JP4376454B2 - アデノウイルスベクター及び相同組換えイベントの低減方法 - Google Patents

アデノウイルスベクター及び相同組換えイベントの低減方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は核酸間の組換えイベントの低減方法に関する。本発明は更にプラスミド又はウイルスベクター等の核酸の製造方法における前記方法の適用にも関する。本発明は更に新規ウイルス構築物にも関する。
【0002】
核酸間の組換えは分子生物学の周知現象である。組換えは遺伝子材料の新規組み合わせを生じ、自然選択のための材料源を提供することにより生物進化に役立つ分子メカニズムである。組換えられる核酸間に高い配列相同度を必要とする遺伝子組換えは一般に相同組換えと呼ばれる。相同組換え時には核酸の2領域間で遺伝情報の交換が行われ、交換は相互(「クロスオーバー」)の場合と、非相互(変換)の場合がある。
【0003】
減数***時に、相同組換えは遺伝情報の補充に関与し、染色体の正しい分離に重要な役割を果たす。減数***時に相同組換えはDNAの修復に寄与する。相同組換えは、分散された相同領域が関わっている場合には欠失や重複、タンデム反復配列が関わっている場合には収縮や膨張等の、ゲノム再配列を導入することができる。
【0004】
相同組換えが生じるメカニズムは部分的に解明されている。例えば細菌では相同組換えは1本鎖末端に作用する段階により開始する(Holliday,1964;Meselson,1975)。逆に、真核生物では、殆どの結果が2本鎖切断メカニズム(DSB“double−strand break”)に関係があることを示唆している(Szostakら,1983)。DSBは組換えられる全核酸配列が組換え産物で再現される保存メカニズム(Szostakら)と、所定の配列が失われる非保存メカニズムとの2種の主要な相同組換えメカニズムの原因であると思われる。哺乳動物体細胞では、DSBによる相同組換えの大半は非保存プロセスに従って行われるらしい(Linら,1990,Jeong−Yu,1992)。
【0005】
バイオテクノロジーの不断の発展に伴い、DNAは組換えタンパク質の生産、トランスジェニック動物の創製、遺伝子及び細胞治療等にますます利用されている。これらの種々の分野で無制御な組換えイベントは不都合な場合がある。
【0006】
例えば組換えタンパク質の生産時に、発現プラスミドにおける組換えイベント(分子内組換え)は例えば導入遺伝子の発現カセットの除去とそれに伴う発現低下をもたらすことがある。組換えイベントは生産宿主細胞のゲノムに安定的に組み込まれた発現カセットを除去する原因となり、安定性の低下をもたらすこともある。
【0007】
ベクター、特にウイルスベクターの構築及び生産時にも相同組換えイベントに関連する望ましくない影響が生じることがある。ウイルスベクター(アデノウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス等)は核酸を細胞にin vitro、ex vivo又はin vivo導入するために特に有効な手段である。欠損ウイルスベクターを構築するためには、一般に野生型ウイルスの複製に必須の領域をゲノムから欠失させ、着目核酸で置換する。従って、これらのウイルスを生産及び増幅するためには、(プラスミド上に又は生産細胞のゲノムに組み込まれた形態で又は補助ウイルスにより)相補機能をトランス付加することが必要である。また、欠損ウイルスゲノムと相補機能の間で相同組換えイベントが行われ、複製ウイルス粒子が再構成される場合もある。例えば、アデノウイルスから誘導されるベクターはアデノウイルスゲノムの一部を組み込んだ相補系(293系又は誘導系)で一般に生産される。より詳細には、293系はアデノウイルス血清型5(Ad5)のゲノムの左末端(約11〜12%)を含み、左ITR、パッケージング領域、E1aとE1bを含むE1領域、pIX及びpIVa2タンパク質をコードする領域の一部を含む。この系はE1領域を欠損即ち複製に必要なE1領域の全部又は一部を欠失する組換えアデノウイルスをトランス相補することができる。しかし、この系のゲノムに組み込まれたアデノウイルスの領域と生産が所望される組換えウイルスのDNAの間には相同ゾーンが存在する。このため、生産中に種々の組換えイベントが生じ、特にE1+型のアデノウイルスの複製ウイルス粒子を生じることがある。例えば、図1に示すように、染色体の切断を伴う単純組換えイベント(図1A)や、二重組換え(図1B)が生じることがある。これらの2種の修飾の結果、機能的E1領域を欠失する組換えDNAの左部分はE1領域の機能的コピーをもつ細胞のゲノムに存在する対応部分で置換される。また、293系により生産される組換えベクターの力価が高いため、これらの組換えイベントが生じる確率は高い。従って、欠損組換えアデノウイルスベクターの多数のバッチが複製ウイルス粒子で汚染されていることが認められた。
【0008】
ウイルスバッチに複製粒子が存在すると、in vitro又はin vivo遺伝子導入に利用するのに非常に不都合である(ウイルス増殖と無制御伝播の危険)。
【0009】
欠損レトロウイルスの作製にも同種の問題がある。例えば、欠損レトロウイルス構築物は一般に生産系によりトランス導入されるウイルスのコーディング領域(gag、pol及びenv)を欠失している。この場合も、報告されている所定の系では欠損レトロウイルスのゲノムと細胞の相補機能の間にオーバーラップゾーンが存在する。特にPA317、Psi2細胞等がこれに該当する。従って、これらのゾーンのレベルに相同組換えイベントが生じ、複製粒子を生産する可能性がある。
【0010】
本発明は2種の所与核酸間の組換えイベントの頻度を低減し、その結果、生物プロセスに及ぼすこのようなイベントの影響を最小限にする方法に関する。
【0011】
より詳細には、本発明は2種の所与核酸又は核酸の2領域間の相同組換えイベントの頻度を低減する方法に関する。
【0012】
相同組換えイベントを低減するために、従来技術は種々のアプローチを教示しているが、これらはいずれも相同領域の置換又は除去という同一原理に基づく。例えば、着目遺伝子の発現を可能にする所定のプラスミドは宿主細胞のゲノムに相同の領域をもつ。このような領域は特にプロモーター領域、マーカー遺伝子又は複製起点である。組換えの危険を減らすために、これらの領域を他の非相同領域(別のプロモーター等)で置換することがこれまでに提案されている。他方、ウイルスベクター生産方法で組換えの危険を制限するために、相補遺伝子と欠損ウイルスゲノムの相同配列を除去することも提案されている。
【0013】
例えば、特許出願WO97/00326はE1領域をもつアデノウイルスゲノムの限定単位を含むPERと呼ぶアデノ生産細胞系を記載している。この系では、欠損ウイルスのゲノムに相同のフランキング配列を短縮し、その間の相同組換えの危険を制限している。同様に、特許出願WO95/11984はpIX遺伝子の一部まで延びるE1領域の欠失をもつ組換えアデノウイルスの構築を記載している。この場合には相補領域を修飾(短縮)するのでなく、欠損ゲノムに長い欠失を形成している。その結果、相同領域が残っていても組換えの危険が減る。
【0014】
しかし、これらのアプローチは、細胞とウイルスゲノムの間の組換えの危険を減らし、従って複製粒子で汚染されたウイルスバッチが生産される危険を減らすことはできるとしても、完全に汚染の危険を除くことはできず、および/または新規細胞系の構築を必要とし、したがって、多大な労力を要する新規細胞系のバリデーションを必要とする。また、領域の置換は特に効率の点でさほど十分ではない。
【0015】
本発明は分子間又は分子内相同組換えイベントの新規低減方法に関する。本発明は複製粒子に汚染されていない欠損ウイルスを製造するための前記方法の適用にも関する。本発明は更に、複製粒子生産の危険を著しく低くしながら、力価の面で最も有効な既存生産系で増幅することが可能な新規ウイルス構築物にも関する。
【0016】
相同組換えの主要な初期段階は2種のパートナー核酸間(分子間組換え)又は核酸の2領域間(分子内組換え)の認識である。この段階は2つの相同領域間の直接相互作用の結果である。従って、2種の核酸間の相同組換えは同一性の存在即ちこれらの核酸の2領域間の高い配列相同度の存在に基づき、一般に相同程度と相同の長さ(即ち1又は2種の核酸の相同領域)の2つの因子に依存する。また、相同組換え頻度は核酸のある特定の領域にも依存する。例えば、ある特定の領域は平均頻度よりも高い頻度で組換え可能であることが確認された。更に、これらの局在変動の頻度は大腸菌のCHI部位やS.pombeのM26部位等の特定配列に起因する場合もあることが判明した(Gangloffら,1994)。
【0017】
従来技術で提案されているストラテジーとは異なり、本発明の方法はパートナー核酸間の相同ゾーンを抑圧しない。本発明の方法は2種の組換えパートナー核酸の少なくとも一方の配列を修飾してこれらの核酸間に存在する相同度を低減することを基礎とする。
【0018】
従って、本発明の第1の目的は他のパートナーに対する相同度を低減するように組換えパートナー核酸の少なくとも1種の配列を縮重させることを特徴とする核酸間の分子内又は分子間相同組換えイベント頻度の低減方法に関する。
【0019】
本発明の意味で核酸間の「相同組換えイベント頻度の低減」とは、対応する非修飾核酸で観察される頻度よりもこの頻度を下げることを意味する。この低減は当業者に公知の慣用試験(特に「マーカーレスキュー」試験又は複製ウイルス粒子生産試験)により容易に測定することができる。有利な態様では、「低減」なる用語は好ましくは少なくとも1対数単位の相同組換え頻度の有意低下を意味する。
【0020】
分子間相同組換えとは、異なる2種の核酸間(又は2種の核酸の2領域間)の相同組換えを意味する。分子内相同組換えとは、同一核酸の2領域間の相同組換えを意味する。更に、相同組換えのパートナー核酸は染色体外核酸、染色体核酸又は両者の組み合わせ(即ち染色体核酸と染色体外核酸)のいずれでもよい。染色体外核酸としては。プラスミド、ベクター、エピソーム、ウイルスゲノム等が挙げられる。
【0021】
本発明の方法は染色体核酸と染色体外核酸の間の分子間相同組換えイベントの頻度を低減するのに特に適している。
【0022】
本発明の方法は全般に、
(i)相同組換えに関与する領域を同定する段階と、
(ii)この領域を修飾する段階と、
(iii)配列を確認する段階と、
(iv)修飾配列(合成遺伝子と呼ぶ)を合成する段階と、
(v)元の配列を合成遺伝子で置換する段階を含む。
【0023】
(i)核酸間の相同組換えに関与する領域の同定は任意の公知方法により実施される。特に、組換えイベントが観察される場合には、これに関与する領域を配列分析により調べ、核酸間(分子間)又は核酸内(分子内)の相同領域を調べることができる。
【0024】
組換えに関与する配列が同定されたら、以下の段階(ii)即ち修飾に使用するこれらの配列の全部又は一部を含む領域を決定する。
【0025】
(ii)配列の修飾
相同度は組換えイベントが有意頻度で生じるために十分長い領域にわたって非常に高くなければならないことが一般に認められている。特に、文献データによると、このようなイベントを生じるためには少なくとも約200bpに等しい長さの完全相同領域が必要である。実際に、もっと短い領域で組換えが生じることもあるが、その頻度は著しく低いか例外である。また、相同度を19%下げたこのような領域では組換え頻度は1000分の1になると思われる(WaldmanとLiskay,1987)。
【0026】
配列は種々の方法で修飾することができる。コーディング配列は遺伝コードの縮重に基づいて修飾することができる。従って、配列を変えて相同度を低くしても発現産物は同一である。
【0027】
従って、本発明は特に2つの相同領域間の対合を避けるように配列を修飾する。修飾により該当2領域間の相同長及び相同度を低減することができる。
【0028】
本発明の方法では、少なくとも全20塩基対に対して1塩基対の割合で相同組換えに関与する領域において核酸の配列を縮重させると有利である。少なくとも全10塩基対に対して1塩基対の割合で配列を縮重させると、より好ましい。
【0029】
本発明の特定態様によると、可能な全位置で配列を縮重させる。
【0030】
本発明による配列の縮重は細胞又は生物のコドンの使用に応じて行う(核酸は使用されるべきものである)と有利である。ヒト細胞系で生産するウイルスベクターの場合には、可能であれば、ヒトにおけるコドンの優先的使用を優先させることにより配列を縮重させると特に有利である(実施例参照)。
【0031】
また、核酸配列に付加修飾を加えてもよい。例えば、非コーディング領域で所定エレメント(発現調節配列、プロモーター)の寸法を短くしたり、これらのエレメントを修飾したり、所定の他のエレメントを異種領域で置換することが可能である。
【0032】
本発明の特定態様によると、相同ゾーンが数個の遺伝子に及ぶ場合には、1個以上の遺伝子の配列を縮重させると共に、相同ゾーンに存在する所定の遺伝子のゲノム位置を変えることにより、即ちアデノウイルスゲノム内の元の位置とは異なるゲノム位置にこれらの遺伝子を配置することにより相同ゾーンを短縮することが可能である。ゲノム位置を変えた遺伝子の配列を更に縮重させてもよい。移動していない遺伝子の配列のみを縮重させることが好ましい。
【0033】
(iii)配列の確認
確認は合成遺伝子の活性に作用することが可能な調節エレメント、二次構造等の存在を検出することが可能な情報処理法により実施する。実施例参照。
【0034】
(iv)合成遺伝子の合成
合成遺伝子は当業者に公知の任意技術により合成することができ、特に核酸合成器を使用することができる。
【0035】
(v)合成遺伝子による元の配列の置換
次に、合成した合成遺伝子を元の配列の代わりに核酸に導入する。この段階も当業者に周知の慣用分子生物学技術により実施することができる。
【0036】
本発明の方法の適用の1例はベクター、特に複製コンピテントウイルス(RCV)粒子をもたないウイルスベクターの製造である。この点では、本発明の方法はより詳細には欠損ウイルスの相補機能をコードする染色体核酸と、前記欠損ウイルスのゲノムを含む染色体外核酸の相同組換えイベント頻度を低減することを目的とする。
【0037】
該当ウイルスはアデノウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)又はヘルペスウイルスが有利である。アデノウイルスが特に有利である。
【0038】
従って、本発明の特定実施態様はアデノウイルスゲノムのE1領域とフランキング領域を含む染色体核酸と、E1領域を欠損するアデノウイルスゲノムを含む染色体外核酸の相同組換えイベント頻度の低減方法である。
【0039】
この特定方法では、本発明の縮重配列はE1領域を欠損するアデノウイルスのゲノムのpIX遺伝子を含むと有利である。縮重配列がアデノウイルス下のpIX及びIVa2遺伝子を含むとより好ましい。
【0040】
別の実施態様によると、縮重配列はアデノウイルスのゲノムのpIX遺伝子を含み、IVa2遺伝子の配列はその天然遺伝子座からE4領域に移動している。
【0041】
本発明の方法は293細胞系又は誘導細胞系でE1領域を欠損する組換えアデノウイルスを生産するのに特に適している。
【0042】
上述のように、293細胞系はE1領域と、特にpIX遺伝子とIVa2遺伝子の一部をもつE1領域の(3’)下流に配置されたフランキング領域を含むアデノウイルスゲノムの左部分をそのゲノムに含む。複製コンピテントアデノウイルス(RCA)を生産する相同組換えが生じるのは厳密にこのフランキング領域のレベルである。本発明において「誘導細胞系」とは、アデノウイルスのE1領域と、欠損ウイルスとの組換えを生じることが可能なフランキング領域をもつ細胞系を意味する。例えば、293に存在するよりも短い領域(例えばpIXに制限)でもよいし、長い領域でもよい。誘導系は付加相補配列(例えばE4)の導入により293細胞から構築した系でもよい。
【0043】
この点では、本発明は欠損組換えアデノウイルスのゲノムを293系細胞又は誘導細胞に導入することにより欠損組換えアデノウイルスを製造する方法にも関し、前記ゲノムがE1領域を欠失しており、pIX及び/又はIVa2遺伝子に縮重を含むことを特徴とする。
【0044】
本発明は更に、そのゲノムが少なくとも配列を縮重した領域を含む任意ウイルスベクターにも関する。特に、(gag、pol及び/又はenv遺伝子に縮重配列をもつ)レトロウイルス、(rep及び/又はcap遺伝子に縮重配列をもつ)AAV又はアデノウイルスが挙げられる。
【0045】
そのゲノムが縮重pIX遺伝子をもつアデノウイルスが有利である。pIX遺伝子の縮重配列が配列番号1又は配列番号4の配列であることが好ましい。アデノウイルスが更にIVa2遺伝子のゲノム位置の修飾を含むと、更に好ましい。この遺伝子はE4領域のレベルに配置すると有利である。
【0046】
別の実施態様によると、pIX及びIVa2遺伝子を縮重したアデノウイルスに関する。pIX遺伝子の天然配列を配列番号1の配列又は配列番号4の配列で置換し、IVa2遺伝子の縮重配列は配列番号2の配列又は配列番号5の配列であることが好ましい。pIX及びIVa2遺伝子の天然配列を配列番号3の配列で置換することが好ましい。
【0047】
別の実施態様によると、pIX及びIVa2遺伝子を縮重し、更にpIX遺伝子のプロモーターの配列の修飾及び/又はこれらの遺伝子のポリアデニル化配列の置換を含むアデノウイルスに関する。配列番号8の配列を含むアデノウイルスが好ましい。
【0048】
アデノウイルスは更に少なくともE1領域の欠失をもつと有利である。アデノウイルスは少なくともE1及びE3領域の全部又は一部を欠損しているとより好ましい。E1及びE4領域の全部又は一部と、場合によりE3領域も欠損する組換えアデノウイルスでもよい。また、このアデノウイルスは種々の血清型とすることができる。ヒト起源のアデノウイルスについてはC亜属に分類されるものを好適例として挙げることができる。
【0049】
種々のヒトアデノウイルス血清型のうち、本発明の範囲では特に2又は5型のアデノウイルス(Ad2又はAd5)を使用するとより好ましい。動物起源の種々のアデノウイルスのうち、本発明の範囲ではイヌ起源のアデノウイルス、特に完全アデノウイルスCAV2株[例えばマンハッタン株又はA26/61(ATCC VR−800)]を使用すると好ましい。動物起源の他のアデノウイルスは参考資料として本明細書の一部とする国際出願WO94/26914に特に記載されている。アデノウイルスの構築ストラテジーと、これらのベクターに着目遺伝子を導入するために使用可能な部位については、従来技術、特にWO95/02697、WO96/10088、WO96/13596又はWO96/22378に詳細に記載されている。
【0050】
特に有利な態様によると、本発明の組換えアデノウイルスではアデノウイルスAd5の配列上のヌクレオチド454からヌクレオチド3328のPvuII−BglIIフラグメントを欠失させることによりE1領域を不活化する。この配列は文献に記載されており、データベース(特にGenebank No.M73260)からも得られる。別の好適実施態様では、ヌクレオチド382からヌクレオチド3446のHinfII−Sau3Aフラグメントを欠失させることによりE1領域を不活化する。
【0051】
本発明の組換えアデノウイルスは細胞、臓器又は生物への導入及び/又は発現が所望される異種核酸配列も含むと有利である。
特に、異種DNA配列は1種以上の治療遺伝子及び/又は抗原ペプチドをコードする1種以上の遺伝子を含むことができる。
こうして導入することができる治療遺伝子は、標的細胞に転写して場合により翻訳すると治療効果をもつ産物を生産する任意遺伝子である。
【0052】
このような遺伝子としては、治療効果をもつタンパク産物をコードする遺伝子が特に挙げられる。このようにコードされるタンパク産物としてはタンパク質、ペプチド、アミノ酸等が挙げられる。このタンパク産物は標的細胞に対して同種でもよい(即ち標的細胞が病原性をもたない場合に標的細胞で正常に発現される産物)。この場合には、タンパク質の発現の結果、例えば不十分な細胞発現をなくしたり、修飾による不活性又は弱活性タンパク質の発現をなくしたり、このようなタンパク質を過剰発現させたりすることができる。治療遺伝子は更に安定性を増したり、活性を変えた細胞タンパク質の突然変異体もコードすることもできる。タンパク産物は標的細胞に対して異種でもよい。この場合には、発現されるタンパク質は例えば疾病に対抗することができるように細胞に欠失している活性を補充又は付加することができる。
【0053】
本発明の意味での治療物質としては、特に酵素、血液誘導体、ホルモン、リンホカイン(例えばインターロイキン、インターフェロン、TNF等)(FR9203120)、成長因子、神経伝達物質又はその前駆物質もしくは合成酵素、栄養因子(例えばBDNF、CNTF、NGF、IGF、GMF、VEGF、aFGF、bFGF、NT3、NT5等)、アポリポタンパク質(例えばApoAI、ApoAIV、ApoE等)(FR9305125)、ジストロフィン又はミニジストロフィン(FR9111947)、腫瘍抑制遺伝子(例えばp53、Rb、Rap1A、DCC、k−ref等)(FR9304745)、因子VII、VIII、IX等の凝血関与因子をコードする遺伝子、GAXタンパク質をコードする遺伝子、自殺遺伝子(例えばチミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ等)、1本鎖抗体(scFv)をコードする遺伝子を挙げることができる。
【0054】
治療遺伝子は標的細胞で発現されると遺伝子の発現又は細胞mRNAの転写を制御することが可能なアンチセンス遺伝子又は配列でもよい。このような配列はヨーロッパ特許第140308号に記載の方法に従い、例えば標的細胞で細胞mRNAの相補的RNAに転写すると、そのタンパク質翻訳を阻止することができる。
【0055】
上述のように、異種DNA配列はヒトで免疫応答を生じることが可能な抗原性ペプチドをコードする1個以上の遺伝子も含むことができる。従って、この特定実施態様によると、本発明は特に微生物又はウイルスに対してヒトを免疫することが可能なワクチンを製造することができる。このような遺伝子としては特に、エプスタイン−バールウイルス、HIVウイルス、B型肝炎ウイルス(EP185573)、疑狂犬病ウイルスの特異抗原ペプチド、又は腫瘍特異抗原ペプチド(EP259212)が挙げられる。
【0056】
一般に、異種核酸配列は感染細胞で機能的な転写プロモーター領域も含む。例えば、感染細胞で機能できるときに該当遺伝子の発現に天然に関与するプロモーター領域が挙げられる。(合成タンパク質も含めた他のタンパク質の発現に関与する)別の起源の領域でもよい。特に、真核又はウイルス遺伝子のプロモーター配列が挙げられる。例えば、感染させたい細胞のゲノムに由来するプロモーター配列が挙げられる。また、使用するアデノウイルスを含めたウイルスのゲノムに由来するプロモーター配列でもよい。この点では、例えばE1A、MLP、CMV、RSV等の遺伝子のプロモーターを挙げることができる。更に、活性化、調節又は組織特異的もしくは大半の発現を可能にする配列を付加することにより、これらのプロモーター領域を修飾してもよい。また、異種核酸がプロモーター配列を含まない場合には、このような配列の下流で欠損ウイルスのゲノムに挿入することができる。
【0057】
更に、異種核酸配列は標的細胞の分泌経路に合成治療物質を誘導するシグナル配列を特に治療遺伝子の上流に含むことができる。このシグナル配列は治療物質の天然シグナル配列でもよいし、他の任意の機能的シグナル配列でもよいし、人工シグナル配列でもよい。
【0058】
特に有利な態様では、本発明のベクターは更に異種プロモーターの制御下で機能的なE3遺伝子をもつ。ベクターはgp19Kタンパク質の発現を可能にするE3遺伝子の一部をもつと、より好ましい。このタンパク質は実際に、(i)その作用を制限して(ii)望ましくない副作用を生じるような免疫反応をアデノウイルスが受けないようにすることができる。
【0059】
これらの組換えベクターは核酸を細胞にin vitro、ex vivo又はin vivo導入するために使用することができる。
【0060】
本発明は更に上記のような1種以上の組換えアデノウイルスを含む任意医薬組成物にも関する。本発明の医薬組成物は局所、経口、非経口、鼻腔内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮等の経路で投与するように調剤することができる。
【0061】
医薬組成物は注射用製剤に医薬的に許容可能なキャリヤーを含むことが好ましい。キャリヤーとしては、特に滅菌等張塩類溶液(リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等、又はこのような塩の混合物)、又は場合に応じて滅菌水もしくは生理的血清を加えて注射可能な溶質を構成し得る乾燥(特に凍結乾燥)組成物が挙げられる。
【0062】
注射に使用するウイルス用量は種々のパラメーター、特に使用する投与経路、該当疾病、発現させようとする遺伝子、又は所望の治療期間に応じて適応できる。一般に、本発明の組換えアデノウイルスは104〜1014pfu/ml、好ましくは106〜1010pfu/mlの用量形態で調剤及び投与される。pfu(「プラーク形成単位」)なる用語はウイルス溶液の感染能に対応し、適当な細胞培養物の感染により測定され、一般に5日後の感染細胞のプラーク数を表す。ウイルス溶液のpfu力価の測定方法は文献に詳細に記載されている。
【0063】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は単なる例示であり、発明を制限するものではない。
【0064】
一般分子生物学技術
プラスミドDNAの分取抽出、プラスミドDNAの塩化セシウム勾配遠心分離、アガロース又はアクリルアミドゲル電気泳動、DNAフラグメントの電気溶離精製、タンパク質のフェノール又はフェノール−クロロホルム抽出、塩類溶媒中のDNAのエタノール又はイソプロパノール沈殿、大腸菌での形質転換等の分子生物学で慣用的に使用されている方法は当業者に周知であり、文献に十分に記載されている[Maniatis T.ら,“Molecular Cloning,a Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,1982; Ausubel F.M.ら(編),“Current Protocols in Molecular Biology”,John Wiley & Sons,New York,1987]。
【0065】
プラスミドpIC−20R(Invitrogen)及びpBS(Stratagen)は市販品である。
【0066】
連結については、DNAフラグメントをアガロース又はアクリルアミドゲル電気泳動によりそのサイズに応じて分離し、フェノール又はフェノール/クロロホルム混合物で抽出し、エタノール沈殿させた後、製造業者の指示に従ってT4ファージのDNAリガーゼ(Biolabs)の存在下でインキュベートすればよい。
【0067】
付着5’末端の充填は製造業者の指示に従って大腸菌のDNAポリメラーゼI(Biolabs)のKlenowフラグメントにより実施することができる。付着3’末端の破壊は、製造業者の指示に従って使用するT4ファージのポリメラーゼDNA(Biolabs)の存在下に実施される。付着5’末端の破壊はヌクレアーゼS1で処理することにより実施される。
【0068】
合成オリゴデオキシヌクレオチドによるin vitro部位特異的突然変異誘発は、Amershamから市販されているキットを使用することにより、Taylorら[Nucleic Acids Res.13(1985)8749−8764]により開発された方法に従って実施することができる。
【0069】
所謂PCR法[olymerase−catalyzed hain eaction,Saiki R.K.ら,Science 230(1985)1350−1354; Mullis K.B.とFaloona F.A.,Meth.Enzym.155(1987)335−350]によるDNAフラグメントの酵素増幅は、「DNAサーマルサイクラー」(Perkin Elmer Cetus)を製造業者の指示に従って使用することにより実施することができる。
【0070】
ヌクレオチド配列の確認は、Amershamから市販されているキットを使用することにより、Sangerら[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74(1977)5463−5467]により開発された方法により実施することができる。
【0071】
使用した細胞系
−293ヒト胎児腎細胞系(Grahamら,J.Gen.Virol.36(1977)59)。この系は特にヒトアデノウイルスAd5のゲノムの左部分(12%)をそのゲノムに組み込んでいる。
【0072】
実施例1:アデノウイルスにおける相同組換え
アデノウイルスのゲノムが遺伝子組換え可能であるという知見は25年以上前に報告されている(WilliamsとUstacelibi,1971)。しかし、これらの組換えの基礎となるメカニズムは殆ど解明されていない。組換えと複製には密接な関係があるらしいと示唆されており、アデノウイルス感染時に観察される高頻度組換えに必要な特定基質を複製により生産可能な組換えモデルを報告したデータもある。問題の1つはウイルス又は細胞タンパク質が組換え中間体の形成と最終組換え産物へのその分解に関与しているか否かを知ることである。この点では、試験ウイルス遺伝子E1b、E4、E1a、E3のいずれも組換えイベントに関与していると認められなかった(Epstein,1991;Weinbergら,1986;Young,1995)。同様に、細胞タンパク質も検出できなかった。アデノウイルスゲノムにおける組換えメカニズムとして、いずれも長いヘテロデュプレクスの形成を予想する2種のモデルが最終的に提案された(Ahernら,1991;Young,1995)。
【0073】
欠損ゲノムと細胞系の相同組換えに関与する領域は、特にアデノウイルスのゲノムのpIX及びIVa2遺伝子のレベルに特定された。欠損ゲノムに存在するこの領域の構造を図2に示す。
【0074】
細胞ゲノムとの組換えに関与するアデノウイルスのゲノムの配列の修飾を行った。より詳細には、pIX及びIVa2遺伝子の発現産物の構造を変えずに天然配列との相同度を低減するようなサイレント突然変異を導入することによりこれらの遺伝子の天然配列を修飾した。
【0075】
得られた配列(合成遺伝子と呼ぶ)をアデノウイルスの対応する天然配列の代わりに使用して欠損ベクターを構築する。
【0076】
1.組換えに関与する領域の同定
地図試験の結果、293細胞のゲノムに存在するアデノウイルスのゲノムの部分はアデノウイルスゲノムの左部分に対応し、その約12%即ち約4300bpに相当することが判明した(Aielloら,1979;Spectorら,1983)。本発明者らはPCRにより追加地図実験を行った処、293のゲノムには4420位が存在することが判明した。この4420位を相同ゾーンの右端、従って合成遺伝子の右端として後続実験に選択した。クローニングの技術的理由により、修飾フラグメントはクローニング部位を導入した4445位まで延びる。
【0077】
合成遺伝子の左端はpIX遺伝子の発現調節エレメント中で選択し、より詳細にはpIX遺伝子の−56位に選択した。実際に、pIX遺伝子のプロモーターは56ヌクレオチド領域に短縮できることが判明した。結合部位SP1とTATAボックスを含むこの領域の活性は250ヌクレオチドフラグメントと同等である(Babissら,1991;Matsuiら,1989)。
【0078】
従って、相同ゾーンは欠損ウイルスのゲノムの3520位から4445位に位置することが判明した(図2参照)。
【0079】
2.修飾配列の設計
本発明者らはアデノウイルスAd5のゲノムにおけるコドンの使用表を作成し、ウイルスタンパク質の発現に使用するのに最適なコドンを決定するために使用した。この表はアデノウイルスの10種のタンパク質即ちpIX、ヘキソン、pIII、pVII、52−55k、pPol、pTP、DBP、23K及び19kの分析後に得られたデータを組み合わせることにより得た(表参照)。その後、GCGプログラムを使用することにより、得られた結果をGenbankデータベースに存在する1952種の遺伝子の分析により得られたヒトコドンの使用表と比較した。
【0080】
次に、コドンの使用優先順位を決定し、pIX及びIVa2遺伝子のコーディング配列を修飾した。
【0081】
・天然配列で使用されているコドンが優先コドンでない場合には、このコドンを合成遺伝子で使用する。
【0082】
・天然配列で使用されているコドンが優先コドンである場合には、第2位優先コドンとして使用する。
【0083】
・例えば制限部位を導入する場合などには、特にその頻度が第2位優先コドンの頻度に十分近いときには第3位優先コドンを使用してもよい。
【0084】
下表はヒト及びアデノウイルス(ADV5)におけるコドンの使用頻度と、ヒトにおける優先順位(A列)、アデノウイルスにおける優先順位(B列)及び合成遺伝子の合成に採用される選択(C列)を示す。
【0085】
【表1】
Figure 0004376454
【0086】
【表2】
Figure 0004376454
【0087】
【表3】
Figure 0004376454
【0088】
第1の特定例の合成遺伝子(合成遺伝子#1)には次の修飾を導入した。
【0089】
−pIXプロモーターでは配列をできるだけ短くした。元のベクターは135ヌクレオチドであったが、採用したフラグメントは56ヌクレオチドしか含んでいない。SP1結合部位とTATAボックスの間の9ヌクレオチドを修飾することにより付加修飾を加えてもよい。
【0090】
−pIX遺伝子では、上記基準に従い、可能な場合には対応アミノ酸配列(配列番号1)を変えずに全位置を縮重させた。天然配列と縮重配列の比較及びこれらの配列の発現産物の構造を図8に示す。別のストラテジーによると、10個のうち1個の位置(bp)のみを縮重させる。更に別のストラテジーでは20個のうち1個の位置のみを縮重させる。
【0091】
−pIXとIVa2の中間領域では、本実施例ではこの領域の59ヌクレオチドの配列を修飾しなかった。
【0092】
−IVa2遺伝子では、上記基準に従い、対応アミノ酸配列(配列番号2)を変えずにIVa2遺伝子のコーディング配列の全20bpを縮重させた。天然配列と縮重配列と対応アミノ酸配列を図9に示す。別のストラテジーによると、同様に対応アミノ酸配列を変えずに10個のうち1個の位置(bp)のみ又は全位置を縮重させる。
【0093】
合成遺伝子#1の構造を図2に模式的に示す。合成遺伝子#1の配列を図10に示し、配列番号3とする。
【0094】
合成遺伝子の別の例は合成遺伝子#2であり、
−pIX遺伝子のプロモーター配列を配列番号6に示すように修飾した配列で置換し、
−対応アミノ酸配列を変えずにpIX遺伝子の配列を配列番号4に示す配列に従って置換し、
−対応アミノ酸配列を変えずにIVa2遺伝子の配列を配列番号5に示す配列に従って置換し、
−遺伝子導入ベクター(Abrahamsenら,1997,J.Virol.71,8946−8951)として使用されるB亜属のアデノウイルスである7型アデノウイルス(Ad7)中で同一機能をもつ領域でポリアデニル化領域を置換した(この配列を配列番号7に示す)。
【0095】
修飾配列全体を合成遺伝子#2と呼び、配列番号8に示す。
【0096】
3.合成遺伝子配列の確認
天然配列と合成遺伝子の塩基特性を情報処理分析により確認する。この確認の目的は特定構造、特に、
・スプライス供与又は受容部位(SpliceView及び/又はSplice Netプログラム)、
・ポリアデニル化部位(Hcpolyaプログラム)、
・潜在的転写因子結合部位(Transfacプログラム)、
・対応するRNA(RNAフォールディング)も含めて直列反復型の特定二次構造であるヘアピン(Sigscanプログラム,BNL)を形成することが可能な領域、
・CHI又はM26型コンセンサス部位
が合成遺伝子に存在するか否かを調べることである。
【0097】
このような配列が確認される場合には、上記第2項に定義したストラテジーに従って対応する塩基を場合により置換することができる。
【0098】
4.対応する天然領域の代わりに合成遺伝子#1をもつ欠損ウイルスの構築
1.出発材料:
・合成遺伝子#1(配列番号3)
・合成遺伝子#1の5’及び3’末端に夫々対応するオリゴヌクレオチド合成遺伝子I及び合成遺伝子II(図7)
・プラスミドpJJ105(図3)
・プラスミドpJJ110(図4)
・プラスミドpIC−20R(Invitrogen)
・プラスミドpSyngen:pBS(Stratagen)にクローニングした合成遺伝子。
【0099】
2.欠損ウイルスゲノムの構築
構築ストラテジーを図6に示す。
【0100】
プラスミドpJJ110をXbaIで消化し、得られた4.8及び5.0kbのXbaIフラグメントを連結してプラスミドpJJ201を形成する。次にプラスミドpJJ201をBstEIIとXmaIで消化し、充填及び連結し、プラスミドpJJ202を形成する。BstEIIとXmaIの2部位を保存する。
【0101】
オリゴ合成遺伝子I及びオリゴ合成遺伝子IIと鋳型としてプラスミドpJJ105を使用することにより、IVa2遺伝子のフラグメント1(Fgt1 IVa2、図6)に対応するPCR増幅産物を作製する。
【0102】
オリゴ合成遺伝子Iの配列(配列番号9)
AACTGCAGGCCGGCCACTAGTCGCGATGTTCCCAGCCATATCCC
オリゴ合成遺伝子IIの配列(配列番号10)
CCGCTCGAGGTGACCGCTAGCCATTATGGACGAATGC。
【0103】
増幅したフラグメントをpIC−20RのSmaI部位に挿入し、pJJ203を作製する。プラスミドpJJ105のIVa2遺伝子の隣接フラグメント(図6にFgt2 IVa2として示すフラグメント2)をNsiI/BstEIIにより切出した後、pJJ203の対応部位に挿入し、pJJ204を作製する。次に合成遺伝子をFseI/NruIで消化し(図6)、pJJ204の対応部位間に挿入し、pJJ205を作製する。
【0104】
pJJ205の完全フラグメント(合成遺伝子#1−Fgt1+2 IVa2)をSse8387I/BstEIIで消化し、pJJ202の対応部位に挿入し、pJJ206を作製する(図5)。
【0105】
次に、このフラグメントを使用してCrouzetら(PNAS(94)1414−1419(1997))に記載されている方法に従い、合成遺伝子#1を含む修飾アデノウイルスゲノム(E1を欠損し、場合によりE3も欠損する)を含む原核プラスミドを作製する。得られたプラスミドを次に293細胞にトランスフェクトし、対応するウイルスを生産する。
【0106】
293細胞による2種のウイルスAV1.7#1CMVp53及びAd5CMVp53の増殖時におけるRCA(複製コンピテントアデノウイルス)の創発能を比較するために実験を行った。
【0107】
配列番号3の配列(合成遺伝子#1)とp53発現カセット(CMV−p53−polyASV40)をもつベクター(AV1.7#1CMVp53)をCrouzetら(PNAS(94)1414−1419(1997))に従って構築した。
【0108】
Ad5CMVp53はAd5の(非修飾)pIX−IVa2領域を含む。p53発現カセットは2種のウイルスに対して同質遺伝子型である。2種のウイルスAV1.7#1CMVp53及びAd5CMVp53は293細胞で同等の生産性をもつ。293細胞で各ウイルス5個のプラークを精製した。連続7世代継代中に2×5個のプラークを増幅した。この増幅後にRCA検出実験で第7世代の2×5個のサンプルを分析した。実験は3回ずつ実施した。結果を図12に示す。
【0109】
RCA検出法は試験サンプル用量中のRCA数に対応する数のプラークを計数することが可能な定量法である。サンプルの所与ウイルス用量(常法では3×1010pv)を使用し、寒天層を堆積した非トランス相補細胞(E1を発現しない、この場合にはA549細胞)の細胞層に感染させる。出発感染用量がRCAを含んでいる場合には14日後に層内にプラーク形成が観察される。
【0110】
RCA検出実験を3回実施した結果、AV1.7#1CMVp53のRCAは0であり、Ad5CMVp53のRCAは6である。この結果は観測の条件付確率による比較統計法を使用した場合に統計的に有意である。ベクターAV1.7#1CMVp53を293細胞で増殖させると、RCAの創発の低下という点で慣用ベクターに比較して統計的に有意な改良が観察される。これらの結果をまとめると、合成遺伝子の存在はウイルス生産力価を悪化させず、合成遺伝子#1を含むウイルスバッチはRCAの汚染を受けないと言うことができる。
【0111】
5.対応する天然領域の代わりに合成遺伝子#2をもつ欠損ウイルスの機能性
同様に、合成遺伝子#2とLacZ発現カセット(CMV−LacZ)をもつ同様のベクターAV1.7#2CMVlacZを構築した。このベクターの生産性と、pIX及びIVa2領域を修飾していない(野生型Ad5配列)LacZカセット(RSV LacZ)をもつベクターAV1.0RSVlacZの生産性を比較した。AV1.7#2CMVlacZとAV1.0RSVlacZの2種のベクターの生産性を293細胞で同時に試験した。結果を下表に示す。
【0112】
【表4】
Figure 0004376454
【0113】
これらの結果から明らかなように、合成遺伝子#1よりも相同度が低く、pIX及びIVa2遺伝子のレベルのサイレント突然変異以外に非コーディング領域のレベル(即ちpIX遺伝子のプロモーターとpIX及びIVa2のオーバーラップしたポリアデニル化配列のレベル)にも修飾を含む合成遺伝子#2を5型アデノウイルスの野生型配列の代わりに導入すると、この合成遺伝子は生存可能であり、高い生産性を確保する。
【0114】
6.pIX遺伝子の天然配列のみを配列番号1に示す縮重配列で置換し、IVa2遺伝子に対応する相同領域の部分をE4領域に移動した欠損ウイルスの構築
別の実施態様によると、pIX遺伝子の天然配列のみを配列番号1に示す縮重配列で置換し、IVa2遺伝子に対応する相同領域の部分をE4領域に移動する。IVa2遺伝子のクローニングは参考資料として本明細書の一部とする国際出願WO96/10088に記載されている。
【0115】
KanR及びSacB遺伝子をもつプラスミドcolE1に以下の3領域をクローニングして第1のプラスミドpIE11を構築した。
【0116】
−5’−atcgatcgATAACAGTCAGCCTTACC−3’と5’−agctgaattcCATCATCAATAATATACC−3’をプライマーとしてAd5で生成し、右ITRとorf1(ヌクレオチド35525〜35937)のATGの手前までのE4のプロモーターを含むPCR産物、
−特許出願WO/9610088に記載されているIVa2遺伝子のcDNA、
−E4のorf6のスプライシングに必要な配列とEcoRV部位までのorf6のコーディング配列を含むAd5のXcmI−EcoRVフラグメント。
【0117】
プラスミドpIE11にはIVa2のcDNAの前に過剰のATGが配置されている。ClontechのTransformer Site−directed mutagenesisキットを使用して部位特異的突然変異誘発によりプラスミドpIE11上のこの部位を破壊し、このATGを破壊したプラスミドpIE12を形成する。
【0118】
プラスミドpIE12から誘導されるプラスミドpIE12はその天然遺伝子座のIVa2の遺伝子をE4領域に移動し、E4のorf1〜4をIVa2のcDNAで置換し、E3を欠失させ、E1の代わりにRSV−lacZカセットを挿入するように修飾したアデノウイルス5のゲノムを含む。参考資料として本明細書の一部とするCrouzetら(PNAS(94)1414−1419(1997))に記載されている技術を使用することにより特許出願WO96/10088に記載されているようなプラスミドpXL2788βGalとの組換えによりプラスミドpIE12cを得た。
【0119】
PacIで酵素消化後、プラスミドpIE12cを293にトランスフェクトし、得られたウイルスを増幅した。ウイルスAdIE12の制限プロフィルは予想通りであることが認められる。
【0120】
生産されたウイルスバッチで分析した処、天然配列をpIX遺伝子の縮重配列で置換し、IVa2遺伝子をE4領域に移動してもウイルス生産力価は悪化せず、上記条件下で試験した場合にウイルスバッチはRCAにより汚染されないことが判明した。
【0121】
参考資料
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WilliamsとUstacelibi(1971) J.Gen.Virol.13:345。
Young(1995) Current Topics in Microbiol.and Immunol.199:89。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アデノウイルスと293系の組換えイベントを示す。
【図2】 合成遺伝子の構造を示す。
【図3】 プラスミドpJJ105の制限地図を示す。
【図4】 プラスミドpJJ110の制限地図を示す。
【図5】 プラスミドpJJ206の制限地図を示す。
【図6】 天然領域の代わりに合成遺伝子をもつ欠損ウイルスの構築を示す。
【図7A】 オリゴ合成遺伝子Iのオリゴヌクレオチドの構造と制限地図を示す。
【図7B】オリゴ合成遺伝子IIのオリゴヌクレオチドの構造と制限地図を示す。
【図8A】 天然ヌクレオチド配列とpIX遺伝子の縮重配列(配列番号1)と対応するアミノ酸配列を示す。
【図8B】 天然ヌクレオチド配列とpIX遺伝子の縮重配列(配列番号1)と対応するアミノ酸配列を示す。
【図9A】 天然ヌクレオチド配列とIVa2遺伝子の縮重配列(配列番号2)と対応するアミノ酸配列を示す。
【図9B】 天然ヌクレオチド配列とIVa2遺伝子の縮重配列(配列番号2)と対応するアミノ酸配列を示す。
【図10A】 合成遺伝子#1のヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。
【図10B】 合成遺伝子#1のヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。
【図11】 293細胞のゲノムと組換えAd5ベクターの相同を模式的に示す。ベクターAd5p53はE1領域の下流に293細胞のゲノムと相同の898ヌクレオチドの連続配列をもつ。点突然変異を導入すると、連続相同最大長は合成遺伝子#1(AV1.7#1CMVp53)の場合には92ヌクレオチド、合成遺伝子#2(AV1.7#2CMVlacZ)の場合には29ヌクレオチドに減る。
【図12】 293細胞で7回連続増幅後のベクターAd5p53及びAV1.7#1p53に関するRCAの検出を示す。

Claims (17)

  1. アデノウイルスゲノムのE1領域をコードする細胞の染色体核酸と、E1領域を欠損しているアデノウイルスのゲノムを含む染色体外核酸の間の分子内又は分子間相同組換えイベント頻度の低減方法であって、
    他のパートナーに対する相同度を低減するように2つの核酸の少なくとも1種の配列を縮重すること、および当該縮重配列がコーディング配列であることを特徴とする前記方法。
  2. 少なくとも全20塩基対、好ましくは少なくとも全10塩基対に対して1塩基対の割合で配列を縮重させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 可能な全位置で配列を縮重させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 相補細胞のコドンの使用に応じて縮重を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. E1領域を欠損するアデノウイルスゲノムの配列をpIX遺伝子において縮重させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. E1領域を欠損するアデノウイルスゲノムの配列を更にIVa2遺伝子において縮重させることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 欠損組換えアデノウイルスのゲノムを293系細胞又は293系細胞からの誘導細胞に導入することにより欠損組換えアデノウイルスを製造する方法であって、前記ゲノムがE1領域を欠失しており、pIX及び/又はIVa2遺伝子において縮重を含むことを特徴とする前記方法。
  8. アデノウイルスゲノムのE1領域をコードする染色体核酸との分子間相同組換えイベント頻度を低減するように配列を縮重した少なくとも1個の領域を含む、E1領域を欠損している組換えアデノウイルスであって、前記配列が他のパートナーに対する相同度を低減するように縮重されていることを特徴とする前記欠損組換えアデノウイルス。
  9. 縮重配列がコーディング領域であり、pIX遺伝子において縮重を含むことを特徴とする請求項8に記載のアデノウイルス。
  10. 縮重配列がpIX遺伝子を含み、配列番号1の配列であることを特徴とする請求項9に記載のアデノウイルス。
  11. IVa2遺伝子がその元の位置以外のゲノム位置にも存在することを特徴とする請求項9又は10に記載のアデノウイルス。
  12. IVa2遺伝子がE4領域に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のアデノウイルス。
  13. 縮重領域がpIX及びIVa2遺伝子を含むことを特徴とする請求項8に記載のアデノウイルス。
  14. 縮重領域が配列番号3の配列であることを特徴とする請求項13に記載のアデノウイルス。
  15. E1領域の欠失を含むことを特徴とする請求項8から14のいずれか一項に記載のアデノウイルス。
  16. pIX遺伝子の縮重配列が配列番号1の配列であることを特徴とする請求項9又は10に記載のアデノウイルス。
  17. E1領域を欠損しているアデノウイルスを含む293系細胞又は293系細胞からの誘導細胞であって、欠損アデノウイルスのE1領域をコードする細胞の染色体核酸の配列又は前記アデノウイルスのゲノムを含む染色体外核酸の配列が、前記2種の核酸間の相同度を低減するように縮重されていることを特徴とする前記細胞。
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