JP4369568B2 - ヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法に関し、特に、工業的に簡便な方法でありながら高収率で高品質のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、通常、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを触媒の存在下に反応させ、得られた反応液を直接蒸留により精製してその蒸留分として得られる。
【0003】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを工業的に製造するにあたっては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを高選択的に合成しうる新規な触媒系あるいは添加物を用いる方法、反応後の蒸留操作において重合トラブルを回避する方法、蒸留残渣の性状を改善する方法等数多くの技術が提案されている。
【0004】
ところで、メタクリル酸およびアクリル酸は工業的には、それぞれ炭素数4の化合物の気相酸化、および炭素数3の化合物の気相酸化反応で得られる。このようにして得られた(メタ)アクリル酸は数多くの不純物を含んでいるので、これら不純物をできるだけ除去して高品質な(メタ)アクリル酸としてから使用するのが一般的である。
【0005】
これは、(メタ)アクリル酸をアルキレンオキサイドと反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを合成する場合にも同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、炭素数4の化合物の気相酸化反応で得られるメタクリル酸または炭素数3の化合物の気相酸化反応で得られたアクリル酸を高度な精製を経ることなく原料として用い、一般的な方法により、アルキレンオキサイドとの反応を行うと、得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、重合性が極めて低く、また着色しており、製品として満足できる品質ではなかった。
【0007】
従って、炭素数4の化合物の気相酸化反応で得られるメタクリル酸または炭素数3の化合物の気相酸化反応で得られたアクリル酸を原料として用い、より経済的に、高品質のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造しうる方法が強く要望されてきた。
【0008】
従って本発明は、気相酸化反応で得られたメタクリル酸を用いながら高収率で高品質のヒドロキシアルキルメタクリレートを低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、気相酸化反応で得られた純度の低いメタクリル酸を第1級アミンと液相中で接触させ、この第1級アミンを含むメタクリル酸を原料に用いることにより高品質のヒドロキシアルキルメタクリレートが得られることを見出し本発明に至ったものである。
【0010】
即ち本発明は、炭素数4の化合物の気相酸化反応で得られたメタクリル酸を、第1級アミンと液相中で接触させた後、前記第1級アミンを含む前記メタクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることを特徴とするヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるメタクリル酸は炭素数4の化合物の気相酸化反応で得られたメタクリル酸であり、炭素数4の化合物として例えばイソブチレンまたはt−ブチルアルコールをもちいて気相酸化反応によりメタクロレインを中間物質として経由して合成されたメタクリル酸、あるいは炭素数4の化合物として、他の飽和または不飽和炭化水素類の異性化および/または脱水素反応の後、気相酸化により合成されたメタクリル酸等である。これらのメタクリル酸は精製されていないので純度は高くはないが、通常は98%以上の純度を有するものである。
【0012】
また、本発明で用いるアクリル酸は炭素数3の化合物の気相酸化反応で得られるアクリル酸であり、炭素数3の化合物として例えばプロピレンを用いて気相酸化反応により合成されたアクリル酸である。これらのアクリル酸は精製されていないので純度は高くはないが、通常は98%以上の純度を有するものである。
【0013】
本発明で用いられる第1級アミンとしては、脂肪族アミンまたは芳香族アミンのいずれでもよく、1分子中に複数個のアミン基を有するアミン類も含まれる。例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、モノエタノールアミン、1,6−ヘキサンジアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、アニシジン、トルイジンおよびフェニレンジアミン等を挙げることができる。
【0014】
気相酸化反応で得た(メタ)アクリル酸とアミンとの接触は、液相中で行う。接触の方法としては、例えば(メタ)アクリル酸にアミン化合物を添加し、所定の温度に加熱したのち、好ましくは混合物を撹拌し、空気を吹き込みながら、一定時間保持する方法等が用いられる。
【0015】
接触させるときの処理温度は20〜150℃、特に80〜140℃の範囲が好ましく、処理時間は10分ないし20時間、特に1時間ないし10時間の範囲が好ましい。また、この処理を行う際には、通常、重合禁止剤の添加を行うことなく実施することもできるが、より過酷な条件で、より安定した処理を行う目的で、適当な重合禁止剤を添加して行ってもよく、特に、空気の共存下に処理を行うのが重合防止上有効である。
【0016】
第1級アミンの添加量は(メタ)アクリル酸に対して0.0005〜0.2当量、特に、0.001〜0.1当量の範囲が好ましい。
【0017】
次に、このような第1アミンによる接触処理後、次のアルキレンオキサイドとの反応に用いる際に、第1アミンおよび(メタ)アクリル酸を含む処理液を、そのまま用いてもよく、または必要に応じて簡単な蒸留等により精製して用いてもよい。本発明では工程を簡略化する観点から、そのまま用いる方が好ましく、蒸留等の精製を行うにしてもなるべく簡便な方法にとどめる方が好ましい。また、第1級アミンは(メタ)アクリル酸に含ませておくことで、後述するように次のアルキレンオキサイドとの反応がむしろ有利になる。
【0018】
このように処理された(メタ)アクリル酸との反応に用いられるアルキレンオキサイドは、目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが蒸留により取得されることから、一般的に低分子量のものが好ましく、炭素数4までのものが好ましい。具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、および2,3−ブチレンオキサイドを挙げることができる。
【0019】
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応には数多くの触媒が提案されており、アミン類にもその触媒作用があることが知られている。従って、第1級アミン類を適切に選び接触処理後にそのまま第1アミンを含む液を用いることにより、アルキレンオキサイドとの反応において、特に、触媒を新たに添加しなくても反応を行わせることも可能である。しかし、より高い反応性で、高選択的に反応を行い、かつ、高い収率で高品質のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを取得するためには、アルキレンオキサイドと反応させる際に効果的な触媒を新たに添加することが好ましい。この触媒としては金属化合物を用いることが好ましく、特に、鉄、アルミニウム、クロム、リチウム、亜鉛、カドミウム、ニオブおよびルテニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含有する化合物であることが好ましい。
【0020】
このような金属化合物触媒に対して、第一級アミンは助触媒として働き、第1級アミンを添加しない場合に比べて反応速度が速くなったり、副生成物の制御が容易になるなどの利点がある。従ってアルキレンオキサイドとの反応のために新たに添加する触媒に応じて、接触処理に用いる第1級アミンの種類、添加量、さらに処理条件を適切に設定することが好ましい。
【0021】
金属化合物触媒は、例えばそれぞれの金属の硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩、有機酸塩などが用いられ、市販品をそのまま用いてもよいが、公知の手法によって反応原料となる無機酸または有機酸を用いて容易に調製することができる。
【0022】
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応は適当な反応速度を得るためには、撹拌下、加圧にて、加熱して行うのが一般的であり、例えばアルキレンオキサイドとして酸化エチレンを用いる場合、30〜120℃、好ましくは60〜90℃にて、圧力0.05〜1MPa、好ましくは、0.2〜0.5MPaで反応を行う。反応温度によっては、必要に応じて、適当な重合禁止剤を添加して行うのが好ましい。
【0023】
また、第1アミンによる接触処理を行った後、同一の反応器中でアルキレンオキサイドとの反応を行うことも可能である。
【0024】
反応を完結させた後、反応液から、減圧下にて、未反応のアルキレンオキサイドを脱気分離し、続いて蒸留により製品のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを蒸留して取得する。その際、必要に応じて、重合禁止剤を添加することが好ましい。
【0025】
蒸留に際しては、蒸留に供される反応液中にまだ反応触媒が存在しているので、蒸留時に必要以上に反応が進行する可能性があり、また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが重合する恐れもあるので、反応液と蒸発伝熱面との接触時間はできるだけ短くするのが好ましく、薄膜蒸発器等の設備を利用するのが効果的である。
【0026】
【実施例】
得られたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合性、および着色性の評価は次のように行った。
【0027】
<重合性評価>
重合誘導期間(IP)を次のように測定した。
1)内径20mm、深さ200mmの試験管に製品のヒドロキシアルキルメタクリレートを10.0g、ベンゾイルパーオキサイドを0.050g入れて、室温にて2分間混合して溶解する。
2)溶解後すぐに、ガラス製の保護管で覆われた温度センサーを試料中に入れて、その試験管を65℃の恒温水槽内に固定する。
3)同時に温度記録を開始し、その後、試料内での重合開始を示す発熱による温度上昇を検知して、測定開始から温度上昇を確認するまでの時間をIP(分)とする。
【0028】
<着色の評価>
ヒドロキシアルキルメタクリレートの着色の程度を示す色数APHAは、JIS K 0071:1993「化学製品の色及び硫酸着色の試験方法」に準じて測定した。
【0029】
以下、本発明の方法を実施例によって説明するが、本発明の方法はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0030】
[実施例1]
まずメタクリル酸としては、イソブチレンの気相酸化反応で合成され、トルエンで抽出後、溶媒を分離し、10段のオールダショウ型蒸留塔により還流比1で蒸留されたメタクリル酸(純度99.2%)を用意した。
【0031】
次に、2リットルの撹拌機付オートクレーブに、上記のメタクリル酸を861重量部と、o−フェニレンジアミンを8.84重量部(メタクリル酸に対して1.7モル%)加えて、撹拌下、少量の空気を混合液中に吹き込みながら、油浴で室温から125℃まで1時間かけて昇温した後、125℃を維持して3時間保持した。
【0032】
その後、氷浴でオートクレーブを冷却し、30℃としたところで、酢酸クロムを2.7重量部、ハイドロキノンを2.2重量部添加してからオートクレーブ容器を窒素置換し、加圧にてエチレンオキサイドを528重量部添加した。窒素にて系内をゲージ圧で300kPaに加圧した後、撹拌しながら油浴で徐々に昇温して、約1時間で75℃となるようにした。以降、加熱調節して反応液を75℃に維持し、残存メタクリル酸量が0.5重量%に達したところ(反応時間:7.0時間)で、オートクレーブを水浴で冷却しながら減圧下に未反応エチレンオキサイドを除去した。
【0033】
系内が2kPaで30℃に到達してから15分保持したのち、常圧に戻してから反応液1290重量部を薄膜蒸発器に一定流速で供給しながら、伝熱面温度85℃、300Paの減圧下で蒸留を行って、一次蒸留留出液1025重量部を取得し、続いて、一次蒸留残渣を同様に再度蒸留して、二次蒸留留出液195重量部を取得した。そこで、一次蒸留留出液と二次蒸留留出液を混合し、製品1220重量部(収率93.8%)を得た。製品の組成分析結果は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート97.0重量%、メタクリル酸0.2重量%、水分0.1重量%、その他2.7重量%であった。
【0034】
製品の色数はAPHA 10以下で着色は殆どなく、IP値は22(分)で、優れた重合性を示すことが確かめられた。条件および結果を表1に他の実施例と共に示す。
【0035】
なお、アセトンシアンヒドリンから誘導されたメタクリル酸(純度99.5%)を用いて、特別な処理を施すことなく、エチレンオキサイドとの反応以降を同様に実施したところ、収量、組成とも全く同等に得られた製品の色数はAPHA10以下であり、IP値は23(分)であった。つまり本発明によれば、気相酸化法によって得られたメタクリル酸を用いても、簡単な第1アミンとの接触処理によってアセトンシアンヒドリンから誘導されたメタクリル酸と同等の色数、IP値が得られ、工業的に極めて有利であることが判った。
【0036】
[比較例1]
実施例1と同じメタクリル酸を使用し、o−フェニレンジアミンによる処理を行わないこと以外は実施例1と同様に実施した結果、製品の収量は1218重量部(収率93.6%)で、製品の組成分析結果は2−ヒドロキシエチルメタクリレート97.1重量%、メタクリル酸0.2重量%、水分0.1重量%、その他2.6重量%であった。また、このとき、反応時間は8.0時間となって実施例1と比較して反応終了までに要する時間は長くなった。製品の色数はAPHA 100〜150で着色が強く、IP値は225(分)で極めて重合性が低かった。
【0037】
[実施例2〜17]
実施例1と同じメタクリル酸を使用し、第1級アミンの種類、添加量、処理条件のみを変更した以外は実施例1と同様に実施した結果を表1に示す。第1級アミンの添加量は使用したメタクリル酸に対するアミン基あたりの当量で示した。
【0038】
[実施例18〜20]
実施例1と同じメタクリル酸を使用し、エチレンオキサイドとの反応に使用する触媒として表2に示す種類、添加量に変更して行った以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。
【0039】
[実施例21]
2リットルの撹拌機付オートクレーブに、実施例1で用いたものと同じメタクリル酸を861重量部、エチレンジアミンを6.0重量部(メタクリル酸に対して2.0モル%)加えて、撹拌下、少量の空気を混合液中に吹き込みながら、油浴で室温から120℃まで1時間かけて昇温した後、120℃を維持して3時間保持した。
【0040】
その後、水浴でオートクレーブを冷却し、30℃としたところで、酢酸クロムを2.7重量部、ハイドロキノンモノメチルエーテルを2.8重量部、および1,2−ブチレンオキサイドを864重量部添加した。オートクレーブを密閉したのち、系内を窒素にて置換し、さらにゲージ圧300kPaに加圧した後、撹拌しながら油浴で徐々に昇温して約1時間で75℃となるようにした。以降、加熱調節して反応液を75℃に維持し、残存メタクリル酸量が0.5重量%に達したところ(反応時間:8.5時間)で、オートクレーブを水浴で冷却しながら、減圧下に、未反応の1,2−ブチレンオキサイドを除去した。
【0041】
系内が2kPaで30℃に到達してから15分保持したのち、常圧に戻してから反応液1570重量部を薄膜蒸発器に一定流速で供給しながら、伝熱面温度100℃、300Pa減圧下蒸留を行って、一次蒸留留出液1275重量部を取得し、続いて、一次蒸留残渣を同様に再度蒸留して、二次蒸留留出液156重量部を取得した。そこで一次蒸留留出液と二次蒸留留出液を混合し、製品1431重量部(収率90.6%)を得た。製品の組成分析結果は、2−ヒドロキシブチルメタクリレート97.9重量%、メタクリル酸0.3重量%、水分0.1重量%、その他1.7重量%であった。製品の色数はAPHA 15であり、IP値は32(分)であった。
【0042】
[比較例2]
実施例21と同じメタクリル酸を使用し、エチレンジアミンによる処理を行わないこと以外は全て実施例21と同様に実施した結果、製品の収量は1445重量部(収率91.5%)で、製品中2−ヒドロキシブチルメタクリレートの純度は98.1%であった。この時、反応時間は9.5時間となって実施例21と比較して反応終了までに要する時間は長くなった。また、この製品の色数はAPHA 100〜150であり、IP値は258(分)であった。
【0043】
[比較例3]
実施例15と同じメタクリル酸を使用し、エチレンジアミンによる接触処理は行わないが、エチレンオキサイドとメタクリル酸との反応の際にエチレンジアミンを6.0重量部(メタクリル酸に対して2.0モル%)添加し、それ以外は実施例15とまったく同様に反応を行った。残存メタクリル酸量が0.5重量%に達する時間(反応時間:7.0時間)は実施例15とまったく同じであり、薄膜蒸留によって得られた2−ヒドロキシエチルメタクリレートの製品収率は91.0%、また純度は97.5%であった。しかしながら、製品の色数はAPHA 20〜50であり、IP値は180(分)であった。
【0044】
以上の実施例および比較例の結果をまとめて表1に示す。
【0045】
【表1】
(表中、HAMA:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)
【0046】
【表2】
【0047】
本発明によれば、気相酸化反応で得られたメタクリル酸を用いながら高収率で高品質のヒドロキシアルキルメタクリレートを低コストで製造することができる。
Claims (5)
- 炭素数4の化合物の気相酸化反応で得られたメタクリル酸を、第1級アミンと液相中で接触させた後、前記第1級アミンを含む前記メタクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることを特徴とするヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法。
- 前記の炭素数4の化合物の気相酸化反応で得られるメタクリル酸が、炭素数4の化合物としてイソブチレンまたはt−ブチルアルコールを用いて気相酸化反応によりメタクロレインを中間物質として経由して合成されたメタクリル酸であるか、あるいは炭素数4の化合物としてその他の飽和または不飽和炭化水素類の異性化および/または脱水素反応の後、気相酸化反応を行って合成されたメタクリル酸である請求項1記載のヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法。
- 前記第1級アミンが、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、モノエタノールアミン、1,6−ヘキサンジアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、アニシジン、トルイジン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンおよびm−フェニレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のものであることを特徴とする請求項1または2記載のヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法。
- 前記メタクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応を行う際に、触媒として金属化合物を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法。
- 触媒として用いる前記金属化合物が、鉄、アルミニウム、クロム、リチウム、亜鉛、カドミウム、ニオブおよびルテニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属を含有する化合物であることを特徴とする請求項4記載のヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法。
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