JP4507720B2 - 鉛蓄電池の劣化判定方法及び劣化判定装置 - Google Patents

鉛蓄電池の劣化判定方法及び劣化判定装置 Download PDF

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Description

本発明は鉛蓄電池の劣化判定方法及び劣化判定装置に係り、特に、開路電圧とエンジン始動電圧とから鉛蓄電池の劣化を判定する劣化判定方法及び劣化判定装置に関する。
従来、車両に搭載された鉛蓄電池は、走行中、常にオルタネータによりフロート充電され、また、負荷もランプ類などに限られていたため、あまり深い充電はされず、ほぼ常時満充電付近に保たれ使用されてきた。しかし、近年、環境意識の高まりから、車両からの二酸化炭素の排出を削減する必要が生じ、特に、大型バスやトラック等では、信号待ちなどの停車時にエンジンを停止させるアイドルストップ機能を有するシステム車が増加してきている。
このようなシステム車では、エンジン停止中のエアコン、カーステレオなどの負荷はすべて鉛蓄電池からの電力で賄われるため、従来に比べ深い放電状態が増え、電池の残容量が少なくなるケースが増加すると予想される。また、これに伴って、電池の劣化も早まると予測される。一方、鉛蓄電池の出力は、残容量や劣化に依存するため、エンジン停止中に電池の残容量が小さくなると、エンジンが起動するのに充分な出力がなくなり、アイドルストップ後の再起動時に、エンジンがかからなくなるおそれがある。従って、鉛蓄電池の劣化を検知することは、エンジン始動を確保する上で特に重要である。
鉛蓄電池の劣化状態を検知する具体例として、満充電状態の電池を短時間放電させ、放電前の電池電圧からの放電時の電池電圧の降下量(以下、放電時電圧降下量という。)を求め、これより予め求めておいた電池容量と放電時電圧降下量との関係図から、劣化状態を検知する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、劣化して容量の小さくなった鉛蓄電池は内部抵抗が大きくなり、放電時電圧降下量も大きくなることを利用しているため、満充電状態の電池の電圧降下量が電池の劣化状態を反映する限り、鉛蓄電池の劣化状態を適正に検出することができる。
特許第3192794号
しかしながら、実際にエンジン始動用として長期間使用された鉛蓄電池の中には、満充電状態で、劣化していない電池と放電時電圧降下量の差がほとんどないにも拘らず、電池容量が極めて小さくなっているものが多数見られることが判明した。以下、このような電池を劣化電池Aと呼ぶことにすると、劣化電池Aは、満充電から少し放電しただけで放電容量がほとんど無くなってしまい、自動車エンジン始動用使用の際に、何ら兆候がないまま、例えば、ライトを少しの間点灯しただけで、エンジン始動が不能となる。
本発明者は劣化電池Aの特性を詳細に検討した。その結果、劣化電池Aでは、満充電状態から僅かに放電しただけで、放電時電圧降下量が大幅に増加することが分かった。図1は、このことを模式的に示したものであり、鉛蓄電池の開路電圧OCVと放電時電圧Vstとの関係を表している。図1を作成するにあたって、実験方法として、鉛蓄電池を車両に搭載し、エンジン始動を行って、電池電圧が降下する際の最低電圧を測定した。放電の負荷にはエンジン始動用のセルモータを用いた。ある充電状態、すなわち、あるOCVでエンジン始動実験を行った後、電池を車両から降ろした。この電池を電子負荷放電装置により、所定の電気量を放電し、OCVが安定するまで放置し、再度電池を車両に搭載してエンジン始動実験を行った。これを繰り返すことにより、電池の充電状態(SOC)100%から0%までの放電電圧を測定した。図1における放電の負荷はエンジン始動であるため、以下、放電電圧をエンジン始動電圧Vstと呼ぶことにする。
開路電圧は電池の充電状態の指標であり、ある開路電圧に対し、ある充電状態が1対1に対応する。図1において開路電圧の高い領域が充電状態の高い領域であり、最も開路電圧の高い点が満充電状態となる。図1に示すように、2種類の電池(新品電池、劣化電池A)は、各々12.9V前後が満充電状態となる。新品電池では、開路電圧を下げていくと、すなわち、満充電の状態から放電して充電状態が低下していくと、それにつれてVstも低下していく。Vstは鉛蓄電池の出力の尺度となり、Vstがある水準以下に低下した場合、エンジン始動不能となる。一方、劣化電池Aでは、満充電状態(OCV=12.9V前後)においてエンジン始動電圧Vstは新品電池と大きな差がない。しかし、この劣化電池Aを少し放電すると、Vstは急激に低下する。すなわち、劣化電池Aでは、エンジン始動用として使用中に、誤って放電させてしまった場合に、すぐにエンジン始動不可能になる可能性が大きい。そして、劣化電池Aは、上述した特許文献1の放電時電圧下降量を利用した方法では劣化判定が不能である。
本発明は上記事案に鑑み、放電電圧の低下では検出できない劣化モードの鉛蓄電池の劣化を正確に判定可能な劣化判定方法及び劣化判定装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、開路電圧(Vo)とエンジン始動電圧(Vst)とから鉛蓄電池の劣化を判定する劣化判定方法であって、異なる2つの時刻における前記鉛蓄電池の開路電圧(Vo1、Vo2)と、前記異なる2つの時刻のそれぞれ後の最初のエンジン始動時のエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とを測定し、前記測定した開路電圧(Vo1、Vo2)とエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とから、エンジン始動電圧の差分(ΔVst=Vst2−Vst1)を開路電圧の差分(ΔVo=Vo2−Vo1)で除算した劣化状態判定係数(α=ΔVst/ΔVo)を算出し、前記算出した劣化状態判定係数(α)が一定値以上で、かつ、前記測定した異なる2つの時刻における開路電圧(Vo1、Vo2)が一定の電圧値以上の場合に、前記鉛蓄電池が劣化していると判定する、ステップを含む。
また、本発明の第2の態様は、開路電圧(Vo)とエンジン始動電圧(Vst)とから鉛蓄電池の劣化を判定する劣化判定装置において、異なる2つの時刻における前記鉛蓄電池の開路電圧(Vo1、Vo2)と、前記異なる2つの時刻のそれぞれ後の最初のエンジン始動時のエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とを測定する電圧測定手段と、前記電圧測定手段により測定された開路電圧(Vo1、Vo2)とエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とから、エンジン始動電圧の差分(ΔVst=Vst2−Vst1)を開路電圧の差分(ΔVo=Vo2−Vo1)で除算した劣化状態判定係数(α=ΔVst/ΔVo)を算出する劣化係数算出手段と、前記劣化係数算出手段により算出された劣化状態判定係数(α)が一定値以上で、かつ、前記電圧測定手段により測定された異なる2つの時刻における開路電圧(Vo1、Vo2)が一定の電圧値以上の場合に、前記鉛蓄電池が劣化していると判定する劣化判定手段と、を備える。
本発明では、劣化電池Aは、新品電池と比較した場合、高OCV領域で、OCVの変化に対するVstの変化が大きいことに着目し、鉛蓄電池の劣化の判定を行う。すなわち、異なる2つ時刻における開路電圧(Vo1、Vo2)と、それらの時刻のそれぞれ後の最初のエンジン始動時のエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とを測定する。これらより、エンジン始動電圧の差分(ΔVst=Vst2−Vst1)を開路電圧の差分(ΔVo=Vo2−Vo1)で除算した劣化状態判定係数(α=ΔVst/ΔVo)を算出する。次に、劣化状態判定係数(α)が一定値以上で、かつ、開路電圧(Vo1、Vo2)が一定の電圧値以上の場合に、鉛蓄電池が劣化していると判定する。開路電圧(Vo1、Vo2)の閾値(一定値)も実際の鉛蓄電池の使用形態によって決定されるべきであるが、試験の結果、自動車エンジンの始動用鉛蓄電池としては、12.5V程度が適当であることが判明した。同様に、劣化状態判定係数(α)も実際の鉛蓄電池の使用形態によって決定されるべきであるが、試験の結果、自動車エンジンの始動用鉛蓄電池としては、α=2程度が適当であることが判明した。
本発明によれば、劣化状態判定係数(α)が一定値以上で、かつ、異なる2つの時刻における開路電圧(Vo1、Vo2)が一定の電圧値以上の場合に、鉛蓄電池が劣化していると判定するので、放電電圧の低下では検出できない劣化モードの鉛蓄電池の劣化を検出することができ、従来完全には防止できなかったエンジン始動不良を未然に防止することができる、という効果を得ることができる。
以下、本発明をガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車等の内燃機関システムに適用した実施の形態について説明する。
具体的な判定に必要なデータの測定方法としては以下のようになる。まず、任意のタイミングt1で、鉛蓄電池の開路電圧OCVを測定し、これをVo1とする。次に、t1の直近のタイミングでエンジン始動電圧の測定を行う。これをVst1とする。その後、この鉛蓄電池を通常通りに使用する。使用中には使用形態にもよるが、放電、充電の繰り返しにより、SOCが変化し、それに伴ってOCVも変化していく。そして、ある期間鉛蓄電池を使用し、OCVが変化したタイミングt2で、鉛蓄電池のOCVを測定し、これをVo2とする。使用期間としては、電池が経時劣化しない程度の短いものが好ましい(たとえば、t1からt2の間は1ヶ月以内が好ましい。)。また、Vo2の値としては、Vo1の値とある程度の差がなければならないが、鉛蓄電池の通常の使用状態で、充分に測定条件を満たす状態が実現されている。
続いて、t2の直近のタイミングでエンジン始動電圧の測定を行ない、これをVst2とする。データは、必要度に応じて測定頻度を高くすればよいが、鉛蓄電池に充電制御装置が付属して使用される場合など、場合によっては、Vo1、Vst1を測定直後に放電装置によって放電してやることにより、すぐにVo2、Vst2を測定可能になり、判定の迅速化も可能である。
次に、開路電圧の差分(ΔVo=Vo2−Vo1)と、エンジン始動電圧の差分(ΔVst=Vst2−Vst1)とを算出し、エンジン始動電圧の差分(ΔVst)を開路電圧の差分(ΔVo)で除算した劣化状態判定係数(α=ΔVst/ΔVo)を算出する。
次いで、劣化状態判定係数(α)が2.0以上で、かつ、2つの時刻における開路電圧(Vo1、Vo2)が12.5V以上か否かを判断し、肯定判断の場合に、鉛蓄電池が劣化していると判定し、否定判断の場合に鉛蓄電池が劣化していないと判定する。そして、鉛蓄電池が劣化していると判定したときには、ドライバに報知するために、所定の信号を出力する。このような報知形態としては、例えば、鉛蓄電池側に配されたLEDを点灯させラッチするサイリスタのゲートに信号を入力するようにしてもよいし、液晶表示装置に表示するようにしてもよい。また、上述した測定、算出、判定を行うバッテリコントローラから、バッテリコントローラの上位コントローラとなる車両コントローラに通信により報知し、車両コントローラがインストールメントパネルに表示させるようにしてもよい。
また、データ採取(電圧の測定)、劣化状態判定係数(α)の算出(演算)、劣化の判定、結果の報知も、現在、安価なADコンバータ、マイクロプロセッサなどが入手可能であり、これらを用いて一体型の判定装置を構成することも可能であり、以下、一構成例について説明する。
図2に示すように、劣化度判定装置としてのバッテリコントローラ10は、エンジン等の車両側の制御を行う車両コントローラ20の下位装置として機能し、中央演算処理装置として機能するCPUと、バッテリコントローラ10の基本制御プログラムが記憶されたROMと、CPUのワークエリアとして働くと共にデータを一時的に記憶するRAMとを有するマイコン2、マイコン2の外部バスに接続され不揮発性メモリとして機能するEPROM3、鉛蓄電池1のアナログ電圧をデジタル電圧に変換する電圧測定手段の一部としてのA/Dコンバータ、及び、車両コントローラ20との通信を行うためのインターフェイスを含んで構成されており、通信線により車両コントローラ20と接続されている。なお、A/Dコンバータは汎用品が使用可能であり、鉛蓄電池1の動作電圧の範囲で数mVの精度で測定する必要があるために、分解能は14ビット以上で応答速度は1データ/秒が望ましい。
鉛蓄電池1の正極外部出力端子は、イグニッションスイッチ(以下、IGNと略称する。)11の中央端子に接続されている。IGN11は、中央端子とは別に、OFF端子、ON/ACC端子及びSTART端子を有しており、中央端子とこれらOFF、ON/ACC及びSTART端子のいずれかとは、ロータリー式に切り替え接続が可能である。IGN11のON/ACC端子、START端子側には、鉛蓄電池1の負荷となり、モータジェネレータ、スタータ、発電機等を表すMG12が接続されている。一方、鉛蓄電池1の負極外部出力端子はグランドに接続されている。
従って、バッテリコントローラ10のマイコン2は、鉛蓄電池1の両端電圧をデジタル値として取り込むことが可能であり、電圧測定手段、劣化係数算出手段、劣化判定手段として機能すると共に、鉛蓄電池1が劣化していると判定したときに車両コントローラ20に通信によりその旨を報知する。なお、EPROM3には、Vo1、Vst1が記憶され、劣化状態判定係数(α)を算出するときに、Vo1、Vst1が読み出される。
このような構成例では、マイコン2(のCPU)は、エンジン始動時を把握する必要がある。エンジン始動時に鉛蓄電池1の電圧は急激に降下し、その後上昇する。このため、例えば、IGN11がON/ACC端子に接続された旨を車両コントローラから報知を受け、鉛蓄電池1の放電電圧を所定のサンプリング時間毎に測定し(取り込み)、最も低い電圧をエンジン始動電圧Vstとするようにしてもよい。また、車両コントローラ20から報知を受けなくても、図2に点線で示したように、ホール素子等の電流センサ4を挿入してエンジン始動時を把握するようにしてもよい。この例では、バッテリコントローラ10が電流センサ4に接続された電流測定用のA/Dコンバータを有する必要がある。マイコン2は、電流測定用のA/Dコンバータから電流値を取り込み、所定値(例えば、0.1A)未満のときは、IGN11がOFF端子に接続されているものとみなし、取り込んだ電流値が所定値以上のときに、鉛蓄電池1の放電電圧を所定のサンプリング時間毎に測定し(取り込み)、最も低い電圧をエンジン始動電圧Vstとすればよい。
次に、鉛蓄電池1が劣化しているか否かの基準となる、劣化状態判定係数(α)の基準値(一定値)及び開路電圧(Vo1、Vo2)の基準値(一定の電圧値)を設定するために実施した実施例について説明する。
上述した内燃機関システムとして、排気量2000ccの電子制御燃料噴射装置付きのガソリンエンジン自動車を選んだ。新車で搭載されている鉛蓄電池1はJIS規格55B24サイズのものである。
(実験1)
公称容量36AhのJIS55B24の劣化電池Aを用意した。劣化電池Aは自家用車で約3年間、走行距離にして約40000km使用されたものである。始めにこの劣化電池Aを14.5V定電圧、15時間、制限電流5時間率(7.2A)で完全充電した。完全充電後、5時間率電流で終止電圧10.5Vまで放電し、容量確認した。容量は8.9Ahであった。容量測定後、劣化電池Aを再度同じ条件で充電し、満充電とした。
続いて、劣化電池Aをガソリンエンジン自動車に取り付けた。エンジンを始動しない状態で劣化電池Aの端子電圧を測定した。この際には自動車のキーを抜いておき、自動車の待機電流が最小になるように留意した。この電圧を開路電圧Vo1とした。
次に、サンプリング速度1.0msの一般用デジタルレコーダで電池の端子電圧を測定、記録しながら、エンジンの始動キーを操作し、エンジンを始動した。得られた時間/端子電圧曲線からエンジン始動電圧Vst1を得た。一旦、劣化電池Aを前記自動車から取り外して、電子負荷放電装置に接続し、5時間率電流で10分間放電した。放電後1時間放置し、再度前記自動車に搭載し、Vo1、Vst1の測定手順と同じようにして、開路電圧Vo2とエンジン始動電圧Vst2を測定した。そして、得られたVo1、Vst1、Vo2、Vst2からαを算出した。
(実験2)
公称容量36AhのJIS55B24の新品電池を用意した。5時間率電流で終止電圧10.5Vまで放電し、容量確認した。容量は37Ahであった。容量測定後、劣化電池Aと同じ条件で充電し、満充電とした。以下、上述した実験1と同様にして、Vo1、Vst1、Vo2、Vst2を測定し、αを算出した。下表1に、以上の実験結果を示す。
劣化電池Aと新品電池の放電容量を比較すると、新品電池が公称の36Ah以上の容量を持っており、劣化電池Aはそれに対して23.7%の容量である。これらの電池で満充電状態の放電時電圧降下量は殆ど差が無く、この値から電池の劣化状態を判定するのは困難である。一方、αを比較すると、劣化電池Aにおいては新品電池の約5倍という値になり、高い感度で劣化状態を判定可能である。
上記は測定の一例であり、多数の劣化電池を用いて、上記の実験を行い、判定の精度を検証した。結果を図3、図4に示す。図3は劣化していると判定する電池のSOCを50%として、開路電圧の基準値(図3、4では判定閾値と表示)を変化させた時の、各αに対する検出率の変化を示したものである。α=1.0または2.0とした場合、開路電圧の基準値を12.5V以下とすることで、ほぼ全ての劣化電池を検出可能である。ところが、α=3.0とすると、開路電圧の基準値を更に下げた12.4Vとしても劣化検出ができない電池が発生する。図4は、逆に、SOH50%以上の電池を劣化していると誤判定する場合の確率を、開路電圧の基準値を変化させた時の、各αに対する変化を示したものである。α=2.0または3.0とした場合、開路電圧の基準値を12.5V以上とすることで誤判定はほぼ無視できるレベルとなる。ところが、α=1.0とすると、開路電圧の基準値を12.6V以上にしても誤判定は20%近くなり無視できないレベルとなる。以上の結果から、αの基準値としては2.0、開路電圧の基準値としては12.5Vを採用するのが最適であることが分かる。
本発明は放電電圧の低下では検出できない劣化モードの鉛蓄電池の劣化を正確に判定可能な劣化判定方法及び劣化判定装置を提供するため、鉛蓄電池ないし劣化判定装置の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
ガソリンエンジン自動車でのエンジン始動時の鉛蓄電池の開路電圧と放電時電圧との関係を示したグラフである。 劣化判定装置の一構成例を示すブロック回路図である。 劣化していると判定する鉛蓄電池のSOCを50%として、判定を行う開路電圧の基準値を変化させたときの、各αに対する検出率の変化を示すグラフである。 SOH50%以上の鉛蓄電池を劣化していると誤判定する場合の確率を、判定を行う開路電圧の基準値を変化させたときの、各αに対する変化を示したグラフである。
符号の説明
1 鉛蓄電池
2 マイコン(電圧測定手段の一部、劣化係数算出手段、劣化判定手段)
3 EPROM(不揮発性メモリ)
10 バッテリコントローラ(電圧測定手段の一部)

Claims (7)

  1. 開路電圧(Vo)とエンジン始動電圧(Vst)とから鉛蓄電池の劣化を判定する劣化判定方法であって、
    異なる2つの時刻における前記鉛蓄電池の開路電圧(Vo1、Vo2)と、前記異なる2つの時刻のそれぞれ後の最初のエンジン始動時のエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とを測定し、
    前記測定した開路電圧(Vo1、Vo2)とエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とから、エンジン始動電圧の差分(ΔVst=Vst2−Vst1)を開路電圧の差分(ΔVo=Vo2−Vo1)で除算した劣化状態判定係数(α=ΔVst/ΔVo)を算出し、
    前記算出した劣化状態判定係数(α)が一定値以上で、かつ、前記測定した異なる2つの時刻における開路電圧(Vo1、Vo2)が一定の電圧値以上の場合に、前記鉛蓄電池が劣化していると判定する、
    ステップを含む劣化状態判定方法。
  2. 前記一定の電圧値が12.5V以上であることを特徴とする請求項1に記載の劣化判定方法。
  3. 前記一定値が2.0以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の劣化判定方法。
  4. 開路電圧(Vo)とエンジン始動電圧(Vst)とから鉛蓄電池の劣化を判定する劣化判定装置において、
    異なる2つの時刻における前記鉛蓄電池の開路電圧(Vo1、Vo2)と、前記異なる2つの時刻のそれぞれ後の最初のエンジン始動時のエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とを測定する電圧測定手段と、
    前記電圧測定手段により測定された開路電圧(Vo1、Vo2)とエンジン始動電圧(Vst1、Vst2)とから、エンジン始動電圧の差分(ΔVst=Vst2−Vst1)を開路電圧の差分(ΔVo=Vo2−Vo1)で除算した劣化状態判定係数(α=ΔVst/ΔVo)を算出する劣化係数算出手段と、
    前記劣化係数算出手段により算出された劣化状態判定係数(α)が一定値以上で、かつ、前記電圧測定手段により測定された異なる2つの時刻における開路電圧(Vo1、Vo2)が一定の電圧値以上の場合に、前記鉛蓄電池が劣化していると判定する劣化判定手段と、
    を備えた劣化判定装置。
  5. 前記一定の電圧値が12.5V以上であることを特徴とする請求項4に記載の劣化判定装置。
  6. 前記一定値が2.0以上であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の劣化判定装置。
  7. 少なくとも、前記異なる2つの時刻のうち先の時刻において前記電圧測定手段で測定された開路電圧(Vo1)及び前記先の時刻後の最初のエンジン始動時のエンジン始動電圧(Vst1)を記憶する不揮発性メモリを更に備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の劣化度判定装置。
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