JP4360052B2 - 二次電池の寿命判定装置、寿命判定方法、及び、寿命判定プログラム - Google Patents

二次電池の寿命判定装置、寿命判定方法、及び、寿命判定プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の単電池(単セルともいうが、以下、単電池と統一して使用する)を直列接続して1個の電池として使用するいわゆるモノブロック型の二次電池や組電池の寿命判定装置、当該装置において実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを寿命判定装置として機能させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、充放電を繰り返し利用することの出来る種々のタイプの二次電池が知られている。例えば、鉛蓄電池は、汎用性が高く、しかも、安価で製造し易いといった利点を持つ二次電池である。このため、鉛蓄電池は、自動車、ハイブリッド自動車等のエンジン始動、加速及び種々の電装品に対する電力供給用、通信機、電気自動車等のサイクル用や無停電電源装置(UPS)などの停電補償のためのトリクル用の電池として広く利用されている。
【0003】
鉛蓄電池等の二次電池は、充放電を繰り返すことにより徐々に性能が劣化してゆく。具体的には、内部抵抗が増えて損失電力が増加し、満充電しても規定の出力が得られず、かつ使用できる時間が短くなる。劣化した電池を使用し続けることは、誤動作等のトラブルの発生原因となり好ましくない。
【0004】
上記鉛蓄電池等の二次電池の寿命の判定は、一旦、満充電した後に完全放電して実際に使用可能な容量を確認するのが一番正確である。しかし、当該方法では、大型の放電装置が必要になると同時に、実際に放電完了するまでに長時間を必要とする。例えば、自動車のバッテリとして実装されている鉛蓄電池の場合、寿命の判定はエンジン始動時に短時間で実行できるのが好ましい、このため判定に長時間を要する上記手法は適当でない。また、鉛蓄電池の使用年数から寿命を判定する手法も考えられるが、当該手法は実際の鉛蓄電池の劣化状況を判断しないため極めて精度が悪い。そこで、従来より、鉛蓄電池等の二次電池の寿命を迅速かつ正確に判定するための手法が種々提案されている。
【0005】
例えば、特開平10−92472号公報、特開平11−204150号公報、及び、特開平11−23680号公報等には、鉛蓄電池を短時間に比較的大きな電流で所定時間、数回放電させ、放電後の出力電圧や電圧降下量に基づいて鉛蓄電池の寿命の判定を行う手法が提案されている。この他、鉛蓄電池の内部インピーダンスを測定し、当該測定値に基づいて寿命を判定する手法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、自動車のバッテリとして使用されるタイプの鉛蓄電池は、出力2Vの単電池を6つ直列接続して出力12Vとしたモノブロック電池である。また、ハイブリッド自動車用やUSP用の電池は、上記自動車用の電池以上に多くの単電池を直列に接続した組電池の構成を採用する。このように、複数の単電池を直列に接続して1個の電池として取り扱うタイプの二次電池の場合、各単電池の劣化の程度には使用環境によりばらつきが生じる。
【0007】
図17は、自動車のバッテリとして使用される鉛蓄電池500の構成を示す図である。当該電池500は、出力2Vの6つの単電池501〜506を接続端子507〜511により直列接続して、陽極端子A及び陰極端子C間の電位差を12Vとするものである。
【0008】
各単電池の寿命は、環境温度による影響を受けることが知られている。例えば、単電池501は、壁520、壁521、及び、壁522の3つの壁により放熱することができるが、単電池502は、壁523、及び、壁524の2つの壁でしか放熱できない。このため、単電池501と単電池502とでは劣化の程度に差が生じる。
【0009】
なお、実際には、各単電池の劣化の程度には、上記放熱効率の他、電解液や電極板の劣化等、種々の要因によりばらつきが生じることが知られている。
【0010】
従来の鉛蓄電池の寿命判定手法は、何れも劣化により生じる鉛蓄電池の陽極端子Aと陰極端子C間の電位差の変化に基づいて判定を行うものである。このため、上記自動車のバッテリとして使用する鉛蓄電池500のように、複数の単電池を直列に接続して成る二次電池では、ある単電池が大きく劣化している場合であっても残りの正常な単電池の出力により当該劣化した単電池の出力不足分が補填され、本来寿命であると判定されるべきものが使用可能であると誤って判定される場合が生じ得る。当該現象は、寿命判定用の電位検出端子間に挟まれる単電池の数が多いほど発生しやすい。このような寿命判定の誤りを防止するには、寿命であると判定する基準電位を下げる必要があるが、当該基準電位を下げた場合、全体的にほぼ均一に劣化してはいるが未だ十分に使用可能な電池を寿命であると誤判定する場合が増加するといった別の問題を生じる。
【0011】
なお、各々の単電池の電位差を検出して、各単電池に対して上記寿命の判定方法を適用することも考えられるが、当該手法を採用した場合、寿命判定装置の規模が大きくなり実用的でない。
【0012】
本発明は、簡単な構成で、複数の単電池を直列接続して成る二次電池(モノブロック型の二次電池、及び、組電池の双方を含む。)の寿命を迅速かつ正確に判定する装置、及び、寿命の判定方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の寿命判定装置は、複数の単電池を直列接続して成る二次電池(モノブロック型の二次電池、及び、組電池の双方を含む)の寿命判定装置であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の開回路電圧Vocに基づいて寿命の判定を行う判定手段を備え、該判定手段が、放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocから特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって行うものであることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の寿命判定装置は、上記第1の寿命判定装置であって、上記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較により寿命の判定を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の寿命判定装置は、上記第1の寿命判定装置であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の直列回路間の、放電処理前の開回路電圧Voc及び放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧、の少なくとも一方のばらつきに基づいて寿命の判定を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明の第1の寿命判定方法は、複数の単電池を直列接続して成る二次電池(モノブロック型の二次電池、及び、組電池の双方を含む)の寿命判定方法であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の、放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocから特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって寿命の判定を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明の第2の寿命判定方法は、上記第1の寿命判定方法であって、上記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocの値より特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較により行うことを特徴とする。
【0020】
本発明の第3の寿命判定方法は、上記第1の寿命判定方法であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の直列回路間の、放電処理前の開回路電圧Voc及び放電処理による開回路Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧、の少なくとも一方のばらつきに基づいて判定がされることを特徴とする。
【0021】
本発明の第1のプログラムは、コンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、当該コンピュータを、複数の単電池を直列接続して成る二次電池(モノブロック型の二次電池、及び、組電池の双方を含む)の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の開回路電圧Vocに基づいて寿命の判定を行う判定手段として機能させるとともに、該判定手段が、放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocから特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって寿命の判定を行うように、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0023】
本発明の第2のプログラムは、上記第1のプログラムであって、記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocの値より特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって寿命の判定を行うように、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0024】
本発明の第3のプログラムは、上記第1のプログラムであって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の直列回路間の、放電処理前の開回路電圧Voc及び放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧、の少なくとも一方のばらつきに基づいて寿命の判定を行うように、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
(1)発明の概要
本発明の二次電池の寿命判定装置は、例えば、6つの単電池を直列に接続して成る二次電池(モノブロック型の二次電池、及び、組電池の双方を含む)の寿命判定を行う際に、6つの単電池の内の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の開回路電圧Vocを検出し、当該検出される1以上の直列回路の開回路電圧Vocに基づいて当該二次電池の寿命を判定することを特徴とする。これにより、一部の単電池の劣化による出力低下が他の良好な単電池の出力により補填される量を減らし、正確な寿命判定を行う。
【0026】
また、上記検出される開回路電圧Vocが所定の基準値に満たない場合だけでなく、放電処理による電圧降下量ΔVocが所定の基準値を超えた場合に二次電池の寿命であると判定する。上記手法により、単に放電前の出力電位、又は、所定の放電処理後の電圧降下量のみに基づいて寿命を判断する場合に比べて正確な寿命判定を行うことができる。
【0027】
また、複数の直列回路の開回路電圧Vocを検出する場合、当該電圧Vocのばらつき、及び、放電処理による当該開回路電圧Vocの降下量ΔVocに基づいて二次電池の寿命であると判定する。これにより一部の単電池だけが劣化しているような場合であっても他の良好な単電池により当該単電池の劣化がもみ消されることなく、二次電池の寿命を正確に判定することができる。
以下、上記種々の特徴を具備する本発明の二次電池の寿命判定装置の実施の形態に付いて添付の図面を参照しつつ説明する。
【0028】
(2)実施の形態
図1は、6つの単電池を直列に接続して成るモノブロック型の二次電池である鉛蓄電池200用の寿命判定装置100の構成を示す図である。鉛蓄電池200は、出力2Vの単電池を6個直列に接続して成り、陽極端子A及び陰極端子Cの他、1の単電池の電極に接続されるセンサ端子Sを備える。
【0029】
判定装置100は、中央演算処理装置(以下、CPUという)1を中心に、寿命判定処理プログラムを格納したROM2、寿命判定処理プログラムの実行時に作業領域として利用するRAM3、鉛蓄電池200の陽極端子Aとセンサ端子S間の電位差Voc1を測定し、測定値をCPU1に出力する電圧計4、鉛蓄電池200の陰極端子Cとセンサ端子S間の電位差Voc2を測定し、測定値をCPU1に出力する電圧計5、鉛蓄電池200の陽極端子Aと陰極端子C間に接続して放電処理を実行するための0.2Ωの負荷6、寿命判定処理の結果、寿命であると判定された場合にランプを点灯して報知処理を行う報知部9、及び、寿命判定を行う鉛蓄電池200の環境温度を測定する温度計10とで構成される。
【0030】
上記温度計10は、できるだけ鉛蓄電池200近くに設けることが好ましい。周知のように、鉛蓄電池に限らず、電池の出力は、外部環境温度により変化する。CPU1は、以下に説明する寿命判定処理において測定する開回路電圧Voc、及び、所定の放電処理による電圧降下量ΔVocの全てを、外部環境温度25℃の状態における値に補正した後に寿命判定処理に使用する。上記修正は、例えば、寿命判定対象の電池の環境温度に対する出力値の変化についての統計値に基づいて行う。
【0031】
なお、上記ROM2に格納する寿命判定処理プログラムは、寿命判定装置100に接続可能なハードディスク等の外部記憶装置に、CPU1により読み出し可能な状態で記録しておく構成を採用しても良いし、CD等の記録媒体に記録しておき、寿命判定装置100に接続可能なCD−ROMドライブ等の対応する読取装置により必要に応じて読み取る構成を採用しても良い。
【0032】
なお、鉛蓄電池200の陽極端子Aは、電圧計4の正極端子4a及び負荷6の正極端子6aに選択スイッチ7を介して接続されている。選択スイッチ7は、CPU1からの”High”の選択信号に応じて上記陽極端子Aを電圧計4の正極端子4aに接続し、”Low”の選択信号に応じて上記陽極端子Aを負荷6の正極端子6aに接続する。なお、電圧計4の負極端子4bには、鉛蓄電池200のセンサ端子Sが接続されている。
【0033】
一方、鉛蓄電池200の陰極端子Cは、電圧計5の負極端子5b及び負荷6の負極端子6bに選択スイッチ8を介して接続されている。選択スイッチ8は、選択スイッチ7に入力される”High”の選択信号に応じて上記陰極端子Cを電圧計5の負極端子5bに接続し、”Low”の選択信号に応じて上記陰極端子Cを負荷6の負極端子6bに接続する。なお、電圧計5の正極端子5aには、鉛蓄電池200のセンサ端子Sが接続されている。
【0034】
なお、本実施の形態では、選択スイッチ7,8により電圧計4,5と負荷6の接続を切換えているが、両極端子A,Cと電圧計4,5、及び、両極端子A,Cと負荷6をそれぞれ別の接続線で接続する構成を採用しても良い。
【0035】
図2は、鉛蓄電池200の構成を示す図である。鉛蓄電池200は、出力2Vの6つの単電池201〜206を接続端子207〜211により直列接続して、陽極端子A及び陰極端子C間の開回路電圧Vocを12Vとしたものである。センサ端子Sは、接続端子209に接続されている。寿命判定装置100は、後に説明する当該鉛蓄電池200の寿命判定処理において、陽極端子Aとセンサ端子Sとの間の電位差を、3つの単電池201〜203を直列接続して成る回路の開回路電圧Voc1として検出し、センサ端子Sと陰極端子Cとの間の電位差を、3つの単電池204〜206を直列接続して成る回路の開回路電圧Voc2として検出する。
【0036】
図3は、寿命判定装置100のCPU1が実行する鉛蓄電池200の寿命判定処理のフローチャートである。以下、当該フローチャートに従い、鉛蓄電池200の寿命判定処理の手順について説明する。
【0037】
まず、開回路電圧Vocの計測を行う(ステップS1)。具体的には、CPU1は、選択スイッチ7,8に”High”の選択信号を出力して鉛蓄電池200の陽極端子Aを電圧計4の正極端子4aに接続すると共に、陰極端子Cを電圧計5の負極端子5bに接続する。これにより、電圧計4は、陽極端子Aとセンサ端子Sとの間の電位差Voc1を測定し、測定値をCPU1に出力する。電圧計5は、センサ端子Sと陰極端子Cとの間の電位差Voc2を測定し、測定値をCPU1に出力する。なお、当該計測は、例えば、鉛蓄電池200が自動車のバッテリとして使用されている場合、エンジン始動時に実行する。
【0038】
次に放電処理として負荷テストを行う(ステップS2)。具体的には、CPU1は、選択スイッチ7,8に”Low”の選択信号を1秒間だけ出力して鉛蓄電池200の陽極端子Aを負荷6の正極端子6aに接続すると共に、陰極端子Cを負荷6の負極端子6bに接続する。負荷6は、0.2Ωの抵抗であり、上記選択スイッチ7,8により当該負荷6が鉛蓄電池200に接続されることで60Aの電流が流れ、1秒間で720Wの放電を行う。
【0039】
なお、負荷6の代わりに、内部に1秒間だけ回路を閉じるようなタイマを備える構成の負荷回路を採用しても良い。この場合、CPU1は、1秒以上”Low”の選択信号を出力し、例えば、上記タイマの動作完了に応じて選択信号を”High”に復帰させる構成を採用すれば良い。
【0040】
上記負荷テストの完了後、電圧計4,5の出力に基づいて電圧降下量ΔVocの計測を行う(ステップS3)。具体的には、CPU1は、選択スイッチ7,8に再び”High”の選択信号を出力して鉛蓄電池200の陽極端子Aを電圧計4の正極端子4aに接続すると共に、陰極端子Cを電圧計5の負極端子5bに接続する。これにより電圧計4,5で測定される電圧Voc1’,Voc2’より負荷テストによる電圧降下量ΔVoc1,ΔVoc2の値を求める。
【0041】
上記ステップS1〜S3において計測したVoc1,Voc2,ΔVoc1,ΔVoc2に基づいて、鉛蓄電池200の寿命判定を行う(ステップS4)。具体的には、CPU1は、まず、Voc1,Voc2,ΔVoc1,ΔVoc2の各値を倍にしてそれぞれ6個の単電池の出力値に正規化する。当該正規化処理の後、以下に表される寿命判定式「数1」にΔVoc1を代入して求められるVoc1thとVoc1を比較すると共に、ΔVoc2を代入して求められるVoc2thとVoc2を比較する。
【数1】
Vocth=f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.743
(但し、ΔVoc<ΔVth=3.0の関係を満たす。)
Vocth=∞
(但し、ΔVoc≧ΔVth=3.0の関係を満たす。)
【0042】
上記寿命判定式「数1」は、満充電時における開回路電圧Vocが十分高出力であり、かつ、所定の放電処理後における電圧降下量ΔVocが少ない(具体的には3Vに満たない)か否か、即ち、内部抵抗が低く抑えられているか否かの判断を行うためのしきい値Vocthを求める式である。満充電時における開回路電圧Voc1,Voc2が上述するf(ΔVoc)の式より求められる値Vocth1,Vocth2よりも共に高出力である場合、当該鉛蓄電池200は未だ使用可能であると判断する。一方、Voc1,Voc2の少なくとも一方が上記求められた値Voc1th,Voc2th以下の場合、当該鉛蓄電池200の寿命であると判断する。なお、「数1」で表される寿命判定式の特定手順については、後に説明する。
【0043】
次の図4は、上記「数1」の寿命判定式f(ΔVoc)のグラフを示すものである。斜線で示す領域が寿命であると判断する領域である。Voc1及びVoc2が、例えば●印で示す位置にある場合、即ち、上記「数1」にΔVoc1,ΔVoc2を代入して求められるVoc1th、Voc2thよりもVoc1,Voc2が共に高い値である場合、鉛蓄電池200は未だ使用可能であると判断する。また、使用に伴う経時劣化により、開回路電圧Voc1又はVoc2が例えば矢印で示す○印の位置に移動した場合、即ち、上記「数1」にΔVoc1,ΔVoc2を代入して求められるVoc1th、Voc2thよりもVoc1及びVoc2の何れか一方の値が低くなった場合には、鉛蓄電池200が寿命であると判断する。
【0044】
上記ステップS4の寿命判定処理の結果、寿命であると判断された場合には(ステップS5でYES)、報知部9を作動させて報知処理を行う(ステップS10)。
【0045】
また、未だ使用可能であると判断された場合には(ステップS5でNO)、更に、開回路電圧Vocのばらつきに基づく寿命判定処理を実行する(ステップS6)。当該寿命判定処理は、単電池201〜203(以下、第1単電池群という)、又は、単電池204〜206(以下、第2単電池群という)の内の一部の単電池が劣化しており、第1単電池群の開回路電圧Voc1と第2単電池群の開回路電圧Voc2に所定値以上のばらつきが生じた場合に鉛蓄電池200の寿命であると判断するものである。
【0046】
具体的には、開回路電圧Voc1と開回路電圧Voc2の差がしきい値Vth1(=0.15V)以上にばらついている場合には、6つの単電池201〜206の内の一部の単電池が大きく劣化していると判断して鉛蓄電池200の寿命であると判断する。他方、Voc1とVoc2との差がしきい値Vth1に満たない場合には、鉛蓄電池200は未だ使用可能であると判断する。なお、上記しきい値Vth1は、0.05V〜0.15Vの範囲内の値とするのが好ましい。
【0047】
上記ステップS6の寿命判定処理の結果、劣化しており寿命であると判断された場合(ステップS7でYES)、報知部9を作動させて報知処理を行う(ステップS10)。
【0048】
また、未だ使用可能であると判断された場合には(ステップS7でNO)、更に、電圧降下量ΔVocのばらつきに基づく寿命判定処理を実行する(ステップS8)。当該寿命判定処理は、単電池201〜203よりなる第1単電池群、又は、単電池204〜206よりなる第2単電池群の内の一部の単電池が大きく劣化しており、第1単電池群の電圧降下量ΔVoc1と第2単電池群の電圧降下量ΔVoc2に一定値以上のばらつきが生じた場合に鉛蓄電池200の寿命であると判断するものである。
【0049】
具体的には、ΔVoc1とΔVoc2の差がしきい値Vth2(=1.0V)以上にばらついている場合には、6つの単電池201〜206の内の一部の単電池が大きく劣化していると判断して鉛蓄電池200の寿命であると判断する。他方、ΔVoc1とΔVoc2との差がしきい値Vth2に満たない場合には、鉛蓄電池200は未だ使用可能であると判断する。なお、上記しきい値Vth2は、0.5V〜2.0Vの範囲内の値とするのが好ましい。
【0050】
上記ステップS8の寿命判定処理の結果、寿命であると判断された場合(ステップS9でYES)、報知部9を作動させる(ステップS10)。
【0051】
また、上記ステップS8の寿命判定処理の結果、未だ使用可能であると判断された場合には(ステップS9でNO)、鉛蓄電池200は未だ使用可能であるとの最終判断をしてこのまま処理を終了する。
【0052】
(3)寿命判定式の特定
以下、図3を用いて説明した寿命判定処理(ステップS4)で使用する寿命判定式「数1」の特定について、次の(3-1)〜(3-4)の順に説明する。
(3-1)全ての単電池が均等劣化する場合の寿命判定式
(3-2)一部の単電池の劣化を考慮する場合の寿命判定式
(3-3)寿命判定用の電位検出を行う端子間に挟む単電池の数を減らした場合の寿命判定式
(3-4)更に、開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocのばらつきに基づいて寿命判定を行う場合の寿命判定式「数1」の特定
【0053】
なお、以下の説明で使用する開回路電圧Voc、及び、放電処理後の電圧降下量ΔVocの測定値は、全て環境温度25℃の雰囲気における単電池6個分の出力値に換算(正規化)したものを用いる。例えば、3個の単電池で成る単電池群の劣化を調べる場合、同じ劣化状態の3個の単電池群があと1組あるとしてVoc,ΔVocの値をそれぞれ2倍にした値を測定値として用いる。また、2個の単電池で成る単電池群の劣化を調べる場合、同じ劣化状態の2個の単電池群があと2組あるとしてVoc,ΔVocの値をそれぞれ3倍にした値を測定値として用いる。
【0054】
(3-1) 全ての単電池が均等劣化する場合の寿命判定式
図5は、鉛蓄電池200と同じタイプの鉛蓄電池であって、センサ端子Sを備えていない従来の鉛蓄電池であって、公称電圧12V、公称容量12AH(20時間放電容量)の鉛蓄電池300について、当該鉛蓄電池300を構成する6つ全ての単電池を均等に段階的に劣化させた場合の環境温度25℃における開回路電圧Vocと、60Aの電流を1秒間放電する放電処理の実行による電圧降下量ΔVocの関係を表す図である。
【0055】
本図において、●印は、60Aの電流を1秒間流して行う放電処理(以下、当該内容の放電処理を単に放電処理という)後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで1040秒〜1240秒間放電できるだけの残存容量を有している状態の鉛蓄電池300の開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocを表す。▲印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで840秒〜1040秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔVocの関係を表す。■印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで640秒〜840秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVoc,ΔVocの関係を表す。◆印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで540秒〜640秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔVocの関係を表す。○印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで340秒〜440秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔVocの関係を表す。△印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで240秒〜340秒放電できる状態の鉛蓄電池300のΔVocとΔVocの関係を表す。□印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで140秒〜240秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔVocの関係を表す。アスタリスク”*”は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで100秒〜120秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔVocの関係を表す。×印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで10秒〜20秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔVocの関係を表す。
【0056】
本図より、鉛蓄電池の開回路電圧Vocの値は、劣化に伴い低下し、放電処理による電圧降下量ΔVocの値は、劣化に伴い増加することが理解される。当該特性は、以下に参照する開回路電圧Vocと放電処理による電圧降下量ΔVocの関係を示す図において共通する。また、本図より、6つの単電池が均等に劣化する場合には、実線で示すように、定数項Cが11.743Vの寿命判定式:f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.743に基づいて鉛蓄電池の寿命判定を行えばよいことが解る。具体的には、開回路で電圧Vocが、上記寿命判定式に放電処理による電圧降下量ΔVocを代入し、特定される値Vocth以下の場合に寿命であると判断する。
【0057】
なお、当該寿命判定式の傾きKは、開回路電圧Vocが高くとも放電処理による電圧降下量ΔVocの増加した電池は寿命であると判断する考えに基づき設定するものであり、その値(K=0.281)は、定数項C=11.743と同様に実験的に特定される値である。
【0058】
(3-2)一部の単電池の劣化を考慮する場合の寿命判定式
図6は、鉛蓄電池200を構成する6つの単電池の内の一部が劣化した場合における陽極端子Aと陰極端子C間の開回路電圧Vocと、放電処理として60Aの電流を1秒間放電した場合における電圧降下量ΔVocの関係を表す図である。図7の(a)〜(d)は、直列接続されている6つの単電池の内、劣化している単電池の位置を示す図である。
【0059】
図6において、○印は、図7の(a)に斜線で示す1箇所の単電池が段階的に劣化した場合のVocとΔVocを表し、△印は、図7の(b)に斜線で示す2箇所の単電池が段階的に劣化した場合のVocとΔVocを表し、□印は、図7の(c)に斜線で示す3箇所の単電池が段階的に劣化した場合のVocとΔVocの推移を表し、×印は、図7の(d)に斜線で示す4ヶ所の単電池が段階的に劣化した場合のVocとΔVocを表す。また、図6には、図5で説明した6つの単電池全てが均等に劣化する場合に使用する寿命判定式:f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.743を実線で示す。
【0060】
本図より、1つの単電池が劣化した場合に正確に寿命の判定をするには、図中に点線で示すように、寿命判定式の定数項Cの値を12.647Vと高めに設定する必要があることが解る。しかし、再び図5を参照すれば理解できるように、全ての単電池が均等に劣化している場合において、定数項C=12.647Vに設定すると、ほとんど劣化していない電池、例えば、60Aの電流を1秒間放電した後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで540秒〜640秒放電できる,未だ十分に使用可能な電池を寿命であると誤判定してしまう。
【0061】
(3-3)寿命判定用の電極端子間に挟む単電池の数を減らした場合の寿命判定式一部の単電池が劣化した場合に、当該単電池の出力低下が他の良好な単電池の出力により補填されるのを低減するため、図8に示すように直列接続されている6つの単セルのうち、第3及び第4番目の単電池を接続する箇所にセンサ端子Sを備え、各々3つの単電池よりなる第1単電池群と第2単電池群に分割し、第1単電池群及び第2単電池群に対して別々に寿命判定を行う。これにより、一部の単電池の劣化が他の良好な単電池により補填される程度を軽くし、寿命であると判定されるべき電池が未だ使用可能であると誤判定されることを防止する。
【0062】
図9は、図8に示す位置にセンサ端子Sを設け、各々3つの単電池で成る第1単電池群及び第2単電池群に分割した場合において、第1単電池群又は第2単電池群を構成する3つの単電池の内の1又は2の単電池が段階的に劣化した場合の開回路電圧Vocと、放電処理として60Aの電流を1秒間だけ放電させた場合の電圧降下量ΔVocとの関係を表す図である。なお、Voc,ΔVocの値は、何れも6個の単電池の場合に換算して正規化した値である。
【0063】
本図より理解されるように、センサ端子Sを備える鉛蓄電池200の寿命を判定する寿命判定式は、f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+12.199となる。このように、寿命判定用の電位を検出する端子間に挟む単電池の数を減らすことで、図6を用いて説明したように、6つの単電池間の電位差を検出する場合に比べて、寿命判定式の定数項Cの値を12.647Vから12.199Vへと下げることができる。定数項Cの値を下げることで、全ての単電池が均一に劣化した場合であって未だ十分に使用可能であるにもかかわらず、寿命であると誤判断される場合を減らし、より正確な寿命の判定が可能になる。
【0064】
なお、図10に示すように2つのセンサ端子Sを用いて単電池群を構成する単電池の数を3個から2個に変更すれば、一部の単電池(2個の単電池の内の1つ)が劣化した場合に残りの良好な単電池により当該劣化が補填されることをより効果的に防止することができる。
【0065】
図11は、2個の単電池の内、1つが段階的に劣化した場合の開回路電圧VOCと放電処理後の電圧降下量ΔVocを表す図である。本図より理解されるように、この場合、寿命判定式の定数項Cの値を6つの単電池が均等に劣化する場合の寿命判定式の定数項Cの値よりも更に低い11.835Vへと大幅に下げることができる。これにより、鉛蓄電池200を無駄なく使い切ることができる。
【0066】
(3-4)開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocのばらつきに基づいて寿命判定を行う場合の寿命判定式「数1」の特定
寿命判定用の電位を検出する端子間に挟む単電池の数を減らすと共に、2以上得られる端子電圧Voc及び電圧降下量ΔVocのばらつきを寿命判定に考慮する。具体的には、鉛蓄電池200において、陽極端子Aとセンサ端子Sとの間の電圧Voc1、及び、センサ端子Sと陰極端子Cとの間の電圧Voc2のばらつき、並びに、所定の放電処理による前記電圧Voc1の降下量ΔVoc1及び電圧Voc2の降下量ΔVoc2のばらつきが、それぞれ所定のしきい値Vth1,Vth2を超えた場合に一部の単電池が劣化していると判断する。
【0067】
一部の単電池が劣化した場合に、鉛蓄電池200において測定される開回路電圧Voc1、Voc2のばらつきがしきい値Vth1以上となったり、放電処理による電圧降下量ΔVoc1,ΔVoc2のばらつきがしきい値Vth2を超える場合は、開回路電圧Vocが比較的高い領域で発生することが解っている。そこで、当該ばらつきによる寿命判定のできる領域を除く領域に対して寿命判定式を設定する。これにより、寿命判定式の定数項Cの値を下げることができる。
【0068】
図12は、しきい値Vth1=0.15V、Vth2=1.0Vに設定した場合に開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocのばらつきにより寿命判定を行える領域を実線の枠で囲み、この場合に適用する寿命判定式を表すものである。寿命判定用の電位を検出する端子間に挟む単電池の数を減らすと共に、2以上得られる端子電圧Voc及び電圧降下量ΔVocのばらつきを寿命判定に考慮することで、寿命判定式の定数項Cの値を11.743にまで下げることができ、6つの単電池が均等に劣化すると想定した場合に使用できる寿命判定式(図5を参照)と同じ式を用いて正確に寿命の判定を行うことができるようになる。このように、2以上得られる端子電圧Voc及び電圧降下量ΔVocのばらつきを寿命判定に考慮するにより、全ての単電池が均一に劣化した場合と同じ寿命判定式を用いつつも、一部の単電池が劣化した場合について正確に判定することができるようになる。
【0069】
上記特定した寿命判定式:f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.743に、電圧降下量ΔVocが3.0Vを超えた場合には、開回路電圧Vocの値によらず寿命であると判定するという条件を付加したものが上記寿命判定装置100で使用する寿命判定式「数1」である。
【0070】
寿命判定装置100では、寿命判定用の電位を検出する端子間に挟む単電池の数を減らすと共に、2以上得られる端子電圧Voc及び電圧降下量ΔVocのばらつきを寿命判定に考慮することで、全ての単電池が均等に劣化すると仮定した場合に使用する寿命判定式と同じ式、又は、略同じ式を利用しつつも、一部の単電池が劣化した場合の寿命についても正確に検出することができる。これにより、全ての単電池が均等に劣化する場合を含み、鉛蓄電池の寿命を正確に判定することができる。
【0071】
(4)応用例
図13に示すように、モノブロック電池に2つのセンサ端子Sを設け、6つの単電池を2個、3個、1個の組に分割する場合を考える。この場合の寿命判定処理は、各組で検出される開回路電圧Vocと放電処理による電圧降下量ΔVocの値を単電池6個分の出力(12V)に換算して正規化した値に基づいて、寿命判定を行う。具体的には、3つの単電池から成る組の1又は2の単電池が劣化した場合を検出するには、上記「数1」を使用する。また、2つの単電池から成る組の1の単電池が劣化した場合を検出するには、以下に説明するように、寿命判定式「数1」の定数項Cの値を11.274にまで下げた寿命判定式「数2」を使用する。
【0072】
図14は、2つの単電池から成る組の1の単電池が段階的に劣化した場合の開回路電圧Vocと放電処理による電圧降下量ΔVocの関係を示す図である。また、本図には、しきい値Vth1=0.15V、Vth2=1.0Vに設定した場合に開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocのばらつきにより寿命判定を行える領域を実線の枠で示し、この場合に適用する寿命判定式:f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.274のグラフを表す。
【0073】
図11に示した寿命判定式と比較すればわかるように、開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocのばらつきによる寿命判定を行うことで、寿命判定式の定数項Cの値を11.835から11.274に下げることができる。当該寿命判定式に電圧降下量ΔVocが3.0Vを超えた場合には、開回路電圧Vocの値によらず寿命であると判定するという条件を付加したものが以下に示す寿命判定式「数2」である。
【数2】
Vocth=f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.274
(但し、ΔVoc<ΔVth=3.0の関係を満たす。)
Vocth=∞
(但し、ΔVoc≧ΔVth=3.0の関係を満たす。)
【0074】
また、図15に示すように、センサ端子Sを3つ設け、6つの単電池を2個、2個、1個、1個の組に分割する場合、及び、図16に示すように、センサ端子Sを4つ設け、6つの単電池を2個、1個、1個、1個、1個の組に分割する場合には、各組の開回路電圧Vocと放電処理による電圧降下量ΔVocの値を6個の単電池の出力に換算し、その各々のばらつきをしきい値Vth1,Vth2と比較して寿命判断を行うと共に、2つの単電池で成る組の1の単電池の劣化を検出するために上記「数2」を使用すれば良い。
【0075】
【発明の効果】
本発明の第1の寿命判定装置、上記装置において実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを上記寿命判定装置として機能させるプログラムは、複数の単電池を直列に接続して成る二次電池(モノブロック型の二次電池、及び、組電池を含む。)の寿命を判定するために、少なくとも1つの一部の単電池群の開回路電圧Vocに基づいて寿命の判定を行うとともに、該判定を、放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocから特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって行う。これにより、一部の劣化しやすい位置にある単電池について寿命判定を行うことができるようになり、当該劣化しやすい単電池の劣化が他の良好な単電池により補填され、本来寿命であると判断されるべきものが未だ使用可能であると判定されることを防止することができ、より正確な寿命判定を行うことができるようになる。
【0077】
本発明の第2の寿命判定装置、上記装置において実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを上記寿命判定装置として機能させるプログラムは、更に、上記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処理による電圧降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧と上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較により寿命の判定を行うことで、より正確に寿命の判定を行うことができるようになる。
【0078】
本発明の第3の寿命判定装置、上記装置において実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを上記寿命判定装置として機能させるプログラムは、更に、上記寿命判定が上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の直列回路間の、放電処理前の開回路電圧Voc及び放電処理による開回路電圧の降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧、の少なくとも一方のばらつきに基づいて行うことで、より正確に寿命の判定を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 寿命判定装置の構成を示す図である。
【図2】 寿命を判定する鉛蓄電池の構成を示す図である。
【図3】 寿命判定処理のフローチャートである。
【図4】 寿命判処理で用いる寿命判定式のグラフを表す図である。
【図5】 各単電池が均等に劣化する場合の開回路電圧と電圧降下量の関係を示す図である。
【図6】 一部の単電池が段階的に劣化する場合の開回路電圧と電圧降下量の関係を示す図である。
【図7】 (a)〜(d)は、一部の単電池が劣化した場合のパターンを示す図である。
【図8】 1つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示す図である。
【図9】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開回路電圧と電圧降下量の関係、及び、この場合に使用する寿命判定式のグラフを示す図である。
【図10】 2つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示す図である。
【図11】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開回路電圧と電圧降下量の関係と、この場合に使用する寿命判定式のグラフを示す図である。
【図12】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開回路電圧と電圧降下量の関係と、この場合に使用する寿命判定式のグラフを示す図である。
【図13】 2つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示す図である。
【図14】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開回路電圧と電圧降下量の関係と、この場合に使用する寿命判定式のグラフを示す図である。
【図15】 3つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示す図である。
【図16】 4つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示す図である。
【図17】 従来の鉛蓄電池の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4,5 電圧計、6 負荷、7,8 選択スイッチ、9 報知部、10 温度計、100 寿命判定装置、200,500 鉛蓄電池、201〜206,501〜506 単電池、207〜211,507〜511 接続端子、520〜524 放熱面、

Claims (9)

  1. 複数の単電池を直列接続して成る二次電池の寿命判定装置であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の開回路電圧Vocに基づいて寿命の判定を行う判定手段を備え、該判定手段が、放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocから特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって行うものであることを特徴とする寿命判定装置。
  2. 請求項1に記載の寿命判定装置であって、上記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較が行われる寿命判定装置。
  3. 請求項1に記載の寿命判定装置であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の直列回路間の、放電処理前の開回路電圧Voc及び放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧、の少なくとも一方のばらつきに基づいて判定がされる寿命判定装置。
  4. 複数の単電池を直列接続して成る二次電池の寿命判定方法であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の、放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocから特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって寿命の判定を行うことを特徴とする寿命判定方法
  5. 請求項4に記載の寿命判定方法であって、上記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocの値より特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較により行う寿命判定方法。
  6. 請求項4に記載の寿命判定方法であって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の直列回路間の、放電処理前の開回路電圧Voc及び放電処理による開回路Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧、の少なくとも一方のばらつきに基づいて判定がされる寿命判定方法。
  7. コンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、当該コンピュータを、複数の単電池を直列接続して成る二次電池の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の開回路電圧Vocに基づいて寿命の判定を行う判定手段として機能させるとともに、該判定手段が、放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocから特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって寿命の判定を行うように、コンピュータを機能させることを特徴とする二次電池の寿命判定用プログラム
  8. 請求項7に記載のプログラムであって、上記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocの値より特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較によって寿命の判定を行うように、コンピュータを機能させることを特徴とする二次電池の寿命判定用プログラム
  9. 請求項7に記載のプログラムであって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の直列回路間の、放電処理前の開回路電圧Voc及び放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocより特定されるしきい値電圧、の少なくとも一方のばらつきに基づいて寿命の判定を行うように、コンピュータを機能させることを特徴とする二次電池の寿命判定用プログラム
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