JP4369688B2 - 車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法と装置 - Google Patents

車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車なと車両に搭載する充電可能な蓄電池の状態、たとえば、残存容量および蓄電池の劣化状態を判定する方法およびその装置に関する。
特に、本発明は、アイドリングストップ中など、蓄電池から放電が行われているときに蓄電池の残存容量またはSOCを判定する方法と装置に関する。
また本発明は、蓄電池を搭載した車両において一時停車時に内燃機関を停止するアイドリングストップを行う車両に搭載した二次蓄電池の状態(残存容量および蓄電池の劣化状態)を判定する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境汚染を低減し、自動車の燃費の向上のため、自動車が交差点で信号待ちのために一時停車したときあるいは渋滞で停車しているときなど、内燃機関(エンジン)を一時的に停止するアイドリングストップ機能を有する自動車が知られている。
このようなアイドリングストップを行う場合、アイドリングストップ後に自動車を再起動できるだけ車載の蓄電池に残存容量が存在すること、および/または、蓄電池の劣化状態を知ることが必要である。
【0003】
蓄電池の残存容量を測定する方法は種々試みられている。しかしながら、これまで、車両のアイドリングストップの判断に適用する適切な車載の蓄電池の残存容量を実用的で簡便かつ正確に検出する方法は知られていない。
以下、蓄電池の残存容量の測定方法について概観する。
【0004】
簡単かつ確実な蓄電池の残存容量測定方法は、蓄電池を完全に放電させて容量を測定し、その容量から劣化状態を判定する方法である。しかしながら、この方法は蓄電池を完全に放電させるので、当然ながら走行中の車両に搭載した蓄電池の残存容量を判定する場合には使用することはできない。しかもこの方法は放電するまでに長い時間がかかるので、測定時間が長くなるという問題がある。
【0005】
以下、蓄電池を故意に放電させずに比較的短時間に蓄電池の残存容量の測定を行なう方法について述べる。
【0006】
鉛蓄電池は放電により水を生じ、充電により硫酸を生ずるので、放電すると硫酸水溶液の比重が小さくなり、充電されると硫酸水溶液の比重が元に戻る。この現象を利用して電解液の比重を指標として残存容量を推定する方法が知られている。しかしながら、鉛蓄電池に収容されている電解液の濃度分布が不均一になる場合がしばしばあるので、この方法では鉛蓄電池の残存容量を常に正確に推定することが出来ない。
また近年、電解液が極めて少ないシール型鉛蓄電池が採用されている。このようなシール型鉛蓄電池については電解液の比重の測定自体が困難なので、そのような蓄電池の残存容量を推定することはできない。
【0007】
特許第2536257号公報(特開平4−95788号公報)は鉛蓄電池の残存容量を検出するため、内部インピーダンスを用いる発明を開示している。すなわち、この発明においては、(1)鉛蓄電池の内部インピーダンスを測定し、(2)測定した鉛蓄電池の内部インピーダンスを、鉛蓄電池のインダクタンス成分L、電解液抵抗RΩ、電荷移動抵抗Rct、電気二重層容量Cd、ワールブルグ・インピーダンスW、ワールブルグ係数σからなる等価回路に当てはめて最適解を求め、(3)L、RΩ、Rct、Cd、W、σの少なくとも一つを初期の値と比較して、その相違から鉛蓄電池の寿命を判定する。しかしながら、この発明を車両の走行に伴って発電機から鉛蓄電池に充電される方式の車載の鉛蓄電池の残存容量に適用することはできない。その理由は、発電機から鉛蓄電池への影響、自動車に搭載された電気装備の負荷変動などの影響を受けて鉛蓄電池の内部インピーダンスの測定が困難になる。鉛蓄電池の内部インピーダンスが測定できなければ、初期値と比較できず、蓄電池の寿命も判定できない。さらにこの発明を実施すると、測定装置の構成が複雑で寸法も大きくなり、価格も高くなる。したがって、この発明を乗用車などの通常の自動車に適用するには課題がある。
【0008】
蓄電池から放電または充電される電流値を常時測定し、その電流測定値を積算して蓄電池の残存容量を求める方法も知られている。この方法を「電流積算法」と呼ぶ。
このような単純に蓄電池からの放電電流または蓄電池への充電電流を積算するだけの電流積算法を、車両に搭載された蓄電池の残存容量の算出に、車両の起動時、車両の走行時およびアイドリングストップ期間の全期間に適用すると、電流値の測定誤差により積算値の誤差が次第に大きくなり、蓄電池の状態が正確に求めることができなくなることがある。
そのため「電流積算法」を改良した方法が、特許第2791751号公報(特開平8−19103号公報)などに提案されている。
【0009】
特許第2791751号公報に記載の発明は、電流積算方式と内部抵抗検出方式を併用してデータ処理して、電気自動車用鉛蓄電池の残存容量を測定する。すなわち、(1)まず、電流積算法で電気自動車に搭載された鉛蓄電池の残存容量を算出し、(2)さらに、電気自動車用鉛蓄電池の満充電完了時および自動車の走行中の一時停止時に鉛蓄電池の内部インピーダンスを測定し、(3)内部インピーダンスから導出する放電率によって電流積算法で求めた蓄電池の残存容量の値を補正する。この方法は自動車用蓄電池の残存容量の検査法として有用であり、鉛蓄電池の残存容量を正確に知る必要がある電気自動車においては重要な技術である。
しかしながらこの発明は、電流積算法による測定に加えて、内部インピーダンスによる測定も行う必要があり、この方法を実現する測定装置を製造した場合、装置価格が高くなる。特に、この発明は上述した内部インピーダンスを測定することが困難な事態があることから、内燃機関を搭載した自動車のアイドリングストップに適用できない。
【0010】
【特許文献1】
特許第2536257号公報(特開平4−95788号公報)
【特許文献2】
特許第2791751号公報(特開平8−19103号公報)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上、車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定する種々の従来技術について述べたが、それらの技術は、特に、車両に搭載した車両のアイドリングストップ時に蓄電池から放電電流が流れるときの蓄電池の残存容量またはSOCを正確に判定するには課題がある。
【0012】
本発明の目的は、車両に搭載した二次蓄電池の残存容量および劣化状態(SOC)の判定を、比較的簡単な方法で実現できる、方法と装置を提供することにある。
本発明の目的また、アイドリングストップ処理を行う車両に搭載した二次蓄電池の残存容量および劣化状態の判定を、比較的簡単な方法で実現できる方法と装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法であって、電池容量の異なる複数の蓄電池に対して、各残存容量または充電状態の百分率に対する端子間電圧と、当該蓄電池の放電電流を当該蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値の関係を示す関係式を事前に求めておき、
前記蓄電池が放電しているとき、
前記蓄電池の端子間電圧と放電電流を測定し、
前記測定した放電電流の値を事前に得られた前記蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値を算出し、
前記事前に求めた、前記蓄電池の各残存容量または充電状態の百分率に対する端子間電圧と電流割合値の関係を示す前記関係式に、前記算出した電流割合値を代入して前記残存容量又は充電状態の百分率に対する端子間電圧を求め、
該求めた端子間電圧と、前記測定した端子間電圧値を比較対照して、前記蓄電池の残存容量又は充電状態の百分率を判定する
車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法が提供される。
【0014】
好ましくは、前記関係式は下記の式で定義される。
Qn=aQn ×C +bQn
ただし、aQn、bQnは事前に求めた係数である。
【0016】
前記蓄電池の各残存容量(Qn )に対する端子間電圧(VQn)と電流割合値(C)の関係式を事前に求める工程において、満充電時の電池容量が前記各残存容量(Qn )のいずれより大きな電池容量を有する蓄電池について、まず前記蓄電池の満充電時において、それぞれ一定の複数の第1の電流割合値の電流をごく短い時間の間だけ放電し、この時の端子間電圧を測定する第1の測定工程と、一定の第2の電流割合値の電流で放電を任意の時間継続して放電容量を調整する工程を所定の端子間電圧まで降下するまで繰り返して行う。
そして、一定の第2の電流割合値の電流(Id2)で放電した時間の合計時間(T2)と一定の第2の電流割合値の電流(Id2)との積で規定される第1の放電容量と、それぞれ一定の複数の第1の電流割合値(Id1)とごく短い時間(T1)の積の総和である第1の測定工程にて放電される放電容量と、第1の測定工程を実施した回数(n)の積で規定される第2の放電容量により、合計した第3の放電容量を蓄電池の全放電容量と規定し、前記繰り返し行う各第1の測定工程を実施する前までに、第2の電流割合値の電流による放電容量および第1の測定工程によって放電される放電容量の合計容量を、前記蓄電池の全放電容量から差し引いた各放電容量について、第1の特性を求めて第1の特性を近似式に表し、端子間電圧と電流割合値の関係式を求める。
【0017】
好ましくは、前記アイドリングストップしているとき、下記式に基づいて前記蓄電池の残存容量を算出する。
【0018】
【数2】
残存容量=Qn +(Qn+1 −Qn )×〔(V−VQn)/(VQn+1−VQn)〕
ただし、Qn 、Qn+1 は、残存容量であり、
n <Qn+1 であり、
Qnは残存容量Qn における測定された蓄電池の放電電流値からから算出した端子間電圧であり、下記式で表される電圧であり、
Qn=α×C+β
ここで、α、βは係数であり、
Cは電流割合値(測定放電電流値/満充電時の電池容量)であり、
Qn+1は残存容量Qn+1 における測定された蓄電池の放電電流値から算出した端子間電圧であり、下記式で表される電圧であり、
Qn+1=γ×C+δ
ここで、γ、δは係数であり、
Cは電流割合値(測定放電電流値/満充電時の電池容量)であり、
Vは測定した蓄電池の端子間電圧である。
【0019】
上記の方法は、アイドリングストップ中など、蓄電池から放電電流が流れている場合に好適に適用できる。
【0020】
上記方法の適用が難しい場合、たとえば、車両の走行中など、オルタネータ2による蓄電池の充電中に蓄電池の充電状態を判定する必要がある場合には、蓄電池の充電電流を測定して、公知の電流積算法を併用することができる。このような電流積算法は、特定の条件において実施するので、換言すれば、上述した蓄電池の残存容量を判定する全期間について実施するのではなく、電流積算法が適した場合のみ実施する。
また、車両の起動時または再始動時は、蓄電池からスタータおよび電気装備に流れる放電電流の積算値を事前に求めておき、1回の起動また再始動のたび、その放電容量を残存容量から減じる。
したがって、好ましくは、前記車両が走行中のとき、電流計で測定した充電電流を積算して前記鉛蓄電池3の残存容量を算出し、前記蓄電池が放電中のときに求めた残存容量と合計する。
また好ましくは、前記車両の起動または始動のとき、所定量の放電量を前記蓄電池の残存容量から減じる。
【0021】
好ましくは、前記判定した残存容量が所定量以上のとき、アイドリングストップを行う。
【0022】
本発明の第2の観点によれば、エンジンを起動するスタータと、エンジンによって動作するオルタネータと、電気装備と、車両の起動時または再始動時前記スタータおよび前記電気装備に給電し、車両の走行時に前記オルタネータから充電され、車両がアイドリングストップのとき前記電気装備に給電を行う蓄電池を搭載した、蓄電池の残存容量判定装置であって、
前記蓄電池の充放電電流を測定する電流計と、
前記蓄電池の端子間電圧を測定する電圧計と、
電池容量の異なる複数の蓄電池に対して、各残存容量または充電状態の百分率に対する端子間電圧と、当該蓄電池の放電電流を当該蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値の関係を示す関係式の係数を記憶するメモリ手段と、
前記蓄電池が放電状態を検出したとき下記の諸手段を起動する放電状態検出手段と、
前記電流計で測定した前記蓄電池の放電電流、および、前記電圧計で測定した前記蓄電池の端子間電圧を読み取る手段と、
前記測定した放電電流の値を事前に得られた前記蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値を算出する、電流割合値算出手段と、
前記メモリ手段に記憶されている前記関係式の係数を用いて、前記関係式に前記算出した電流割合値を代入して残存容量又は充電状態の百分率に対する端子間電圧を求める端子間電圧算出手段と、
該求めた端子間電圧と、前記測定した端子間電圧値を比較対照して、前記蓄電池の残存容量又は充電状態の百分率を判定する判定手段と
を有する、
車両に搭載された蓄電池の残存容量判定装置が提供される。
【0023】
本発明においては、蓄電池の端子間電圧Vと電流Iを測定し、電流値Iを電池容量Ahを示す数値Qで除算した電流割合値Cを算出し、予め求めておいた、各残存容量又は充電状態(SOC)の百分率に対する端子間電圧と電流割合値の関係式に、算出した電流割合値Cを代入することにより求められた、残存容量又はSOCの百分率に対する端子間電圧と測定された端子間電圧値を比較対照することにより残存容量を判定することを特徴とする。
【0024】
電流割合値Cは、満充電時の電池容量と等しい電流値を1Cという無次元量で表したものである。
例えば、蓄電池の満充電時の電池容量が50Ahの場合、1Cは50Aである。また、満充電時の電池容量が50Ahの蓄電池における充放電電流値25Aの電流割合値は25/50=0.5Cであり、満充電時の電池容量が30Ahの蓄電池における充放電電流値15Aと同じ電流割合値15/30=0.5Cと同じ0.5Cである。このように満充電時の蓄電池の容量に対する充放電電流値の割合で電流の大きさを表現することが可能である。
従って電池容量の異なる各種の鉛蓄電池に対しても予め充電状態の百分率毎に求めた同一の電流割合値の関係式を適用することで充電状態の判定を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
第1実施の形態
本発明の第1の実施の形態として、車両の走行中に、渋滞または交差点などで一時停車中に内燃機関(エンジン)を停止する、いわゆるアイドリングストップ機能を有する車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定する方法とその装置、および、蓄電池などの二次蓄電池の残存容量の判定結果に基づいてアイドリングストップの処理を行う方法と装置について述べる。
【0026】
図1は本発明のアイドリングストップ機能を有する車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定する方法および装置、並びに、その判定結果に基づいてアイドリングストップ処理を行う方法と装置の第1実施の形態を図解した図である。
車両、たとえば、普通の乗用車には、スタータ1、発電機(オルタネータ)2、二次蓄電池3、電気装備4、エンジン5が搭載されている。
二次蓄電池3としては、以下、鉛蓄電池を用いた場合について述べる。
電気装備4は、たとえば、照明灯、方向指示灯、ハザードランプなどの各種ライト(ランプ)、ミラー駆動モータ、操作パネル、空調機など電気で動作する車両に搭載された電装負荷を総称している。
【0027】
スタータ1は、エンジンキーがオンにされた車両の始動時に鉛蓄電池3からの給電によりエンジン5を動作させる電力を提供する。
オルタネータ2は車両が始動してエンジン5が回転動作すると起動して発電を行う。エンジン5の動作に伴うオルタネータ2の発電により電気装備4への給電が行われる他、鉛蓄電池3への充電が行われる。
【0028】
図1に図解したアイドリングストップ機能を有する車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定する装置(以下、蓄電池の残存容量判定装置という)は、鉛蓄電池3に流れる電流を測定する電流計6と、鉛蓄電池3の端子電圧を測定する電圧計7と、鉛蓄電池3の残存容量を判定する判定手段8と、判定結果を表示する表示手段9を有する。
電流計6は、鉛蓄電池3に流れる電流(放電電流および充電電流)を測定する通常の直流電流計であり、符号−は放電電流を示し、符号+は充電電流を示す。
電圧計7は、鉛蓄電池3の端子電圧を測定する通常の直流電圧計である。
表示手段9は、たとえば、液晶表示器であり、普通乗用車の操作パネル部分の表示器と兼用することができる。
【0029】
エンジンキーの動作によりスタータ1が動作する車両の始動時、スタータ1がエンジン(内燃機関)5を起動するとオルタネータ2が動作して発電を行う。その後、電気装備4への給電はオルタネータ2から行われる。
エンジン5が回転動作している車両の走行中や、アイドリング中にはオルタネータ2が動作して発電しているから、鉛蓄電池3はオルタネータ2の発電電圧によって充電される。この時の鉛蓄電池3の端子間電圧はオルタネータ2の出力電圧に一致する。車両として普通の乗用車を例示すると、オルタネータ2の出力電圧は14.5V程度である。
なお、鉛蓄電池3の端子間電圧とは、鉛蓄電池3の低電位レベル、たとえば、接地電圧と高電位レベル、たとえば、鉛蓄電池3の電気装備4側の電位との間の電圧を言う。
アイドリングストップ処理手段10の動作によって車両がアイドリングストップすると、エンジン5の回転が停止するのでオルタネータ2も停止してオルタネータ2による発電は停止する。そのとき鉛蓄電池3から電気装備4などへの給電が行われる。鉛蓄電池3からの電気装備4などへの給電(放電)により鉛蓄電池3の端子間電圧が低下していく。鉛蓄電池3の端子間電圧の低下は負荷電流に依存する。鉛蓄電池3を開放状態にして数時間以上経過した場合の鉛蓄電池3の端子間電圧は、充電状態の鉛蓄電池3が満充電状態のときは、12.9V程度になる。したがって、負荷電流が流れているときの鉛蓄電池3の端子間電圧は12.9Vよりも低下し、満充電状態であっても、たとえば、12.5Vなどのように12.9Vよりも低下することがある。このように、鉛蓄電池3の端子間電圧の低下は、負荷電流、換言すれば、鉛蓄電池3の放電電流に依存する。また、鉛蓄電池3の端子間電圧の低下は、残存容量、または充電状態(SOC)によっても低下する。
【0030】
図2は判定手段8の構成例を示す図である。
判定手段8は、マイクロコンピュータの中央演算処理装置(CPU)81と、RAMおよびROMなどのメモリ82と、アナログ/ディジタル(A/D)変換部83と、入出力(I/O)ポート84と、レギュレータ85と,表示出力インタフェース(I/F)86と、電流測定調整部87と、電圧測定調整部88とを有する。
判定手段8は、本発明のメモリ手段、放電状態検出手段、放電電流および端子間電圧を読み取る手段、電流割合値算出手段、端子間電圧算出手段、蓄電池の残存容量またはSOCの百分率を判定する手段として機能する。
【0031】
CPU81は、下記に述べる種々の処理を行う。以下、判定手段8の処理という場合、主としてCPU81で行う処理を意味する。CPU81は、放電状態検出手段、放電電流および端子間電圧を読み取る手段、電流割合値算出手段、端子間電圧算出手段、蓄電池の残存容量またはSOCの百分率を判定する手段として機能する。
メモリ82のROMにはCPU81で行う各種のプログラムが記憶されている。
メモリ82のRAMには後述する関係式(の係数)が記憶されている他、電流計6の測定値、電圧計7の測定値、演算処理データなどが記憶される。したがって、メモリ82のRAMは本発明のメモリ手段に該当する。RAMは、車両の停止期間でも、上記記憶した各種のデータが保持されるように、かつ、新たなデータの書き込みが可能なように、書き換え可能な不揮発性メモリが好ましい。
A/D変換部83は、アナログ電圧信号として表される電流計6および電圧計7の測定結果を入力して、CPU81で処理するディジタル信号に変換する。
I/Oポート84は、ディジタル形式のエンジン5の始動信号および再始動信号を入力する入力ポートと、アイドリングストップ処理手段10などに判定手段8の判定結果を示すディジタル信号を出力する出力ポートとを有する。
表示出力インタフェース(I/F)86は表示手段9への出力に用いる。
【0032】
レギュレータ85はエンジン5のエンジンキーの動作に連動して印加される電源電圧を入力して、CPU81、メモリ82、A/D変換部83、I/Oポート84の駆動電圧に調整する。
判定手段8を構成するCPU81、メモリ82、A/D変換部83、I/Oポート84は、オルタネータ2、鉛蓄電池3などから給電されるが、CPU81などは通常、3〜5VDCで動作する。しかし、オルタネータ2、鉛蓄電池3の電圧は電気装備4など車両に搭載された種々の電気製品を駆動するため、たとえば、オルタネータ2の出力電圧が14.5V程度であるように電圧が高い。そこで、レギュレータ85において、そのような高電圧をCPU81などが動作可能な電圧に調整している。
【0033】
A/D変換部83の入力電圧範囲は、たとえば、0〜±5V程度であるから、電流計6を用いた場合のように、その検出電圧が非常に低い時は電流測定調整部87で0〜5Vに増幅する。同様に、電圧計7の検出電圧が0〜15V程度の高いときは電圧測定調整部88で0〜5Vに分圧する。電流計6の検出信号および/または電圧計7の検出信号のレベルを判定手段8の外部でA/D変換部83の入力電圧範囲に調整している場合は、電流測定調整部87および電圧測定調整部88は不要である。
【0034】
上記蓄電池の残存容量判定装置に、アイドリングストップ処理手段10を付加すると、蓄電池の残存容量判定装置の結果に基づいて車両のアイドリングストップ処理を行うことができる。
図1に図解したように、蓄電池の残存容量判定装置にアイドリングストップ処理手段10を付加した構成が、車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定し、アイドリングストップ処理機能を有する装置となる。
【0035】
鉛蓄電池3の充放電特性
図3は、鉛蓄電池3が搭載された車両における、▲1▼の起動時(始動時)、▲2▼の走行中および▲3▼のアイドリングストップ中の蓄電池の充放電電流波形である。横軸は時間経過を示し、縦軸は電流を示す。なお、縦軸に示した蓄電池への充電電流を+で示し、蓄電池からの放電電流を−で示している。
▲1▼の期間、すなわち、エンジンキーが回転されてエンジン5が始動したとき、エンジン5を動作させるスタータ1を動作させるため鉛蓄電池3からスタータ1に大きな放電電流(−)が流れる。
▲2▼の期間、すなわち、車両の始動後の車両の走行中においては、エンジン5が動作してオルタネータ2が動作するので、発電機(オルタネータ)2からの電気装備4に給電されるとともに、充電電流が鉛蓄電池3に流れ鉛蓄電池3が充電される。
▲3▼の期間、すなわち、アイドリングストップ処理手段10がアイドリング可能と判断してアイドリングストップ中は、エンジン5が停止しているためオルタネータ2も停止するから、電気装備4に鉛蓄電池3から一定の放電電流(−の平坦曲線)が流れる。
【0036】
上述した▲1▼〜▲3▼の期間の鉛蓄電池3への充放電状態を▲4▼〜▲6▼に簡略化して図解している。
▲4▼の期間のうち、▲3▼の最後と▲4▼の最初の間は、アイドリングストップ終了後、エンジン5を再始動させるためにスタータ1を起動するため、▲1▼の期間と同様、鉛蓄電池3からスタータ1に大きな放電電流が流れる(−)。もちろん、鉛蓄電池3から電気装備4への給電も行われている。
エンジン5が再始動してオルタネータ2が動作すると、▲2▼の立ち上がり時と同様、オルタネータ2によって鉛蓄電池3が充電される(+の充電電流)。
アイドリングストップ状態になると、鉛蓄電池3から電気装備4などに放電電流が流れる(−の一定の値の放電電流)。
▲4▼と▲5▼の間のアイドリングストップ終了後、スタータ1を起動するため、鉛蓄電池3からスタータ1に放電電流が流れる。
【0037】
▲5▼の期間は、▲4▼の期間と同様であるが、▲5▼の期間は走行期間が長くアイドリングストップ時間が短い。
【0038】
鉛蓄電池3の放電電流または充電電流は、電流計6で測定でき、鉛蓄電池3の端子電圧は電圧計7で測定できる。判定手段8、特に、CPU81は、電流計6および電圧計7の測定値を読み込んで、それらの測定値を参照して鉛蓄電池3の残存容量およびSOCの判定を行う。
【0039】
以下、図1および図2に図解した蓄電池の残存容量判定装置における車両用鉛蓄電池の充電状態判定処理について述べる。
【0040】
SOCの判定処理
図3の▲2▼の期間の車両の走行中においては、鉛蓄電池3にはオルタネータ2から充電電流が流れることが多い。
▲3▼の期間のアイドリングストップ中においては、エンジン5が停止しているからオルタネータ2において発電は行われず、鉛蓄電池3への充電は行われていず、むしろ、鉛蓄電池3から電気装備4などの電装負荷へ充電電流が流れる。
アイドリングストップは、アイドリングストップ処理手段10においてアイドリングストップ可能と判断した場合、特に、鉛蓄電池3の残存容量がアイドリングストップし、再始動可能なだけ残存していることを判断したとき、アイドリングストップに移行する。
【0041】
判定手段8が行うアイドリングストップ中の鉛蓄電池3の残存容量の判定方法の詳細を図4のフローチャートを参照して述べる。
【0042】
ステップ1:事前処理として、オペレータは、図5に例示した、予め求めておいた各残存容量またはSOCの百分率に対する端子間電圧Vと電流割合値Cの関係式(図5参照)を判定手段8のメモリ82のRAMに記憶する。
なお、図5に例示した関係式は、後述する式1に示すように、一次直線で近似できるから、メモリ82のRAMに、各直線の係数aQn、bQnをを記憶しておけばよい。
この関係式の内容および求め方(測定方法)については後述する。
【0043】
ステップ2:判定手段8(CPU81)は、I<設定放電電流値を満たしたら、下記の処理を連続して行う。満たさなかった場合、電流積算法により、残存容量を算出する。
(1)ステップ3:CPU81は、鉛蓄電池3から流れる放電電流を電流計6で測定し、同時に鉛蓄電池3の端子間電圧を電圧計7で測定する。
(2)ステップ4:電流計6で測定した放電電流値Iを鉛蓄電池3の満充電容量を示す数値Q(Ah)で除算した電流割合値C(=I/Q)を算出する。
(3)ステップ5:判定手段8は、ステップ1において予め求めておいた鉛蓄電池3の各残存容量またはSOCの百分率に対する端子間電圧Vと電流割合値Cの関係式に、ステップ4において算出した電流割合値Cを代入することにより鉛蓄電池3の残存容量またはSOCの百分率に対する端子間電圧を求める。
(4)ステップ6:CPU81は、ステップ5において求めた端子電圧と、電圧計7で測定した端子間電圧値を比較対照することにより、鉛蓄電池3の充電状態またはSOCを判定する。
(5)ステップ7:CPU81は、車両の運転が終了するまで、ステップ2〜6の処理を反復する。
【0044】
残存容量又はSOCの計算方法の詳細
図5は鉛蓄電池3からの放電電流と鉛蓄電池3の端子間電圧の測定値から残存容量またはSOCを計算する際に使用するデータを示すグラフである。図中のプロットについての詳細は後述する。縦軸は鉛蓄電池3の端子間電圧を示し、横軸は鉛蓄電池3の満充電容量Q(Ah)に対する電流値Iの割合、すなわち、電流割合値C(=I/Q)を示す。
図5の図解から、電流割合値Cが大きくなると、つまり鉛蓄電池3の放電電流が増加すると鉛蓄電池3の端子間電圧が低下することが分かる。そして、鉛蓄電池3の電流割合値C(放電電流I)と端子間電圧Vの関係は線形性(直線関係)があることが分かる。したがって、図5の各残存容量Q1 〜Q9 における算出すべき各端子間電圧Vn と電流割合値Cとの関係式は下記一次式で表される。
【0045】
【数3】
Qn=aQn×C+bQn
ただし、aQnは残存容量Qn における第1の係数であり、
Qnは残存容量Qn における第2の係数である。
・・・(1)
【0046】
図4のステップ1において、メモリ82のRAMに記憶する関係式として、一次直線の式の上記係数aQn、bQnを記憶する。
図4のステップ6において、図5に例示したデータを使用して、鉛蓄電池3の現在の残存容量あるいはSOCの水準を判定するには、式1に示す関係式に、電流計6で測定した電流値からステップ4において求めた電流割合値Cを代入して各残存容量又は各SOCの端子間電圧値Vを求め(ステップ5)、算出した端子間電圧と実際に電圧計7で測定した端子間電圧とを比較することで、鉛蓄電池3の残存容量の水準判定することができる。すなわち、鉛蓄電池3の端子電圧は、残存容量を示しているから、算出した端子間電圧と実際に電圧計7で測定した端子間電圧とを比較することにより、鉛蓄電池3の残存容量を推定することができる。
【0047】
残存容量の推定方法
さらに、鉛蓄電池3の残存容量又はSOCの値を見積もる(推定する)場合には、概略値として下記式を使用して算出することができる。
下記式2は鉛蓄電池3の現在の残存容量がQnのときの鉛蓄電池3の放電電流値と端子間電圧値VQnの関係を表す1次式である。
下記式3は鉛蓄電池3の前回の残存容量がQn+1 のときの鉛蓄電池3の放電電流値と端子間電圧値VQn+1の関係を表す1次式である。
Qn、VQn+1はそれぞれ、残存容量Qn 、残存容量Qn+1 における測定された蓄電池の放電電流値から算出した端子間電圧値である。なお、ここでは、(Qn<Qn+1 )とする。
α,β,γ,δはそれぞれ係数であり、Cは電流割合値である。
係数α,β,γ,δは判定手段8のメモリ82のRAMに記憶されている。
電流割合値Cは、C=(測定した鉛蓄電池3の電流(A))/(鉛蓄電池3の満充電時の容量Q(Ah))で規定される。
【0048】
【数4】
Qn=α×C+β ・・・(2)
【0049】
【数5】
Qn+1=γ×C+δ ・・・(3)
【0050】
式4は鉛蓄電池3の残存容量を求める式である。
Vは電圧計7で測定した鉛蓄電池3の端子間電圧である。
【0051】
【数6】
残存容量=Qn +(Qn+1 −Qn )×〔(V−VQn)/(VQn+1−VQn)〕
ただし、Qn 、Qn+1 は、残存容量であり、
n <Qn+1 であり、
Qnは残存容量Qn における測定された蓄電池の放電電流値からから算出した端子間電圧であり、
Qn+1は残存容量Qn+1 における測定された蓄電池の放電電流値から算出した端子間電圧である。
・・(4)
【0052】
式1〜4を用いると、判定手段8(CPU81)において、鉛蓄電池3の残存容量あるいはSOCの百分率を計算することが可能になる。
【0053】
鉛蓄電池3が放電しているときの残存容量またはSOCの判定方法の具体例を述べる。
たとえば、鉛蓄電池3の放電電流値I=12.5A、端子間電圧値V=24.2V、車両に搭載されている鉛蓄電池3の満充電時の電池容量Q=50Ahの場合、電流割合値CはC=(測定した鉛蓄電池3の電流(A))/(鉛蓄電池3の満充電時の容量Q(Ah))から、(12.5/50=)0.25Cとなり、図5において、横軸の端子電圧V=24.2Vと、横軸の電流割合値C=0.25との交点(黒丸で示した部分)としてプロットすることができる。
プロットされた交点の上下に位置する部分の残存容量を、残存容量Q5=25Ah、Q6=30Ahとすると、プロットされた交点の残存容量は25Ah以上30Ah以下となる。
【0054】
図5の各残存容量又は各SOCにおける蓄電池の電流割合値Cと端子間電圧V5、V6の関係は、α=−2.12、β=+24.58を適用してV5=−2.12C+24.58、γ=−2.20,δ=+24.84を適用してV6=−2.20C+24.84であるから、電流割合値C=0.25Cにおける残存容量Q5、Q6の時の電圧値はV5=24.05、V6=24.29となる。
よって、判定手段8のCPU81において補間処理を行うと、残存容量は、25+(30−25)×〔(24.2−24.05)/(24.29−24.05)〕=28.13Ahとして求めることができる。
【0055】
また、判定手段8のCPU81において、上記のごとく求めた残存容量28.13Ahを鉛蓄電池3の満充電時の電池容量Q=50Ahで除算し、SOCの百分率=56.3%を求めてもよい。
【0056】
端子間電圧と電流割合の関係式の作成方法
図6を参照して図5に示した端子間電圧と電流割合値の関係式の作成方法を述べる。図6は放電したときの鉛蓄電池3の端子間電圧を実測したグラフである。
(1)たとえば、満充電時の電池容量が50Ahの鉛蓄電池3の場合、鉛蓄電池3を満充電状態とし、図6に示すように、Cに換算した電流割合値C1をT11時間(T11秒間)、電流割合値C2、C3をそれぞれT12時間(T12秒間)、電流割合値C4をT13時間(T13秒間)連続して放電させて、その際の蓄電池の端子間電圧を電圧計7で実測した。
(2)次いで、鉛蓄電池3の残存容量又はSOCを調整するために電流割合値Cに換算した電流割合値C5で定電流放電をT21時間(T21秒間)行った。
(3)その後、再度、電流割合値C1をT11秒、電流割合値C2、C3をそれぞれT12秒間、電流割合値C4をT13秒間連続して放電させて、その際の鉛蓄電池3の端子間電圧を電圧計7で実測した。
(4)再び、鉛蓄電池3の残存容量を調整するために電流割合値C5で定電流放電をT21時間実施して、電流割合値C1をT11秒間、電流割合値C2、C3をそれぞれT12秒間、電流割合値C4をT13秒間連続して放電させて、その際の鉛蓄電池3の端子間電圧を電圧計7で実測することを繰り返し実施し、鉛蓄電池3の電池容量がなくなるまで放電を行った。電池容量がなくなる条件の判断としては、鉛蓄電池3として12V車用電池を使用の場合、端子電圧が10.5Vに低下した時とした。
【0057】
実測した端子間電圧は、図6を参照すると蓄電池から電流割合値の電流C1で放電し始めてT11秒目の電圧、同様に電流割合値の電流C2、C3で放電し始めてT12秒目の電圧および電流割合値の電流C4で放電し始めてT13秒目の電圧値である。
このようにして蓄電池の各残存容量における電流割合値を変化させたときの端子間電圧を測定することにより、図5に図解した端子間電圧と電流割合値の関係式を作成することができる。
【0058】
図5に図解した関係式を求める他の方法としては、各電流割合値Cで、鉛蓄電池3の電池容量がなくなることの判定条件である10.5Vまで放電し、その後電流割合値0.2Cで放電し合計したものを電池容量とし、合計したものから放電容量を差し引いた容量を各残存容量として、そのときの端子間電圧値を求めても良い。
【0059】
端子間電圧と電流割合値の関係式の共有化
鉛蓄電池3の残存容量又はSOCを判定するときは、上述した電流積算法と、蓄電池からの放電電流値と端子間電圧値を測定し端子間電圧と放電電流値の関係式を参照することにより算出する方法との2つの方法がある。
図7(A)、(B)は、満充電時の電池容量が異なる蓄電池の電流と電圧の関係を示している。図7(A)は横軸を放電電流値としており、図7(B)は横軸を電流割合値としている。縦軸は共に端子間電圧である。
図7(B)に図解のごとく、横軸を図7(A)に図解した電流値から電流割合値にすることにより、満充電時の電池容量が異なる電池でも端子間電圧と電流割合値で示す電流の関係は、実線で示した特性と破線で示した特性がほぼ一致し、ほぼ同等であることがわかる。これは、満充電時の電池容量に応じた電流割合値の電流で放電することによって放電時の端子間電圧の特性がほぼ同様になるからである。よって、満充電時の電池容量が異なる蓄電池においても、同様のデータを使用して鉛蓄電池3の残存容量またはSOCの判定が可能となる。
【0060】
このように、本発明の第1実施の形態によれば、車両に搭載されている蓄電池の充電状態を判定するとき、蓄電池からの電流と端子間電圧とを測定し、予め用意しておいた各残存容量に対する端子間電圧と電流割合値と比較対照することで残存容量の判定を行い、残存容量判定に使用する関係式に、電流割合値を使用することにより、同一電池種別の満充電時の電池容量の異なる蓄電池を網羅した端子間電圧と電流割合値の関係を1種類用意するのみで対応可能となることから、蓄電池のメーカー別に端子間電圧と電流割合値の関係を測定するのみで対応することが出来る。
【0061】
さらに、アイドリングストップ機能を有する普通車、軽自動、大型バスや大型トラック、それぞれの適用されている蓄電池種別毎にほぼ同様の装置を適用することが可能であり、その点で大量生産により装置価格を格段に低くすることが可能である。
【0062】
上記実施の形態においては、二次蓄電池3として鉛蓄電池3を例示したが、本発明の適用に際しては二次蓄電池3であれば、鉛蓄電池に限定されない。ただし、上述したしきい値などの特性データは選択した二次蓄電池に応じて変更する必要はある。
【0063】
第2実施の形態
アイドリングストップ処理手段10は、上述した方法で算出した鉛蓄電池3の残存容量が、アイドリングストップ中、電気装備4に鉛蓄電池3から給電することが可能であり、さらに、アイドリングストップ終了後、鉛蓄電池3からスタータ1に給電してスタータ1を駆動することが可能な十分な残存容量があることを判断して、車両が所定時間継続して停止した場合など、アイドリングストップ状態に入る。
【0064】
アイドリングストップ処理手段10は、アイドリングストップ中、上述した方法で鉛蓄電池3の残存容量が更新されているのを監視して、アイドリングストップ状態を継続できるか否かを判断する。
たとえば、アイドリングストップ期間が長く、電気装備4への給電により鉛蓄電池3の残存容量がスタータ1を再起動させるだけの残存容量が不足するようにな事態が発生する前に、アイドリングストップ処理手段10はアイドリングストップを終了して、スタータ1を始動させる。
【0065】
本発明の第1実施の形態によって、鉛蓄電池3の残存容量またはSOCが正確に測定されているのでアイドリングストップ処理も正確に行うことができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明のアイドリングストップ機能を有する車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定する方法および装置によれば、簡単な構成または処理方法であり、実現が容易であり、実用化に適している。
【0067】
また、本発明のアイドリングストップ機能を有する車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定する方法および装置によれば、信頼性の高いアイドリングストップ処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のアイドリングストップ機能を有する車両に搭載された蓄電池の残存容量を判定する装置の1実施の形態の構成図である。
【図2】図2は図1に図解した装置構成の具体例を図解した図である。
【図3】図3は走行中・アイドリングストップ中における蓄電池の電流波形の例を示すグラフである。
【図4】図4はアイドリングストップ中における鉛蓄電池の残存容量またはSOCを判定する、判定手段のCPUにおける処理方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は鉛蓄電池の残存容量又はSOCを計算する際に使用する蓄電池の端子間電圧と電流割合値の関係式を示すグラフである。
【図6】図6は放電したときの鉛蓄電池3の端子間電圧を実測したグラフである。
【図7】図7(A)、(B)は満充電時の電池容量が異なる蓄電池の電流と電圧の関係を示したグラフであり、図7(A)は横軸を放電電流値とし、図7(B)は横軸を電流割合値としたグラフである。
【符号の説明】
1・・スタータ、2・・オルタネータ・3・・二次蓄電池(鉛蓄電池)
4・・電気装備、5・・エンジン、6・・電流計、7・・電圧計
8・・判定手段
81・・CPU、82・・メモリ、83・・A/D変換部
84・・I/Oポート、85・・レギュレータ、
86・・表示出力インタフェース(I/F)、
87・・電流測定調整部、88・・電圧測定調整部
9・・表示手段、10・・アイドリングストップ処理手段

Claims (9)

  1. 車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法であって、
    電池容量の異なる複数の蓄電池に対して、各残存容量または充電状態の百分率に対する端子間電圧と、当該蓄電池の放電電流を当該蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値の関係を示す関係式を事前に求めておき、
    前記蓄電池が放電しているとき、
    前記蓄電池の端子間電圧と放電電流を測定し、
    前記測定した放電電流の値を事前に得られた前記蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値を算出し、
    前記事前に求めた、前記蓄電池の各残存容量または充電状態の百分率に対する端子間電圧と電流割合値の関係を示す前記関係式に、前記算出した電流割合値を代入して前記残存容量又は充電状態の百分率に対する端子間電圧を求め、
    該求めた端子間電圧と、前記測定した端子間電圧値を比較対照して、前記蓄電池の残存容量又は充電状態の百分率を判定する
    車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
  2. 前記各残存容量(Q n )または充電状態(SOC)の百分率に対する端子間電圧(V Qn )と、当該蓄電池の放電電流を当該蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値(C)の関係を示す関係式は、下記の式で定義される、
    Qn=aQn ×C +bQn
    ただし、aQn、bQnは事前に求めた係数である、
    請求項1記載の車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
  3. 前記蓄電池の各残存容量(Qn )に対する端子間電圧(VQn)と電流割合値(C)の関係式を事前に求める工程において、
    満充電時の電池容量が前記各残存容量(Qn )のいずれより大きな電池容量を有する蓄電池について、まず前記蓄電池の満充電時において、それぞれ一定の複数の第1の電流割合値の電流をごく短い時間の間だけ放電し、この時の端子間電圧を測定する第1の測定工程と、
    一定の第2の電流割合値の電流で放電を任意の時間継続して放電容量を調整する工程を所定の端子間電圧まで降下するまで繰り返して行い、
    一定の第2の電流割合値の電流(Id2)で放電した時間の合計時間(T2)と前記一定の第2の電流割合値の電流(Id2)との積で規定される第1の放電容量と、それぞれ一定の複数の第1の電流割合値(Id1)とごく短い時間(T1)の積の総和である前記第1の測定工程にて放電される放電容量と、前記第1の測定工程を実施した回数(n)の積で規定される第2の放電容量により、合計した第3の放電容量を蓄電池の全放電容量と規定し、
    前記繰り返し行う各第1の測定工程を実施する前までに、第2の電流割合値の電流による放電容量および前記第1の測定工程によって放電される放電容量の合計容量を、前記蓄電池の全放電容量から差し引いた各放電容量について、第1の特性を求めて第1の特性を近似式に表し、端子間電圧と電流割合値の関係式を求める、
    請求項2に記載の車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
  4. 前記蓄電池が放電しているときの条件として、車両がアイドリングストップして前記蓄電池から放電しているときを条件とする、
    請求項1記載の車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
  5. 前記アイドリングストップしているとき、下記式に基づいて前記蓄電池の残存容量を算出する、
    請求項4に記載の車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
    【数1】
    残存容量=Qn +〔(Qn-1 −Qn )×(V−VQn)〕/(VQn-1−VQn
    ただし、Qn は現在の残存容量であり、
    n-1 は前回の残存容量であり、
    Qnは残存容量Qn における測定された蓄電池の放電電流値から から算出した端子間電圧であり、下記式で表される電圧で あり、
    Qn=α×C+β
    ここで、α、βは係数であり、
    Cは電流割合値(測定放電電流値/満充電時 の電池容量)であり、
    Qn-1は残存容量Qn-1 における測定された蓄電池の放電電流値 から算出した端子間電圧であり、下記式で表される電圧 であり、
    Qn-1=γxC+δ
    ここで、γ、δは係数であり、
    Cは電流割合値(測定放電電流値/満充電時 の電池容量)であり、
    Vは測定した蓄電池の端子間電圧である。
  6. 前記車両が走行中のとき、電流計で測定した充電電流を積算して前記蓄電池の残存容量を算出し、
    前記蓄電池が放電中のときに求めた残存容量と合計する、
    請求項1〜5のいずれかに記載の車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
  7. 前記車両の起動または始動のとき、所定量の放電量を前記蓄電池の残存容量から減じる、
    請求項1〜6のいずれかに記載の車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
  8. 前記判定した残存容量が所定量以上のとき、アイドリングストップを行う、
    請求項1〜7のいずれかに記載の車両に搭載された蓄電池の残存容量判定方法。
  9. エンジンを起動するスタータと、エンジンによって動作するオルタネータと、電気装備と、車両の起動時または再始動時前記スタータおよび前記電気装備に給電し、車両の走行時に前記オルタネータから充電され、車両がアイドリングストップのとき前記電気装備に給電を行う蓄電池を搭載した、蓄電池の残存容量判定装置であって、
    前記蓄電池の充放電電流を測定する電流計と、
    前記蓄電池の端子間電圧を測定する電圧計と、
    電池容量の異なる複数の蓄電池に対して、各残存容量または充電状態の百分率に対する端子間電圧と、当該蓄電池の放電電流を当該蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値の関係を示す関係式の係数を記憶するメモリ手段と、
    前記蓄電池が放電状態を検出したとき下記の諸手段を起動する放電状態検出手段と、
    前記電流計で測定した前記蓄電池の放電電流、および、前記電圧計で測定した前記蓄電池の端子間電圧を読み取る手段と、
    前記測定した放電電流の値を事前に得られた前記蓄電池の満充電容量を示す数で除算した電流割合値を算出する、電流割合値算出手段と、
    前記メモリ手段に記憶されている前記関係式の係数を用いて、前記関係式に前記算出した電流割合値を代入して残存容量又は充電状態の百分率に対する端子間電圧を求める端子間電圧算出手段と、
    該求めた端子間電圧と、前記測定した端子間電圧値を比較対照して、前記蓄電池の残存容量又は充電状態の百分率を判定する判定手段と
    を有する、
    車両に搭載された蓄電池の残存容量判定装置。
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