Est以上となり、その後、減圧スリップ値Egenを超えることなく徐々に減少した場合、CPU51は、ステップ945に進むことなく、ステップ940及びステップ955にて左右後輪のホイールシリンダ内に付与されるブレーキ液圧を保持及び増圧するようにブレーキ液を制御する。
(3)車両走行中にn番目のタイヤ(タイヤn)の内部温度T(n)が所与の上限温度より大きくなった場合
(3−1)第1のタイヤ15の内部温度T(1)のみが異常のとき
CPU51は、所定のタイミングにステップ435にて図5に示すサブルーチンを呼び出し、ステップ500〜510に続くステップ515に進む。前提により第1のタイヤ15の内部温度T(1)は所与の上限温度より大きいことから、CPU51は、同ステップ515にて「No」と判定してステップ545に進み、判定フラグF(1)に「1」の値を設定する。次いで、CPU51は、ステップ535,540からステップ510に戻る。第2のタイヤ16〜第4のタイヤ18の内部温度T(2)〜T(4)はいずれも正常であるので、CPU51がステップ535にて「Yes」と判定するまでステップ510〜540の処理を繰り返した後、同CPU51は本サブルーチンの処理を一旦終了する。
CPU51は戻り先であるステップ440にて図8に示すサブルーチンを呼び出し、ステップ800から処理を開始してステップ805に進むと判定フラグF(1)は「1」に設定されている。そこで、CPU51は、同ステップ805にて「No」と判定してステップ835に進み、判定フラグF(1)又は判定フラグF(2)が「0」の値に設定されているか否かを判定する。前述の仮定(3−1)に従えば、第2の車輪速センサ32及び第2のタイヤ16の内部温度T(2)はいずれも正常であるので、この時点で判定フラグF(2)は「0」の値に設定されている。そこで、同CPU51は、ステップ835にて「Yes」と判定してステップ840に進み、判定フラグF(1)が「0」の値に設定されているか否かを判定する。
上述したように判定フラグF(1)は「1」の値に設定されているので、CPU51は、ステップ840にて「No」と判定してステップ845に進み、前輪車速ESPDfに第2の車輪12のスリップ値演算用車輪速度SPDH(2)を設定する。
次に、CPU51は、ステップ815に続く820にてスリップ値演算用車輪速度SPDH(3)及び(4)の平均値を後輪車速ESPDrに設定し、ステップ825に進んでスリップ値ESPDを算出した後、ステップ830に続くステップ895に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
従って、スリップ値ESPDは、タイヤの内部温度が異常な第1の車輪11のスリップ値演算用車輪速度SPDH(1)を除外し、残りの車輪のスリップ値演算用車輪速度SPDH(2)〜(4)に基づいて、より正確に算出される。この結果、スリップ値ESPDに応じてEBD制御がより的確なタイミングにて実行される。
(3−2)第2のタイヤ16の内部温度T(2)のみが異常のとき
第1のタイヤ15の内部温度T(1)のみが異常のとき(3−1のとき)との相違点のみを説明すると、CPU51は、nに「2」の値が設定されているとき、ステップ515にて「No」と判定してステップ545に進む。そして、CPU51は、ステップ545にて判定フラグF(2)に「1」の値を設定し、ステップ840にて「Yes」と判定してステップ850に進み、前輪車速ESPDfにスリップ値演算用車輪速度SPDH(1)を設定する。
従って、スリップ値ESPDは、タイヤの内部温度が異常な第2の車輪12のスリップ値演算用車輪速度SPDH(2)を除外し、残りの車輪のスリップ値演算用車輪速度SPDHに基づいて、より正確に算出される。この結果、スリップ値ESPDに応じてEBD制御がより的確なタイミングにて実行される。
(3−3)第1のタイヤ15の内部温度T(1)及び第2のタイヤ16の内部温度T(2)がいずれも異常のとき
CPU51は、nに「1」及び「2」の値が設定されているとき、ステップ515にて「No」と判定してステップ545に進み、判定フラグF(1)及び判定フラグF(2)に「1」の値を設定する。その後、CPU51は、ステップ800,805に続くステップ835にて「No」と判定してステップ855に進み、判定フラグGに「1」の値を設定し、ステップ830,895に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。従って、内部温度T(1)及びT(2)が異常である場合、スリップ値ESPDは算出されない。
この時点で、CPU51が図9のサブルーチンを呼び出し、ステップ900から処理を開始してステップ905に進むと、判定フラグGは「1」の値に設定されている。そこで、CPU51は、同ステップ905にて「No」と判定し、ステップ920に進んで判定フラグHに「0」の値を設定した後、ステップ995に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。この結果、EBD制御は行われない。
(3−4)第3のタイヤ17の内部温度T(3)のみが異常のとき
CPU51は、nに「3」の値が設定されているときにステップ545にて判定フラグF(3)に「1」の値を設定する。そして、CPU51は、ステップ800〜810に続くステップ815にて「No」と判定してステップ860に進み、判定フラグF(3)又は判定フラグF(4)が「0」の値に設定されているか否かを判定する。この時点で判定フラグF(4)は「0」に設定されているので、CPU51は、ステップ860にて「Yes」と判定してステップ865に進み、ステップ865にて判定フラグF(3)が「0」の値に設定されているか否かを判定する。この時点で判定フラグF(3)は「1」に設定されているので、CPU51は、ステップ865にて「No」と判定してステップ870に進み、後輪車速ESPDrにスリップ値演算用車輪速度SPDH(4)を設定する。そして、CPU51は、ステップ825に進んでスリップ値ESPDを算出した後、ステップ830に続くステップ895に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
従って、スリップ値ESPDは、タイヤの内部温度が異常な第3の車輪13のスリップ値演算用車輪速度SPDH(3)を除外し、残りの車輪のスリップ値演算用車輪速度SPDHに基づいて、より正確に算出される。
(3−5)第4のタイヤ18の内部温度T(4)のみが異常のとき
第3のタイヤ17の内部温度T(3)のみが異常のとき(3−4のとき)との相違点のみを説明すると、CPU51は、nに「4」の値が設定されているとき、ステップ545にて判定フラグF(4)に「1」の値を設定し、ステップ865にて「Yes」と判定してステップ875に進み、後輪車速ESPDrにスリップ値演算用車輪速度SPDH(3)を設定する。
従って、スリップ値ESPDは、タイヤの内部温度が異常な第4の車輪14のスリップ値演算用車輪速度SPDH(4)を除外し、残りの車輪のスリップ値演算用車輪速度SPDHに基づいて、より正確に算出される。
(3−6)第3のタイヤ17の内部温度T(3)及び第4のタイヤ18の内部温度T(4)がそれぞれ異常のとき
CPU51は、ステップ545にて判定フラグF(3)及び判定フラグF(4)に「1」の値を設定し、ステップ800〜810に続くステップ815にて「No」と判定し、更にステップ860にて「No」と判定してステップ855に進み、判定フラグGに「1」の値を設定する。そして、CPU51は、ステップ830を経てステップ895に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
その後、CPU51がステップ900に続くステップ905に進むと、同CPU51はステップ905にて「No」と判定し、ステップ920に進んで判定フラグHに「0」を設定し、ステップ995に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。この結果、EBD制御は行われない。
このように、CPU51は、第1のタイヤ15及び第2のタイヤ16の少なくともいずれかの内部温度が正常範囲内であって、且つ、第3のタイヤ17又は第4のタイヤ18の少なくともいずれかの内部温度が正常範囲内のとき、異常な内部温度を持つタイヤの車輪をスリップ値算出のための対象から除いて、正常な内部温度を持つタイヤのスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)からスリップ値ESPDを算出し、同算出されたスリップ値ESPDに応じて上述したように図9、図10に示すEBD制御を実行する。また、左右前輪の両方のタイヤの内部温度が異常のとき又は左右後輪の両方のタイヤの内部温度が異常のときには、信頼度の高いスリップ値ESPDは算出できないから、EBD制御は行われない。
(4)車両走行中にn番目の車輪の車輪速センサの状態が異常となった場合
まず、第1の車輪速センサ31のみが異常のときについて説明すると、CPU51は、ステップ500〜505に続くステップ510にて「No」と判定して、ステップ545に進んで、判定フラグF(1)に「1」の値を設定する。その後の処理は第1のタイヤ15の内部温度が異常である場合と同様であるので説明を省略する。
なお、他の車輪速センサnの状態が異常となった場合の処理も、他のタイヤの内部温度T(n)が異常となった場合の処理と同様であるので説明を省略する。
以上、制動操作(ブレーキペダルBPの踏込量、踏力)に応じた大きさの制動力(ブレーキ液圧)を車両の前輪に付与する前輪制動力付与手段(ブレーキ液圧制御部20)と、
前記制動操作及び制御信号に応じた大きさの制動力を前記車両の後輪に付与する後輪制動力付与手段(ブレーキ液圧制御部20)と、
前記前輪のタイヤの外周の速度である前輪の車輪速度ESPDfを取得する前輪車輪速度取得手段と、
前記後輪のタイヤの外周の速度である後輪の車輪速度ESPDrを取得する後輪車輪速度取得手段と、
前記制動操作がなされているとき前記前輪に対する前記後輪のスリップの程度に対応したスリップ値ESPDを前記取得された前輪の車輪速度と前記取得された後輪の車輪速度とに基づいて算出するスリップ値算出手段(ステップ825)と、
前記算出されたスリップ値に応じて前記前輪に付与される制動力に対する前記後輪に付与される制動力の割合を小さくするように前記制御信号を生成する制御信号生成手段(ステップ915,925〜945)と、
を備えた車両の制動力配分制御装置10であって、
前記前輪車輪速度取得手段は、
前記前輪の角速度(ω1,ω2)を検出する前輪角速度検出手段(第1の車輪速センサ31、第2の車輪速センサ32及び角速度演算ルーチン)と、
前記前輪のタイヤの内部圧力(P(1),P(2))を検出する前輪タイヤ圧力検出手段(第1の圧力センサ35,第2の圧力センサ36)と、
前記検出された前輪の角速度と前記検出された前輪のタイヤの内部圧力とに基づいて前記前輪の車輪速度を演算する前輪車輪速度演算手段(ステップ415,520〜530,805,810,835〜850)とから構成され、
前記後輪車輪速度取得手段は、
前記後輪の角速度(ω3,ω4)を検出する後輪角速度検出手段(第3の車輪速センサ33、第4の車輪速センサ34及び角速度演算ルーチン)と、
前記後輪のタイヤの内部圧力(P(3),P(4))を検出する後輪タイヤ圧力検出手段(第3の圧力センサ37,第4の圧力センサ38)と、
前記検出された後輪の角速度と前記検出された後輪のタイヤの内部圧力とに基づいて前記後輪の車輪速度を演算する後輪車輪速度演算手段(ステップ415,520〜530,815,820,860〜875)とから構成された車両の制動力配分制御装置について説明した。
これによれば、前輪の車輪速度(ESPDf)及び後輪の車輪速度(ESPDr)は、それぞれの車輪のタイヤの内部圧力P(n)に基づいて、即ち、それぞれの車輪の動荷重半径R(n)に応じて演算されるスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)から、より正確な値として算出される。従って、これら前輪の車輪速度及び後輪の車輪速度に基づいて演算される前輪に対する後輪のスリップの程度を示したスリップ値ESPDも、より正確な値となる。この結果、スリップ値ESPDに応じて制動力配分制御がより的確なタイミングにて実行されるから、前輪に対する後輪の先行ロックがより確実に回避され得る。
また、外部(操作スイッチ39)からの操作信号に応答して前記前輪のタイヤの内部圧力及び前記後輪のタイヤの内部圧力に応じた値を前記前輪のタイヤの基準圧力(PS(1),PS(2))及び前記後輪のタイヤの基準圧力(PS(3),PS(4))として入力する基準圧入力手段(ステップ310,315)を備え、
前記前輪車輪速度演算手段は、
前記入力された前記前輪のタイヤの基準圧力PS(n)からの前記検出された前輪のタイヤの内部圧力P(n)の偏差ΔTP(n)に基づいて同前輪のタイヤの動荷重半径の変化分を表す値DP(n)を算出し、前記前輪の検出された角速度ωnと同前輪のタイヤについて同算出された動荷重半径の変化分を表す値DP(n)とに基づいて前記前輪の車輪速度ESPDfを演算し、
前記後輪車輪速度演算手段は、
前記入力された前記後輪のタイヤの基準圧力PS(n)からの前記検出された後輪のタイヤの内部圧力P(n)の偏差ΔTP(n)に基づいて同後輪のタイヤの動荷重半径の変化分を表す値DP(n)を算出し、前記後輪の検出された角速度ωnと同後輪のタイヤについて同算出された動荷重半径の変化分を表す値DP(n)とに基づいて前記後輪の車輪速度ESPDrを演算し、
前記スリップ値算出手段は、
前記演算された前輪の車輪速度と前記演算された後輪の車輪速度とに基づいて前記スリップ値ESPDを算出する制動力配分制御装置について説明した。
前記基準圧力PS(n)からのタイヤの内部圧力P(n)の偏差ΔTP(n)と同偏差に基づく動荷重半径の変化分DP(n)との関係は、図6、7に示すようにタイヤの種類等にかかわらずほぼ一定と考えることができる。従って、上記構成のように、ある車輪に着目したとき、その車輪について入力した基準圧力PS(n)からの同車輪のタイヤの内部圧力P(n)の偏差ΔTP(n)に基づいて動荷重半径の変化分を表す値DP(n)を算出し、この動荷重半径の変化分を表す値DP(n)と同車輪の角速度ωnとに基づいて算出されるスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)から同車輪の車輪速度(ESPDf,ESPDr)を求めれば同車輪速度は正確なタイヤの外周の速度に近づく。この結果、算出されるスリップ値ESPDがより正確に求められるので、制動力配分制御がより的確なタイミングにて実行される。これにより、前輪に対する後輪の先行ロックがより確実に回避され得る。
また、制動操作(ブレーキペダルBPの作動)に応じた大きさの制動力を四輪車両の左前輪及び右前輪に付与する前輪制動力付与手段(ブレーキ液圧制御部20)と、
前記制動操作及び制御信号に応じた大きさの制動力を前記車両の左後輪及び右後輪に付与する後輪制動力付与手段(ブレーキ液圧制御部20)と、
前記左前輪及び前記右前輪からなる前記車両の前輪の実質的な車輪速度である前輪の車輪速度ESPDfを取得する前輪車輪速度取得手段と、
前記左後輪及び前記右後輪からなる前記車両の後輪の実質的な車輪速度である後輪の車輪速度ESPDrを取得する後輪車輪速度取得手段と、
前記制動操作がなされているとき前記前輪に対する前記後輪のスリップの程度に対応したスリップ値ESPDを前記取得された前輪の車輪速度と前記取得された後輪の車輪速度とに基づいて算出するスリップ値算出手段(ステップ825)と、
前記算出されたスリップ値に応じて前記左前輪及び前記右前輪に付与される制動力に対する前記左後輪及び前記右後輪に付与される制動力の割合を小さくするように前記制御信号を生成する制御信号生成手段(ステップ915,925〜945)と、
を備えた車両の制動力配分制御装置10であって、
前記前輪車輪速度取得手段は、
前記右前輪の角速度ω1及び前記左前輪の角速度ω2をそれぞれ検出する前輪角速度検出手段(第1の車輪速センサ31、第2の車輪速センサ32及び角速度演算ルーチン)と、
前記右前輪のタイヤの内部温度T(1)及び前記左前輪のタイヤの内部温度T(2)をそれぞれ検出する前輪タイヤ温度検出手段(第1の圧力センサ35、第2の圧力センサ36)と、
前記検出された左前輪のタイヤの内部温度及び前記検出された右前輪のタイヤの内部温度が所与の前輪用温度条件(T(n)≦上限温度)を満足するか否かをそれぞれ判定する前輪タイヤ温度条件判定手段(ステップ515)と、
前記検出された左前輪のタイヤの内部温度及び前記検出された右前輪のタイヤの内部温度の両方が前記前輪用温度条件を満足するとき同左前輪の角速度及び同右前輪の角速度に基づいて前記前輪の車輪速度ESPDfを算出し(ステップ810)、前記検出された左前輪のタイヤの内部温度及び前記検出された右前輪のタイヤの内部温度の何れか一方のみが前記前輪用温度条件を満足するとき同前輪用温度条件を満足する車輪の角速度に基づくとともに同前輪用温度条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく前記前輪の車輪速度ESPDfを算出する(ステップ845,850)前輪車輪速度演算手段とからなり、
前記後輪車輪速度取得手段は、
前記左後輪の角速度ω3及び前記右後輪の角速度ω4をそれぞれ検出する後輪角速度検出手段(第3の車輪速センサ33、第4の車輪速センサ34及び角速度演算ルーチン)と、
前記左後輪のタイヤの内部温度T(3)及び前記右後輪のタイヤの内部温度T(4)をそれぞれ検出する後輪タイヤ温度検出手段(第3の圧力センサ37、第4の圧力センサ38)と、
前記検出された左後輪のタイヤの内部温度及び前記検出された右後輪のタイヤの内部温度が所与の後輪用温度条件(T(n)≦上限温度)を満足するか否かをそれぞれ判定する後輪タイヤ温度条件判定手段(ステップ515)と、
前記検出された左後輪のタイヤの内部温度及び前記検出された右後輪のタイヤの内部温度の両方が前記後輪用温度条件を満足するとき同左後輪の角速度及び同右後輪の角速度に基づいて前記後輪の車輪速度ESPDrを算出し(ステップ820)、前記検出された左後輪のタイヤの内部温度及び前記検出された右後輪のタイヤの内部温度の何れか一方のみが前記後輪用温度条件を満足するとき同後輪用温度条件を満足する車輪の角速度に基づくとともに同後輪用温度条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく前記後輪の車輪速度ESPDrを算出する(ステップ870,875)後輪車輪速度演算手段とからなる車両の制動力配分制御装置について説明した。
タイヤの空気圧P(n)が低下している状態で車両の運転が継続された場合、サイドウォール部に大きな歪が生じタイヤがバーストする場合がある。この現象は大きな歪が生じているサイドウォール部の温度が異常に高くなることによって発生することが多い。このように、タイヤの内部温度が異常な場合(タイヤnの内部温度T(n)>上限温度)、本装置は、そのような不安定な状態にあるタイヤをスリップ値ESPDを演算する対象から除外し、残りのタイヤの車輪のスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)に基づいてスリップ値ESPDを算出する。従って、スリップ値ESPDがより正確に求められるので、EBD制御がより的確なタイミングにて実行される。これにより、前輪に対する後輪の先行ロックがより確実に回避され得る。
なお、CPU51は、第1の車輪速センサ31〜第4の車輪速センサ34の各状態が異常であるか否かを第1の車輪速センサ31〜第4の車輪速センサ34からそれぞれ出力される速度信号に基づいて判断する。例えば、いずれかの車輪速センサと電子制御装置50とを接続した配線が断線した場合やショートした場合、又はいずれかの車輪速センサの検出結果に必要以上にノイズが混入している場合、その車輪速センサは異常なパルスの速度信号を出力するので、CPU51はそのパルスの状態から同車輪速センサが異常であると判断する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る制動力配分制御装置10について説明する。第1実施形態の制動力配分制御装置10は、車輪速センサnの状態又はタイヤnの内部温度T(n)が異常な場合、対応する車輪をスリップ値ESPDの演算対象から除外して、残りの車輪についての車輪速SPD(n)と変化率DP(n)とに基づいてスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を算出したのに対し、第2実施形態の制動力配分制御装置10は、更に、タイヤの内部圧力P(n)が所与の圧力条件を満たす場合と満たさない場合に応じて異なるスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)の算出方法を採用した点において第1実施形態の制動力配分制御装置10と相違している。従って、以下、この相違点を中心として第2実施形態の制動力配分制御装置10の作動について、場合分けを行いながらを説明する。なお、以下において、既に説明したステップと同様の処理を行うステップには同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
(4−1)タイヤnの内部圧力P(n)が下限圧力以上、且つ上限圧力以下のとき
CPU51は、所定のタイミングになったときに図5に代わる図11のステップ1100から処理を開始してステップ505〜515に続くステップ1105に進み、タイヤnの内部圧力P(n)が所与の上限圧力より大きいか否かを判定する。前提によれば、内部圧力P(n)は上限圧力以下であるから、CPU51は、ステップ1105にて「No」と判定してステップ1110に進み、タイヤnの内部圧力P(n)が所与の下限圧力より小さいか否かを判定する。前提によれば、内部圧力P(n)は下限圧力以上であるから、CPU51は、ステップ1110にて「No」と判定してステップ1115に進み、動荷重半径変化率DP(n)に「1」の値を設定する。その後、CPU51はステップ530に進んで、車輪速SPD(n)に動荷重半径変化率DP(n)を掛け合わせてスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求め(車輪速SPD(n)をそのままスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)に設定して)、ステップ535,540に進んだ後、ステップ510に戻る。
(4−2)タイヤnの内部圧力P(n)が上限圧力より大きくなったとき
CPU51はステップ505〜515に続くステップ1105にて「Yes」と判定し、ステップ520,525と進んで動荷重半径変化率DP(n)を求める。次に、CPU51はステップ530に進み、車輪速SPD(n)に動荷重半径変化率DP(n)を掛け合わせて(車輪速SPD(n)を動荷重半径変化率DP(n)にて補正して)スリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求める。そしてCPU51はステップ535〜540に進んだ後、ステップ510に戻る。
(4−3)タイヤnの内部圧力P(n)が下限圧力より小さくなったとき
CPU51は、ステップ505〜515,1105に続くステップ1110にて「Yes」と判定する。そして、CPU51は、タイヤnの内部圧力P(n)が上限圧力より大きくなった場合と同様にステップ520〜530の処理を行ってスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求め、ステップ535〜540に進んだ後、ステップ510に戻る。そして、CPU51はステップ510から処理を繰り返し、ステップ535にて「Yes」と判定したときにステップ535からステップ1195に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
その後、CPU51は、タイヤの内部圧力に応じて異なる方法(ステップ520〜530に基づく方法とステップ1115,530に基づく方法の2つの方法)により求められたスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)からスリップ値ESPDを算出し(図8)、同スリップ値ESPDに基づいてEBD制御を実行する(図9)。
以上、前記前輪車輪速度演算手段は、
前記検出された前輪のタイヤの内部圧力が所与の前輪用圧力条件(下限圧力≦P(n)≦上限圧力)を満足するか否かを判定する前輪タイヤ圧力条件判定手段(ステップ1105,1110)を含み、同前輪のタイヤの内部圧力P(n)が同前輪用圧力条件を満足しないとき同前輪の検出された角速度ωnと同前輪の検出されたタイヤの内部圧力P(n)とに基づいて前記前輪の車輪速度ESPDfを演算し(ステップ520〜530,805,810,835〜850)、同前輪のタイヤの内部圧力が同前輪用圧力条件を満足するとき同前輪の検出されたタイヤの内部圧力に基づくことなく同前輪の検出された角速度に基づいて前記前輪の車輪速度を演算し(ステップ1115,530,805,810,835〜850)、
前記後輪車輪速度演算手段は、
前記検出された後輪のタイヤの内部圧力が所与の後輪用圧力条件(下限圧力≦P(n)≦上限圧力)を満足するか否かを判定する後輪タイヤ圧力条件判定手段(ステップ1105,1110)を含み、同後輪のタイヤの内部圧力P(n)が同後輪用圧力条件を満足しないとき同後輪の検出された角速度ωnと同後輪の検出されたタイヤの内部圧力P(n)とに基づいて前記後輪の車輪速度ESPDrを演算し(ステップ520〜530,815,820,860〜875)、同後輪のタイヤの内部圧力が同後輪用圧力条件を満足するとき同後輪の検出されたタイヤの内部圧力に基づくことなく同後輪の検出された角速度に基づいて前記後輪の車輪速度を演算する(ステップ1115,530,815,820,860〜875)制動力配分制御装置10について説明した。
タイヤの動荷重半径はタイヤの内部圧力により大きく変動する。このため、真の車輪速度に対する車輪速SPD(n)の誤差はタイヤの内部圧力P(n)が通常の状態におけるタイヤの内部圧力から外れる程大きくなってしまう。これを考慮した本実施形態の制動力配分制御装置10は、第1のタイヤ15〜第4のタイヤ18が所与の圧力条件を満たさない場合、そのタイヤnが装着された車輪(車輪速SPD(n)の誤差が大きい車輪)の車輪速SPD(n)を動荷重半径変化率DP(n)により補正してスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求める。また、タイヤnが前記圧力条件を満足する場合、制動力配分制御装置10は、タイヤnが装着された車輪(車輪速SPD(n)の誤差が小さい車輪)の車輪速SPD(n)の値をそのままスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)に設定する。
そして、本実施形態ではこれら2つの方法により求められたスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)により前輪の車輪速度ESPDf及び後輪の車輪速度ESPDrがより正確に算出される。従って、スリップ値ESPDが、より正確に算出されることから、より適正なタイミングにEBD制御が開始され得る。なお、前述した所与の圧力条件(前輪用圧力条件及び後輪用圧力条件)とは、「検出されたタイヤの内部圧力と予め想定されているタイヤの内部圧力の差が小さく、従って、実際の動荷重半径と予め想定されている動荷重半径の差が小さいので、タイヤの内部圧力に基づく車輪速度の補正を必要としない圧力範囲内にあること」と言うこともできる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る制動力配分制御装置10について説明する。第2実施形態では、タイヤnの内部圧力P(n)が上限圧力より大きくなったとき又は下限圧力より小さくなったとき、車輪速SPD(n)を動荷重半径変化率DP(n)にて補正することによってスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)が求められた。これに対し、第3実施形態では、タイヤnの内部圧力P(n)が異常に高圧力であるとき又は異常に低圧力であるとき、そのタイヤnが装着された車輪nの車輪速SPD(n)をスリップ値ESPDの演算対象から除外する点において第2実施形態と相違している。従って、以下、この相違点を中心として第3実施形態の制動力配分制御装置10の作動について、場合分けを行いながらを説明する。
(5−1)タイヤnの内部圧力P(n)が異常低圧力以上、且つ異常高圧力以下のとき
CPU51は、所定のタイミングになったときに図11に代わる図12のステップ1200から処理を開始してステップ505〜515に続くステップ1205に進み、タイヤnの内部圧力P(n)が異常高圧力以下であるか否かを判定する。前提によれば、タイヤnの内部圧力P(n)は異常高圧力以下であるから、CPU51は、ステップ1205にて「Yes」と判定してステップ1210に進み、タイヤnの内部圧力P(n)が異常低圧力以上であるか否かを判定する。前提によれば、タイヤnの内部圧力P(n)は異常低圧力以上であるから、CPU51は、ステップ1210にて「Yes」と判定し、ステップ1215に進んで車輪速SPD(n)の値をスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)に設定し、ステップ535〜540に進んだ後、ステップ510に戻る。
(5−2)タイヤnの内部圧力P(n)が異常高圧力より大きくなったとき
CPU51は、ステップ505〜515に続くステップ1205にて「No」と判定し、ステップ545に進んで判定フラグF(n)に「1」の値を設定し、ステップ535,540に進んだ後、ステップ510に戻る。そして、CPU51はステップ510から処理を繰り返し、ステップ535にて「Yes」と判定したときにステップ535からステップ1295に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
(5−3)タイヤnの内部圧力P(n)が異常低圧力より小さくなったとき
CPU51は、ステップ505〜515,1205に続くステップ1210にて「No」と判定し、ステップ545に進んで判定フラグF(n)に「1」の値を設定し、ステップ535,540に進んだ後、ステップ510に戻る。そして、CPU51はステップ510から処理を繰り返し、ステップ535にて「Yes」と判定したときにステップ535からステップ1295に進んで本サブルーチンの処理を一旦終了する。
この時点で、CPU51が図8のルーチンを実行すると、所定の条件を満足しないタイヤ(車輪速センサの状態異常、タイヤの内部温度異常、タイヤの内部圧力異常のタイヤ)に対応する車輪のスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)は前輪の車輪速度ESPDf及び後輪の車輪速度ESPDrを算出するための対象から除外され、残ったタイヤの車輪のスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)に基づいて前輪の車輪速度ESPDf及び後輪の車輪速度ESPDrが算出される(ステップ845,850,870,875)。そして、求められた前輪の車輪速度ESPDf及び後輪の車輪速度ESPDrからスリップ値ESPDが算出され(ステップ825)、同スリップ値ESPDに基づいて図9に示すEBD制御が実行される。
以上、制動操作(ブレーキペダルBPの作動)に応じた大きさの制動力を四輪車両の左前輪及び右前輪に付与する前輪制動力付与手段(ブレーキ液圧制御部20)と、
前記制動操作及び制御信号に応じた大きさの制動力を前記車両の左後輪及び右後輪に付与する後輪制動力付与手段(ブレーキ液圧制御部20)と、
前記左前輪及び前記右前輪からなる前記車両の前輪の実質的な車輪速度である前輪の車輪速度ESPDfを取得する前輪車輪速度取得手段と、
前記左後輪及び前記右後輪からなる前記車両の後輪の実質的な車輪速度である後輪の車輪速度ESPDrを取得する後輪車輪速度取得手段と、
前記制動操作がなされているとき前記前輪に対する前記後輪のスリップの程度に対応したスリップ値ESPDを前記取得された前輪の車輪速度と前記取得された後輪の車輪速度とに基づいて算出するスリップ値算出手段(ステップ825)と、
前記算出されたスリップ値に応じて前記左前輪及び前記右前輪に付与される制動力に対する前記左後輪及び前記右後輪に付与される制動力の割合を小さくするように前記制御信号を生成する制御信号生成手段(ステップ915,925,930〜945)と、
を備えた車両の制動力配分制御装置10であって、
前記前輪車輪速度取得手段は、
前記右前輪の角速度ω1及び前記左前輪の角速度ω2をそれぞれ検出する前輪角速度検出手段(第1の車輪速センサ31、第2の車輪速センサ32及び角速度演算ルーチン)と、
前記右前輪のタイヤの内部圧力P(1)及び前記左前輪のタイヤの内部圧力P(2)をそれぞれ検出する前輪タイヤ圧力検出手段(第1の圧力センサ35、第2の圧力センサ36)と、
前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力が所与の前輪用圧力条件(異常低圧力≦P(n)≦異常高圧力)を満足するか否かをそれぞれ判定する前輪タイヤ圧力条件判定手段(ステップ1205,1210)と、
前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力の両方が前記前輪用圧力条件を満足するとき同左前輪の角速度及び同右前輪の角速度に基づいて前記前輪の車輪速度を算出し(ステップ1215,805、810)、前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力の何れか一方のみが前記前輪用圧力条件を満足するとき同前輪用圧力条件を満足する車輪の角速度に基づくとともに同前輪用圧力条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく前記前輪の車輪速度を算出する(ステップ545,1215,835〜850)前輪車輪速度演算手段とからなり、
前記後輪車輪速度取得手段は、
前記左後輪の角速度ω3及び前記右後輪の角速度ω4をそれぞれ検出する後輪角速度検出手段(第3の車輪速センサ33、第4の車輪速センサ34及び角速度演算ルーチン)と、
前記左後輪のタイヤの内部圧力P(3)及び前記右後輪のタイヤの内部圧力P(4)をそれぞれ検出する後輪タイヤ圧力検出手段(第3の圧力センサ37、第4の圧力センサ38)と、
前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力が所与の後輪用圧力条件(異常低圧力≦P(n)≦異常高圧力)を満足するか否かをそれぞれ判定する後輪タイヤ圧力条件判定手段(ステップ1205,1210)と、
前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力の両方が前記後輪用圧力条件を満足するとき同左後輪の角速度及び同右後輪の角速度に基づいて前記後輪の車輪速度を算出し(ステップ1215,815、820)、前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力の何れか一方のみが前記後輪用圧力条件を満足するとき同後輪用圧力条件を満足する車輪の角速度に基づくとともに同後輪用圧力条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく前記後輪の車輪速度を算出する(ステップ545,1215,860〜875)後輪車輪速度演算手段とからなる車両の制動力配分制御装置10について説明した。
本実施形態の制動力配分制御装置10は、タイヤの内部圧力が通常のタイヤの内部圧力から著しく外れたためにそのタイヤが装着された車輪の車輪速SPD(n)と真の車輪速度との誤差が著しく大きくなってしまった場合を考慮し、第1のタイヤ15〜第4のタイヤ18の内、所与の圧力条件(異常低圧力≦P(n)≦異常高圧力)を満たさないタイヤのスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を前輪の車輪速度ESPDf及び後輪の車輪速度ESPDrの演算対象から除外する。従って、残ったタイヤのスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)に基づいて、より正確な前輪の車輪速度ESPDf及び後輪の車輪速度ESPDrが算出される。その結果、スリップ値ESPDがより正確に算出されるため、より的確なタイミングにEBD制御が開始される。
上記すべての実施形態において、所与の上限温度(前輪用温度条件及び後輪用温度条件)とは、CPU51が角速度ωnとそのタイヤの動荷重半径R(n)とを用いて車輪速SPD(n)を求めるとき、タイヤの動荷重半径がタイヤの内部温度により大きく変動するために、タイヤの内部温度が通常のタイヤの内部温度から外れる程そのタイヤに対応した車輪速SPD(n)の誤差が大きくなってしまうので、その車輪の車輪速SPD(n)がスリップ値ESPDの算出に使用されない方が好ましい場合の同車輪に対応したタイヤの内部温度をいう。
また、上記第2実施形態において、所与の上限圧力及び所与の下限圧力(前輪用圧力条件及び後輪用圧力条件)とは、CPU51が角速度ωnとそのタイヤの動荷重半径R(n)とを用いて対応する車輪nの車輪速SPD(n)を求め、その車輪速SPD(n)に基づいてスリップ値ESPDを算出すると、タイヤの動荷重半径がタイヤ内部の圧力により変動することに起因して算出したスリップ値ESPDに大きな誤差が生ずるので、その誤差を小さくするためにそのタイヤに応じた車輪の車輪速SPD(n)を補正したほうが好ましい場合の同車輪に対応したタイヤの内部圧力をいう。
また、上記第3の実施形態において、所与の異常高圧力及び所与の異常低圧力(前輪用圧力条件及び後輪用圧力条件)とは、CPU51が角速度ωnとそのタイヤの動荷重半径R(n)とを用いて車輪の車輪速SPD(n)を求めるとき、前述したようにタイヤの動荷重半径がタイヤの内部圧力により大きく変動するために、タイヤの内部圧力が通常のタイヤの内部圧力から著しく外れるとそれに伴いそのタイヤに対応した車輪速SPD(n)の誤差が著しく大きくなってしまうので、その車輪の車輪速SPD(n)に基づくことなくスリップ値ESPDが算出にされる方が好ましい場合の同車輪に対応したタイヤの内部圧力をいう。
上記第3の実施形態において、CPU51は、図12のステップ1215をステップ520〜530に置き換えることによりスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を算出してもよい。この場合には、タイヤの内部圧力の変化に伴うタイヤの動荷重半径の変化分により生じた車輪速SPD(n)に含まれる誤差が動荷重半径変化率DP(n)により補正されるため、真の車輪速度に近いスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)からスリップ値ESPDが算出され得る。
上記すべての実施の形態において、制動力配分制御装置10のCPU51は、EBD制御を実行するために、タイヤの内部圧力P(n)の他に、生産工場や整備工場の作業者(サービスマン)や乗員等が、基準圧力に調整した後のタイヤ圧力を各タイヤの基準圧力として入力することを指示されるタイヤの基準圧力PS(n)を必要とする。これは、タイヤの内部圧力P(n)からのみでは、同タイヤの動荷重半径を一義的に定めることができないことに基づく。
より具体的に説明すると、車両には種々のタイヤが装着され得る。前述したように、タイヤの種類が異なれば、同一のタイヤ内部圧力であっても動荷重半径は異なる。つまり、タイヤの動荷重半径R(n)は、タイヤの種類等によっても変動するから、タイヤの内部圧力P(n)のみから一義的に決定されるものではない。その一方で、車輪速センサから得られる信号は車輪の角速度ωであるから、これを車両の速度に変換するためには動荷重半径RSが必要となる。
そこで、設計段階において、対象とする車両に装着されるであろうタイヤの動荷重半径RSが想定される。以下、この想定される動荷重半径RSを設計動荷重半径RSstdと呼ぶこととする。つまり、設計動荷重半径RSstdは、この車であればこのくらいの動荷重半径で走行するだろうとの予測の下で決定される。そして、このようにして決定された設計動荷重半径RSstdは車輪速SPD(n)を求めるためにCPU51によって実行されるプログラムに予め組み込まれる(ステップ415を参照。)。このとき、設計動荷重半径RSstdに対するタイヤの内部圧力は、一義的に定まらないが、ある幅を有する圧力範囲内にあると考えることはできる。
一方、本発明者は、車両の生産工場やサービス工場等において、タイヤの内部圧力が上記圧力範囲内の基準圧力PS(n)に調整されていれば、基準圧力PS(n)からの実際のタイヤの内部圧力P(n)の偏差ΔTP(n)に応じた動荷重半径の変化分DP(n)は、タイヤの種類等にかかわらずほぼ一義的に決定され得るであろうことを見出した。他方、生産工場や整備工場等の作業者は、実際のタイヤの内部圧力を予め指示されているタイヤの内部圧力に調整する。実際に調整された内部圧力は多少ばらつくが、上記圧力範囲内となるであろうことは容易に推定できる。
そこで、本制動力配分制御装置10は、作業者によって上記内部圧力の調整後に操作される操作スイッチ39の操作信号に基づいて、基準圧力PS(n)を入力させ、その後、基準圧力PS(n)からの実際のタイヤの内部圧力P(n)の偏差ΔTP(n)を求め、同偏差ΔTP(n)に応じた動荷重半径の変化分DP(n)を求めるのである。
具体的に述べると、車両が走行する段階において、CPU51は所定経過時間ごとにタイヤの内部圧力P(n)を入力し(ステップ430)、基準圧力PS(n)からのタイヤの内部圧力P(n)の偏差ΔTP(n)を求め(ステップ520)、この偏差ΔTP(n)に対応してタイヤの動荷重半径変化率DP(n)を求める(ステップ525)。
CPU51は、上記変化率DP(n)(=R(n)/RS(n))を車輪速SPD(n)に掛け合わせることによりスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求める(ステップ530)。前述したように、車輪速SPD(n)は車輪の角速度ωnに設計動荷重半径RSstdを掛け合わせることによって求められる。従って、ステップ530の処理は、下記の(1)式に基づいて、スリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求める処理ということができる。
SPDH(n)=SPD(n)×DP(n)
=SPD(n)×{R(n)/RS(n)}
=(ωn×RSstd)×{R(n)/RS(n)}
= ωn×{RSstd×R(n)/RS(n)}
= ωn×Rst(n) …(1)
(1)において、Rst(n)は、実際のタイヤの内部圧力P(n)に基づいて補正された動荷重半径であり、実際のタイヤの内部圧力P(n)に対応した実際のタイヤの動荷重半径に極めて近い値である。
また、CPU51は、上記変化率DP(n)の代わりに動荷重半径RS(n)に対する動荷重半径R(n)の偏差ΔRn(=R(n)−RS(n))使用してスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求めてもよい。具体的に説明すると、上記(1)式は以下のようにして下記(2)式に近似できる。
SPDH(n)=SPD(n)×DP(n)
=SPD(n)×R(n)/RS(n)
=SPD(n)×(RS(n)+ΔRn)/RS(n)
=(ωn×RSstd)×(RS(n)+ΔRn)/RS(n)
=(ωn×RSstd)×{1+ΔRn/RS(n)}
=ωn×RSstd+ωn×RSstd×ΔRn/RS(n)
≒ωn(RSstd+ΔRn) …(2)
(RSstd/RS≒1と近似。)
従って、CPU51は、上記(2)式を用いて設計時に決定された設計動荷重半径RSstdに動荷重半径の変化分ΔRnを加算することによって実際の動荷重半径に極めて近い値を算出し、その値(=RSstd+ΔRn)に車輪nの角速度ωnを乗算することによってスリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を求める方法を採用することもできる。この場合、偏差ΔRnは、動荷重半径変化率DP(n)と同様に前記偏差ΔTP(n)に基づくタイヤの動荷重半径の変化分に応じた値の一例ということができる。
このように、CPU51は、ステップ520〜530において設計時に決定された動荷重半径RSstdと動荷重半径の変化分とから実際の動荷重半径に極めて近い値を求める処理を実行している。しかし、タイヤの内部圧力P(n)以外のパラメータであって、例えば、タイヤの動荷重半径に影響を及ぼすタイヤの種類等のパラメータが特定され、その結果、実際のタイヤの内部圧力P(n)に対する動荷重半径R(n)がR(n)=g(P(n))の関数により一義的に決定され得る場合、CPU51は上記ステップ520〜530の処理を実行する必要はなく、下記(3)式を作り込んだプログラムを実行することにより、スリップ値演算用車輪速度SPDH(n)を算出することができる。
SPDH(n)=ωn×g(P(n))=ωn×R(n)…(3)
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、操作スイッチ39は、数値入力可能な手段と何番目かのタイヤを特定できる手段を備え、作業者は、タイヤの内部圧力を調整したときに、その調整した内部圧力を数値入力可能な手段により入力してもよい。また、操作スイッチ39に、タイヤの種類を入力しうるタイヤ種類入力手段を備えさせ、そのタイヤ種類入力手段により入力されたタイヤの種類に応じて、図7の相関図(Map2)を切り換えるようにしてもよい。
また、本発明の前輪制動力付与手段及び後輪制動力付与手段は、各車輪にブレーキ液圧による制動力を発生させる上記ブレーキ液圧制御部20に代えて、電気エネルギーにより制動力を発生させる電動ブレーキアクチュエータによって実現されてもよい。この電動ブレーキアクチュエータは、例えば、電動モータの発生トルクによりブレーキパッドをブレーキディスクに押圧接触させて制動力を発生させ、或いは同ブレーキディスクから同ブレーキパッドを後退させて同制動力を低下させる。
第1実施形態に係る制動力配分制御装置の概略構成図である。 図1に示したブレーキ液圧制御部の概略構成図である。 基準圧力入力するために実行するプログラムを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが、EBD制御を行うために実行するメインプログラムを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが、車輪速SPD(n)を補正するために実行するプログラムを示したフローチャートである。 タイヤの内部圧力偏差とタイヤの動荷重半径変化率との相関図である。 タイヤの内部圧力とタイヤの動荷重半径との相関図である。 図1に示したCPUが、スリップ値ESPDを設定するために実行するプログラムを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが、EBD制御によって後輪のブレーキ液圧を制御するために実行するプログラムを示したフローチャートである。 図10(a)は時刻tにおけるスリップ値ESPDの遷移の一例を示した図である。図10(b)は時刻tにおける後輪のブレーキ液圧の制御状態(EBD制御状態)を示した図である。 第2実施形態に係る車輪速SPD(n)を補正するために実行するプログラムを示したフローチャートである。 第3実施形態に係る車輪速SPD(n)を補正するために実行するプログラムを示したフローチャートである。
符号の説明
10…制動力配分制御装置、11…第1の車輪、12…第2の車輪、13…第3の車輪、14…第4の車輪、15…第1のタイヤ、16…第2のタイヤ、17…第3のタイヤ、18…第4のタイヤ、20…ブレーキ液圧制御部、31…第1の車輪速センサ、32…第2の車輪速センサ、33…第3の車輪速センサ、34…第4の車輪速センサ、35…第1の圧力センサ、36…第2の圧力センサ、37…第3の圧力センサ、38…第4の圧力センサ、39…操作スイッチ、40…受信機、41a,41b…受信アンテナ、50…電子制御装置。

Claims (1)

  1. 制動操作に応じた大きさの制動力を四輪車両の左前輪及び右前輪に付与する前輪制動力付与手段と、
    前記制動操作及び制御信号に応じた大きさの制動力を前記車両の左後輪及び右後輪に付与する後輪制動力付与手段と、
    前記左前輪及び前記右前輪からなる前記車両の前輪の実質的な車輪速度である前輪の車輪速度を取得する前輪車輪速度取得手段と、
    前記左後輪及び前記右後輪からなる前記車両の後輪の実質的な車輪速度である後輪の車輪速度を取得する後輪車輪速度取得手段と、
    前記制動操作がなされているとき前記前輪に対する前記後輪のスリップの程度に対応したスリップ値を前記取得された前輪の車輪速度と前記取得された後輪の車輪速度とに基づいて算出するスリップ値算出手段と、
    前記算出されたスリップ値に応じて前記左前輪及び前記右前輪に付与される制動力に対する前記左後輪及び前記右後輪に付与される制動力の割合を小さくするように前記制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    を備えた車両の制動力配分制御装置であって、
    前記前輪車輪速度取得手段は、
    前記左前輪の角速度及び前記右前輪の角速度をそれぞれ検出する前輪角速度検出手段と、
    前記左前輪のタイヤの内部圧力及び前記右前輪のタイヤの内部圧力をそれぞれ検出する前輪タイヤ圧力検出手段と、
    前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力が所与の前輪用圧力条件を満足するか否かをそれぞれ判定する前輪タイヤ圧力条件判定手段と、
    前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力の両方が前記前輪用圧力条件を満足するとき同左前輪の角速度及び同右前輪の角速度に基づいて前記前輪の車輪速度を算出し、前記検出された左前輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右前輪のタイヤの内部圧力の何れか一方のみが前記前輪用圧力条件を満足するとき同前輪用圧力条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく同前輪用圧力条件を満足する車輪の角速度に基づいて前記前輪の車輪速度を算出する前輪車輪速度演算手段とからなり、
    前記後輪車輪速度取得手段は、
    前記左後輪の角速度及び前記右後輪の角速度をそれぞれ検出する後輪角速度検出手段と、
    前記左後輪のタイヤの内部圧力及び前記右後輪のタイヤの内部圧力をそれぞれ検出する後輪タイヤ圧力検出手段と、
    前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力が所与の後輪用圧力条件を満足するか否かをそれぞれ判定する後輪タイヤ圧力条件判定手段と、
    前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力の両方が前記後輪用圧力条件を満足するとき同左後輪の角速度及び同右後輪の角速度に基づいて前記後輪の車輪速度を算出し、前記検出された左後輪のタイヤの内部圧力及び前記検出された右後輪のタイヤの内部圧力の何れか一方のみが前記後輪用圧力条件を満足するとき同後輪用圧力条件を満足しない車輪の角速度に基づくことなく同後輪用圧力条件を満足する車輪の角速度に基づいて前記後輪の車輪速度を算出する後輪車輪速度演算手段とからなる車両の制動力配分制御装置。
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