JP4361571B2 - アンカー頭部及び頭部背面機構 - Google Patents
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Description
ここで、アンカー頭部及び頭部背面の部品を交換して、グラウンドアンカーの補修を図るに際しては、当該補修措置を行った後も、アンカー頭部及び頭部背面が水密性を発揮する様に処理する必要がある。雨水や湧水がアンカー頭部及び頭部背面に浸入するためである。
図13において、符号1はテンドン、符号2はアンカープレート、符号3はアンカーヘッド、符号7はヘッドキャップを示す。以下、図14以降については、同じ構成には同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
しかし、背面管5がシース材4の外周面を覆うように挿入することが出来ない様な場合が、種々存在する。
例えば、図14で示す様に、グラウト材12がシース材4の端面まで充填されて固結している場合には、固結したグラウト材12により、背面管(図示を省略)がシース材4の外周面を覆うように挿入することが妨げられてしまう。
特に、図17で示す様にシース材4の地上側4aの端面が破損してしまった場合には、背面管(図示を省略)でシース材4の外周面を覆うように挿入することが、非常に困難となる。
しかしながら、図15で示す様にシース材4が通常の背面管が装着される位置まで届いていない場合には、コンクリートフレーム8の地表側からシース材4端面を処理することができず、背面管をシース材4の外周面を覆うように挿入することは不可能である。
なお、図18で示す状態では、シース材4の断面形状が変形していると共に、シース材4の位置が口元管9の中心から偏芯している。
しかし、特許文献1は、背面管の挿入に関する上述した様な各種問題を解消するものではない。
背面管(5)は、その外径がシース材(4)の内径よりも僅かに小さく構成されているが、背面管(5)の突起(55)の最大外径は、シース材(4)の内径と同一か、それよりも僅かに大きく構成されている。そのため、突起(55)はシース材(4)に対して締まり嵌めの状態となり、係る締まり嵌めの状態となった部分(突起55の形成された部分)が水密性を発揮する。換言すれば、突起(55)がシース材(4)の内壁面(4i)を押圧することにより、水分がシース材(4)の内部に浸入することが防止され、テンドン(1)の腐食が防止される。
そのため、図18で示す様にシース材(4)が変形している場合であっても、シース材(4)の内側に挿入された背面管はシース材(4)の断面形状に対応して変形して、シース材(4)の内側に挿入される。
また、図19で示す様に、シース材(4)が口元管(9)の中心から偏芯して、口元管(9)の内壁面(9i)に接触している場合においても、背面管がシース材(4)の内側に挿入される本発明であれば、当該背面管はシース材(4)へ容易に挿入されるのである。
図1は本発明の実施形態に係るグラウンドアンカー100のアンカー頭部及び頭部背面機構の構造を示している。
図1における符号Fは法面を示す。図1では、法面Fを境に、地上側を符号Eで示し、地中側をGで示す。
挿通孔82には、口元管9が挿入されている。
シース材4の地上側端部の内側で、且つ、テンドン(PC鋼より線)1の外側には、背面管5が挿入されている。背面管5の内部には、テンドン1の防錆材であるグリース11が充填(注入)されている。
背面管5の地上側の端部には、フランジ54が形成されている。フランジ54は、アンカープレート2の下面22と、補剛板6の上面61とによって、挟持されて固定される。
図2において、背面管5は全体が筒状体として構成されており、地上側に配置される部分であって且つ外径の大きな円筒部51と、地中側に配置される部分であって且つ外径の小さな円筒部52と、円筒部51と円筒部53とを接続するテーパー部53とを有している。
外径の小さな円筒部52の地中側の先端は、斜めに切り落した形状56になっている。当該斜めに切り落した形状56の近傍には、全周にわたって突起55が形成されている。
図3及び図4を参照して後述するように、背面管5先端の斜めに切り落した形状56は、図3の背面管(標準背面管)の先端を斜めに切り落す加工を行って成形する。
したがって、突起55はシース材4に対して締まり嵌めとなり、係る締まり嵌めの部分(突起55の形成された部分)が、シース材4の内壁面と協働して、水密性を発揮している。すなわち、突起55がシース材4の内壁面4iを押圧することにより、水分は当該押圧された内壁面4iよりもシース材4の内部に浸入することが出来ず、水密性が発揮された状態となる。その結果、シース材4内部のテンドン1が腐食することが防止される。
ある程度の距離だけ背面管5が挿入され、突起55を形成した部分がシース材4の健全な領域(半径方向外側に拡がっておらず、破損もしていない領域)まで到達したならば、突起55はシース材4に対して締まり嵌めとなり、シース材4の内壁面4iに押圧されて、水密性を発揮する。
そのため、図18で示す様にシース材4が変形している場合であっても、シース材4の内側に挿入された背面管5は、シース材4の断面形状に対応して変形して、シース材4の内側に挿入される。
しかし、可撓性を有する薄肉管は、シース材4の内側に押し込む際に、予期しない変形や座屈を生じる恐れがある。
図3において、背面管5Aの地中側先端56Aは、平坦な形状に形成されている。背面管5Aの地中側先端56Aが平坦に形成されている以外は、図2で示す背面管5と同様である。
換言すれば、図2の背面管5において、背面管5の地中側先端56を、(図2に示すような)斜めに切り落とした形状に加工しなければ(平坦な形状のままにすれば)、図3の背面管5Aとなる。
図15を参照して説明したように、背面管が装着される位置までシース材が届いていない状態で、アンカーの頭部及び頭部背面の部品を交換する作業を行う際には、背面管の軸方向長さを、作業現場で調節する必要がある事態が想定される。
係る場合には、図5において、符号5Xで示す背面管を用いることが可能である。
ここで、軸方向長さの調整のため、複数種類の軸方向寸法の円筒形状の部分β(第2の部分)が用意されている。
図5で示す背面管も、図3の標準的な背面管を加工することにより、成形することが出来る。
図6は、グラウンドアンカーの劣化した頭部及び頭部背面を取り除いた直後の状態を示している。なお、図6では、グラウト材12の図示が省略されている。
上述した様に、背面管5はシース材4の内側に挿入する際に、シース材4の断面形状に対応して変形する程度の可撓性を有して構成されている。そのため、図8で示す様に、シース材4の断面形状が変形されている場合には、背面管5の断面形状はシース材4の断面形状に従って、シース材4の断面形状と相似形に変形する。
図9において、油圧ジャッキ9はアンカープレート2の上方に配置されており、そのジャッキシリンダー91は収縮した状態となっている。そして油圧ジャッキ9は、カプラー92と、プーリングヘッド94を備えている。
図9で示す状態において、ジャッキシリンダー91の上方はプーリングヘッド94が固定されており、プーリングヘッド94は、PC鋼より線96及びカプラー92を介してテンドン1に固定されているので、ジャッキシリンダー91に圧油を供給して伸長せしめれば、油圧ジャッキ90がアンカープレート2を介して背面管5をシース材4側(図9の矢印P方向)に押圧する。
その結果、図7で示すように、背面管5はシース材4の内側に挿入される。
ヘッドキャップ7に設けた図示しない注入口から、防錆材であるグリース11を注入して、ヘッドキャップ7内部領域及び背面管5の内側の領域に、グリース11を充填する。
これにより、グラウンドアンカーの劣化した頭部及び頭部背面が新しい部品に交換されると共に、水の浸入及びそれに起因する腐食が防止されるのである。
図11で示すように二次グラウト122を注入することにより、シース材4の内側に水が浸入することはより一層困難となり、テンドン1の防錆がさらに確実なものとなる。
図12では、補剛板6に代えて定着台座162を設けられており、定着台座162に形成された二次注入孔164から二次グラウト122を注入することができる。
図11及び図12で示す態様について、その他の構成及び作用効果については、上述したのと同様である。
例えば、図示の実施形態において、テンドンとしてはPC鋼より線が記載されているが、端部にネジ山を形成した棒鋼をテンドンとして用いている場合においても、本発明を適用することが出来る。
2・・・支圧板/アンカープレート
3・・・アンカーヘッド
4・・・鞘状部材/シース材
5・・・背面管
6・・・補剛板
7・・・ヘッドキャップ
8・・・コンクリートフレーム
9・・・口元管
11・・・グリース
12・・・グラウト材
Claims (2)
- テンドンと、テンドンが挿通されるコンクリートフレームに載置されテンドンに作用する緊張力を支持する支圧板と、テンドンに付加された緊張力を保持する緊張力保持機構と、支圧板よりも上方の領域に被せられたヘッドキャップと、支圧板により押圧され地中側の領域でテンドンを被覆するシース材まで延在している背面管とを備えたアンカー頭部及び頭部背面機構において、前記背面管は、可撓性材料で構成され、外径の大きな大径円筒部と、小径円筒部をシース材の内部にガイドして挿入させる傾斜部分が形成され、外周に突起が形成され、大径円筒部より小径とされた小径円筒部を有しており、小径円筒部はテンドンとシース材の間隙内に挿通され、突起はシース材の内壁面に水密に当接し、ヘッドキャップ及び背面管内に防錆材が充填されていることを特徴とするアンカー頭部及び頭部背面機構。
- 前記背面管は、一端にフランジ部が形成された外径の大きな第1の部分と、半径方向寸法が単一で軸方向寸法が異なる複数の中空円筒状部品から選択可能な第2の部分と、外周に突起が形成され先端が斜めに切り落とされて傾斜部分が形成されていて、テンドンとシース材の間隙内に挿通可能な径に設定された第3の部分とで構成したことを特徴とする請求項1のアンカー頭部及び頭部背面機構。
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JP2007046575A JP4361571B2 (ja) | 2007-02-27 | 2007-02-27 | アンカー頭部及び頭部背面機構 |
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