JP4372708B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、従来のインクジェット記録材料に比して、高級感(手触り感及び質感)、光沢、色再現性、白紙部及び印字部の保存安定性に優れ、染料及び顔料インクの両方のインクに対する印字適性に優れ、更にプリンター搬送精度に優れたインクジェット記録材料に関するものである。
近年、デジタルカメラの普及によってデジタルフォト画像が身近になり、デジタルフォト画像の出力に適したインクジェットプリンターも急速に普及している。フォト画像の出力に適した記録材料として、ポリオレフィン樹脂被覆紙(基紙の両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂でラミネートしたもの)からなる支持体上に微細な無機微粒子を主体とするインク吸収層が設けられたインクジェット記録用紙が知られており、市販されている。
一方、市場では光沢感、高級感(手触り感及び質感)、白色度、色再現性、白紙部及び印字部の保存安定性等が更に向上した記録用紙が要望されている。しかしながら、従来から用いられている記録用紙は、これらの性能を同時に満足するまでには至っていなかった。
また一方、印字画像の保存性(耐光性や耐ガス性)は、染料インクに代えて顔料インクを用いることによって解消することは知られている。しかしながら、染料インクの印字適性に優れた記録用紙であっても、顔料インク適性は充分ではなかった。例えば、高濃度部において画像が沈んで見え(光沢が低下してくすんで見える)、発色性が染料インクに比べて見劣りするという問題点があった。従って、上述した高級感(手触り感及び質感)、白色度、色再現性の優れた記録用紙に加えて、染料インクと顔料インクの両インクに対する印字適性に優れた記録用紙が要望されている。
記録用紙の光沢を高める技術として、コロイダルシリカ層を最上層に設けることが知られている。例えば特開2003−159862号公報(特許文献1)等に記載されている。支持体のテーバー剛直度を規定したインクジェット記録用紙が特開2004−122710号公報(特許文献2)に開示されている。支持体の熱可塑性樹脂層に蛍光増白剤と白色顔料とを含有するインクジェット記録用紙が特開2001−310547号公報(特許文献3)に開示されている。また、インク吸収層にチオエーテル系化合物を含有することが特開2002−86904号公報(特許文献4)等に開示されている。
しかしながら、上記特許文献に記載された記録用紙は、前述した本発明が目的とする諸性能を同時に満足するものではなかった。
特開2003−159862号公報 特開2004−122710号公報 特開2001−310547号公報 特開2002−86904号公報
本発明の目的は、高級感(手触り感及び質感)、光沢、色再現性、白紙部及び印字部の保存安定性に優れ、染料及び顔料インクの両方のインクに対する印字適性に優れ、更にプリンター搬送精度に優れたインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1)MD方向のテーバー剛直度が3mN・m以上であるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の一方の面に、気相法シリカを主体に含有するインク吸収層、及びコロイダルシリカを主体に含有する層をこの順に有し、前記支持体の反対面にポリウレタン樹脂主体のバックコート層を有するインクジェット記録材料であって、前記インク吸収層がチオエーテル系化合物を含有し、前記支持体のインク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂層が蛍光増白剤と白色顔料を含有し、前記コロイダルシリカの固形分塗布量が0.05〜0.3g/m2であり、前記ポリウレタン樹脂の固形分塗布量が0.8〜1.5g/m2であり、かつ該記録材料のインク吸収層を有する面の白紙部の20度光沢度が40〜60%であることを特徴とするインクジェット記録材料。
2)前記ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の基紙の坪量が190〜230g/m2である上記1)に記載のインクジェット記録材料。
本発明により、高級感(手触り感及び質感)、光沢、色再現性、白紙部及び印字部の保存安定性に優れ、顔料インクを高濃度で印字した際の画像の沈みが少なく、かつプリンター搬送精度に優れたインクジェット記録材料が得られる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明のインクジェット記録材料は、支持体としてポリオレフィン樹脂被覆紙が用いられる。ポリオレフィン樹脂被覆紙(以降、単に樹脂被覆紙と云う)は、基紙の両面をポリオレフィン樹脂層で被覆したものである。本発明に用いられる樹脂被覆紙は、MD方向のテーバー剛直度が3mN・m以上である。ここで、テーバー剛直度は、ISO−2493に基づいて測定されたものであり、またMD方向とは基紙を抄紙する際の流れ方向を意味する。
樹脂被覆紙のテーバー剛直度が3mN・mより小さいと質感が不足し、高級感のある記録材料が得られない。また、テーバー剛直度が大きくなりすぎるとプリンター搬送性に不具合が生じる場合があるので、5mN・m以下が好ましい。更に好ましいテーバー剛直度は3.5〜4.5mN・mである。樹脂被覆紙のMD方向のテーバー剛直度の調整は、基紙の坪量や密度、パルプの種類、あるいは内添剤の種類や添加量等を調整することによって行うことができる。尚、本発明での高級感とは、テーバー剛直度に起因する質感と、コロイダルシリカを主体に含有する層に起因するさらさらした心地よい手触り感を合わせたものであり、両者を満たすことによって高級感を得ることができる。
本発明の樹脂被覆紙に用いられる基紙の坪量は、190〜230g/m2の範囲が好ましく、これによって記録材料の質感が更に増す。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等が1種類もしくは2種類以上混合して用いられる。好ましくは、写真印画紙用樹脂被覆紙支持体に用いられているような平滑な基紙(原紙)が用いられる。基紙には一般的な抄紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、アンカー剤、染料等の添加剤が適宜配合される。基紙の抄造中にまたは抄造後に、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどの表面平滑処理を施すのが好ましい。
本発明の記録材料は、樹脂被覆紙の一方の面にインク吸収層が設けられるが、インク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂層は白色顔料と蛍光増白剤を含有する。これによって、インク吸収層側の白色度が向上する。ポリオレフィン樹脂層表面の白色度は、95%以上が好ましく、より好ましくは97%以上である。白色度はISO−2470に基づいて、例えば村上色彩科学(株)製のWMS−1で測定することができる。上記のような白色度になるように白色顔料及び蛍光増白剤の種類や添加量を調整するのが好ましい。
本発明のインク吸収層及びその上層は、気相法シリカ及びコロイダルシリカから主に構成され、これらの無機微粒子は他の無機微粒子に比べて透明度が高く、従って記録材料表面の白色度は支持体の影響を大きく受ける。本発明は、支持体の白色度を予め高くすることによって記録材料の記録面の白色度を上げ、色再現性を向上させる。
記録面の白色度を上げるためにインク吸収層に蛍光増白剤を含有させると、保存中に白紙部が空気中の微量ガス(オゾンや窒素酸化物等)によって変色するという不都合が生じる場合があり、この問題は、樹脂被覆紙のポリオレフィン樹脂層に蛍光増白剤を含有させることによって解消する。従って、ポリオレフィン樹脂層に白色顔料と蛍光増白剤を併せて含有させることによって、記録面(インク吸収層面)の白色度を高めて色再現性を向上させると同時に、白紙部の保存安定性(耐ガス性)を維持できるという利点がある。
本発明のポリオレフィン樹脂層に含有する蛍光増白剤は、公知のものを用いることができる。例えば、ビス(ベンズオキサゾリル)スチルベン系、ジメチルスチルベン系、ジアミノスチルベン系、ビス(ベンズオキサゾリル)ナフタレン系、ビス(オキサゾリル)チオフェン系、イミダゾール系、ベンズイミダゾール系、チアゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、オキサジアゾール系、チアジアゾール系、ナフタルイミド系、ピラゾリン系、ピレン系、イミダゾロン系等が挙げられる。蛍光増白剤は、ポリオレフィン樹脂と共に高温で溶融押し出しされるため高温に耐え得ることができ、かつ経時でブリード現象の起こり難いものが好ましくかかる蛍光増白剤としてビス(ベンズオキサゾリル)スチルベン系、ビス(ベンズオキサゾリル)ナフタレン系の蛍光増白剤が好ましく用いられる。以下に具体例を示す。
(1) 4,4’−ビス(ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(2) 4,4’−ビス(6−メチル−ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(3) 4,4’−ビス(6−エチル−ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(4) 4,4’−ビス(6−t−ブチル−ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(5) 4,4’−ビス(6−メトキシ−ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(6) 4,4’−ビス(6−フェニル−ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(7) 4,4’−ビス(5,6−ジメチル−ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(8) 4,4’−ビス(5,6−ジエチル−ベンズオキサゾール−2−イル)スチルベン
(9) 1,4’−ビス(ベンズオキサゾール−2−イル)ナフタレン
(10)1,4’−ビス(6−メチル−ベンズオキサゾール−2−イル)ナフタレン
(11)1,4’−ビス(6−エチル−ベンズオキサゾール−2−イル)ナフタレン
(12)1,4’−ビス(6−フェニル−ベンズオキサゾール−2−イル)ナフタレン
(13)1,4’−ビス(5,6−ジメチル−ベンズオキサゾール−2−イル)ナフタレン
(14)1,4’−ビス(5,6−ジエチル−ベンズオキサゾール−2−イル)ナフタレン
ポリオレフィン樹脂層における蛍光増白剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂に対して0.02〜0.10質量%が好ましく、0.04〜0.08質量%がさらに好ましい。
本発明において、ポリオレフィン樹脂層に含有する白色顔料としては、白色度及び分散性等の観点から酸化チタンが好ましい。酸化チタンはルチル型でもアナターゼ型でも良く、これらを単独もしくは混合して用いることができる。
本発明に用いられる白色顔料の平均粒子径は、白色度及び光沢の観点から0.1〜0.5μmが好ましい。ポリオレフィン樹脂層における白色顔料の含有量は、ポリオレフィン樹脂に対して5〜20質量%程度が好ましい。
本発明の樹脂被覆紙におけるポリオレフィン樹脂層には、蛍光増白剤や白色顔料の他にコバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂層に用いられるポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。これらの中でも、特にポリエチレン樹脂が好ましく用いられる。
本発明において、インク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂層には、密度が0.930g/m3以下の低密度ポリエチレン樹脂を全樹脂の90質量%以上、更には100質量%用いるのが好ましい。そして、インク吸収層とは反対側のポリオレフィン樹脂層には、密度が0.950g/m3以上の高密度ポリエチレン樹脂を全樹脂の30質量%以上、更には50質量%以上用いるのが好ましく、上限は95質量%程度である。
本発明の樹脂被覆紙において、インク吸収層を塗設する側のポリオレフィン樹脂層の固形分塗布量は、20g/m2〜45g/m2が好ましく、より好ましくは25g/m2〜40g/m2である。インク吸収層とは反対面のポリオレフィン樹脂層の固形分塗布量は、20g/m2〜40g/m2が好ましく、より好ましくは25g/m2〜35g/m2である。
本発明に用いられる樹脂被覆紙は、インク吸収層が塗設される面に下引き層を設けることが好ましい。この下引き層は、インク吸収層が塗設される前に、予めポリオレフィン樹脂層表面に塗布乾燥されたものであり、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。更に下引き層には、界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。
本発明の記録材料は、樹脂被覆紙支持体の反対面には、ポリウレタン樹脂を主体に含有するバックコート層を有する。ここでポリウレタン樹脂を主体に含有するとは、バックコート層の全固形分に対して50質量%以上含有することであり、好ましくは70質量%以上であり、更に80質量%以上含有することが好ましい。ポリウレタン樹脂を主体とするバックコート層を設けることによって、プリンター内での搬送精度が向上する。
本発明において、バックコート層の塗布量は、ポリウレタン樹脂の固形分として0.8g/m2〜1.5g/m2であり、1g/m2〜1.3g/m2範囲がより好ましい。バックコート層の塗布量が0.8g/m2より少ないとプリンター搬送精度が得られず、また1.5g/m2より多いと低湿環境や高湿環境でのカールバランスが維持できなくなる場合がある。
本発明のバックコート層に含有するポリウレタン樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35〜100℃の範囲にあることが好ましく、更に40〜80℃の範囲が好ましい。Tgが35℃より低くなると、プリンター搬送性が低下し、100℃を越えるとプリンター搬送精度が低下するため好ましくない。ここで、プリンター搬送性とは、記録シートが重送(2枚重なって搬送される)したり、あるいは全く搬送されないという不都合が生じないことであり、プリンター搬送精度とはヘッドスピードに対応して正確に搬送されることであり、搬送精度が悪くなるとバンディング(横筋)が発生したり、記録シートに対する印字終了位置がずれるという不都合が生じる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社のボンディックシリーズのような水分散型ポリウレタン樹脂、あるいはハイドランシリーズのような水性ポリウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明のバックコート層は、更に帯電防止剤、界面活性剤、硬化剤、着色剤、酸化防止剤、pH調節剤、防腐剤等を含有することができるが、プリンター連続印字の際のプリンター搬送傷の観点から、顔料粒子を含有しないことが好ましい。
本発明のインクジェット記録材料は、樹脂被覆紙支持体の一方の面に気相法シリカを主体に含有するインク吸収層を有する。ここで、気相法シリカを主体に含有するとは、インク吸収層の全固形分に対して気相法シリカを50質量%以上含有することであり、好ましくは60質量%以上含有することであり、更に65〜95質量%の範囲で含有することが好ましい。
気相法シリカは、火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており、入手することができる。
本発明に用いられる気相法シリカは、平均一次粒径が30nm以下で、平均二次粒径が400nm以下まで分散されたものが好ましい。より高いインク吸収性と光沢性を得るためには、平均一次粒径が3nm〜20nmの気相法シリカを平均二次粒径が30nm〜300nmに分散したものが好ましい。
気相法シリカの平均一次粒径は、一次粒径が判別できる程度まで分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求めた平均粒径のことである。平均二次粒径は希薄分散液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定して求めた値のことである。
本発明において、インク吸収層の固形分塗布量は20g/m2〜40g/m2の範囲が好ましく、22g/m2〜30g/m2の範囲がより好ましい。
本発明において、インク吸収層にはチオエーテル系化合物を含有する。これによって印字部の保存性(空気中のオゾンや窒素酸化物等の微量ガスによる退色)が改良される。本発明に用いられるチオエーテル系化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
R1−(S−R3)m−S−R2 ・・・・ 一般式(1)
一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、芳香族基を表し、R1とR2は同一でも異なってもよく、結合して環を形成してもよい。またR1とR2の少なくとも一方は、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基等の親水基で置換されたアルキル基、又は芳香族基である。R3は置換されてもよく、場合によっては酸素原子を有するアルキレン基を表す。mは0〜10の正数を表し、mが1以上の場合R3に結合する少なくとも1つの硫黄原子はスルホニル基であってもよい。
かかるチオエーテル系化合物としては、3−チア−1,5−ヘプタンジオール、4−チア−1,7−ペンタンジオール、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジオール、3,9−ジチア−6−オキサ−1,11−ウンデカンジオール、メチレンビス(チオグリコール酸)、ビス[2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル]スルホン等が挙げられる。
チオエーテル系化合物の含有量は、インク吸収層の全固形分に対して0.5〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜40質量%の範囲である。
インク吸収層には、透明性が高く、インクの高い浸透性が得られるという観点から親水性バインダーを選択して用いることが好ましい。親水性バインダーの使用にあたっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
カチオン変性ポリビニルアルコールとは、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したものが好ましい。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。インク吸収層の塗布性やインク吸収性の観点から、平均重合度3000〜4000のポリビニルアルコールが好ましい。
インク吸収層における気相法シリカに対する親水性バインダーの比率は、10〜30質量%の範囲が好ましく、12〜25質量%の範囲がより好ましい。
インク吸収層には、親水性バインダーと共に硬膜剤として含ホウ素化合物を含有するのが好ましい。含ホウ素化合物としてはホウ酸、ホウ酸塩、及びホウ砂等があり、これらを1種または2種以上組みあわせることもできる。ホウ酸塩としては、オルトホウ酸塩、メタホウ酸塩、二ホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩等が挙げられる。
インク吸収層には、更に染料インクの耐水性を向上させるためのインク定着剤として水溶性アルミニウム化合物を用いることが好ましく、かかる化合物として塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6−n]m ・・式1
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
上記したインク定着剤の使用量は、気相法シリカに対して2質量%〜6質量%の範囲が好ましく、3質量%〜5質量%の範囲がより好ましい。
本発明において、インク吸収層には、硬膜剤やインク定着剤の他に、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明のインクジェット記録材料は、インク吸収層の上にコロイダルシリカを主体に含有する層(以降、コロイダルシリカ含有層と云う)を有する。ここで、コロイダルシリカを主体に含有するとは、該層の全固形分に対してコロイダルシリカを70質量%以上含有することであり、好ましくは80質量%以上含有することであり、更に90質量%以上含有することである。
コロイダルシリカ含有層は、最上層として設けるのが好ましく、これによって光沢度が一段向上し、さらさらした心地よい手触り感が得られる。特に、該層におけるコロイダルシリカの固形分塗布量を0.3g/m2以下というような薄層にすることによって、高いインク吸収性を維持しながら優れた光沢性と手触り感が得られ、更に、顔料インクで印字したときの高濃度画像部のくすみ(光沢低下)が改良される。コロイダルシリカの固形分塗布量の下限は0.05g/m2であり、コロイダルシリカの固形分塗布量が0.05g/m2以上であれば、十分な光沢と手触り感が得られる。コロイダルシリカの固形分塗布量として、より好ましくは0.1〜0.25g/m2である。
本発明に用いられるコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化ケイ素をコロイド状に水中に分散させたものである。本発明に用いられるコロイダルシリカは、白紙部光沢及びインク吸収性の観点から、平均一次粒径が20nm〜80nmのものが好ましく、更に20〜60nmのものが好ましい。
コロイダルシリカは、扶桑化学(株)社からPL−10A、PL−3L、PL−1等として、日産化学工業(株)社からスノーテックスST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−S、ST−XS、ST−XL、ST−YL、ST−ZL、ST−OZL、ST−UP、ST−OUP、ST−PS−MO等として市販されており、入手することができる。
コロイダルシリカを主体に含有する層には、他に、親水性バインダー、界面活性剤、pH調節剤等を含有することができる。親水性バインダーについては、インク吸収性の観点から、その含有量はコロイダルシリカに対して5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、添加しないことである。
本発明のインクジェット記録材料は、記録面(インク吸収層を有する面)の白紙部の20度光沢度が40〜60%である。好ましくは45〜55%である。ここで、20度光沢度はJIS−Z8741に基づく測定されたものである。記録面のこのような光沢度は、本発明の樹脂被覆紙支持体、気相法シリカ主体のインク吸収層、及びコロイダルシリカ主体の最上層の組み合わせによって達成される。白紙部の光沢度を40%以上にすることによってより光沢感のあるフォトメディアが実現され、一方光沢度が60%を超えると、ぎらつきが大きくなり、印字部が見にくくなるという問題が発生する。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、部とは、固形分あるいは実質成分の質量部を表す。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体1の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン・スタンダード・フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1質量%のスラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量が200g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の基紙とした。
上記の基紙の一方の面に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100部に対して、10部のアナターゼ型チタン及び0.06部の蛍光増白剤(前記の例示化合物(2))を均一に分散したポリオレフィン樹脂組成物を320℃で溶融し、36g/m2になるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆して、インク吸収層側のポリオレフィン樹脂層を設けた。基紙の反対面には、密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を320℃で溶融し、31g/m2になるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆して、バックコート層側のポリオレフィン樹脂層を設けた。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の一方の面(インク吸収層塗設面側)に、高周波コロナ放電処理を施した後下記組成の下引き層をゼラチン付着量が50mg/m2となるように塗布乾燥し、支持体の反対面(バックコート層塗設面側)に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成のバックコート層をポリウレタン樹脂の固形分塗布量が1.0g/m2になるように塗布乾燥した。このようにして下引き層とバックコート層が塗設されたポリオレフィン樹脂被覆紙支持体のMD方向のテーバー剛直度とインク吸収層側のポリオレフィン樹脂層の白色度を測定した。その結果、テーバー剛直度は、3.7mN・mであり、白色度は99%であった。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
<バックコート層>
ポリウレタン樹脂(Tg60℃) 100部
(大日本インキ化学工業(株)のアイオノマー型ポリウレタン樹脂、HW−350)
界面活性剤 0.3部
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体1に、下記組成のインク吸収層を固形分塗布量で25g/m2、下記組成のコロイダルシリカ含有層をコロイダルシリカの固形分塗布量で0.2g/m2になるように塗布、乾燥してインクジェット記録材料を作製した。
<インク吸収層(A−1)>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、平均二次粒径100nm)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 3部
(第一工業製薬(株)社製のシャロールDC902P、分子量9000)
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
チオエーテル系化合物 3部
(3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン社製のピュラケムWT)
ホウ酸 4部
固形分濃度が10質量%になるように水で調整した。
<コロイダルシリカ含有層(B−1)>
PL−3L 100部
(扶桑化学(株)製コロイダルシリカ、平均一次粒径32nm)
固形分濃度が0.5質量%になるように水で調整した。
実施例1のコロイダルシリカ含有層(B−1)の固形分塗布量を0.09g/m2に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1のコロイダルシリカ含有層(B−1)の固形分塗布量を0.27g/m2に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例1)
実施例1のポリオレフィン樹脂被覆紙支持体1のインク吸収層側のポリオレフィン樹脂層に蛍光増白剤を含有させない以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂被覆紙支持体2を作製し、同様に下引き層とバックコート層を塗設した。この支持体のテーバー剛直度は、3.7mN・mであり、白色度は92%であった。該支持体上に実施例1と同様にしてインク吸収層とコロイダルシリカ層を設けて、比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例2)
比較例1のインク吸収層を下記インク吸収層(A−2)に変更する以外は、比較例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
<インク吸収層(A−2)>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、平均二次粒径100nm)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 3部
(第一工業製薬(株)社製のシャロールDC902P、分子量9000)
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
チオエーテル系化合物 3部
(3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン社製のピュラケムWT)
ホウ酸 4部
蛍光増白剤(ベンズイミダゾール系) 0.15部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
固形分濃度が10質量%になるように水で調整した。
(比較例3)
実施例1のコロイダルシリカ含有層(B−1)を塗設しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例4)
実施例1のポリオレフィン樹脂被覆紙支持体1の基紙の坪量を200g/m2から170g/m2になるように変更する以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂被覆紙支持体3を作製し、同様に下引き層とバックコート層を塗設した。この支持体のテーバー剛直度は、2.5mN・mであり、白色度は98%であった。該支持体上に実施例1と同様にしてインク吸収層とコロイダルシリカ層を設けて、比較例4のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例5)
実施例1のコロイダルシリカ含有層(B−1)の固形分塗布量を0.5g/m2に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例6)
実施例1のバックコート層の固形分塗布量を0.6g/m2に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例6のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例7)
インク吸収層を、実施例1のインク吸収層(A−1)からチオエーテル系化合物を除いたインク吸収層(A−3)に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例7のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例8)
実施例1のコロイダルシリカ含有層(B−1)の固形分塗布量を0.02g/m2に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例8のインクジェット記録材料を作製した。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
<高級感(手触り感及び質感)の評価>
染料インク用インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)社製PM−G800)を用いて自然画像を印字した。比較評価のための標準サンプルとして、市販のインクジェット用紙(セイコーエプソン(株)の商品名「写真用紙(光沢)」、型番KA420PSK)に上記と同様の自然画像を印字したサンプルを用意した。無作為に選んだ20人の被験者によって高級感(手触り感及び質感)の評価を行い、以下の基準で判断した。
A:15人以上の被験者が標準サンプルに対して高級感(手触り感及び質感)があると評価した。
C:15人以上の被験者が標準サンプルに対して手触り感及び質感のどちらか一方が不足しているため、高級感(手触り感及び質感)を感じないと評価した。
<白紙部の光沢度(%)>
JIS−Z8741に基づいて20度光沢度を変角光沢計VGS−300A(日本電色(株)製)で測定した。
<色再現性>
染料インク用インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)社製PM−G800)を用いて、C、M、Y、K、R、G、Bをそれぞれ最大インク吐出量でベタ印字し、GretagSpectrolino色差計(Gretag(株)製)にて、白紙部と前記7色を含む計8色のL*a*b*を測色した。その後、測定値を用いてL*a*b*空間体積(GM:GumatVolum)を算出した。
A:GM値が5.0×105以上有する。
B:GM値が4.7×105〜5.0×105未満である。
C:GM値が4.7×105未満である。
<顔料インクを高濃度で印字した際の画像の沈み>
顔料インク用インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)社製PX−G900)を用いてインクジェット記録材料にC、M、Y、K、R、G、Bをそれぞれ最大インク吐出量でベタ印字し、各色の画像部の沈み(くすみ;光沢の低下)を目視にて評価した。
A:画像部の沈みが気にならない。
B:画像部の沈みが気になる。
C:画像部の沈みが著しい。
<プリンター搬送精度>
A4サイズに切断された記録シートを、セイコーエプソン(株)製のPX−G900の給紙トレイに積載し、インクジェット記録材料の搬送方向に直角な1インチ毎に細線を印字し、細線の間隔を測定した。
A:(1インチ−細線間の距離)が±40μm以下。
C:(1インチ−細線間の距離)が±40μmより大きい。
<白紙部の保存性>
得られたインクジェット記録材料にオゾン発生装置を用いて、20ppmで10時間暴露した後の白紙部の変色の状態を以下の基準で目視評価した。
A:変色はほとんど認識できない。
C:変色が明確である。
<印字部の保存性>
染料インク用プリンター(セイコーエプソン(株)製のPM−970C)で、最も退色の大きいシアンにて光学濃度が1.0になるように印字し、室温で3ヶ月間空気暴露した後、印字部の光学濃度を測定し、残存率(暴露後の光学濃度/暴露前の光学濃度)を求めた。表1中の残存率は%である。
Figure 0004372708
上記の結果から、本発明のインクジェット記録材料は従来の記録材料に比べて、高級感(手触り感及び質感)、光沢、色再現性に優れていることが分かる。また、本発明の記録材料は、顔料インクを高濃度で印字した際の画像の沈みがほとんどなく、プリンター搬送精度が正確であり、白紙部及び印字部の保存安定性に優れている。ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体に蛍光増白剤を含有していない比較例1は、色再現性が満足できるものではなかった。蛍光増白剤をインク吸収層に含有させた場合(比較例2)、白紙部の耐ガス性が悪化した。コロイダルシリカ含有層を塗設しない比較例3は、白紙部の光沢が満足できるのではなく、手触り感が劣り高級感が得られなかった。基紙の坪量が小さくテーバー剛直度を満足しない比較例4は質感が劣り高級感が得られかった。コロイダルシリカ含有層の塗布量が多い比較例5は、顔料インクを高濃度で印字した際の画像の沈みが大きかった。バックコート層の塗布量が少ない比較例6は、プリンター搬送精度が劣るものであった。インク吸収層にチオエーテル系化合物を含有しない比較例7は、印字部の保存性が劣るものであった。コロイダルシリカ含有層の塗布量が少ない比較例8は、白紙部の光沢が満足できるものではなく、手触り感が劣り高級感が得られなかった。

Claims (2)

  1. MD方向のテーバー剛直度が3mN・m以上であるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の一方の面に、気相法シリカを主体に含有するインク吸収層、及びコロイダルシリカを主体に含有する層をこの順に有し、前記支持体の反対面にポリウレタン樹脂主体のバックコート層を有するインクジェット記録材料であって、前記インク吸収層がチオエーテル系化合物を含有し、前記支持体のインク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂層が蛍光増白剤と白色顔料を含有し、前記コロイダルシリカの固形分塗布量が0.05〜0.3g/m2であり、前記ポリウレタン樹脂の固形分塗布量が0.8〜1.5g/m2であり、かつ該記録材料のインク吸収層を有する面の白紙部の20度光沢度が40〜60%であることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の基紙の坪量が190〜230g/m2である請求項1に記載のインクジェット記録材料。
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