JP4367259B2 - 拡管性に優れる油井用継目無鋼管 - Google Patents

拡管性に優れる油井用継目無鋼管 Download PDF

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Description

本発明は、油井あるいはガス井(以下、単に「油井」と総称する)に用いられる油井用継目無鋼管に関し、さらに詳しくは、井戸の中にて拡管加工し、ケーシングやチュービングとしてそのまま使用することのできる引張強さ600MPa以上、降伏比85%以下の拡管性に優れる油井用継目無鋼管に関する。
近年、油井掘削の低コスト化への要求から、井戸中での押拡げ加工による拡管を用いた工法が開発されてきた(例えば特許文献1、2参照)。この工法いわゆる拡管埋設工法によれば、坑井内においてケーシングを半径方向に膨張させることで、多段構造になったケーシング毎の直径を小さく抑え、結果として坑井上部のケーシングサイズを小さく抑えうるから、井戸の掘削にかかるコストを削減できる。
かかる拡管埋設工法においては、鋼管は、拡管による加工を受けた状態のままで油やガスの環境に曝されるため、加工後に熱処理を加えることができず、冷間での拡管加工を受けたままでの耐食性が要求される。この要求に応えるために、質量%で、C:0.10〜0.45%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.10〜3.0%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.05%以下およびN:0.010%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、さらに、拡管加工前の鋼管の強度(降伏強度YS(MPa))と結晶粒径(d(μm))とが(1)式:ln(d)≦−0.0067YS+8.09、の関係を満たす、拡管加工後の耐食性に優れた拡管用油井鋼管、および同鋼管において、Feの一部に代えて、(A)質量%で、Cr:0.2〜1.5%、Mo:0.1〜0.8%、V:0.005〜0.2%の1種または2種以上、(B)質量%で、Ti:0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.03%の1種または2種、(C)Ca:0.001〜0.005%、の一または二以上を含有するとしたものが特許文献3に開示されている。
また、特許文献4には、拡管により偏肉率が拡大して圧潰強度が低下するのを抑制するために、拡管前の偏肉率E0(%)を、30/(1+0.018α)以下(ただし、α(:拡管率)=(拡管後内径/拡管前内径−1)×100)に制限すること、また、周方向の拡大量の差が長さ方向の収縮量の差に転化して鋼管が曲がるのを抑制するために、偏芯偏肉(1次偏肉)率(%)(={(偏芯偏肉成分における最大肉厚−同最小肉厚)/平均肉厚}×100)を10%以下に制限することが開示されている。
上記特許文献3、4では、造管後の電縫鋼管や継目無鋼管に、焼入れ‐焼戻し、あるいは焼入れ(2回以上繰り返し)‐焼戻しといった処理を施す製造方法を好適とし、拡管率30%以下の範囲での実施例を開示している。
特表平7−567610号公報 国際公開公報WO98/00626号公報 特開2002−266055号公報 特開2002−349177号公報
しかしながら、さらなるコスト削減要求から、拡管率が30%を超えるような押拡げ加工に耐えうる安価な鋼管の要求がある。井戸内で鋼管の拡管率を従来の30%よりもさらに大きくすることができれば、さらにケーシングサイズを小さく抑えることができ、掘削コストを削減できるからである。
この要求に応えるために、本発明では、特許文献3、4に開示されたような焼入れ‐焼戻し(Q/T)処理によらず、圧延ままで、もしくは圧延後の冷却時の制御冷却、あるいはより安価な熱処理によって、引張強度(TS)600MPa以上の高強度でありながら、拡管率30%超の拡管加工に対し優れた拡管性を示す、拡管性に優れる油井用継目無鋼管を提供することを目的とする。
ここで、拡管性とは、拡管時に不均一変形を生じないで拡管可能な限界拡管率で評価することとし、本発明中では具体的には、拡管後の偏肉率が拡管前の偏肉率+5%を超えない拡管率とした。
拡管率(%)=〔(拡管後の管の内径−拡管前の管の内径)/拡管前の管の内径〕×100
偏肉率(%)=〔(管の最大肉厚−管の最小肉厚)/管の平均肉厚〕×100
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、素材の鋼組成を低C‐高Si‐高Mn系とし、かつ残留オーステナイト(残留γ)相分率を5体積%以上とすることで、低YRでかつ均一伸びに優れる鋼管となり、とくに不均一変形が抑制されることから、上記目的が達成できることを見出した。とくに残留γ相分率を8体積%以上とすると、より優れた拡管性を示すこともわかった。
これらの理由の詳細は明らかではないが、残留γ相分率を5体積%以上とすることで、残留γの加工歪誘起変態により加工硬化率が高くなり、押拡げ加工では薄肉部がまず加工硬化により厚肉部と同等以上の変形強度となり、続いて厚肉部の変形を促し、加工率の均一化がはかられたものと推察される。一方、Q/T材などの高YR低加工硬化率の単相鋼では薄肉部の変形が押拡げ加工と共に優先的に進行して、早期に限界拡管率に達するものと推察される。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(発明項1) 組成が、質量%で、
C:0.05〜0.30%、
Si:0.2〜2%、
Mn:0.7〜4.0%、
P:0.03%以下、
S:0.015%以下、
N:0.007%以下、
O:0.005%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、組織中に相分率5体積%以上の残留γ相を有し、残部が低温変態相とフェライトからなることを特徴とする拡管性に優れる油井用継目無鋼管。
(発明項2) 前記組成に加えて、さらに、質量%で、
Al:0.06%以下、
Cr:0.05〜1%、
Ni:0.05〜2%、
Cu:0.05〜1%、
Nb:0.005〜0.2%、
V:0.005〜0.2%、
Ti:0.005〜0.2%、
Mo:0.05〜0.5%、
B:0.0005〜0.0035%、
Ca:0.001〜0.005%
のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする発明項1記載の拡管性に優れる油井用継目無鋼管。
本発明によれば、拡管率が30%を超える場合であっても拡管性に優れるTS600MPa以上の鋼管を安価に供給できるようになる。
まず、鋼管の組成を上記のように限定した理由を説明する。組成の成分比率(成分含有量)は質量%で表され、%と略記される。また、(%X)は成分Xの質量%数値を表す。
C:0.05〜0.30%
残留γ相を形成するためには高Cほど有利となるが、Cが0.30%を超えると強度‐靭性バランスが劣化する。一方、Cが0.05%未満では残留γ相の形成が困難となる。よってCは0.05〜0.30%とする。好ましくは0.08〜0.20%である。
Si:0.2〜2%
一般的にSiは脱酸剤として添加され、強度上昇にも寄与しうるが、本発明においては残留γ相を制御冷却や二相域熱処理によって有利に形成させるために0.2%以上の添加が必要である。とくに制御冷却時にはCのγ相への濃化を促進し、残留γ相形成に有利に働く。一方、2%を超えて添加してもその効果は飽和するばかりか、熱間加工性が著しく劣化するから2%以下とする。好ましくは0.5〜1.5%である。
Mn:0.7〜4.0%
Mnは残留γ相の形成に重要で、低C、高Siとの複合下で0.7%以上含有することで、制御冷却や二相域熱処理時にγ相へ濃化して5体積%以上の残留γ相分率を効率的に達成させる。ただし、4.0%を超えて添加すると偏析が多くなり靭性や拡管性を低下させる。よってMnは0.7〜4.0%とする。好ましくは1.0〜3.5%である。
P:0.03%以下
Pは鋼中に不純物として含まれ、粒界偏析しやすい元素であり、0.03%を超えて含有すると粒界強度を著しく低下させ靭性が低下する。よってPは0.03%以下に規制する。好ましくは0.015%以下である。
S:0.015%以下
Sは鋼中に不純物として含まれる元素で主にMn系硫化物の介在物として存在する。0.015%を超えて含有すると粗大で伸展した介在物として存在し、靭性や拡管性が著しく低下する。よってSは0.015%以下に規制する。好ましくは0.006%以下である。また、Caによる介在物の形態制御も有効である。
N:0.007%以下
Nは鋼中に不純物として含まれる元素であるが、0.007%を超えて含有すると粗大窒化物を形成して靭性や拡管性が低下する。よってNは0.007%以下に規制する。好ましくは0.005%以下である。
O:0.005%以下
Oは鋼中に介在物として存在する。0.005%を超えて含有すると介在物が凝集して存在しやすくなり靭性や拡管性が低下する。よってOは0.005%以下に規制する。好ましくは0.003%以下である。
以上の元素に加え、必要に応じて以下の元素を添加してもよい。
Al:0.06%以下
Alは必要に応じて脱酸剤として使用されるが、0.06%を超えて添加するとその効果が飽和するばかりか、アルミナ系介在物が増加して靭性や拡管性が低下するので、添加する場合は0.06%以下とするのが好ましい。
Cr:0.05〜1%
Crはパーライトの形成を抑制し、低温変態相の形成に寄与し、また低温変態相の変態点低下に伴う硬質化による高強度化にも寄与する。もっとも0.05%未満では効果が得られず、一方、1%を超えて添加しても効果が飽和するため、0.05〜1%とするのが好ましい。
Ni:0.05〜2%
Niは、強度、靭性、耐食性を向上させるのに有効な元素である。また、本発明においては、Mnと同様に制御冷却時や二相域熱処理時にγ相に濃化して残留γ相の形成にも大きく寄与する。またCuを添加した場合には熱間圧延時のCu割れを防止するのに有効である。これらの効果は0.05%以上の添加で発揮されるが、一方、高価である上、過剰に添加してもその効果が飽和するため、0.05〜2%とするのが好ましい。Cu割れの観点からは、((%Cu)×0.3)%以上添加するのが好ましい。
Cu:0.05〜1%
Cuは、強度、耐食性を向上させるために添加する。その効果は0.05%以上の添加で発揮されるが、一方、1%を超えると熱間脆化を引き起こしやすく、また靭性も低下するので、0.05〜1%とするのが好ましい。
Nb:0.005〜0.2%
Nbは、パーライトの形成を抑制し、低温変態相の形成に寄与するほか、炭窒化物の形成により高強度化に寄与する。しかし、0.005%未満では効果が得られず、一方、0.2%を超えて添加しても効果が飽和するので、0.005〜0.2%とするのが好ましい。
V:0.005〜0.2%
Vは、炭窒化物を形成して組織の微細化と析出強化により強度を上昇させる効果があるが、0.005%未満ではその効果が不明瞭であり、一方、0.2%を超えて添加すると効果が飽和し、連鋳割れ等の問題も引き起こすため、0.005〜0.2%とするのが好ましい。
Ti:0.005〜0.2%
Tiは、強い炭窒化物形成元素であり、N当量である((%N)×48/14)%程度の添加でN時効を抑制し、またB添加がある場合はBが鋼中NによりBNとして析出固定され、その効果が抑制されないように添加してもよい。さらに添加することで微細な炭化物を形成して強度を増加させる。0.005%未満では効果はなく、とくに((%N)×48/14)%以上添加するのが好ましい。ただし、0.2%を超えると、粗大な窒化物を形成しやすく、靭性や拡管性が劣化するため、0.2%以下とするのがよい。
Mo:0.05〜0.5%
Moは、固溶と炭化物形成とにより常温および高温での強度を上昇させる効果があるが、0.5%を超えるとその効果が飽和するばかりか高価となるので、0.5%以下とするのが好ましい。なお、強度上昇効果を発揮するには0.05%以上の添加が好ましい。
B:0.0005〜0.0035%
Bは、粒界強化元素として粒界割れを抑制して靭性向上に寄与する。その効果を発揮するには0.0005%以上が好ましく、一方、過剰に添加してもその効果は飽和するので0.0035%以下とするのが好ましい。
Ca:0.001〜0.005%
Caは、介在物の形態を球状に制御することを目的に添加され、その効果は0.001%以上で発揮されるが、0.005%を超えると飽和するので、0.001〜0.005%とするのが好ましい。
次に、鋼管の組織の限定理由を説明する。
拡管性に有効な低YRと均一伸びを確保し、不均一変形を抑制するためには、鋼管の組織中に5体積%以上の相分率で残留γ相が形成されている必要がある。他の相は特に限定しないが、TS600MPa以上を確保するために、残留γ相と低温変態相の相分率の総和が50体積%以上であることが好ましい。なお、残留γ相分率が8〜20体積%であると、とくに良好な拡管性が得られるので、さらに好ましい。
ここで、低温変態相としては、ベイナイト、マルテンサイト、ベイニティックフェライト(アシキュラーフェライトと同義)などが挙げられる。また、残留γ相と低温変態相を除いた残部組織は、主にフェライトであるパーライトやセメンタイトは強度‐靭性バランスの観点から好ましくない。
次に、本発明では、本発明に規定される組成および組織が達成されさえすれば、製造方法に特段の限定はないが、生産性などの面で良好な製造方法について説明する。
上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉など公知の溶製方法にて溶製し、連続鋳造法、造塊法等の公知の鋳造方法によりビレット等の鋼管素材とすることが好ましい。なお、連続鋳造法等によりスラブとし、該スラブを圧延によりビレットとしてもよい。
また、介在物低減の観点から、製鋼‐鋳造時に介在物の浮上処理や凝集抑制などの低減対策をとることが好ましい。また、連続鋳造時の鍛圧や均熱保持炉での加熱処理により、中心偏析の低減をはかってもよい。
次いで、得られた鋼管素材を加熱し、通常のマンネスマン‐プラグミル方式、あるいはマンネスマン‐マンドレルミル方式の製造工程を用いて熱間加工造管して、所望の寸法の継目無鋼管とする。
本発明に係る組成になる低炭素低合金鋼では、圧延ままで十分な残留γ相を得ることは困難であり、またQ/T処理でも得られない。
残留γ相を得る方法としては、圧延後の冷却時もしくはノルマ熱処理の冷却時に、(α/γ)二相域への急冷と、二相域内での徐冷もしくは保持によるCのγ相への濃化後、さらに急冷を行う制御冷却を施す方法がある。
また、より簡単に残留γ相を形成させる方法としては、ノルマ熱処理時の加熱温度を(α/γ)二相域とし、γ相に十分にCやMn、Ni等のγ安定化成分を濃化させ、これを急冷する方法が挙げられる。この方法では、相分率の制御もしやすく、強度や特性の管理上好ましい。
もちろん、これらの好適処理の前に、通常のノルマ熱処理を行って材質特性の均質化や組織の微細化をはかっても、好適処理の残留γ相形成効果は変わらない。
また、二相域加熱の前処理としてQ処理を施すことにより、二相域加熱時の組織を微細化かつ均質化させることも、特性上好ましい。
表1に示す組成の鋼を真空溶解にて100kg鋼塊に鋳造し、熱間圧延にてビレットとし、モデルシームレス圧延機により熱間加工して造管し、外径4in(101.6mm)、肉厚0.262in(6.65mm)の継目無鋼管とした。
Figure 0004367259
これらの鋼管に残留γ相を形成させるための熱処理を施した。この熱処理のヒートパターンは、図1に示す(a)制御冷却パターンまたは(b)二相域熱処理パターンであり、モデル冷却装置にてシミュレーションした。一部のサンプルにはこれら熱処理の前に、940℃×15min加熱後、5℃/s以上の冷却速度で冷却する前処理を施した。このときAおよびAは以下の簡易実験式により得られる値を用いた。
(℃)=910−230×√(%C)+44.7×(%Si)−30×(%Mn)−15.2×(%Ni)−20×(%Cu)−11×(%Cr)+31.5×(%Mo)+104×(%V)+700×(%P)+400×(%Al)+400×(%Ti)
A1(℃)=723+29.1×(%Si)−10.7×(%Mn)−16.9×(%Ni)+16.9×(%Cr)
また、これらの鋼管の一部には次のノルマ処理またはQ/T処理の熱処理を行った。
ノルマ処理:890℃×20min加熱後空冷
Q/T処理:920℃×20min加熱後水冷→430〜530℃×30min焼戻し
各熱処理後の鋼管について、残留γ相分率をX線回折強度比にて定量し、光学顕微鏡およびSEM(走査型電子顕微鏡)観察により組織形態を調査し、さらに引張特性、拡管性を調査した。
ここで、引張試験はJIS Z 2241に規定された引張試験方法に準じて試験し、試験片はJIS Z 2201に規定されたJIS 12B号試験片を用いた。
拡管性は、拡管時に不均一変形を生じないで拡管可能な拡管率(限界拡管率)で評価し、具体的には拡管後の偏肉率が拡管前の偏肉率+5%を超えない拡管率とした。偏肉率は管の横断面につき、それぞれ22.5°間隔の16箇所を超音波肉厚計で測定して求めた。
拡管試験は、図2に示すように、鋼管1内に鋼管1の拡管前内径D0よりも大きい種々の最大外径D1をもつプラグ2を装入してプラグ引き抜き方向3に機械的に引き抜くことで鋼管径が押拡げられる押拡げ加工方法により行い、拡管前後の平均内径より拡管率を求めた。
これらの調査結果を表2に示す。なお、表2の引張特性において、YSは降伏強さ、TSは引張強さ、YRは降伏比(=YS/TS(×100%))、u-Elは均一伸び、Elは全伸びである。表2より、本発明によれば、限界拡管率が45%以上になる優れた拡管性が得られ、かつYRが65%以下の拡管負荷の小さい鋼管が得られることがわかる。
Figure 0004367259
本発明は、油井(ガス井も含む)の掘削に利用することができる。
残留γ相を形成させるための熱処理の例を示すヒートパターン図である。 鋼管の押拡げ加工方法を示す断面図である。
符号の説明
1 鋼管
2 プラグ
3 プラグ引き抜き方向

Claims (2)

  1. 組成が、質量%で、
    C:0.05〜0.30%、
    Si:0.2〜2%、
    Mn:0.7〜4.0%、
    P:0.03%以下、
    S:0.015%以下、
    N:0.007%以下、
    O:0.005%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、組織中に相分率5体積%以上の残留γ相を有し、残部が低温変態相とフェライトからなることを特徴とする拡管性に優れる油井用継目無鋼管。
  2. 前記組成に加えて、さらに、質量%で、
    Al:0.06%以下、
    Cr:0.05〜1%、
    Ni:0.05〜2%、
    Cu:0.05〜1%、
    Nb:0.005〜0.2%、
    V:0.005〜0.2%、
    Ti:0.005〜0.2%、
    Mo:0.05〜0.5%、
    B:0.0005〜0.0035%、
    Ca:0.001〜0.005%
    のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の拡管性に優れる油井用継目無鋼管。
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