JP4365378B2 - 除霜運転制御装置および除霜運転制御方法 - Google Patents
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Description
はじめに本発明の実施の形態1の除霜開始時期判定手段50の内容について説明し、後に本発明の特徴である外気温湿度と庫内の空気吸込側温度によって決定される蒸発器10の着霜部位を着霜型として分類した場合の除霜制御対応方法について説明する。
温度効率 =(空気吸込側温度−空気吹出側温度)/(空気吸込側温度−蒸発温度))
・・・式(1)
ここで、/は除算を表す。
温度効率は、蒸発器10における冷媒と空気の熱交換の効率を表すパラメータであり、着霜時の蒸発器10の伝熱面への霜付着による熱抵抗増加の影響、風路閉塞による風量変化の両面の影響を加味したパラメータである。空気吹出側温度が蒸発温度に等しい場合に温度効率=1となり、最も効率がよくなる。空気線図上では空気吸込側温度をAT、蒸発温度をET、空気吹出側温度をToとすると、温度効率の概念は図6のように表せる。ATからETまでの乾球温度差を1(100%)とすると温度効率はZ(式(1)より)となる。
まず、ステップST1にて、初期据付後もしくは除霜運転後の冷却運転が開始されたか否かの判定を行う。この判定はコントローラ4にて把握されている圧縮機20およびヒーター13のオンオフ状態から判定され、ヒーター13がオフの状態で圧縮機20がオンの状態になれば冷却運転が開始されたと判定できる。冷却運転が開始された場合はステップST2に移り、コントローラ4は運転データの測定と温度効率の演算を行う。ステップST3では温度効率が閾値以上か否かを判定し、閾値以上の場合にはステップST4へ移り、コントローラ4は除霜運転開始を指示する。
ステップST1において、コントローラ4の判断手段44は初期据付後もしくは除霜運転後の冷却運転が開始されたか否かの判定を行う。冷却運転が開始された場合はステップST2に移り、演算手段41は運転データの測定と温度効率の演算を行う。ステップST3において、判断手段44は学習済みか否かの判定を行い、学習済みでない場合にはステップST4へ移り、蒸発器10に着霜していない冷却運転初期段階の正常安定運転中の運転データを基準データとして基準状態を学習する。ステップST4で学習が完了した場合には、以降ステップST3の判定ではyesのループ、すなわちステップST5以降のループに入る。ステップST5において、演算手段41は現在の温度効率演算値Zと初期学習値Z0との差dZを計算する。そしてステップST6において、判断手段44はdZが設定閾値以上か否かを判定し、閾値より大きい場合には、ステップST7へ移り除霜時期判定手段50は制御手段46に除霜運転を開始を指令する。制御手段46は、除霜時期判定手段50からの除霜運転開始指令により圧縮機20、ヒーター13、送風ファン11のモーター12などの制御操作を行う。
実施の形態1の除霜時期判定方法では、単一のパラメータのみにより判定を行っているが、単一のパラメータのみでは、実機の時々刻々変化する複雑な動作に追従できず、場合によっては誤判定を招く恐れがある。この実施の形態2では、このような場合に対処できるように複数のパラメータで判定するものである。
次に、温度効率に他のパラメータを加えた複数のパラメータにより除霜開始時期を判定する方法について説明する。図9は図2の冷却装置2に、ファン回転センサ61、ファン電流センサ62を追加した図である。ファン回転センサ61は、送風ファン11のファン回転数を検知するセンサであり、送風ファン11の一部に設けた反射面に照射した赤外線などの光が送風ファン11が1回転する毎に1回反射するので反射光の回数をカウントすることで送風ファン11のファン回転数を検知する方式や、ホール素子などを用いてモーター12の回転子の位置を検出して回転数を検知する方式、このほか磁束を利用する方式などでもよい。ファン電流センサ62は送風ファン11の電流(以下、ファン電流という)を検出するものであり、CT(コイル式)などを用いて電流値を測定するものである。これらファン回転センサ61、ファン電流センサ62により送風ファン11のファン回転数やファン電流の運転状態を把握することができる。送風ファン11のファン回転数やファン電流は蒸発器10が霜により閉塞してくると、風路圧損が増加することにより変化するパラメータであり、これらのパラメータを利用することにより着霜による蒸発器10の閉塞状態を把握することが可能になる。なお、着霜時の蒸発器10の変化として風路圧損変化と伝熱特性の変化がある。送風ファン11のファン回転数もしくはファン電流では伝熱特性の変化を検知することはできないが、この伝熱特性の変化は着霜時の変化を把握するパラメータのひとつにはなりうる。
ステップST1にて、初期据付後もしくは除霜運転後の冷却運転が開始されたか否かの判定を行う。この判定はコントローラ4にて把握されている圧縮機20およびヒーター13のオンオフ状態から判定され、ヒーター13がオフの状態で圧縮機20がオンの状態になれば冷却運転が開始されたと判定できる。冷却運転が開始された場合はステップST2に移り、温度効率、ファン回転数、ファン電流、空気吸込側温度などの運転データ、を測定演算する。ステップST3では学習済みか否かの判定を行い、学習済みでない場合にはステップST4へ移り、蒸発器10に着霜していない冷却運転初期段階の正常安定運転中の運転データを基に平均値mi、分散σiおよび相関行列の逆行列Aijを基に基準状態におけるマハラノビスの距離を演算し、演算結果の学習値を基準データとして設定する。ステップST4で学習が完了した場合には、以降ステップST3の判定ではyesのループ、すなわちステップST5以降のループに入る。ステップST5では平均値miおよび分散σiを基にステップST2で測定したデータの基準化を行う。そしてステップST6にて基準化されたデータとステップST4で用いた相関行列の逆行列Aijを基にマハラノビスの距離を演算し、ステップST7にてマハラノビスの距離の演算値と上記マハラノビスの距離の学習値(基準データ)との偏差を記憶手段42に記憶させた閾値と大小比較して、マハラノビスの距離の偏差が閾値より大きい場合には、ステップST8へ移り除霜運転を開始する。ここで、閾値は例えば4程度に設定する。
なお、上記の例では、マハラノビスの距離を相関行列の逆行列を用いて演算したが、分散共分散行列の逆行列を用いて演算してもよい。この場合には、基準化されたデータを使用せず元のデータを使用するため、ステップST5の処理は不要になる。また、ステップST4では相関行列の逆行列の代わりに分散共分散行列の逆行列を用いる。詳細については上記非特許文献1に記載されている。
また、上記の例では複数のパラメータを処理する方法の一例としてマハラノビスの距離を用いたが、これに限らない。例えば、線型判別関数を用いてもよい。この詳細については上記非特許文献1に記載されている。
冷凍能力Qe=冷媒流量Gr×(蒸発器入口冷媒エンタルピHein−蒸発器出口冷媒エンタルピHeout) ・・・式(2)
から求めることができる。冷媒流量Gr[kg/h]は圧縮機20の特性に合せて、次式にて求められる。
Gr=冷媒ガス密度ρ×圧縮機回転数×圧縮機押しのけ容積[m3]×体積効率ηv
・・・式(3)
ここで、×は乗算を表す。また、冷媒ガス密度ρ[kg/m3]は使用する冷媒の物性値から蒸発温度Teと圧縮機入口温度Tsの関数(近似式)として表すことができ、ρ=f(Te,Tsuc)となる。圧縮機回転数[1/h]は圧縮機20の運転周波数[Hz=1/sec](1秒あたりの回転数)を3600倍して時間当たりの回転数にて表したものである。圧縮機押しのけ容積[m3]は圧縮機20の1回転あたりの排除体積である。体積効率ηvは圧縮機20の流量を補正する係数であり、使用する圧縮機20の特性に合わせて値を決定する。また、入口冷媒エンタルピHein[kcal/kg]と出口冷媒エンタルピHeout[kcal/kg]は、それぞれ冷媒物性から決定する値であり、物性値の近似式を用いて冷媒の飽和圧力と温度の関数として、冷媒エンタルピH=f(飽和圧力P,冷媒温度T)にて表される。Heinは図3の膨張弁前圧力センサ31によって測定される飽和圧力と、膨張弁前温度センサ30の温度から求めることができ、Heoutは、圧縮機吸入圧力センサ34と、蒸発器出口温度センサ32から求めることができる。
AK値[kcal/(h・℃)]=冷凍能力Qe/(空気吸込側温度Tae−蒸発温度Te)
から算出される。ここで、/は除算を表す。また、AK値は蒸発器10における熱通過率Kと伝熱面積Aとを乗じた値であり、蒸発器10の伝熱特性を表すものである。
次に、冷却装置2の蒸発器10の着霜状態を外気温湿度と庫内空気吸込側温度の関係により判別する方法について説明する。この実施の形態3では、着霜状態が蒸発器10の部位によって異なるのでこれを着霜型1、着霜型2、着霜型3…という具合に複数の型に分類し、上記着霜型に応じて除霜開始時期を変更する。図11は本発明の実施の形態3の冷却システムの全体構成図であり、図1の冷却システムの全体構成図に、着霜型を判別するための庫外温度センサ71と、庫外湿度センサ72と、扉開閉検知センサ73とを追加したものである。なお、ここで扉開閉検知センサ73は必ずしも必要ではなく、扉開閉による外気負荷侵入状態を確実に検知したい場合にのみ設置する。
着霜型1の庫内外空気条件の場合には冷凍倉庫1の扉6の開閉が行われた場合に、庫外の高温高湿空気と庫内の低温低湿空気が直接接触し、庫内外の混合空気は過飽和状態となり、空気中の水分が雪状になる「雪入り空気」となる。この雪入り空気は、冷凍倉庫1内の気流の流れに沿って、冷却装置2に吸い込まれ、蒸発器10の入口側に雪が付着する。蒸発器10は、一般的に伝熱パイプと多数の板状フィンとから構成されており、フィンのピッチは数mm程度と細かいため、フィンに雪が付着するとフィン間が目詰まりし、風量低下、伝熱特性悪化など冷却性能に悪影響を及ぼす。また、蒸発器10に付着する雪は、通常空気中の水分が凝縮凍結して蒸発器10に生成される霜と比較して、密度が小さく、少量付着しても目詰まりを起こしやすく、短時間で冷却性能が悪化することになる。このため着霜型1は短時間で蒸発器10の空気入口側目詰まりを起こすため、除霜運転開始時期を通常の6時間などのタイマー設定サイクル(着霜型2を想定)よりも早める必要がある。
以上の着霜型判定の流れを図13のフローチャートに示す。
ステップST1において、除霜時期判定手段50は、前回除霜運転が完了し、かつ、除霜完了後の庫内温度が高い状態から蒸発温度が目標温度まで低下して、初回冷し込みが完了したか否かを判定する。ステップST1での判定結果がNoの場合にはステップST2へ移り、除霜時期判定手段50は各タイマー(後述)をリセットする。ステップST1での判定結果がYesの場合にはステップST3へ移り、除霜時期判定手段50は1サイクル着霜運転合計時間のタイマーであるTimer_ALLのカウントを開始する。次に、ステップST4において、除霜時期判定手段50は蒸発器10の空気吸込側温度が0℃以上か否かについての判定を行い、0℃以上の場合にはタイマー1(Timer_1)をカウントする(ステップST5)。ステップST6において、除霜時期判定手段50はタイマー1(Timer_1)の積算時間が1サイクル着霜運転合計時間(Timer_ALL)に占める比率を求め、A%以上(例えば10%)の場合には着霜型3と判定する(ステップST13)。ステップST7において、除霜時期判定手段50は、扉開閉有無を空気吸込側温度センサ17、もしくは庫内温度センサ5の温度推移、もしくは、扉開閉検知センサ73出力により判定し、扉開閉有(Yes)の場合には、ステップST8にて空気線図上の庫内外温湿度を結ぶ線が過飽和域を通るか否かの判定を行う。そして、ステップST8において過飽和域を通ると判定された場合(Yes)には、タイマー2(Timer_2)のカウントを行う。ステップST10の判定結果が、タイマー2(Timer_2)の積算時間が1サイクル着霜運転合計時間(Timer_ALL)に対して占める比率を求め、B%以上(例えば10%)の場合(Yes)には、除霜時期判定手段50は着霜型1と判定する(ステップST11)。また、ステップST10の判定結果がNoの場合には、除霜時期判定手段50は着霜型2と判定する(ステップST12)。
図14は着霜型1、図15は着霜型3、そして前出の図5は着霜型2の過渡変化状態を前記説明の温度効率により監視した例であり、横軸は着霜量を表している。
また、このような除霜開始時期検出のパラメータを用いず、タイマー除霜制御を行う場合においても着霜型判定を行い、着霜型に応じて、着霜型1ではタイマー除霜間隔を短く、着霜型3ではタイマー除霜間隔を長くする制御としてもよい。この場合も上記と同様の効果を奏する。
さらに、実施の形態2において実施の形態1で示される温度効率をパラメータとして追加して複合関数を生成し、この複合関数をこの実施の形態3で用いてもよい。これによりさらに精度の高い除霜開始時期の判定が可能になる。
また、実施の形態2において、温度効率の代わりにAK値もしくは、冷凍能力をパラメータとして追加して複合関数を生成し、この複合関数をこの実施の形態3で用いるようにしてもよい。これにより、同様により精度の高い除霜開始時期の判定が可能になる。
次に、着霜型検知を利用して庫内温度変動を抑制する方法について説明する。
図16は、本発明の実施の形態4の冷却装置の断面図であり、冷却装置2の蒸発器10を空気流れ方向に対し前後2分割したものである。ここでは、空気流の上流側に蒸発器10aとヒーター13aを、下流側に蒸発器10bとヒーター13bを設置し、前後別々にヒーター13を加熱することが可能な構成となっている。着霜型1の場合には蒸発器10の空気吸込側が早期に目詰まりして、短時間で除霜運転を行うために、除霜運転時に庫内温度変動幅が大きくなる可能性があるが、着霜型1と判定された場合に吸込側蒸発器10のみを所定時間(2〜3分程度)加熱し、蒸発器10の吸込部をプラス温度域にすることにより、蒸発器10に付着した雪を溶かし、冷却性能低下を抑制することが可能となる。これにより、着霜型1においても除霜運転間隔を延ばすことが可能となり、除霜運転を負荷変動の少ない例えば夜間に移行して、冷凍対象物の温度上昇による劣化を防止することができる。
上記の例では、実施の形態4を実施の形態3に適用し説明したが、これに限らない。即ち、この実施の形態4は実施の形態1から3の内、1つ以上を組み合わせたものにも適用できる。この場合も上記と同様の効果を奏する。
なお、ヒーター13による加熱以外にホットガスによる加熱を行ってもよい。
また、上記の例では冷凍倉庫について説明したが、これに限らない。例えば冷蔵倉庫や恒温室などでもよい。
Claims (21)
- 冷凍機または空調機の冷却側に使用される熱交換器の空気吸込側温度と、
冷却対象室の外部の温度と湿度を測定する測定手段と、
前記測定手段が測定した結果に基づいて前記熱交換器の着霜部位を特定し、除霜開始時期を判定する判断手段と、
を備え、
前記判断手段は、空気線図において、外気温湿度と、前記熱交換器の空気吸込側温湿度もしくは前記冷却対象室内の温湿度とを結ぶ直線が飽和線を越える領域に入る場合を、前記熱交換器の第1の部位への着霜に対応する第1の着霜型として分類することを特徴とする除霜運転制御装置。 - 冷凍機または空調機の冷却側に使用される熱交換器の空気吸込側温度と、
冷却対象室の外部の温度と湿度を測定する測定手段と、
前記測定手段が測定した結果に基づいて前記熱交換器の着霜部位を特定し、除霜開始時期を判定する判断手段と、
を備え、
前記測定手段は、さらに前記冷却対象室の扉の開閉を検知し、
前記判断手段は、前記測定手段が前記扉の開閉を検知し、さらに、空気線図において前記冷却対象室外部の外気温湿度と、前記熱交換器の空気吸込側温湿度もしくは前記冷却対象室内の温湿度と、を結ぶ直線が飽和線を越える領域に入る場合を、前記熱交換器の第1の部位への着霜に対応する第1の着霜型として分類することを特徴とする除霜運転制御装置。 - 前記第1の部位は、空気吸込側であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の除霜運転制御装置。
- 前記判断手段は、前記熱交換器の空気吸込温度が一定時間以上0℃を超えるプラス域になる場合を、前記熱交換器の第2の部位への着霜に対応する第2の着霜型として分類することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の除霜運転制御装置。
- 前記第2の部位は、空気吹出側であることを特徴とする請求項4に記載の除霜運転制御装置。
- 前記測定手段は、さらに前記熱交換器内を流れる冷媒の温度と前記熱交換器の空気の吸込側温度と吹出側温度を測定し、
前記測定手段が測定した結果に基づいて冷媒と空気の熱交換の効率を表す温度効率を算出する手段(以下、演算手段という)を備え、
前記判断手段は、前記演算手段によって算出された前記温度効率の着霜運転開始からの変化傾向に基づいて前記熱交換器への着霜量を予測し、この着霜量に基づいて最適除霜開始時期を判定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の除霜運転制御装置。 - 前記測定手段は、さらに前記冷凍機もしくは空調機の空気熱交換器用ファンモータの電流もしくは回転数を測定し、
前記演算手段は、無着霜状態における前記測定手段が測定した前記ファンモータの電流と回転数と前記熱交換器の空気吸込側温度の少なくともいずれかと前記温度効率の演算値とに基づいて無着霜状態の複合変数を算出し、
この無着霜状態の複合変数を記憶する手段(以下、記憶手段という)と、
この記憶手段に記憶された無着霜状態の複合変数と、前記測定手段によって新たに測定された前記ファンモータの電流測定値と回転数と前記熱交換器の空気吸込側温度の少なくともいずれかと前記温度効率とに基づいて前記演算手段により算出される現在の複合変数と、を比較する手段(以下、比較手段という)と、を備え、
前記判断手段は、前記温度効率の変化傾向の代わりに前記比較手段による比較結果が前記記憶手段に予め記憶された閾値を超えるか否かの情報に基づき、熱交換器が着霜しているか否かの判定と着霜量の予測を行うことを特徴とする請求項6に記載の除霜運転制御装置。 - 圧縮機と凝縮器と膨張弁と空冷蒸発器とから構成される冷凍機もしくは空調機で用いられる除霜運転制御装置であって、
前記測定手段は、さらに前記圧縮機への冷媒吸入ガス圧力と温度と前記圧縮機の吐出冷媒圧力もしくは前記膨張弁の手前冷媒圧力と前記膨張弁の手前冷媒温度と前記空冷蒸発器の出口冷媒温度とを測定し、
前記測定手段が測定した結果に基づき前記空冷蒸発器の冷凍能力を算出する手段(以下、演算手段という)を備え、
前記判断手段は、前記演算手段によって算出された前記冷凍能力の着霜運転開始からの変化傾向に基づいて前記熱交換器への着霜量を予測し、この着霜量に基づいて最適除霜開始時期を判定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の除霜運転制御装置。 - 前記測定手段は、さらに前記冷凍機もしくは空調機の空気熱交換器用ファンモータの電流もしくは回転数を測定し、
前記演算手段は、無着霜状態における前記測定手段が測定した前記ファンモータの電流と回転数と前記熱交換器の空気吸込側温度の少なくともいずれかと前記冷凍能力の演算値とに基づいて無着霜状態の複合変数を算出し、
この無着霜状態の複合変数を記憶する手段(以下、記憶手段という)と、
この記憶手段に記憶された無着霜状態の複合変数と、前記測定手段によって新たに測定された前記ファンモータの電流測定値と回転数と前記熱交換器の空気吸込側温度の少なくともいずれかと前記冷凍能力とに基づいて前記演算手段により算出される現在の複合変数と、を比較する手段(以下、比較手段という)と、を備え、
前記判断手段は、前記冷凍能力の変化傾向の代わりに前記比較手段による比較結果が前記記憶手段に予め記憶された閾値を超えるか否かの情報に基づいて前記熱交換器が着霜しているか否かの判定と着霜量の予測を行うことを特徴とする請求項8に記載の除霜運転制御装置。 - 圧縮機と凝縮器と膨張弁と空冷蒸発器とから構成される冷凍機もしくは空調機で用いられる除霜運転制御装置であって、
前記測定手段は、さらに前記空冷蒸発器と熱交換する空気温度と前記空冷蒸発器の蒸発温度と、前記圧縮機への冷媒吸入ガスの圧力と温度と、前記圧縮機からの吐出冷媒の圧力もしくは膨張弁手前の冷媒圧力と膨張弁手前の冷媒温度と蒸発器出口冷媒温度を測定し、
前記測定手段が測定した結果に基づき前記空冷蒸発器の冷凍能力を算出し、前記冷凍能力と前記空冷蒸発器の伝熱面積と熱通過率とに基づきAK値を算出する手段(以下、演算手段という)を備え、
前記判断手段は、前記演算手段によって算出された前記AK値の着霜運転開始からの変化傾向に基づいて前記熱交換器への着霜量を予測し、この着霜量に基づいて最適除霜開始時期を判定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の除霜運転制御装置。 - 前記測定手段は、さらに前記冷凍機もしくは空調機の空気熱交換器用ファンモータの電流もしくは回転数を測定し、
前記演算手段は、無着霜状態における前記測定手段が測定した前記ファンモータの電流と回転数と前記熱交換器の空気吸込側温度の少なくともいずれかと前記AK値の演算値とに基づいて無着霜状態の複合変数を算出し、
この無着霜状態の複合変数を記憶する手段(以下、記憶手段という)と、
前記記憶手段に記憶された無着霜状態の複合変数と、前記測定手段によって新たに測定された前記ファンモータの電流測定値と回転数と前記熱交換器の空気吸込側温度の少なくともいずれかと前記AK値とに基づいて前記演算手段によって算出される前記現在の複合変数と、を比較する手段(以下、比較手段という)と、を備え、
前記判断手段は、前記AK値の変化傾向の代わりに前記比較手段による比較結果が前記記憶手段に予め記憶された閾値を超えるか否かの情報に基づいて熱交換器が着霜しているか否かの判定と着霜量の予測を行うことを特徴とする請求項10に記載の除霜運転制御装置。 - 前記判断手段は、冷却運転開始からの時間を測定し、設定された一定時間経過後に前記着霜型に基づいて除霜開始時期を判定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の除霜運転制御装置。
- 前記現在の複合変数もしくは前記無着霜状態の複合変数とは、マハラノビスの距離であることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の除霜運転制御装置。
- 前記現在の複合変数もしくは前記無着霜状態の複合変数とは、線型判別関数であることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の除霜運転制御装置。
- 前記熱交換器を空気が流れる方向に複数分割し、分割された熱交換器ごとにヒーターもしくはホットガスによる個別除霜制御が可能な除霜手段を備えたことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の除霜運転制御装置。
- 前記除霜開始時期判定手段によって算出された除霜開始時期に基づいて除霜運転を制御する手段を備えたことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の除霜運転制御装置。
- 冷凍機または空調機の冷却側に使用される熱交換器の空気吸込側温度と、冷却対象室の外部の温度と湿度を測定するステップ(以下、測定ステップという)と、
前記測定ステップにより測定された結果に基づいて前記熱交換器の着霜部位を特定し、除霜開始時期を判定するステップ(以下、判断ステップという)と、
を備え、
前記判断ステップでは、空気線図において、外気温湿度と、熱交換器の空気吸込温湿度もしくは前記冷却対象室内の温湿度とを結ぶ直線が飽和線を越える領域に入る場合を、前記熱交換器の第1の部位への着霜に対応する第1の着霜型として分類することを特徴とする除霜運転制御方法。 - 前記判断ステップでは、前記冷却対象室の扉の開閉を検知するステップを備え、さらに、空気線図において前記冷却対象室外部の外気温湿度と、前記熱交換器の空気吸込側温度湿度もしくは前記冷却対象室内の温湿度と、を結ぶ直線が飽和線を越える領域に入る場合を、前記熱交換器の第1の部位への着霜に対応する第1の着霜型として分類することを特徴とする請求項17記載の除霜運転制御方法。
- 前記判断ステップでは、熱交換器の空気吸込温度が一定時間以上0℃を超えるプラス域になる場合を、前記熱交換器の第2の部位への着霜に対応する第2の着霜型として分類することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の除霜運転制御方法。
- 前記判断ステップでは、冷却運転開始からの時間を測定し、設定された一定時間経過後に前記着霜型に基づいて除霜開始時期を判定することを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の除霜運転制御方法。
- 前記判断ステップによって判定された除霜開始時期に基づいて除霜運転を制御するステップを備えたことを特徴とする請求項17から20のいずれかに記載の除霜運転制御方法。
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