JP4373584B2 - 紙葉類の結束装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、有価証券等の紙葉類を所定枚数ずつ積層し、帯状材を用いて結束する紙葉類の結束装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、有価証券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置は、多数枚の有価証券が投入される供給部と、供給部から1枚ずつ取り出された有価証券を所定の搬送路に沿って区分部へ搬送する搬送装置と、区分された有価証券を所定枚数ずつ集積し結束する結束装置と、を備えている。
【0003】
結束装置は、所定枚数、例えば、100枚の有価証券が積層配置される積層板、互いに対向して配置され集積板上に集積される有価証券の両側縁部をガイドする一対のガイド板、積層された有価証券に帯状材を供給する帯供給装置、供給された帯状材を積層有価証券に巻き付ける帯折り曲げ装置、帯状材を熱圧着する圧着装置等を備えている。
【0004】
上記結束装置では、まず、羽根車等によって1枚ずつ送られてきた有価証券を一対のガイド板でガイドしながら積層板上に積層し、所定枚数集積された時点で、集積有価証券に帯状材を供給し、積層有価証券の周囲に巻き付ける。その後、熱圧着装置のヒータを帯状材に押し付け、予め帯状材に塗布された粘着剤を溶融することにより、帯状材の端部同志が熱圧着により貼り合わされる。そして、帯状材により結束された有価証券は排出装置により積層板上から排出される。
【0005】
近年、上記のような紙葉類処理装置では、寸法の異なる多種多様の紙葉類を処理できることが望まれている。そこで、例えば特開平10−265117号公報に開示された紙葉類検査機の結束装置によれば、一対のガイド部材は相対的に移動可能に設けられ、集積する紙葉類の幅に応じてガイド部材間の間隔を調整可能に構成されている。
【0006】
そして、ガイド部材間の間隔を調整するガイド移動機構は、それぞれガイド部材に直接取り付けられた一対のガイドホルダと、これらのガイドホルダにそれぞれ螺合した一対のスクリューシャフトと、を備え、これらのスクリューシャフトの回転運動を直線運動に変換して駆動することにより一対のガイド部材を移動させ、紙葉類の中心軸線を基準としてガイド部材間の間隔を調整している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された結束装置によれば、処理する紙葉類の幅に応じてガイド部材間の間隔を調整することができ、種々の紙葉類に対応することが可能となる。しかしながら、上記構成の場合、ガイド部材に対する各ガイドホルダの取付け位置、および一対のガイドホルダ間の相対位置が高い精度で設定されていないと、集積される紙葉類の中心軸線位置が所望位置からずれてしまう恐れがあり、取付け調整が面倒であった。
【0008】
また、幅の異なる紙葉類を帯状材によって結束する場合、紙葉類の幅に応じて帯状材の長さも調整する必要がある。帯状材が長すぎると、帯状材が余り無駄が生じるとともに、短すぎると、帯状材が足りず結束できないという問題が生じる。一方、集積された紙葉類に帯状材を大きく1回巻きつけ、余った部分を巻き取って熱圧着する方法も考えられるが、この場合、工程数が多く処理時間が掛かる。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、種々のサイズの紙葉類を処理可能であるとともに調整が容易な紙葉類の結束装置を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、帯状材の長さを容易に調整でき、種々のサイズの紙葉類を処理可能な紙葉類の結束装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る紙葉類の結束装置は、中心軸線を有したほぼ矩形状の紙葉類が一枚ずつ順に積層される積層部と、上記積層部の近傍で互いに対向して配設されているとともに互いに接離する方向に移動可能に支持され、上記積層部に積層される紙葉類の上記中心軸線を挟んで対向する一対の側縁をガイドする第1および第2ガイド部材と、上記積層される紙葉類の中心軸線を基準として上記第1および第2ガイド部材を互いに接離する方向に移動させ、積層される紙葉類の幅に応じて上記第1および第2ガイド部材間の間隔を調整する調整機構と、上記積層部上に積層された紙葉類に帯状材を巻き付けて結束する結束部と、を備え、上記調整機構は、上記第1および第2ガイド部材に連結されたリンク機構と、上記リンク機構を駆動する駆動部と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、この発明に係る紙葉類の結束装置によれば、上記調整機構の駆動部は、上記積層される紙葉類の中心軸線とほぼ平行に伸びたリードスクリューと、上記リードスクリューを回転駆動する駆動源と、上記リードスクリューに係合しているとともに上記リンク機構に連結され、上記リードスクリューの回転に応じて上記中心軸線とほぼ平行な方向に移動するガイドホルダと、を備えていることを特徴としている。
【0012】
上記のように構成された結束装置によれば、第1および第2ガイド板の間隔を紙葉類の幅に応じて調整することができ、種々の紙葉類を処理することができる。また、第1および第2ガイド板の間隔を調整する調整機構は、ガイド板に連結されたリンク機構とこのクランク機構を駆動する駆動部とを備えた構成であることから、各リンクの取付けを調整することで、一対のガイド板を紙葉類の中心軸を基準として容易に位置出しすることができ、容易に紙葉類のセンタ出しを行なうことができる。
【0013】
一方、この発明に係る他の紙葉類の結束装置は、中心軸線を有したほぼ矩形状の紙葉類が一枚ずつ順に積層される積層部と、上記積層部の近傍で互いに対向して配設されているとともに互いに接離する方向に移動可能に支持され、上記積層部に積層される紙葉類の上記中心軸線を挟んで対向する一対の側縁をガイドする第1および第2ガイド部材と、上記集積される紙葉類の中心軸線を基準として上記第1および第2ガイド部材を互いに接離する方向に移動させ、集積される紙葉類の幅に応じて上記第1および第2ガイド部材間の間隔を調整する調整機構と、上記積層部上に積層された紙葉類に帯状材を巻き付けて結束する結束部と、を備え、上記結束部は、積層される紙葉類の幅方向に沿って上記積層部上に帯状材を供給する帯供給機構と、上記供給された帯状材を切断するカッタ部と、積層される紙葉類の幅に応じて上記カッタ部を移動させ、帯状材の長さを調整するカッタ移動機構と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
上記構成の結束装置によれば、結束する紙葉類の幅に合わせて帯状材の長さを調整することができ、帯状材の無駄を無くし、かつ、種々の紙葉類を確実に結束することができる。また、本発明によれば、カッタ部は、第1および第2ガイド板の移動に連動して移動し帯状材の切断位置を調整するように構成されている。そのため、帯状材の長さ調整を容易にかつ効率よく行なうことができるとともに、カッタ部を移動させるための独立したアクチュエータを設ける必要がなく、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明に紙葉類処理装置を、有価証券の処理装置に適用した実施の形態について詳細に説明する。まず、図1を参照して、処理装置全体の構成を概略的に説明する。
【0016】
有価証券の処理装置10は、投入された紙葉類として、矩形状の有価証券を1枚づつ取出して検査および計数した後、一定枚数、例えば100枚毎に集積し帯状材により結束する装置である。詳細には、処理装置10は、所定枚数、例えば1000枚の有価証券を一単位として処理可能に構成され、処理装置の右端部には、1000枚の有価証券を積層状態で一括して順次自動投入する投入装置12が設けられている。
【0017】
処理装置10は、投入された有価証券を1枚ずつ取出す取出し部14、取出された有価証券を所定の搬送路16に沿って搬送する搬送装置17、搬送されている有価証券から模様、寸法、搬送ピッチ等の情報を検出する判別部18、検出結果に応じて有価証券の搬送方向を区分する区分部20、区分された有価証券を100枚ずつ集積し結束する集積結束部24、および廃棄処分される有価証券を裁断および収納する失効部23を備えている。
【0018】
取出し部14は吸着回転ローラ14aを備え、この吸着回転ローラは投入装置12から有価証券Pを1枚ずつ所定のピッチで取出して搬送装置17へ受け渡す。搬送装置17は、所定の搬送路16に沿って配設された複数の搬送ベルト、駆動プーリ、駆動モータ等によって構成されている。
【0019】
判別部18は、搬送中の有価証券の重ね取りを検知する重ね取り検知部、有価証券Pに付された模様を読み取る読取装置、有価証券Pの枚数を計数する計数装置等を備えて構成され、搬送路16に沿って順に配設されている。
【0020】
判別部18において計数、模様読み取り、長さ検出された有価証券はその検出結果に応じて複数種類、例えば、きれいな券と、汚損の激しい券と、廃棄券とに分けられ、各種類毎に集積結束部24あるいは失効部23へ送られる。
【0021】
集積結束部24は、有価証券の種類に応じた2つの把結束装置24a、24bを備えている。これらの把結束装置24a、24bの下方には、結束された把を搬送する把搬送装置22が設けられている。結束把は、この把搬送装置22によって大束結束部21へ搬送され、ここで所定の把数ずつ、例えば10把ずつ大帯によって結束され、その後、排出装置15により所定の部位へ排出される。
【0022】
なお、把結束装置24a、24bはそれぞれ同一の構成を有しているため、把結束装置24aを代表してその構成を説明する。
図2に示すように、本実施の形態に係る把結束装置24aは集積装置を一体に備えて構成され、所定枚数、例えば、100枚の有価証券毎に集積された把を帯状材により結束する。
【0023】
全体の構成を概略的に説明すると、把結束装置24aは、細長い矩形板状の集積板26、搬送路17を通して搬送されてきた有価証券を受けとめて集積板26上に順次集積する集積羽根車装置27、集積板26上に帯状材Bを供給する帯供給切断機構28、集積板26上に集積された把を上から押さえるスイーパ装置30、集積された把をその長手方向を軸として湾曲させる湾曲装置32、帯状材Bを把の左側面側から巻き付ける帯折曲げ装置34、帯状材Bを把の右側側面に押さえ付ける帯拘束装置36、帯状材Bを熱圧着する熱圧着装置37、結束された把を集積板26上から排出する把排出装置38を備えて構成されている。これらの各装置は、処理装置10の図示しない支持フレームに支持されている。また、帯供給切断機構28、帯折曲げ装置34、帯拘束装置36、熱圧着装置37はこの発明における結束部を構成している。
【0024】
図2および図3に示すように、積層部として機能する集積板26は、その後端部が支持シャフト39により回動自在に支持され、通常、水平状態に保持されている。集積板26には、その長手方向に延びる一対の長孔40が形成されているとともに、先端部両側縁には、それぞれ切欠41が形成されている。
【0025】
集積板26の両側には、有価証券Pの両側縁をガイドし両側縁を揃えて集積板上に集積させるための第1および第2ガイド板42、43が立設されている。また、帯供給切断機構28は、帯状材Bが巻回された図示しない帯リールを備え、この帯リールから供給された帯状材をガイドするほぼ水平なガイドレールを有し、その先端は第1ガイド板42の近傍に位置している。帯状材Bとしては、熱で溶融する粘着剤が一面に塗布されたテープが使用されている。また、帯供給切断機構28は、帯状材Bを所定長さに切断するための後述のロータリカッタを備えている。
【0026】
帯供給切断機構28により供給された帯状材Bは、第1ガイド板42の下端に形成された切欠45を通って集積板26上へ繰り出され、更に、第2ガイド板43の下端に形成された切欠46を通り第2ガイド壁43の外方まで所定長さ繰り出される。切欠45、46は、それぞれ帯状材Bの幅とほぼ等しい幅に形成され、帯状材Bは集積板26上に繰り出される際、これらの切欠によってガイドされ左右の位置ずれが防止される。
【0027】
集積羽根車装置27は、第1および第2ガイド板42、43間に配設されて集積板26の上方に位置した羽根車50と、この羽根車を回転駆動する集積モータ52と、を備えている。羽根車50は、円周方向に沿って離間して放射状に延びる多数の羽根を2列に並べて構成されている。なお、図面の複雑化を避けるため、これらの羽根は、その外周縁を2点鎖線で示すことにより簡略化して図示している。
【0028】
搬送路17を通って送られてきた有価証券Pは、回転している集積羽根車50の羽根間に保持されて下方へ搬送された後、羽根間から放出されて集積板26上に1枚ずつ順次集積される。その間、集積される有価証券Pは、第1および第2ガイド板42、43によって両側縁がガイドされ、これら両側縁が揃った状態で集積板26上に集積される。集積待機状態において、集積板26は水平な状態の集積位置に保持されている。そして、判別部18による検知の下、集積板26上に集積された有価証券Pが100枚になるまで集積工程が行なわれ、その結果、集積板26上でかつ繰り出された帯状材B上に100枚の有価証券Pからなる把Aが集積される。
【0029】
スイーパ装置30は、細長い板状のスイーパ56を備え、その後端は支持シャフト39により回動自在に支持されている。スイーパ56は、クランク機構57および図示しないスイーパモータにより、支持シャフト39の回りで回転駆動される。スイーパ56の先端部には、フォーク状の3本の押圧爪59が固定され前方および下方へ延出している。これらの押圧爪59の内、中央に位置した押圧爪は、両側に位置した押圧爪よりも下方への張り出し量が大きくなるように形成されている。
【0030】
有価証券Pの積層工程の間、スイーパ56は有価証券と干渉しないように、水平方向に対して70度上方へ傾斜した待機位置に保持されている。集積工程の終了信号を受け取ると、スイーパ56は集積板26に向かって回動され、押圧爪59は集積板26上の把A上面に押し付けられて把Aを集積板との間に挟持する。更に、スイーパ56は水平位置に対して−20度傾斜する結束位置まで更に回動され、集積板26、把A、および帯状材Bを結束位置まで回動させ保持する。
【0031】
湾曲装置32は集積板26の下方に設けられ、スイーパ56と共同して集積板26上の把Aをその長手軸を中心として湾曲させるように機能する。すなわち、スイーパ56が集積板26および把Aと共に結束位置まで回動して来ると、集積板26に形成された切欠41を通って把Aの下面両側部および帯状材Bに当接し、これらの部分を上方へ押し上げる。
【0032】
一方、スイーパ56の中央の押圧爪62aは、両側の押圧爪62bよりも下方へ多く張り出し形成されていることから、把Aは、その中心部が強く、両側縁部が弱く挟持されている。従って、これらの押圧爪62a、62bと湾曲レバー66の押圧突起72との相互作用により、把Aは両側縁部が上方へ押し上げられ、長手軸を中心として湾曲される。
【0033】
図6および図7に示すように、結束位置において、帯状材Bの内、把Aの右側から延出した後端部は、帯拘束装置36により把Aの右側面に沿って上方へ折曲げられる。すなわち、帯拘束装置36は、垂直方向に直立して設けられた拘束レバー78を備え、この拘束レバー78は、把Aが集積板26とともに結束位置へ回動してくると、把Aの右側から延出した帯状材Bの部分に当接し、この部分を把Aの右側面に沿って上方へ折曲げ保持する。
【0034】
また、帯状材Bの内、把Aの左側から延出した部分は、帯折曲げ装置34により、湾曲された把の左側面および押圧爪59の上面に沿うように折曲げられる。熱圧着装置37は把Aの右側から帯状材Bを押し倒しながら移動し、ストロークエンドにおいて重なった帯状材を上方から熱圧着する。そして、規定時間待機した後、初期位置に復帰する。この際、帯状材Bの左側部分の折曲げと右側部分の押し倒しとのタイミングについては、熱圧着装置37が作動開始すると直ちに帯折曲げ装置34が作動されるため、帯状材Bの左側部分が必ず先に折曲げられる。熱圧着装置の図示しないヒータは、帯状材Bの重ね合わせ部分に圧接してスイーパ56の押圧爪59との間に帯状材Bを挟持しこれを加熱する。そして、ヒータを所定時間だけ圧着位置に保持することにより、帯状材Bに塗布された粘着剤が溶融し、帯状材の先端部同志が互いに圧着される。
【0035】
圧着工程が終了した後、スイーパ56および湾曲装置32による把Aの拘束を解除する。それにより、把Aは自身の弾性により湾曲状態から平坦状態に復帰し、その結果、帯状材Bは結束張力が増加して把Aに強く結束する。そして、このような拘束解除動作後、結束された把Aは排出装置38により集積板26上から排出される。それにより、結束動作が終了する。
【0036】
上述した把結束装置24aにおいて、集積板26の両側に設けられた第1および第2ガイド板42、43は、集積、結束処理する有価証券Pの券幅に応じて、ガイド板間の間隔を調整可能に構成されている。
【0037】
詳細に述べると、これら第1および第2ガイド板42、43は、集積板26上に集積される有価証券の長手方向中心軸、すなわち、集積板26の長手方向中心軸を挟んで対向配置され、有価証券Pの中心軸を挟んで対向する一対の長辺をそれぞれガイドする。また、第1および第2ガイド板42、43は、後述するリンク機構により、互いに接離する方向に沿って、つまり、集積板26の中心軸とほぼ直交する方向に沿って、移動可能に支持されている。
【0038】
そして、図4ないし図6に示すように、把結束装置24aは、集積される有価証券Pの長手方向中心軸Cを基準として第1および第2ガイド板42、43を互いに接離する方向に移動させ、集積される有価証券の券幅に応じて第1および第2ガイド板間の間隔を調整する調整機構60を備えている。この調整機構60は、第1および第2ガイド板42、43に連結されこれらのガイド板を移動自在に支持したリンク機構62と、リンク機構を駆動する駆動部64と、を有している。また、調整機構60は、第1ガイド板42とほぼ平行に設けられたベース板66に支持されている。
【0039】
リンク機構62は、それぞれほぼT字形状を成した回動支持体67を有し、各回転支持体は、ベース板66の内面側に取付けられたブラケット68により、枢軸70の周りで回動自在に支持されている。これらの枢軸70はほぼ垂直方向に伸びている。そして、一対の回転支持体67は、集積される有価証券の長手方向中心軸Cと平行な方向に沿って互いに離間しているとともに、第1および第2ガイド板42、43間に配置されている。
【0040】
また、リンク機構62は、それぞれ一端が第1ガイド板42に固定され他端が回動支持体67に回転自在に連結された一対の第1リンク71と、それぞれ一端が第2ガイド板43に固定され他端が回動支持体67に回転自在に連結された一対の第2リンク72と、一対の回動支持体67同士を連結した連結リンク74と、を備え、第1および第2リンクは、長手方向中心軸Cとほぼ直交する方向に延びている。各回動支持体67において、第1リンク71の連結点と第2リンク72の連結点とは、枢軸70を挟んで両側に位置している。
【0041】
連結リンク74は、第1ガイド板42とベース板66との間をこれらと平行に延びているとともに、両端部はそれぞれ第1ガイド板42側に折り曲げられ長手方向中心軸Cとほぼ直交する方向に延びている。そして、連結リンク74の各端には、長手方向中心軸Cとほぼ直交する方向に延びた長孔74aが形成され、この長孔には、回動支持体67に立設された回動ピン75が摺動自在に係合している。
【0042】
上記リンク機構62により支持された第1および第2ガイド板42、43は、長手方向中心軸Cと平行に、かつ、長手方向中心軸Cに対して等間隔離間して位置している。そして、第1および第2ガイド板42、43は、回動支持体67が回動することにより、互いに接近あるいは離間する方向に移動される。
【0043】
一方、調整機構60の駆動部64は、ブラケット76によってベース板66の外面側に回転自在に支持されているとともに長手方向中心軸Cとほぼ平行に延びたリードスクリュー77と、ベース板66に取付けられているとともに歯車列78を介してリードスクリューを回転駆動するステッピングモータ80と、リードスクリュー77に螺合したガイドホルダ82と、を備えている。このガイドホルダ82は、連結リンク74の中途部に連結されている。
【0044】
ステッピングモータ80によってリードスクリュー77が回転されると、リードスクリューの回転運動は、ガイドホルダ82の直線運動に変換される。そして、連結リンク74はガイドホルダ82により、長手方向中心軸Cと平行な方向に直線移動される。また、連結リンク74が直線移動すると、この連結リンク74に連結された一対の回動支持体67は互いに同期して同一方向に回動し、その結果、第1および第2ガイド板42、43が、回動支持体の回動方向に応じて、互いに接離する方向に移動され、これらガイド板間の間隔が変化する。
【0045】
例えば、駆動部64により連結リンク74が図6(a)において下方に移動されると、図6(b)に示すように、一対の回動支持体67がそれぞれ枢軸70の周りで時計方向に回動される。それにより、第1および第2ガイド板42、43は、それぞれ第1および第2リンク71、72によって、互いに接近する方向に移動され、その結果、第1および第2ガイド板42、43間の間隔が狭くなる。この場合、第1および第2ガイド板42、43の移動量は同一であり、それぞれ長手方向中心軸Cを基準として調整される。
【0046】
このように、駆動部64によってリンク機構62の連結リンク74を移動させることにより、第1および第2ガイド板42、43間の間隔を任意に調整することができる。そして、第1および第2ガイド板42、43間の間隔は、処理する有価証券の券幅に応じて、すなわち、券幅とほぼ一致するように、調整機構60によって調整される。
【0047】
一方、上述した把結束装置24aにおいて、帯供給切断機構28は、集積、結束処理する有価証券Pの券幅に応じて帯状材Bの長さを調整可能に構成されている。詳細に説明すると、図2、および図7ないし図9に示すように、帯供給切断機構28は、図示しない帯リールから送り出された帯状材Bを集積板26に向けてガイドするガイドレール84およびガイド部材85を有し、帯状材Bの長手軸方向に沿って配設されている。これらのガイドレール84およびガイド部材85は支持ブラケット86に支持されている。
【0048】
この支持ブラケット86は第1ガイド板42にねじ止め固定され、第1ガイド板と一体的に移動可能となっている。そのため、第1ガイド板42が移動すると、これに連動して、ガイドレール84およびガイド部材85は、集積板26の長手方向中心軸Cと直交する方向、つまり、帯状材Bの軸方向に沿って移動される。更に、支持ブラケット86には、帯状材Bの軸方向と平行に延びたガイドロッド88が取付けられている。
【0049】
また、帯供給切断機構28は、カッタ部として、帯状材Bの供給路上に位置しているとともに帯状材Bの軸方向と直交する方向に延びたロータリカッタ90と、ロータリカッタを駆動するモータ91と、を備え、これらのロータリカッタおよびモータ91は、支持ブラケット92に取付けられている。この支持ブラケット92は、支持ブラケット86のガイドロッド88に摺動自在に係合し、支持ブラケット86に対し帯状材Bの軸方向に沿って相対移動可能に支持されている。
【0050】
更に、帯供給切断機構28は、カッタ移動機構として、支持ブラケット92を移動させるための回動アーム94を備えている。回動アーム94の一端は、第1枢軸96を介してブラケット95に回動自在に支持され、このブラケット95は、固定のベース板60に取付けられている。回動アーム94の中間部は、第2枢軸97を介して連結ブラケット98に回動自在に連結され、この連結ブラケットは第1ガイド板42に取付けられている。従って、回動アーム94は、第1ガイド板42の移動に連動して、第1枢軸96の周りで回動する。
【0051】
また、回動アーム94の他端は、第3枢軸100を介して支持ブラケット92に回動自在に連結されている。そのため、回動アーム94が回動することにより、支持ブラケット92が連動して移動され、支持ブラケット92上のロータリカッタ90も帯状材Bの軸方向に沿って移動する。
【0052】
ここで、第1枢軸96と第3枢軸100との間の距離は、第1枢軸96と第2枢軸97との間の距離の約2倍に設定されている。そのため、第1ガイド板42の移動に応じて回動アーム94が回動すると、ロータリカッタ90は、第1ガイド板42の移動量の約2倍だけ帯状材Bの軸方向に沿って移動される。従って、ロータリカッタ90による帯状材終端の切断位置が変化し、帯状材Bの長さを有価証券の券幅に応じて調整することができる。
【0053】
例えば、図10および図11に示すように、有価証券A1の幅に合わせて間隔が調整されていた第1および第2ガイド板42、43の間隔を、有価証券A1よりも幅が2dだけ広い有価証券A2の券幅に合わせて広げる場合を想定する。この場合、前述した調整機構60により、第1および第2ガイド板42、43を、それぞれ距離dだけ外側に移動させる。それにより、第1および第2ガイド板42、43間の間隔は2dだけ広がり、有価証券A2の幅とほぼ等しい間隔に調整される。
【0054】
一方、券幅が2dだけ広い有価証券A2の把を帯状材Bによって結束する場合、有価証券A1の把を結束する場合に比較して、帯状材Bを4dだけ長くする必要がある。そして、帯状材Bの長さ調整は以下の動作により行なう。
【0055】
図10に示すように、第2ガイド板43には帯センサ102が取付けられ、帯状材Bの供給路と対向して位置している。この帯センサ102は第2ガイド板43と一体的に移動する。そして、第1および第2ガイド板42、43の間隔が調整された後、帯供給切断機構28は、帯状材Bを集積板26上に繰り出し、第1ガイド板42および集積板26を介して第2ガイド板側から導出させる。この際、帯供給切断機構28は、帯センサ102によって帯状材Bの先端が検知された後、更に所定時間だけ帯状材Bを繰り出し、第2ガイド板43から長さLだけ導出させる。有価証券A1を結束する場合の帯状材Bの導出長さをL1とすると、有価証券A2を結束する場合の帯状材の導出長さは、L1+dに設定される。
【0056】
また、第1および第2ガイド板42、43の間隔を調整することにより第1ガイド板が距離dだけ外側に移動すると、この第1ガイド板42の移動に連動して、帯供給切断機構28の回動アーム94が第1枢軸96の周りで反時計方向に回動する。それにより、ロータリカッタ90は、帯状材Bの軸方向に沿って距離2dだけ第1ガイド板42から離れる方向に移動される。
【0057】
そして、上記のように、帯状材Bの先端側の導出長さをL1+dとし、かつ、帯状材Bの基端側の切断位置を2dだけ第1ガイド板42から離れる方向に移動させることにより、切断された帯状材B全体の長さは、有価証券A1を結束する帯状材に比較して、4dだけ長く調整される。従って、結束する有価証券の券幅に適した帯状材Bを得ることができる。
【0058】
以上のように構成された把結束装置およびこれを備えた紙葉類処理装置によれば、有価証券の集積をガイドする第1および第2ガイド板42、43の間隔を有価証券の券幅に応じて調整することができ、種々の紙葉類を処理することが可能となる。また、第1および第2ガイド板42、43の間隔を調整する調整機構60は、ガイド板に連結されたリンク機構62とこのクランク機構を駆動する駆動部64とを備えた構成であることから、各リンクの取付けを調整することで、一対のガイド板を有価証券の中心軸を基準として容易に位置出しすることができ、容易に有価証券のセンタ出しを行なうことができる。
【0059】
更に、結束する有価証券の券幅に合わせて帯状材Bの長さを調整することができ、帯状材の無駄を無くし、かつ、種々の紙葉類を確実に結束することができる。また、本実施の形態によれば、帯供給切断機構のカッタは、第1および第2ガイド板の移動に連動して移動し帯状材の切断位置を調整することから、帯状材の長さ調整を容易にかつ効率よく行なうことができるとともに、カッタを移動させるための独立したアクチュエータを設ける必要がなく、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0060】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、この発明に係る結束装置および紙葉類処理装置は、有価証券に限らず、他の紙葉類の処理にも適用できることは言うまでもない。また、帯供給切断機構のカッタは、ガイド板に連動して移動する構成としたが、これに限らず、独立して移動される構成としてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上の詳述したように、本発明によれば、種々のサイズの紙葉類を処理可能であるとともに調整が容易な紙葉類の結束装置、およびこれを備えた紙葉類処理装置を提供することができる。また、この発明によれば、帯状材の長さ容易に調整でき、種々のサイズの紙葉類を処理可能な紙葉類の結束装置、およびこれを備えた紙葉類処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る有価証券の処理装置全体を概略的に示す断面図。
【図2】上記処理装置における把結束装置全体を示す斜視図。
【図3】上記把結束装置の集積板上に有価証券を集積する工程を示す斜視図。
【図4】上記把結束装置のガイド板および調整機構を示す斜視図。
【図5】上記把結束装置のガイド板および調整機構を図4とは異なる方向から示す斜視図。
【図6】上記調整機構のリンク機構および駆動部を概略的に示す平面図。
【図7】上記把結束装置の帯供給切断機構を示す斜視図。
【図8】上記把結束装置の帯供給切断機構を図4とは異なる方向から見た斜視図。
【図9】上記帯供給切断機構を示す平面図。
【図10】上記調整機構および上記帯供給切断機構の調整動作を示す平面図。
【図11】券幅の異なる有価証券の把を結束した状態を概略的に示す図。
【符号の説明】
10…処理装置
24a、24b…把結束装置
26…集積板
28…帯供給切断機構
30…スイーパ装置
32…湾曲装置
37…熱圧着装置
38…把排出装置
42…第1ガイド板
43…第2ガイド板
60…調整機構
62…リンク機構
64…駆動部
67…回動支持体
71…第1リンク
72…第2リンク
74…連結リンク
77…リードスクリュー
82…ガイドホルダ
90…ロータリカッタ
94…回動アーム
96…第1枢軸
A…結束把
B…帯状材
Claims (9)
- 中心軸線を有したほぼ矩形状の紙葉類が一枚ずつ順に積層される積層部と、
上記積層部の近傍で互いに対向して配設されているとともに互いに接離する方向に移動可能に支持され、上記積層部に積層される紙葉類の上記中心軸線を挟んで対向する一対の側縁をガイドする第1および第2ガイド部材と、
上記積層される紙葉類の中心軸線を基準として上記第1および第2ガイド部材を互いに接離する方向に移動させ、積層される紙葉類の幅に応じて上記第1および第2ガイド部材間の間隔を調整する調整機構と、
上記積層部上に積層された紙葉類に帯状材を巻き付けて結束する結束部と、
を備え、
上記調整機構は、上記第1および第2ガイド部材に連結されたリンク機構と、上記リンク機構を駆動する駆動部と、を備え、
上記調整機構の駆動部は、上記積層される紙葉類の中心軸線とほぼ平行に伸びたリードスクリューと、上記リードスクリューを回転駆動する駆動源と、上記リードスクリューに係合しているとともに上記リンク機構に連結され、上記リードスクリューの回転に応じて上記中心軸線とほぼ平行な方向に移動するガイドホルダと、を備えていることを特徴とする紙葉類の結束装置。 - 上記リンク機構は、上記第1および第2ガイド部材間で上記紙葉類の中心軸線方向に沿って互いに離間して設けられているとともにそれぞれ回動自在な一対の回動支持体と、上記各回動支持体と第1ガイド板とを連結した一対の第1リンクと、各回動支持体と第2ガイド板とを連結した一対の第2リンクと、上記一対の回動支持体および上記ガイドホルダに連結され、上記ガイドホルダの移動に応じて上記回動支持体を回動させる連結リンクと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類の結束装置。
- 中心軸線を有したほぼ矩形状の紙葉類が一枚ずつ順に積層される積層部と、
上記積層部の近傍で互いに対向して配設されているとともに互いに接離する方向に移動可能に支持され、上記積層部に積層される紙葉類の上記中心軸線を挟んで対向する一対の側縁をガイドする第1および第2ガイド部材と、
上記積層される紙葉類の中心軸線を基準として上記第1および第2ガイド部材を互いに接離する方向に移動させ、積層される紙葉類の幅に応じて上記第1および第2ガイド部材間の間隔を調整する調整機構と、
上記積層部上に積層された紙葉類に帯状材を巻き付けて結束する結束部と、
を備え、
上記調整機構は、上記第1および第2ガイド部材に連結されたリンク機構と、上記リンク機構を駆動する駆動部と、を備え、
上記結束部は、積層される紙葉類の幅方向に沿って上記積層部上に帯状材を供給する帯供給機構と、上記供給された帯状材の終端を切断するカッタ部と、上記第1および第2ガイド部材の移動に連動して上記カッタ部を移動させ、結束される紙葉類の幅に応じて帯状材の長さを調整するカッタ移動機構と、を備えていることを特徴とする紙葉類の結束装置。 - 上記カッタ移動機構は、回動支点を有しているとともに連結部材を介して上記第1および第2ガイド部材の一方に連結され、上記第1および第2ガイド部材の移動に連動して回動する回動アームを備え、上記カッタ部は上記供給された帯状材の長手軸方向に沿って移動自在に支持されているとともに上記回動アームに連結され、回動アームの回動に連動して移動することを特徴とする請求項3に記載の紙葉類の結束装置。
- 上記回動アームおよび上記カッタ部の連結位置と上記回動支点との距離は、上記回動アームおよび連結部材の連結位置と上記回動支点との距離の約2倍に設定されているとともに、上記帯供給機構は、上記第1および第2ガイド部材が移動した際、一方のガイド部材の移動量の約2倍だけ帯状材の供給量を変更することを特徴とする請求項4に記載の紙葉類の結束装置。
- 中心軸線を有したほぼ矩形状の紙葉類が一枚ずつ順に積層される積層部と、
上記積層部の近傍で互いに対向して配設されているとともに互いに接離する方向に移動可能に支持され、上記積層部に積層される紙葉類の上記中心軸線を挟んで対向する一対の側縁をガイドする第1および第2ガイド部材と、
上記集積される紙葉類の中心軸線を基準として上記第1および第2ガイド部材を互いに接離する方向に移動させ、集積される紙葉類の幅に応じて上記第1および第2ガイド部材間の間隔を調整する調整機構と、
上記積層部上に積層された紙葉類に帯状材を巻き付けて結束する結束部と、
を備え、
上記結束部は、積層される紙葉類の幅方向に沿って上記積層部上に帯状材を供給する帯供給機構と、上記供給された帯状材を切断するカッタ部と、積層される紙葉類の幅に応じて上記カッタ部を移動させ、帯状材の長さを調整するカッタ移動機構と、を備えていることを特徴とする紙葉類の結束装置。 - 上記カッタ移動機構は、上記第1および第2ガイド部材の一方に連結され、第1および第2ガイド部材の移動に連動して上記カッタ部を移動させることを特徴とする請求項6に記載の紙葉類の結束装置。
- 上記カッタ移動機構は、上記第1および第2ガイド部材の一方に連結され、第1および第2ガイド部材の移動に連動して、一方のガイド部材の移動量の約2倍だけ上記カッタ部を上記帯状材の長手軸方向に沿って移動させ、上記帯供給切断機構は、上記第1および第2ガイド部材が移動した際、一方のガイド部材の移動量の約2倍だけ帯状材の供給量を変更することを特徴とする請求項6に記載の紙葉類の結束装置。
- 上記カッタ移動機構は、回動支点を有しているとともに連結部材を介して上記第1および第2ガイド部材の一方に連結され、上記第1および第2ガイド部材の移動に連動して回動する回動アームを備え、上記カッタ部は上記供給された帯状材の長手軸方向に沿って移動自在に支持されているとともに上記回動アームに連結され、回動アームの回動に連動して移動することを特徴とする請求項7又は8に記載の紙葉類の結束装置。
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