JP4379250B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フェールセーフのためのクラッチ機構を搭載したステア・バイ・ワイヤシステムの車両用操舵装置の技術分野に属する。
従来のステア・バイ・ワイヤシステムでは、システムに異常が発生したとき、クラッチ機構を締結させ、ステアリングホイール(操作入力手段)と操向輪とを機械的に連結している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−145098号公報
しかしながら、上記従来の車両用操舵装置にあっては、反力用アクチュエータの電動モータに過電流失陥が発生したとき、過電流を検出し、電動モータの失陥の最終判断を行ってからモータを停止させるまでの間、すなわち、失陥判断中に、モータの過回転によりステアリングホイールが運転者の意図にかかわらず勝手に回転する可能性がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、反力用アクチュエータに過電流が発生したとき、意図しない操作入力手段の回転を抑制できる車両用操舵装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
操作入力手段と反力用アクチュエータとを有する操作部と、
操向輪と転舵用アクチュエータとを有する転舵部と、
前記操作入力手段から前記操向輪に至る操舵系の途中位置に設けられ、前記操作入力手段と前記操向輪とを機械的に連結,分離するクラッチ機構と、
前記クラッチ機構で、前記操作入力手段と前記操向輪とを機械的に分離し、前記操作入力手段への操作入力情報に応じて、前記反力用アクチュエータと前記転舵アクチュエータを駆動するステア・バイ・ワイヤ制御を実施する操舵制御手段と、
を備えた車両用操舵装置において、
前記反力用アクチュエータの過電流を検出する過電流検出手段と、
前記反力用アクチュエータの過電流が所定時間以上継続したとき、反力用アクチュエータの過電流失陥と判断する過電流失陥判断手段と、
を設け、
前記操舵制御手段は、前記反力用アクチュエータの過電流が検出されたとき、前記クラッチ機構を締結させ、その後、反力用アクチュエータが過電流失陥していると判断されたとき、反力用アクチュエータを停止させることを特徴とする。
本発明の車両用操舵装置にあっては、反力用アクチュエータを停止させる前にクラッチ機構を締結し、操作入力手段と操向輪とを機械的に連結することにより、過電流失陥判断中、反力用アクチュエータの誤作動により回転させられる操作入力手段の動きに対し、路面からの入力トルクにより制限をかけることができる。よって、反力用アクチュエータの過電流によって操作入力手段が回転させられる量を制限することができる。
以下に、本発明の車両用操舵装置を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用操舵装置が適用されたステア・バイ・ワイヤシステムを示す全体構成図である。
図1は実施例1の車両用操舵装置を示す全体システム図であり、実施例1装置は、ステアリングホイール(操作入力手段)1と、操作部2と、操向輪3,3と、転舵部4と、クラッチ機構5と、操舵角センサ6と、反力用アクチュエータ7と、第1コラムシャフト8と、第2コラムシャフト9と、転舵用アクチュエータ10a,10bと、ピニオン角センサ11と、第1ピニオンシャフト12と、第2ピニオンシャフト13と、ステアリング機構(舵取り機構)14と、ケーブル機構15と、車速センサ16と、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)コントローラ(操舵制御手段)17と、反力用アクチュエータドライバ18と、転舵用アクチュエータドライバ19a,19bと、クラッチドライバ20と、を備えている。
操作部2の第1コラムシャフト8には、上端部から順にステアリングホイール1、操舵角センサ6、反力用アクチュエータ7が設けられている。そして、第1コラムシャフト8と第2コラムシャフト9の間には、外部から締結および解放の制御ができるクラッチ機構5が設けられている。
図2は、クラッチ機構5の構成を示す断面図であり、このクラッチ機構5は、第2コラムシャフト9と連結した外輪5aの内径面に円筒面5bが形成されている。そして、これに対応するように、第1コラムシャフト8と連結した入力軸5cに設けた大径部の外径面に所定の間隔をおいて複数の平坦なカム面5dが形成されている。各カム面5dは、外輪5aの円筒面5bとの間で円周方向の両側が狭幅になるくさび状空間を形成している。
入力軸5cの大径部には、環状の保持器5fが外嵌挿入され、この保持器5fには周方向にカム面5dと同じ数のポケット5iが形成されている。各ポケット5iにはローラ5gが組み込まれている。ローラ5gは、入力軸5aの各カム面5dに対してそれぞれ一個ずつ組み込まれており、保持器5fによって周方向に所定量移動すると、カム面5dと円筒面5bとの間に係合し、外輪5aと入力軸5cとが一体化する。
入力軸5cと外輪5aとの間には、電磁石5h、外輪5aと繋がるロータ5jおよび保持器5fと繋がるアーマチュア5kを有する電磁クラッチ5eが組み込まれている。電磁石5hへの通電がオンされると、ロータ5j、アーマチュア5kの間で磁気回路が形成され、ロータ5jはアーマチュア5kを引き付けて摺動抵抗を与える。従って、入力軸5c、ロータ5j、アーマチュア5k、保持器5fが一体となり、回転不能となる。この状態で外輪5aと入力軸5cが相対回転しようとすると、保持器5fの回転は入力軸5cに拘束されているため、入力外輪5aの回転に対して位相がずれトルクの伝達が可能となり、第1コラムシャフト8と第2コラムシャフト9とが連結される。
一方、電磁石5hへの通電がオフされると、ロータ5jとアーマチュア5kの結合が解け、外輪5aと入力軸5c間のローラの係合が解け、第1コラムシャフト8と第2コラムシャフト9との連結状態が解除される。
図1に戻り、転舵部4の第1ピニオンシャフト12と第2ピニオンシャフト13との間には、2つの転舵用アクチュエータ10a,10bが設けられ、第2ピニオンシャフト13には、ピニオン角センサ11が設けられている。第2ピニオンシャフト13の下端部には、ラック&ピニオン式によるステアリング機構14が連結され、このステアリング機構14の両側には、ラックギア軸14aの移動により転舵角が可変する操向輪3,3が設けられている。
反力用アクチュエータ7と2つの転舵用アクチュエータ10a,10bは、減速器と電動モータとを備えている。モータとしては、例えば、DCブラシレスモータが用いられるが、これに限られない。
ケーブル機構15は、操作部2と転舵部4との間に設けられ、クラッチ機構5の締結時に、操作部2と転舵部4とを機械的にリンクさせる。ケーブル機構15は、第2コラムシャフト9の端部に設けられた第1ケーブルリール15aと、第1ピニオンシャフト12の端部に設けられた第2ケーブルリール15bと、両ケーブルリール15a,15bのそれぞれに互いに逆方向に巻き付けられた状態で操作部2と転舵部4とを連結する2本のケーブル15c,15dと、を有する。
第2コラムシャフト9の端部に設けられた第1ケーブルリール15aの外周には、2本のケーブル15c,15dの端部がそれぞれ固定されると共に、2本のケーブル15c,15dのうち、一方のケーブルを巻き込み案内し、他方のケーブルを巻き戻し案内するケーブル溝が形成されている。
第1ピニオンシャフト12の端部に設けられた第2ケーブルリール15bの外周には、2本のケーブル15c,15dの端部がそれぞれ固定されると共に、2本のケーブル15c,15dのうち、一方のケーブルを巻き込み案内し、他方のケーブルを巻き戻し案内するケーブル溝が形成されている。
ケーブル機構15は、第2コラムシャフト9の端部と第1ピニオンシャフト12の端部に設けられた2つのケーブルリール15a,15bを、各ケーブルリール15a,15bに対し互いに逆方向に巻き付けられた2本のケーブル15c,15dにより繋ぐ構成であり、ステアリングホイール1を一方向に回転させると、2本のケーブル15c,15dのうち、一方のケーブルが運転者から入力される操舵トルクを伝達し、他方のケーブルが操向輪3,3から入力される反力トルクを伝達することで、コラムシャフトと同等の機能を発揮する。
一般的に、ケーブル15c,15dは自由に配策することができ、コラムシャフトが通らない場所でも、多少の障害物は回避して従来と同等のステアリング機能を実現できるため、SBWシステムの利点である運転者前方部分のレイアウト自由度を妨げることがない。
SBWコントローラ17は、操舵角センサ6からの操舵角信号に応じて、転舵用アクチュエータ10a,10bを駆動する転舵指令値を算出し、この転舵指令値に応じた指令信号を、転舵用アクチュエータドライバ19a,19bへ出力する。また、車速が高いほど、ステアリングギア比が大きくなるように転舵指令値を算出し、可変ギア比制御を行う。転舵用アクチュエータドライバ19a,19bは、SBWコントローラ17からの指令信号に応じて転舵用アクチュエータ10a,10bを駆動し、これにより操向輪3,3が転舵される。
SBWコントローラ17は、ピニオン角センサ11からのピニオン角信号(操向輪3,3の転舵角と見なすことができる)に応じて、反力用アクチュエータ7を駆動する反力指令値を算出し、この反力指令値に応じた指令信号を、反力用アクチュエータドライバ18へ出力する。反力用アクチュエータドライバ18は、SBWコントローラ17からの指令信号に応じて反力用アクチュエータ7を駆動し、これにより、ステアリングホイール1に操向輪3,3の転舵角に応じた操舵反力が発生する。
以上のロジックにより、ステアリングホイール1への操作入力情報に応じて、反力用アクチュエータ7と転舵アクチュエータ10a,10bを駆動させるSBW制御を実現している。
また、SBWコントローラ17は、SBW制御中、SBWシステムが正常であると判断される限り、クラッチドライバ20に対しクラッチ機構5の解放を維持する指令信号を出力する。その後、SBWシステムの異常を検出したとき、SBWシステムの失陥を判断し、SBWシステムに失陥が発生したと判断した場合には、解放されているクラッチ機構5を締結する指令を出力する。
ここで、SBWコントローラ17は、SBW制御中、反力用アクチュエータ7の過電流異常が検出された場合には、過電流失陥の判断を待つことなく、直ちに解放されているクラッチ機構5を締結する指令を出力する。
クラッチドライバ20は、クラッチの解放を維持する指令信号を受けたとき、クラッチ機構5に電力を供給し続ける。そして、クラッチ機構5を締結する指令信号を受けたとき、クラッチ機構5への電力供給を停止し、クラッチ機構5を締結させる。
SBWコントローラ17は、クラッチ機構5が締結し、ステアリングホイール1と操向輪3,3との連結が完了したときには、上述のSBWモードから、転舵用アクチュエータ10a,10bを用いて、パワーアシスト制御を実施するバックアップ動作モードへ移行する。
以上説明したように、実施例1の車両用操舵装置は、反力用アクチュエータ7を1つ、転舵用アクチュエータ10a,10bを2つ備えた、いわゆる、反力装置が1重系、転舵装置が2重系のSBWシステムであり、2つの転舵用アクチュエータ10a,10bのうちの1つが失陥した場合でも、もう一方のアクチュエータを用いてSBW制御を継続可能なシステム構成となっている。
また、SBWシステムが継続できないような異常が発生した場合には、クラッチ機構5を締結させてバックアップ動作モードへ移行することにより、車両が操舵不能となる状態を回避している。
次に、作用を説明する。
[バックアップ動作モード移行制御処理]
図3は、実施例1装置のSBWコントローラ17で実行される、反力用アクチュエータ7の過電流失陥時のバックアップ動作モード移行制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、SBWシステムの異常が検出されたかどうかを判定する(システム異常検出手段に相当)。YESの場合にはステップS2へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS2では、S1で検出されたSBWシステムの異常が、反力用アクチュエータ7の過電流だった場合には(過電流検出手段に相当)、ステップS3へ移行し、それ以外の異常の場合にはステップS8へ移行する。
ステップS3では、クラッチ機構5を締結させる同時に、可変ギア比制御停止等の後処理を実施し、ステップS3へ移行する。このとき、エラー継続時間カウンタTを初期化(T=0)するとともに、カウントを開始する。
ステップS4では、過電流が継続して検出されているかどうかを判定する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS5では、エラー継続時間カウンタTがあらかじめ設定されたしきい値ΔT以上であるかどうかを判定する。YESの場合には過電流失陥であると判断し(過電流失陥判断手段)、ステップS6へ移行し、NOの場合にはステップS4へ移行する。
ステップS6では、反力用アクチュエータ7のモータを停止し、転舵アクチュエータ10a,10bを用いて操舵補助力を出力するパワーアシスト制御へ移行し、リターンへ移行する。
ステップS7では、通常のSBW制御を継続し、リターンへ移行する。
ステップS8では、反力用アクチュエータ7の過電流以外のSBWシステムの異常が継続して検出されているかどうかを判定する。YESの場合にはステップS9へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS9では、エラー継続時間カウンタTがあらかじめ設定されたしきい値ΔT以上であるかどうかを判定する。YESの場合にはステップS10へ移行し、NOの場合にはステップS8へ移行する。
ステップS10では、反力用アクチュエータ7のモータを停止し、ステップS11へ移行する。
ステップS11では、可変ギア比制御停止等の後処理を実施し、ステップS12へ移行する、。
ステップS12では、クラッチ機構5を締結させ、転舵アクチュエータ10a,10bを用いて操舵補助力を出力するパワーアシスト制御へ移行し、リターンへ移行する。
[バックアップ動作モード移行制御作用]
反力用アクチュエータ7に過電流失陥が発生した場合には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進み、ステップS4→ステップS5へと進む流れが繰り返され、ステップS5において、エラー継続時間カウンタTがΔT以上となったとき、ステップS5→ステップS6へと進む。
すなわち、ステップS2で過電流が検出されると、ステップS3で直ちにクラッチ機構5の締結と同時に、可変ギア比制御停止等の後処理が実施され、ステアリングホイール1と操向輪3,3とが連結される。その後、ステップS5で過電流失陥と判断された後、ステップS6において反力用アクチュエータ7のモータが停止されると同時に、SBW制御からパワーアシスト制御へと切り替えられる。
よって、過電流が検出されると同時にステアリングホイール1とタイヤ3,3とが機械的に連結されるため、過電流失陥判断中(エラー継続時間カウンタTがゼロからΔTとなるまでの時間)に、反力用アクチュエータ7の誤作動により回転させられるステアリングホイール1の動きを、路面からの入力トルクを用いて制限することができる。
このとき、反力用アクチュエータ7は停止しておらず、クラッチ機構5はトルクがかかった状態で締結されることになるが、実施例1では、クラッチ機構5として確動クラッチである2方向クラッチを用いているため、クラッチの摩耗の影響が無い。従って、過電流異常が検出される毎にクラッチを締結する場合でも、クラッチの耐久性が悪化することがない。
また、ステップS3では、クラッチ機構5の締結と同時に可変ギア比制御停止等の後処理を行っている。ここで、クラッチ機構5の締結後に可変ギア比制御を継続した場合、特に低車速域においてステアリングギア比を小さく(操舵応答をクイックに)している場合には、ステアリングホイール1が僅かに動いただけでも操向輪3,3が大きく動かされるため、操向輪3,3と連結されているステアリングホイール1も大きく動かされ、さらに、そのステアリングホイール1が動いた分操向輪3,3が大きく動かされる、という発振状態が発生するおそれがある。よって、クラッチ機構5の締結と同時に可変ギア比制御を停止することにより、発振状態となるのを防止できる。
さらに、失陥判断後のステップS6では、反力用アクチュエータ7を停止させると同時にSBW制御からパワーアシスト制御へ切り替えるため、異常誤検出に対するロバスト性が高いシステムとすることができる。実施例1では、クラッチ機構5の締結タイミングを異常検出時まで早めており、そのタイミングで直ぐにSBW制御からパワーアシスト制御に切り替えてしまうと、異常誤検出のときも簡単にパワーアシスト制御に切り替わってしまう。そこで、パワーアシスト制御に切り替えるタイミングを反力用アクチュエータ7の停止時に行うことにより、異常を検出してから最終的に失陥と判断するための再確認時間(エラー継続時間カウンタTがゼロからΔTとなるまでの時間)を取ることが可能となるため、簡単には、パワーアシスト制御に切り替わらないようにでき、異常誤検出に対するロバスト性が高いシステムとなる。
反力用アクチュエータ7に過電流以外の失陥が発生した場合には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS8→ステップS9へと進む流れが繰り返され、ステップS9において、エラー継続時間カウンタTがΔT以上となったとき、ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進む。
すなわち、過電流以外の失陥時には、失陥と判断されてから、反力用アクチュエーア7のモータを停止させ、その後、クラッチ機構5が締結され、パワーアシスト制御へと切り替えられる。反力用アクチュエータ7の過電流を誤検出した場合には、SBW制御が継続されるため、ステアリングホイール1にはクラッチ制御による反力のトルク変動が発生する。そのため、過電流以外のSBWシステムの異常の場合には、従来のように反力用アクチュエータ7の停止後にクラッチ機構5を締結することにより、異常が継続していないと判断されたとき、SBW制御に戻っても、クラッチ機構5の締結による反力トルクの変動をなくすことが可能となる。
[従来技術の問題点]
特開2002−145098号公報には、正常時にはステアリングホイールとステアリング機構との機械的な結合をなくし、ステアリングホイールの操舵方向および操作量に基づいて、ステアリング機構に電動モータなどの転舵アクチュエータからの駆動力を与える、ステア・バイ・ワイヤ制御を実施する車両用操舵装置が開示されている。
この従来例では、システム失陥時には、ステアリングホイールと操向輪との間に介在させたクラッチを締結することにより、ステアリングホイールと操向輪とを機械的に連結し、SBW制御モードから、失陥していないアクチュエータでパワーアシスト制御を実施するバックアップ動作モードへ移行している。
ところが、この従来例では、反力用アクチュエータのモータに過電流失陥が発生したとき、過電流を検出し、モータ失陥の最終判断を行ってからモータを停止させるまでの間、すなわち、失陥判断中に、モータの過回転によりステアリングホイールが運転者の意図にかかわらず勝手に回転する可能性がある。
また、モータを停止した時点ではクラッチが締結されていないため、SBW制御からパワーアシスト制御に切り替えても制御することができない。従って、クラッチの締結が完了するまでの間は、SBW制御を継続しなければならないが、モータが停止した後には、急に反力がなくなるため、意図しない急転舵が発生するおそれがある。
[過電流失陥時のバックアップ作動モード移行作用]
図4は、実施例1における過電流失陥時の作用を示すタイムチャートである。
従来例では、時点t1で過電流失陥が発生すると、時点t2で過電流を検出した場合、時点t3で過電流失陥を判断したときに反力用アクチュエータのモータを停止し、その後、時点t4で可変ギア制御停止等の後処理を行い、最後(時点t5)にクラッチ機構を締結することにより、バックアップ動作モードへ移行している。
よって、従来例では、過電流失陥が発生してからクラッチ機構が締結されるまでの間(t1〜t5)、過電流により反力用アクチュエータのモータ角が徐々に増大し、ステアリングホイールが運転者の意志にかかわらず勝手に回ってしまう。
これに対し、実施例1では、時点t2で過電流を検出すると同時にクラッチ機構5を締結し、ステアリングホイール1と操向輪3,3とを連結するため、時点t3で過電流失陥と判断する前に、路面反力を用いて反力用アクチュエータ7のモータトルクが増大するのを防止している。その結果、過電流検出からバックアップ動作モードへ移行するまでの間(t2〜t3)に、ステアリングホイール1が勝手に回転するのが抑制されている。
また、実施例1では、失陥判断時(t3)、反力用アクチュエータ7のモータを停止させてバックアップ動作モードへ移行しているため、失陥発生からバックアップ動作モードへ移行する間での時間を、従来よりも短縮することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) ステアリングホイール1と反力用アクチュエータ7とを有する操作部2と、操向輪3,3と転舵用アクチュエータ10a,10bとを有する転舵部4と、ステアリングホイール1から操向輪3,3に至る操舵系の途中位置に設けられ、ステアリングホイール1と操向輪3,3とを機械的に連結,分離するクラッチ機構5と、クラッチ機構5で、ステアリングホイール1と操向輪3,3とを機械的に分離し、ステアリングホイール1への操作入力情報に応じて、反力用アクチュエータ7と転舵アクチュエータ10a,10bを駆動するSBW制御を実施するSBWコントローラ17と、を備えた車両用操舵装置において、反力用アクチュエータ7の過電流を検出する過電流検出手段と、反力用アクチュエータ7の過電流が所定時間以上継続したとき、反力用アクチュエータ7の過電流失陥と判断する過電流失陥判断手段と、を設け、SBWコントローラ17は、反力用アクチュエータ7の過電流が検出されたとき、クラッチ機構5を締結させ、その後、反力用アクチュエータ7が過電流失陥していると判断されたとき、反力用アクチュエータ7を停止させるため、過電流失陥判断中、反力用アクチュエータ7の過電流失陥に伴うステアリングホイール1の過回転量を制限できる。
(2) SBWコントローラ17は、反力用アクチュエータ7の過電流が検出されると同時に、クラッチ機構5を締結させるため、過電流失陥に起因するステアリングホイール1の回転を最小限に抑えることができる。
(3) SBWコントローラ17は、反力用アクチュエータ7の過電流が検出されると同時に、可変ギア比制御を停止するため、ステアリングホイール1と操向輪3,3とが連結した状態で可変ギア比制御が継続されることに起因して、SBW制御が発振状態となるのを防止することができる。
(4) SBWコントローラ17は、反力用アクチュエータ7を停止させると同時に、SBW制御から、転舵用アクチュエータ10a,10bにより運転者の操舵力を補助するパワーアシスト制御へ切り替えるため、異常を誤検出した場合にSBWからパワーアシストへと制御が切り替わってしまうのが防止でき、異常誤検出に対するロバスト性が高いシステムとすることができる。
(5) SBWコントローラ17は、反力用アクチュエータ7の過電流以外のSBWシステム異常を検出したとき、その異常が所定時間以上継続した場合には、反力用アクチュエータ7を停止させ、その後、クラッチ機構5を締結させるため、過電流失陥以外の失陥が発生した場合には、クラッチ機構5の締結による反力トルクの変動に伴い、操舵感が悪化するのを防止できる。
(6) クラッチ機構5として、確動クラッチである2方向クラッチを用いたため、頻繁に締結解放を繰り返した場合でも、クラッチ摩耗が発生せず、耐久性悪化のおそれがない。よって、過電流検出毎にクラッチを締結する実施例1のシステムに用いるクラッチ機構として好適である。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1の構成に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、クラッチ機構5として2方向クラッチを用いたが、クラッチ機構としては、トルクの伝達がゼロまたは100%であり、滑りによるトルク伝達の無い(または微少な)確動クラッチであれば、任意のクラッチを用いることができる。
また、実施例1では、反力用アクチュエーアを1重系、転舵用アクチュエータを2重系とした例を示したが、反力用アクチュエータを2重系、転舵用アクチュエータを1重系としても良い。
実施例1では、バックアップ動作モードへ移行したとき、転舵用アクチュエータ10a,10bを用いて操舵補助力を発生させるパワーアシスト制御を実施する例を示したが、転舵用アクチュエータ10a,10bを停止させ、パワーアシスト制御を実施しない構成としても良い。
実施例1の車両用操舵装置が適用されたステア・バイ・ワイヤシステムを示す全体構成図である。 クラッチ機構5の構成を示す断面図である。 実施例1装置のSBWコントローラ17で実行される、反力用アクチュエータ7の過電流失陥時のバックアップ動作モード移行制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1における過電流失陥時の作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 操作部
3 操向輪
4 転舵部
5 クラッチ機構
6 操舵角センサ
7 反力用アクチュエータ
8 第1コラムシャフト
9 第2コラムシャフト
10a,10b 転舵用アクチュエータ
11 ピニオン角センサ
12 第1ピニオンシャフト
13 第2ピニオンシャフト
14 ステアリング機構
15 ケーブル機構
16 車速センサ
17 SBWコントローラ
18 反力用アクチュエータドライバ
19 転舵用アクチュエータドライバ
20 クラッチドライバ

Claims (6)

  1. 操作入力手段と反力用アクチュエータとを有する操作部と、
    操向輪と転舵用アクチュエータとを有する転舵部と、
    前記操作入力手段から前記操向輪に至る操舵系の途中位置に設けられ、前記操作入力手段と前記操向輪とを機械的に連結,分離するクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構で、前記操作入力手段と前記操向輪とを機械的に分離し、前記操作入力手段への操作入力情報に応じて、前記反力用アクチュエータと前記転舵アクチュエータを駆動するステア・バイ・ワイヤ制御を実施する操舵制御手段と、
    を備えた車両用操舵装置において、
    前記反力用アクチュエータの過電流を検出する過電流検出手段と、
    前記反力用アクチュエータの過電流が所定時間以上継続したとき、反力用アクチュエータの過電流失陥と判断する過電流失陥判断手段と、
    を設け、
    前記操舵制御手段は、前記反力用アクチュエータの過電流が検出されたとき、前記クラッチ機構を締結させ、その後、反力用アクチュエータが過電流失陥していると判断されたとき、反力用アクチュエータを停止させることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、前記反力用アクチュエータの過電流が検出されると同時に、前記クラッチ機構を締結させることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、前記操向輪の転舵角と前記操作入力手段の操舵角の比であるステアリングギア比を可変にする可変ギア比制御手段を有し、前記反力用アクチュエータの過電流が検出されると同時に、前記可変ギア比制御を停止することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、前記反力用アクチュエータを停止させると同時に、ステア・バイ・ワイヤ制御から、転舵用アクチュエータにより運転者の操舵力を補助するパワーアシスト制御に切り替えることを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    システムの異常を検出するシステム異常検出手段を設け、
    前記操舵制御手段は、前記反力用アクチュエータの過電流以外の前記システム異常を検出したとき、その異常が所定時間以上継続した場合には、反力用アクチュエータを停止させ、その後、クラッチ機構を締結させることを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記クラッチ機構は、確動クラッチであることを特徴とする車両用操舵装置。
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