上記のような従来の左右両側パネル3,4と荷支持台1との結合手段では、平面視L形に折り畳んだ複数台の荷運搬台車どうしを水平方向に入れ子式にネスティングするとき、片側の折り畳まれない側パネル3の下辺部材6の内側辺から立ち上がる係止板が、その内側にネスティングされる荷運搬台車の折り畳まれない側パネル3の下辺部材6の外側面に摺接して当該側パネル3の下辺部材6の外側面を傷つけたり、係止板そのものが変形して後の使用に差し支える恐れがあった。
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る折り畳み可能な荷運搬台車を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、荷支持台1、この荷支持台1の後側辺から立ち上がる背パネル2、荷支持台1の左右両側辺から立ち上がる側パネル3,4、及び背パネル2の左右両端下側と左右両側パネル3,4の前端下側とに配設された車輪5a〜5dを備え、荷支持台1は背パネル2の内側に沿う起立姿勢に折り畳み可能に支承され、片側の側パネル4は折り畳まれた荷支持台1を背パネル2との間で挟むように内側へ折り畳み可能に支承された荷運搬台車であって、左右両側パネル3,4は、その下辺部材6の水平板部6bで荷支持台1の左右両側辺を支持している平行姿勢から荷支持台1側へ揺動した傾斜姿勢へ揺動自在に構成され、左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bには係止孔24,25が設けられ、荷支持台1の左右両側辺には、左右両側パネル3,4が前記傾斜姿勢にあるときには前記係止孔24,25に対し上下に嵌脱自在であって、左右両側パネル3,4が前記平行姿勢にあるときには前記係止孔24,25から前記下辺部材6の水平板部6bの下側に入り込むように先端が内向きに折曲した係止片32と、左右両側パネル3,4を前記平行姿勢から前記傾斜姿勢に揺動するのを阻止する係止状態と左右両側パネルが前記平行姿勢から前記傾斜姿勢に揺動するのを許す係止解除状態とに切り換え自在なロック手段33とが配設された折り畳み可能な荷運搬台車において、前記係止孔24,25は、左右両側パネル3,4の下辺部材6の前端部下側に取り付けられている車輪取付座板10c,10dに重なる位置に設けられ、当該車輪取付座板10c,10dと前記下辺部材6の水平板部6bとの間に前記係止片32の内向き折曲部が入り込む空間が形成された構成となっている。
上記構成の本発明を実施するについて、具体的には請求項2に記載のように、前記係止孔24,25の下側に重なる位置にある車輪取付用座板10c,10dには、前記係止孔24,25の前後に隣接するように一段高い取付面13a,13bを一体形成し、この前後一対の上段取付面13a,13b間に前記係止片32の内向き折曲部が入り込む空間を形成することができる。
また、請求項3に記載の本発明によれば、荷支持台1、この荷支持台1の後側辺から立ち上がる背パネル2、荷支持台1の左右両側辺から立ち上がる側パネル3,4、及び背パネル2の左右両端下側と左右両側パネル3,4の前端下側とに配設された車輪5a〜5dを備え、荷支持台1は背パネル2の内側に沿う起立姿勢に折り畳み可能に支承され、片側の側パネル4は折り畳まれた荷支持台1を背パネル2との間で挟むように内側へ折り畳み可能に支承された荷運搬台車であって、左右両側パネル3,4は、その下辺部材6の水平板部6bで荷支持台1の左右両側辺を支持している平行姿勢から荷支持台1側へ揺動した傾斜姿勢へ揺動自在に構成され、左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bには係止孔24,25が設けられ、荷支持台1の左右両側辺には、左右両側パネル3,4が前記傾斜姿勢にあるときには前記係止孔24,25に対し上下に嵌脱自在であって、左右両側パネル3,4が前記平行姿勢にあるときには前記係止孔24,25から前記下辺部材6の水平板部6bの下側に入り込むように先端が内向きに折曲した係止片32と、左右両側パネル3,4を前記平行姿勢から前記傾斜姿勢に揺動するのを阻止する係止状態と左右両側パネルが前記平行姿勢から前記傾斜姿勢に揺動するのを許す係止解除状態とに切り換え自在なロック手段33とが配設された折り畳み可能な荷運搬台車において、前記ロック手段33は、左右両側パネル3,4が前記平行姿勢にあるときに前記下辺部材6の水平板部6bの内側辺に隣接する下位置と当該下辺部材6の水平板部6bの上面より高い上位置との間で垂直に昇降移動自在な昇降ロック部材34を備え、左右両側パネル3,4が前記傾斜姿勢にある状態で荷支持台1が降下するときには、前記昇降ロック部材34が前記下辺部材6の水平板部6bの上面で突き上げられて前記上位置に上昇する構成となっている。
更に、請求項4に記載の本発明によれば、荷支持台1、この荷支持台1の後側辺から立ち上がる背パネル2、荷支持台1の左右両側辺から立ち上がる側パネル3,4、及び背パネル2の左右両端下側と左右両側パネル3,4の前端下側とに配設された車輪5a〜5dを備え、荷支持台1は背パネル2の内側に沿う起立姿勢に折り畳み可能に支承され、片側の側パネル4は折り畳まれた荷支持台1を背パネル2との間で挟むように内側へ折り畳み可能に支承された荷運搬台車であって、左右両側パネル3,4は、その下辺部材6の水平板部6bで荷支持台1の左右両側辺を支持している平行姿勢から荷支持台1側へ揺動した傾斜姿勢へ揺動自在に構成され、左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bには係止孔24,25が設けられ、荷支持台1の左右両側辺には、左右両側パネル3,4が前記傾斜姿勢にあるときには前記係止孔24,25に対し上下に嵌脱自在であって、左右両側パネル3,4が前記平行姿勢にあるときには前記係止孔24,25から前記下辺部材6の水平板部6bの下側に入り込むように先端が内向きに折曲した係止片32と、左右両側パネル3,4を前記平行姿勢から前記傾斜姿勢に揺動するのを阻止する係止状態と左右両側パネルが前記平行姿勢から前記傾斜姿勢に揺動するのを許す係止解除状態とに切り換え自在なロック手段33とが配設された折り畳み可能な荷運搬台車において、前記ロック手段33は、左右両側パネル3,4が前記平行姿勢にあるときに前記下辺部材6の水平板部6bの内側辺に隣接する下位置と当該下辺部材6の水平板部6bの上面より高い上位置との間で水平軸心の周りに上下揺動自在に軸支された揺動ロック部材41を備え、左右両側パネル3,4が前記傾斜姿勢にある状態で荷支持台1が降下するときには、前記揺動ロック部材41が前記下辺部材6の水平板部6bの上面で突き上げられて前記上位置に揺動する構成となっている。
上記請求項3や請求項4に記載の本発明を実施する場合、請求項5に記載のように、荷支持台1の左右両側辺に配設された前記ロック部材34,41を、左右水平方向の軸杆35により互いに連動連結し、当該軸杆35の中間に、当該軸杆35を介して左右一対のロック部材34,41を同時に前記下位置から上位置に切り換える操作部36を形成することができる。
更に、請求項6に記載のように、荷支持台1には、その左右両側辺の前端に、左右両側パネル3,4が前記傾斜姿勢になったときに当該左右両側パネル3,4の前端垂直支柱7aが当接する凹入側面1a,1bを形成しておくことができる。
上記構成の本発明に係る折り畳み可能な荷運搬台車によれば、使用状態において左右両側パネルと荷支持台とを結合する結合手段が、折り畳まれない側の側パネルの下辺部材の水平板部に設けられた係止孔と、荷支持台の左右両側辺に設けられた係止片及びロック手段から成るもので、平面視L形に折り畳んだ荷運搬台車の入り隅側、即ち、ネスティング時に他の折り畳まれた荷運搬台車を受け入れる側に突出するような部材を必要とするものではなく、前記係止片やロック手段などは、背パネルと折り畳まれた片側の側パネルとの間に挟まれる荷支持台が備えているので、従来のように、複数台の荷運搬台車どうしを水平方向に入れ子式にネスティングするときに、左右両側パネルと荷支持台とを結合する結合手段の構成部材によって他の荷運搬台車の外側面に傷がついたり、当該構成部材そのものが変形して後の使用に差し支えるような事態を招く恐れがなくなる。
更に本発明によれば、左右両側パネルの下辺部材の前端側に必要な車輪の位置を後方に移動させることなく、前記係止孔を左右両側パネルの下辺部材の前端に十分寄せて配設することができ、左右両側パネルの平行姿勢から傾斜姿勢への揺動角度を小さく抑えることができる。換言すれば、平行姿勢にあるときの左右両側パネルと荷支持台との間に大きな隙間を生ぜしめないで済む。しかも、係止孔から下方に突出する荷支持台側の係止片を車輪取付座板で保護する状態となり、荷運搬台車の移動時に前記係止片が地上側の突出物などに衝突して変形するような恐れもない。尚、請求項2に記載の構成によれば、車輪取付用座板と左右両側パネルの下辺部材との間に前記係止片の内向き折曲部が入り込む空間を確保するためのシムプレートを別途使用する必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
前記ロック手段は、例えば左右両側パネルの下辺部材に設けた孔に上下方向に嵌脱自在なロック部材を備えたものや、左右水平方向に横動自在なロック部材で、進出限位置にあるときに平行姿勢の左右両側パネルの下辺部材の内側辺に隣接して当該左右両側パネルが傾斜姿勢側へ揺動するのを阻止し、後退限位置にあるときに左右両側パネルが傾斜姿勢に揺動するのを許すようなロック部材を備えたものとして実施することもできるが、特に請求項3や請求項4に記載の本発明の構成によれば、左右両側パネルの下辺部材側に対するロック部材係合孔などの特別な加工が不要であるだけでなく、左右両側パネルの水平揺動方向に対して垂直な上下方向に移動するロック部材で左右両側パネルを平行姿勢に保持させるものであるから、その保持力が強力であるにもかかわらず保持解除も容易に行える。
上記請求項3や請求項4に記載の本発明を実施する場合に請求項5に記載の構成によれば、荷支持台の左右両側辺に配設されているロック部材を、その両者の中間位置で1つの操作部を操作するだけで、同時に下位置から上位置に垂直上昇動作または揺動動作させることができ、左右一対のロック部材を各別に操作しなければならない場合と比較して操作性が改善される。
尚、請求項6に記載の構成によれば、折り畳み状態の荷運搬台車を展開させるとき、水平姿勢に達する直前の荷支持台に対して左右両側パネルを内側(荷支持台側)に傾動させ、その前端垂直支柱を荷支持台の左右両側辺前端の凹入側面に当接させるだけで、荷支持台側の係止片が左右両側パネルの下辺部材の係止孔に下向きに嵌合し得る傾斜姿勢に保持されるので、荷支持台側の係止片を左右両側パネルの下辺部材の係止孔に下向きに嵌合させる操作が簡単容易且つ確実に行える。しかも、左右両側パネルを傾斜姿勢で停止させる専用の別部材を取り付ける必要もなく、安価に実施することができる。
荷運搬台車全体の構成は、図1に示す従来のものと基本的に同一であって、荷支持台1、背パネル2、左右両側パネル3,4、車輪5a〜5dから成るもので、各パネル2〜4は、門形周囲枠材7、この門形周囲枠材7の前後の垂直支柱の下端間をつなぐ下辺部材6、門形周囲枠材7の上端水平部材と下辺部材6との間に適当間隔おきに架設された縦桟材8、及び門形周囲枠材7の前後の垂直支柱間に上下複数段に架設された横桟材9から構成されている。
以下、本発明の具体的実施例を図2〜図7に基づいて説明すると、各パネル2〜4の下辺部材6は、門形周囲枠材7や縦桟材8の外側に沿って起立する垂直板部6aと、各パネル2〜4の内側(荷支持台1のある側)へ延出する水平板部6bとを有するアングル材で構成され、背パネル2の下辺部材6の両端下側に車輪5a,5bの取付座板10a,10bがそれぞれ2本のボルトナット11で取り付けられ、左右両側パネル3,4の下辺部材6の前端近傍下側に車輪5c,5dの取付座板10c,10dがそれぞれ2本のボルトナット12で取り付けられている。
各車輪取付座板10a〜10dは正方形の同一構造のもので、図8及び図9に示すように、隣接する2つの角部に一段高く形成された上段取付面13a,13bと、他の2つの角部をつなぐように形成された下段取付面14と、この下段取付面14と同一高さで2つの上段取付面13a,13b間に形成された凹入段部15とを備えている。尚、各車輪取付座板10a〜10dの各角部上面には取付用ボルト孔16a〜16dが設けられ、各車輪取付座板10a〜10dの中央には、これら車輪取付座板10a〜10dの下側に取り付けられる車輪(自在車輪)5a〜5dの回転垂直軸心となる筒軸17の上端がカシメにより固着されている。而して、図5及び図6に示すように、背パネル2の両端下側に配置される車輪5a,5bの取付座板10a,10bは、その上段取付面13a,13bが内側に位置する状態で左右対称に配置されると共に、それぞれの下段取付面14の上に上段取付面13a,13bとの間の段差を丁度埋める厚さのシムプレート18,19が重ねられ、これらシムプレート18,19の上に背パネル2の下辺部材6の両端が重なると共にその内側で一方の上段取付面13aまたは13bの上に背パネル2の下辺部材6が重なる状態で、当該背パネル2の下辺部材6の水平板部6bに車輪取付座板10a,10bが、それぞれ2つの取付用ボルト孔16b,16cまたは16a,16d(図8参照)と2本のボルトナット11により取り付けられている。
前記シムプレート18,19には、背パネル2の下辺部材6から前方に突出する部分に垂直ピン20,21が突設されている。これら垂直ピン20,21は、その下端が各車輪取付座板10a,10bの取付用ボルト孔16dまたは16c(図8参照)に嵌合することにより、これらシムプレート18,19の周り止めを兼ねている。また、側パネル3側のシムプレート18は、その下側の車輪取付座板10aから更に前方に所要長さだけ延出する延出部18aを備え、当該延出部18aの先端には、上向きに突出する突出片18bが折曲形成されている。
左右両側パネル3,4の前端近傍下側に配置される車輪5c,5dの取付座板10c,10dは、その上段取付面13a,13bが外側に位置する状態で左右対称に配置され、これら上段取付面13a,13bの上に左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bが重なる状態で、当該左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bに車輪取付座板10c,10dが、それぞれ2つの取付用ボルト孔16a,16b(図8参照)と2本のボルトナット12により取り付けられている。尚、左右両側パネル3,4の下辺部材6に対する車輪取付座板10c,10dの取付位置は、左右両側パネル3,4の門形周囲枠材7の前端垂直支柱7aがこれら車輪取付座板10c,10dよりも前方に所要距離だけ突出する位置となっている。
左右両側パネル3,4の下辺部材6は、同一構造のものを左右対称になるように向きを変えて使用している。換言すれば、左右両側パネル3,4は下辺部材6を含む全体構造が同一のもので、下辺部材6の垂直板部6aが外側に位置するように向きを変えて配置している。従って、左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bには、その両端近傍位置に、前記のように車輪取付座板10c,10dを取り付けるためのそれぞれ2つのボルト孔22,23が設けられると共に、これら各2つのボルト孔22,23の中間位置それぞれに係止孔24,25が設けられている。これら係止孔24,25は、下辺部材6の長さ方向に沿って長く且つ水平板部6bの内側辺6c側が巾広の台形状のもので、当該係止孔24,25と水平板部6bの内側辺6cとの間の部分が一段高くなるようにプレス加工されて係止板部24a,25aを形成している。更に、左右両側パネル3,4の下辺部材6には、左右両側パネル3,4の門形周囲枠材7における両端垂直支柱7a,7bと同心状に、前記車輪取付座板10a,10bに重ねられたシムプレート18,19から突出する垂直ピン20,21が丁度嵌入するピン孔26,27が設けられている。
従って、折り畳まれない側の側パネル3の下辺部材6には、前側に位置する2つのボルト孔22を利用して車輪取付座板10cが取り付けられ、当該2つのボルト孔22の中間位置の係止孔24が後述する荷支持台係止用の係止孔として車輪取付座板10cの上側に重なり、背パネル2側に位置する2つのボルト孔23とその中間位置の係止孔25とが遊ぶことになり、この荷支持台係止用の係止孔として使用されない背パネル2側に位置する係止孔25が当該側パネル3の揺動規制用係止孔25として使用される。また、折り畳まれる側の側パネル4の下辺部材6には、前側に位置する2つのボルト孔23を利用して車輪取付座板10dが取り付けられ、当該2つのボルト孔23の中間位置の係止孔25が後述する荷支持台係止用の係止孔として車輪取付座板10dの上側に重なり、背パネル2側に位置する2つのボルト孔22とその中間位置の係止孔24とが遊ぶことになる。このとき、車輪取付座板10c,10dの上に重なる荷支持台係止用の係止孔24,25は、当該車輪取付座板10c,10dにおける上段取付面13a,13b間(凹入段部15の上方)に位置することになり、これら係止孔24,25の内側に隣接する各係止板部24a,25aと車輪取付座板10c,10dとの間に、前記係止孔24,25からL形に連なる空間が形成されることになる。
上記構成の左右両側パネル3,4は、その下辺部材6の背パネル2側に位置するピン孔26,27を、背パネル2の各車輪取付座板10a,10bに固定されたシムプレート18,19から突出する垂直ピン20,21に嵌合させることにより、門形周囲枠材7における背パネル2側の垂直支柱7bを軸にして左右に揺動可能に支持される。このとき、折り畳まれない側の側パネル3の下辺部材6の背パネル2側に位置する揺動規制用係止孔25にシムプレート18の延出部先端の突出片18bが嵌合するので、側パネル3の揺動範囲は、突出片18bの巾と係止孔25の巾との差分の僅かな角度範囲内に制限される。
尚、図1に示すように、左右両側パネル3,4の門形周囲枠材7における背パネル2側の垂直支柱7bと当該垂直支柱7bの真後ろに位置する背パネル2の門形周囲枠材7における左右両端の垂直支柱7a,7bとは、従来周知のとおり連結部材28,29により、左右両側パネル3,4が門形周囲枠材7における背パネル2側の垂直支柱7bを軸にして左右に揺動が可能な状態で且つ、左右両側パネル3,4が背パネル2から上方に離脱しない状態(ピン孔26,27と垂直ピン20,21とが上下に離脱しない状態)に連結されている。
背パネル2の下辺部材6には、図4に示すようにその水平板部6b上に適当間隔を隔てて2つの水平支軸30が片持ち状に付設されており、荷支持台1の後側辺には、前記2つの水平支軸30に対して同時に嵌合可能に2つの筒軸31が付設されている。而して荷支持台1は、両筒軸31を背パネル2側の2つの水平支軸30に嵌合させることにより、背パネル2の下辺部材6に対して前記水平支軸30の周りで上下揺動自在に支承されるが、左右両側パネル3,4が図4に示すように背パネル2に対して直角前方に延出する平行姿勢にある状態で荷支持台1を前方下方に回倒させることにより、図3に示すように、当該荷支持台1の左右両側辺が左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bに支持されるように構成されている。またこのとき、左右両側パネル3,4の下辺部材6に設けられている係止孔24,25のほぼ全体が、荷支持台1の左右両側辺に隣接して露出するように構成されている。
荷支持台1の左右両側辺の前端部には、図3及び図4に示すように、平行姿勢の左右両側パネル3,4の下辺部材6で支持されたときに左右両側パネル3,4の門形周囲枠材7における前側垂直支柱7aの内側に隣接する部分が角形に切除されて凹入側面1a,1bが形成されている。従って、左右両側パネル3,4が平行姿勢から互いに接近する内側へ揺動するのを制限されない状況において、左右両側パネル3,4を平行姿勢から内側へ揺動させたとき、図10に示すように、左右両側パネル3,4の門形周囲枠材7における前側垂直支柱7aが荷支持台1側の前記凹入側面1a,1bに当接して、それ以上の内側への揺動が制限された傾斜姿勢となる。
荷支持台1の左右両側辺には、左右両側パネル3,4の下辺部材6の車輪取付用座板10c,10dに重なる位置にある荷支持台係止用の係止孔24,25に対応して係止片32が付設されている。これら係止片32は、左右両側パネル3,4が図10に示す傾斜姿勢にあるときには、前記荷支持台係止用(側パネル3,4の前端側)の係止孔24,25に対し上下に嵌脱自在であって、左右両側パネル3,4が図3に示す平行姿勢にあるときには、前記荷支持台係止用の係止孔24,25から、これら係止孔24,25の内側に隣接する各係止板部24a,25aと車輪取付座板10c,10dとの間の空間に入り込むように先端が内向きに折曲されたものである。
また、この荷支持台1の前側辺には、ロック手段33が設けられている。このロック手段33は、荷支持台1の前記凹入側面1a,1bの内側に隣接して配置された左右一対の昇降ロック部材34と、これら両昇降ロック部材34を連動連結する水平軸杆35と、両昇降ロック部材34の中央位置で前記水平軸杆35に設けられた操作部36とから構成されている。具体的には、1本の水平軸杆35の両端を直角下向きに折曲して左右一対の昇降ロック部材34を形成すると共に、当該水平軸杆35の中央部分を直角下向きに横長U字状に折曲して前記操作部36を形成している。そしてこの水平軸杆35を、荷支持台1の前側辺に沿って形成した左右一対の昇降案内溝部37a,37bに嵌合させ、両端の昇降ロック部材34を荷支持台1の底面から下方に突出させると共に、中間の操作部36を荷支持台1の前側から差し入れた足先などで上方に押し上げることができるように構成している。尚、荷支持台1の荷支持面を構成する天板1cには、前記左右一対の昇降案内溝部37a,37b間で操作部36の上方を覆うカバー部1dが設けられ、水平軸杆35が上方に離脱しないように構成している。1eは、操作部36を荷支持台1の前側から操作するのを可能にするために、荷支持台1の前側辺に形成した切り欠き部である。
尚、荷支持台1の左右両側辺で前記係止片32の直前位置には、荷支持台1に内蔵されたスプリングの付勢力で図示の突出位置に保持された半球面形の係止部材38が設けられいる。この左右一対の係止部材38は、荷支持台1を背パネル2の内側に沿う起立姿勢に回動させたとき、左右両側パネル3,4の門形周囲枠材7における背パネル2側の垂直支柱7bを後ろ側に通過するときに当該垂直支柱7bによって付勢力に抗して退入せしめられ、当該垂直支柱7bを後ろ側に通過し終わったとき、付勢力で図示の突出位置に復帰して、起立した荷支持台1が元の水平姿勢側へ回倒するのを防止するものである。
上記構成の折り畳み可能な荷運搬台車は、使用していないとき、図2に示すように荷支持台1を背パネル2の内側に沿って起立する姿勢に折り畳むと共に、その起立姿勢の荷支持台1を背パネル2との間で挟むように、折り畳みできる側の側パネル4を内側へほぼ90度水平に揺動させ、全体を平面視L形に折り畳むことができる。このとき、図2及び図7に示すように、背パネル2側に固定された状態で前方に突出するシムプレート18の先端突出片18bが側パネル3の下辺部材6の後端側に位置する揺動規制用係止孔25に嵌合しているため、折り畳まれない側の側パネル3は、突出片18bの巾と係止孔25の巾との差分の僅かな角度範囲内でのみ左右に揺動できるだけで、実質的に背パネル2に対しほぼ直角の姿勢に保持されている。
上記の折り畳み状態では、折り畳まれない側の側パネル3の下辺部材6から内側に突出する部材は何も存在しない。また、左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6bの下側面は、車輪取付用座板10a〜10dの上段取付面13a,13bの上面と同一レベルのシムプレート18,19の上面と同一レベルであって、これら左右両側パネル3,4の前側の車輪取付用座板10c,10dで下辺部材6の水平板部6bから内側に突出する下段取付面14よりもシムプレート18,19の厚さ分だけ高いので、上記のように荷運搬台車を折り畳んだとき、折り畳まれる側の側パネル4の前側の車輪取付用座板10dで下辺部材6から突出する部分(下段取付面14の部分)は、背パネル2の下辺部材6の下側に無理なく進入する。また、同様に折り畳んだ別の荷運搬台車を、平面視L形の内側(入り隅側)に入れ子式に水平にネスティングさせるとき、内側の荷運搬台車の折り畳まれない側パネル3の下辺部材6は、外側の荷運搬台車の折り畳まれない側パネル3の前側の車輪取付用座板10cの下辺部材6から突出する部分(下段取付面14の部分)の上に無理なく重なることができる。
尚、車輪取付用座板10a〜10dは平面視で正方形の全て同一構造同一サイズのものであって、図2で明らかなように、側パネル4を背パネル2と平行な折り畳み姿勢にしたとき、この側パネル4の前側の車輪取付用座板10dが背パネル2の下辺部材6の下側に入り込むが、背パネル2の外側(後ろ側)には突出しないサイズ、換言すれば、各車輪取付用座板10a〜10dの幅(奥行き)は、側パネル4を背パネル2と平行な折り畳み姿勢にしたときの両パネル2,4の下辺部材6の外側面間距離とほぼ同一になるように構成している。また、全ての車輪取付用座板10a〜10dを同一構造に構成しながら、側パネル3,4の下辺部材6と車輪取付用座板10c,10dとの間には、シムプレートが不要な構成となっている。
上記の折り畳み状態から荷運搬台車を展開して使用するときは、先ず、折り畳まれている側パネル4を背パネル2に対してほぼ直角前方向きに開動させる。このときの側パネル4の回転中心軸は、当該側パネル4の門形周囲枠材7における背パネル2側の垂直支柱7bであって、背パネル2側の車輪取付用座板10bにシムプレート19を介して固定された状態の垂直ピン21であることは明らかである。
次に荷支持台1を、背パネル2側の水平支軸30の周りに手前下方に回倒させるのであるが、図11に示すように、荷支持台1が水平近くの姿勢まで回倒して、その左右両側辺の前端部の凹入側面1a,1bの外側に左右両側パネル3,4の門形周囲枠材7における前側の垂直支柱7aが位置する状態になったとき、図10及び図12に示すように、左右両側パネル3,4を荷支持台1側へ揺動させ、当該左右両側パネル3,4を、その門形周囲枠材7における前側の垂直支柱7aが荷支持台1の左右両側辺前端の凹入側面1a,1bに当接する傾斜姿勢に変化させる。このとき、背パネル2側の車輪取付用座板10aに固定された状態の垂直ピン20を軸として揺動する側パネル3は、シムプレート18の突出片18bの巾と係止孔25の巾との差分によって平行姿勢から傾斜姿勢への揺動が許容されている。
左右両側パネル3,4が傾斜姿勢になったとき、図11及び図12に示すように荷支持台1の左右両側辺の係止片32は、左右両側パネル3,4の下辺部材6の前端側(荷支持台係止用)の係止孔24,25の真上に位置すると共に、荷支持台1から下方に突出する下位置にあるロック手段33の左右一対の昇降ロック部材34が左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6bの上方に位置するので、そのまま荷支持台1を更に下方に回倒して、当該荷支持台1の左右両側辺を傾斜姿勢の左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6bの上に当接載置させたとき、図13に示すように、荷支持台1側の左右一対の係止片32が左右両側パネル3,4の下辺部材6の前端側(荷支持台係止用)の係止孔24,25内に嵌入すると共に、荷支持台1側の左右一対の昇降ロック部材34が左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6bで突き上げられ、水平軸杆35及び操作部36と共に重力に抗して垂直に上昇する。係る状態で左右両側パネル3,4を傾斜姿勢から元の平行姿勢まで外側へ揺動させると、図3、図14〜図16に示すように、荷支持台1側の左右一対の係止片32が左右両側パネル3,4の下辺部材6の前端側(荷支持台係止用)の係止孔24,25内から係止板部24a,25aの下側空間内に入り込むと共に、荷支持台1側の左右一対の昇降ロック部材34が左右両側パネル3,4の下辺部材6から内側に外れて水平軸杆35及び操作部36と共に重力で降下し、当該下辺部材6の水平板部6bの内側辺に隣接する下位置に復帰する。
この結果、左右両側パネル3,4が平行姿勢を超えて外側に揺動することは、荷支持台1側の左右一対の係止片32の基部とこれら係止片32に被さっている左右両側パネル3,4側の係止板部24a,25aの係止孔24,25側の側辺との左右方向の当接により阻止され、左右両側パネル3,4が平行姿勢から再び傾斜姿勢に揺動することは、荷支持台1側の下位置にある左右一対の昇降ロック部材34と左右両側パネル3,4の下辺部材6の内側辺(水平板部6bの内側辺)との左右方向の当接により阻止され、更に荷支持台1が側パネル3,4に対して上方に回動することは、荷支持台1側の左右一対の係止片32とこれら係止片32に被さっている左右両側パネル3,4側の係止板部24a,25aとの上下方向の当接により阻止される。
尚、図16に示すように、荷支持台1の左右両側辺が傾斜姿勢の左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6b上に載るときや当該下辺部材6の水平板部6b上で左右両側パネル3,4が傾斜姿勢と平行姿勢との間で左右に揺動するとき、当該下辺部材6の水平板部6b上に突出しているシムプレート18の突出片18bや係止板部24a,25aが荷支持台1の左右両側辺と干渉するのを避けるために、荷支持台1の左右両側辺を構成する側板には切り欠き部39,40が設けられている。また、図示省略しているが、上記の状況において、左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bに車輪取付用座板10c,10dを取り付けている2本のボルトナット12の水平板部6bから突出するボルト頭部が荷支持台1の左右両側辺と干渉して、荷支持台1の左右両側辺が傾斜姿勢の左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6b上に当接載置させることができないときは、この干渉を避けることができるように、荷支持台1の左右両側辺を構成する側板に切り欠き部を設けるかまたは、当該ボルト頭部が水平板部6bから突出しない構造にすれば良い。
以上のように荷運搬台車を展開して組み立てることにより、荷運搬台車として使用することができるのであるが、この荷運搬台車を図2に示す平面視L形に折り畳んでネスティングするときは、図3Bに仮想線で示すように、ロック手段33の操作部36を足先などで上向きに押し上げ、水平軸杆35を介して左右一対の昇降ロック部材34を、その下端が左右両側パネル3,4における下辺部材6の水平板部6bの上面よりも若干高くなる上位置まで上昇させる。これによって左右両側パネル3,4が平行姿勢から互いに接近する傾斜姿勢へ水平揺動することができる状態になるので、当該左右両側パネル3,4を内側に寄せるように揺動させ、図10に示す傾斜姿勢に切り換える。この結果、図13に示すように、荷支持台1側の左右一対の係止片32が左右両側パネル3,4の下辺部材6における係止板部24a,25aの真下位置から係止孔24,25の真下位置へ移動し、当該係止片32が係止孔24,25から上方に離脱可能な状態となり、荷支持台1を上方に回動させることができる。
荷支持台1を上方にほぼ90度回動させて、背パネル2の内側に沿って起立する姿勢に折り畳んだならば、側パネル4を内側へほぼ90度水平に揺動させ、起立姿勢の荷支持台1を背パネル2と折り畳んだ側パネル4とで挟んで、図2に示すように荷運搬台車全体を平面視L形に折り畳むことができる。
尚、上記実施形態では、左右両側パネル3,4の下辺部材6の水平板部6bに設けた係止孔24,25に隣接する係止板部24a,25aを、その下側に荷支持台1側の係止片32を入り込ませる空間を確保するために、上側に突出させて一段高くなるように構成したが、図17に示すように、車輪取付用座板10c,10dの下段取付面14に対する上段取付面13a,13bの高さHを大きくして、両上段取付面13a,13b間の凹入段部15に必要な深さを確保すれば、左右両側パネル3,4の下辺部材6における前記係止板部24a,25aが下辺部材6の水平板部6bより一段高くなるように成形する必要はなく、当該下辺部材6の平坦な水平板部6bに単に係止孔24,25を穿設するだけで良い。
また、上記実施形態では、ロック手段33のロック部材として、垂直に昇降する昇降ロック部材34を使用したが、図18に示すように、垂下姿勢から前後何れか一方(図示例は前方)に所定角度だけ揺動した傾動姿勢との間で水平軸心の周りに上下揺動自在な揺動ロック部材41を使用することもできる。この場合、揺動ロック部材41が前記垂下姿勢にあって、当該揺動ロック部材41の先端部が左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6bより下方に突出し得る姿勢が下位置となり、当該揺動ロック部材41が前記傾動姿勢にあって、その先端が左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6bの上面より上方に位置する状態が上位置となるが、当該揺動ロック部材41の先端面を、図示のように斜め後方下方(傾動姿勢への揺動方向が後方向きであるときは、斜め前方下方)に面するように斜めに傾斜させておくことにより、荷支持台1が回倒して傾斜姿勢にある左右両側パネル3,4の下辺部材6における水平板部6bの上に当接載置されるとき、下位置(垂下姿勢)にある揺動ロック部材41の先端41aが前記下辺部材6の水平板部6bにより突き上げられて傾動姿勢の方に回動し、当該揺動ロック部材41が上位置(傾動姿勢)に自動的に切り換わる。即ち、昇降ロック部材34と同様の作用を行わせることができる。勿論、上記のように揺動ロック部材41の先端面を斜めに傾斜させる代わりに、揺動ロック部材41の先端部そのものを斜めに曲げることもできるし、下位置(垂下姿勢)にあるときの揺動ロック部材41が若干上位置(傾動姿勢)側に傾斜しているように、揺動ロック部材41の上下揺動範囲を規制しておくこともできる。
上記の揺動ロック部材41は、先の実施形態において昇降ロック部材34を両端に形成し且つ中間に操作部36を折曲形成した水平軸杆35の両端に、昇降ロック部材34に代えて折曲形成することができる。この場合、水平軸杆35は、その軸心の周りに自転のみ可能に荷支持台1の前側辺に沿って支承される。また、操作部36を足先などで上方に引き上げるように回転操作することにより、水平軸杆35を介して左右一対の揺動ロック部材41を同時に人為的に下位置(垂下姿勢)から上位置(傾動姿勢)に切り換えることができるように構成される。また、ロック部材34,41を下位置側に積極的に付勢するスプリングを併用しても良い。