JP4369054B2 - 使用済グリコール系スラリーの分離、再生および再使用法 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は一般に、シリコンウエハの製造に使用される研磨スラリーの再生方法に関する。本発明は特に、その中の所望の砥粒および潤滑または冷却液を再使用しうるように、単結晶または多結晶質シリコンインゴットからウエハをスライスするのに使用した使用済スラリー(消耗スラリー、exhausted slurry)の成分を分離する方法に関する。
【0002】
(背景技術)
先ずインゴットをそれの軸に垂直な方向にスライスすることによって、単結晶または多結晶シリコンインゴットからシリコンウエハが得られる。スライス作業は一般にワイヤソー(wire saw)によって行われ、その場合に、往復運動するワイヤにシリコンインゴットを接触させ、インゴットとワイヤの接触領域に砥粒含有スラリーを供給する。従来のワイヤソースラリーは一般に、鉱油またはある種の水溶性液体(例えば、ポリエチレングリコール(PEG))のような潤滑または冷却液、および炭化珪素のような砥粒を含む。
【0003】
スライス作業の間に、シリコン粒子が形成され、スラリーに混じる。スラリー中のシリコン粒子の濃度が増加するとともに、スライス作業の効率が低下する。結果的にスラリーが無効果になり、または「消耗し」(exhausted)、捨てなければならない。一般に、使用済スラリーは、焼却によって廃棄されるか、または廃水処理施設で処理される。しかし、このスラリーの焼却は二酸化炭素を発生し、一方、このスラリーの廃水施設へ輸送は一般に埋立てごみに廃棄しなければならないスラッジを形成する。従って、両方の廃棄方法は、環境的に好ましくない。従って、発生するこの廃棄物をなくすか、または顕著に減少させることが好ましい。
【0004】
環境への負の影響、および使用済スラリーの廃棄に要するコストに加えて、スラリーが一般に早期に廃棄されることによっても、シリコンウエハの製造コストが増加する。特に、スライス作業によってスラリー中の砥粒が消費される(即ち、効果的にスライスするのに小さすぎる大きさに摩耗する)速度は一般に、スラリーがシリコン粒子で汚染される速度よりかなり遅い。さらに、一般的な潤滑または冷却液の可使時間は、ほぼ全般的にシリコン粒子の蓄積によって支配される、即ち、スラリー中のシリコン粒子の濃度が増加しなければ、潤滑または冷却液をかなり長時間使用することができると考えられる。その結果、砥粒および潤滑または冷却液の大部分がまだ使用可能である場合でも、スラリー中のシリコン粒子の濃度が高くなり過ぎた際に、一般にスラリーが廃棄される。
【0005】
前記に鑑みて、シリコン粒子をスラリーから分離し、それによって砥粒および潤滑または冷却液の再使用を可能にする方法が現在も求められている。そのような方法は、シリコンインゴットのスライスに要する製造コストを減少させる。さらに、そのような方法は、環境に排出される廃棄物および/または廃棄副生物の量も減少させる。
【0006】
(発明の開示)
本発明の目的および特徴は、シリコンインゴットをスライスするのに使用されるスラリー成分の可使時間を延長させる方法を提供し;これらの成分を、使用済スラリーから分離することによって再生するそのような方法を提供し;潤滑または冷却液を、スラリー中の固形物から分離することによって効率的に再生するそのような方法を提供し;砥粒を、スラリー中のシリコン粒子、使用済み砥粒(used grains)および他の粒子汚染物から分離することによって再生するそのような方法を提供し;再生された潤滑または冷却液および再生された砥粒を、シリコンウエハ製造工程に再導入するそのような方法を提供し;廃棄しなければならない廃棄物の量を減少させるそのような方法を提供し;および、シリコンの製造コストを減少させるそのような方法を提供することである。
【0007】
従って、簡単に言えば、本発明は、シリコンインゴットからシリコンウエハをスライスするのに使用した砥粒成分および潤滑液成分を含んで成る使用済スラリーを処理して、少なくとも1種類の成分を回収し、新しいスラリーの製造に再使用する方法に関する。該方法は、使用済スラリーを加熱して粘度を減少させ、次に、加熱スラリーを液体部分および固体部分に分離することを含んで成る。潤滑液成分を含む液体部分を収集し、さらに分離せず新しいスラリーの製造に再使用する。
【0008】
本発明は、シリコンインゴットからシリコンウエハをスライスするのに使用される、砥粒成分および潤滑液成分を含んで成る使用済スラリーを処理して、少なくとも1種類の成分を回収し、新しいスラリーの製造に再使用する方法にも関する。該方法は、使用済スラリーを加熱して粘度を減少させ、次に、加熱スラリーを液体部分および固体部分に分離することを含んで成り、該固体部分はシリコン粒子および砥粒成分を含み、該砥粒成分はさらに消耗(spent)砥粒成分部分および非消耗(unspent)砥粒成分部分を含む。固体成分を水と混合して、固体/液体混合物を製造し、次に、該混合物を廃棄物部分および循環部分に分離し、該破棄物部分はシリコン粒子および消耗砥粒成分部分を含み、該循環部分は非消耗砥粒成分部分を含む。次に、新しいスラリーの製造に再使用するために、非消耗砥粒成分部分を循環部分から分離する。
【0009】
本発明の他の目的および特徴は、一部が明らかであり、一部が下記に示される。
【0010】
一般的シリコンウエハ製造法によって生じる廃棄物の量を減少し、シリコンウエハの製造に要するコストを節減するために、シリコンウエハがそれから得られるシリコンインゴットをスライスするのに使用した消耗研磨スラリーを、再生するかまたは循環するのが好ましい。特に、インゴットをスライスするのにまだ適しているスラリー成分(即ち、冷却または潤滑液および非消耗砥粒)を、スラリーの残りから単離し、それらを新しいスラリーの製造に使用するのが好ましい。
【0011】
本明細書に使用される下記の語句または用語は特定の意味を有することに注意すべきである:「使用済スラリー(消耗スラリー)」は、シリコン粒子の許容されない高い粘度または濃度の結果として、シリコンインゴットからシリコンウエハをスライスするのに本質的に適していないスラリーを意味し;「消耗砥粒(使用済み砥粒)」は、スライス工程によって摩耗した結果、シリコンインゴットからシリコンウエハをスライスするのに一般に適していない直径または大きさの砥粒を意味し;「非消耗砥粒」は、シリコンインゴットからシリコンをスライスするのにまだ適している、使用済スラリー中の砥粒を意味し;「粘度」は、当分野において一般的な方法によって、スラリーが流動している間に評価されるかまたは測定されるスラリーの粘度である、スラリーの動的粘度を意味する。
【0012】
前記のように、スライススラリーの粘度は使用中に増加し、一般に、少なくとも一部分はスラリーにおけるシリコン粒子のような粒状物質の蓄積の故に、20℃において約700cps(センチポイズ)またはそれより高い粘度に達する。使用済スラリーの高粘度は、スライス工程によって使用されなかった基礎をなす(underlying)潤滑または冷却液および砥粒からの粒子汚染物の分離を妨げ、従って、これらのスラリー成分の分離、回収、および再使用を難しくする。
【0013】
本発明の方法は、これらの課題を解決するものであり、再使用しうるスラリー成分(即ち、潤滑または冷却液および非消耗砥粒)から、廃棄固形物(即ち、シリコン粒子および消耗砥粒)を簡単にかつ効率的に分離する方法を提供する。図1を参照すると、本発明の方法によって、潤滑または冷却液から本質的に全ての固形物(即ち、廃棄固形物および非消耗砥粒)を分離することを可能にするレベルに、使用済スラリーの粘度を先ず減少させる。使用済スラリーの粘度はスラリーを加熱することによって減少し、スラリーが加熱される正確な温度は少なくとも一部分は、スラリーの組成に関係する。例えば、ポリエチレングリコールを基剤とする潤滑または冷却液が、スラリーの「懸濁媒」として一般に使用される。そのような場合に、消耗「グリコール」スラリーは一般に、少なくとも約50℃、より好ましくは少なくとも約75℃、さらに好ましくは少なくとも約100℃の温度に加熱される。沸点のすぐ下の温度、またはグリコールを基剤とする液体の分解が始まる温度にスラリーを加熱するのが最も好ましい。所望温度に達した後に、スラリーをさらに処理することができるが、一般にその温度を約10分間、20分間、30分間またはそれ以上の時間にわたって維持する。さらに、熱移動を補助するために、任意に攪拌して加熱工程を速めることができる。
【0014】
スラリーが加熱される温度は、本発明の方法を逸脱せず、前記以外の温度であってもよいことに注意すべきである。例えば、一般的に言えば、固形物からの液体の最も効率的かつ本質的に完全な分離を可能にする、所定の潤滑または冷却液の沸点または分解温度のすぐ下の温度に、スラリーを加熱するのが最も好ましい。しかし、液体を含有し、移送し、固形物から分離する(またはその逆)装置は、そのような温度に耐えることができない場合があり、そのような場合、温度を下げるかまたは別の器具を使用する必要がある。
【0015】
好ましい実施態様において、スラリーを直接的に加熱する、即ち、加熱の前にスラリーを水または他の溶剤で稀釈しない、ことにも注意すべきである。基礎をなす液体を固形物から分離した際に、その液体が、さらに分離または処理せずにインゴットスライススラリーに再使用するのに適している故に、そのような方法が好ましい。しかし、例えば水または他の適切な溶剤(例えば、グリコールを基剤とするスラリーに関してはメタノール)を添加することによって、スラリーの粘度を減少させることもできる。このようにしてスラリーを稀釈して粘度を減少させる場合に、稀釈したスラリーを、直接的に、または添加する溶剤を先ず加熱することによって、加熱することもできる。しかし、溶剤が使用される場合、一般に、得られる潤滑または冷却液を、インゴットスライススラリーに再使用する前に、濃縮しなければならない(例えば蒸留によって)。
【0016】
使用済スラリーの粘度が約200cpsまたはそれ以下(当分野で一般的な動的粘度の測定方法によって測定される、約50℃〜約80℃における粘度)に減少した際に、基礎をなす潤滑または冷却液から固形物を分離しうることを、これまでの経験が示している。使用済スラリーの粘度を約50〜約200cpsに減少させるのが好ましい。使用済スラリーの粘度を約55〜約150cpsに減少させるのがより好ましい。使用済スラリーの粘度を約60〜約100cpsに減少させるのがさらに好ましく、その粘度を約70〜約80cpsにまで減少させるのがさらに好ましい。固形物からの液体の最も効率的かつ本質的に完全な分離を可能にするレベルに粘度を減少させるのが最も好ましい。
【0017】
スラリー粘度の減少後に、スラリー中の固形物を潤滑または冷却液から分離する。極小さい直径(即ち、約5ミクロン、3ミクロン、1ミクロンまたはそれ以下)の固形物を分離するどのような方法も使用しうるが、但し、スラリーが加熱された温度に耐えうることを条件とする。しかし、使用される方法が、ほぼ乾燥している固形物を生じる方法、即ち、本質的に全ての液体を除去するためにさらに分離する必要のない方法、であるのが好ましい。熱いスラリーの濾過、より好ましくは真空濾過が、基礎をなす液体から固形物を分離するのに使用される方法の例である。
【0018】
濾過は一般に、液体から実質的に全ての固形物を除去するのに充分な気孔または網目の大きさを有するポリプロピレン篩のような少なくとも1つの篩に、熱いスラリーを通すことによって、熱いスラリーを液体成分および固形物成分に分離することを含む。例えば、約5ミクロン未満、好ましくは約3ミクロン未満、より好ましくは約1ミクロン未満の気孔または網目の大きさを有する篩が一般に真空濾過に使用される。
【0019】
本発明の方法によれば、分離によって得られる濾液または液体部分を、追加的分離または処理工程にかけずに、シリコンウエハの製造工程に直接的に循環させて、シリコンインゴットスライススラリーの潤滑または冷却液として使用することができる。しかし、濾液の粘度が約25℃において約80cps〜約100cpsの好ましい範囲でない場合に、追加工程を使用することができる。例えば、必要であれば、任意に「研磨」または「透明化」工程を行うことができ、該工程において、液体部分を追加分離工程にかけて、極小さい、または微細な粒子を除去することができる。さらに、前記のように溶剤を添加して使用済スラリーの粘度を減少した場合に、潤滑または冷却液を得るために、再使用の前に、例えば蒸留によって液体成分を濃縮する必要がある。
【0020】
分離によって得られる固体部分をさらに処理して、珪素粒子および消耗砥粒(即ち、スライス工程によって、さらに使用するのに小さすぎる直径に摩耗した砥粒)から、非消耗砥粒(即ち、スライス工程によってあまり減少していない直径を有する砥粒)を単離する。再使用に好適な砥粒の単離を助長するために、初期分離からの固体部分を、2種類の固形物懸濁液の形成を可能にする水のような液体中で稀釈する。特に、固体部分を水のような液体と混合して、例えば炭化珪素の非消耗砥粒を含有する1つの懸濁液、およびシリコン粒子および消耗砥粒ならびに存在する場合がある他の粒子汚染物を含有する第二懸濁液を形成する。
【0021】
一般に、固形分が約10〜約100g/L(グラム/リットル)、好ましくは約15〜約50g/L、最も好ましくは約20〜約30g/Lになるまで、固体部分に水を添加する。さらに、この固体/液体混合物を当分野において一般的な手段(例えば、回転羽根型ミキサー、超音波、循環、または気体の泡立て/噴射)によって攪拌して、非所望固形物(即ち、シリコン粒子および消耗砥粒)からの所望固形物(即ち、砥粒)の分離、および2種類の各懸濁液の形成を補助することができる。
【0022】
次に、この固体/液体混合物を、2種類の懸濁液、即ち、比較的重いかまたは大きい粒子を含有する第一懸濁液、および比較的軽いかまたは小さい粒子を含有する第二懸濁液に分離する。重量または大きさに基づいて粒子を分離しうる当分野で一般的な手段、例えば、サイクロン分離器、沈降遠心機、濾過遠心機、またはフィルター(必要な選択に適した孔の大きさを有する濾布と組み合わせる)によって分離することができる。しかし、その比較的低いコストおよひ耐久性(例えば、ドイツのAKWによるモデルナンバーRWK810)の故に好ましいサイクロン分離器によって、この分離を行うのが好ましい。
【0023】
一般的に言えば、サイクロン分離器において、所定重量より軽い固体粒子を含有する液体を上部出口から吐出し、一方、所定重量と同じかまたはそれより重い粒子を含有する液体を下部出口から吐出する。本発明において、所定重量は、砥粒と比較してかなり小さい直径を有するシリコン粒子および消耗砥粒から、再使用可能な砥粒を分離することを可能にする大きさの粒子に対応する。従って、固体/液体混合物を分離した後に、2種類の懸濁液が残る。第一懸濁液は、シリコンインゴットスライススラリーに再使用するのに好適な砥粒を含み、一方、第二懸濁液は、シリコン粒子および消耗砥粒を含む。
【0024】
第一懸濁液を次の処理にかけ、液体を除去してウエハ製造工程に再使用される砥粒を得る。濾過または遠心分離のような当分野で一般的な手段によって、この第一懸濁液から砥粒を単離することができる。例えば砥粒を乾燥しなければならない場合に、過剰の液体の除去が乾燥時間を短縮する故に、このさらなる濃縮が好ましい。乾燥は、当分野において一般的な手段、例えば濾過した固形物を真空炉に入れることによって行うことができる。しかし、炭化珪素砥粒が凝固物の比較的大きい塊を形成しやすいので、収集した砥粒を乾燥工程の間に定期的に移動させるのが好ましい。
【0025】
加熱して砥粒を乾燥する場合に、残留シリコン粒子と酸素の反応が起こって酸化珪素を形成しないように、できるだけ高い温度(即ち、固形物をできるだけ速く乾燥させる温度)を使用するのが好ましいことに注意すべきである。従って、好ましくは約75℃〜約200℃、特に約100℃〜約150℃の温度において、砥粒を乾燥するのが好ましい。乾燥時間は、例えば除去される液体および乾燥方法に依存して変化しうるが、一般に極微量またはそれ以下の液体が残留するにすぎなくなるまで乾燥を継続する。例えば、水を使用して固体/液体混合物を形成する場合に、一般に、含水量が当分野で一般的な手段(例えば、Karl Fischer)によって測定して約5000ppm(百万についての部)未満、好ましくは約1000ppm未満、最も好ましくは約500ppm未満になるまで、研磨固形物を乾燥する。
【0026】
水の存在が、得られるスラリー(その中に回収砥粒が使用される)の粘度を減少させる作用をする故に、低含水量が好ましい。水は、固形物を懸濁状態に維持するスラリーの能力を阻害する作用もする。スラリー中の水の存在はさらに、炭化珪素のような砥粒を相互に粘着させ、その結果、スライス工程の間にウエハの表面を損傷しうる大きい砥粒を形成する。
【0027】
固体/液体混合物を2種類の懸濁液に分離する際に、いくらかのシリコン粒子が第一懸濁液に残留する場合がある、即ち、少量のシリコン粒子が循環される砥粒とともに存在する場合があることにも注意すべきである。どのような特定の理論にも縛られるものではないが、シリコン粒子の存在は、使用される分離手段のタイプに依存して(例えば、サイクロン分離が使用される場合)、いくらかのシリコン粒子が、少なくとも所定分離重量と同じ重量であることによると考えられる。あるいは、いくらかのシリコン粒子が大きい砥粒の表面に付着していたと考えられる。しかし、炭化珪素のような砥粒中のシリコン粒子の量は一般に約2質量%未満、好ましくは約1質量%未満、最も好ましくは約0.5質量%未満である。
【0028】
第二懸濁液(即ち、シリコン粒子および消耗砥粒を含有する懸濁液)は捨てられる。しかし、懸濁液を濃縮し、水のような液体を収集し、他の固体/液体混合物の分離に再使用して、発生する廃棄物の量を減少させるのが好ましい。懸濁された固形物を任意に収集し、乾燥することもできる。
【0029】
本発明の方法は、シリコンインゴットからシリコンウエハをスライスするのに使用したスラリーの成分(即ち、砥粒および潤滑または冷却液)を、新しいスラリーの製造にそれらの成分を使用しうるように単離する手段を与える。言い換えれば、本発明の方法は、シリコンインゴットのスライスに使用されるスラリーの再生を可能にする。従って、本発明は、そうしなければ発生する廃棄物の量を制限し、それによってシリコンウエハの製造に要する総コストを制限する故に、有利である。回収潤滑液および非消耗砥粒が再使用され、固形物の分離に使用される液体(例えば水)が循環され、繰り返し使用される故に、そのような利益が得られる。従って、基本的に消耗砥粒およびシリコン粒子だけが、当然であるがこれらの他の用途が見い出されない場合に、廃棄される。
【0030】
さらに、本発明の方法は、新しい成分から製造されるスラリーと同じかまたはそれ以上の結果を生じるスラリーを製造するのに使用しうる成分を生じる。下記表Iを参照すると、炭化珪素およびポリエチレングリコールの「再生」スラリーならびに同じ組成の新しいスラリーのワープ測定(狂い測定、warp measurements)の結果はほぼ同じであり、一方、合計厚み変動(TTV)および表面荒さ測定の結果は、「再生」スラリーがより良好であることを示していることに注意すべきである(各スラリーに関して同じ工程パラメーターを使用して、同じ数のウエハスライスに関して記録したミクロン(μm)における平均の結果)。
【0031】
【表1】
【0032】
どのような特定の理論にも縛られるものではないが、この場合は炭化珪素である「再生」砥粒の粒子寸法の分布が、より平滑な、より均質な表面を与えるのに適している故に、本発明の方法が、新しいスラリーと比較して、シリコンインゴットのスライス用の向上したスラリーの製造を可能にすると一般に考えられる。特に、再生砥粒は、約50ミクロン以上の砥粒が本質的に存在しない粒子寸法分布を有し、これに対して、新しいスラリーの砥粒の約2%以上が約50ミクロン以上である(60、70、80ミクロンまたはそれ以上の粒子寸法を有する砥粒もある)。
【0033】
前記に鑑みて、本発明の目的が達成され、他の有利な結果が得られることが理解される。前記説明における全ての内容は、例示的なものであり、限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリコンインゴットをスライスするのに使用されるスラリーに再使用するのに好適な成分を単離する、本発明によって使用される工程(そのいくつかは任意工程である)の例を示すフローチャートである。
Claims (20)
- 少なくとも1種類の成分を回収し、新しいスラリーの製造に再使用しうるように、シリコンインゴットからシリコンウエハをスライスするのに使用した砥粒成分および潤滑液成分を含んで成る使用済スラリーを処理する方法であって、該方法が、
使用済スラリーを加熱して粘度を減少し;
該加熱スラリーを液体部分および固体部分に分離し、液体部分が潤滑液成分を含み;および
分離した液体部分を収集し、該液体部分が、さらに分離することなく、新しいスラリーの製造に再使用しうる;
ことを含んで成る方法。 - 使用済スラリーを加熱して、粘度を約55cps〜約150cpsに減少する請求項1に記載の方法。
- 潤滑液成分がポリエチレングリコールである請求項1に記載の方法。
- 加熱スラリーを、濾過によって液体部分および固体部分に分離する請求項1に記載の方法。
- 固体部分に水を添加して固体/液体混合物を形成し、該固体部分がシリコン粒子および砥粒成分を含み、該砥粒成分がさらに消耗砥粒成分部分および非消耗砥粒成分部分を含む請求項1に記載の方法。
- 固体部分に水を添加して、約20〜約30g/Lの合計固形分を有する固体/液体混合物を形成する請求項5に記載の方法。
- 固体/液体混合物を廃棄物および循環物に分離し、該破棄物が該シリコン粒子および該消耗砥粒成分部分を含み、該循環部分が該非消耗砥粒成分部分を含む請求項5に記載の方法。
- サイクロン分離機を使用して、該固体/液体混合物を分離する請求項7に記載の方法。
- 該循環物から水を除去して該非消耗砥粒成分部分を収集し、該非消耗砥粒成分部分が新しいスラリーの製造に再使用しうる請求項7に記載の方法。
- 該非消耗砥粒成分部分が、約2質量%未満のシリコン粒子含有量を有する請求項9に記載の方法。
- 少なくとも1種類の成分を回収し、新しいスラリーの製造に再使用しうるように、シリコンインゴットからシリコンウエハをスライスするのに使用した砥粒成分および潤滑液成分を含んで成る使用済スラリーを処理する方法であって、該方法が、
使用済スラリーを加熱して粘度を減少し;
該加熱スラリーを液体部分および固体部分に分離し、該固体部分がシリコン粒子および砥粒成分を含み、該砥粒成分がさらに消耗砥粒成分部分および非消耗砥粒成分部分を含み;
該固体成分を水と混合して、固体/液体混合物を形成し;
該固体/液体混合物を、廃棄物部分および循環部分に分離し、該廃棄物部分が該シリコン粒子および該消耗砥粒成分部分を含み、該循環部分が該非消耗砥粒成分部分を含み;および
非消耗砥粒成分部分を循環部分から単離して、新しいスラリーの製造に再使用する;
ことを含んで成る方法。 - 使用済スラリーを加熱して、該スラリーの粘度を約55cps〜約150cpsに減少する請求項11に記載の方法。
- 潤滑液成分がポリエチレングリコールである請求項11に記載の方法。
- 該固体/液体混合物が、約20〜約30g/Lの固形分を有する請求項11に記載の方法。
- サイクロン分離機を使用して、該固体/液体混合物を分離する請求項11に記載の方法。
- 循環部分において、水から砥粒成分部分を分離することによって、循環部分から非消耗砥粒成分部分を単離する請求項11に記載の方法。
- 分離後に、非消耗砥粒成分部分が乾燥されて、約1000ppm未満の残留水分を有する請求項16に記載の方法。
- 非消耗砥粒成分部分が、約2質量%未満のシリコン粒子を含有する請求項17に記載の方法。
- 分離後に、非消耗砥粒成分部分が乾燥されて、約500ppm未満の残留水分を有する請求項16に記載の方法。
- 非消耗砥粒成分部分が、約2質量%未満のシリコン粒子を含有する請求項19に記載の方法。
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