JP3792449B2 - メタクリル酸の精製法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、メタクロレインとメタノールからパラジウム含有化合物を用いて液相で製造されたメタクリル酸の精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソブタン、イソブチレン、第3級ブチルアルコール、メチル第3級ブチルエーテル、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド、イソ酪酸等を気相接触酸化して得られたメタクリル酸を第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物、強酸性イオン交換樹脂、ならびに、ホルムアルデヒド含有物および強酸性イオン交換樹脂を用いて精製する方法は、特開平11−60536号公報に記載されており公知である。
また、メタクロレインとメタノールからパラジウム含有化合物を用いて液相反応でメタクリル酸メチルおよびメタクリル酸を製造する方法(以下、液相直メタ法という。)は、たとえば、特公昭61−19090号公報、特公昭62−7902号公報、特開平5−148184号公報、特開平9−216850号公報、特開平9−221453号公報および特開平10−158214号公報等に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液相直メタ法で製造されたメタクリル酸は、不純物の影響で着色したり、重合性が著しく劣る等の問題がある。このような不純物には沸点がメタクリル酸に近いものがあり、通常の抽出や蒸留等運転上容易な手段でこのような不純物を含むメタクリル酸を精製することは極めて困難であった。
【0004】
本発明の目的は、メタクロレインとメタノールからパラジウム含有化合物を用いて液相反応で製造された着色要因物質および/または重合阻害要因物質を含有するメタクリル酸から、着色が少なく、重合性能に優れた高品質なメタクリル酸を高収率で得ることのできる運転上容易な精製法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メタクロレインとメタノールからパラジウム含有化合物を用いて液相反応で製造されたメタクリル酸の精製法であって、当該メタクリル酸に第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物を接触させる工程、当該メタクリル酸に強酸性イオン交換樹脂を接触させる工程、ならびに当該メタクリル酸にホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させる工程、を含むメタクリル酸の精製法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の精製対象であるメタクリル酸は、液相直メタ法で得られるものである。液相直メタ法の原料であるでメタクロレインの製造方法は特に限定されないが、炭素数4の化合物を気相接触酸化して得られたものが適している。炭素数4の化合物としては、例えば、イソブタン、イソブチレン、第3級ブチルアルコール、メチル第3級ブチルエーテル等が挙げられる。メチル第3級ブチルエーテルの炭素数は5であるが、気相接触酸化の際に直ちに分解して、炭素数4のイソブチレンが得られることから、ここでは炭素数4の化合物として取り扱う。
【0007】
パラジウム含有化合物は、少なくともパラジウムを含有していることが必須であり、パラジウム以外の構成元素については特に限定されない。この化合物は液相直メタ法の触媒として作用するもので、好ましくはパラジウムおよびX(ここにXはテルル、水銀、タリウム、鉛およびビスマスからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示す。)、または、パラジウムおよびXおよびY(ここにYはマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、銀、錫、アンチモン、バリウムおよびセリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示す。)である。
【0008】
パラジウム含有化合物は、通常、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、活性炭、ケイソウ土、ゼオライト等の各種の担体に担持したものが触媒として用いられるが、これに限定されることはなく、構成される成分のみからなる触媒であってもよい。
【0009】
本発明によって精製されるメタクリル酸は、前記した液相直メタ法で製造されるメタクリル酸およびメタクリル酸メチルの混合物から抽出および蒸留等の分離精製工程を経て得られるものである。本発明は、該工程を経てメタクリル酸の含有率が約90重量%以上に濃縮されたものが精製対象として適切であるが、この分離精製の有無、メタクリル酸濃度に制限されることはない。すなわち、上記反応工程中で得られるメタクリル酸メチルとメタクリル酸の混合物の状態で、しかもメタクリル酸の濃度がメタクリル酸メチルより低い場合でも精製処理の対象とすることができる。このような観点から、以下、本発明の精製法の対象となるメタクリル酸をメタクリル酸含有物と表記する。これらメタクリル酸含有物は、着色要因物質および/または重合阻害要因物質を含有しており、これらは液相直メタ法で生じたものだけでなく、原料メタクロレインに由来するものもある。
【0010】
液相直メタ法を実施する際、メタノールの量はメタクロレイン1モルに対して0.1〜100モルであり、好ましくは0.5〜5モル、より好ましくは1〜3モルである。また、反応形式は特に限定されず、回分式、半回分式、連続式の何れでもよい。触媒として使用するパラジウム含有化合物の量は、所望の転化率等を考慮して決定される。反応に必要な分子状酸素の量については特に限定はないが、メタクロレイン1モルに対して通常0.05〜2モルであり、好ましくは0.1〜0.5モルである。分子状酸素源としては空気、酸素冨化した空気、酸素、反応に不活性なガスで希釈した酸素や空気が用いられる。反応温度は0〜200℃であり、好ましくは50〜150℃である。反応圧力は、常圧、加圧および減圧の何れでもよいが、好ましくは常圧〜0.4MPaである。
【0011】
本発明は、液相直メタ法で得られた着色要因物質および/または重合阻害要因物質を含むメタクリル酸含有物に、第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物、強酸性イオン交換樹脂、ならびに、ホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させることからなる。
【0012】
本発明で用いる第1級または第2級のアミノ基含有化合物としては、脂肪族、芳香族アミンの何れでもよく、1分子中に複数個のアミノ基を有するアミン類、アンモニア、ヒドラジンおよびその誘導体、さらには、ヒドロキシルアミンおよびその無機酸塩等の化合物が含まれる。第1級または第2級のアミノ基含有化合物としては、たとえばプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルエチルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、N, N’−ジフェニルエチレンジアミン、エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、アニリン、トルイジン、N−エチルアニリン、N−プロピルアミン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、N−メチルフェニレンジアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、アニシジン等が挙げられる。
【0013】
これら、第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物を接触させる際の添加量は、メタクリル酸含有物100重量部に対して、0.001〜1重量部であり、特に0.005〜0.8重量部の範囲が好ましい。
【0014】
また、本発明で用いる強酸性イオン交換樹脂は、交換容量、架橋度等に関して特に規定はない。強酸性イオン交換樹脂は、回分式、連続式何れの方法で用いてもよい。その使用量は、回分式ではメタクリル酸含有物100重量部に対して、0.1〜50重量部、特に1〜30重量部の範囲が好ましい。連続式ではメタクリル酸含有物の流通量は強酸性イオン交換樹脂に対して空間速度で0.01〜10hr-1、特に0.05〜5hr-1の範囲が好ましい。
【0015】
本発明で用いるホルムアルデヒド含有物としては、ホルムアルデヒドのほか、ホルムアルデヒドを生成し得る化合物、たとえば、パラホルムアルデヒド等も用いることができる。通常は、ホルマリンとして市販されているホルムアルデヒド水溶液が用いられる。その使用量は、メタクリル酸含有物に対して、ホルムアルデヒドの重量比で10〜10000ppm、特に50〜5000ppmの範囲が好ましい。
【0016】
ホルムアルデヒド含有化合物は、スルホン酸基含有化合物と共に用いなければならない。ホルムアルデヒド含有化合物を単独で用いた場合にはメタクリル酸含有物に含まれる不純物の除去効果は乏しい。スルホン酸基含有化合物は、スルホン酸基を分子内に有する無機または有機化合物を意味し、たとえば、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、スルホン酸基を交換基として有する強酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。スルホン酸基含有化合物は、回分式、連続式何れの方法で用いてもよい。使用量は、回分式ではメタクリル酸含有物100重量部に対して、0.1〜50重量部、特に1〜30重量部の範囲が好ましい。また、強酸性イオン交換樹脂を連続式で用いた場合には、メタクリル酸含有物の流通量は強酸性イオン交換樹脂に対して空間速度で0.01〜10hr-1、特に0.05〜5hr-1の範囲が好ましい。
【0017】
本発明の精製法を実施するには、第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物を接触させる工程、強酸性イオン交換樹脂を接触させる工程、ならびに、ホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させる工程をどのような順序で行ってもよいが、本発明は、これら3つの工程を必須とするところに特徴がある。
【0018】
第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物を接触させる工程としては、たとえば、メタクリル酸含有物にアミノ基含有化合物を添加して、所定の温度に加熱した後、好ましくは混合物を撹拌しながら一定時間保持する方法が用いられる。このときの温度は50〜150℃、特に80〜130℃の範囲が好ましい。接触させる時間は5分〜5時間、特に15分〜3時間の範囲が好ましい。
【0019】
強酸性イオン交換樹脂を接触させる工程としては、回分式、連続式何れの方法でも行えるが、固定床で流通接触させる方法が好ましい。このときの温度は20〜150℃、特に40〜130℃の範囲が好ましい。回分式の場合、接触させる時間は5分〜5時間、特に15分〜3時間の範囲が好ましい。
【0020】
ホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させる工程は、回分式、連続式何れの方法でも行えるが、スルホン酸基を交換基として有する強酸性イオン交換樹脂等の固体触媒を充填した固定床にホルムアルデヒド含有物を加えたメタクリル酸含有物を流通させる方法が好ましい。このときの温度は20〜150℃、特に40〜130℃の範囲が好ましい。回分式の場合、接触させる時間は5分〜5時間、特に15分〜3時間の範囲が好ましい。
【0021】
第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物を接触させる工程を行った後の液は、そのまま次の処理工程に通してもよいが、蒸留した後に次の工程を行った方が好ましい。また、強酸性イオン交換樹脂を接触させる工程またはホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させる工程後の液は、そのまま次の工程を実施しても、蒸留した後に次の工程を行ってもよい。接触させた液は、最終的に蒸留等によって未反応の第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物、強酸性イオン交換樹脂、ホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物(以下、処理剤という。)や、処理剤と着色要因物質や重合阻害要因物質との反応物をメタクリル酸から分離するが、このとき、フェノチアジン、ベンゾフェノチアジン等の重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例および比較例中のメタクリル酸の純度は、重量百分率を意味する。また、メタクリル酸の回収率は、次式により定義される。
回収率(%)= B/A×100
式中のAおよびBは、
A:精製前のメタクリル酸含有物中のメタクリル酸の重量
B:精製後のメタクリル酸含有物中のメタクリル酸の重量
を意味する。
【0023】
[実施例1]
イソブチレンの気相接触酸化反応で得られたメタクロレインからメタノールと5重量%パラジウム−3重量%ビスマスをシリカに担持させた触媒を用いて液相反応でメタクリル酸およびメタクリル酸メチルの混合液を得た。得られた混合液から抽出および蒸留によって、純度99.0重量%のメタクリル酸含有物を得た。このものの色数はAPHA78であった。
【0024】
得られたメタクリル酸含有物100gに重合禁止剤としてフェノチアジン0.05gを添加し、次にエチレンジアミン0.05gを添加して100℃で2時間接触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留して得たメタクリル酸に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.02gを添加し、強酸性イオン交換樹脂「アンバーリスト15E」(商品名、ロームアンドハース社製、以下同じ)2.5gを添加し、100℃で1時間接触させた。この液からデカンテーションによってイオン交換樹脂を取り除いた後、ホルムアルデヒド35重量%を含有した水溶液を、メタクリル酸含有物に対してホルムアルデヒドの含有比が100ppmとなるように加えた。「アンバーリスト15E」5gをガラス製U字管に固定し、80℃の恒温下でホルムアルデヒドを加えたメタクリル酸含有物を空間速度0.2hr-1で流通接触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留を行い、精製メタクリル酸を94%の回収率で回収した。
【0025】
このようにして得られた精製メタクリル酸の色数は、APHA3に改善された。さらに、得られたメタクリル酸について次の方法で重合性能の指標である誘導期間を測定した。試験管にメタクリル酸100mlとハイドロキノンモノメチルエーテル5mgおよび重合促進剤として過酸化ベンゾイル0.1gを加えて溶解する。これに水10mlを加え、温度65℃の恒温槽に浸漬し、熱電対を用いて温度を測定し、65℃より液温が上昇した時点、すなわち、重合熱の発生し始めた時点の時間を測定し、それまでに要した時間を誘導期間(以下同じ)とする。本実施例によって得た精製メタクリル酸の誘導期間は8.0分であった。
【0026】
[実施例2]
エチレンジアミン0.05gの代わりに、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン0.10gを使用したほかは実施例1と同じ条件で精製を行った。得られた精製メタクリル酸の回収率は93.1%で、色数はAPHA4であり、誘導期間は8.5分であった。
【0027】
[実施例3]
エチレンジアミン0.05gの代わりに、ヒドラジン0.03gおよびN,N’−ジフェニルエチレンジアミン0.05gを使用したほかは実施例1と同じ条件で精製を行った。得られた精製メタクリル酸の回収率は92.8%で、色数はAPHA3であり、誘導期間は8.0分であった。
【0028】
[実施例4]
イソブチレンの気相接触酸化で得られたメタクロレインからメタノールと5重量%パラジウム−3重量%ビスマスをシリカに担持させた触媒を用いて液相反応でメタクリル酸およびメタクリル酸メチルの混合液を得た。得られた混合液から抽出および蒸留によって純度99.1重量%のメタクリル酸含有物を得た。このものの色数はAPHA80であった。
【0029】
得られたメタクリル酸含有物100gに重合禁止剤としてハイドロキノン0.02gを添加し、強酸性イオン交換樹脂「アンバーリスト15E」2.5gを添加して、100℃で1時間接触させた。デカンテーションによってイオン交換樹脂を取り除いた後、エチレンジアミン0.05gを添加して100℃で2時間接触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留を行い、得られたメタクリル酸にホルムアルデヒド35重量%を含有した水溶液をメタクリル酸含有物に対しホルムアルデヒドの含有比が100ppmとなるように加えた。「アンバーリスト15E」5gをガラス製U字管に固定し、80℃の恒温下でホルムアルデヒドを加えたメタクリル酸含有物を空間速度0.2hr-1で流通接触させた。次いで1.3kPa減圧下で単蒸留を行い、精製メタクリル酸を93.2%の回収率で回収した。得られた精製メタクリル酸の色数はAPHA3であり、誘導期間は8.5分であった。
【0030】
[実施例5]
イソブチレンの気相接触酸化で得られたメタクロレインからメタノールと5重量%パラジウム−3重量%ビスマスをシリカに担持させた触媒を用いて液相反応でメタクリル酸およびメタクリル酸メチルの混合液を得た。得られた混合液から抽出および蒸留によって純度99.0%のメタクリル酸含有物を得た。このものの色数はAPHA72であった。
【0031】
このメタクリル酸含有物100gに重合禁止剤としてフェノチアジン0.05gを添加し、次にエチレンジアミン0.05gを添加して100℃で2時間接触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留して得たメタクリル酸含有物に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.02gを添加し、ホルムアルデヒド35重量%を含有した水溶液をメタクリル酸含有物に対してホルムアルデヒドの含有比が100ppmとなるように加えた。「アンバーリスト15E」5gをガラス製U字管に固定し、80℃の恒温下でホルムアルデヒドを加えたメタクリル酸含有物を空間速度0.2hr-1で流通接触させた。この液に対して強酸性イオン交換樹脂「アンバーリスト15E」2.5gを添加し、100℃で1時間接触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留を行い、精製メタクリル酸を94%の回収率で回収した。得られた精製メタクリル酸の色数はAPHA2であり、誘導期間は7.9分であった。
【0032】
[比較例1]
ホルムアルデヒドを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてメタクリル酸を精製した。その結果、精製メタクリル酸の回収率は93.0%、色数はAPHA20、誘導期間は10.0分であった。この例では、実施例1に比べて色数が悪化した。
【0033】
[比較例2]
強酸性イオン交換樹脂「アンバーリスト15E」2.5gを添加し、100℃で1時間接触させる処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸含有物を精製した。その結果、精製メタクリル酸の回収率は93.5%、色数はAPHA7、誘導期間は18.0分であった。この例では、実施例1に比べて色数および誘導期間がともに悪化した。
【0034】
[比較例3]
エチレンジアミンを接触させる処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸含有物を精製した。その結果、精製メタクリル酸の回収率は93.0%、色数はAPHA15、誘導期間は12.0分であった。この例では、実施例1に比べて色数および誘導期間がともに悪化した。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、メタクロレインとメタノールからパラジウム含有化合物を用いて液相反応で製造された着色要因物質および/または重合阻害要因物質を含有するメタクリル酸含有物から、従来の方法に比較して少量の処理剤で着色が少なく、重合性能に優れた高品質なメタクリル酸を運転上容易に高収率で得ることができる。
Claims (1)
- メタクロレインとメタノールからパラジウム含有化合物を用いて液相反応で製造されたメタクリル酸の精製法であって、当該メタクリル酸に第1級および/または第2級のアミノ基含有化合物を接触させる工程、当該メタクリル酸に強酸性イオン交換樹脂を接触させる工程、ならびに当該メタクリル酸にホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させる工程、を含むメタクリル酸の精製法。
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