JP4375120B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行するパイロット噴射モードが可能な燃料噴射装置に関する。
(従来技術)
ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下、エンジン)では、燃焼時の着火遅れ期間中に噴射された燃料の燃焼は急激であり、局部的に爆発的な燃焼を伴う拡散燃焼となり、ディーゼルノック(騒音、振動)を引き起こす原因になっている。
このディーゼルノックの対策として、メイン噴射に先立って、微少量の燃料を噴射するパイロット噴射を行い、メイン噴射の前に燃焼室内に予混合燃焼を生成し、着火遅れを短くすることにより爆発的な燃焼を防止して、ディーゼルノックを低減する技術が知られている。
パイロット噴射量を最適に補正する技術として、次の2つの技術が知られている。
(1)従来技術1として、期待される目標着火時期に対して、燃焼室内のイオン電流値から推定される実着火時期に時差がある場合、その時差分を無くす方向へパイロット噴射量をフィードバック補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
(2)従来技術2として、ノック発生期間中におけるノックセンサの出力する振動値が最小となるように、パイロット噴射量をフィードバック補正する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
(従来技術の問題点)
上記従来技術1、2は、最適なパイロット噴射量をフィードバック制御により探索する技術であるため、エンジンの運転状態が急激に変化した場合、パイロット噴射量を最適値にするまでに時間がかかってしまう。即ち、エンジンの運転状態が急激に変化してから、パイロット噴射量が最適値になるまでの長い時間内では、最適なパイロット噴射量が得られない。また、追従性を上げると、外乱などにより制御値(パイロット噴射量)が発散する可能性がある。
特開平10−252542号公報 特開昭62−291452号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの運転状態が急激に変化しても、最適なパイロット噴射量が得られるとともに、経時変化等が生じてもパイロット噴射量を適正値に学習補正する燃料噴射装置の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用する燃料噴射装置は、エンジンの運転状態に応じた複数の運転領域毎に、パイロット噴射量を補正する学習値を記憶する。具体的には、エンジンの運転領域を複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに分け、複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに応じた学習値を記憶する。このため、エンジンの運転状態が急激に変化しても、急変した後の学習値でパイロット噴射量を補正するため、最適なパイロット噴射量が得られる。即ち、エンジンの運転状態が急激に変化しても、最適なパイロット噴射量が得られる。
また、期待される目標着火時期に対して、イオン電流値から推定される実着火時期に時差がある場合、その時差分を無くす学習値を求めてその運転領域の学習値を更新する。このため、経時変化等によりパイロット噴射量が適正値からズレた場合でも、パイロット噴射量が適正値に学習補正される。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用する燃料噴射装置は、上記請求項1の手段と同様、エンジンの運転状態に応じた複数の運転領域毎に、パイロット噴射量を補正する学習値を記憶する。具体的には、エンジンの運転領域を複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに分け、複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに応じた学習値を記憶する。このため、エンジンの運転状態が急激に変化しても、急変した後の学習値でパイロット噴射量を補正するため、最適なパイロット噴射量が得られる。即ち、エンジンの運転状態が急激に変化しても、最適なパイロット噴射量が得られる。
また、ノック発生期間中におけるノックセンサの検出する振動値が最小となるように、その運転領域の学習値を更新する。このため、経時変化等が生じてもパイロット噴射量を適正値に保つことができる。
最良の形態1の燃料噴射装置は、インジェクタと、コモンレールと、イオン電流センサと、学習値記憶手段および学習値更新手段を備えた制御装置とからなる。
インジェクタは、高圧燃料を噴射する。
イオン電流センサは、インジェクタが燃料を供給する気筒内のイオン電流値を検出する。
制御装置は、エンジンの運転状態に応じてインジェクタを開閉駆動制御する。
学習値記憶手段は、エンジンの運転状態を複数の運転領域に分け、各運転領域毎にパイロット噴射量を補正する学習値を記憶する。具体的には、エンジンの運転領域を複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに分け、複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに応じた学習値を記憶する。
学習値更新手段は、期待される目標着火時期に対して、イオン電流値から推定される実着火時期に時差がある場合、その時差分を無くす学習値を求めて、その運転領域の学習値を更新させる。
最良の形態2の燃料噴射装置は、インジェクタと、コモンレールと、ノックセンサと、学習値記憶手段および学習値更新手段を備えた制御装置とからなる。
インジェクタは、高圧燃料を噴射する。
ノックセンサは、インジェクタが燃料を供給するエンジンの振動を検出する。
制御装置は、エンジンの運転状態に応じてインジェクタを開閉駆動制御する。
学習値記憶手段は、エンジンの運転状態を複数の運転領域に分け、各運転領域毎にパイロット噴射量を補正する学習値を記憶する。具体的には、エンジンの運転領域を複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに分け、複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに応じた学習値を記憶する。
学習値更新手段は、パイロット噴射を開始してからメイン噴射による燃焼が完了するまでのノック発生期間中におけるノックセンサの検出する振動値が最小となるように、その運転領域の学習値を更新する。
本発明をコモンレール式燃料噴射装置に適用した実施例1を図1〜図4を参照して説明する。まず、コモンレール式燃料噴射装置の構成を図1を参照して説明する。
コモンレール式燃料噴射装置は、例えばディーゼルエンジン1に燃料噴射を行うシステムであり、コモンレール2、インジェクタ3、サプライポンプ4、ECU5(エレクトリック・コントロール・ユニットの略:制御装置に相当する)等から構成される。
エンジン1は、吸入・圧縮・爆発・排気の各工程を連続して行う気筒を複数備えたものであり、図1では一例として4気筒エンジンを例に示すが、他の気筒数のエンジンであっても良い。
コモンレール2は、インジェクタ3に供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器であり、燃料噴射圧に相当するコモンレール圧が蓄圧されるように燃料配管(高圧燃料流路)6を介して高圧燃料を圧送するサプライポンプ4の吐出口と接続されている。
なお、インジェクタ3からのリーク燃料は、リーク配管(燃料還流路)7を経て燃料タンク8に戻される。
また、コモンレール2から燃料タンク8へのリリーフ配管(燃料還流路)9には、プレッシャリミッタ11が取り付けられている。このプレッシャリミッタ11は圧力安全弁であり、コモンレール2内の燃料圧が限界設定圧を超えた際に開弁して、コモンレール2の燃料圧を限界設定圧以下に抑える。
インジェクタ3は、エンジン1の各気筒毎に搭載されて燃料を各気筒内に噴射供給するものであり、コモンレール2より分岐する複数の高圧燃料配管の下流端に接続されて、コモンレール2に蓄圧された高圧燃料を各気筒に噴射供給する。なお、インジェクタ3の詳細は後述する。
サプライポンプ4は、コモンレール2へ高圧燃料を圧送する燃料ポンプであり、燃料タンク8内の燃料をサプライポンプ4へ吸引するフィードポンプと、このフィードポンプによって吸い上げられた燃料を高圧に圧縮してコモンレール2へ圧送する高圧ポンプとを搭載しており、フィードポンプおよび高圧ポンプは共通のカムシャフト12によって駆動される。なお、このカムシャフト12は、図1に示されるように、エンジン1のクランク軸13等によって回転駆動されるものである。
また、サプライポンプ4には、高圧ポンプに吸引される燃料の量を調整するポンプ制御弁(以下、SCV)14が搭載されており、このSCV14がECU5によって調整されることにより、コモンレール圧が調整されるようになっている。
(インジェクタ3の説明)
次に、インジェクタ3の構造および作動原理を図2を参照して説明する。
インジェクタ3は、圧力制御室(背圧室)31の圧力を電磁弁32で制御してニードル33を駆動する2バルブタイプであり、ECU5より電磁弁32に噴射指令(パルスON)が与えられると、電磁弁32の弁体32aがリフトアップを開始すると同時に、出口オリフィス34が開いて、入口オリフィス35で減圧された圧力制御室31の圧力が低下を開始する。
圧力制御室31の圧力が開弁圧以下まで低下すると、ニードル33が上昇を開始する。ニードル33がノズルシート36から離座すると、ノズル室37とボディ38に形成された燃料噴射孔38aとが連通し、ノズル室37に高圧供給された燃料が燃料噴射孔38aから噴射される。そして、ニードル33の上昇に従い、噴射率が上昇する。
ECU5より電磁弁32に与えられている噴射指令が停止(パルスOFF )すると、電磁弁32の弁体32aがリフトダウンを開始する。そして、電磁弁32の弁体32aが出口オリフィス34を閉じると、圧力制御室31の圧力が上昇を開始する。圧力制御室31の圧力が閉弁圧以上まで上昇すると、ニードル33が下降を開始する。ニードル33が下降して、ニードル33がノズルシート36に着座すると、ノズル室37と燃料噴射孔38aの連通が遮断されて、燃料噴射孔38aからの燃料噴射が停止する。
(ECU5の基本構成)
ECU5は、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、スタンバイRAMまたはEEPROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路等の機能を含んで構成されている周知構造のマイクロコンピュータよりなる。なお、この実施例では、ECU5と一体にEDU(エレクトリック・ドライブ・ユニットの略:インジェクタ駆動回路およびポンプ駆動回路)が搭載されている例を示すが、EDUをECU5とは別に搭載しても良い。
ECU5は、読み込まれたセンサ類の信号(エンジンパラメータ:乗員の運転状態を含むエンジン1の運転状態に応じた信号)に基づいて各種の演算処理を行うようになっている。
ECU5には、エンジンパラメータを検出するセンサ類として、図1に示すように、アクセル開度を検出するアクセルセンサ21、エンジン回転数を検出する回転数センサ22、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ23、コモンレール圧を検出するコモンレール圧センサ24、および各気筒における燃焼室内のイオン電流値を検出するイオン電流センサ25等が接続されている。
なお、イオン電流センサ25は、例えば燃焼室内に挿入されるグロープラグにイオン電流検出機能を併せ持たせたものであり、燃焼室内にイオンが発生した際に、そのイオンによってイオン電流が流れる構成となっており、イオン電流が流れるとその電流量に応じた信号をECU5に出力するようになっている。
ECU5は、燃料の各噴射毎に、ROMに記憶されたプログラム(マップや演算式等)と、RAMに読み込まれたエンジンパラメータとに基づいて、インジェクタ3の駆動制御(噴射制御)と、サプライポンプ4におけるSCV14の駆動制御(開度制御)とを実行する。
ECU5は、インジェクタ3の駆動制御のプログラムとして、噴射タイミング算出機能と、噴射期間算出機能とを備える。
ECU5は、SCV14の駆動制御のプログラムとして、SCV開度算出機能を備える。
噴射タイミング算出機能は、現運転状態に応じた理想の着火時期(期待される目標着火時期)で着火を開始するための基本噴射時期Tを求め、この基本噴射時期Tに噴射を開始させるための噴射指令タイミングを求め、この噴射指令タイミングにおいてEDUのインジェクタ駆動回路に噴射開始信号(具体的には噴射信号のON)を発生させる制御プログラムである。
噴射期間算出機能は、現運転状態に応じた目標噴射量Qを求め、その目標噴射量Qを得るための指令噴射期間を求め、この指令噴射期間に亘って噴射を実行させる噴射継続信号(具体的には噴射信号のONの継続期間)を発生させる制御プログラムである。
SCV開度算出機能は、現運転状態に応じた目標のコモンレール圧P(コモンレール供給圧)を求め、コモンレール圧センサ24で検出される実コモンレール圧が、目標のコモンレール圧PとなるSCV開度を算出し、算出されたSCV開度がSCV14で得られるようにEDUのポンプ駆動回路に開弁信号(例えば、PWM信号)を発生させる制御プログラムである。
一方、ECU5は、燃料の各噴射毎に、ROMに記憶されたプログラム(マップや演算式等)と、RAMに読み込まれたエンジンパラメータとに基づいて、「パイロット噴射モード」または「単噴射モード」の切り替えを行うように設けられている。
ここで、「パイロット噴射モード」は、1度の噴射期間内に「パイロット噴射→インターバル→メイン噴射」を行う噴射形態であり、「単噴射モード」は、1度の噴射期間内に「メイン噴射のみ(単噴射)」を行う噴射形態である。
パイロット噴射モードを具体的に説明すると、ECU5は、パイロット噴射モードを決定すると、パイロット噴射量Qpと、メイン噴射量Qmの決定を行うとともに、パイロット噴射の噴射時期(パイロット噴射時期)、パイロット噴射の終了からメイン噴射の開始までのインターバル(噴射停止期間)を算出する(インターバルの終了時がメイン噴射の噴射時期となる)。
ここで、パイロット噴射量Qpは、ROMに記憶されたプログラム(マップや演算式等)と、RAMに読み込まれたエンジンパラメータとに基づいて算出される基本パイロット噴射量Qpaに、基本パイロット噴射量Qpaを補正する学習値Qpiを加算した値(Qp=Qpa+Qpi)である。
また、メイン噴射量Qmは、目標噴射量Qから、パイロット噴射量Qpを減算した値(Qm=Q−Qp)である。
パイロット噴射を図3を参照して具体的に説明する。
パイロット噴射は、図3の上段に示すように、(1)パイロット噴射開始時期(実噴射開始時期より噴射遅れ分だけ早い時期)に達すると、(2)インジェクタ3を開弁させる駆動パルス(指令値ON)をパイロット指令期間TQp(パイロット噴射量Qpに基づいて算出された値)に亘って出力し、(3)インジェクタ3を閉弁させる駆動パルス停止(指令値OFF )をインターバルTintの期間行い、(4)再びインジェクタ3を開弁させる駆動パルス(指令値ON)をメイン指令期間TQm(メイン噴射量Qmに基づいて算出された値)に亘って出力するものである。
これによって、インジェクタ3の噴射率は、図3の下段に示すように変化し、パイロット噴射モードが実行される。
(実施例1における第1の特徴)
次に、基本パイロット噴射量Qpaを補正する学習値Qpiについて説明する。
パイロット噴射量を最適に補正する既存技術として、(1)期待される目標着火時期に対して、燃焼室内のイオン電流値から推定される実着火時期に時差がある場合に、その時差分を無くす方向へパイロット噴射量Qpをフィードバック補正する技術と、(2)ノック発生期間中におけるノックセンサ26(符号、図5参照)の出力する振動値が最小となるように、パイロット噴射量Qpをフィードバック補正する技術が知られている。
しかし、上記(1)、(2)に示す技術は、最適なパイロット噴射量Qpをフィードバック制御により探索する技術であるため、エンジン1の運転状態が急激に変化した場合、パイロット噴射量Qpを最適値にするまでに時間がかかってしまい、エンジン1の運転状態が急激に変化してから、パイロット噴射量Qpが最適値になるまでの長い間、最適なパイロット噴射量Qpが得られない。
そこで、この実施例1におけるECU5の記憶装置(学習値記憶手段の機能を果たす)は、複数の運転領域毎に応じて、基本パイロット噴射量Qpaを補正するための学習値Qpiを記憶する。
具体的に、この実施例1の記憶装置は、図4に示すように、運転領域(エンジンパラメータ)を、複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに区分し、複数の噴射時期領域と複数のコモンレール圧領域に応じた学習値Qpiを、各インジェクタ3毎に記憶するものである。なお、図4中におけるG11、G12、G13等は、各運転領域毎に記憶された学習値Qpiである。
なお、この実施例1における複数の噴射時期領域は、噴射タイミング算出機能で求められる基本噴射時期Tを複数に区分したものである。
また、複数のコモンレール圧領域は、SCV開度算出機能で求められる目標のコモンレール圧Pを複数に区分したものであっても良いし、コモンレール圧センサ24で検出される実コモンレール圧を複数に区分したものであっても良い。
この実施例1のコモンレール式燃料噴射装置は、各インジェクタ3に対応して、運転状態に応じた複数の運転領域毎(複数の噴射時期領域と複数のコモンレール圧領域に応じた運転領域毎)に、パイロット噴射量Qpを補正する学習値Qpiを記憶するものであるため、運転状態が急激に変化しても、急変した後の学習値Qpiで基本パイロット噴射量Qpaを補正できる。
即ち、エンジン1の運転状態が急激に変化した場合でも、急変後の運転状態に応じた学習値Qpiを記憶装置から読み込むことで、各インジェクタ3において最適なパイロット噴射量Qpが得られる。
(実施例1における第2の特徴)
一方、インジェクタ3などの経時変化によって、最適なパイロット噴射量Qpが得られない場合が想定される。
そこで、ECU5には、各インジェクタ3毎において、ECU5によって算出される目標着火時期に対して、イオン電流センサ25の検出するイオン電流値から推定される実着火時期に時差がある場合、その時差分を無くす学習値Qpiを求めて、その運転領域(噴射時期とコモンレール圧で区分される運転領域)における学習値Qpiを更新させる学習値更新手段の機能が設けられている。
学習値更新手段の機能を具体的に説明すると、所定の学習条件が成立し(暖機後など)、目標着火時期に対してイオン電流値から推定される実着火時期に時差があると、目標着火時期と実着火時期を一致させる学習値Qpiを算出する(即ち、時差を0にする学習値Qpiを算出する)。そして、時差がある時の学習値Qpiと、時差を0にする学習値Qpiとの差が所定値を超えている時に、時差を0にする学習値Qpiをその運転領域における学習値Qpiとして記憶するものである。
実施例1のコモンレール式燃料噴射装置は、上述したように、期待される目標着火時期に対して、イオン電流値から推定される実着火時期に時差がある場合、その時差分を無くす学習値Qpiを求めてその運転領域の学習値Qpiを更新するため、経時変化等により実際に噴射されるパイロット噴射量Qpが適正値(ECU5が算出したパイロット噴射量Qp)からズレる事態が生じても、各インジェクタ3毎において実際のパイロット噴射量Qpが適正値に自動的に学習補正される。
(実施例1の変形例)
上記の実施例1では、目標着火時期に対して実着火時期に時差がある場合、時差を0にする学習値Qpiを求めて、古い学習値Qpiを新しい学習値Qpiに更新する例を示した。
これに対し、古い学習値Qpiを新しい学習値Qpiにする学習補正値(学習値の補正量)を求め、その学習補正値によって古い学習値Qpiを新しい学習値Qpiに更新しても良い。
上記の実施例1では、目標着火時期に対して実着火時期に時差がある場合、各運転領域毎において古い学習値Qpiを新しい学習値Qpiに更新する例を示した。
これに対し、一箇所の運転領域において古い学習値Qpiを新しい学習値Qpiに更新する場合、その変化量に各運転領域の学習値Qpiに係数をかけるなどして、各運転領域毎の学習値Qpiを新しい学習値Qpiに一斉更新するように設けても良い。
実施例2を図5を参照して説明する。なお、実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
実施例2のコモンレール式燃料噴射装置は、実施例1で示したイオン電流センサ25に代わって、エンジン1の振動を検出するノックセンサ26を備える。
このノックセンサ26は、各気筒のディーゼルノックを検出可能な位置(例えば、エンジン1の中央部近傍)に配置され、所定のクランク角間(パイロット噴射からメイン噴射の燃焼が完了するまでのノック発生期間)において、エンジン振動を検出するものであり、所定周波数成分(ノックを検出するのに適した周波数)におけるピーク値を検出するものである。
(実施例2における第1の特徴)
この実施例2のコモンレール式燃料噴射装置は、実施例1と同様、複数の運転領域毎(複数の噴射時期領域と複数のコモンレール圧領域に応じた運転領域毎)に応じて、基本パイロット噴射量Qpaを補正するための学習値QpiをECU5の記憶装置(学習値記憶手段の機能を果たす)に記憶する。この運転領域毎の学習値Qpiは、各インジェクタ3毎に記憶される。
このため、実施例1と同様、運転状態が急激に変化しても、各インジェクタ3において急変した後の学習値Qpiで基本パイロット噴射量Qpaを補正できる。即ち、エンジン1の運転状態が急激に変化した場合でも、急変後の運転状態に応じた学習値Qpiを記憶装置から読み込むことで、各インジェクタ3において最適なパイロット噴射量Qpが得られる。
(実施例2における第2の特徴)
この実施例2は、上記実施例1に対して、学習値Qpiの更新方向が異なるものである。この実施例2における学習値更新手段の機能は、各インジェクタ3毎において、パイロット噴射を開始してからメイン噴射による燃焼が完了するまでのノック発生期間中におけるノックセンサ26の検出する振動値(ピーク値に応じた出力)が最小となるように、その運転領域の学習値Qpiを更新するものである。
学習値更新手段の機能を具体的に説明すると、所定の学習条件が成立している状態では(暖機後など)、ノックセンサ26の検出する振動値が最小となるように、その運転領域の学習値Qpiを常時更新するものである。
ノックセンサ26の検出する振動値が最小となるように、その運転領域の学習値Qpiを求める技術を説明する。
(1)例えば、ある運転領域から他の運転領域に移行した場合、移行先の運転領域の学習値Qpiで基本パイロット噴射量Qpaを補正してパイロット噴射量Qpを決定する。そして、この時の振動値(K1)を記憶する。
(2)次のパイロット噴射時は、前回の学習値Qpiを所定量減少させた新学習値Qpiで基本パイロット噴射量Qpaを補正してパイロット噴射量Qpを決定する。そして、この時の振動値(K2)を記憶する。
前回の振動値(K1)と、今回の振動値(K2)とを比較し、前回の振動値(K1)より今回の振動値(K2)が小さい場合は、前回の振動値(K1)より今回の振動値(K2)が大きくなるまで前回の学習値Qpiを所定量減少させる制御を繰り返す。
(3)前回の振動値(K1)より今回の振動値(K2)が大きくなると、次のパイロット噴射時は、前回の学習値Qpiを所定量増加させた新学習値Qpiで基本パイロット噴射量Qpaを補正してパイロット噴射量Qpを決定する。そして、この時の振動値(K2)を記憶する。
前回の振動値(K1)と、今回の振動値(K2)とを比較し、前回の振動値(K1)より今回の振動値(K2)が小さい場合は、前回の振動値(K1)より今回の振動値(K2)が大きくなるまで前回の学習値Qpiを所定量増加させる制御を繰り返す。
(4)前回の振動値(K1)より今回の振動値(K2)が大きくなると、上記(2)の制御へ戻る。
そして、上記(2)〜(4)を繰り返し、学習値Qpiのフィードバック制御を常時実行する。
実施例2のコモンレール式燃料噴射装置は、上述したように、ノック発生期間中におけるノックセンサ26の検出する今回の振動値(K2)が最小となるように、その運転領域の学習値Qpiを更新するものであるため、経時変化等が生じても各インジェクタ3毎においてパイロット噴射量Qpを適正値に保つことができる。
(実施例2の変形例)
上記の実施例2では、フィードバック制御の開始時に、前回の学習値Qpiを所定量減少させた新学習値Qpiで基本パイロット噴射量Qpaを補正する例を示した。
これに対し、フィードバック制御の開始時に、前回の学習値Qpiを所定量増加させた新学習値Qpiで基本パイロット噴射量Qpaを補正しても良い。
上記の実施例2では、ノックセンサ26の検出する今回の振動値(K2)が前回より小さくなるように、その運転領域の学習値Qpiを「常時」更新する例を示した。
これに対し、ノックセンサ26の検出する振動値(K2)が予め設定した値を超えた時に、ノックセンサ26の検出する今回の振動値(K2)が前回より小さくなるように、その運転領域の学習値Qpiを更新しても良い。
[変形例]
上記の実施例1、2では、パイロット噴射モードの一例として、メイン噴射の前に、1回のパイロット噴射を実行する例を示した。
これに対し、メイン噴射の前に、複数回のパイロット噴射(プレ噴射)を実行させても良い。
上記の実施例1、2では、電磁弁32を搭載する2バルブタイプのインジェクタ3を用いる例を示したが、リニアソレノイド(ピエゾアクチュエータ等)が直接ニードル33を駆動するインジェクタを搭載する燃料噴射装置に本発明を適用しても良い
コモンレール式燃料噴射装置の概略図である(実施例1)。 インジェクタの概略断面図である(実施例1)。 パイロット噴射モードを説明するタイムチャートおよび線図である(実施例1)。 噴射時期とコモンレール圧とに応じて記憶される学習値のイメージマップである(実施例1)。 コモンレール式燃料噴射装置の概略図である(実施例2)。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 コモンレール
3 インジェクタ
5 ECU(制御装置:学習値記憶手段、学習値更新手段を含む)
25 イオン電流センサ
26 ノックセンサ

Claims (2)

  1. (a1)高圧燃料を噴射するインジェクタと、
    (b1)このインジェクタが燃料を供給する気筒内のイオン電流値を検出するイオン電流センサと、
    (c1)内燃機関の運転状態に応じて前記インジェクタを開閉駆動制御する制御装置と、
    (d1)この制御装置に設けられ、前記内燃機関の運転状態を複数の運転領域に分け、各運転領域毎にパイロット噴射量を補正する学習値を記憶する学習値記憶手段と、
    (e1)前記制御装置に設けられ、期待される目標着火時期に対して、前記イオン電流センサの検出するイオン電流値から推定される実着火時期に時差がある場合、その時差分を無くす学習値を求めて、その運転領域の学習値を更新する学習値更新手段と、
    (f1)前記インジェクタに供給される高圧燃料を蓄圧するコモンレールとを備え、
    前記学習値記憶手段は、学習値を記憶する前記複数の運転領域を、複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに分け、前記複数の噴射時期領域と前記複数のコモンレール圧領域に応じた学習値を記憶することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. (a2)高圧燃料を噴射するインジェクタと、
    (b2)このインジェクタが燃料を供給する内燃機関の振動を検出するノックセンサと、
    (c2)前記内燃機関の運転状態に応じて前記インジェクタを開閉駆動制御する制御装置と、
    (d2)この制御装置に設けられ、前記内燃機関の運転状態を複数の運転領域に分け、各運転領域毎にパイロット噴射量を補正する学習値を記憶する学習値記憶手段と、
    (e2)前記制御装置に設けられ、パイロット噴射を開始してからメイン噴射による燃焼が完了するまでのノック発生期間中における前記ノックセンサの検出する振動値が最小となるように、その運転領域の学習値を更新する学習値更新手段と、
    (f2)前記インジェクタに供給される高圧燃料を蓄圧するコモンレールとを備え、
    前記学習値記憶手段は、学習値を記憶する前記複数の運転領域を、複数の噴射時期領域と、複数のコモンレール圧領域とに分け、前記複数の噴射時期領域と前記複数のコモンレール圧領域に応じた学習値を記憶することを特徴とする燃料噴射装置
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