JP4369303B2 - 動圧軸受装置およびその製造方法、ならびにモータおよびディスク駆動装置 - Google Patents

動圧軸受装置およびその製造方法、ならびにモータおよびディスク駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、動圧軸受部材と軸部材とが動圧軸受部内の潤滑流体の動圧力により非接触で回転支持される構成になされた動圧軸受装置およびその製造方法、ならびにモータおよびディスク駆動装置に関する。
近年、各種回転体を高速回転下で安定して支持することができるようにした動圧軸受装置の開発が進められているが、例えば本発明の実施形態である図1に示されている動圧軸受装置を備えたHDD用スピンドルモータでは、固定部材としてのベースフレーム11の略中央部分に設けられた軸受保持ホルダー12の内周側接合面に対して、略円筒状の動圧軸受部材(軸受スリーブ)13の外周側接合面が、圧入接着や隙間嵌め接着により軸方向に挿通されて接合されている。そして、上記動圧軸受部材13と、その動圧軸受部材13内に回転可能に挿通された回転軸21との半径方向および軸方向の各対向隙間からなる軸受空間によって、ラジアル動圧軸受部RBおよびスラスト動圧軸受部SBがそれぞれ形成されており、それらラジアル動圧軸受部RBおよびスラスト動圧軸受部SB内に充填されたオイル等の潤滑流体の動圧力によって上記回転軸21がラジアル方向およびスラスト方向の双方に相対的に浮上され、非接触で回転支持させる構成になされている。
また、図6に示されているように、上述した動圧軸受部材(軸受スリーブ)13の軸方向端部に設けられた開口部分には、潤滑流体の毛細管力を利用して外部漏れを防止するテーパ状狭小通路からなる毛細管シール部RSが設けられている。さらに、その毛細管シール部RSの開口部から半径方向に向かって延在するシール外表面RS1に対しては、適宜の撥油処理が施されており、当該シール外表面RS1に付着した潤滑流体の濡れ拡散を防止するように構成されている。(以下の引用文献1参照)
ところで、このような構成を備えた動圧軸受装置に対しては、種々の軸受特性や機能が要求されているが、特に軽薄短小化の要請が強くなっている今日においては、
a)動圧軸受部材(軸受スリーブ)の接合強度、
b)毛細管シール部のシール機能、
c)シール外表面(撥油処理面)の濡れ拡散防止機能
の3項目を十分に確保しておくことが動圧軸受装置の品質を保持する上で極めて重要となっ来ている。
これらの各点を具体的に説明しておくと、まず上述したa)のように動圧軸受部材(軸受スリーブ)の接合強度が重要であるのは、動圧軸受装置における種々の接合部分のうち動圧軸受部材と他の部材との接合部分に最も大きな加重が負荷されるからであり、特に、小型化が急速に進むに伴って接合面の面積も縮小されて来ており、その分、接合強度も急速に低下する傾向となってきている。一方、携帯電話などのように落下の危険性を伴うものに使用する場合には、例えば1000G以上の高い耐衝撃性能が要求されることもあるからである。
また、b)の毛細管シール部のシール機能が重要であるのは、良好な軸受特性を長期にわたって確保するためには潤滑流体を外部に漏らすことなく良好に保持しておくことが必要であるからであり、特に小型化された装置のように潤滑流体の保持スペースが小さくなるなどによって量的な余裕がない場合には極めて重要である。そして、この毛細管シール部のシール機能を良好に維持するためには、当該毛細管シール部における内壁面を清浄状態に維持しておくことによって、図6中の実線で示したように毛細管シール部RS内における潤滑流体DFの接触角θを小さく保つことが必要である。図6中の波線で示したように潤滑流体DFの接触角θが大きくなると、毛細管シール部RSの毛細管力が小さくなってしまうからである。
さらに、c)の撥油処理面の濡れ拡散防止機能は、動圧軸受部から外部漏れした潤滑流体をなるべく外方に拡散させることなく維持し、装置内の清浄度を確保するために重要なものであるが、その撥油処理面に被着された撥油膜は、潤滑流体の注入後における拭き取り作業などの際に剥がれ落ちてしまうおそれがあることから、十分な強度をもって密着させておく必要がある。
特開2003−194060
そこで本発明は、動圧軸受装置にとって重要な3箇所の品質を、容易かつ確実に確保することができるようにした動圧軸受装置およびその製造方法、ならびにモータおよびディスク駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項1にかかる動圧軸受装置および請求項にかかる動圧軸受装置の製造方法では、金属材から形成した動圧軸受部材の外表面における適宜の一箇所にプラズマを照射することによって、少なくとも潤滑流体の外部漏出を防止する毛細管シール部の内表面、その毛細管シール部の開口部に対して半径方向外方側または内方側に配置されたシール外表面、および動圧軸受部材における他の部材との接合面に、プラズマ処理表面であるプラズマ洗浄表面を形成するようにしている。
このような構成を有する請求項1にかかる動圧軸受装置および請求項にかかる動圧軸受装置の製造方法によれば、プラズマ照射を動圧軸受部材の適宜の一箇所に行うことによって、プラズマが必要な箇所に回り込んでいき、特に動圧軸受部材の各表面に付着した有機汚染物質が良好に清浄化されることによって、毛細管シール部を構成している内壁面の清浄性が維持されるとともに、清浄化されたプラズマ処理表面としてのプラズマ洗浄表面からなるシール外表面に対する撥油膜の密着性が高められ、さらに清浄化されたプラズマ処理表面であるプラズマ洗浄表面からなる動圧軸受部材の接合面に対して接着剤が極めて良好に充填されるようになっている。
また、本発明の請求項にかかる動圧軸受装置および請求項にかかる動圧軸受装置の製造方法では、動圧軸受部材を金属材から形成し、プラズマ処理表面を動圧軸受部材の表面におけるプラズマ洗浄表面として形成するようにしていることから、動圧軸受部材の表面に対する特に清浄性が良好に確保されるようになっている。
また、本発明の請求項にかかる動圧軸受装置および請求項にかかる動圧軸受装置の製造方法では、動圧軸受部材を樹脂材から形成し、プラズマ処理表面を動圧軸受部材の表面におけるプラズマ凹凸表面として形成するようにしていることから、動圧軸受部材の表面における撥油剤や接着剤に対するアンカー作用が高められ、それらの密着性が大幅に向上されるようになっている。
また、本発明の請求項にかかる動圧軸受装置および請求項にかかる動圧軸受装置の製造方法では、前記請求項1および請求項における動圧軸受部材のシール外表面に対してプラズマ処理を施してプラズマ洗浄表面とし、当該動圧軸受部材のシール外表面に適宜の撥油処理を施すようにしていることから、汚染物をほとんど介在することなく撥油膜が良好に密着されるようになっている。
また、本発明の請求項にかかる動圧軸受装置および請求項にかかる動圧軸受装置の製造方法では、前記請求項および請求項6における動圧軸受部材の接合面に対してプラズマ処理を施してプラズマ凹凸表面とし、当該動圧軸受部材の接合を適宜の接着剤を用いて行うようにしていることから、汚染物をほとんど介在することなく接着剤が良好に密着されるようになっている。
一方、本発明の請求項にかかるモータは、請求項1ないし請求項までのいずれかに記載された動圧軸受装置を備え、また本発明の請求項10にかかるディスク駆動装置は、請求項におけるモータと、そのモータのロータに搭載された情報記録ディスクと、その情報記録ディスクに対して情報を記録または再生する記録ヘッドとを含むことから、上述した動圧軸受装置およびその製造方法と同様な作用が得られる。
以上説明したように、本発明にかかる動圧軸受装置およびその製造方法ならびにモータおよびディスク駆動装置は、プラズマ照射を動圧軸受部材の適宜の一箇所に行うことによって動圧軸受部材の各表面に付着した有機汚染物質が良好に清浄化し、毛細管シール部を構成している内壁面の清浄性を維持し、清浄化したプラズマ処理表面からなるシール外表面に対する撥油膜の密着性を高め、さらに清浄化したプラズマ処理表面からなる動圧軸受部材の接合面に対して接着剤を極めて良好に充填するように構成したものであるから、動圧軸受装置にとって重要な3箇所の品質を容易かつ確実に確保することができ、動圧軸受装置の信頼性を低コストで大幅に高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明することとするが、それに先立って、まず本発明を適用する動圧軸受装置を備えたハードディスク駆動装置(HDD)用のスピンドルモータの概略構造を説明しておく。
本発明は、図1、図3および図4に示されているような軸回転型の動圧軸受装置を備えたアウターロータ型のスピンドルモータ、ならびに図2に示されているような軸固定型の動圧軸受装置を備えたアウターロータ型のスピンドルモータのいずれに対しても適用することができるものであるが、まず図1にかかるスピンドルモータの概略構造を説明することとし、それ以外のモータ構造については主として相違する点の構成について説明することとする。
すなわち、図1に示されている第1の実施形態にかかる軸回転/アウターロータ型のHDD用スピンドルモータの全体は、固定側部としてのステータ組10と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付けられた回転側部としてのロータ組20とから構成されている。
このうちステータ組10は、図示を省略した磁気ディスク装置の装置本体プレートにネジ止めされるベースフレーム11を有しており、そのベースフレーム11の略中央部分に形成された筒状のスリーブ保持部12の内周側には、略中空円筒状に形成された動圧軸受部材として軸受スリーブ13の外周側における接合面13aが、圧入接着や隙間嵌め接着によって一体的に接合されている。軸受スリーブ13は、ステンレス(SUS)材から構成されているが、加工を容易化する場合にはリン青銅などの銅系材料から構成され、中心部分には軸方向両端に開口部を有する軸受中心孔が貫通形成されている。
また、上述したスリーブ保持部12の外周面には、ステータコア14の中心リング部14aが軸方向に挿通されるようにして固定されているとともに、その中心リング部14aから放射状に突出する複数の各突極部14bにはステータコイル14cが巻装されている。
さらに、上記軸受スリーブ13の軸受中心孔の内部には、前述したロータ組20の一部を構成する軸部材としての回転軸21が回転自在に挿入されている。本実施形態における回転軸21はステンレス(SUS)材から形成されている。そして、前記軸受スリーブ13の内周面に形成された動圧面と、上記回転軸21の外周面に形成された動圧面とは、半径方向に微少隙間を介して半径方向に面対向するように配置されており、その微少隙間からなる軸受空間によってラジアル動圧軸受部RBが構成されている。そのラジアル動圧軸受部RBの軸受空間は、約数μmのラジアルギャップから構成されており、そのラジアルギャップからなる軸受空間内に、例えばエステル系、あるいはポリαオレフィン系の潤滑性オイル等の潤滑流体が注入され充填されている。
さらに、上記軸受スリーブ13および回転軸21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略した例えばヘリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝が、軸方向に2ブロックに分かれて凹設されており、回転軸21の回転駆動時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピング作用により潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その動圧力によって上記回転軸21が軸受スリーブ13側からラジアル方向に浮上して非接触状態となり、当該回転軸21に固着された回転ハブ体22とともに回転支持されるようになっている。
また、上記各ラジアル動圧軸受部RBを構成している軸受空間の図示上端側には、潤滑流体他の外部漏れを防止する毛細管シール部RSが設けられている。この毛細管シール部RSは、上述した軸受スリーブ13の開口部分に形成されたテーパ状の内周壁面と、前記回転軸21の外周壁面との対向隙間により形成されたものであって、例えば20μmないし300μmの隙間を形成するように軸受外方(図示上方)側に向かって隙間を連続的に拡大した形状になされている。この毛細管シール部RSの内部には、モータの回転・停止のいずれの場合においても潤滑流体の気液界面が位置するように潤滑流体の注入量が設定されている。
さらに、上記軸受スリーブ13の図示上端面、すなわち上述した毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在するシール外表面RS1上には、潤滑流体の濡れ拡散を防止するための撥油膜が、適宜の撥油処理が施されることによって薄膜状をなすように被着されている。
一方、前記回転軸21とともにロータ組20を構成している回転ハブ体22は、磁気ディスク等の記録媒体を搭載するため略カップ状のアルミ部材などから形成されており、当該回転ハブ体22の中心部に設けられた接合穴内に、上述した回転軸21の図示上端部分が圧入や焼き嵌めあるいは接着等の各種機械的固定手段により固定されている。
上記回転ハブ体22は、その外周部にロータ部を構成するための環状胴部22aを有しており、その環状胴部22aにおける図示下端側の開口部分の内周面には、周方向に一定間隔でNS交互に着磁が施された円筒状のロータマグネット22bがバックヨーク22cを介して装着固定されてロータ部が構成されている。このロータマグネット22bは、前述したステータコア部14の突極部14bの外端面に対して環状に対向するように近接配置されている。なお、上記回転ハブ体22を磁性の鉄系金属などで形成した場合には、上述したバックヨーク22cは不要となる。
一方、上記回転軸21の図示下端側の先端部分には、リング状部材からなるスラストプレート23が固着されている。このスラストプレート23は、前記軸受スリーブ13の図示下端側における中心部分に凹設された収納部13b内に回転自在に配置されており、その軸受スリーブ13の収納部13b内において、上記スラストプレート23の図示上側の表面に設けられた動圧面と、前記軸受スリーブ13の収納部13bの内壁面に設けられた動圧面とが軸方向に対向するように配置されている。そして、それらスラストプレート23および軸受スリーブ13の両動圧面どうしの間に形成される軸受空間によって第1のスラスト軸受部SBaが形成されている。
さらに、上記スラストプレート23の図示下側の動圧面に対面するようにして略円板状の部材からなるカウンタープレート16が、前記軸受スリーブ13における図示下端側の開口部を閉塞するように密着して取り付けられている。そして、そのスラストプレート23の図示下側の動圧面と、前記カウンタープレート16の図示上面側の動圧面との間に形成される軸受空間によって第2のスラスト動圧軸受部SBbが形成されている。
これら第1および第2のスラスト動圧軸受部SBa,SBbにおける軸受空間は、それぞれ数μmから十数μmの微少間隔を形成可能とするように形成されており、それらの微少間隔からなる軸受空間内に、上述したラジアル軸受部RB内から連続する潤滑流体が、前記スラストプレート23の外周側に形成された連通路を介して軸方向に連続した状態に注入され充填されている。
本実施形態においては、前記スラストプレート23の図示上下面に相当する動圧面に、既に公知のヘリングボーン形状等からなるスラスト動圧発生用溝が環状に並列するように凹設されており、回転駆動時に、当該スラスト動圧発生用溝のポンピング作用によって潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧力によって、上述した回転軸21が軸方向に浮上して非接触状体となり、上述した回転ハブ体22とともにスラスト方向に回転支持されるようになっている。なお、このときのスラスト動圧発生用溝は、第1のスラスト軸受部SBaにおける軸受スリーブ13側の動圧面、および第2のスラスト軸受部SBbにおけるカウンタープレート16側の動圧面に形成してもよい。
ここで、前述した動圧軸受部材としての軸受スリーブ13の表面には、適宜のプラズマ処理が施されている。プラズマ処理は、プラズマ発生装置で、酸素、窒素、アルゴンなどのプラズマを発生させ、そのプラズマ熱によって瞬間的に有機汚染物質の除去を行い、表面に対してクリーン度の高い洗浄を可能とするものであるが、上述した軸受スリーブ13の表面における適宜の一箇所に対してプラズマを照射する処理工程を実行することによって、軸受スリーブ13の外表面の全体にプラズマが回り込むようにして必要箇所に対する洗浄が行われるようになっている。
本実施形態では、特に従来技術の欄で説明した動圧軸受装置の品質を確保する上において最も重要な3つの要素a),b),c)に関係している表面、すなわち、毛細管シール部RSの内壁面、毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在しているシール外表面(撥油処理表面)RS1、および当該軸受スリーブ13におけるスリーブ保持部12との接合面13aの各々を、プラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)とすることによって、極めて清浄度の高い表面を効率的に得ている。
そして、このようなプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)になされた後の軸受スリーブ13のシール外表面RS1に対して撥油処理が施され、また軸受スリーブ13をスリーブ保持部12に挿通した後に、その接合面13aであるプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)に対して接着剤が注入されている。
このように本発明の第1の実施形態では、プラズマ照射を軸受スリーブ13の適宜の一箇所に行うことによって、プラズマが必要な箇所に回り込んでいき、特に軸受スリーブ13の各表面に付着した有機汚染物質が良好に清浄化されることとなり、毛細管シール部RSの内壁面の清浄性が維持されるとともに、清浄化された軸受スリーブ13のシール外表面RS1に対して撥油膜が汚染物質を介在することなく良好に密着され、さらに清浄化された軸受スリーブ13の接合面13aに対して汚染物をほとんど介在することなく接着剤が極めて良好に充填されるようになっている。
特に、この第1の実施形態では、プラズマ処理表面が金属(SUS)製の軸受スリーブ13に対するプラズマ洗浄表面となってることから、軸受スリーブ13の表面に対する清浄性が良好に確保される。
一方、上述した軸受スリーブ13が樹脂材から形成されていて、プラズマ処理表面が樹脂製である場合には、プラズマ処理を施すことによってプラズマ凹凸表面が形成されることとなる。そのようなプラズマ凹凸表面を形成しておけば、軸受スリーブ13の表面における撥油剤や接着剤に対するアンカー作用が高められることとなり、それらの密着性が大幅に向上される。
このとき、樹脂の種類やプラズマの種類、更には処理時間によって凹凸の大きさは異なる。例えば酸素プラズマでは、樹脂の有機結合がプラズマ照射により切断され、酸素を含んだ官能基が表面に形成され、分子レベルの細かな凹凸が形成され、極めて接着性に優れた活性な表面状態が得られる。またアルゴンガスによるプラズマ処理処理では分子レベルより大きな凹凸面が形成され、アンカー作用を高めることができる。
次に、図2に示されている第2の実施形態は、ハードディスク駆動装置(HDD)に用いられる軸固定型の動圧軸受装置を備えたアウターロータ型のスピンドルモータに本発明を適用したものであるが、上述した実施形態と共通した説明はなるべく省略し、相違する部位についての説明を主に行うこととする。
図2に示されているように、ステータ組30のベースフレーム31の略中央部分には、ステンレス(SUS)材等からなる固定軸32の根本部分が、圧入や焼き嵌め等などの締まり嵌め状態で挿通されて固定されているとともに、その固定軸32からやや離れた周囲には、上記ベースフレーム31の図示上側の表面から軸方向に所定量だけ突出したリング状部材からなるステータホルダー33が前記固定軸32の周囲を環状に取り囲むように設けられている。
上記ステータホルダー33の外周面には、電磁鋼板等の積層体からなるステータコア34の内径リング部34aが圧入や焼き嵌め等などの締まり嵌めによって挿通され固定されているとともに、そのステータコア34の内径リング部34aからは複数本の突極部34bが外方に向かって放射状に突出するように設けられていて、それらの各突極部34bに対してステータコイル34cが巻回されている。
一方、上述した固定軸32の図示上方側突出部分には、回転部材としてのロータ組40の軸受スリーブ(動圧軸受部材)41が回転自在に装着されている。この軸受スリーブ41の中心位置に貫通形成された軸受用中心孔の内周面には動圧面が軸方向に離して2箇所形成されており、それらの両動圧面が、上述した固定軸32の外周面に設けられた2箇所の動圧面に対して外周側から近接した面対向の配置関係になされている。そして、それらの互いに面対向する両動圧面どうしの間の微小隙間によって、ラジアル動圧軸受部RB,RBを形成する軸受空間がそれぞれ形成されている。
これら2箇所のラジアル動圧軸受部RB,RBを含む軸受空間内の全体に潤滑流体が連続的に注入され充填されていて、上述した軸受スリーブ41および固定軸32における両動圧面の少なくとも一方側に設けられた、例えばヘリングボーン形状の凹溝構造を有する動圧発生手段のポンピング作用によって上述した潤滑流体が加圧されて動圧力を生じ、その潤滑流体の動圧力によって軸受スリーブ41側が固定軸32側からラジアル方向に相対的に浮上して非接触状態にて保持される。そして、それによって軸受スリーブ41、およびその軸受スリーブ41の外周側の接合面41aに固着された後述の回転ハブ体42がラジアル方向に回転自在に支持されるようになっている。
また、上記各ラジアル動圧軸受部RBを構成している軸受空間の図示下端側には、上記軸受スリーブ41の開口部分に形成されたテーパ状の内周壁面により形成された毛細管シール部RSが設けられているとともに、その毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在するように上記軸受スリーブ41の図示下端面に形成されたシール外表面RS1上には、潤滑流体の濡れ拡散を防止するための撥油膜が、適宜の撥油処理が施されることによって薄膜状をなすように被着されている。
さらに、上述した固定軸32の図示上端部分には、スラストプレート35が圧入などにより固着されていて、そのスラストプレート35の軸受外方側(図示上方側)に、前記軸受スリーブ41の上端開口部を密閉するように取り付けられたカウンタープレート43が軸方向に対向するように配置されている。そして、そのスラストプレート35の軸方向両端面に設けられた動圧面と、カウンタープレート43および軸受スリーブ41の軸方向対向面に設けられた動圧面との間に、微小隙間からなる2箇所の軸受空間がそれぞれ形成され、その2箇所の軸受空間によって第1および第2のスラスト動圧軸受部SBa,SBbがそれぞれ形成されている。
これらのスラスト動圧軸受部SBa,SBbは、回転駆動時において約数μmのギャップからなる軸受空間を形成するように構成されていて、上述したラジアル動圧軸受部RBから連続するようにして軸受空間内の全体に同様な潤滑流体が連続的に充填されている。そして、同様なヘリングボーン形状等を有する動圧発生手段のポンピング作用によって潤滑流体が加圧されて動圧力を生じ、その潤滑流体の動圧力によって軸受スリーブ41側が固定軸32側からスラスト方向に相対的に浮上して非接触状態にて保持されることとなり、それによって軸受スリーブ41、およびその軸受スリーブ41に固着された回転ハブ体42がスラスト方向に回転自在に支持されるようになっている。
このような第2の実施形態においても、前述した動圧軸受部材としての軸受スリーブ41の外表面における一箇所に対して適宜のプラズマ処理が施されており、前述した重要な品質3つの要素に関係している少なくとも、毛細管シール部RSの内壁面、毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在するシール外表面(撥油処理表面)RS1、および当該軸受スリーブ41における前記回転ハブ体42との接合面41aを、それぞれプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)としている。
そして、このようなプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)になされた後の軸受スリーブ41のシール外表面に対して撥油処理が施され、また軸受スリーブ41に回転ハブ体42に挿通した後におけるプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)としての接合面41aに対して接着剤が用いられている。
このような構成を有する第2の実施形態においても、プラズマ照射を軸受スリーブ41の適宜の一箇所に行うことによって、プラズマが必要な箇所に回り込んでいき、特に軸受スリーブ41の各表面に付着した有機汚染物質が良好に清浄化され、毛細管シール部RSの内壁面の清浄性が維持されるとともに、清浄化された軸受スリーブ41のシール外表面RS1に対して撥油膜が汚染物質を介在することなく良好に密着され、さらに清浄化された軸受スリーブ41の接合面41aに対して汚染物をほとんど介在することなく接着剤が極めて良好に充填されるようになっている。
さらに、図3に示されている第3の実施形態は、図1のものと同様なハードディスク駆動装置(HDD)に用いられる軸回転型の動圧軸受装置を備えたアウターロータ型のスピンドルモータであるが、ステータ組50を構成しているベースフレーム51に形成された筒状のスリーブ保持部52の内周側に、略コップ状をなすように形成された動圧軸受部材としての軸受ハウジング55の接合面55aが固着されており、その軸受ハウジング55の内周壁面に対して軸受スリーブ53が装着されている。そして、上記軸受ハウジング55の図示上端側開口部を貫通するロータ組60の回転軸61と半径方向に対向するように配置された上記軸受ハウジング55側の開口内周面にはテーバ状シール面が形成されており、そのテーバ状シール面によって毛細管シール部RSが形成されて潤滑流体の外部漏れが防止されるようになっている。
このような第3の実施形態においては、上述した軸受ハウジング55の外表面の一箇所に対して適宜のプラズマ処理が施されており、前述した重要な品質三要素に関係している少なくとも、毛細管シール部RSの内壁面、毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在する軸受ハウジング55のシール外表面(撥油処理表面)RS1、および当該軸受ハウジング55における前記ベースフレーム51との接合面55aを、それぞれプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)としている。
そして、このようなプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)になされた後の軸受ハウジング55のシール外表面に対して撥油処理が施され、また上記ベースフレーム51に軸受ハウジング55を挿通した後におけるプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)としての接合面55aに対して接着剤が用いられることによって、上述した実施形態と同様な作用・効果が得られるようになっている。
一方、図4に示されている第4の実施形態も、図1のものと同様、ハードディスク駆動装置(HDD)に用いられる軸回転型の動圧軸受装置を備えたアウターロータ型のスピンドルモータに本発明を適用したものであり、ステータ組70を構成しているベースフレーム71に形成された筒状のスリーブ保持部72の内周側に対して軸受スリーブ73の外周側の接合面73aが圧入接着等によって固着されている。
上記軸受スリーブ73の軸受中心孔内には、ロータ組80の一部を構成する軸部材としての回転軸81が回転自在に挿入されていて、前記軸受スリーブ73の内周面に形成された動圧面と、上記回転軸81の外周面に形成された動圧面との間の微少隙間からなる軸受空間によって2箇所のラジアル動圧軸受部RB,RBが構成されている。また、上記軸受スリーブ73の図示下端側に設けられた開口部は、軸受カバー73bによって密閉状に閉塞されており、上述した各ラジアル動圧軸受部RB内の潤滑流体が外部に漏出しない構成になされている。
また、上記回転軸81の図示上端部分には回転ハブ体82が固着されているが、その回転ハブ体82の中心側領域にスラスト動圧軸受部SBが形成されている。このスラスト動圧軸受部SBは、上記回転ハブ体82の内面側に設けられた動圧面と、上述した軸受スリーブ73の図示上端面に形成された動圧面とが、軸方向に面対向されることによって形成されており、前述したラジアル動圧軸受部RBから連続するようにして潤滑流体がスラスト動圧軸受部SBの軸受空間内に充填されている。
そして、ヘリングボーン形状のスラスト動圧発生用溝等からなる動圧発生手段が、上記回転ハブ体82側の動圧面および軸受スリーブ73側の動圧面の少なくとも一方側に設けられており、回転駆動時に、当該動圧発生手段のポンピング作用によって潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧力によって、上述した回転ハブ体82が軸方向に浮上して非接触状態となりスラスト方向に回転支持されるようになっている。
さらに、本実施形態における毛細管シール部RSは、前記軸受スリーブ73における接合面73aから図示上方に向かって延出している外周壁面73bと、その軸受スリーブ73の外周壁面73bに対して半径方向に対向するように上記回転ハブ体82に接合された抜け止め部材74の内周壁面との間のテーパ状隙間に画成されていて、前述したスラスト動圧軸受部SBを含む軸方向のスラスト対向領域に対して半径方向外方側から連設されるように設けられている。上記抜け止め部材74は、上述した回転ハブ体82側に対する接合面74aから図示下方側に突出するリング状部材から形成されていて、上述したスラスト動圧軸受部SB内の潤滑流体が毛細管シール部RSに至るまで連続的に充填されている。
上記毛細管シール部RSの図示下方側への開口部分であって、当該毛細管シール部RSの開口部の半径方向内方側部分には、前記軸受スリーブ73の外周壁面73bにシール用円周溝73cが凹接されており、そのシール用円周溝73cの溝内壁面からなるシール表面に対して、上述した実施形態と同様な撥油処理が施されている。また、その毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在する抜け止め部材74のシール外表面RS1に対しても、上述した実施形態と同様な撥油処理が施されている。
一方、上記軸受スリーブ73の図示上端部分には、半径方向外方側に張り出すようにして鍔部73bが設けられており、その鍔部73bの一部が、上述した抜け止め部材24の一部に対して軸方向に対向するように配置されている。そして、これらの両部材73b,74によって、前記回転ハブ体82が軸方向に抜け出すことを防止する構成になされている。
このような第4の実施形態においては、上述した軸受スリーブ73および抜け止め部材74の表面の各一箇所に対して適宜のプラズマ処理が施されており、動圧軸受装置における重要な品質3要素に関係している少なくとも、毛細管シール部RSの内壁面、毛細管シール部RSの開口部から半径方向外方側に向かって延在する抜け止め部材74のシール外表面(撥油処理表面)RS1、同じく毛細管シール部RSの開口部の半径方向内方側に配置されたシール用円周溝73cの溝内壁面からなるシール外表面(撥油処理表面)、軸受スリーブ73における前記ベースフレーム71との接合面73a、および抜け止め部材74における前記回転ハブ体82との接合面74aを、それぞれプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)としている。
そして、このようなプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)になされた後の抜け止め部材74のシール外表面RS1、および軸受スリーブ73のシール用円周溝73cにおけるシール外表面に対して撥油処理が施され、また上記ベースフレーム71に軸受スリーブ73を挿通した後におけるプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)としての接合面73a、および回転ハブ体82に抜け止め部材74を挿通した後におけるプラズマ処理表面(プラズマ洗浄表面)としての接合面74aに対して、それぞれ接着剤が用いられることによって、上述した各実施形態と同様な作用・効果が得られるようになっている。
一方、前述した各実施形態におけるハードディスク駆動装置(HDD)用スピンドルモータは、例えば図5に示されているようなハードディスク駆動装置(HDD)の内部に装着されて使用されて、同様な作用・効果が得られる。
すなわち、同図に示されているように、上述した各実施形態にかかるスピンドルモータMは、密閉状のハウジング100を構成している本体プレート100aに固定されることによって使用され、そのスピンドルモータM含むハウジング100の内部空間は、前記本体プレート100aに嵌合する密閉蓋100bによって清浄空間100cに形成されている。前記スピンドルモータMのロータハブ(図1中の符号22参照)には、ハードディスク等の情報記録ディスク101が搭載されているとともに、前記回転ハブに対して螺子102により固着されたクランプ103によって、前記情報記録ディスク101が不動状態に保持される。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもない。
例えば、上述した各実施形態は、ハードディスク駆動装置(HDD)に対して本発明を適用したものであるが、本発明はそれに限定されるものではなく、他の多種多様な装置に用いられるディスク装置、その他の各種モータに対しても同様に適用することができるものである。
以上述べた本発明は、各種モータを始めとして多種多様な回転駆動装置に用いられる動圧軸受装置に対して広く採用することが可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる動圧軸受装置を備えた軸固定型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかる動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。 本発明の第4の実施形態にかかる動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。 本発明にかかるスピンドルモータを使用したディスク駆動装置の概略構造例を表した縦断面説明図である。 毛細管シール部における潤滑流体の湾曲気液界面による接触状態を表した部分拡大縦断面説明図である。
符号の説明
11 ベースフレーム
12 スリーブ保持部
13 軸受スリーブ(動圧軸受部材)
13a 接合面
16 カウンタープレート
21 回転軸(軸部材)
22 回転ハブ体
23 スラストプレート
RB ラジアル動圧軸受部
RS 毛細管シール部
RS1 シール外表面
SBa,SBb スラスト軸受部
32 固定軸(軸部材)
35 スラストプレート
41 軸受スリーブ(動圧軸受部材)
41a 接合面
42 回転ハブ体
43 カウンタープレート
53 軸受スリーブ(動圧軸受部材)
55 軸受ハウジング(動圧軸受部材)
55a 接合面
61 回転軸(軸部材)
73 軸受スリーブ(動圧軸受部材)
73a 接合面
73b スリーブ外周壁面
73c シール用円周溝(シール外表面)
74 抜け止め部材
74a 接合面
81 回転軸(軸部材)
82 回転ハブ体
DF 潤滑流体
M スピンドルモータ
100 ハウジング
101 情報記録ディスク

Claims (10)

  1. 固定部材または回転部材からなる他の部材との接合面を有する動圧軸受部材に対して相対回転可能に軸部材が装着されているとともに、それら動圧軸受部材と軸部材との対向隙間に形成された動圧軸受部を含む軸受空間内に潤滑流体が充填され、その潤滑流体に対する動圧発生手段の加圧作用により生成される動圧力を利用して前記動圧軸受部材と軸部材とを非接触で回転支持させる構成になされたものであって、
    前記動圧軸受部材が金属材から形成され、その動圧軸受部材に、前記潤滑流体の外部漏出を防止する毛細管シール部が設けられているとともに、
    その毛細管シール部の開口部に対して半径方向外方側または内方側に配置されたシール外表面に対して撥油処理が施された動圧軸受装置において、
    前記動圧軸受部材の表面における適宜の一箇所にプラズマ処理が施されていることによって、少なくとも前記毛細管シール部の内表面、前記シール外表面、および前記他の部材との前記接合面に、プラズマ処理表面であるプラズマ洗浄表面が設けられていることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 固定部材または回転部材からなる他の部材との接合面を有する動圧軸受部材に対して相対回転可能に軸部材が装着されているとともに、それら動圧軸受部材と軸部材との対向隙間に形成された動圧軸受部を含む軸受空間内に潤滑流体が充填され、その潤滑流体に対する動圧発生手段の加圧作用により生成される動圧力を利用して前記動圧軸受部材と軸部材とを非接触で回転支持させる構成になされたものであって、
    前記動圧軸受部材が樹脂材から形成され、その動圧軸受部材に、前記潤滑流体の外部漏出を防止する毛細管シール部が設けられているとともに、
    その毛細管シール部の開口部に対して半径方向外方側または内方側に配置されたシール外表面に対して撥油処理が施された動圧軸受装置において、
    前記動圧軸受部材の表面における適宜の一箇所にプラズマ処理が施されていることによって、少なくとも前記毛細管シール部の内表面、前記シール外表面、および前記他の部材との前記接合面に、プラズマ処理表面であるプラズマ凹凸表面が設けられていることを特徴とする動圧軸受装置。
  3. 前記動圧軸受部材のシール外表面に対するプラズマ処理表面であるプラズマ洗浄表面に、撥油処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  4. 前記動圧軸受部材の接合面に対するプラズマ処理表面であるプラズマ凹凸表面に、接合用の接着剤が用いられていることを特徴とする請求項記載の動圧軸受装置。
  5. 固定部材または回転部材からなる他の部材との接合面を有する動圧軸受部材に対して相対回転可能に軸部材を装着し、それら動圧軸受部材と軸部材との対向隙間に形成した動圧軸受部を含む軸受空間内に潤滑流体を充填し、その潤滑流体に対して動圧発生手段の加圧作用により生成される動圧力を利用して前記動圧軸受部材と軸部材とを非接触で回転支持させるように動圧軸受装置を製造する方法であって、
    前記動圧軸受部材を金属材から形成し、その動圧軸受部材に、前記潤滑流体の外部漏出を防止する毛細管シール部を設けるとともに、その毛細管シール部の開口部に対して半径方向外方側または内方側に配置されたシール外表面に対して撥油処理を施すようにした動圧軸受装置の製造方法において、
    前記動圧軸受部材の表面における適宜の一箇所にプラズマを照射することによって、少なくとも前記毛細管シール部の内表面、前記シール外表面、および前記他の部材との前記接合面に、プラズマ処理表面としてプラズマ洗浄表面を形成した後、その動圧軸受部材の組み立てを行うようにしたことを特徴とする動圧軸受装置の製造方法。
  6. 固定部材または回転部材からなる他の部材との接合面を有する動圧軸受部材に対して相対回転可能に軸部材を装着し、それら動圧軸受部材と軸部材との対向隙間に形成した動圧軸受部を含む軸受空間内に潤滑流体を充填し、その潤滑流体に対して動圧発生手段の加圧作用により生成される動圧力を利用して前記動圧軸受部材と軸部材とを非接触で回転支持させるように動圧軸受装置を製造する方法であって、
    前記動圧軸受部材を樹脂材から形成し、その動圧軸受部材に、前記潤滑流体の外部漏出を防止する毛細管シール部を設けるとともに、その毛細管シール部の開口部に対して半径方向外方側または内方側に配置されたシール外表面に対して撥油処理を施すようにした動圧軸受装置の製造方法において、
    前記動圧軸受部材の表面における適宜の一箇所にプラズマを照射することによって、少なくとも前記毛細管シール部の内表面、前記シール外表面、および前記他の部材との前記接合面に、プラズマ処理表面としてプラズマ凹凸表面を形成した後、その動圧軸受部材の組み立てを行うようにしたことを特徴とする動圧軸受装置の製造方法。
  7. 前記動圧軸受部材のシール外表面に対してプラズマ処理を施してプラズマ洗浄表面を形成した後、当該動圧軸受部材のシール外表面に適宜の撥油処理を施すようにしたことを特徴とする請求項記載の動圧軸受装置の製造方法。
  8. 前記動圧軸受部材の接合面に対してプラズマ処理を施してプラズマ凹凸表面を形成した後、当該動圧軸受部材の接合を適宜の接着剤を用いて行うようにしたことを特徴とする請求項6記載の動圧軸受装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項までのいずれかに記載された動圧軸受装置を備えたことを特徴とするモータ。
  10. 請求項に記載のモータと、そのモータのロータに搭載された情報記録ディスクと、その情報記録ディスクに対して情報を記録または再生する記録ヘッドとを含むことを特徴とするディスク駆動装置。
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