JP4367626B2 - 半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法 - Google Patents

半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4367626B2
JP4367626B2 JP2004035864A JP2004035864A JP4367626B2 JP 4367626 B2 JP4367626 B2 JP 4367626B2 JP 2004035864 A JP2004035864 A JP 2004035864A JP 2004035864 A JP2004035864 A JP 2004035864A JP 4367626 B2 JP4367626 B2 JP 4367626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
film
layer
hydrophilic
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004035864A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005225068A (ja
Inventor
正之 横井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd filed Critical Gunze Ltd
Priority to JP2004035864A priority Critical patent/JP4367626B2/ja
Publication of JP2005225068A publication Critical patent/JP2005225068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4367626B2 publication Critical patent/JP4367626B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Dicing (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、半導体ウェハ等をチップ状にダイシングするのに有効な半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法に関する。
例えば予め大面積で作られた半導体ウェハは、チップ状にダイシング(切断)されるが、そのダイシングに際して、該ウェハを固定する必要がある。この固定とダイシングにダイシング台紙が使用される。
該台紙は、基本的には該ウェハを固定する粘着層とダイシングカッターの切り込みを受ける樹脂層(ダイシング基体層)とから構成されている。この樹脂層としては、一般にポリオレフィン系フイルム又はポリ塩化ビニル系フイルムが使用されているが、ポリ塩化ビニル系フイルムは、特に環境問題等で衰退にあるのが実情である。
半導体ウェハ(以下単にウェハと呼ぶ。)のダイシングで問題になる点は、例えばダイシング時に発生するダイシング台紙からの切り屑(ダイシング屑)又はウェハの切り欠け(業界ではこれをチッピングと呼んでいる。)、ダイシング後の該台紙の拡張(拡張性)、更にはダイシング時又はダイシング後拡張してカットウェハをピックアップする際に発生する静電気等の点である。
この静電気に関しては、特に最近のより小サイズのウェハチップの中により多くの情報を集積する傾向の中で、より大きく問題として取り上げられるようになってきている。
つまり、この静電気の発生は、ウェハチップに集積された情報の破壊に繋がると言う危険性が高いと言うことからである。これ等の諸問題点を課題とする特許技術も多数見受けら、多くの改善技術が公開されている。
尚、ウェハのチッピング問題は、ダイシング台紙、特にその基体層に適正な剛性がなく、それが低すぎる場合に見られる。つまりダイサーの切り込み動作でもって該台紙自身が微動し、その結果ウェハの切り込み位置がズレて切り欠けとなって現れると言うものである。
例えば切り屑及び/又は拡張性の改良を課題とする特許技術として、次ぎのようなものが出願公開されている。
ポリエチレン、エチレンとビニルモノマとのコポリマ、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂によるフイルムに1〜8Mradの電子線又はγ線を照射し、これに粘着層を積層したもの(例えば特許文献1参照。)、エチレンを主成分とするメチルメタアクリレートとのコポリマによるフイルムに粘着層を積層したもの(例えば特許文献2参照。)、エチレンにメタアクリル酸とC3〜C8のメタアクリル酸アルキルエステルとの3元コポリマによるフイルムに粘着層を積層したものもの(例えば特許文献3参照。)、ポリオレフィン系フイルムによる基体層の拡張性が、内面位相差に関係があることを見出し、該層の表面粗度と共に、この内面位相差に特定条件を付したもの(この内面位相差は、押出し温度を高めにし、ドローをかけずに、引取り急冷することで発現)(例えば特許文献4参照。)等がある。
特開平5−211234号公報 特開平5−156214号公報 特開平7−230972号公報 特開2001−11207号公報
一方、静電気の発生を防止することを課題とする特許技術としては、例えば次ぎのようなものが公開されている。
ポリエチレン、ポリプロピレン等による基体シートと粘着層との中間に、アクリル系の両性又はカチオン系界面活性剤、無水マレイン酸−スチレン系アニオン等の界面活性剤又は加熱硬化型帯電防止剤をアクリル系共重合等に混合してなる帯電防止層を積層してなるもの(例えば特許文献5、6参照。)、ポリプロピレン(具体的には、ポリエチレン系樹脂とのブレンドポリプロピレン樹脂)100重量部に、ポリオキシエチレン鎖を持つモノマとブタジエンとを共重合したものを10〜200重量部混合して成形したフイルム(2軸混練機で混練後、押出機で押し出す)を基材とし、これに放射線重合性粘着剤による層を積層したもの(例えば特許文献7参照。)、更には放射線重合性粘着剤による粘着層及び該粘着層に剥離用フイルムを積層して得た帯電防止性を有する半導体加工用粘着シートであって、該剥離用フイルムを剥がした際の該シートの粘着面への耐電圧が200V以下であると規定したもの(例えば特許文献8参照。)等が挙げられる。
尚、特許該文献8に記載の半導体加工用粘着シートは、具体的には、帯電防止性の付与された基材フイルムに、該粘着層及び剥離用フイルムとが積層されているものであり、該基材フイルムとしては、ポリエチレン系、ポリプロピレン系等樹脂に一般に知られているアニオン系、カチオン系又はノニオン系の界面活性剤の練り込み成形によるもの、更には実施例1では、(この一般的界面活性剤とは異なる)ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマ(ペレスタット300)による高分子型帯電防止剤の練り込み成形によるものも例示されている。該実施例1は、具体的には、ポリプロピレン100重量部に、該高分子型帯電防止剤の15重量部を2軸混練押出機で混練した後、押出機で押し出して厚さ150μmシ−トを得、これに放射線重合性粘着層及び剥離フ用イルムとを積層して半導体加工用粘着シ−トとする。そしてこれを室温で7日間以上熟成した後、該剥離フイルムを剥がした際の耐電圧を測定して80Vを得たと言う内容のものである。
特開平9−190990号公報 特開2000−178516号公報 特開2003−147302号公報 特開2003−282489号公報
本発明は、前記問題点であるダイシング屑とか、ウェハチッピングの発生もなく、拡張性にも優れ、そして静電気発生に基づくウェハチップ中の集積情報の破壊に繋がることのないダイシング用基体フイルムの製造方法について鋭意検討した結果、到達したものである。
つまり本発明は、次ぎの方法によって得られる半導電性フイルムAとフイルムBとが共押出積層される半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法を特徴とする。
<半導電性フイルムA>
40〜75質量%のポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂と60〜25質量%のポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖にポリオキシアルキレン鎖がブロック結合されている親水性ポリエチレン樹脂又は親水性ポリプロピレン樹脂とのブレンド樹脂であって、該ブレンド樹脂の有する水分率を500〜3000ppmに調整し、これを計量部溝深さ3.5〜7.5mm、圧縮比1.5〜2.5、該ブレンド樹脂温度145〜235℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムA、
<フイルムB>
ポリエチレン系樹脂を計量部溝深さ1.5〜3.0mm、圧縮比2.5〜3.5で、該樹脂温度150〜210℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、温度210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムB。
又、次ぎの方法によって得られる半導電性フイルムA、フイルムB及びフイルムB1が、該フイルムB/該フイルムA/該フイルムB1の順で共押出積層される半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法も特徴とする。
<半導電性フイルムA>
40〜75質量%のポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂と60〜25質量%のポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖にポリオキシアルキレン鎖がブロック結合されている親水性ポリエチレン樹脂又は親水性ポリプロピレン樹脂とのブレンド樹脂であって、該ブレンド樹脂の有する水分率を500〜3000ppmに調整し、これを計量部溝深さ3.5〜7.5mm、圧縮比1.5〜2.5、該ブレンド樹脂温度145〜235℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムA、
<フイルムB及びフイルムB1>
ポリエチレン系樹脂を計量部溝深さ1.5〜3.0mm、圧縮比2.5〜3.5で、該樹脂温度150〜210℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、温度210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムB及び該フイルムB1。
又、直流電圧500V印加の下で10〜1012Ω・cmの体積抵抗率を有する半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法も特徴とする。
本発明は、前記の通り構成されていることで次ぎのような効果を奏する。
ウェハ等切断のためのダイシング台紙として使用した場合、ダイシングに基づく切り屑、ウエハチッピングの発生もなく、ダイシング後のフイルム拡張も均一に行われ、且つウェハのピックアップに起こり易い静電気発生もないと言う、これ等全てに渡ってバランスのとれたダイシング用基体フイルムが得られるようになった。
又、このダイシング用基体フイルムによるダイシング台紙は、ダイシング受台(ダイシングテープを緊張戴置して、この上の粘着面にウェハ等を固定してカットするための台座で上下機構を採っている)に対する滑性も良く、拡張動作がし易くなり、該受台のエッジ部分で起こり易いネッキングの防止にも繋がる。
まず、本発明の製造方法によるダイシング用基体フイルム(以下D基体フイルムと呼ぶ。)は、半導電性フイルムA(以下層A)/フイルムB(以下層B)の2層又は層B/層A/フイルムB1(以下層B1)の3層からなるが、両層共通となる層Aの樹脂は次のものである。
ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂にポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖にポリオキシアルキレン鎖がブロック結合されている親水性ポリエチレン樹脂(以下親水性PE樹脂と呼ぶ。)又は親水性ポリプロピレン樹脂(以下親水性PP樹脂と呼ぶ。)をブレンドした樹脂である。これはこのブレンド樹脂をD基体フイルムの中心層とし、前記各特性発現の中枢的作用をさせるためである。つまりこの層Aは、ポリプロピレン系樹脂フイルム又はポリエチレン系樹脂フイルムの有するウエハチッピング、切り屑、拡張性を更に改善助勢すると共に、大きく問題となる静電気発生を抑制する新たな特性の付与に作用する。
前記親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂であるが、これは概略次ぎのようなものである。
まず、ポリオレフィン鎖、好ましくはポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖は、ポリオキシアルキレン鎖とは各ブロックとなって結合されている。この結合の媒介は、エステル基、アミド基、エーテル基、ウレタン基等によって行われているが、エステル基又はエーテル基によっているのが、例えばブレンド性又は半導電性の発現の点で有利である。このポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖がブロックで結合されていることで、ブレンドされるポリエチレン系樹脂(以下bPE樹脂と呼ぶ。)又はポリプロピレン系樹脂(以下bPP樹脂と呼ぶ。)との相溶性が適性に得られ、これが前記する他の界面活性剤等に見られるようなブリードアウトの現象のないことに繋がることになる。
尚、前記する従来公知の界面活性剤等の併用は、その添加量が少量と言えどもブリードアウトする危険性が高いので好ましくない。
又、ポリオキシアルキレン鎖がブロックで結合していることで、より高い除電作用を行い静電気の蓄積をなくす作用にも繋がる。従って、例えばこれ等各鎖が低分子量単位で、且つその結合がランダムであるものでは、適性な相溶性の減退と共に、除電作用も低下傾向になり好ましいものではなくなる。
又、親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は、非イオン性である。これはこの樹脂がアニオン性又はカチオン性を有している場合、いずれも金属イオンが入り易く、ウェハ等に付着する危険性がありよくないからである。
前記ポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖は、前記の通り高分子量であるが、その分子量は、一般にポリマと呼ばれる高分子量(例えば一万以上)範囲よりも小さい。それは例えば1200〜6000程度である。この分子量範囲は、ポリオキシアルキレン鎖にポリエチレン又はポリプロピレンをブロック結合させる為に、その前段階で反応操作が行われるポリエチレン又はポリプロピレンの酸変性化反応が、1200〜6000程度の分子量のポリエチレン又はポリプロピレンがし易いことにもよる。
一方のポリオキシアルキレン鎖の分子量は、耐熱性及び酸変性反応(このポリエチレン又はポリプロピレンとの)の点から1000〜15000程度であるのが良い。
このポリオキシアルキレン鎖は半導電性を有しているが、この体積抵抗率は10〜1010Ω・cm程度であり、この範囲にあることで、後述するブレンド比と製造方法とによって、例えば体積抵抗率(以下ρvと呼ぶ。)10〜1012Ω・cmのD基体フイルムが得られる根拠となると言うものである。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂自身の製造法は、例えば前記分子量のポリエチレン又はポリプロピレンを酸変性して、これにポリアルキレングリコールを反応されると言ったようなものであるが、より詳細については、例えば特開2001−278985号公報又は特開2003−48990号公報に記載されているので割愛する。
そして、親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂とブレンドするbPE樹脂又はbPP樹脂は、次ぎの内容のものである。
bPE樹脂及びbPP樹脂共に、一般に知られているポリエチレン又はポリプロピレン単独ポリマ、エチレン又はプロピレンを主成分(一般に90モル%以上)とする他のオレフィンモノマ又はビニルモノマとのコポリマ又はこれ等の2種以上のブレンド樹脂が挙げられる。
具体的にbPE樹脂は、低密度PE樹脂(LDPE)、高密度PE樹脂(HDPE)、直鎖低密度PE樹脂(L−LDPE)、エチレンを主する(メタ)アクリル酸又はそのエステルとのコポリマが例示できる。この中でも該HDPE又は該コポリマが好ましい。
一方bPP樹脂では、例えば従来触媒又はメタロセン触媒により得られるプロピレン単独樹脂、プロピレンにエチレン又は更に1−ブテンとを共重合した(ランダム)共重合プロピレン樹脂、高結晶性ポリプロピレン樹脂(例えばプロピレン単独樹脂)と低結晶性ポリプロピレン樹脂(例えば共重合プロピレン樹脂)とのブレンド樹脂等である。このbPP樹脂の場合は、プロピレン単独樹脂よりも共重合プロピレン樹脂若しくは高結晶性ポリプロピレン樹脂と低結晶性ポリプロピレン樹脂とのブレンド樹脂又は一般に知られているポリオレフィン系若しくはポリスチレン系の熱可塑性エラストマーとプロピレン単独樹脂とのブレンド系bPP樹脂であるのが望ましい。
しかしながら、前記bPE樹脂又はbPP樹脂は、単に親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂をブレンドすれば良いと言うものではない。次ぎのようなブレンド比の範囲によってのみ前記課題を極めて有効にバランス良く解決できる条件を整える。
つまり、そのブレンド比は、bPE樹脂又はbPP樹脂は40〜75質量%、好ましくは50〜70質量%、親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は60〜25質量%、好ましくは50〜30質量%である。この範囲の特定は次の理由による。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂がbPE樹脂又はbPP樹脂にブレンドされると、そのブレンド量の増加につれて、前記bPE樹脂単独又はbPP樹脂単独の場合に見られる欠点の切り屑とか、チッピング、拡張性又は除電による静電気除去の点が改善されて行く。しかし、このブレンド量があまりに多くなると、拡張性の改善助勢作用はしなくなるばかりか、適正なフイルム剛性の範囲からはずれ硬くなり使いずらくもなる。更には層Aとしての成形性も悪くなる。この改善の領域と改悪傾向が始まるところの境界が60質量%である。つまりこの60質量%は、チッピング、拡張性、静電気除去、適正な剛性及び層成形性とがバランスする最大限界量と言うことになる。
一方、25質量%未満と少ない場合では、切り屑の抑制効果が小さくなること、拡張性に助勢作用が働かなくなること、そして少なくとも必要とする半導電性(つまりρv1012Ω・cm)も得られなくなり、静電気除去対応のできないD基体フイルムしか得られなくなることである。
尚、ここでの拡張性は、特にダイシング受台を上昇してダイシング台紙を拡張する場合、該部材のエッジ部分で起こるネッキング現象であり、それによって全体の均一拡張が失われる結果になる。
又、bPE樹脂とbPP樹脂による場合の親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂のブレンド比は、共通的には前記の通りであるが、各々においては、より好ましい範囲がある。それを例示すると次ぎの通りである。
まずbPE樹脂は、bPE樹脂50〜70質量%と親水性PE樹脂50〜30質量%、bPP樹脂は、bPP樹脂55〜65質量%と親水性PP樹脂45〜35質量%である。
尚、前記に説明するbPE樹脂、bPP樹脂、親水性PE樹脂、親水性PP樹脂のブレンドにおける組合せは、一般にはbPE樹脂と親水性PE樹脂、bPP樹脂と親水性PP樹脂の組合せで行うが、これがbPE樹脂と親水性PP樹脂、bPP樹脂と親水性PE樹脂の組合せであっても良い。この後者の組合せは、相溶性の点では前者の組合わせよりも良くないが、該両親水性樹脂のブレンド量が前者のそれよりも少なくて済む。この効果の一つが、少ないブレンド量でも例えば所望するρvが得やすい。該両親水性樹脂の分散状態に原因(例えば後述する層状分散を採り易い)があることが考えられる。
前記ブレンド樹脂の状態であるが、前記2種が予め溶融混練されてなるものと、2種のドライブレンドによるものがある。ここではこのドライブレンドによるものが好ましい。つまり、両原料(この原料が粉末状であっても、チップ状であっても)は、タンブルミキサー等で単に混合するだけで良く、2軸溶融押出機等を使って、一旦溶融して十分に混合するのは良くない。これは後述もするように、特にρvの有効な発現を阻害する要因をつくり易くするからである。敢えて事前に溶融混練する場合には、まず2軸押出機は使用せずに、1軸押出機を使い、この押出機も後述する層A用のフイルムの押出機条件のもので行い、且つ可能な限り低い樹脂圧で押出してチップとして得るようにするのが良い。つまり本発明に関しては、一般に2種以上のブレンドで必須的に採られる予備的溶融混練は好ましくない。
尚、層Bと層B1のポリエチレン系樹脂に、親水性PE又は親水性PPの樹脂がブレンドされる場合も、上記理由によりドライブレンドによるのが良い。
そして、層Aに積層する層B又は層Bと層B1との樹脂は、ポリエチレン系樹脂であるが、これは前記ブレンドの際に使用するbPE樹脂で例示するものと同じである。
尚、層Bと層B1は同種である場合もあれば異種である場合もある。
そして、前記の各樹脂は、次ぎの特定の成形条件の下にフイルムに成形し積層されるが、この樹脂中、特に層Aで使用する前記ブレンド樹脂に関しては、事前に該樹脂が含む水分率をチエックして500〜3000ppm、好ましくは800〜2500ppmの範囲にあるように調整する必要がある。この水分率の特定は次ぎのような理由による。
層Aによりもたらされる前記各特性中、特にρvの発現と層品質に影響するからである。つまり500ppm未満では、最低必要な1012Ω・cmが得難く、3000ppmを越えると層に凹凸(気泡によるか)が発生するようになる。
この水分率調整は、ブレンドされた時点でまず水分率を測定し500ppm未満であれば、湿度調整部屋等に放置して加湿調整する。逆に3000ppmを越える場合は、乾燥機等に入れて乾燥調整する。
尚、層Bと層B1のポリエチレン系樹脂の水分率は一般に少なく、又層Aのように大きな影響はないので、敢えてその特定は要しない。しかしながら、これに親水性PE又は親水性PPの樹脂がブレンドされる場合もあることから、かかる場合には、事前にチエックし500〜3000ppmにあることを確認するのが望ましい。
まず、層A/層Bの2層フイルムによるD基体フイルムは、次ぎの成形条件によって製造されるが、まずここで層Bの積層は次ぎの理由による。
該層は、十分に満足できる拡張性を付与するのに必要な層である。つまり層A自身は、(親水性PE又は親水性PPの樹脂で改善はされるが)なお十分な拡張性を有していない。この不十分な拡張性を十分な拡張性にまで至らしめるのに、このポリエチレン系樹脂よる層Bの積層が必要である。本来ポリエチレン系樹脂は、前記するように拡張性に欠けるにも関らず、ここではこの積層によって逆により助勢作用をし拡張性を高める。
まず層Aの半導電性フイルムAは、次の条件で成形される。
前記水分率調整されたブレンド樹脂は、計量部溝深さ3.5〜7.5mm、圧縮比1.5〜2.5、該ブレンド樹脂温度145〜235℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、約210〜230℃の中で一定温度に制御されたのTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る。
そして層BのフイルムBは、次の条件で成形される。
前記ポリエチレン系樹脂を計量部溝深さ1.5〜3.0mm、圧縮比2.5〜3.5で、押出し該樹脂温度150〜210℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、温度210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る。
前記成形条件で得られる各フイルムは、積層されてD基体フイルムとなるが、この積層手段としては、次の次の2法が例示できる。
その1つが各々別個に得られた各フイルムを、別途ドライラミネーション法により積層する。その2つが2層Tダイを使って同時的に積層する、つまり共押出法が例示できる。好ましいのは後者の共押出法である、これは生産性もあるが、より改良された拡張性を有するD基体フイルムが得られるからである。
尚、共押出法による積層の場合は、2台の押出機から2層用のTダイを通して積層されるが、同時合流(積層)の位置により、フイードブロック、マルチマニホールド、マルチスロッドの各ダイがある。何れでも良い。
前記において、半導電性フイルムAの成形で、まず選択される押出機、つまり押出スクリューは、フルフライト漸減深型スクリュー(計量部〜圧縮部〜供給部に渡ってフルフライトでフライトの高さ、つまり溝深さが漸減深くなっている)(これには連続圧縮と急圧縮とがある)(以下これをFFスクリューと呼ぶ。)である。このタイプは、溶融ブレンド樹脂に、必要以上にせん断応力が付加されず、特にρvの発現を阻害することなく得られ易くなる。
一般にスクリューには、他にトーピード型(計量部にフライトがない)とダルメージ型(計量部がらせん角の大きい浅溝多重ネジ)もあるが、これ等のスクリューは、何れも特に計量部で送り出されてくる溶融ブレンド樹脂に高いせん断応力が付加され易く、特にρvの発現を阻害する結果になり不適である。
そして前記FFスクリューであっても、特に計量部溝深さが3.5〜7.5mm、より好ましくは4.0〜6.5mm、圧縮比が1.5〜2.5、より好ましくは1.6〜2.0のものが選らばれる。この計量部溝深さは、特にρvの有効な発現に関る要因である。つまりより浅い方に向くと、送り出されてくる溶融ブレンド樹脂に必要以上のせん断応力が付加されるようになり、逆により深い方に向くと吐出量が多くなろうとし、その結果必要以上の樹脂圧が付加されるようになる。このせん断応力は、特にρvの有効な発現を阻害し、必要以上の樹脂圧は、溶融ブレンド樹脂のスクリュー内での滞留時間が長くなり、特に分散する親水性PE樹脂成分又は親水性PP樹脂成分の分解の危険性を招く。従って、これ等の危険性がなく安全にフイルム成形のできる範囲が3.5〜7.5mmと言うことになる。
一方、圧縮比も特定されるが、これは換言すれば、前記計量部溝深さが特定されたならば供給部の溝深さにより決まると言うものである。従って、圧縮比が大きければ供給部の溝深さが深く、小さいと浅いと言うことになる。
この圧縮比は、一般に供給原料の見掛け比重(例えばチップ状であれば小さくてよく、粉末状であればより大きくする)と、より溶融混練の要否(要であれば大きく、否であればより小さく)に関係する。本発明では、可能な限り十分な溶融混練はしない方が良いことから可能な限り圧縮比範囲は小さい方が良く、そして供給原料は、チップ同志でのドライブレンドが好ましいことから、圧縮比は低い範囲が良い。本発明における圧縮比は、この両方のバランスから見い出された範囲で、それが1.5〜2.5である。つまり2.5を越えると必要以上の溶融混練が助長されるようになり、1.5未満では、(見掛け比重の小さいチップであるとは言え)安定した定量連続供給が困難になる。
尚、スクリューの大きさ、つまりL/Dは、所望する押出量(生産量)によって適宜選ぶことになるが、本発明では前記するように、ρvの有効な発現を阻害するとか、親水性PE樹脂成分又は親水性PP樹脂成分の分解の危険性を招くようなことがあってはならない。L/Dが大きくなればなる程、この両危険性が招くようになるので、あまり大きいのは望ましくない。例えば35程度、好ましくは30を越えない方が良い。
そして、更に必要な条件としてFFスクリュー押出機内でのブレンド樹脂温度である。
これは、145〜235℃、好ましくは150〜230℃の範囲で漸増昇温調整し、Tダイ内にある該ブレンド樹脂温度を210〜230℃の中で一定温度として設定する必要がある(これ等温度は、間接的にはバレル温度とTダイ温度で決まる)。
ここで該ブレンド樹脂温度の漸増昇温調整の意味は、FFスクリューの供給部領域〜圧縮部領域〜計量部領域に向かって、連続的又は階段的に高温調整すると言うことである。これはこの何れの領域にあっても、その領域での230℃を越える急な昇温が起こる危険性があり、これを未然に防ぐためである。従って、昇温は連続的であるのが理想的である。
この最高の235℃は、これを越えると特にブレンド樹脂中の親水性のPE樹脂又はPP樹脂の熱分解が起こり易くなり、それに伴う前記の各効果、特にρvの有効な発現、拡張性及びウェハのチッピングの改善を阻害するようになる。下限の145℃は、供給部領域でのブレンド樹脂の予熱であり、これよりも低いと、圧縮部領域での温度をより高くすることになり、(可塑化が行われる)この領域での急な加熱は好ましくないことからである。
Tダイから吐出されたフイルム状物の冷却は40〜100℃、より好ましくは60〜90℃である。40℃未満での急冷は、フイルム表面が荒れ気味になり、100℃を越えると冷却効率が悪く生産性の低下も招く。この冷却は温調されたローラに接触することで好ましく行われるが、このローラの配置位置は、引き落し率とも関係して決められる。本発明では引落し率は5〜10%程度とし、大きくならないようにするのが望ましいが、これはTダイから吐出されたフイルム状物が柔らかく、且つネックインが大きいためである。従って、このロールは、この5〜10%の範囲が維持できる位置に設けるのが良い。
尚、その他に樹脂圧があるが、これはこれを変えることで、主として所望する層Aの厚さと面積(生産量)が変えれる程度に留め、必要以上に高い樹脂圧が掛らないようにする。必要以上の高い樹脂圧は、必要以上のせん断応力と温度上昇に繋がり易くもなる。
尚、樹脂圧は、TダイとFFスクリューの先端との間に配置されるスクリーンメッシュ付きブレカプレートの目開き度によっても調整できる。ゴミの除去のことも考慮し、適宜選択し取り付けるのが良い。
一方、層Bフイルムの成形条件は、基本的には、ポリエチレン系樹脂のフイルム成形で、一般に知られ又は実施されている押出機と成形条件の範囲で良い。しかしながら、ポリエチレン系樹脂に親水性PE又は親水性の樹脂がブレンドされる場合もあることと、好ましく例示される2層共押出し成形が行われることから、その条件として、可能な限り前記層Aの成形条件に近いのが望ましい。このことから設定される条件が、計量部溝深さ1.5〜3.0mm、圧縮比2.5〜3.5で、押出し該樹脂温度150〜210℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、温度210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取ると言うものである
尚、ここでも樹脂圧は、層Bフイルムの厚さと面積が得られるような圧力に留め、引き落し率は前記層Aの場合と同じ範囲で行うのが良い。
そして層B/層A/層B1の3層フイルムによるD基体フイルムは、次ぎの成形条件によって製造されるが、ここで層B1の更なる積層の理由は次ぎの通りである。
前記2層をD基体フイルムとするダイシング台紙は、層A面がダイシング受台面に接する。しかし該受台面に対する該層A面の滑性は十分であるとは言えない。この面の滑性は親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂のブレンド量の増加と共に悪くなる方向にある。そこでこの不十分な層A面の滑性を優れた滑性にしておくのが層B1による積層である。
又、前記の層B1によっても拡張性の助勢作用もあり、一層の良化傾向にもなる。更には層Aに対して両面層が同じポリエチレン系樹脂によりなることで、フイルム反りと言う危険性のないD基体フイルムが得られ易いことによる。
尚、B層とB1層とは、前記するように、主たる作用効果は異なることから、それに相応する異種の該樹脂の組み合わせの場合もある。例えばB層には(メタ)アクリル酸又はそのエステルとの共重合ポリエチレン,B1層にはLDPEと言った組合せである。
この3層D基体フイルムの製造は、3層で且つ積層順序に注意する以外は、前記2層の場合と同条件で成形される。つまり好ましくは3層共押出し積層により製造するが、この場合は、前記層Aのブレンド樹脂用押出機、前記層B及び層B1の樹脂用押出機は、層B用樹脂の押出機の合計3台を使用して、層Aを中心にしてその両サイドに層B、層B1が位置するように配置し、3層Tダイから前記押出条件により共押出しを行う。相当する3層D基体フイルムが得られる。ここでも層B1が、層Bと同じ条件で積層されるのも、前記層Bと同じように、親水性PE又は親水性PPの樹脂がブレンドされる場合もあり、また一体的積層が行われ易いことによる。
尚、3層Tダイにも同時合流(積層)の位置により、フイードブロック、マルチマニホールド、マルチスロッドの各ダイがある。何れでも良い。
又、前記各D基体フイルムは、Tダイ法が好ましく採用されるが、これがインフレーション法によっても製造できないものではない。
又、層A、層B、層B1に使用される前記各樹脂に、一般に知られるオレフィン系樹脂の添加剤(例えば酸化防止剤、耐候剤等)の微量添加はあっても良い。
尚、前記ポリエチレン系樹脂による層B、層B1は、基本的には電気絶縁層、つまり親水性PE又は親水性PPの樹脂はブレンドされない層で良い。しかし、特に層Aにブレンドする量が少ない範囲で使用される場合、層Aの層厚が薄い場合又は層B及び/又は層B1の層厚が厚くてρv1012Ω・cmも得難い場合には、許容範囲内でブレンドして、この層Aのρvに加勢し発現するようにするのも良い。この該両樹脂ブレンドの許容範囲内の意味であるが、これは特に層Bによる拡張性、層B1による滑性に悪影響がでない量であり、その量は例えば20質量%以下、好ましくは15質量%以下3質量%以上と少量が良い。
前記製造方法により得られるD基体フイルムの厚さ構成は、前記各効果の有効な発現と用途等を考慮して適宜決められるが、例えば有効な用途の一つであるダイシング用の場合を例示すると次ぎの通りである。
まず層A/層Bの場合であるが、(中心層である)層Aは、少なくとも層Bよりも厚く設定する。これは特にダイシングにおけるダイサーが必要とする切り込み深さ、(層Bが電気絶縁層であっても)必要とするρv10〜1012Ω・cmがより容易に得られることによる。つまり層Bよりも厚くした方が良いのは、この切り込みを安全且つ確実に行うためには、層Bをカット通過して層Aにまで達する必要があるが、更に層Aを通過して深く切り込んでは良くないので、この層A中で停止する必要があるからである。
そして、このρvであるが、基本的には、前記の通り親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂のブレンドによって得られるが、しかしこの層Aの厚さが特に薄い範囲では、このρvの円滑な発現に影響し得難くなると言うことからでもある。
そこで、その層A/層Bの具体的厚さであるが、層Aは50〜200μm、好ましくは60〜150μmである。50μm未満は前記切り込み深さが不足であり、ρvが得がたくなり、200μmを越えると、必要以上の厚さであり、硬くなり取扱い上も良くない。
一方、層Bは5〜25μm、好ましくは10〜20μmである。5μm未満では、前記する特に拡張性においての助勢作用が働かなくなり、25μmを越すと仮に前記の限度以内(20質量%)で親水性PE樹脂をブレンドしても必要とする上限のρv1012Ω・cmも得難くなる。
又、層B/層A/層B1の場合は、次ぎの通り例示できる。
層A、層Bは前記の通りの厚み構成でよいが、層Bに対する層B1は、本来の助勢作用である滑性の付与からは、層Bよりも薄くて良い。しかしD基体フイルムとして反り発生の危惧からは同厚さで設定するのが良い。
又、前記の通り製造されたD基体フイルムには、半導電性も付与されている。特にその半導電性は、電気抵抗中のρvであり、これは主として中心層である層A中の親水性PE又は親水性PPの樹脂のブレンド量と、必要以上の溶融混練はせずに、前記成形条件によってもたらされる。その範囲は約10Ω・cm以上であり、適宜用途によって変えることができる。
本発明で、有効な用途であるダイシング用では、このρvの発現以外に、前記拡張性等他の特性の改善も行い、バランスすることが必要である。この特性改善バランスからは10〜1012Ω・cm、より好ましく1010〜1011Ω・cmのD基体フイルムである。つまり下限の10Ω・cmは、このρvは本来除電作用からは低い程良い。しかしこれよりも低いと他の特性改善の更なる効果が出ず、1012Ω・cmを越えると、ウエハピックアップ時の静電気発生のトラブルを効果的に防ぐことができなくると共に、他の特性改善効果が見られない。
尚、このρvは、層A/層B又は層B/層A/層B1の両面に直流電圧を500Vを印加して測定した時の電気抵抗率、つまり構成層全体が有する体積抵抗率である。従って、表面の有する表面抵抗率とは本質で異なるものである。これは仮に表面抵抗率が10〜1012Ω/□、更にはそれ以下の範囲にあるからと言っても、このピックアップ時の静電気発生の問題解決には必ずしもならないからである。つまり静電気防止の本質的な解決のためには、表面で発生した静電気が直ちにアースされ系外に逃げなければならず、その為にはD基体フイルム全体が半導電性、つまりρvをもって成っていなけねばならない。これが単に表面にのみ所定の抵抗率を有するダイシング台紙では、静電気は一瞬流れても更に系外にまで容易には流れない。その結果表面で蓄電されて絶縁破壊を起すに至る場合もあり、静電気発生の本質的問題解決にはならない。
本発明における前記各効果は、前記するように、D基体フイルム中の層Aの中枢的作用に基づくが、その発現が、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂中に存在する親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂の分散状態に関係する。このことは、前記好ましい製造方法として記載する、必要以上のせん断応力が付加されるような、例えば2軸押出機による溶融混練下での製造は良くないと言うことからも考えられる。
一般に樹脂同志のブレンドにしても、ある種の添加剤をブレンドするにしても、十分なる溶融混練の下で成形し、これ等ブレンド物質を可能な限り均一分散した状態にするのが常套手段になっている。ところが本発明にあっては、全く逆で十分なる溶融混練は可能なかぎり避けることが重要な手段となっている。
ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂中に存在する親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂の分散状態を確認する為に、後述する実施例1(単にドライブレンドに留めたものを原料とする場合)と比較例7(十分な溶融2軸混練したものを原料とする場合)とによって得られた2層フイルムを使って、その断面を走査型電子顕微鏡によって観察し、その拡大写真(倍率5000倍)を撮った。その結果を図1と図2に示す。ここで図1が実施例1、図2が比較例7である。各図で白っぽい部分が親水性PP樹脂のペレスタット300、黒っぽい部分がマトリックス樹脂の結晶性PP樹脂である。分散状態に差のあることが良く判る。つまり実施例1が親水性PP樹脂が連続した多数の層状で分散しているのに対して、比較例7では、(部分的には層状もあるが)大部分がその層状が切れて孤立的分散状態になっている。つまり、図1ではマトリックス樹脂である(電気絶縁性)結晶性PP樹脂の間隙が非常に狭いのに対し、図2ではマトリックス樹脂である(電気絶縁性)結晶性PP樹脂の間隙が非常に広い。
このことは、効果の一つのρvを比較すると、実施例1の方がはるかに小さい電気抵抗を示している。これはより電気が通り易い状態にあり、これが多数の層状分散の親水性PP樹脂によってもたらされていると考えられる。
ちなみに両サンプルを23℃、50%RHの雰囲気下に48時間放置した後、オネストメ−タにより電荷半減期(秒)を測定して見たところ、実施例1では1秒、比較例7では4秒で電荷が半減した。この結果は、仮にダイシングした場合に静電気がD基体フイルム内に発生した場合、実施例1は比較例7よりも4倍の速度で早く除電されることになる。
前記の製造方法によれ得られた前記D基体フイルムは、一般にはこのままでは使用されない。層B側に被ダイシング部材を粘着固定する為の粘着層を設ける必要があるからである。この粘着層の厚さは、(少なくとも粘着性発現に必要な厚さは必要であるが)必要以上に厚くすることは前記ρv発現の点からも好ましくない。この点から10μm前後が例示される。
尚、この粘着層には、一般的なアクリル系、ゴム系の粘着性樹脂、電子線照射による粘着性低下性樹脂等が使用される。これ等樹脂による粘着層の積層は、例えば別途離型紙に該粘着性樹脂をグラビヤロール等で均一にコーテングしておいて、これを層B面に転移・積層することで形成される。
最終得られた粘着層付きD基体フイルムは、ダイシング台紙となるが、一般にこのままでの使用はなく、例えばウエハダイシング用の場合には、テープ状にカット加工され、離型紙を介してロール巻きにして使用される。
以下に比較例、参考例と共に実施例でより詳細に説明する。
尚、本文中及び以下の各例で言う拡張性とρvは次の通り測定して得た値である。
●拡張性、
各例で得た(D基体)フイルムをサンプルとして、これに予め10×10mmのマス目を描写しておく。そして直径300mmの円形にカットして、これを外径150mmの円筒体(自動的に上下動する)の表面に当接し、該フイルムの端部全周囲をチャック固定する。次ぎに該円筒体を200cm/分の速度で20mm押し上げ該フイルムを全方向に拡張する。そして中央に位置するマス目の縦と横方向の伸長を測る。縦と横方向の長さが何れも110%以上であれば、拡張性に優れるフイルムとして〇、少なくとも一方の伸びが110%未満であれば拡張性に劣るフイルムとして×と記す。
●ρv(Ω・cm)
各例で得たフイルムをA3サイズにカットして、これの両面にDC電圧500v印加して、10ヶ所に渡って三菱化学株式会社製の抵抗測定器“ハイレスタIP・HRブロ−ブ”にてρvを測定する。
尚、測定は10秒経過後に行い、その値は平均値で示す。
(実施例1)
◎層A用樹脂、
bPP樹脂として、結晶性PP樹脂(株式会社グランドポリマー製、品種F327で少量のエチレンがランダムに共重合されている。)60質量%と親水性PP樹脂(三洋化成株式会社製、品種ペレスタット300、融点135℃)40質量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で水分率は2400ppm。
◎層B用樹脂、
エチレンを主成分とするエチルアクリレートとの共重合エチレン樹脂(三井デユポンポリケミカル株式会社製 商品名EVAFLEX 品種EEAのA―701、軟化温度73℃)で水分率は100ppm。
以上の各樹脂を原料として、これを下記内容の2台の押出機と成形条件とによって、温度225℃に温調されたスリット幅600μmの2層用Tダイから共押出しを行い、同時積層して層A/層BからなるD基体フイルムを得た。
<層A用の押出機と成形条件>
◎FFスクリュー押出機・・・L/D=28、計量部溝深さ6.2mm、圧縮比1.8、
◎成形条件・・・押出温度は供給部領域に相当する部分のバレル温度150〜180℃、圧縮領域に相当する部分のバレル温度190〜215℃、計量部領域に相当する部分のバレル温度205〜235℃に漸増昇温調整、樹脂圧21.5MPa、引き落とし率7.0%、冷却ロール温度80℃。
<層B用の押出機と成形条件>
◎FFスクリュー押出機・・・L/D=28、計量部溝深さ1.5mm、圧縮比3.0、
◎成形条件・・・押出温度は供給部領域に相当する部分のバレル温度150〜175℃、圧縮領域に相当する部分のバレル温度185〜195℃、計量部領域に相当する部分のバレル温度200〜205℃に漸増昇温調整、樹脂圧18.6MPa、引き落とし率7.0%、冷却ロール温度80℃。
前記にて得られた2層D基体フイルムの全厚は80μmで、各層は層A65μm、層B15μmであった。層Aが4倍強厚いためか殆んど反りもなく、一体的積層の状態であった。該フイルムをサンプルとして拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(実施例2)
◎層A用樹脂、
bPP樹脂として、PP樹脂系ブレンド樹脂(非晶性ポリオレフィン樹脂と結晶性PP樹脂とのブレンド樹脂で、宇部興産株式会社製、品種CAP350、融点135℃)60質量%と実施例1と同じ親水性PP樹脂40質量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で水分率は1700ppm。
◎層B用樹脂、
エチレンとブチルアクリレート(約7質量%含有)との共重合エチレン樹脂(アトフィナ ジャパン株式会社製 商品名ロトリル 品種7BA01、融点107℃)で水分率は200ppm。
◎層B1用樹脂、
LDPE樹脂(宇部興産株式会社製、品種F522N、融点109℃)で水分率は150ppm。
以上の各樹脂を原料として、これを下記内容の3台の押出機と成形条件とによって、温度225℃に温調されたスリット幅600μmの3層用Tダイから共押出しを行い、同時積層して層B/層A/層B1からなるD基体フイルムを得た。
<層A用の押出機と成形条件>
◎FFスクリュー押出機・・・L/D=28、計量部溝深さ4.0mm、圧縮比2.0、
◎成形条件・・・実施例1と同じ、但し樹脂圧21.0MPa。
<層B用及び層B1用の押出機と成形条件>
◎実施例1の層B用と同じ、但し樹脂圧は各18.6MPa。
前記にて得られた3層D基体フイルムの全厚は80μmで、各層は層A60μm、層B及び層B1各10μmであった。反りもなく、一体的積層の状態であった。該フイルムをサンプルとして拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(実施例3)
◎層A用樹脂
bPE樹脂として、LDPE樹脂(宇部興産株式会社製、品種F522N、融点109℃)
50質量%と実施例1と同じ親水性PP樹脂50質量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で水分率は1000ppm。
◎層B用樹脂、
実施例1と同じEVAFLEX 品種EEAのA―701。
以上の各樹脂を原料として、これを下記内容の2台の押出機と成形条件とによって、温度200℃に温調されたスリット幅600μmの2層用Tダイから共押出しを行い、同時積層して層A/層BからなるD基体フイルムを得た。
<層A用の押出機と成形条件>
◎押出温度を供給部領域に相当する部分のバレル温度145〜170℃、圧縮領域に相当する部分のバレル温度175〜185℃、計量部領域に相当する部分のバレル温度190〜205℃に漸増昇温調整し、樹脂圧19.6MPaに変更する以外は実施例1と同じ。
<層B用の押出機と成形条件>
◎実施例1と同じ。但し樹脂圧17.6MPa。
得られた2層のD基体フイルムの全厚は80μmで、各層は層A60μm、層B20μmであった。反りもなく、一体的積層の状態であった。該フイルムをサンプルとして拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(実施例4)
◎層A用樹脂
bPP樹脂として実施例2と同じブレンドPP系樹脂”CAP350”65質量%と同じ親水性PP樹脂”ペレスタット300”35重量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で、水分率は900ppm。
◎層B、層B1用樹脂(共通)、
実施例2と同じLDPE樹脂”F522N”80質量%と同じ親水性PP樹脂”ペレスタット300”20質量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で、水分率は1500ppm。
以上の各樹脂を原料として、これを下記内容の3台の押出機と成形条件とによって、温度225℃に温調されたスリット幅600μmの3層用Tダイから共押出しを行い、同時積層して層B/層A/層B1からなるD基体フイルムを得た。
<層A用の押出機と成形条件>
◎実施例2と同じ。但し樹脂圧は20.6MPa。
<層B用及び層B1用の押出機と成形条件>
◎実施例1と同じ。但し樹脂圧は19.6MPa。
得られた3層のD基体フイルムの全厚は80μmで、各層は層A40μm、層B及び層B1は20μmであった。反りもなく、一体的積層の状態であった。該フイルムをサンプルとして拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(実施例5)
◎層A用樹脂
bPP樹脂として実施例2と同じブレンドPP系樹脂”CAP350”53質量%と同じ親水性PP樹脂”ペレスタット300”47質量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で、水分率は1500ppm。
◎層B、層B1用樹脂(共通)、
実施例2と同じLDPE樹脂”F522N”で、水分率100ppm。
以上の各樹脂を原料として、これを下記内容の3台の押出機と成形条件とによって、温度225℃に温調されたスリット幅600μmの3層用Tダイから共押出しを行い、同時積層して層B/層A/層B1からなるD基体フイルムを得た。
<層A用の押出機と成形条件>
◎実施例2と同じ。
<層B用及び層B1用の押出機と成形条件>
◎実施例1と同じ。
得られた3層のD基体フイルムの全厚は80μmで、各層は層Aが60μm、層B及び層B1が10μmであった。反りもなく、一体的積層の状態であった。該フイルムをサンプルとして拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(実施例6)
◎層A用樹脂、
bPP樹脂として、実施例1と同じ結晶性PP樹脂”品種F327”50質量%とポリスチレンエラストマー(水添スチレンーブタジエン共重合エラストマー)(日本スチレンラバー株式会社製、品種ダイナロン1320P)15質量%、そして同じ親水性PP樹脂”ペレスタット300”35質量%との3種をタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で、水分率は1200ppm。
◎層B用樹脂、
実施例2と同じLDPE樹脂”F522N”85質量%と同じ親水性PP樹脂”ペレスタット300”15質量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で、水分率は500ppm。
以上の各樹脂を原料として、これを下記内容の2台の押出機と成形条件とによって、温度215℃に温調されたスリット幅600μmの2層用Tダイから共押出しを行い、同時積層して2層からなるD基体フイルムを得た。
<層A用の押出機と成形条件>
◎実施例1と同じ。但し樹脂圧21.6MPa。
<層B用の押出機と成形条件>
◎実施例1と同じ。但し樹脂圧19.6MPa。
得られたD基体フイルムの全厚は80μmで、各層の厚さは層Aが60μm、層Bが20μmであった。殆んど反りもなく、一体的積層の状態であった。該フイルムをサンプルとして拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(実施例7)
◎層A用樹脂
LDPE樹脂”F522N”72質量%と親水性PP樹脂”ペレスタット300”28質量%とをタンブルミキサーにてドライブレンドしたブレンド樹脂で、水分率は950ppm。
◎層B用樹脂、
LDPE樹脂”F522N”で水分率140ppm。
以上の各樹脂を原料として、これを下記内容の2台の押出機と成形条件とによって、温度205℃に温調されたスリット幅600μmの2層用Tダイから共押出しを行い、同時積層して層A/層Bの2層からなるD基体フイルムを得た。
<層A用及び層B用の押出機と成形条件>
両層共同じで、実施例1の層B用の押出機と成形条件。
前記にて得られた2層のD基体フイルムの全厚は80μmで、各層は層Aが60μm、層Bは20μmであった。殆んど反りもなく、一体的積層の状態であった。該フイルムをサンプルとして拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(比較例1)
実施例1と同じ層A用樹脂を使って、温度225℃に制御されたスリット幅600μmの単層Tダイから、同じ層A用の押出機と成形条件によって層Aのみからなる単層フイルムを得た。但し樹脂圧は21.6MPa。
得られた該フイルムの厚さは80μmであり、これの拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(比較例2)
実施例1において、層A用樹脂の結晶性PP樹脂”F327”と親水性PP樹脂”ペレスタット300”とのブレンド比を85質量%と15質量%とに変える以外、他の種々条件は同じで2層共押出しを行い、2層フイルムを得た。該フイルムの全厚は80μmで、各厚さは層Aが60μm、層Bが20μmであった。このフイルムのについても拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
尚、このブレンド樹脂の水分率は700ppmであった。
(比較例3)
実施例1において、層A用樹脂の結晶性PP樹脂”F327”と親水性PP樹脂”ペレスタット300”とのブレンド比を35質量%と65質量%とに変える以外、他の種々条件は同じで2層共押出しを行い、2層フイルムを得た。該フイルムの全厚は70〜85μmでバラツキがあった(これは層A用に相当するブレンド樹脂自身の成形性が悪くなっていることによると考えられる)。このフイルムについても拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
尚、このブレンド樹脂の水分率は1500ppmであった
(比較例4)
実施例1において、層Aで使用する押出機を計量部溝深さ2.0mm、圧縮比3.0のFFスクリュー押出機に変える以外は、同じ条件にて、共押出し成形を行って2層からなる積層フイルムを得た。外観上は実施例1と同じであった。このフイルムについて拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(比較例5)
実施例1において、層A用のFFスクリュー押出機のバレル温度を供給部領域に相当する部分150〜165℃、圧縮領域に相当する部分180〜195℃、計量部領域に相当する部分210〜245℃とする以外は、同じ条件にて、共押出し成形を行って2層からなる積層フイルムを得た。
このフイルムについて拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
(比較例6)
実施例1と同じドライブレンドで得たブレンド樹脂を2分して、一方はRH65%の調湿部屋に放置、加湿して水分率3300ppmに、もう一方は40℃で真空乾燥して水分率370ppmに各調整した。
そして、前記の2種の各ブレンド樹脂を層A相当樹脂として、実施例1と同じ条件にて2層共押出しを行い、各々の2層フイルムを得た。水分率370ppm及び3300ppのブレンド樹脂による2層フイルムを各々37F、330Fと呼び、各々について拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
尚、37Fは実施例1のD基体フイルムと外見上には差は見られなかったが、330Fは層Aに相当する層の表面に(極めて微細ではあるが)多数の凹凸が見られた。
(比較例7)
実施例1における層A用樹脂として、まずタンブルミキサーにてドライブレンドした後、更に2軸溶融混練押出機(L/D=7/1、異方向回転で樹脂は内側運び)(バレル加熱温度は150〜205℃に漸増高温)にて溶融混練しつつガットとして押出し、冷却と共にチップカット(約1.5mm径×2mm)した。この混練ブレンド樹脂を層A用樹脂として用いる以外は、実施例1と同じ条件で成形積層し2層のフイルムを得た。得られた該フイルムの厚さは80μmであり、層Aは65μm、層Bは15μmであり、外観上は該例と差はなかった。これの拡張性、ρvを測定し表1にまとめた。
実施例1の2層フイルムの断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影(5000倍)したもの 比較例7の2層フイルムの断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影(5000倍)したもの
符号の説明
前記各写真で白っぽい部分が親水性PP樹脂、黒っぽい部分がマトリックスのbPP樹脂に相当

Claims (3)

  1. 次ぎの方法によって得られる半導電性フイルムAとフイルムBとが共押出積層されることを特徴とする半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法。
    <半導電性フイルムA>
    40〜75質量%のポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂と60〜25質量%のポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖にポリオキシアルキレン鎖がブロック結合されている親水性ポリエチレン樹脂又は親水性ポリプロピレン樹脂とのドライブレンド樹脂であって、該ドライブレンド樹脂の有する水分率を500〜3000ppmに調整し、これを計量部溝深さ3.5〜7.5mm、圧縮比1.5〜2.5、該ブレンド樹脂温度145〜235℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムA、
    <フイルムB>
    ポリエチレン系樹脂を計量部溝深さ1.5〜3.0mm、圧縮比2.5〜3.5で、該樹脂温度150〜210℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、温度210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムB。
  2. 次ぎの方法によって得られる半導電性フイルムA、フイルムB及びフイルムB1が、該フイルムB/該フイルムA/該フイルムB1の順で共押出積層されることを特徴とする半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法。
    <半導電性フイルムA>
    40〜75質量%のポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂と60〜25質量%のポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖にポリオキシアルキレン鎖がブロック結合されている親水性ポリエチレン樹脂又は親水性ポリプロピレン樹脂とのドライブレンド樹脂であって、該ドライブレンド樹脂の有する水分率を500〜3000ppmに調整し、これを計量部溝深さ3.5〜7.5mm、圧縮比1.5〜2.5、該ブレンド樹脂温度145〜235℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムA、
    <フイルムB及びフイルムB1>
    ポリエチレン系樹脂を計量部溝深さ1.5〜3.0mm、圧縮比2.5〜3.5で、該樹脂温度150〜210℃の範囲で漸増昇温調整されてなるフルフライト漸減深型スクリュー押出機に供給し、温度210〜230℃の中で一定温度に制御されたTダイからフイルム状で押出し、無延伸で40〜100℃で冷却して引取る方法による該フイルムB及び該フイルムB1。
  3. 直流電圧500V印加の下で10〜1012Ω・cmの体積抵抗率を有する請求項1又は2に記載の半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法
JP2004035864A 2004-02-13 2004-02-13 半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法 Expired - Fee Related JP4367626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035864A JP4367626B2 (ja) 2004-02-13 2004-02-13 半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035864A JP4367626B2 (ja) 2004-02-13 2004-02-13 半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005225068A JP2005225068A (ja) 2005-08-25
JP4367626B2 true JP4367626B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=35000150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004035864A Expired - Fee Related JP4367626B2 (ja) 2004-02-13 2004-02-13 半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4367626B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008153586A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Gunze Ltd ダイシング用基体フイルム
JP6733804B1 (ja) * 2019-03-12 2020-08-05 住友ベークライト株式会社 粘着テープおよび粘着テープ用基材

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5541264A (en) * 1978-09-19 1980-03-24 Fujikura Ltd Preparation of conductive molding
JPS6241016A (ja) * 1985-08-16 1987-02-23 Idemitsu Petrochem Co Ltd 熱可塑性樹脂成形用スクリユ−
JPH05175331A (ja) * 1991-11-14 1993-07-13 Nippon Kakoh Seishi Kk 半導体ウエハダイシング用粘着シート
ATE228054T1 (de) * 1998-05-06 2002-12-15 Du Pont Plastifizierschnecke
JP3634673B2 (ja) * 1999-07-02 2005-03-30 グンゼ株式会社 ポリオレフィン系フィルム
JP4011407B2 (ja) * 2001-05-28 2007-11-21 三洋化成工業株式会社 分岐骨格を持つブロックポリマー及びこれからなる帯電防止剤
JP4578050B2 (ja) * 2001-09-04 2010-11-10 グンゼ株式会社 ウェハダイシングテープ用基材
JP3929291B2 (ja) * 2001-11-15 2007-06-13 住友ベークライト株式会社 半導体基板加工用粘着シート
JP2003282489A (ja) * 2002-03-26 2003-10-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体加工用粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005225068A (ja) 2005-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW574341B (en) Wafer machining adhesive tape, and its manufacturing method and using method
JP5068070B2 (ja) ダイシング用基体フイルム
TW200906750A (en) Spacing sheet for glass substrate
EP0812874A1 (en) Easy-to-break-through film
JPH11323273A (ja) 粘着シート
TW201336961A (zh) 附隔件之黏著片
JP4367626B2 (ja) 半導電性ダイシング用基体フイルムの製造方法
JP4286043B2 (ja) ウエハダイシング用粘着テープ
JP4351487B2 (ja) ウエハバックグラインド用粘着テープ
JP4061136B2 (ja) 帯電防止積層体及びその製造方法、並びにテーピング包装用カバーテープ
TW201439272A (zh) 黏著片材
JP2005228856A (ja) ダイシング用基体フイルム
JP4563711B2 (ja) ダイシング用基体フイルム
JP2009028938A (ja) 表面保護フィルム
JP4545379B2 (ja) ダイシング用粘着シート
CN1128061C (zh) 用于生产陶瓷电容器的双轴取向薄膜
JP4643134B2 (ja) ダイシングシート用基体フイルム
US20210299994A1 (en) Coextruded crosslinked polyolefin foam with polyamide cap layers
JP5388466B2 (ja) バックグラインド用基体フィルム及びその製造方法
JP4369280B2 (ja) ダイシングシ−ト用基体フイルム
JP5441458B2 (ja) バックグラインドフィルム及びその製造方法
JP6106526B2 (ja) 半導体ウエハ加工用粘着シート
JP3008623B2 (ja) 半導体ウエハ固定用粘着テープ
JP2000246845A (ja) アクリル系樹脂積層体とその製造方法、および積層構造体
JP2013165206A (ja) ダイシング用粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090811

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4367626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees